JP2004109924A - 画像記録体の製造方法及び画像形成装置 - Google Patents

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江草 尚之
Tetsuo Kodera
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Abstract

【課題】例えば自動車用メータパネルのように光の隠蔽性と透過性との両方の特性が要求されると共に、高温環境下においても記録画像が劣化することのない、信頼性の高い記録画像を有する画像記録体の製造方法及びそれに用いる画像形成装置の提供である。
【解決手段】少なくとも透明性を有する基体の表面に、電子写真方式により複数のトナー層を積層し、該複数のトナー層を定着させることにより定着画像を形成する画像形成工程と、ラミネートフィルムにより前記基体表面に形成された定着画像をラミネートするラミネート工程とからなる画像記録体の製造方法であって、前記画像形成工程を、清浄度クラス7以下の環境で行うことを特徴とする画像記録体の製造方法である。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射光及び透過光の両方で視認可能な記録画像が形成された画像記録体の製造方法に関し、特にあらゆる環境下においても経時変化することなく、信頼性の高い記録画像を維持できる画像記録体の製造方法及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像形成技術の発達に伴って、凹版印刷、凸版印刷、平板印刷、グラビア印刷及びスクリーン印刷など様々な印刷法により、同一品質の画像を、大量かつ安価に形成する方法が知られている。
【0003】
例えば、自動車用メータパネルにおいては、光の隠蔽性と透過性との両方の特性が要求され、技術的な観点から、これまではスクリーン印刷の技術が応用されてきた。
【0004】
近年、自動車用メータパネルの製造を、電子写真の技術を応用して行う試みがなされている。上記電子写真の技術を応用することで、スクリーン印刷で必要であった版の作成・管理が不要となるばかりでなく、メータパネルの小変更に対しても電子情報で簡単に置き換えられ、小ロット生産に対して大幅なコスト削減となるばかりでなく、印刷・乾燥のような工程を繰り返す必要がないため、生産性においても飛躍的に向上するものである。
【0005】
一方、メータパネルのように光の隠蔽性と透過性との両方の特性が要求される記録画像においては、一般的に量産性の観点から100%近くの良品率が必要とされているが、通常のまま電子写真の技術を用いると、光の隠蔽性を全く達成することはできないばかりでなく、ピンホールと呼ばれる光が透過する穴が多く発生してしまい、前記の良品率を確保することは不可能である。
【0006】
この問題を解決するために、下記2項目の方策が電子写真の技術を応用するために必須となっている。
▲1▼トナー層を4層積層して記録画像を形成する場合の4色のトナーのうち、少なくとも2色は黒色トナーとする。
▲2▼光隠蔽部のトナー付着量(TMA)を2.1mg/cm以上とする。
【0007】
上記2項目の方策により、透過濃度3.5以上の充分な隠蔽率が達成できるが、前記TMAが通常のシステムより2倍以上高いため、通常のシステムのまま対応すると、転写不良や、ブリスターと呼ばれる定着時の発泡による画像破壊等の問題が発生し、画像品質として充分な品質を得ることができない。また、画像形成時に画像中に取り込まれるゴミなどの異物も、画像品質を低下させる原因となる。すなわち、これらの転写不良、ブリスター、及び異物の存在は、透過光で記録画像を評価した場合、ピンホールと呼ばれるディフェクトとなるからである。
【0008】
このピンホールの発生を防止するため、例えば、転写不良回避のため、特に2次転写バイアスを最適化したり、ブリスターの発生を回避するため、複数のトナー層のうち最表面のトナーのみを像ずれが発生しない程度に仮定着し、その後オーブン等で非接触の2次定着を施したりして、トナーのメディアに対する定着を実施している。
【0009】
また、例えばメータパネルのように自動車内部に設置される場合には、真夏に想定される車内温度80〜100℃の環境下で長時間に渡る信頼性が要求される。通常この温度は、トナーのガラス転移点を大きく上回るものであるため、トナーは熱により流動してしまい記録画像を維持できなくなってしまう。
【0010】
このため、上記記録画像の保護のためには、前記の2次定着を施したのち、ラミネートを施すことが必須となる。このようにして作成されたメータパネルを切出し装置でパネル部分のみ切出して、パネルの枠に装着することでメータパネルは製作される。
【0011】
しかしながら、オーブンによる2次定着時にトナー層中の空気が充分に追出されていないと、実際の高温の使用環境に放置された場合、トナー層中の空気が膨張し、軟化したトナーを押しのけるため、その箇所が光を透過するボイドへと成長してしまい、信頼性のある記録画像を得ることができない。また、前記画像中に取り込まれたゴミなどの異物も、上記環境放置で同様にボイド発生の原因となる。
【0012】
このように、画像記録体におけるピンホールやボイドの発生原因としては、上記トナー層中の空気だけでなく、画像形成中、あるいはその後の放置での画像表面へのゴミなどの付着も無視できないほどの大きな問題となっている。
【0013】
上記問題に対し、インクジェット方式の画像形成装置において、インク粒子等の粉塵の飛散を防止する機構を備えることが提案されているが(例えば、特許文献1参照)、電子写真方式では画像形成方法が異なるため、このような機構では十分な対策とはなり得ない。
【0014】
【特許文献1】
特開2001−260480号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。
すなわち本発明は、例えば自動車用メータパネルのように光の隠蔽性と透過性との両方の特性が要求されると共に、高温環境下においても記録画像が劣化することのない、信頼性の高い記録画像を有する画像記録体の製造方法及びそれに用いる画像形成装置の提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1> 少なくとも透明性を有する基体の表面に、電子写真方式により複数のトナー層を積層し、該複数のトナー層を定着させることにより定着画像を形成する画像形成工程と、ラミネートフィルムにより前記基体表面に形成された定着画像をラミネートするラミネート工程とからなる画像記録体の製造方法であって、前記画像形成工程を、清浄度クラス7以下の環境で行うことを特徴とする画像記録体の製造方法である。
【0017】
<2> 前記ラミネート工程も、清浄度クラス7以下の環境で行うことを特徴とする<1>に記載の画像記録体の製造方法である。
【0018】
<3> 前記定着画像の厚さが、10〜40μmの範囲であることを特徴とする<1>に記載の画像記録体の製造方法である。
【0019】
<4> 前記定着画像の厚さが、10〜40μmの範囲であることを特徴とする<2>に記載の画像記録体の製造方法である。
【0020】
<5> <1>に記載の画像記録体の製造方法に用いる画像形成装置であって、トナー層形成手段への基体搬入位置に配置された基体検知手段により、該トナー層形成手段に搬送される基体を判別し、該基体が使用できない基体であると判定されたときには、前記トナー層形成手段への基体の搬送を行わないことを特徴とする画像形成装置である。
【0021】
<6> <2>に記載の画像記録体の製造方法に用いる画像形成装置であって、トナー層形成手段への基体搬入位置に配置された基体検知手段により、該トナー層形成手段に搬送される基体を判別し、該基体が使用できない基体であると判定されたときには、前記トナー層形成手段への基体の搬送を行わないことを特徴とする画像形成装置である。
【0022】
<7> <1>に記載の画像記録体の製造方法に用いる画像形成装置であって、トナー層形成手段における基体へのトナー画像転写位置の基体搬送方向上流側に、基体表面の異物除去手段を設けたことを特徴とする画像形成装置である。
【0023】
<8> <2>に記載の画像記録体の製造方法に用いる画像形成装置であって、トナー層形成手段における基体へのトナー画像転写位置の基体搬送方向上流側に、基体表面の異物除去手段を設けたことを特徴とする画像形成装置である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の画像記録体の製造方法は、少なくとも透明性を有する基体の表面に、電子写真方式により複数のトナー層を積層し、該複数のトナー層を定着させることにより定着画像を形成する画像形成工程と、ラミネートフィルムにより前記基体表面に形成された定着画像をラミネートするラミネート工程とからなる画像記録体の製造方法であって、前記画像形成工程を、清浄度クラス7以下の環境で行うことを特徴とする。
【0025】
ここでクラスとは空気清浄度の表示であり、本発明においては、画像形成工程をJIS B9920の清浄度で、クラス7以下の環境で行うことが必要である。なお、該クラス7とは、空気中に存在する50μmより大きい粒子が1m当たり5.8個以下であることをいう。
【0026】
本発明においては、基体表面への定着画像形成後ラミネート工程においても異物が定着画像表面に付着することは望ましくないことから、前記ラミネート工程も、清浄度クラス7以下の環境で行うことが好ましい。
【0027】
また、本発明は、前記画像記録体の製造方法に用いる画像形成装置に関するものであって、該画像形成装置は、トナー層形成手段への基体搬入位置に配置された基体検知手段により、該トナー層形成手段に搬送される基体を判別し、該基体が使用できない基体であると判定されたときには、前記トナー層形成手段への基体の搬送を行わないことを特徴とする。
さらに、本発明は、前記画像記録体の製造方法に用いる画像形成装置に関するであって、トナー層形成手段における基体へのトナー画像転写位置の基体搬送方向上流側に、基体表面の異物除去手段を設けたことを特徴とする。
【0028】
図1は、本発明により得られる画像記録体の一例を示す拡大断面図である。図1に示すように、画像記録体は、基体1と、その表面に定着された定着画像2と、該定着画像2を覆うラミネートフィルム3とからなる。
【0029】
図2に、本発明の画像記録体の製造方法及びそれを用いたメータパネルなどの作製工程の流れの概略を示す。
電子写真装置(本発明の画像形成装置)10により、基体1の表面に複数のトナー層が形成され(トナー層形成工程)、定着器20により1次定着された後(1次定着工程)、オーブンなどにより定着画像2として2次定着される(2次定着工程)。次いで、前記のように定着画像面を保護するため、ラミネート工程においてラミネートフィルム3により定着画像2の表面がラミネートされ、画像記録体が得られる。さらに、これをパネル切り出し工程においてパネル部品として成型し、最後に、パネル組立工程において自動車用パネルメータなどとして組み立てられ製品となる。
本発明においては、上記トナー層形成工程、1次定着工程及び2次定着工程を併せて画像形成工程という。
【0030】
<画像記録体の製造方法>
本発明の画像記録体の製造方法は、前記のように画像形成工程とラミネート工程とからなり、上記画像形成工程が清浄度クラス7以下の環境で行われるものである。
−画像形成工程−
前記のように、本発明における画像形成工程は、トナー層形成工程、1次定着工程、及び2次定着工程からなる。
(トナー層形成工程)
トナー層形成工程においては、基体1の表面に、電子写真方式により複数のトナー層が形成される。
【0031】
本発明の画像記録体の製造方法に使用可能な基体1は、少なくとも透明性を有することが必要である。ここで、透明性とは、例えば、可視光領域の光をある程度、透過する性質をいい、本発明においては、少なくとも、形成された画像が基体1を通して目視できる程度に透明であればよい。
【0032】
基体1としては、プラスチックフィルムが代表的に使用される。この中でも、OHPに使用できるような光透過性のあるフィルムにはアセテートフィルム、三酢酸セルローズフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハンなどがあり、現状では機械的、電気的、物理的、化学的特性、加工性など総合的な観点から見て、ポリエステルフィルムが多く用いられており、特に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが多く用いられている。
【0033】
また、基体1としては、上記に挙げられるプラスチックフィルム以外に、透明性を有する樹脂や、透明性を有するセラミックが使用でき、また、これらに顔料や染料などが添加されていてもよい。また、基体1は、フィルム状、板状であってもよいし、可とう性を有しない程度、または、基体1としての要求に必要な強度を有する程度に厚みを有する形状であってもよい。
【0034】
本発明に用いられる基体1としては、厚さ50〜500μmの範囲のプラスチックフィルムを用いることが好ましく、厚さ80〜200μmの範囲のPETフィルムを用いることがより好ましい。
【0035】
本発明においては、以上のような基体1の表面に、電子写真方式により複数のトナー層が積層される。電子写真方式によるトナー層形成は、以下のようにして行われる。
例えば、図2における画像形成装置10に配置されたトナー画像形成部14W、14K1、14R、14K2の各電子写真感光体の表面に均一に電荷を与え帯電させた後、その表面に、画像情報に応じた画像様の光を露光して静電潜像を形成する。次に、電子写真感光体表面の静電潜像に現像器からトナーを供給することで、前記静電潜像がトナーによって可視化現像され、トナー画像が形成される。さらに、形成されたトナー画像を基体1に、直接あるいは中間転写体を介して転写することにより、複数のトナー層が形成される。図2おける画像形成装置10では、中間転写体40の表面に、トナー画像形成部14W、14K1、14R、14K2から順次トナー画像が転写され、中間転写体40の表面に積層された複数のトナー層が、2次転写部44によって基体1表面に転写され、前記トナー層とは反転した複数のトナー層が基体1の表面に形成される。
【0036】
フルカラー画像を形成する場合には、一般に、上記現像がイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色についてそれぞれ行われ、得られた各色のトナー画像(トナー層)を基体1に直接順次積層した上で、あるいは中間転写体に順次積層してこれを基体1に転写した上で、基体1に定着される。
【0037】
しかしながら、上述のようにY(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、K(ブラック)の4色のトナーを用いる場合には、現像できるK色のトナー量が限られており、十分な光不透過性を確保することができない。そこで、Y、C、M、Kの4色をそれぞれ1回ではなく、K色を2回現像してK色のトナー層が2層存在するトナー画像を形成することによって、十分な量のK色のトナー層を基体1に形成して光不透過部の隠蔽性を確保することが好ましい。
【0038】
また、自動車用の表示パネルなどでは、画像部に白色がよく用いられ、この場合には積層された複数のトナー層の最上層が白色トナー層である必要がある。さらに、最上層を白色トナー層とすることで、基体1の裏面から見たときの色の再現性を向上させることができる。このような観点から、前記トナー層の最上層を、白色トナーにより構成された層とすることが好ましい。
【0039】
前記図2における画像形成装置10では、前記の観点からW(白色)14W、K(ブラック)14K1、R(赤色)14R、K(ブラック)14K2の4つのトナー画像形成部が、ベルト形状の中間転写体40に沿って設けられ、矢印方向の中間転写体40の移動により1次転写が繰り返され、中間転写体40の表面に1次転写画像5が形成される。その後、2次転写部44により、基体1表面に1次転写画像5が2次転写され、基体1の表面に2次転写画像6が形成される。
【0040】
ここで、上記2次転写画像6は、前記1次転写画像5におけるトナー層の積層順を反転した形となっており、基体1表面から順にK、K、Wと積層された部分7は、最終的に光遮蔽部となり、基体1表面にWまたはRの1層が形成された部分8は、最終的に光透過部(文字部)となる。すなわち、本発明におけるトナー画像(定着画像)は、全部が複数のトナー層からなるものであってもよく、部分的に単層のトナー層を含むものであってもよい。
【0041】
なお、本発明においては、前記1次転写画像形成にあたり、各現像カートリッジによる複数のトナー層の積層順(転写順)は、W、K、R、Kの順であることが、前記理由により、Wが最初であれば、ほかの3個のカートリッジの順序は任意であっても構わない。
以上のような。電子写真方式によるトナー層形成の手法は、特に限定されるものではなく、電子写真技術として従来公知の方法、工程、装置、手段を、問題なく採用することができる。
【0042】
本発明で用いられる電子写真用トナーは、結着樹脂と着色剤とを主成分として構成される。
トナーに用いられる結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン等の単独重合体あるいは共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンを挙げることができる。
【0043】
さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィン、ワックス類を挙げることもできる。これらの中でも、特に、ポリエステルが結着樹脂として適している。本発明に使用されるポリエステル樹脂としては、ポリオール成分と酸成分とから重縮合により合成される。前記ポリオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA・エチレンオキサイド付加物、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。前記酸成分としては、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、ドデセニルコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸、1,5−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパンテトラメチレンカルボン酸及びそれらの無水物が挙げられる。さらに、これらの中から選択される複数の樹脂をブレンドしたものでもよい。
【0044】
着色剤としては、黒色ではカーボンブラック、マゼンタ色ではC.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、イエロー色ではC.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー180、シアン色ではC.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3などを代表的なものとして例示することができるが、これらに限定されるものではない。
前記赤色トナーには、マゼンタ色及びイエロー色に用いる着色剤を適宜混合して用いることができる。
【0045】
また、前記白色トナーとするための白色着色剤としては、酸化チタン、シリカ、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等を挙げることができるが、耐光性の面で酸化チタンが好ましい。酸化チタンとしては、ルチル型、アナターゼ型、ブルカイト型がよく知られているが、隠蔽性の点からルチル型が好ましい。さらに、耐光性を上げる目的で表面をアルミナやシリカで表面処理されたものが好ましい。
【0046】
画像部で用いられる赤色、白色の各トナーの場合には、バックライト照明により表示されるためある程度の透明性が要求され、透過濃度で0.1〜1の範囲であることを要し、0.3〜0.7の範囲であることが好ましい。このためトナー中の着色剤の含有量は通常、4〜40質量%の範囲であることが好ましく、6〜35質量%の範囲であることがより好ましい。さらに、基体10表面の単位面積当りのトナー質量TMAは、0.3〜1.0mg/cmの範囲であることが好ましい。
【0047】
一方、背景部で用いられる黒(ブラック)トナーの場合には隠蔽性が要求され、透過濃度で3.5以上であることを要する。透過濃度を高くするためには着色剤であるカーボンブラックの含有量を増加させることと、黒トナーのTMAを増加させることが考えられる。ところが、カーボンブラックは導電性であるために、あまりトナー中に入れすぎるとトナーの電気抵抗が下がってしまい、その結果、帯電量が低下してカブリやトナー飛散発生の原因となってしまう。さらに、現像剤抵抗も低下するために、キャリア自体が現像されてしまい画像が白く抜ける画質欠陥(BCO)が発生する。また、TMAが高すぎると、基体1への転写不良が起きて、画像ムラが発生する。そこで、カブリやトナー飛散、BCO、画像ムラを起こさずに、透過濃度3.5以上を満たすためには、カーボンブラックの含有量が4〜15質量%の範囲であり、黒トナーのTMAが1.2〜2.0mg/cmの範囲であることが好ましい。
【0048】
本発明に用いられる電子写真用トナーには、所望により公知の帯電制御剤、ワックス等の添加剤を含有させてもよい。帯電制御剤としては、アゾ系金属錯体、サリチル酸もしくはアルキルサリチル酸の金属錯体もしくは金属塩などがある。ワックスとしては、低分子量ポリエチレンや低分子量ポリプロピレンなどのオレフィン系、カルナバなどの植物系、その他動物系、鉱物系など種々のものが使用できる。
【0049】
本発明に用いられる電子写真用トナーの製造方法としては、特に制限はないが、例えば、溶融粉砕法が好ましい。前記溶融粉砕法によれば、上記各トナー材料をバンバリーミキサー、ニーダーコーター、コンティニュアスミキサー、エクストルーダー等によって混合し、溶融混練し、粉砕し、分級することによりトナーを製造することができる。トナーの体積平均粒径は30μm以下、好ましくは4〜20μmの範囲である。
【0050】
本発明に用いられる電子写真用トナーには、さらに流動化剤などを外添してもよい。流動化剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムなどが挙げられる。
【0051】
本発明に用いられる電子写真用トナーは、適当なキャリアと混合して2成分系現像剤として用いられる。キャリアとしては公知のいかなるものでも使用できる。具体的には、フェライト、マグネタイト、鉄粉、及びこれらの表面をスチレン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂などで被覆したものがある。被覆樹脂中にカーボンブラックや金属酸化物系導電粉を添加して、半導電性あるいは導電性キャリアにして使用することも可能である。キャリアの粒径は一般に20〜100μmの範囲に設定される。
【0052】
上記2成分系現像剤中のトナーの質量混合比は、トナーの帯電量を制御し、さらにトナーの現像量の限界を決めるもので、TMAを決める重要な因子であり、本発明では2〜12質量%の範囲に設定される。2質量%より小さいと帯電量が高すぎたり、トナー現像量の上限値が小さかったりするため、所望のTMAを得ることは難しい場合がある。また、12質量%より大きいと帯電量が低すぎてカブリやトナー飛散が起こりやすい場合がある。
【0053】
基体1表面の複数のトナー層の定着は、例えば、前記画像形成装置10に内蔵された定着装置20にて上記トナーを加熱溶融して定着する。該定着は、ロール式定着装置を用いて行ってもよいし、ベルト式定着装置を用いて行ってもよい。本発明の画像記録体の製造方法においては、前記図2に示すように、ブリスターを発生させないために、基体1表面に形成された2次転写画像6を、定着装置20により最表面近傍のトナー層のみを1次定着(仮定着)し、その後、オーブン等で非接触の2次定着を行うことが好ましい。
【0054】
本発明においては、上記2次定着を行った後の定着画像の厚さが、10〜40μmの範囲であることが好ましく、20〜30μmの範囲であることがより好ましい。上記定着画像の厚さとは、光隠蔽部分の定着画像(トナー層)の厚さをいうが、定着画像の厚さが10μmに満たないと、自動車用メータパネルなどに用いられる画像記録体として、光の隠蔽効果が十分でない場合があり、厚さが40μmを超えると、2次定着を行ってもトナー粒子間の隙間が大きく、後述する静浄度クラス7以下の環境で画像形成を行っても、耐熱試験等でボイドが発生してしまう場合がある。
【0055】
前述のように、本発明の画像記録体の製造方法においては、上記画像形成工程を清浄度クラス7以下の環境で行う必要がある。
プリンタなどの画像形成装置では、紙とプラスチックメディア(基体)とを共に印刷する場合がある。上記紙からは、搬送中に紙粉や繊維等が遊離して搬送経路中にあるシュートや搬送ロールに付着して機内を汚す恐れがある。
【0056】
一方、プラスチックメディア(基体)にこのような汚れやゴミ(異物)が付着すると、後述する印刷後のラミネート工程でこれらが内部に固定される。特に、装置から排出された際にメディアが帯電している場合には、環境に浮遊しているゴミを吸着してしまうことが多い。プラスチックメディアは紙に比べて硬いため、ラミネートの圧力で、前記汚れがトナー画像に押し込まれてしまう。汚れが透明な異物である場合には、定着画像中にピンホールやボイドが発生し、画質の劣化につながってしまう。
【0057】
このため、本発明者らは、画像形成工程中にトナー画像中に含まれたり、トナー画像表面に付着するゴミ等の異物を除去すべく鋭意検討した結果、上記画像形成工程を清浄度クラス7以下の環境下で行うことにより、前記ピンホール等の発生を回避できることを見出した。
【0058】
また、上記清浄度はより高いことがゴミ等の付着回避には望ましく、本発明においては、画像形成工程を清浄度クラス6以下の環境で行うことがより好ましい。なお、なお、該クラス6とは、空気中に存在する5μmより大きい粒子が1m当たり2900個以下であることをいう。
【0059】
具体的には、例えば、前記画像形成装置を、清浄度クラス7以下にコントロールされたクリーンルーム中に設置し、安定後、前記画像形成を行えばよい。前記クリーンルームの清浄度は、室内に気流を作る空調機にフィルタを設置することなどによりコントロールすることができる。気流は、非層流方式でも、垂直層流方式でも、その他の方式であってもよく、前記清浄度のコントロール方法は限定されるものではない。
【0060】
前記空気清浄度は、JIS B9920に従い、クリーンルーム内に適当数の測定点を選び、該測定点で浮遊する微粒子数をパーティクルカウンタ等で測定することによって求めることができる。
【0061】
<ラミネート工程>
前記のように定着画像が形成された基体1を、例えば自動車のメータパネルとして用いた場合、80〜100℃付近にまで上昇する車内温度により上記トナー画像が流動してしまう。このため、定着画像を保護する観点から、本発明における画像記録体では、透明性を有するラミネートフィルムにより前記定着画像がラミネート処理される(ラミネート工程)。
【0062】
ラミネート処理は、透明性を有するラミネートフィルム3を、基体1の定着画像2が形成された面に圧着させることで行われる。
用いることが可能なラミネートフィルム3としては、前記基体1と同様の材質のものを採用することができる他、塩化ビニルフィルム、塩化ビニリデンフィルム、ポリエステル等も用いることができる。
【0063】
本発明においては、ラミネートフィルム3と定着画像2及び基体1との密着性が高まるように、ラミネートフィルム3としては、図1に示すように、上記材質で構成されるラミネートシート3aの定着画像2と重なる側の片面に、接着層3bを設けることが好ましい。
【0064】
上記接着層3b用いられる接着剤としては、ポリエステル系、イソシアネート系、ビニルエーテルポリマー、ポリイソブチレン、ポリイソプレンなどを挙げることができる。また、ラミネートフィルム表面への塗布の方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法等の通常使用される方法が採用される。
【0065】
前記ラミネートシート3aの厚みとしては、熱融着性、取り扱い性、強度等を考慮して、10〜200μmの範囲から選択することが好ましく、25〜75μmの範囲から選択することがより好ましい。また、前記接着剤層3bの厚みとしては、トナー層の高さを考慮して、10〜100μmの範囲であることが好ましく、20〜50μmの範囲であることがより好ましい。
【0066】
なお、上記ラミネートシート3aの定着画像2と重なる側の裏面には、さらに光沢性、耐光性、難燃性、離型性、及び帯電性等を制御する機能を有する機能制御層を設けることもできる。
【0067】
前記ラミネートフィルム3の圧着方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の各種ラミネート技法、並びにラミネート装置をいずれも好適に採用することができる。例えば、前記基体1と前記ラミネートフィルム3とを重ね合わせ、これを熱ロール対によるニップ部に挿通させることにより、両者をある程度熱溶融させ熱融着させる、通常のラミネート技法、並びにラミネート装置を用いて、圧着させることができる。
【0068】
本発明においては、ラミネート処理時でのゴミの混入を回避する観点から、前記画像形成工程だけでなく、ラミネート工程も清浄度クラス7以下の環境で行うことが好ましい。特に、前記のようにラミネートシート3aの片面に接着層3bを設ける場合には、接着層3bにゴミが付着しやすいため、このような環境でラミネート工程を行うことが有効である。
【0069】
以上説明したように、少なくとも透明性を有する基体の表面に、電子写真方式により複数のトナー層を積層し、該複数のトナー層を定着させることにより定着画像を形成する画像形成工程と、ラミネートフィルムにより前記基体表面に形成された定着画像をラミネートするラミネート工程とからなる画像記録体の製造方法において、前記画像形成工程を、さらに好ましくは前記ラミネート工程をも、清浄度クラス7以下の環境で行うことにより、画像形成時でのトナー画像中のピンホール発生、及び画像記録体を自動車用メータパネル等に使用したときのボイドの発生を回避することができ、信頼性の高い記録画像を維持できる画像記録体の製造方法を提供することができる。
【0070】
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、前記本発明の画像記録体の製造方法に用いるものであって、トナー層形成手段への基体搬入位置に配置された基体検知手段により、該トナー層形成手段に搬送される基体を判別し、該基体が使用できない基体であると判定されたときには、前記トナー層形成手段への基体の搬送を行わないことを特徴とする(第1の実施形態)。
また、本発明の画像形成装置は、前記本発明の画像記録体の製造方法に用いる画像形成装置であって、トナー層形成手段における基体へのトナー画像転写位置の基体搬送方向上流側に、基体表面の異物除去手段を設けたことを特徴とする(第2の実施形態)。
【0071】
−第1の実施形態−
図3に、図2における画像形成装置10のより詳細な構成断面を示す。
本発明の画像形成装置10は、例えば図3に示すように、画像情報が入力されて後述する各部を駆動制御する画像処理部12と、画像処理部12からの駆動信号によってそれぞれの色のトナー画像を形成するトナー画像形成部14(現像手段)と、後述する基体1の表面にトナー画像を転写する転写部16(転写手段)と、基体を搬送路に供給する供給部18と、トナー画像を基体1に定着させる定着部20(定着手段)と、画像形成された基体1が排出されるトレイ22とから構成される。
【0072】
既述の如く、前記本発明の画像記録体の製造方法においては、上記現像手段及び転写手段がトナー層形成工程に、上記定着手段が1次定着工程に各々用いられる。
【0073】
トナー画像形成部14は、それぞれ白(W)、黒(K1)、赤(R)、黒(K2)のトナー画像を形成する各トナー画像形成部14W、14K1、14R、及び14K2(以下、14W〜14K2という。他の参照番号も同様である)を備える。
【0074】
ここで、記録色に黒が2回あるのは、前述のように、電子写真では通常、光透過することを前提に構成されているため、メータパネル等のように光が透過しない部分(光不透過部分=厚い黒色トナー層)を形成するために多量の黒色トナーが必要となる場合には、複数のトナー画像形成部を使用しなければならないからである。その他の記録色は、このメータパネルで使用される色が白と赤というだけで、異なる記録色を用いてもよいが、本発明の画像記録形成装置では、その他の記録色として白と赤を用いる場合には、前記中間転写ベルト(中間転写体)40表面への転写は、白、黒、赤、黒の順であることが好ましい。
【0075】
各トナー画像形成部14W〜14K2は、感光体ドラム(電子写真感光体)24W〜24K2の周囲にそれぞれ帯電器26、光走査装置28、現像器30、一次転写器32、トナー除去用のブレード34が配設されている。すなわち、感光体ドラム24W〜24K2は、図3において時計回りに回動されることによって帯電器26により帯電され、光走査装置28のレーザービーム36W〜36K2の走査によって静電潜像が形成され、静電潜像が形成された部分に現像器30によってそれぞれの画像信号に対応する色のトナー画像が形成される構成である。
【0076】
なお、トナー画像形成部14K1、14K2で使用される現像剤(トナー等)は、同一であっても異なっていてもよい。
【0077】
転写部16は、3個のローラ38に巻きかけられ、図2において反時計回りに回転可能に配設された中間転写ベルト40と、中間転写ベルト40を感光体ドラム24W〜24K2に押圧して、感光体ドラム24W〜24K2表面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト40に転写させる1次転写器32と、中間転写ベルト40表面に積層して転写されたトナー画像を基体1に転写させる2次転写部44とから構成される。
【0078】
基体1の搬送系は、基体1を供給部18から2次転写部44、定着部20を介してトレイ22に排出可能に構成されている。
【0079】
定着部20は、ヒートドラム48とヒートドラム48に基体1を圧着させる圧着ベルト50とから構成されており、転写されたトナー画像(複数のトナー層)を基体1に定着させるものである。
【0080】
なお、本発明の画像形成装置に用いる基体1とは、メータパネル等を形成するための基材となるものであり、所定の強度を有すると共に光を透過させるために、少なくとも透明性を有するものである。
【0081】
また、2次転写部44と定着部20との間には、両者の処理速度差を調整するために基体1の搬送速度を2段階に減速するための減速搬送ベルト46A、46Bが配設されている。
【0082】
一方、本発明の画像形成装置の制御系は、図4に模式的示すように、前記トナー層形成手段と定着手段とを含むプリンタ部60と、プリンタ部60の作動を制御するプリンタ制御部62と、から構成されている。プリンタ制御部62は、CPU62A、ROM62B、RAM62C、入力ポート62Dを備えており、これらはバス62Eを介して互いに接続されている。また、入力ポート62Dには、プリンタ部60が接続されているとともに、ハードディスク等からなる不揮発性の記憶装置62Gが接続されている。
【0083】
本発明の第1の実施形態における画像形成装置は、前記トナー層形成手段への基体搬入位置に基体検知手段51が配置されている。基体検知手段51は、給紙トレイから引き出されて基体検知手段51の配設位置を通過する基体1に対し、画像形成が行われる面の裏面に対向するように配置されている。基体検知手段51としては種々の構成が考えられるが、例えば発光素子と受光素子の対を基体1の搬送方向と直交する方向に沿って多数配列し、受光素子からの出力信号(発光素子から射出され基体の表面で反射されて光の光量を表す)を二値化し、基体1の全面から「透明」に対応するデータが得られた場合に本発明に用いる基体1であると検知する構成を採用することができる。基体検知手段51は、プリンタ制御部62に接続されており(図示省略)、基体1が透明か否か(すなわち搬入される基体が透明プラスチックフィルムか紙か否か)の検知結果をプリンタ制御部62へ出力する。
【0084】
そして、プリンタ制御部62において前記基体検知手段51からの信号により、基体1が本発明に使用できない紙であると判定されたときは、搬送ロール52は駆動せず、トナー層形成手段への基体の搬送を行わないこととなる。
【0085】
以上のようにして、本発明の画像形成装置においては、本発明に用いられる透明な基体以外の紙などをトナー層形成手段へ搬送することがなく、画像形成装置内での基体や定着画像への異物の付着を回避することができる。
【0086】
−第2の実施形態−
本発明の画像形成装置はまた、トナー層形成手段における基体へのトナー画像転写位置の基体搬送方向上流側に、基体表面の異物除去手段を設けたことを特徴とする。
【0087】
具体的には、例えば前記図3においては、トナー層形成手段における基体1へのトナー画像転写位置である2次転写ロール44の基体搬送方向上流側に、基体1の画像形成面と対向するように異物除去手段52が設けられている。該異物除去手段52としては、粘着ロール、ブラシ、エアーブローなどゴミを除去できるものであれば特に制限されない。そして、基体1の上記異物除去手段52位置通過時に前記粘着ロール等によって基体1表面の異物が除去されることとなる。
【0088】
このようにして、本発明の画像形成装置においては、画像形成前に基体1の表面に異物が付着していた場合であっても、定着画像中への異物の混在を回避することができる。
【0089】
以上述べたような本発明の画像形成装置を用いて、前記トナー層形成工程、1次定着工程を行い、その後、2次定着工程、ラミネート工程を経ることにより、記録画像中にピンホールやボイドがなく、自動車用メータパネル等に使用できる画像記録体が作製される。
【0090】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<基体の作製>
−光沢制御層塗工液の調製−
ブチルアルコール100部に、熱溶融性樹脂としてポリビニルブチラール(積水化学社製:BM−S)10部と、フィラーとしてポリメチルメタクリレート微粒子(綜研化学社製:MP−1451、体積平均粒子径:0.1μm)15部と、電荷制御剤(日本油脂社製:エレガン264WAX)0.5部と、を添加し、その後ホモミキサーにより十分撹拌し、光沢制御層塗工液Aを調製した。
【0091】
−画像受像層塗工液の調製−
上記の光沢制御層塗工液Aより、フィラーを除き、マット剤として架橋ポリメチルメタクリレート微粒子(綜研化学社製:MP−150、体積平均粒子径:5μm)を0.05部加えた他は、上記の光沢制御層塗工液Aと同様の組成で、画像受像層塗工液Bを調製した。
【0092】
−基体の作製−
上記光沢制御層塗工液Aを、125μmのPETフィルム(パナック社製:ルミラー125T60)に30g/mになるように塗工し、130℃で10分間乾燥させ、膜厚2μmの光沢制御層を形成した。また、上記画像受像層塗工液Bを同様の方法により、光沢制御層が形成された反対側の面に塗工し、膜厚2μmの画像受像層を形成し、本発明に用いる基体を作製した。
【0093】
<画像記録体の作製>
上記基体に対して、電子写真方式の画像形成装置として、Colr Docutech 60(富士ゼロックス(株)製)を用いて画像形成を行った。該画像形成は、上記画像形成装置を空気清浄装置により清浄度クラス7以下に制御されたクリーンルーム内に設置して行った。
【0094】
形成する画像の画像情報は、自動車用メーターパネルであって、警告灯の部分がハイライト部となっている画像とした。また、前記画像形成装置において、4つの現像ユニット(トナー画像形成部)に用いるトナー色を、1次転写順に、W、K、R、Kとし、定着装置の定着温度を140℃とした。
なお、このときの定着前の積層されたトナー層のTMAは、2.3mg/cmであった。
【0095】
上記画像形成装置により1次定着画像が形成された基体を、前記画像形成装置とともに清浄度クラス7以下のクリーンルーム内に設置されたオーブンに入れ、110℃にて30分間2次定着を行うことにより、前記1次定着画像を定着させた。
上記定着画像の光隠蔽部分の断面を実体顕微鏡で観察したところ、定着画像(トナー層)の厚さは25μmであった。
【0096】
さらに、上記定着画像が形成された基体を前記クリーンルームから出すことなく、続けて定着画像のラミネートを行った。
まず、透明なラミネートシート(材質:ポリエチレンテレフタレート(PET)、A4サイズ、厚さ:80μm)の片面に、接着層として、ビニルエーテルポリマーを厚み30μmに塗工したラミネートフィルムを用意し、接着層面が前記基体の定着画像が形成された側の面と向かい合うように重ね合わせた。これを熱ロール方式のラミネータを用いて、100℃に加熱された対ロールによりニップ部を挿通させ、画像記録体を作製した。
得られた画像記録体における画像は、透過濃度が3.8であり、粒状性の悪さやドット見えによる画質不良のない、高画質のものであった。
【0097】
<画像記録体の評価>
以上のようにして作製された画像記録体を、透写台にセットし、ラミネート面を背後にして、該背後から蛍光灯により照射したが、蛍光灯の光が透過するピンホールは目視では観察されなかった。
次に、上記画像記録体を再度オーブンに入れ、真夏に想定される車内温度80〜100℃で数年間に相当する耐久テストを行った。この画像記録体についても、上記と同様の評価を行ったが、同様に蛍光灯の光が透過するようなボイドの発生は観察されず、また良好な画像が維持されていた。
【0098】
(比較例1)
実施例1において、画像記録装置を通常の環境下(クラス7程度)に設置して画像形成を行い、ラミネートも同様の環境下で行った以外は実施例1と同様にして画像記録体を作製し、同様の評価を行った。
作製された画像記録体においては、初期状態で目視観察できるピンホールが数個観察され、また耐熱テスト後では、上記ピンホール以外のボイドの発生が見られた。
【0099】
上記結果のように、画像形成工程、ラミネート工程の環境を何らコントロールすることなく作製した画像記録体(比較例1)に比べ、清浄度クラス7以下の環境とし、定着画像の厚さを制御して画像形成工程を行い、さらにラミネート工程により作製された画像記録体(実施例1)では、ピンホールやボイドの発生がなく、画像中に異物がなく、定着時においてもトナー層中の空気が効率的に排除されていることがわかった。
【0100】
【発明の効果】
本発明によれば、例えば自動車用メータパネルのように光の隠蔽性と透過性との両方の特性が要求されると共に、高温環境下においても記録画像が劣化することのない、信頼性の高い記録画像を有する画像記録体の製造方法及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像記録体の一例を示す構成断面図である。
【図2】画像記録体及び表示パネルの製造工程を示す概略図である。
【図3】本発明の画像形成装置の構成の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の画像形成装置の制御部の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 基体
2 定着画像
3 ラミネートフィルム
5 1次転写画像
6 2次転写画像
7 光隠蔽部
8 文字部
10 画像形成装置
12 画像処理部
14W、14K1、14R、14K2 トナー画像形成部(トナー画像形成手段)
16 二次転写部
18 供給部
20 定着部(定着手段)
22 トレイ
24W、24K1、24R、24K2 感光体ドラム
26 帯電器
28 光走査装置
30 現像器
32 一次転写器
34 クリーニング器
36W、36K1、36R、36K2 レーザービーム
38 ローラ
40 中間転写ベルト
44 二次転写ロール
46A、46B 減速搬送ベルト
48 ヒートドラム
50 圧着ベルト
60 プリンタ部
62 プリンタ制御部

Claims (8)

  1. 少なくとも透明性を有する基体の表面に、電子写真方式により複数のトナー層を積層し、該複数のトナー層を定着させることにより定着画像を形成する画像形成工程と、ラミネートフィルムにより前記基体表面に形成された定着画像をラミネートするラミネート工程とからなる画像記録体の製造方法であって、前記画像形成工程を、清浄度クラス7以下の環境で行うことを特徴とする画像記録体の製造方法。
  2. 前記ラミネート工程も、清浄度クラス7以下の環境で行うことを特徴とする請求項1に記載の画像記録体の製造方法。
  3. 前記定着画像の厚さが、10〜40μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の画像記録体の製造方法。
  4. 前記定着画像の厚さが、10〜40μmの範囲であることを特徴とする請求項2に記載の画像記録体の製造方法。
  5. 請求項1に記載の画像記録体の製造方法に用いる画像形成装置であって、トナー層形成手段への基体搬入位置に配置された基体検知手段により、該トナー層形成手段に搬送される基体を判別し、該基体が使用できない基体であると判定されたときには、前記トナー層形成手段への基体の搬送を行わないことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項2に記載の画像記録体の製造方法に用いる画像形成装置であって、トナー層形成手段への基体搬入位置に配置された基体検知手段により、該トナー層形成手段に搬送される基体を判別し、該基体が使用できない基体であると判定されたときには、前記トナー層形成手段への基体の搬送を行わないことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1に記載の画像記録体の製造方法に用いる画像形成装置であって、トナー層形成手段における基体へのトナー画像転写位置の基体搬送方向上流側に、基体表面の異物除去手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項2に記載の画像記録体の製造方法に用いる画像形成装置であって、トナー層形成手段における基体へのトナー画像転写位置の基体搬送方向上流側に、基体表面の異物除去手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
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