JP2004110658A - 構造設計支援システムおよび構造設計データベース作成方法 - Google Patents
構造設計支援システムおよび構造設計データベース作成方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】建物モデルの基本データとして少なくとも建物概要、建物形状、材料仕様および部材情報を格納するデータベース20と、データベースに格納された基本データと所定の入力データとを用いて伏図を作成する2次元CADと、2次元CADによって作成された伏図のCADデータから標準図形を抽出して、当該標準図形の配置データを所定のデータ形式でデータベースに格納する図形配置データ格納手段と、2次元CADによって作成された伏図のCADデータから標準図形以外の特殊図形を抽出して、当該特殊図形の情報を外部に出力する外部情報出力手段とを備える。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築の構造設計に用いて好適な構造設計支援システムおよび構造設計データベース作成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、建築の構造設計で扱う建物データを積算や施工などの他の業務システムに利用することによって、各業務システムにおける入力作業を軽減する試みがなされている。
例えば、特許文献1に開示される構造設計情報の利用システムにおいては、入力時に、建物の一般情報、材料に関する情報および部材断面情報を特定形式のファイルとして、一方、建物形状、部材の配置に関する情報をCAD(Computer Aided Design)の3次元モデルとして保管するデータベースを備えるとともに、外部システムとの連携時に、上記データベースにCADデータとして保管されている情報を上記特定形式のファイルに一括変換するCADを備えることで、構造設計情報を一元化し、これによって、設計業務の効率化を図るとともに、他の業務システム(例えば、積算では、躯体積算プログラム、施工では、施工図CAD、鉄骨CAD、鉄筋CADなど)との連携を容易なものとして、各業務システムにおける入力作業を軽減するようにしている。
【0003】
さらに、上記システムにおいては、CADで図面を作成した場合に、当該図面情報が文字データとして躯体データベースに自動的に収納され、この躯体データベース内のデータが変更された場合には、その変更が各図面に自動的に反映されるようになっている。このため、上記システムによれば、躯体データベースを介して、構造設計の各種図面間の整合や構造計算との整合を自動的に取ることができ、これによって、設計業務自体の効率化を図れるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特許第3094211号公報(第3−4頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のシステムにおいては、CADで作成した図面の一部に変更があった場合に、その変更内容がすべて躯体データベースや他の図面に自動的に反映されるようになっており、しかもCADデータが3次元モデルとしてデータベースに格納されていることから、当該システムを構成するプログラムが必然的に複雑化して、当該システムの開発に多大なコストがかかるという問題点があった。
【0006】
また、CADの図面上に描画される図形には、システム内に形状や属性情報が予め定義されている図形(標準図形)と、CADの基本メニューを利用して利用者により新たに作成される図形(特殊図形)とが混在することから、例えば、後者の特殊図形を作成する場合には、当該特殊図形の情報を躯体データベースや他の図面に反映させるために、利用者による種々の手続き(例えば、属性情報の入力など)が必要となり、その手続きに大変な手間と時間を要するという問題点があった。
そのため、上記従来のシステムにおいては、如何なる設計図面であっても図面の作成効率が向上するという訳ではなく、上記特殊図形が設計図面に多く含まれる場合には、却って業務効率が低下する虞さえもあった。これに対処すべく、例えば、上記標準図形の適用範囲を拡大することも考えられるが、その場合には、当該システムを構成するプログラムがさらに複雑化してしまう。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、簡素なシステム構成により低コストで、構造設計業務の効率化を実現することができ、しかも構造設計で扱う建物データを積算や施工などの他の業務システムに好適に用いることができる構造設計支援システムおよび構造設計データベース作成方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係る構造設計支援システムは、建物モデルの基本データとして、少なくとも建物概要、建物形状、材料仕様および部材情報を格納するデータベースと、上記データベースに格納された基本データと所定の入力データとを用いて、伏図を作成する2次元CADと、上記2次元CADによって作成された伏図のCADデータから、所要の属性情報が設定された標準図形を抽出して、当該標準図形の配置データを所定のデータ形式で上記データベースに格納する図形配置データ格納手段と、上記2次元CADによって作成された伏図のCADデータから、上記標準図形以外の特殊図形を抽出して、当該特殊図形の情報を外部に出力する外部情報出力手段とを備えることを特徴とするものである。
【0009】
請求項6に記載の本発明に係る構造設計データベース作成方法は、建物モデルの基本データとして、少なくとも建物概要、建物形状、材料仕様および部材情報をデータベースに格納する基本データ入力ステップと、この基本データ入力ステップで上記データベースに格納された基本データと所定の入力データとを用いて、2次元CADにより伏図を作成する伏図作成ステップと、この伏図作成ステップで作成された伏図のCADデータから、所要の属性情報が設定された標準図形を抽出して、当該標準図形の配置データを所定のデータ形式で上記データベースに格納するCADデータ抽出ステップとを備えることを特徴とするものである。
【0010】
ここで、建物概要には、例えば、工事名称、構造形式、建築主、建築場所、用途、規模、建築面積、延面積、増築予定などが含まれる。また、建物形状には、例えば、通り心数、基準通り心、基準スパン、塔屋階数、地上階数、地下階数、基準高さなどが含まれる。また、材料仕様には、コンクリート材料、鉄筋材料、鉄骨材料などの仕様が含まれる。
部材には、例えば、柱、大梁、小梁、スラブ、面内壁(主架構上の壁)、一般壁(面内壁以外の壁)、壁開口、基礎、基礎スラブ(耐圧版)、杭などが含まれる。部材情報(断面情報)には、例えば、各方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)の寸法、当該部材の構成要素(鉄筋など)の配置や仕様などが含まれる。
【0011】
所定の入力データには、利用者の入力操作によって入力される入力データが含まれる他、関連システムより得られる入力データ(例えば、一貫構造計算プログラムにより決定した確定断面のデータ、意匠図の図形データ)なども含まれる。伏図には、見上げ方向の伏図と見下げ方向の伏図が存在するが、ここでは、より詳細な情報(例えば、梁に関する情報など)が含まれる見上げ方向の伏図を用いることが望ましい。
標準図形とは、システム内に所要の属性情報(例えば、部材の種別や構造形式、詳細仕様など)が予め定義されている図形のことを云う。この標準図形の配置データには、当該図形に対応する部材が存在する階と通り心を識別するデータや、部材の位置を特定する各点の座標データなどが含まれるが、それらデータに、当該図形に対応する部材と接合関係にある部材を特定するデータを付加するようにしてもよい。
【0012】
所定のデータ形式としては、例えば、スプレッドシートのデータ形式などが挙げられる。例えば、汎用のスプレッドシートのデータ形式で標準図形の配置データをデータベースに格納するようにすれば、当該配置データや建物モデルの基本データを積算や施工などの他の業務システム(例えば、積算システム、鉄骨CAD、躯体図CAD、鉄筋CADなど)で容易に利用できるようになり、各システムにおける入力の手間を軽減することができる。スプレッドシートのフィールド項目としては、例えば、部材のID(識別番号)、階、通り心、種別、構造形式、始点・終点位置(絶対座標、取り合う部材に対する相対座標)、寄り寸法などの項目が挙げられる。
特殊図形が用いられる部材としては、例えば、意匠により部材形状が決まることが多く規格化が難しい部材(例えば、階段、バルコニー等)や、基本形状以外の断面形状を有する部材などが挙げられる。また、特殊図形の情報を出力する方法としては、例えば、特殊図形の情報を外部出力ファイルとして出力する方法や、特殊図形のみを図面出力する方法、特殊図形の情報(例えば、名称やメモなど)を一覧表示して出力する方法などが挙げられる。
【0013】
請求項1または6に記載の発明によれば、2次元CADで伏図を完成させた後に当該伏図のCADデータに基づいてデータベースを構築するようにしたので、伏図の作成からデータベースの構築までの処理が一貫した処理となり、特別な処理を行わなくとも、伏図の描画情報とデータベース内の各種データ(建物モデルの基本データおよび標準図形の配置データ)との整合性を自動的に確保することができる。すなわち、2次元CADを利用した簡素なシステム構成で、伏図の描画情報とデータベース内の各種データとの整合性を自動的に保つことができ、3次元CADを利用した従来のシステムと比べて、システムの開発やメンテナンスに要するコストを大幅に低減することができる。
【0014】
また、利用者がデータベースを意識せずに図面の作成のみに専念することができるようになり、そのうえ特殊図形の情報をデータベースや他の図面に反映させるための種々の手続き(例えば、属性情報の設定など)も不要となるので、構造設計業務自体の効率化を図ることもできる。
また、3次元CADと比べて扱いが容易な2次元CADによって図面を作成するようにしたので、誰でも比較的容易に当該システムを使いこなすことができる。また、2次元CADで伏図を作成するようにしたので、特定レイヤを抽出したり、他のシステムから図面のデータを取り込んだりするのも容易となる。
【0015】
さらに、請求項1に記載の発明においては、2次元CADによって作成された伏図のCADデータから、標準図形以外の特殊図形を抽出して、当該特殊図形の情報を外部に出力するようにしたので、データベースに配置データが格納されている標準図形と、配置データが格納されていない特殊図形とを明確に区別することができ、データベースに格納されている建物データを積算や施工などの他の業務システムに利用するにあたって、データの範囲を容易に把握することができる。したがって、データベースに格納されている建物データを適切に利用することができる。また、上述したように、伏図の描画情報とデータベース内の建物データとの整合性が自動的に保たれるので、他の業務システムでデータベース内の建物データを利用するに際して、データのチェック作業を省略することもできる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構造設計支援システムにおいて、上記データベースに格納された上記基本データおよび上記標準図形の配置データに基づいて、軸組図、鉄筋詳細図、柱心関係図、アンカープランおよび鉄骨詳細図の中の少なくとも何れか一つを作成する図面自動作成手段を備えることを特徴とするものである。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、データベースに格納された基本データおよび標準図形の配置データに基づいて、軸組図、鉄筋詳細図、柱心関係図、アンカープランおよび鉄骨詳細図等の図面を容易に作成することができる。
また、図面自動作成手段によって作成した各種図面と、伏図の描画情報との整合を自動的に取ることができ、図面を修正したときの手戻りをなくすことができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の構造設計支援システムにおいて、上記標準図形の配置データには、当該図形に対応する部材と接合関係にある部材を特定するデータが上記所要の属性情報として含まれていることを特徴とするものである。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、標準図形の配置データには、当該図形に対応する部材と接合関係にある部材を特定するデータが所要の属性情報として含まれているので、各部材の数量情報だけでなく、それら部材を接合あるいは分解するプロセスに関わる情報を容易に取得することができ、これによって、例えば建築積算業務においては、設計部門で作成したCADデータに基づいて積算項目の拾い出しからその数量の算出、見積書作成までを自動化することが可能になる。
なお、部材を接合あるいは分解するプロセスに関わる情報には、例えば、部材を接合・分解する際に必要なコストや時間、部材の接合情報などが含まれる。部材の接合情報としては、ボルト接合(方法、本数)、鉄筋の定着(方法と長さ)、溶接(種類、のど厚、溶接長)に関する情報などが挙げられる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の構造設計支援システムにおいて、上記2次元CADは、上記所定の入力データとして、上記伏図以外の図面上に描画されたオブジェクトを取り込んで、当該オブジェクトを上記伏図の作成に利用可能となっており、当該オブジェクトを上記伏図の作成に利用する場合において、当該オブジェクトに対して上記所要の属性情報を設定可能となっていることを特徴とするものである。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、伏図以外の図面上に描画されたオブジェクトを取り込んで、当該オブジェクトを伏図の作成に利用する場合において、当該オブジェクトに対して所要の属性情報を設定可能となっているので、当該オブジェクトを標準図形として扱うことができ、その結果、特殊図形を減らして設計図面の作成効率を高めることができる。
【0022】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の構造設計支援システムにおいて、上記2次元CADは、上記標準図形に設定された属性情報を維持した状態で当該標準図形の形状を修正する機能を有することを特徴とするものである。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、標準図形に設定された属性情報を維持した状態で当該標準図形の形状を修正する機能を2次元CADに持たせるようにしたので、僅かなシステム変更のみで、標準図形の適用範囲を大幅に拡大することが可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る構造設計支援システムの一実施形態を示す概略構成図である。
この構造設計支援システム10は、2次元CADや各種データベースを包含するシステムであって、CPU11、RAM12、表示装置13、入力装置14、印刷装置15、記憶装置16等により構成され、各部はバス17により接続されている。
【0025】
CPU(Central Processing Unit )11は、記憶装置16の記憶領域に格納されている各種処理プログラム、入力装置14から入力される各種指示、あるいは指示に対応する各種データ等をRAM12に格納し、それら入力指示および各種データに応じてRAM12に格納した各種処理プログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果をRAM12に一時的に記憶するとともに、表示装置13等に出力する。
【0026】
なお、上記2次元CADは、記憶装置16の記憶領域に格納されているCADプログラムを上記CPU11が実行することにより起動されるようになっている。すなわち、CPU11は、2次元CADの制御手段としても機能し、記憶装置16内のデータベース20(図2)に格納された基本データ(例えば、建物概要、建物形状、材料仕様、部材情報など)と所定の入力データ(入力装置14から入力された入力データ、意匠図などの他図面から抽出した図形のデータ、一貫構造計算プログラムにより決定した確定断面のデータなど)とを用いて、伏図を作成する処理を実行する。
【0027】
このCPU11は、本発明に係る図形配置データ格納手段および外部情報出力手段を構成しており、入力装置14からの指示入力に基づいて、上記2次元CADで作成した伏図のCADデータから、所要の属性情報(例えば、部材の種別や構造形式、詳細仕様など)が設定された標準図形を抽出して、当該標準図形の配置データを所定のデータ形式で記憶装置16内のデータベース20に格納するとともに、上記伏図のCADデータから、上記標準図形以外の特殊図形を抽出して、当該特殊図形の情報を外部に出力する処理を実行する。
また、CPU11は、本発明に係る図面自動作成手段を構成しており、データベース20に格納されている建物データに基づいて、各種図面(軸組図、鉄筋詳細図、柱心関係図、アンカープランおよび鉄骨詳細図など)を自動的に作成する処理を実行する。
【0028】
RAM(Random Access Memory)12は、CPU11により実行される各種処理プログラムや、その処理に係るデータを一時的に記憶する記憶領域などを備えている。
表示装置13は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU11から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。入力装置14は、キーボードやポインティングデバイス等により構成され、入力指示信号をCPU11に対して出力する。印刷装置15は、プリンタやプロッタ等により構成され、CPU11から入力される印刷データに基づいて図面や文書等を所定の用紙に印刷して出力する。
【0029】
記憶装置16は、プログラムやデータ等が記憶される記憶媒体16aを有し、この記憶媒体16aは磁気的、光学的記録媒体、若しくは半導体メモリで構成されている。この記憶媒体16aは記憶装置16に固定的に設けたもの、若しくは着脱自在に装着するものであり、CPU11により実行される各種処理プログラム(CADプログラムや、後述の構造設計データベース作成処理を実行するためのプログラムを含む。)や制御データ等を記憶する記憶領域、データベース20(図2)を格納する記憶領域などを備えている。
【0030】
データベース20は、建物モデルの基本データや、CADデータから抽出した標準図形の配置データ等を格納するためのデータベースである。それらデータは、汎用のスプレッドシートのデータ形式で上記データベース20に格納されている。上記建物モデルの基本データには、建物概要(例えば、工事名称、構造形式、建築主、建築場所、用途、規模、建築面積、延面積、増築予定など)、建物形状(例えば、通り心数、基準通り心、基準スパン、塔屋階数、地上階数、地下階数、基準高さなど)、材料仕様(例えば、コンクリート材料、鉄筋材料、鉄骨材料などの仕様)および部材情報(部材の寸法、構造形式、細部構造など)が含まれる。一方、標準図形の配置データには、標準図形に対応する部材が存在する階と通り心を識別するデータや、部材の位置を特定する各点の座標データなどが含まれる。なお、この配置データにあっては、標準図形に対応する部材が存在する階と通り心を識別するデータに基づいて、当該部材と接合関係にある部材を特定することが可能であるが、標準図形の配置データに、当該図形に対応する部材と接合関係にある部材のID(識別番号)を属性情報として含ませるようにしてもよい。
【0031】
次に、上記構成からなる構造設計支援システム10によって実行される構造設計データベース作成処理について、図2のデータフローダイアグラムに基づいて説明する。
この構造設計データベース作成処理は、基本データ入力ステップ、伏図作成ステップおよびCADデータ抽出ステップからなり、各々の処理ステップは、入力装置14からの指示入力に基づいてそれぞれ開始される。
【0032】
1.基本データ入力ステップ
この基本データ入力ステップでは、建物モデルの基本データとして、建物概要、建物形状、材料仕様および部材情報をデータベース20に格納する処理が行われる。この基本データ入力ステップは、図2のデータフローダイアグラムのステップS1〜S4に対応しており、ステップS1では、例えば、図3に示すようなダイアログ画面が表示装置13に表示され、このダイアログ画面に従って、入力装置14より対話形式で各項目の設定入力が行われるようになっている。
図3は、建物概要を設定入力するときのダイアログ画面を示しており、図4は、建物形状を設定入力するときのダイアログ画面を示している。この図4のダイアログ画面に設けられた「通り心詳細設定」ボタンを選択操作すると、図5に示すようなダイアログ画面が表示されて、X軸およびY軸通り心の各スパンを設定入力可能な状態となる。
【0033】
また、図4のダイアログ画面に設けられた「階詳細設定」ボタンを選択操作すると、各階の詳細情報を設定するダイアログ画面が表示され、各階の階高や倣い階を設定入力可能な状態となる。そして、図3や図4のダイアログ画面に設けられた「OK」ボタンを選択操作すると、当該ダイアログ画面で設定入力した内容が記憶装置16内のデータベース20に格納されるとともに、図6に示すような作業選択画面が表示される。そして、この作業選択画面の「材料」ボタンを押圧操作すると、ファイル読込画面が表示されて、材料仕様のデータを格納したファイルを読込可能な状態となる。ここでは、例えば、鉄筋材料リストや、コンクリート材料リスト、鉄骨材料リストなどが読み込まれ、これらファイルは記憶装置16内のデータベース20に格納されるようになっている。
【0034】
また、図7(a)に示すように、作業選択画面の「部材リスト」ボタンを押圧操作すると、図7(b)に示すような部材リスト入力画面が表示され、この部材リスト入力画面において、入力装置14の操作により入力欄の何れかを指定して、部材情報入力コマンドを実行すると、各部材の部材情報を設定するダイアログ画面が表示される。図7(b)の右半部には、柱の部材情報を設定入力するときのダイアログ画面が表示されており、このダイアログ画面に従って、部材の断面に関する情報(部材寸法、鉄筋の本数、配置、仕様など)の入力が行われるようになっている。そして、部材リストの作図が完了した後、入力装置14を操作して、部材リストの保存コマンドを実行すると、部材リストに記載された各部材の部材情報が記憶装置16内のデータベース20に格納される(ステップS2)。また、入力装置14を操作して、部材リストの修正コマンドを実行すれば、データベース20に格納された部材情報を読み込んで、これに修正を加えることができる(ステップS3)。
【0035】
なお、上記部材情報の入力は、図7(b)に示すようなCAD入力画面において、構造計算の結果を参照しながら利用者が入力装置14を操作して行うことも可能であるが、例えば、図8(a)および図8(b)に示すように、一貫構造計算プログラムにより決定した確定断面のデータ(例えば、図8(c)に示すような柱断面・配筋リストなど)をファイルとして読み込んで、これを部材情報として記憶装置16内のデータベース20に直接格納することも可能である(ステップS4)。
【0036】
2.伏図作成ステップ
この伏図作成ステップでは、記憶装置16内のデータベース20に格納された建物モデルの基本データと所定の入力データとを用いて、2次元CADにより伏図(ここでは見上げ方向の伏図)を作成する処理が行われる。この伏図作成ステップは、図2のデータフローダイアグラムのステップS5〜S12に対応しており、ステップS5は、作業選択画面(図6)の「伏図入力」ボタンを押圧操作することにより開始される。このステップS5が開始されると、伏図入力画面が表示装置13に表示されるとともに、記憶装置16内のデータベース20に格納された建物モデルの基本データ(建物形状、部材情報)が読み込まれてRAM12内の記憶領域に展開される。
【0037】
そして、上記伏図入力画面において階を選択した状態で、「通り心設定」ボタンを選択操作すると、図9に示すようなダイアログ画面が表示され、このダイアログ画面の「作成」ボタンを選択操作すると、データベース20より取得した建物モデルの基本データに基づいて、図10に示すように、伏図入力画面の作図領域に通り心が描画される(ステップS6)。
【0038】
その後、図10の伏図入力画面において、「柱配置」、「壁配置」、「大梁配置」、「床小梁配置」、「開口配置」、「スラブ配置」の何れかのボタンを選択操作すると、選択した部材の配置を設定するためのダイアログ画面が表示されて、ステップS7の処理が開始される。例えば、「柱配置」のボタンを選択操作すると、図11に示すようなダイアログ画面が表示される。このダイアログ画面では、部材リストの符号、押え位置、寄り寸法、回転などの設定に加えて、図形の配置方法(点指定、範囲指定、オブジェクト指定)の選択が行えるようになっている。
【0039】
例えば、図形の配置方法として「点指定」を選択した場合には、図12(a)に示すように、マウス等の入力装置14を用いて、伏図入力画面の作図領域に描画された通り心の交点を選択することにより、図12(b)に示すように、その選択した交点の位置に、ダイアログ画面で設定された柱に対応する標準図形(オブジェクト)が描画される。一方、図形の配置方法として「範囲指定」を選択した場合には、図12(c)に示すように、入力装置14を用いて、複数の通り心の交点を選択することにより、図12(d)に示すように、その選択した各交点の位置に、ダイアログ画面で設定された柱に対応する標準図形がそれぞれ描画される。
【0040】
また、「大梁配置」のボタンを選択操作すると、図13に示すようなダイアログ画面が表示される。このダイアログ画面では、部材リストの符号、押え位置、寄り寸法などの設定だけでなく、伏図では表現できない高さ情報(レベル)の設定も行えるようになっている。このダイアログ画面における各設定が完了した後、図14(a)に示すように、複数の通り心の交点を選択すると、図14(b)に示すように、ダイアログ画面で設定された大梁に対応する標準図形が、他の図形との取り合いに応じた状態で、選択した各交点間に亘って描画される。
【0041】
また、伏図入力画面において、図15(a)に示すように、伏図上の標準図形の何れかを選択した状態で、入力装置14を操作して、部材の修正コマンドを実行すると、図15(b)に示すようなダイアログ画面が表示され、選択した標準図形に対応する部材の設定変更が可能な状態となる(ステップS8)。例えば、図15(b)のダイアログ画面において、部材の符号を「C1」から「C2」に変更して、「OK」ボタンを押圧操作すると、図15(c)に示すように、選択した伏図上の標準図形が「C1」から「C2」に変更される。
【0042】
また、伏図入力画面において、伏図上の標準図形を選択した状態で、入力装置14を操作して、標準図形の形状修正コマンドを実行すると、選択した標準図形の形状を修正可能な状態となる。この状態で、CADの基本メニューを利用して、所望形状の図形を作図した後、「修正完了」のボタンを押圧操作すると、選択した伏図上の標準図形が、作図した上記所望形状の図形に置換される(ステップS9)。その際に、元の標準図形の属性情報が修正後の図形に引き継がれることとなるので、修正後の図形も標準図形として扱われる。
【0043】
また、図16に示すように、伏図入力画面の「意匠レイヤコピー」のボタンを押圧操作すると、意匠レイヤを取り込むためのダイアログ画面が表示され、このダイアログ画面において、所望の意匠レイヤを選択操作すると、図17に示すように、選択した意匠レイヤと伏図とが互いに重なり合う状態で、伏図入力画面の作図領域に描画される(ステップS10)。
その後、例えば、伏図入力画面の「意匠壁変換」のボタンを押圧操作して、図18(a)に示すように、意匠レイヤの壁躯体線(オブジェクト)を選択すると、選択したオブジェクトが、システム内に登録されている壁(標準図形)の断面形状の何れかに一致するか否かの判定が行われ、この判定の結果、ほぼ一致するものが存在する場合には、図18(c)の上部に示すようなダイアログ画面が表示され、このダイアログ画面において、断面形状のほぼ一致する単数または複数の標準図形が選択候補として表示されるとともに、上記選択したオブジェクトの描画位置に基づいて当該オブジェクトの配置データが表示される。入力装置14を操作して、図18(b)に示すように、図形の選択や各入力項目の設定を行った後、「OK」ボタンを押圧操作すると、図18(c)に示すように、上記選択したオブジェクトに属性情報が付加されて当該オブジェクトが標準図形として登録される。
【0044】
また、伏図入力画面において、伏図上の所定位置を選択した状態で、CADの基本メニューにある作図コマンドを実行すると、CADシステム内に属性情報や形状が定義されていない特殊図形(例えば、階段、バルコニー等)の作成が可能な状態となる。この状態で、所望形状の図形を作図した後、「作図完了」のボタンを押圧操作すると、選択した位置に、作図した上記所望形状の図形が描画される(ステップS11)。また、特殊図形を選択した状態で、入力装置14を操作して、属性設定コマンドを実行すれば、特殊図形に対しても名称やメモ等の簡易属性を付加することができる(ステップS12)。なお、作図コマンドを実行することで、上記と同様の手順で、伏図上の所定位置に寸法やレベル、注記等を記載したり、ハッチングを施したりすることもできる。
【0045】
3.CADデータ抽出ステップ
このCADデータ抽出ステップでは、上記伏図作成ステップで作成した伏図のCADデータから、所要の属性情報が設定された標準図形を抽出して、当該標準図形の配置データを汎用スプレッドシートのデータ形式で、記憶装置16内のデータベース20に格納する処理が行われる(ステップS13)。この処理は、作図選択画面(図6)に設けられた「配置情報出力」ボタンを押圧操作することにより開始される。
【0046】
標準図形の配置データには、部材テーブル、点テーブル、節点テーブルが含まれ、これらテーブルは、伏図のCADデータから抽出した標準図形の属性情報と図面上の幾何学的な位置情報に基づいて自動的に作成される。
部材テーブルは、各標準図形に対応する部材毎に作成されるテーブルであり、このテーブルには、例えば、図19(a)に示すように、部材のID(識別番号)、階名、部材の符号、種別、構造種別、始点ID、終点ID、押え位置、寄り寸法、レベルなどの情報が含まれている。
【0047】
点テーブルは、上記部材テーブル中の始点IDおよび終点IDの位置情報を定義したテーブルであり、このテーブルには、例えば、図19(b)に示すように、点ID、絶対座標(X座標、Y座標、Z座標)、相対座標の基準となる構成要素(対象1、対象2、対象3)のID、各構成要素からの距離(対象1の相対距離、対象2の相対距離、対象3の相対距離)などの情報が含まれている。相対座標の基準となる構成要素は、図19(c)に示すように、点の種別(始点または終点)や部材の種類如何によって異なるようになっている。例えば、柱の終点の場合には、図20(a)に示すように、対象1にX通り心、対象2にY通り心、対象3に柱頭階が選択されて、各対象から柱終点までの距離が各対象の相対距離として点テーブルに格納されるようになっている。また、大梁の始点の場合には、図20(b)に示すように、対象1に所属通り心、対象2に始端通り心、対象3に階が選択される一方、大梁の終点の場合には、対象1に所属通り心、対象2に終端通り心、対象3に階が選択されて、各対象から大梁始点または終点までの距離が各対象の相対距離として点テーブルに格納されるようになっている。
【0048】
この点テーブルと部材テーブルを参照することにより、各標準図形に対応する部材がどこに配置されているのかを容易に把握することができるとともに、接合関係にある部材の組合せを容易に抽出することができる。接合関係にある部材の組合せは、部材相互の接合関係データとして、後述の積算システム等で用いられる。
【0049】
節点テーブルは、各階のX・Y通り心の交点を節点として、この節点と主架構に配置される各部材(柱、大梁、面内壁、床組等)との関係を示すテーブルである。このテーブルには、各節点の位置データ(節点のID、絶対座標、X通り心ID、Y通り心ID、階IDなど)と、各節点の各方向に配置される部材のID(節点リンク)等の情報が含まれている。この節点テーブルを参照することで、各節点にどの部材が配置されているのかを容易に把握することができるとともに、各節点で取り合う部材の組合せを容易に抽出することができる。
【0050】
上記CADデータ抽出ステップが完了したら、この処理ステップに続いて、軸組図・鉄筋詳細図の作成処理(図2のデータフローダイアグラムのステップS14)、積算データの出力処理(ステップS15)、梁床レイヤ出力処理(ステップS16)、特殊図形の外部出力処理(ステップS17)、建物データ出力処理(ステップS18)などが行われる。
【0051】
軸組図・鉄筋詳細図の作成処理は、上記構造設計データベース作成処理で作成したデータベース20から建物モデルの基本データや標準図形の配置データを抽出して、この抽出したデータに基づいて、軸組図および鉄筋詳細図を自動的に作成する処理である。この処理は、入力装置14を操作して、2次元CAD内の軸組図作成コマンド、鉄筋詳細図作成コマンドを実行することによって行われる。この処理の終了後には、CADの基本メニューを利用して、各々の図面に対して加筆修正を行うことも可能である。この場合、修正内容はデータベース20には反映されずに、修正した図面のCADデータとして記憶装置16内の所定記憶領域に格納される。
【0052】
積算データの出力処理は、データベース20内の建物モデルの基本データおよび標準図形の配置データから、積算対象となる部材のデータと部材相互の接合関係データとを抽出して、この抽出したデータを積算システムに出力する処理である。積算システムは、図2に示すように、マッチングプログラム、積算ソフトシャトル等からなり、マッチングプログラムでは、部材相互の接合関係データに対応する建築プロセス情報を建築プロセス情報データベース(図示省略)より取得して、これを積算ソフトシャトルに出力する処理を行う。建築プロセス情報とは、各部材の接合・分離プロセスにおいて必要な資源や副産物に関する情報であって、この情報には、例えば、接合材(ボルト、鉄筋の定着、溶接など)や接合作業(コスト、時間など)に関する情報等が含まれる。一方、積算ソフトシャトルにおいては、データベース20から抽出した部材データと、マッチングプログラムより出力された上記建築プロセス情報とを用いて、積算対象となるすべての要素(図面に記載されていない要素を含む。)の集計を行い、この集計結果と各々の単価を乗算し、それら演算結果を累計することによって、建築工事の費用を積算する処理を行う。
【0053】
梁床レイヤ出力処理は、上記伏図作成ステップで作成した伏図のCADデータから梁床レイヤを抽出して、これを施工図レス設計システムに出力する処理である。施工図レス設計システムでは、上記梁床レイヤ等の図面データと予めデータベース等に蓄えておいた標準的な施工対象物に関連する標準テンプレートおよび各建築物の設計内容を詳細に確定するために必要な施工条件を用いて、確定度の高い実施設計図を作成し、最終的に当該実施設計図を重ね図によってチェックした後に、施工部門へと発行する処理が行われる。
【0054】
特殊図形の外部出力処理においては、標準図形と同一レイヤの部材(例えば、柱など)を特殊図形で描いた場合でも、上記伏図作成ステップで作成した伏図のCADデータから特殊図形を抽出して、当該特殊図形の情報を外部に出力する処理が行われる。ここでは、標準図形の表示をON/OFFすることによって、特殊図形のみを表示装置13に表示する方法や、特殊図形のみを描画した図面や特殊図形に付加された簡易属性情報(例えば、名称やメモなど)の一覧を印刷装置15より出力する方法などが採られる。
建物データ出力処理は、データベース20内の建物モデルの基本データおよび標準図形の配置データを他の業務システムに出力する処理である。例えば、鉄骨CAD、躯体図CAD、鉄筋CADなどのシステムでは、建物モデルの基本データおよび標準図形の配置データを取り込み、これらデータを用いて各々に対応する図面を作成する処理を行う。
【0055】
以上のように、本実施形態によれば、2次元CADで伏図を完成させた後に当該伏図のCADデータに基づいてデータベース20を構築するようにしたので、伏図の作成からデータベース20の構築までの処理が一貫した処理となり、特別な処理を行わなくとも、伏図の描画情報とデータベース20内の各種データ(建物モデルの基本データおよび標準図形の配置データ)との整合性を自動的に確保することができる。すなわち、2次元CADを利用した簡素なシステム構成で、伏図の描画情報とデータベース20内の各種データとの整合性を自動的に保つことができ、3次元CADを利用した従来のシステムと比べて、システムの開発やメンテナンスに要するコストを大幅に低減することができる。
【0056】
また、利用者がデータベース20を意識せずに図面の作成のみに専念することができるようになり、そのうえ特殊図形の情報をデータベース20や他の図面に反映させるための種々の手続き(例えば、属性情報の設定など)も不要となるので、構造設計業務自体の効率化を図ることができる。
また、3次元CADと比べて扱いが容易な2次元CADによって図面を作成するようにしたので、誰でも比較的容易に当該システムを使いこなすことができる。また、2次元CADで伏図を作成するようにしたので、特定レイヤを抽出したり、他のシステムから図面のデータを取り込んだりするのも容易となる。
【0057】
さらに、2次元CADによって作成された伏図のCADデータから、標準図形以外の特殊図形を抽出して、当該特殊図形の情報を外部に出力するようにしたので、データベース20に配置データが格納されている標準図形と、配置データが格納されていない特殊図形とを明確に区別することができ、データベース20に格納されている建物データを積算や施工などの他の業務システムに利用するにあたって、データの範囲を容易に把握することができる。したがって、データベース20に格納されている建物データを適切に利用することができる。また、上述したように、伏図の描画情報とデータベース20内の建物データとの整合性が自動的に保たれるので、他の業務システムでデータベース20内の建物データを利用するに際して、データのチェック作業を省略することもできる。
【0058】
また、軸組図、鉄筋詳細図、柱心関係図、アンカープランおよび鉄骨詳細図の描画情報と、伏図の描画情報との整合を自動的に取ることができ、それぞれの図面を修正したときの手戻りをなくすことができる。
さらに、伏図以外の図面上に描画されたオブジェクトを取り込んで、当該オブジェクトを伏図の作成に利用する場合において、当該オブジェクトに対して所要の属性情報を設定可能となっているので、当該オブジェクトを標準図形として扱うことができ、その結果、特殊図形を減らして設計図面の作成効率を高めることができる。
また、標準図形に設定された属性情報を維持した状態で当該標準図形の形状を修正する機能を2次元CADに持たせるようにしたので、僅かなシステム変更のみで、標準図形の適用範囲を大幅に拡大することが可能になる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1または6に記載の発明によれば、2次元CADを利用した簡素なシステム構成で、伏図の描画情報とデータベース内の各種データとの整合性を自動的に保つことができ、3次元CADを利用した従来のシステムと比べて、システムの開発やメンテナンスに要するコストを大幅に低減することができる。また、利用者がデータベースを意識せずに図面の作成のみに専念できるようになって、構造設計業務自体の効率化を図ることができる。
【0060】
さらに、請求項1に記載の発明によれば、データベースに格納されている建物データを積算や施工などの他の業務システムに利用するにあたって、データの外延が明瞭となり、データベースに格納されている建物データを適切に利用することができる。また、上述したように、伏図の描画情報とデータベース内の建物データとの整合性が自動的に保たれるので、他の業務システムでデータベース内の建物データを利用するに際して、データのチェック作業を省略することもできる。
【0061】
請求項2に記載の発明によれば、データベースに格納された基本データおよび標準図形の配置データに基づいて、軸組図、鉄筋詳細図、柱心関係図、アンカープランおよび鉄骨詳細図等の図面を容易に作成することができる。
また、図面自動作成手段によって作成した各種図面と、伏図の描画情報との整合を自動的に取ることができ、図面を修正したときの手戻りをなくすことができる。
【0062】
請求項3に記載の発明によれば、各部材の数量情報だけでなく、それら部材を接合あるいは分解するプロセスに関わる情報を容易に取得することができ、これによって、例えば建築積算業務においては、設計部門で作成したCADデータに基づいて積算項目の拾い出しからその数量の算出、見積書作成までを自動化することが可能になる。
【0063】
請求項4に記載の発明によれば、伏図以外の図面上に描画されたオブジェクトを取り込んで、当該オブジェクトを伏図の作成に利用する場合において、当該オブジェクトを標準図形として扱うことができ、その結果、特殊図形を減らして設計図面の作成効率を高めることができる。
請求項5に記載の発明によれば、僅かなシステム変更のみで、標準図形の適用範囲を大幅に拡大することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る構造設計支援システムの一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の構造設計支援システムによって実行される構造設計データベース作成処理のデータフローダイアグラムである。
【図3】建物概要を設定するときの表示画面の一例を示す図である。
【図4】建物形状を設定するときの表示画面の一例を示す図である。
【図5】通り心の詳細設定を行うときの表示画面の一例を示す図である。
【図6】作業選択画面の一例を示す図である。
【図7】部材情報の入力手順を説明する図である。
【図8】部材リストを読み込む際の操作手順を説明する図である。
【図9】通り心の設定を行うときの表示画面の一例を示す図である。
【図10】伏図入力画面上に通り心が描画されたときの表示画面の一例を示す図である。
【図11】柱配置の設定を行うときの表示画面の一例を示す図である。
【図12】伏図入力画面上に柱を配置する手順を説明する図である。
【図13】梁配置の設定を行うときの表示画面の一例を示す図である。
【図14】伏図入力画面上に大梁を配置する手順を説明する図である。
【図15】伏図入力画面上に描画された標準図形の設定内容を修正する手順を説明する図である。
【図16】意匠レイヤのコピーを行うときの表示画面の一例を示す図である。
【図17】意匠レイヤと伏図とが互いに重なり合う状態で描画されたときの表示画面の一例を示す図である。
【図18】意匠レイヤから抽出した図形に対して属性情報を設定する手順を説明する図である。
【図19】標準図形の配置データのデータ形式の一例を示す図である。
【図20】図19の点テーブルの相対座標の概念を説明する図である。
【符号の説明】
10 構造設計支援システム
11 CPU(図形配置データ格納手段、外部情報出力手段、図面自動作成手段)
20 データベース
Claims (6)
- 建物モデルの基本データとして、少なくとも建物概要、建物形状、材料仕様および部材情報を格納するデータベースと、
上記データベースに格納された基本データと所定の入力データとを用いて、伏図を作成する2次元CADと、
上記2次元CADによって作成された伏図のCADデータから、所要の属性情報が設定された標準図形を抽出して、当該標準図形の配置データを所定のデータ形式で上記データベースに格納する図形配置データ格納手段と、
上記2次元CADによって作成された伏図のCADデータから、上記標準図形以外の特殊図形を抽出して、当該特殊図形の情報を外部に出力する外部情報出力手段とを備えることを特徴とする構造設計支援システム。 - 上記データベースに格納された上記基本データおよび上記標準図形の配置データに基づいて、軸組図、鉄筋詳細図、柱心関係図、アンカープランおよび鉄骨詳細図の中の少なくとも何れか一つを作成する図面自動作成手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の構造設計支援システム。
- 上記標準図形の配置データには、当該図形に対応する部材と接合関係にある部材を特定するデータが上記所要の属性情報として含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の構造設計支援システム。
- 上記2次元CADは、上記所定の入力データとして、上記伏図以外の図面上に描画されたオブジェクトを取り込んで、当該オブジェクトを上記伏図の作成に利用可能となっており、当該オブジェクトを上記伏図の作成に利用する場合において、当該オブジェクトに対して上記所要の属性情報を設定可能となっていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の構造設計支援システム。
- 上記2次元CADは、上記標準図形に設定された属性情報を維持した状態で当該標準図形の形状を修正する機能を有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の構造設計支援システム。
- 建物モデルの基本データとして、少なくとも建物概要、建物形状、材料仕様および部材情報をデータベースに格納する基本データ入力ステップと、
この基本データ入力ステップで上記データベースに格納された基本データと所定の入力データとを用いて、2次元CADにより伏図を作成する伏図作成ステップと、
この伏図作成ステップで作成された伏図のCADデータから、所要の属性情報が設定された標準図形を抽出して、当該標準図形の配置データを所定のデータ形式で上記データベースに格納するCADデータ抽出ステップとを備えることを特徴とする構造設計データベース作成方法。
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