JP2004110458A - 計測地点データの作成方法、データ処理方法、データ処理装置及びデータ処理システム、並びにプログラム及び情報記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】デジタル地図データにおける起点、終点を少なくとも含む複数のノードの指定に応答して、コンピュータが、対象となる経路を特定し(ステップ104)、その経路上に存在する、設定距離範囲を越える距離のリンクのそれぞれを、設定距離範囲の複数の区間に分割し、前記経路上に複数の分割地点を設定する(ステップ106〜122、但しステップ118を除く)。次いで、コンピュータが、前記複数の分割地点及び前記経路上に存在するノードを計測地点として計測地点毎のデジタル地図上の位置情報を算出し(ステップ118)、さらに、各計測地点に起点から終点に至る順序で連番を設定し(ステップ124)、該連番と対応する各計測地点の位置情報等を含む、計測地点データを作成する(ステップ126)。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、計測地点データの作成方法、データ処理方法、データ処理装置及びデータ処理システム、並びにプログラム及び情報記憶媒体に係り、更に詳しくは、マップマッチング処理に用いられる計測地点データを作成する計測地点データの作成方法、前記マップマッチング処理を利用した移動体の移動状況の解析基礎データを作成するデータ処理方法、データ処理装置及びデータ処理システム、並びに前記データ処理方法を実施するためのプログラム及び該プログラムが記憶された情報記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、交通調査は、交通需要の把握を主な目的として実施されていた。近年、社会的便益、費用を考慮した合理的な計画策定や投資決定などのため、交通の量的な側面のみならず、質的な側面をも重視する観点から、交通のパフォーマンスを表す時間帯別の走行速度など、詳細なデータ収集が望まれている。
【0003】
また、従来の交通計画は、主として定常的な平日の1日の交通量を基に策定されてきたが、近年では、休日観光交通など多様な交通への対処が求められるようになってきている。
【0004】
このため、交通調査においても、休日交通、観光交通、冬季交通などさまざまな交通を捉えられる柔軟な対応が必要である。
【0005】
パーソントリップ調査(PT調査)などのわが国の交通統計調査は、住民基本台帳などからランダムに抽出された世帯を対象として、訪問配布、訪問回収方式で実施されてきた。しかし、近年になってプライバシーに対する意識の高まりなどにより、市民の調査に対する協力度が特に大都市圏において低下し、回収率の低下や回答結果の信頼性の低下といった問題が生じていた。
【0006】
かかる背景の下、最近では、IT(情報技術)を活用した高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems:ITS)の一種である、プローブカーシステムが着目されている。プローブカーシステムは、個々の車輌等の移動体を動くセンサとして利用し、道路上で収集した様々なデータをネットワーク化、蓄積・加工することにより、渋滞情報などの今までには得られなかった新たな価値ある情報を作り出す基盤システムである。
【0007】
このプローブカーシステムでは、一般の車輌(路線バス、マイカー、トラックなど)などにGPS(グローバル・ポジショニング・システム)等の位置情報検出器と通信機器とを搭載し、位置(緯度、経度)、速度、進行方向、時間などのデータを収集する。
【0008】
プローブカーにより得られる情報の中でも交通情報は、需要が高く、有用かつビジネス化の検討が進めやすい情報の1つである。VICS(道路交通情報通信システム)センタなどの交通情報を提供している機関はいくつか存在するが、すべてが定点観測によるもので道路インフラを必要としている。道路上にインフラを必要としないプローブカーシステムでは、他の機関では取得できないエリアの情報も、車が走行すれば取得できる。
【0009】
ところで、プローブカーシステムを、交通調査を主目的として利用する場合、いわゆるマップマッチングがキーとなる。従来のマップマッチングに関するものとして、車載用航法装置と呼ばれる、距離センサや方位センサからの検出データにより現在位置を測定して地図情報上に整合して表示させるマップマッチングによる自立航法手段がある。
【0010】
しかし、車載用航法装置では、距離センサ、方位センサとして、距離パルサ、地磁気センサ、車輪差・ジャイロ等各種のセンサを搭載する必要がある。ところが、これら各種センサの取り付けは面倒であるばかりでなく、一旦取り付けると取り外しが容易でないため他の車輌と兼用することが難しい。そこで、取り付け、取り外しが容易なGPS受信機からの測定データに基づき現在位置を測定して地図情報上に整合して表示させるものとして、道路地図を記憶する地図記憶媒体と、衛星からの電波により現在位置を測定するGPS航法手段と、GPS航法手段により測定された現在位置の単位時間当りの移動平均から単位ベクトルを演算する演算手段と、演算手段により得られる今回及び前回の単位ベクトルと合致する道路を上記地図記憶媒体から検索する検索手段と、検索手段により検索された道路上にGPS航法手段により測定された現在位置を整合させる整合手段とを備えた車載用航法装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0011】
この他、GPSなどから取得した現在位置周辺(たとえば、現在位置を中心に200m四方の領域内)のリンク(道路を直線の線分の集合で近似した場合における各線分)を検索し、検索した一つのリンクを取り出し、現在位置から垂線が引けるかどうかを検証し、引ける場合には、候補テーブルへの記録処理において、垂線とリンクとの交点を表示候補点として候補テーブルに登録する、マップマッチングに関する技術も提案されている(特許文献2参照)。
【0012】
【特許文献1】
特開平6−148306号公報
【特許文献2】
特開平11−94575号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の車載用航法装置では、得られた今回及び前回の単位ベクトルとそれぞれ角度(向き)が合致する道路(リンク)を地図記憶媒体から検索し、検索された道路上にGPS航法手段により測定された現在位置を整合させるという手法が採用されていることから、道路が折れ曲がる場所や分岐する場所などにおいては、比較的正確にGPS航法手段により測定された現在位置を道路上にマッチングさせることはできるが、ほぼ直線状の道路が続く場合などは、現在位置を道路上に正確にマッチングさせることは困難であるという不都合があった。
【0014】
一方、上記特許文献2に記載の技術では、そのような不都合なく、現在位置をリンク上の点に正確にマッチングさせ、表示候補点として候補テーブルに登録することができる。しかしながら、この特許文献2に記載の技術は、該文献の発明の実施形態に記載されるような車載用のナビゲーション装置に適用する場合には好適であるが、交通調査の目的で使用する場合には、その交通調査に必要な情報を十分に得ることが困難であるという不都合があった。すなわち、この特許文献2に記載の技術では、通常のデジタル地図情報が用いられていることから、前述の如くして検索した表示点候補を画面に表示された地図上に表示させるなどは可能であるが、その表示点候補がノード以外の場合には、その表示点候補には殆ど情報が存在しないので、マッチング結果を利用して交通調査などを目的とした分析、解析などを行う場合に、情報量が十分であるとは言い難い。
【0015】
本発明は、かかる事情の下でなされたもので、その第1の目的は、交通調査の目的で行うマップマッチングを容易にする計測地点データの作成方法を提供することにある。
【0016】
本発明の第2の目的は、移動体の移動データ中の位置情報に計測誤差が含まれていてもこれに影響を受けることなく、その移動データとデジタル地図上の計測地点とが正確にマッチングされた移動体の移動状況の解析基礎データを得ることが可能なデータ処理方法及びデータ処理装置、並びにデータ処理システムを提供することにある。
【0017】
本発明の第3の目的は、交通調査の目的で行うマップマッチングを容易にする計測地点データをコンピュータに作成させるプログラム、及び該プログラムが記録された情報記録媒体を提供することにある。
【0018】
本発明の第4の目的は、移動体の移動データ中の位置情報に計測誤差が含まれていてもこれに影響を受けることなく、その移動データとデジタル地図上の計測地点とが正確にマッチングされた移動体の移動状況の解析基礎データを、コンピュータに作成させるプログラム、及び該プログラムが記録された情報記録媒体を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、マップマッチング処理に用いられる計測地点データを情報処理装置によって作成する計測地点データの作成方法であって、起点及び終点を少なくとも含むデジタル地図上における複数のノードの指定に応じて、対象となる経路を特定する第1工程と;前記特定された経路上に存在する、隣接するノード間のリンクのうちその距離が予め定めた設定距離範囲を越えるリンクのそれぞれを、前記設定距離範囲の複数の区間に分割して前記特定された経路上に複数の分割地点を設定する第2工程と;前記設定された複数の分割地点及び前記特定された経路上に存在するノードを計測地点として計測地点毎の前記デジタル地図上の位置情報を算出する第3工程と;前記各計測地点に前記起点から前記終点に至る順序で連番を設定し、該連番とこれに対応する各計測地点の前記位置情報とを含むデータを、計測地点データとして作成する第4工程と;を含む計測地点データの作成方法である。
【0020】
デジタル地図上には、一般に、道路等の経路が、リンク(道路等の経路を直線の線分の集合で近似した場合における各線分)と、ノード(リンクの両端の点(リンクとリンクとの結合点))とで表されており、本明細書においても、「ノード」、「リンク」なる用語は、同様の意味で用いる。従って、個々のリンクの距離は同一距離にならないのが通常である。
【0021】
また、「設定距離範囲」の設定は、下限値及び上限値を設定することで行っても良いし、上限値のみを設定することで行っても良い。後者の場合、設定範囲は、0<距離≦上限値となる。
【0022】
請求項1に記載の発明によれば、入力装置を介してデジタル地図における起点、終点を少なくとも含む複数のノードを指定すると、情報処理装置により、対象となる経路が特定され、特定された経路上に存在する、隣接するノード間のリンクのうちその距離が予め定めた設定距離範囲を越えるリンクのそれぞれが、前記設定距離範囲の複数の区間に分割され特定された経路上に複数の分割地点が設定される。次いで、情報処理装置により、設定された複数の分割地点及び特定された経路上に存在するノードを計測地点として計測地点毎のデジタル地図上の位置情報が算出され、さらに、各計測地点に起点から終点に至る順序で連番が設定され、該連番とこれに対応する各計測地点の位置情報とを含むデータが、計測地点データとして作成される。すなわち、本発明の計測地点データの作成方法によれば、デジタル地図上で特定された経路に存在する全てのノード(起点、終点を含む)と、リンクの長さ(距離)が予め定めた設定距離範囲を越えるリンクをそれぞれ分割した全ての分割地点とを計測地点とし、各計測地点毎のデジタル地図上の位置情報が算出され、各計測地点に起点から終点に至る順序で連番が付され、該連番と対応する各計測地点の前記位置情報とを含むデータとが、計測地点データとして作成される。従って、計測地点データとして、少なくとも計測地点の位置情報を含むデータが作成されるので、交通調査の目的でマップマッチングを行う際に必要な最低限の情報を含む計測地点データを容易に作成することが可能となり、この作成された計測地点データと、例えばプローブカーシステムその他で得た移動体の移動データなどとのマップマッチングを行うことにより、交通調査の目的で容易にマップマッチングを行うことが可能となる。
【0023】
この場合において、前記位置情報としては、種々の位置情報を含めることができ、例えば、請求項2に記載の作成方法の如く、前記位置情報は、前記各計測地点の前記特定された経路上の代表点からの前記経路に沿った累計距離と、前記各計測地点の位置座標とを少なくとも含むこととすることができる。
【0024】
この場合において、請求項3に記載の作成方法の如く、前記代表点は、前記起点又は終点であることとすることができる。
【0025】
上記請求項1〜3に記載の各作成方法において、リンクの分割方法は、種々考えられる。例えば請求項4に記載の作成方法の如く、前記第2工程における前記リンクの分割は、前記設定距離範囲の距離を単位とする実質的な等分割であることとすることができる。
【0026】
この場合において、請求項5に記載の作成方法の如く、最終段の分割後の区間が設定距離範囲となるまで、前記分割対象のリンクのそれぞれについて、該リンクの実質的なp等分(pは2以上の整数)を繰り返すことにより、前記等分割のための単位を算出することとすることができる。
【0027】
上記請求項1〜5に記載の各作成方法において、請求項6に記載の作成方法の如く、前記設定距離範囲の上限値は、0.5m〜500mの範囲に含まれる任意の距離であることとすることができる。
【0028】
請求項7に記載の発明は、時刻、日付、位置情報を含む複数の移動データに基づいて、移動体の移動状況の解析基礎データを情報処理装置によって作成するデータ処理方法であって、前記移動データ毎に、該移動データに含まれる位置情報をキーとして、予め設定されたデジタル地図上の少なくとも1つの経路中の複数の計測地点の中から、前記キーとなる位置情報に対応する座標点を中心とする所定範囲内に存在する1又は2以上の計測地点を抽出する第1工程と;前記第1工程で抽出された計測地点が複数ある場合、該複数の計測地点の中から前記座標点に最も近い計測地点を選択する第2工程と;前記第1工程で抽出された計測地点又は前記第2工程で選択された計測地点の情報と対応する移動データとを関連付けた前記移動体の移動状況の解析基礎データを作成する第3工程と;を含むデータ処理方法である。
【0029】
これによれば、情報処理装置により、時刻、日付、位置情報を含む移動データ毎に、該移動データに含まれる位置情報をキーとして、予め設定されたデジタル地図上の少なくとも1つの経路中の複数の計測地点の中から、前記キーとなる位置情報に対応する座標点を中心とする所定範囲内に存在する1又は2以上の計測地点が抽出される。ここで、抽出された計測地点が複数ある場合、情報処理装置により、該複数の計測地点の中から前記座標点に最も近い計測地点が選択される。そして、情報処理装置により、抽出された計測地点又は選択された計測地点の情報と対応する移動データとを関連付けた移動体の移動状況の解析基礎データが作成される。すなわち、本発明のデータ処理方法によれば、予め設定されたデジタル地図上の少なくとも1つの経路中の複数の計測地点の中から、移動体の移動データに含まれる位置情報に最も近い計測地点が自動的に抽出又は選択され、その計測地点と移動データとが確実にマッチングされて、その計測地点の情報と対応する移動データとを関連付けた移動体の移動状況の解析基礎データが作成される。従って、移動データの位置情報に計測誤差が含まれていても、これに影響を受けることなく、移動データをデジタル地図上の経路中の計測地点に確実にマッチングさせることができ、移動データとデジタル地図上の計測地点とが正確にマッチングされた移動体の移動状況の解析基礎データを得ることができる。
【0030】
この場合において、請求項8に記載のデータ処理方法の如く、前記計測地点の情報は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の計測地点データの作成方法によって作成された計測地点データであることとすることができる。かかる場合には、その計測地点データは、前述の如く、交通調査に必要な最低限の情報を含むので、得られた移動体の移動状況の解析基礎データを用いることにより、交通調査を目的とした種々の解析を良好に行うことが可能となる。
【0031】
上記請求項7及び8に記載の各データ処理方法において、請求項9に記載のデータ処理方法の如く、前記複数の移動データは、2日以上に渡る移動体の移動データを含み、前記第3工程に先立って、前記複数の移動データについて日付順にソート処理を行い、前記第3工程では、日付毎に前記移動体の移動状況の解析基礎データを作成することとすることができる。
【0032】
上記請求項7〜9に記載の各データ処理方法において、請求項10に記載のデータ処理方法の如く、前記複数の移動データは、複数の移動体の移動データを含み、前記第3工程に先立って、前記複数の移動データについて移動体毎にソート処理を行い、前記第3工程では、移動体毎の前記解析基礎データを作成することとすることができる。
【0033】
上記請求項7〜10に記載の各データ処理方法において、請求項11に記載のデータ処理方法の如く、前記第3工程に先立って、前記複数の移動データについて、時刻順にソート処理を行い、該ソート処理後の移動データに基づいて対象となる移動体の移動方向が上りであるか下りであるかの判定を行う第4工程を更に含み、前記第3工程では、前記上り、下りの判定結果が付加された前記解析基礎データを作成することとすることができる。
【0034】
上記請求項7〜11に記載の各データ処理方法において、請求項12に記載のデータ処理方法の如く、前記所定範囲は、前記座標点を中心とする円形の領域範囲であり、その円の半径は10m〜200mであることとすることができる。
【0035】
請求項13に記載の発明は、時刻、日付、移動体の識別情報、及び位置情報を含む複数の移動データに基づいて、移動体の移動状況の解析基礎データを作成するデータ処理装置であって、起点からの累計距離と位置情報と連番とを少なくとも含む複数の計測地点の情報をそれぞれ含むデジタル地図上の複数の経路の情報が予め記憶された記憶手段と;前記移動データ毎に、該移動データに含まれる位置情報をキーとして、前記記憶手段に記憶された複数の経路の複数の計測地点の中から、前記キーとなる位置情報に対応する座標点を中心とする所定範囲内に存在する1又は2以上の計測地点を抽出する抽出手段と;前記抽出された計測地点が複数ある場合、該複数の計測地点の中から前記座標点に最も近い計測地点を選択する選択手段と;前記抽出された計測地点又は前記選択された計測地点の情報と対応する移動データとを関連付けた移動体の移動状況の解析基礎データを作成する作成手段と;を備えるデータ処理装置である。
【0036】
これによれば、記憶手段に、起点からの累計距離と位置情報と連番とを少なくとも含む複数の計測地点の情報をそれぞれ含むデジタル地図上の複数の経路の情報が予め記憶されている。そして、抽出手段により、移動データ毎に、該移動データに含まれる位置情報をキーとして、記憶手段に記憶された複数の経路の複数の計測地点の中から、前記キーとなる位置情報に対応する座標点を中心とする所定範囲内に存在する1又は2以上の計測地点が抽出される。ここで、抽出された計測地点が複数ある場合、選択手段により、その複数の計測地点の中から前記座標点に最も近い計測地点が選択される。そして、作成手段により、抽出された計測地点又は選択された計測地点の情報と対応する移動データとを関連付けた移動体の移動状況の解析基礎データが作成される。すなわち、本発明のデータ処理装置によれば、予め設定されたデジタル地図上の複数の経路中の複数の計測地点の中から、移動体の移動データに含まれる位置情報に対応する位置座標に最も近い計測地点が自動的に抽出又は選択され、その計測地点と移動データとが確実にマッチングされて、その計測地点の情報と移動データとが対応付けられた移動体の移動状況の解析基礎データが作成される。従って、移動データの位置情報に計測誤差が含まれていても、これに影響を受けることなく、移動データをデジタル地図上の経路中の計測地点に確実にマッチングさせることができ、移動データとデジタル地図上の計測地点とが正確にマッチングされた移動体の移動状況の解析基礎データを得ることができる。
【0037】
この場合において、請求項14に記載のデータ処理装置の如く、前記記憶手段には、請求項1〜6のいずれか一項に記載の計測地点データの作成方法によって予め作成された複数の経路の複数の計測地点データが記憶され、前記抽出手段は、前記記憶手段に記憶された各計測地点データに対応する計測地点の中から前記キーとなる位置情報に対応する座標点を中心とする所定範囲内に存在する1又は2以上の計測地点を抽出することとすることができる。
【0038】
上記請求項13及び14に記載の各データ処理装置において、請求項15に記載のデータ処理装置の如く、前記複数の移動データについて、日付順にソート処理を行うソート手段を更に備え、前記作成手段は、前記ソート手段によるソート処理の結果に基づいて、日付毎の前記移動体の移動状況の解析基礎データを作成することとすることができる。
【0039】
この場合において、請求項16に記載のデータ処理装置の如く、前記ソート手段は、移動体毎にソート処理を行う機能を更に有し、前記作成手段は、前記ソート手段によるソート処理の結果に基づいて、日付及び移動体毎の前記解析基礎データを作成することとすることができる。
【0040】
上記請求項15及び16に記載の各データ処理装置において、請求項17に記載のデータ処理装置の如く、前記ソート手段は、時刻順にソート処理を行う機能を更に有し、前記ソート手段による時刻順のソート処理がなされた移動データに基づいて対象となる移動体の移動方向が上りであるか下りであるかの判定を行う判定手段を更に備え、前記作成手段は、前記上り、下りの判定結果が付加された前記解析基礎データを作成することとすることができる。
【0041】
上記請求項13〜17に記載の各データ処理方法において、請求項18に記載のデータ処理方法の如く、前記所定範囲は、前記座標点を中心とする円形の領域範囲であり、その円の半径は、10m〜200mの範囲で任意に設定可能であることとすることができる。
【0042】
上記請求項13〜18に記載の各データ処理装置において、請求項19に記載のデータ処理装置の如く、前記移動体は、車輌であり、前記移動データは、前記識別情報としての車番、時刻、日付、前記位置情報としての緯度、経度の他、データ番号、方位及び速度を少なくとも含む走行データであることとすることができる。
【0043】
請求項20に記載の発明は、複数の移動体の移動データを処理するデータ処理システムであって、移動体の位置情報を計測する計測手段を有し、該計測手段で計測された位置情報を日付、時刻、及び移動体の識別情報とともに当該移動体の移動データとして出力する前記複数の移動体に個別に付属する複数の移動データ収集装置と;前記各移動データ収集装置に通信路を介して接続された請求項13〜19のいずれか一項に記載のデータ処理装置と;を備えるデータ処理システムである。
【0044】
これによれば、移動体の位置情報を計測する計測手段を有し、該計測手段で計測された位置情報を日付、時刻、及び移動体の識別情報とともに当該移動体の移動データとして出力する移動データ収集装置が、移動体毎に個別に付属して設けられている。そして、請求項13〜19のいずれか一項に記載のデータ処理装置が、各移動データ収集装置に通信路を介して接続されている。このため、例えば請求項13〜19のいずれか一項に記載のデータ処理装置では、通信路を介して移動データ収集装置から移動データを所定のタイミングで取り込み、前述の記憶手段等に逐次記憶する。そして、データ処理装置では、この取り込んだ複数の移動体の複数の移動データに基づいて前述と同様の処理を行う。これにより、移動データの位置情報に計測誤差が含まれていても、これに影響を受けることなく、移動データをデジタル地図上の経路中の計測地点に確実にマッチングさせることができ、移動データとデジタル地図上の計測地点とが正確にマッチングされた移動体の移動状況の解析基礎データがデータ処理装置によって作成される。
【0045】
この場合において、請求項21に記載のデータ処理システムの如く、前記計測手段は、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)、パーソナル・ハンディフォン・システム(PHS)、カー・ナビゲーション・システム及び携帯電話の少なくとも1つであることとすることができる。
【0046】
上記請求項20及び21に記載の各データ処理システムにおいて、請求項22に記載のデータ処理システムの如く、前記通信路は少なくとも一部に無線回線を含むこととすることができる。
【0047】
上記請求項20〜22に記載の各データ処理システムにおいて、移動体の種類は特に問わないが、例えば請求項23に記載のデータ処理システムの如く、前記移動体は、プローブカーであることとすることができる。
【0048】
請求項24に記載の発明は、マップマッチング処理に用いられる計測地点データをコンピュータに作成させるプログラムであって、起点、終点を少なくとも含むデジタル地図上における複数のノードを指定する入力に応答して、対象となる経路を特定する第1の手順と;前記特定された経路上に存在する、隣接するノード間のリンクのうちその距離が予め定めた設定距離範囲を越えるリンクのそれぞれを、前記設定距離範囲の複数の区間に分割して前記特定された経路上に複数の分割地点を設定する第2の手順と;前記設定された複数の分割地点及び前記特定された経路上に存在するノードを計測地点として計測地点毎の前記デジタル地図上の位置情報を算出する第3の手順と;前記各計測地点に前記起点から前記終点に至る順序で連番を設定し、該連番とこれに対応する各計測地点の前記位置情報とを含むデータを、計測地点データとして作成する第4の手順と;を前記コンピュータに実行させるプログラムである。
【0049】
これによれば、本発明のプログラムがインストールされ、メインメモリにロードされたコンピュータに、入力装置を介してデジタル地図における起点、終点を少なくとも含む複数のノードを指定すると、コンピュータは、その入力に応答して、対象となる経路を特定し、その特定した経路上に存在する、隣接するノード間のリンクのうちその距離が予め定めた設定距離範囲を越えるリンクのそれぞれを、前記設定距離範囲の複数の区間に分割して前記特定された経路上に複数の分割地点を設定する。次いで、コンピュータは、設定された複数の分割地点及び特定された経路上に存在するノードを計測地点として計測地点毎のデジタル地図上の位置情報を算出し、さらに各計測地点に起点から終点に至る順序で連番を設定し、該連番とこれに対応する各計測地点の位置情報とを含むデータを、計測地点データとして作成する。このようにしてコンピュータにより特定された経路における計測地点データが作成される。すなわち、本発明のプログラムによれば、コンピュータに請求項1に記載の発明に係る計測地点データの作成方法を実行させることができ、この作成された計測地点データ(交通調査の目的でマップマッチングを行う際に必要な最低限の情報を含む)と、例えばプローブカーシステムその他で得た移動体の移動データなどとのマップマッチングを行うことにより、交通調査の目的で容易にマップマッチングを行うことが可能となる。
【0050】
この場合において、請求項25に記載のプログラムの如く、前記位置情報は、前記各計測地点の前記特定された経路上の代表点からの前記経路に沿った累計距離と、前記各計測地点の位置座標とを少なくとも含むこととすることができる。
【0051】
この場合において、請求項26に記載のプログラムの如く、前記代表点は、前記起点又は終点であることとすることができる。
【0052】
上記請求項24〜26に記載の各プログラムにおいて、請求項27に記載のプログラムの如く、前記第2の手順として、前記分割対象のリンクを前記設定距離範囲の距離を単位として実質的に等分割する手順を、前記コンピュータに実行させることとすることができる。
【0053】
この場合において、請求項28に記載のプログラムの如く、前記第2の手順として、最終段の分割後の区間が設定距離範囲となるまで、前記分割対象となるリンクのそれぞれについて、該リンクの実質的なp等分(pは2以上の整数)を繰り返すことにより算出した距離を単位として実質的に等分割する手順を、前記コンピュータに実行させることとすることができる。
【0054】
上記請求項24〜28に記載の各プログラムにおいて、請求項29に記載のプログラムの如く、前記設定距離範囲の上限値は、0.5m〜500mの範囲に含まれる任意の距離であることとすることができる。
【0055】
請求項30に記載の発明は、コンピュータに、時刻、日付、位置情報を含む複数の移動データに基づいて移動体の移動状況の解析基礎データを作成させるプログラムであって、前記移動データ毎に、該移動データに含まれる位置情報をキーとして、予め設定されたデジタル地図上の少なくとも1つの経路中の複数の計測地点の中から、前記キーとなる位置情報に対応する座標点を中心とする所定範囲内に存在する1又は2以上の計測地点を抽出する第1の手順と;前記第1の手順で抽出された計測地点が複数ある場合、該複数の計測地点の中から前記座標点に最も近い計測地点を選択する第2の手順と;前記第1の手順で抽出された計測地点又は前記第2の手順で選択された計測地点の情報とこれに対応する移動データとを関連付けた前記移動体の移動状況の解析基礎データを作成する第3の手順と;を前記コンピュータに実行させるプログラムである。
【0056】
これによれば、本発明のプログラムがコンピュータにインストールされ、メインメモリにロードされると、そのコンピュータは、プログラムに従った処理を行う。すなわち、コンピュータは、時刻、日付、位置情報を含む移動データ毎に、該移動データに含まれる位置情報をキーとして、予め設定されたデジタル地図上の少なくとも1つの経路中の複数の計測地点の中から、前記キーとなる位置情報に対応する座標点を中心とする所定範囲内に存在する1又は2以上の計測地点を抽出する。ここで、抽出した計測地点が複数ある場合、コンピュータは、該複数の計測地点の中から前記座標点に最も近い計測地点を選択する。そして、コンピュータは、抽出した計測地点又は選択した計測地点の情報を対応する移動データと関連付けた前記移動体の移動状況の解析基礎データを作成する。すなわち、本発明のプログラムによれば、コンピュータに、請求項7に記載の発明に係るデータ処理方法を実行させることができる。従って、移動データの位置情報に計測誤差が含まれていても、これに影響を受けることなく、移動データをデジタル地図上の経路中の計測地点に確実にマッチングさせることができ、移動データとデジタル地図上の計測地点とが正確にマッチングされた移動体の移動状況の解析基礎データを得ることができる。
【0057】
この場合において、請求項31に記載のプログラムの如く、前記第1の手順に先立って、デジタル地図上における起点、終点を少なくとも含む複数のノードを指定する入力に応答して、対象となる経路を特定する第4の手順と;前記特定された経路上に存在する、隣接するノード間のリンクのうちその距離が予め定めた設定距離範囲を越えるリンクのそれぞれを、前記設定距離範囲の複数の区間に分割して前記特定された経路上に複数の分割地点を設定する第5の手順と;前記設定された複数の分割地点及び前記特定された経路上に存在するノードを計測地点として計測地点毎の前記デジタル地図上の位置情報を算出する第6の手順と;前記各計測地点に前記起点から前記終点に至る順序で連番を設定し、該連番とこれに対応する各計測地点の前記位置情報とを含むデータを、計測地点データとして作成する第7の手順と;を前記コンピュータに更に実行させることとすることができる。かかる場合には、第1の手順に先立って、コンピュータに、請求項1に記載の発明に係る計測地点データの作成方法を実行させることができる。
【0058】
この場合において、請求項32に記載のプログラムの如く、前記位置情報は、前記各計測地点の前記特定された経路上の代表点からの前記経路に沿った累計距離と、前記各計測地点の位置座標とを少なくとも含むこととすることができる。
【0059】
この場合において、請求項33に記載のプログラムの如く、前記代表点は、前記起点又は終点であることとすることができる。
【0060】
上記請求項31〜33に記載の各プログラムにおいて、請求項34に記載のプログラムの如く、前記第5の手順として、前記分割の対象となるリンクのそれぞれについて、前記設定距離範囲の距離を単位とする実質的な等分割を、前記コンピュータに実行させることとすることができる。
【0061】
上記請求項30〜34に記載の各プログラムにおいて、請求項35に記載のプログラムの如く、前記複数の移動データが、2日以上に渡る移動体の移動データを含む場合、前記第3の手順に先立って、前記複数の移動データについて日付順にソート処理を行う手順を、前記コンピュータに更に実行させ、前記第3の手順として、日付毎に前記移動体の移動状況の解析基礎データを作成する手順を前記コンピュータに実行させることとすることができる。
【0062】
上記請求項30〜35に記載の各プログラムにおいて、請求項36に記載のプログラムの如く、前記複数の移動データが、複数の移動体の移動データを含む場合、前記第3の手順に先立って、前記複数の移動データについて移動体毎にソート処理を行う手順を、前記コンピュータに更に実行させ、前記第3の手順として、移動体毎の前記解析基礎データを作成する手順を、前記コンピュータに実行させることとすることができる。
【0063】
上記請求項30〜36に記載の各プログラムにおいて、請求項37に記載のプログラムの如く、前記第3の手順に先立って、前記複数の移動データについて、時刻順にソート処理を行い、該ソート処理後の移動データに基づいて対象となる移動体の移動方向が上りであるか下りであるかの判定を行う手順を、前記コンピュータに更に実行させ、前記第3の手順として、前記上り、下りの判定結果が付加された前記解析基礎データを作成する手順を、前記コンピュータに実行させることとすることができる。
【0064】
上記請求項30〜37に記載の各プログラムにおいて、請求項38に記載のプログラムの如く、前記所定範囲は、前記座標点を中心とする円形の領域範囲であり、その円の半径を10m〜200mの範囲で設定する手順を、前記第1の手順に先立って前記コンピュータに更に実行させることとすることができる。
【0065】
請求項39に記載の発明は、請求項24〜38のいずれか一項に記載のプログラムが記録されたコンピュータによる読み取りが可能な情報記録媒体である。
【0066】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図11に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るデータ処理システムの構成が概略的に示されている。
【0067】
この図1に示されるデータ処理システム100は、GPS(Global Positioning System)及び無線パケット網を利用したプローブカーシステムである。データ処理システム100は、N台(Nは3以上の整数)の移動体としてのプローブカー101、102、……10N(図1においては、このうちの2台のプローブカー101、102のみが図示されている)、アンテナ11、交換機13、無線パケット網14、交換機16、センタ側コンピュータ18を含むデータ処理装置19等を含んで構成されている。
【0068】
プローブカー101、102、……10Nのそれぞれには、プローブカー101について代表して示されるように、位置計測手段としてのGPS受信機20及びパケット専用無線電話22等を含む移動データ収集装置としての車載用端末12が搭載されている。GPS受信機20は、各々に原子時計を搭載した複数(3個以上、例えば18個〜24個)のGPS衛星30i(i=1、2、……)からの電波を受信可能であり、位置、速度及び時間を計測できるようになっている。この場合GPS受信機20は、時間については正確に、位置についてはある程度(10m〜20m程度)の誤差を含むがかなり正確に計測できるようになっている。なお、米国政府は、これまで安全保障上の理由から意図的に100〜200mの位置計測誤差が出るようにGPSによる位置計測の精度を下げる操作を行っていたが、最近、一部の地域を除き、こうした操作を取り止めた。このため、本実施形態においても、位置計測誤差が10〜20m程度となっているものである。
【0069】
前記センタ側コンピュータ18は、無線パケット網14専用のルータ24及び専用回線を介して交換機16の一端に接続され、該交換機16の他端が無線パケット網14に接続されている。
【0070】
無線パケット網14には、他の交換機13を介してアンテナ11が接続されている。
【0071】
前記センタ側コンピュータ18は、ワークステーション(又はパーソナル・コンピュータ)などによって構成されている。本実施形態では、このセンタ側コンピュータ18を中心としてデータ処理装置19が構成されている。
【0072】
データ処理装置19は、図2に示されるように、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)及びI/Oインタフェース部など(いずれも不図示)を含んで構成される、ワークステーション(又はパーソナル・コンピュータ)などから成るセンタ側コンピュータ18と、該センタ側コンピュータ18に接続されたキーボード,マウスなどのポインティング・デバイスを含む入力装置32、CRTディスプレイ又は液晶ディスプレイなどから成る表示装置34、記憶手段としての大容量のハードディスク36、及びCD(コンパクト・ディスク)、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)などの情報記録媒体のドライブ装置40を備えている。また、センタ側コンピュータ18には、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)42を介してモデムを内蔵したルータ24及びプリンタなどの出力装置38などが接続されている。
【0073】
前記ハードディスク36には、後述する車輌データを含む車輌属性データベース、後述する計測地点データを含む道路情報データベース、後述する走行データを含む車輌移動記録データベース、後述するプローブカーデータを含むプローブカーデータベース、及び地図情報データベース、などの各種データベースが格納される。
【0074】
本実施形態では、前記車輌属性データベースは、「管理コード」フィールド、「車輌コード」フィールド、及び「IP」フィールドを含んで構成されている(図7参照)。「管理コード」フィールドには、移動体を特定するコードが格納され、「車輌番号」フィールドには、車輌の番号(例えばナンバープレートなど)が格納され、「IP」フィールドには、車載装置のIPアドレスが格納される。
【0075】
前記道路情報データベースは、「対象区間名」フィールド、「Row」フィールド、「緯度」フィールド、「経度」フィールド、「距離」フィールド、「累計距離」フィールド、「県CD」フィールド、「市町村CD」フィールド、及び「センサス番号」フィールドを含んで構成されている(図6参照)。
【0076】
前記車輌移動記録データベースは、「通番」フィールド、「車番」フィールド、「方位1」フィールド、「速度」フィールド、「時刻」フィールド、「日付」フィールド、「車輌マスタコード」フィールド、「緯度EX」フィールド、及び「経度EX」フィールドを含んで構成されている(図3参照)。
【0077】
プローブカーデータベースは、「通番」フィールド、「車番」フィールド、「緯度」フィールド、「経度」フィールド、「方位」フィールド、「速度」フィールド、「時刻」フィールド、「日付」フィールド、「累計距離」フィールド、「県CD」フィールド、「市町村CD」フィールド、「センサス番号」フィールド、及び「上下区分」フィールドを含んで構成されている(図11参照)。
【0078】
なお、車輌属性データベースのフィールドに、車輌の番号(ナンバープレート等)を示す「車輌番号」、路線バス、乗用車などの車輌区分を示す「車輌区分」、管理担当者を示す「担当者コード」、及び車輌の名称を示す「自社番号」などを付加しても良い。
【0079】
また、道路情報データベースのフィールドに、必要に応じて、対象区間名の略称である「コース」、車載装置で得られた方位データとマッチングするための項目である「方位」、データレコード毎に区分を設定する場合に使用する「タイプ」、「道路種別」、「路線番号」、センサス区間を分割した場合の各計測区間の番号である「計測区間番号」、「渋滞ポイント」、道路管理者の区分を示す「直轄区分」、地図上に表示する時の緯度、経度、縮尺をそれぞれ示す「中心緯度」、「中心経度」、「縮尺」などの、メンテナンス画面で使用される情報、車輌データのマッチングで使用される北西座標上の緯度、経度である「北西緯度」、「北西経度」、同じく車輌データのマッチングで使用される南東座標上の緯度、経度である「南東緯度」、「南東経度」などを含めても良い。
【0080】
また、車輌移動記録データベースのフィールドに、目的に応じ、車載装置の非常スイッチの状態を示す「非常」、車載装置の状態を示す「状態」、測位に利用したGPS衛星数を示す「測位」、受信データのイベント種類を示す「タイプ」、など、車載装置から送られる情報を走行データに含めても良い。この他、センタ側コンピュータ18で受信データを変換した車輌位置の緯度、車輌位置の経度をそれぞれ示す情報「緯度」,「経度」、センタ側コンピュータ18で受信データを変換した車輌の進行方向(MCA版)を示す「方位2」、センタ側コンピュータ18で受信データを変換したデータ受信時刻を示す「時間」、センタ側コンピュータ18で算出する前データ生成からの経過時間を示す「間隔」、車輌データより得られる車輌区分(路線バス、乗用車など)コードを示す「車輌区分コード」、動態管理システム(MCA版)における日報出力済みのフラグ「日報区分」、車輌データより得られる車輌の番号(ナンバープレート等)を示す「車輌番号」、動態管理システムで使用するエリア内の営業所コードを示す「営業所コード」、動態管理システムで使用するエリア内の得意先コードを示す「得意先コード」、動態管理システムで使用するエリア内の現場コードを示す「現場コード」、動態管理システムで使用するエリア内の得意先名を示す「得意先名」、動態管理システムで使用するエリア内の現場名を示す「現場名」、エリアの区分(営業所、現場、移動中など)を示す「エリア区分」、車載装置に接続したセンサを示す「センサ区分」、車載装置に設定するパラメータ番号を示す「パラメータ」、車載装置に設定するパラメータデータを示す「設定データ」、動態管理システムで表示する車載装置の状態名を示す「状態名」、動態管理システムで使用する車輌に搭乗する担当者コードを示す「担当者コード」、動態管理システムで使用する車輌に搭乗する担当者名を示す「担当者名」、動態管理システムで表示する車載装置の状態名の背景色を示す「背景色」、動態管理システムで表示する車載装置の状態名の文字色を示す「文字色」、センタ側コンピュータ18が受信データを変換したデジタル地図用の数値緯度を示す「数値緯度」、及びセンタ側コンピュータ18が受信データを変換したデジタル地図用の数値経度を示す「数値経度」などを含めても良い。なお、デジタル地図用の数値緯度,数値緯度は、例えば車輌位置の緯度(度:分:秒)、経度(度:分:秒)が、N31:25:11、E131:33:22の場合には、一例として次のようにして変換される。
【0081】
N31:25:11→{31×602+25×60+11}×256
E131:33:22→{131×602+33×60+22}×256
【0082】
前記地図情報データベースには、メッシュと呼ばれる矩形の地理的範囲毎の地図データ(以下「デジタル地図データ」ともいう)が含まれている。各メッシュの地図データは、道路毎に設けられた道路データより構成され、道路データは、道路情報と、リンク情報とによって構成される。道路情報には、道路を一意に表す道路番号と、道路の名称を表す道路名称と、その道路の種別(有料道路、国道、県道)などを表す道路種別と、その他の道路の情報(属性情報)とが含まれる。また、リンク情報には、道路を構成する各リンクについて設けられた、リンクの情報を表すリンクデータが含まれる。ここで、リンクは、道路の形状位置を集合として近似する直線である。リンクデータには、リンクを一意に表すリンク番号などが含まれる。また、リンクデータは、その両端の点である2つのノードについて、それぞれ、ノードを一意に示すノード番号と、ノードの位置を表すノード座標と、そのノードとリンクを介して連結する全てのノードのノード番号のリストである隣接ノード番号リストを含む。ここで、リンク同士の連結は必ずノードにおいて行われる。
【0083】
このようにして構成された、本実施形態のデータ処理システム100では、プローブカー101、102、……10Nそれぞれに搭載された車載装置12から、設定されたモードに従って、一定時間(例えば、1分)間隔で、又は一定距離(例えば500m)走行毎に、プローブカー固有の番号である車番、プローブカーの進行方向、プローブカーの走行速度、GPS受信機20で計測したプローブカーの位置情報(経度、緯度)、及び計測日時を含むデータがパケット専用無線電話22を介して、データ処理装置19を構成するセンタ側コンピュータ18に対して送信される。この送信された移動データは、アンテナ11で受信され、交換機13、パケット網14、交換機16、専用回線及びルータ24を介してセンタ側コンピュータ18で受信される。そして、センタ側コンピュータ18では、データを受信する度に、そのデータに必要な情報を付加して移動データとしての走行データを作成し、車輌移動記録データベースに新規レコードとして逐次追加する。ここでは、一例として図3に示されるように、受信データに含まれるプローブカーの車番を「車番」フィールドに、プローブカーの進行方向を「方位1」フィールドに、プローブカーの走行速度を「速度」フィールドに、プローブカーの位置情報を「緯度EX」フィールド及び「経度EX」フィールドに、計測日時を「時刻」フィールド及び「日付」フィールドに格納する。また、車輌コードをキーとして車輌属性データベースを検索し、プローブカーの車番と一致する車輌コードを有するレコードの管理コードを抽出し、センタ側の車輌管理情報である車輌マスタコードとして「車輌マスタコード」フィールドに格納する。なお、「通番」フィールドには、センタ側コンピュータ18により受信順に付されるレコード番号が格納される。
【0084】
なお、車載装置12からのデータ送信のタイミング、すなわち発呼タイミングとしては、例えば設定している座標に到着したタイミングで発呼を行う「座標発呼」や、通信コストの低減を目的として同一座標に一定時間滞在している場合に発呼間隔を長くする「同一座標発呼」などの指定もできるようにしても良い。
【0085】
次に、本実施形態に係るセンタ側コンピュータ18で行われる計測地点データの作成方法について、図4及び図5に基づいて説明する。
【0086】
ここで、前述のドライブ装置40に、計測地点データの作成プログラム(以下、「第1プログラム」と呼ぶ)及び解析基礎データとしてのプローブデータを作成するプログラム(以下、「第2プログラム」と呼ぶ)、並びにこれらのプログラムに付属するデータベースなどが記録された、DVDがセットされているものとする。
【0087】
まず、オペレータにより、入力装置32が操作され、第1プログラム及び付属するデータベースがハードディスク36にインストールされる。次いで、オペレータにより、入力装置32を介して第1プログラムがメインメモリ(RAM)にロードされ、起動される。これにより、センタ側コンピュータ18内部のCPUは、以後、この第1プログラムに従って処理を行う。図4には、第1プログラムに従って行われるセンタ側コンピュータ18内部のCPUの処理アルゴリズムに対応するフローチャートが示されている。
【0088】
まず、図4のステップ102において、センサス区間の起点、経由点(通過点)、終点が指定されるのを待つ。ここで、この指定は、表示装置34の画面上に地図画面を表示し、入力装置32を構成するマウス等を用いてオペレータが、その画面上に表示されたノードをポインティングすることにより行うようにすることもできるし、あるいはオペレータがキーボードから直接的に起点、経由点、終点の座標(緯度、経度)などを入力するようにすることもできる。
【0089】
いずれにしても、オペレータにより、センサス区間の起点、経由点、終点が指定されると、ステップ104に進んでその指定に応じてデジタル地図上における対象となる経路(道路)を特定し、その経路の起点から終点までを構成する、全てのリンクデータを、リンク番号に従って、起点から順番にRAM内の所定領域に配列する。この結果、一例として、N個のノードに対応する座標(緯度、経度)P1〜PNが順番に配列されるものとする。
【0090】
次のステップ106では、ステップ104における配列によって定まるノード番号を示すカウンタnを1に初期化する。次のステップ108では、後述する通過点の番号を示すカウンタmを1に初期化した後、ステップ109に進んでn番目のノードPnと(n+1)番目のノードPn+1とを両端の点とするリンクの長さ(距離)Lnが、設定距離範囲内にあるか否かを判断する。ここで、デフォルトでは、一例として上限値として1mが設定され、「設定距離範囲」は、0<距離Ln≦1mの範囲となっている。勿論、「設定距離範囲」は、オペレータが入力装置32を用いて所定範囲内で任意に設定可能にしておくことが望ましい。この場合、オペレータは、下限値及び上限値を設定することもできるし、デフォルトと同様に、上限値のみを設定することもできる。後者の場合、設定範囲は、0<設定距離≦上限値となる。以下、設定距離範囲は、0<距離Ln≦1mのデフォルト設定のままであるとして説明する。
【0091】
そして、このステップ109における判断が肯定された場合には、ステップ118にジャンプする。一方、ステップ109における判断が否定された場合には、ステップ110に進む。このステップ110では、n番目のノードPnと(n+1)番目のノードPn+1の中央の座標点、すなわちノードPn(この場合P1)とノードPn+1(この場合P2)とを両端の点とするリンクの中点の座標を算出し、この中点を通過点Mm(この場合M1)として設定する。
【0092】
次のステップ112では、ノードPn(この場合P1)と通過点Mm(この場合M1)との座標に基づき、両者間の距離Lmが設定距離範囲内にあるか否かを判断する。ここで、デフォルトでは、一例として上限値として1mが設定され、「設定距離範囲」は、0<距離Lm≦1mの範囲となっている。勿論、「設定距離範囲」は、オペレータが入力装置32を用いて任意に設定可能にしておくことが望ましい。本実施形態では、設定距離範囲の上限値は、0.5m〜500mの範囲に含まれる任意の距離に設定可能となっている。ここで、下限値を0.5mとしたのは、長さ(距離)1mのリンクが最も短いリンクであるとの前提で、これを2等分する場合を考えると、2等分後の長さが0.5mとなることに基づくものであり、上限値を500mとしたのは、信号機のある交差点間の距離が平均500m程度であることに基づくものである。従って、前述した距離Lnの設定距離範囲の上限値も、0.5m〜500mの範囲で設定可能にしておくことが望ましい。
【0093】
この場合も、オペレータは、下限値及び上限値を設定することもできるし、デフォルトと同様に、上限値のみを設定することも可能となっている。後者の場合、設定範囲は、0<設定距離≦上限値となる。以下、設定距離範囲は、0<距離Lm≦1mのデフォルト設定のままであるとして説明する。
【0094】
そして、このステップ112における判断が否定された場合には、ステップ114に移行し、カウンタmを1インクリメント(m←m+1)した後、ステップ115に進み、n番目のノードPn(この場合P1)と(m−1)番目の通過点Mm−1(この場合M1)との中点の座標を算出し、この中点を通過点Mm(この場合M2)として設定する。この設定後、ステップ112に戻る。このステップ112では、P1とM2との距離L2が0<距離L2≦1mを満足するか否かが判断されることとなる。
【0095】
そして、このステップ112における判断が否定されると、ステップ114→115→112のループの処理を、ステップ112における判断が肯定されるまで、繰り返す。このようにして、n番目のノードPn(この場合P1)と(n+1)番目のノードPn+1(この場合P2)を両端の点とするリンクについて、順次2等分する処理が繰り返し行われる。
【0096】
図5(A)及び図5(B)には、上で説明したステップ110、及びステップ112→114→115のループの処理の一例が、模式化して示されている。
【0097】
この一方、上記ステップ112における判断が肯定された場合には、ステップ116に進んでn番目のノードPn(この場合P1)と(n+1)番目のノードPn+1(この場合P2)を両端の点とするリンクを、距離Lmを単位として実質的に2m個に等分し、ノードPn(この場合P1)とノードPn+1(この場合P2)との間に(2m−1)個の分割地点を設定する。図5(C)には、このときの様子が模式化して示されている。ここで設定された分割地点及びノードが計測地点となる。
【0098】
次のステップ118では、各計測地点の位置情報、例えばデジタル地図上の位置座標(数値緯度、数値経度)、隣接する2点間の距離、及び起点P1すなわち第1番目のノードからの累計距離等を求める。
【0099】
なお、前述のステップ109の判断が肯定された場合、すなわちPnとPn+1との間に分割地点が存在しない場合には、PnとPn+1を計測地点として、それぞれの計測地点にノードP1からの累計距離(経路に沿った総距離)と位置座標とを求める。
【0100】
次のステップ120では、カウンタnの値nが(N−1)以上であるか否かを判断することにより、最終リンク(ノードPN−1、PNを両端点とするリンク)について計測地点の設定並びに計測地点座標(位置情報)、隣接する2点間の距離の算出などが終了したか否かを判断する。この場合、n=1であるから、ここでの判断は否定され、ステップ122でカウンタnを1インクリメント(n←n+1)した後、ステップ108に戻る。以降、ステップ120における判断が肯定されるまで、上記ステップ108以下の処理を繰り返す。これにより、第2番目のリンク(ノードP2、P3を両端の点とするリンク)から上記の最終リンクまでのそれぞれのリンクについて、計測地点の設定、隣接2点の計測地点間の距離、並びに計測地点毎の累計距離と座標(位置情報)の算出などが行われる。
【0101】
そして、最終リンクについて上記の処理が終了し、ステップ120における判断が肯定されると、ステップ124に進み、その特定された経路(センサス区間)を構成する各計測地点について、起点から終点に至る順序で連番を設定した後、ステップ126に進む。この場合、例えば起点を番号0とし、第1リンク上の第1番目の計測地点から最終リンクの終点までの各計測地点に1から連番が付される。図5(D)には、このようにして各計測地点Qに、0、1、2……が付された様子が、概念的に示されている(図5(D)のQ0、Q1、Q2、……参照)。
【0102】
次のステップ126では、上記の特定された経路における計測地点(図5(D)のQ0、Q1、Q2、……参照)の座標群に区間の名称である対象区間名を与えるとともに、該連番と各計測地点の位置情報(位置座標、起点からの累計距離、県CD、市町村CD、及びセンサス番号など)とを含むデータを、計測地点データとして作成して出力する。これとともに、表示装置24の画面に「終了しても良いですか?」のメッセージ及び終了確認ボタンを表示する。前記出力された計測地点データは、一例として図6に示されるように、道路情報データベースに新規レコードとして追加される。この図6において、「対象区間名」は、ステップ126で設定した対象区間の名称である。但し、実際のデータ形式は、1〜2桁が県コード(01〜47の2桁)、3〜4桁が市町村コードの3桁、5〜10桁がセンサス番号の5桁の合計10桁の数値データ(テキストデータ)である。また、「Row」は、設定した計測地点の番号、すなわち前述のステップ124で付された連番に相当する。また、「緯度」、「経度」は、前述のステップ118で算出された各計測地点の位置座標(数値緯度、数値経度)に相当し、地図情報データベースから得られるものである。「距離」は、1つ前の番号の計測地点からの距離であり、前述のステップ118で算出されるものである。累計距離は、前述のステップ118で算出された各計測地点の起点P1からの経路に沿った距離(総距離)、「県CD」は、県番号であり、地図情報データベースから得られる。また、「センサス番号」は、道路交通センサスとの対応番号であり、道路の情報(路線名、管理者など)と結びつけるためのキーとなる。
【0103】
次のステップ128及び130で、上記メッセージの表示から一定時間だけ終了確認ボタンが押されるのを待ち、一定時間内に終了確認ボタンが押されなかった場合には、ステップ102に戻り、次のセンサス区間の起点、経由点、終点が指定されるのを待つ。そして、センサス区間の起点、経由点、終点が指定されると、上記ステップ104以下の処理を繰り返す。
【0104】
このようにして、必要な数の経路(道路区間)について、計測地点データの作成が終了し、オペレータにより終了確認ボタンがマウス等で押されると、本ルーチンの一連の処理を終了する。
【0105】
次に、センタ側コンピュータ18を用いて行われる、プローブカーデータの作成処理について説明する。
【0106】
まず、オペレータにより、入力装置32が操作され、第2プログラムがハードディスク36にインストールされる。次いで、オペレータにより、入力装置32を介して第2プログラムがメインメモリ(RAM)にロードされ、起動される。これにより、センタ側コンピュータ18内部のCPUは、以後、この第2プログラムに従って処理を行う。図8及び図9には、第2プログラムに従って行われるセンタ側コンピュータ18内部のCPUの処理アルゴリズムに対応するフローチャートが示されている。
【0107】
前提として、ハードディスク36内の車輌移動記録データベースには、プローブカー101〜10Nのうちの複数台のプローブカーの複数日に渡る移動データ、すなわち図3に示されるような走行データのレコードが格納されているものとする。また、前述のようにして作成された複数の経路の計測地点データのレコードが、ハードディスク36内の道路情報データベースに格納されているものとする。
【0108】
まず、ステップ202において、車番及び日付の範囲指定がなされるのを待つ。このとき、表示装置24の画面上には、車番及び日付の範囲指定を促すメッセ−ジが表示されているものとする。そして、オペレータにより入力装置32のキーボードを介して車番、日付の範囲指定がなされると、ステップ204に進んで、車輌移動記録データベースから、指定された車番、日付に対応するレコードを抽出し、新たに走行データベースを作成する。この抽出を効率的に行うために、車輌移動記録データベースでは、予め車番順、日付順に各レコードをソートしておくと良い。
【0109】
次のステップ206では、上記ステップ204で対象となるレコードが抽出できたか否かを判断し、この判断が否定された場合には、対象となるレコードが存在しないため処理を終了する。一方、ステップ206における判断が肯定された場合には、ステップ208に進んでステップ204で作成された走行データベースのレコードを車番順、日付順、及び時刻順にソートするとともに、走行データベースのレコード数(Iとする)を取得する。
【0110】
次のステップ210では、走行データベースにおけるレコード番号を示すカウンタiを1に初期化した後、ステップ212に進んで走行データベースにおけるi番目(この場合第1番目)のレコードにポインタを移動する(i番目のレコードを処理対象とする)。
【0111】
次のステップ214では、例えばi>Iが成立するか否かを判断することにより、最終レコードの処理が終了したか否かを判断する。この場合、i=1であるから、ここでの判断は否定され、ステップ216に進み、現レコード(以下、便宜上「走行レコード」ともいう)の「緯度EX」フィールドデータと「経度EX」フィールドデータとに基づいて、その地点を中心として所定範囲内にある計測地点のデータを、道路情報データベースから抽出する。このステップ216の処理は、具体的には、次のようにして行われる。すなわち、走行レコードにおける「緯度EX」フィールドデータ及び「経度EX」フィールドデータを、例えば前述した換算手法により、地図情報データベースでの座標(数値緯度、数値経度)に変換し、この変換後の座標(以下、便宜上「変換座標」という)を中心として所定範囲内にある計測地点を地図情報データベースから抽出する。ここで、所定範囲は、デフォルトでは上記のキーとなる位置情報に対応する座標を中心とする半径30mの円形領域の範囲が定められている。ここで、半径30mとしたのは、例えばGPS受信機で計測される経度、緯度の10分の1秒に対応する計測誤差が30mであるとの事実認識に基づくものである。
【0112】
なお、本実施形態のセンタ側コンピュータ18では、前記半径は、オペレータが10m〜200mの範囲で任意に設定可能となっている。ここで10mを下限値としたのは、前述した如く現在のGPS受信機の計測精度が最も高い場合に、位置計測誤差が10m程度となることを考慮したものであり、200mを上限値としたのは、誤差がその10倍程度となる場合が最も計測精度が低い場合であろうと推測されるためである。さらに、隣接する道路間の間隔が200mよりは広いのが通常であるという事実も考慮した。なお、上限値は、設定範囲に含めても含めなくても良い。すなわち、設定範囲は、10m以上200m以下、あるいは10m以上200m未満のいずれであっても良い。以下の説明では、所定範囲は、デフォルトの設定となっているものとする。
【0113】
次のステップ218では、上記ステップ216で、地図情報データベースから計測地点が抽出されたか否かを判断し、この判断が否定された場合には、マップマッチングなどはできないので、図9のステップ234に移行する。このステップ234では、解析基礎データとしてプローブカーデータを走行レコードにのみ基づいて作成し、新規レコードとしてプローブカーデータベースに追加する。このとき、プローブカーデータを表示装置34の画面上に同時に表示することとしても良い。
【0114】
一方、ステップ218における判断が肯定された場合には、ステップ220に進んで、地図情報データベースから抽出した計測地点は、複数あるか否かを判断する。そして、この判断が肯定された場合には、抽出した計測地点のそれぞれについて、その座標(数値緯度、数値経度)と上記変換座標との距離を算出する。次のステップ224で、算出された距離が最短となる計測地点をマッチング点とし、その計測地点データを地図情報データベースから取得する。
【0115】
図10には、上記ステップ216→218→220→222→224の処理により、変換座標点Rが、計測地点Qkにマッチングした様子が模式的に示されている。すなわち、本実施形態では、地図情報データベースに基づいて、走行レコードにおける位置座標に最も近い計測地点が選び出され、その計測地点がマッチング点とされる。
【0116】
図9に戻り、前述と反対にステップ220における判断が否定された場合、すなわち計測地点が1つのみ抽出された場合には、ステップ226に移行し、その計測地点をマッチング点とし、その計測地点データを地図情報データベースから取得する。
【0117】
上記ステップ224又は226の処理の後、ステップ228に進み、現レコードの車輌マスタコードは、1つ前のレコードの車輌マスタコードと同一であるか否かを判断する。これは、車輌の切り替わりを判断するためである。この場合、i=1であり、現レコードが先頭レコードであるため、1つ前のレコードは存在しないので、ここでの判断は否定され、図9のステップ234に移行する。
【0118】
ステップ234では、前述の計測地点データを抽出できなかった場合と同様に、プローブカーデータを走行レコードにのみ基づいて作成し、新規レコードとしてプローブカーデータベースに追加する。このとき、プローブカーデータを表示装置34の画面上に同時に表示することとしても良い。
【0119】
次にステップ236に移行し、現レコードから車輌マスタコードを取得する。そして、図8のステップ238に移行し、カウンタiを1インクリメント(i←i+1)した後、ステップ212に戻る。以後、ステップ212〜ステップ224(又は226)の処理を前述と同様に繰り返し、ステップ228で、再度現レコード(この場合、第2番目のレコード)の車輌マスタコードと、1つ前のレコード(この場合、先頭レコード)の車輌マスタコードとが同一であるか否かを判断する。そして、この判断が否定された場合、すなわち車輌が切り替わっていた場合(通常は、このようなことはない)には、ステップ234に移行し、前述と同様に走行レコードのみに基づいてプローブカーデータを作成し、新規レコードとしてプローブカーデータベースに追加する。
【0120】
一方、ステップ228における判断が肯定された場合、すなわち車輌が同一であった場合(通常は、このようになる)には、ステップ230に進み、現レコードの処理で取得したマッチング点の計測地点データは、1つ前のレコードの処理で取得した計測地点データと同一路線上のデータであるか否かを判断する。この判断は、例えば、計測地点データに含まれる「対象区間名」や「センサス番号」などに基づいて行うことができる。そして、この判断が否定された場合には、目的の車輌の走行路線が変更されていると判断できるので、マップマッチングの結果は無視し、ステップ234に移行して、前述と同様に走行レコードのみに基づいてプローブカーデータを作成し、新規レコードとしてプローブカーデータベースに追加する。なお、i=2で、このような判断がなされる場合は、通常はない。
【0121】
一方、ステップ230における判断が肯定された場合(i=2のときは、通常はこのように判断される)には、目的の車輌は、同一路線を進行していると判断できるので、ステップ232に進んで進行方向を特定するとともに、始点(走行開始点)からの走行距離(累計距離)を算出する。このステップ232において、進行方向の特定、すなわち上り、下りの判別は、例えば1つ前のレコードの処理で取得した計測地点データに含まれる累計距離(起点から距離)と現レコードの処理で取得した計測地点データに含まれる累計距離とを比較することにより行われる。
【0122】
本実施形態の場合、一例として、ΔLj=(現レコードに対応する累計距離)−(前レコードに対応する累計距離)と定義すると、ΔLjの値が負の値となる場合は「上り」、正の値となる場合は「下り」と判断することとしている。すなわち起点からの距離(起点までの距離)が時間の経過とともに減少している場合には、「上り」、その逆ならば「下り」と判断することとしている。これは、本実施形態における計測地点データの作成ルール(起点から終点に向かう方向を下りとする)を考慮した取り決めである。従って、計測地点データの作成ルールを、起点から終点に向かう方向を上り方向とするのであれば、この反対となる。なお、上記ΔLが零となる場合には、当然ながら車輌は停止している。
【0123】
また、始点からの走行距離(累計距離)は、上記ΔLjの符号が反転しない間は、ΔLjの絶対値を順次加算した値が始点(起点とは異なる)からの走行距離(累計距離)となる。また、同一路線(同一経路)を走行中に、上記ΔLjの符号が反転した場合には、進行方向が反対になったと判断できるので、そこを計算開始点として、上記と同様の計算をして、最終的な始点からの走行距離を求めれば良い。このことを言い換えれば、ΔLjの絶対値の総和を算出すれば、その値が始点からの走行距離(累計距離)になるということである。
【0124】
次のステップ234では、上記のマッチング結果、始点からの走行距離、上り、下りの特定などの結果に基づいて、解析基礎データとしてプローブカーデータを作成し、新規レコードとしてプローブカーデータベースに追加する。このとき、プローブカーデータを表示装置34の画面上に同時に表示することとしても良い。
【0125】
上記のプローブカーデータの作成後、ステップ236に戻り、現レコードから車輌マスタコードを取得した後、ステップ238に移行してカウンタiを1インクリメントした後、ステップ212に戻り、以後、i=3〜Nの場合について、上記処理、判断を繰り返す。
【0126】
そして、ステップ204で抽出した第I番目のレコード(最終レコード)について処理が終了し、i=I+1となってステップ214における判断が肯定されると、本ルーチンの一連の処理を終了する。
【0127】
図11には、プローブカーデータベースのレコード列の一例が示されている。この図11において、「通番」フィールドには上記ステップ234で生成(作成)順に付されるデータ番号(レコード番号)が格納される。また、「車番」フィールドには走行レコードから得られる車輌固有の番号が格納される。「緯度」フィールド,「経度」フィールドには、それぞれ走行レコード中の「緯度EX」フィールドデータ、「経度EX」フィールドデータから得られる車輌位置の緯度,経度が格納される。すなわち、走行レコード中の「緯度EX」、「経度EX」を、それぞれ数値緯度、経度に変換し、その変換後の座標点と計測地点データとのマッチングを行い、そのマッチング点となった計測地点データ中の数値緯度、数値経度について、前述の変換と逆の変換を行うことにより、北緯(度、分、秒)、東経(度、分、秒)の形式に変換したものがプローブカーデータ中の「緯度」,「経度」である。これより明らかなように、本実施形態では、GPS受信機によるプローブカーの位置計測誤差が、マップマッチングによって結果的に補正され、プローブカーの真の位置が、プローブカーデータとして求められている。
【0128】
また、プローブカーデータベースの「方位」フィールドには、走行レコード中の「方位1」から抽出された車輌の進行方向(上り、下りではなく、東西南北の方位)が格納される。「速度」フィールドには、走行レコード中の「速度」から抽出された車輌の速度が格納される。「日付」フィールド,「時刻」フィールドにはそれぞれ走行レコードから得られるデータ生成日付、データ生成時刻が格納される。「累計距離」フィールドには、上記ステップ232で算出された車輌の始点からの走行距離が格納される。「県CD」フィールド、「市町村CD」フィールド、「センサス番号」フィールドには、それぞれ計測地点データより得られる県番号、市町村番号、計測区間番号が格納される。「上下区分」フィールドには、上記ステップ232で特定された路線進行方向(上り、下り)の別が格納される。
【0129】
なお、プローブカーデータベースのフィールドに使用目的並びに使用する車輌データ、走行データ、計測地点データに応じて、車載装置の状態を示す「状態」、測位に利用されるGPS衛星数を示す「測位」、デジタル地図で使用する緯度の数値データである「数値緯度」、デジタル地図で使用する経度の数値データである「数値経度」、受信データのイベント種類を示す「タイプ」、前データ生成からの経過時間を示す「間隔」、管理担当者名を示す「担当者名」、「道路種別」、「路線番号」、「センサス区間を分割した計測区間番号」、「渋滞ポイント」、道路管理者の区分を示す「直轄区分」、起点からのポイント位置を示す「順路」、「上り方向バスレーン数」、「下り方向バスレーン数」などを追加しても良い。
【0130】
これまでの説明から明らかなように、本実施形態では、センタ側コンピュータ18(より正確にはCPU)とソフトウェアプログラムとによって、抽出手段、選択手段、作成手段、ソート手段、及び判定手段が実現されている。すなわち、センタ側コンピュータ18が行うステップ216、218、226の処理により、抽出手段が実現され、また、センタ側コンピュータ18が行うステップ220、222、224の処理により選択手段が実現されている。また、センタ側コンピュータ18が行うステップ228、230、232、234の処理により、作成手段が実現されている。さらに、センタ側コンピュータ18が行うステップ208などの処理によりソート手段が実現され、センタ側コンピュータ18が行うステップ232の処理により判定手段が実現されている。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。すなわち、上記実施形態は一例に過ぎず、上記のセンタ側コンピュータ18(より正確にはCPU)によるソフトウェアプログラムに従う処理によって実現した構成各部の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良い。
【0131】
以上詳細に説明したように、本実施形態に係るデータ処理装置19、及び該データ処理装置19で行われる、計測地点データの作成方法によると、オペレータ等が、入力装置32を介してデジタル地図データにおける起点、終点を少なくとも含む複数のノードを指定すると、センタ側コンピュータ18により、対象となる経路が特定され(ステップ104)、特定された経路上に存在する、隣接するノード間のリンクのうちその距離が予め定めた設定距離範囲を越えるリンクのそれぞれが、設定距離範囲の複数の区間に分割して特定された経路上に複数の分割地点が設定される(ステップ106〜122、但しステップ118を除く)。次いで、センタ側コンピュータ18により、設定された複数の分割地点及び特定された経路上に存在するノードを計測地点として計測地点毎のデジタル地図上の位置情報が算出され(ステップ118)、さらに、各計測地点に起点から終点に至る順序で連番が設定され(ステップ124)、該連番と対応する各計測地点の位置情報その他の属性情報とを含むデータが計測地点データとして作成され、出力される(ステップ126)。すなわち、本実施形態のデータ処理装置19で行われる、計測地点データの作成方法によると、デジタル地図データ上で特定された経路に存在する全てのノード(起点、終点を含む)と、リンクの長さ(距離)が予め定めた設定距離範囲を越えるリンクをそれぞれ分割した全ての分割地点とを計測地点とし、各計測地点毎のデジタル地図上の位置情報が算出され、各計測地点に起点から終点に至る順序で連番が設定され、該連番と対応する各計測地点の前記位置情報その他の属性情報とを含む計測地点データが作成される。従って、計測地点データとして、少なくとも計測地点に関する位置情報を含むデータが作成されるので、交通調査の目的でマップマッチングを行う際に必要な最低限の情報を含む計測地点データを容易に作成することが可能となり、この作成された計測地点データと、例えばプローブカー101〜10Nで得た走行データ(移動データ)などとのマップマッチングを行うことにより、交通調査の目的で容易にマップマッチングを行うことが可能となる。
【0132】
また、本実施形態の計測地点データの作成方法では、隣接するノードを両端の点とするリンクの長さが設定距離範囲を越える場合に、そのリンク上に計測地点を複数設定し、しかも各計測地点に位置情報は勿論、前述した種々の属性情報を持たせることができる。このため、作成された計測地点データを用いて移動体の移動データとのマップマッチングを行い、マップマッチング後に得られた移動体の移動状況の解析基礎データ(本実施形態におけるプローブカーデータがこれに相当)を用いて、交通調査その他の目的で、種々の解析、分析などを行う場合に、各マッチング点(計測地点)の位置情報、その他の属性情報を用いた種々の解析、分析等を行うことができる。
【0133】
また、本実施形態に係るデータ処理装置19及び該データ処理装置19で行われる、プローブカーデータを得るためのデータ処理方法によると、センタ側コンピュータ18により、時刻、日付、位置情報を含む移動データとしての走行データ毎に、該走行データに含まれる位置情報をキーとして、予め設定されたデジタル地図上の少なくとも1つの経路中の複数の計測地点の中から、前記キーとなる位置情報に対応する座標点を中心とする所定範囲内に存在する1又は2以上の計測地点が抽出される(ステップ216)。ここで、1つの計測地点のみが抽出された場合には、センタ側コンピュータ18により、その計測地点のデータが取得される(ステップ226)。一方、抽出された計測地点が複数ある場合、センタ側コンピュータ18により、該複数の計測地点の中から前記座標点に最も近い計測地点が選択される(ステップ220〜224)。そして、センタ側コンピュータ18により、抽出された計測地点又は選択された計測地点の情報と対応する走行データとを関連付けた移動体の移動状況の解析基礎データとしてプローブカーデータが作成される(ステップ228〜234)。すなわち、本実施形態に係るデータ処理方法によると、予め設定されたデジタル地図上の少なくとも1つの経路中の複数の計測地点の中から、プローブカー101、102、…10Nの走行データに含まれる位置情報に最も近い計測地点が自動的に抽出又は選択され、その計測地点と走行データとが確実にマッチングされて、その計測地点の情報と対応する走行データとを関連付けたプローブカー101、102、…10Nの移動状況の解析基礎データ(プローブカーデータ)が作成される。従って、走行データの位置情報に計測誤差が含まれていても、これに影響を受けることなく、走行データをデジタル地図上の経路中の計測地点に確実にマッチングさせることができ、走行データとデジタル地図上の計測地点とが正確にマッチングされた移動体としてのプローブカー101、102、…10Nの移動状況の解析基礎データ(プローブカーデータ)を得ることができる。
【0134】
また、本実施形態によると、上記の計測地点データとして、センタ側コンピュータ18を用い、本発明の計測地点データの作成方法に従って予め作成した計測地点データが用いられている。このため、その計測地点データは、前述の如く、交通調査に必要な最低限の情報を含むので、得られた移動体としてのプローブカー101、102、…10Nの移動状況の解析基礎データを用いることにより、交通調査を目的とした種々の解析を良好に行うことが可能となる。
【0135】
また、本実施形態によると、センタ側コンピュータ18が、走行データを車番順、日付順にソートできるので(ステップ208参照)、走行データ(移動データ)として、2日以上に渡る複数台のプローブカーの走行データが混在している場合であっても、支障なく、プローブカー(移動体)毎に、かつ日付毎に、移動状況の解析基礎データを作成することができる。
【0136】
また、本実施形態によると、センタ側コンピュータ18が、走行データを車番順、日付順に加え、時刻順にソート処理し、該ソート処理後の走行データに基づいて対象となる移動体(プローブカー)の移動方向が上りであるか下りであるかの判定を行い、その上り、下りの判定結果が付加されたプローブカーデータを作成する。このため、従来の上り、下りの情報が含まれていないプローブカーデータに比べてその利用用途が広がるという利点がある。
【0137】
また、本実施形態に係るデータ処理システム(プローブカーシステム)100によると、移動体としてのプローブカー101、102、…10Nの位置情報を計測するGPS受信機20を有し、該GPS受信機20で計測された位置情報を日付、時刻、及びプローブカーの識別情報とともに当該プローブカーの走行データ(移動データ)として出力する車載装置12が、プローブカー毎に個別に付属して設けられている。そして、先に説明したセンタ側コンピュータ18を中心として構成されたデータ処理装置19が、各プローブカーの車載装置12(以下、「各車載装置12」と記述する)に通信路(無線、無線パケット網14、専用線)を介して接続されている。このため、例えばデータ処理装置19では、通信路を介して各車載装置12から移動データを所定のタイミングで取り込み、ハードディスク36に逐次記憶する。そして、データ処理装置19では、この取り込んだ複数の移動データに基づいて、前述の第1プログラムに従った処理をを行う。これにより、移動データの位置情報に計測誤差が含まれていても、これに影響を受けることなく、移動データをデジタル地図上の経路中の計測地点に確実にマッチングさせることができ、移動データとデジタル地図上の計測地点とが正確にマッチングされた移動体の移動状況の解析基礎データがデータ処理装置19によって作成される。
【0138】
なお、上記実施形態では、各計測地点の位置情報として、各計測地点の特定された経路上の代表点としての起点からの経路に沿った累計距離と、各計測地点の位置座標(数値緯度、数値経度)とが含まれる場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。すなわち、各計測地点の位置情報としては、経路上の代表点としての起点からの経路に沿った累計距離に代えて、あるいはこれとともに、各リンク上の始点からの累計距離を含めても良いし、あるいは各計測地点の位置座標のみでも良い。また、経路上の代表点は、起点に限らず、終点、あるいはその他のノードであっても良い。
【0139】
また、上記実施形態で説明したリンクの分割方法は一例であって、本発明がこれに限定されるものではない。すなわち、上記実施形態では、分割の対象となるリンクのそれぞれを、実質的に等分割する場合について説明したが、これに限らず、各リンクを任意に分割しても良い。要は、ノード間のリンクを分割して、複数の計測地点データを予め作成できれば良い。また、リンクを等分割する場合にも、上記実施形態と異なり、最終段の分割後の区間が設定距離範囲となるまで、分割対象のリンクのそれぞれについて、該リンクの実質的な2等分に限らず、3等分、4等分などp等分(pは2以上の整数)を繰り返すことにより、等分割のための単位を算出することとしても良い。
【0140】
なお、上記実施形態では、本発明の計測地点データの作成方法によって作成された計測地点データを用いる場合について説明したが、これに限らず、他の作成方法によって作成された計測地点データを用いる場合であっても、本発明のデータ処理方法は、好適に適用できるものである。この場合において、計測地点データとして、各計測地点の位置情報の他、前述した計測地点データと同様の種々の属性情報が含まれていることが、本発明のデータ処理装置、及びデータ処理方法を用いて作成された移動体の移動状況の解析基礎データを交通調査の目的で利用する場合などにその利用価値が向上するので、より望ましい。
【0141】
なお、上記実施形態では、センタ側コンピュータ18が、車番順、日付順のソート処理機能を有する場合について説明したが、本発明のデータ処理装置は、かかるソート処理機能を必ずしも具備している必要はない。例えば、1台の移動体の移動状況の解析基礎データの作成には車番順のソート処理機能は必要ではないし、1日だけの移動体の移動状況の解析基礎データの作成には日付順毎のソート処理機能は必要ではないからである。
【0142】
なお、上記実施形態のデータ処理システム100の構成は一例であって、本発明がこれに限定されないことは勿論である。例えば、上記実施形態では、データ処理装置19を構成するセンタ側コンピュータ18が、直接専用線で交換機16に接続されるものとしたが、これに限らず、交換機16に接続されるワークステーションなどから成る基地局サーバを別に設け、該基地局サーバにLANなどを介して前述のセンタ側コンピュータ18を接続しても良い。
【0143】
また、上記実施形態では、計測手段として、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)を用いる場合について説明したが、これに代えて、あるいはこれとともに、パーソナル・ハンディフォン・システム(PHS)、カー・ナビゲーション・システム及び携帯電話の少なくとも1つを用いることとしても良い。要は、計測手段としては移動体の位置情報を計測できれば良い。
【0144】
また、上記実施形態では、移動体としてプローブカーを用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではなく、移動体としては、自動車、自転車、人、あるいは電車などのいずれであっても良い。要は、移動体は、GPS受信機などと一体で道路等の経路上を移動し、GPS受信機などでその位置を計測でき、しかも上記経路がデジタル地図上に表すことができるものであれば良い。
【0145】
なお、上記実施形態では、無線パケット網、専用線などを介して車載装置とデータ処理装置19とを接続する場合について説明したが、これに限らず、各移動体にハードディスク等の記憶手段を備えたコンピュータなどを車載装置の一部として搭載し、GPS受信機などの計測手段と、そのコンピュータとを接続して、データを蓄積することとしても良い。このようにすると、通信費が不要となるので、より細かい時間間隔で、移動データ(走行データ)の取り込みを低コストでおこなうことができる。そして、このようにして蓄積された移動データを上記実施形態に係るデータ処理装置19などの本発明のデータ処理装置を用いて処理することにより、移動体の移動状況の解析基礎データを得ることとしても良い。
【0146】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る計測地点データの作成方法によれば、作成された計測地点データを用いることにより、交通調査の目的で容易にマップマッチングが行うことが可能になる。
【0147】
また、本発明に係るデータ処理方法及びデータ処理装置、並びにデータ処理システムによれば、移動体の移動データ中の位置情報に計測誤差が含まれていてもこれに影響を受けることなく、その移動データとデジタル地図上の計測地点とが正確にマッチングされた移動体の移動状況の解析基礎データを得ることが可能になる。
【0148】
また、本発明に係る第1のプログラム及び該プログラムが記録された情報記録媒体によれば、交通調査の目的で行うマップマッチングを容易にする計測地点データをコンピュータに作成させることができる。
【0149】
また、本発明の第2のプログラム及び該プログラムが記録された情報記録媒体によれば、移動体の移動データ中の位置情報に計測誤差が含まれていてもこれに影響を受けることなく、その移動データとデジタル地図上の計測地点とが正確にマッチングされた移動体の移動状況の解析基礎データを、コンピュータに作成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係るデータ処理システムの構成を概略的に示す図である。
【図2】図1のデータ処理装置の構成を示す図である。
【図3】車輌移動記録データベースの一例を示す図である。
【図4】第1プログラムに従って行われるセンタ側コンピュータ内部のCPUの処理アルゴリズムに対応するフローチャートである。
【図5】図5(A)〜図5(D)は、計測地点の設定手順を模式化して示す図である。
【図6】図4のフローチャートに対応する処理アルゴリズムに従って作成された道路情報データベースの一例を示す図である。
【図7】車輌属性データベースの一例を示す図である。
【図8】第2プログラムに従って行われるセンタ側コンピュータ内部のCPUの処理アルゴリズムに対応するフローチャート(その1)である。
【図9】第2プログラムに従って行われるセンタ側コンピュータ内部のCPUの処理アルゴリズムに対応するフローチャート(その2)である。
【図10】変換座標点と計測地点とのマッチングの様子を模式的に示す図である。
【図11】図8及び図9のフローチャートに対応する処理アルゴリズムに従って作成されたプローブカーデータベースの一例を示す図である。
【符号の説明】
12…車載用端末(移動データ収集装置)、18…センタ側コンピュータ(抽出手段、選択手段、作成手段、及び情報処理装置)、20…GPS受信機(計測手段)、19…データ処理装置、36…ハードディスク(記憶手段)、100…データ処理システム。
Claims (39)
- マップマッチング処理に用いられる計測地点データを情報処理装置によって作成する計測地点データの作成方法であって、
起点及び終点を少なくとも含むデジタル地図上における複数のノードの指定に応じて、対象となる経路を特定する第1工程と;
前記特定された経路上に存在する、隣接するノード間のリンクのうちその距離が予め定めた設定距離範囲を越えるリンクのそれぞれを、前記設定距離範囲の複数の区間に分割して前記特定された経路上に複数の分割地点を設定する第2工程と;
前記設定された複数の分割地点及び前記特定された経路上に存在するノードを計測地点として計測地点毎の前記デジタル地図上の位置情報を算出する第3工程と;
前記各計測地点に前記起点から前記終点に至る順序で連番を設定し、該連番とこれに対応する各計測地点の前記位置情報とを含むデータを、計測地点データとして作成する第4工程と;を含む計測地点データの作成方法。 - 前記位置情報は、前記各計測地点の前記特定された経路上の代表点からの前記経路に沿った累計距離と、前記各計測地点の位置座標とを少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載の計測地点データの作成方法。
- 前記代表点は、前記起点又は終点であることを特徴とする請求項2に記載の計測地点データの作成方法。
- 前記第2工程における前記リンクの分割は、前記設定距離範囲の距離を単位とする実質的な等分割であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の計測地点データの作成方法。
- 前記リンクの等分割に際し、最終段の分割後の区間が設定距離範囲となるまで、前記分割対象となるリンクのそれぞれについて、該リンクの実質的なp等分(pは2以上の整数)を繰り返すことにより、前記等分割のための単位を算出することを特徴とする請求項4に記載の計測地点データの作成方法。
- 前記設定距離範囲の上限値は、0.5m〜500mの範囲に含まれる任意の距離であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の計測地点データの作成方法。
- 時刻、日付、位置情報を含む複数の移動データに基づいて、移動体の移動状況の解析基礎データを情報処理装置によって作成するデータ処理方法であって、
前記移動データ毎に、該移動データに含まれる位置情報をキーとして、予め設定されたデジタル地図上の少なくとも1つの経路中の複数の計測地点の中から、前記キーとなる位置情報に対応する座標点を中心とする所定範囲内に存在する1又は2以上の計測地点を抽出する第1工程と;
前記第1工程で抽出された計測地点が複数ある場合、該複数の計測地点の中から前記座標点に最も近い計測地点を選択する第2工程と;
前記第1工程で抽出された計測地点又は前記第2工程で選択された計測地点の情報と対応する移動データとを関連付けた前記移動体の移動状況の解析基礎データを作成する第3工程と;を含むデータ処理方法。 - 前記計測地点の情報は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の計測地点データの作成方法によって作成された計測地点データであることを特徴とする請求項7に記載のデータ処理方法。
- 前記複数の移動データは、2日以上に渡る移動体の移動データを含み、
前記第3工程に先立って、前記複数の移動データについて日付順にソート処理を行い、前記第3工程では、日付毎に前記移動体の移動状況の解析基礎データを作成することを特徴とする請求項7又は8に記載のデータ処理方法。 - 前記複数の移動データは、複数の移動体の移動データを含み、
前記第3工程に先立って、前記複数の移動データについて移動体毎にソート処理を行い、前記第3工程では、移動体毎の前記解析基礎データを作成することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載のデータ処理方法。 - 前記第3工程に先立って、前記複数の移動データについて、時刻順にソート処理を行い、該ソート処理後の移動データに基づいて対象となる移動体の移動方向が上りであるか下りであるかの判定を行う第4工程を更に含み、
前記第3工程では、前記上り、下りの判定結果が付加された前記解析基礎データを作成することを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載のデータ処理方法。 - 前記所定範囲は、前記座標点を中心とする円形領域の範囲であり、その円の半径は10m〜200mであることを特徴とする請求項7〜11のいずれか一項に記載のデータ処理方法。
- 時刻、日付、移動体の識別情報、及び位置情報を含む複数の移動データに基づいて、移動体の移動状況の解析基礎データを作成するデータ処理装置であって、
起点からの累計距離と位置情報と連番とを少なくとも含む複数の計測地点の情報をそれぞれ含むデジタル地図上の複数の経路の情報が予め記憶された記憶手段と;
前記移動データ毎に、該移動データに含まれる位置情報をキーとして、前記記憶手段に記憶された複数の経路の複数の計測地点の中から、前記キーとなる位置情報に対応する座標点を中心とする所定範囲内に存在する1又は2以上の計測地点を抽出する抽出手段と;
前記抽出された計測地点が複数ある場合、該複数の計測地点の中から前記座標点に最も近い計測地点を選択する選択手段と;
前記抽出された計測地点又は前記選択された計測地点の情報と対応する移動データとを関連付けた移動体の移動状況の解析基礎データを作成する作成手段と;を備えるデータ処理装置。 - 前記記憶手段には、請求項1〜6のいずれか一項に記載の計測地点データの作成方法によって予め作成された複数の経路の複数の計測地点データが記憶され、
前記抽出手段は、前記記憶手段に記憶された各計測地点データに対応する計測地点の中から前記キーとなる位置情報に対応する座標点を中心とする所定範囲内に存在する1又は2以上の計測地点を抽出することを特徴とする請求項13に記載のデータ処理装置。 - 前記複数の移動データについて、日付順にソート処理を行うソート手段を更に備え、
前記作成手段は、前記ソート手段によるソート処理の結果に基づいて、日付毎の前記移動体の移動状況の解析基礎データを作成することを特徴とする請求項13又は14に記載のデータ処理装置。 - 前記ソート手段は、移動体毎にソート処理を行う機能を更に有し、
前記作成手段は、前記ソート手段によるソート処理の結果に基づいて、日付及び移動体毎の前記解析基礎データを作成することを特徴とする請求項15に記載のデータ処理装置。 - 前記ソート手段は、時刻順にソート処理を行う機能を更に有し、
前記ソート手段による時刻順のソート処理がなされた移動データに基づいて対象となる移動体の移動方向が上りであるか下りであるかの判定を行う判定手段を更に備え、
前記作成手段は、前記上り、下りの判定結果が付加された前記解析基礎データを作成することを特徴とする請求項15又は16に記載のデータ処理装置。 - 前記所定範囲は、前記座標点を中心とする円形の領域範囲であり、その円の半径は、10m〜200mの範囲で任意に設定可能であることを特徴とする請求項13〜17のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
- 前記移動体は、車輌であり、
前記移動データは、前記識別情報としての車番、時刻、日付、前記位置情報としての緯度、経度の他、データ番号、方位及び速度を少なくとも含む走行データであることを特徴とする請求項13〜18のいずれか一項に記載のデータ処理装置。 - 複数の移動体の移動データを処理するデータ処理システムであって、
移動体の位置情報を計測する計測手段を有し、該計測手段で計測された位置情報を日付、時刻、及び移動体の識別情報とともに当該移動体の移動データとして出力する前記複数の移動体に個別に付属する複数の移動データ収集装置と;
前記各移動データ収集装置に通信路を介して接続された請求項13〜19のいずれか一項に記載のデータ処理装置と;を備えるデータ処理システム。 - 前記計測手段は、グローバル・ポジショニング・システム、パーソナル・ハンディフォン・システム、カー・ナビゲーション・システム、及び携帯電話の少なくとも1つであることを特徴とする請求項20に記載のデータ処理システム。
- 前記通信路は少なくとも一部に無線回線を含むことを特徴とする請求項20又は21に記載のデータ処理システム。
- 前記移動体は、プローブカーであることを特徴とする請求項20〜22のいずれか一項に記載のデータ処理システム。
- マップマッチング処理に用いられる計測地点データをコンピュータに作成させるプログラムであって、
起点、終点を少なくとも含むデジタル地図上における複数のノードを指定する入力に応答して、対象となる経路を特定する第1の手順と;
前記特定された経路上に存在する、隣接するノード間のリンクのうちその距離が予め定めた設定距離範囲を越えるリンクのそれぞれを、前記設定距離範囲の複数の区間に分割して前記特定された経路上に複数の分割地点を設定する第2の手順と;
前記設定された複数の分割地点及び前記特定された経路上に存在するノードを計測地点として計測地点毎の前記デジタル地図上の位置情報を算出する第3の手順と;
前記各計測地点に前記起点から前記終点に至る順序で連番を設定し、該連番とこれに対応する各計測地点の前記位置情報とを含むデータを、計測地点データとして作成する第4の手順と;を前記コンピュータに実行させるプログラム。 - 前記位置情報は、前記各計測地点の前記特定された経路上の代表点からの前記経路に沿った累計距離と、前記各計測地点の位置座標とを少なくとも含むことを特徴とする請求項24に記載のプログラム。
- 前記代表点は、前記起点又は終点であることを特徴とする請求項25に記載のプログラム。
- 前記第2の手順として、前記分割対象のリンクを前記設定距離範囲の距離を単位として実質的に等分割する手順を、前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項24〜26のいずれか一項に記載のプログラム。
- 前記第2の手順として、最終段の分割後の区間が設定距離範囲となるまで、前記分割対象となるリンクのそれぞれについて、該リンクの実質的なp等分(pは2以上の整数)を繰り返すことにより算出した距離を単位として等分割する手順を、前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項27に記載のプログラム。
- 前記設定距離範囲の上限値は、0.5m〜500mの範囲に含まれる任意の距離であることを特徴とする請求項24〜28のいずれか一項に記載のプログラム。
- コンピュータに、時刻、日付、位置情報を含む複数の移動データに基づいて移動体の移動状況の解析基礎データを作成させるプログラムであって、
前記移動データ毎に、該移動データに含まれる位置情報をキーとして、予め設定されたデジタル地図上の少なくとも1つの経路中の複数の計測地点の中から、前記キーとなる位置情報に対応する座標点を中心とする所定範囲内に存在する1又は2以上の計測地点を抽出する第1の手順と;
前記第1の手順で抽出された計測地点が複数ある場合、該複数の計測地点の中から前記座標点に最も近い計測地点を選択する第2の手順と;
前記第1の手順で抽出された計測地点又は前記第2の手順で選択された計測地点の情報とこれに対応する移動データとを関連付けた前記移動体の移動状況の解析基礎データを作成する第3の手順と;を前記コンピュータに実行させるプログラム。 - 前記第1の手順に先立って、
デジタル地図データ上における起点、終点を少なくとも含む複数のノードを指定する入力に応答して、対象となる経路を特定する第4の手順と;
前記特定された経路上に存在する、隣接するノード間のリンクのうちその距離が予め定めた設定距離範囲を越えるリンクのそれぞれを、前記設定距離範囲の複数の区間に分割して前記特定された経路上に複数の分割地点を設定する第5の手順と;
前記設定された複数の分割地点及び前記特定された経路上に存在するノードを計測地点として計測地点毎の前記デジタル地図上の位置情報を算出する第6の手順と;
前記各計測地点に前記起点から前記終点に至る順序で連番を設定し、該連番とこれに対応する各計測地点の前記位置情報とを含むデータを、計測地点データとして作成する第7の手順と;を前記コンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項30に記載のプログラム。 - 前記位置情報は、前記各計測地点の前記特定された経路上の代表点からの前記経路に沿った累計距離と、前記各計測地点の位置座標とを少なくとも含むことを特徴とする請求項31に記載のプログラム。
- 前記代表点は、前記起点又は終点であることを特徴とする請求項32に記載のプログラム。
- 前記第5の手順として、前記分割の対象となるリンクのそれぞれについて、前記設定距離範囲の距離を単位とする実質的な等分割を、前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項31〜33のいずれか一項に記載のプログラム。
- 前記複数の移動データは、2日以上に渡る移動体の移動データを含み、
前記第3の手順に先立って、前記複数の移動データについて日付順にソート処理を行う手順を、前記コンピュータに更に実行させ、
前記第3の手順として、日付毎に前記移動体の移動状況の解析基礎データを作成する手順を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項30〜34のいずれか一項に記載のプログラム。 - 前記複数の移動データは、複数の移動体の移動データを含み、
前記第3の手順に先立って、前記複数の移動データについて移動体毎にソート処理を行う手順を、前記コンピュータに更に実行させ、
前記第3の手順として、移動体毎の前記解析基礎データを作成する手順を、前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項30〜35のいずれか一項に記載のプログラム。 - 前記第3の手順に先立って、前記複数の移動データについて、時刻順にソート処理を行い、該ソート処理後の移動データに基づいて対象となる移動体の移動方向が上りであるか下りであるかの判定を行う手順を、前記コンピュータに更に実行させ、
前記第3の手順として、前記上り、下りの判定結果が付加された前記解析基礎データを作成する手順を、前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項30〜36のいずれか一項に記載のプログラム。 - 前記所定範囲は、前記座標点を中心とする円形の領域範囲であり、その円の半径を10m〜200mの範囲で設定する手順を、前記第1の手順に先立って前記コンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項30〜37のいずれか一項に記載のプログラム。
- 請求項24〜38のいずれか一項に記載のプログラムが記録されたコンピュータによる読み取りが可能な情報記憶媒体。
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