JP2004109489A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は静電荷像現像用トナーに関し、詳しくは、着色剤、結着樹脂及び帯電制御剤を主成分とし、その帯電制御剤として特定の結晶構造を有する亜鉛化合物を用いる静電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真装置や静電記録装置などで用いられるトナー(静電荷像現像用トナー)は、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤及びその他の添加剤により構成される。そして、現在においてもより良質のトナーの開発は進められており、その1つとしてトナーに望ましい帯電特性や経時安定性、環境安定性を付与するためのさまざまな帯電制御剤が提案されている。
【0003】
例えば、アゾ染料の2:1型の金属錯塩染料、サリチル酸誘導体の金属錯塩化合物、芳香族ジカルボン酸金属塩化合物、アントラニル酸誘導体の金属錯塩化合物、有機ホウ素化合物などがある(例えば、特許文献1〜9等参照)。
しかしながら現状では、これら帯電制御剤にはいまだ帯電付与効果の不足、環境安定性の不足、帯電立ち上り性の不足等の欠点があり、帯電制御剤として充分満足する性能を有するものはなかった。
【0004】
【特許文献1】
特公昭55−42752号公報
【特許文献2】
特開昭61−69073号公報
【特許文献3】
特開昭61−221756号公報
【特許文献4】
特開平9−124659号公報
【特許文献5】
特開昭57−111541号公報
【特許文献6】
特開平7−295298号公報
【特許文献7】
特開昭62−94856号公報
【特許文献8】
特公平7−31421号公報
【特許文献9】
特公平7−104620号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は従来の欠点を解消し、帯電性および帯電立ち上がり性が良好であり、地かぶりのないトナー(カラートナーを含む)を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、トナーに用いられる帯電制御剤についていろいろな角度から検討を行なってきた結果、下記構造式で表わされ、かつX線回折の2つのメインピークが4〜6度と14〜16度に存在する結晶構造を有する亜鉛化合物がトナー用帯電制御剤として極めて有用であることを見出した。本発明はこれに基づいてなされたものである。
【化2】
(式中、t−Buは−C(CH3)3を表す。)
【0007】
従って、本発明によれば、少なくとも着色剤、結着樹脂および帯電制御剤を主成分とする静電荷像現像用トナーにおいて、該帯電制御剤として下記一般式(1)で表され、かつX線回折の2つのメインビーク(1番目に強度が強いピークと2番目に強いピーク)が4〜6度と14〜16度に存在する結晶構造を有する亜鉛化合物を用いたことを特徴とする静電荷像現像用トナーが提供される。
【化3】
(式中、t−Buは−C(CH3)3を表す。)
【0008】
また本発明によれば、上記トナーにおいてバインダー樹脂として、特にエポキシ樹脂の末端が不活性であるポリオール樹脂を用いたトナーが提供される。
さらに本発明によれば、上記トナーにおいて上記の帯電制御剤が白色であるためカラートナーであってもよく、すなわち、着色剤としてカーボンブラックを用いたブラックトナー、イエロー顔料を用いたイエロートナー、マゼンタ顔料を用いたマゼンタトナー、シアン顔料を用いたシアントナーが提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に用いる帯電制御剤は、上記一般式(1)で表され、かつX線回折の2つのメインビークが、4〜6度と14〜16度に存在する結晶構造を有する亜鉛化合物である。
X線回折の測定方法は、2θ/θ法で、波長0.154056nmのX線を使用し、帯電制御剤の粉体を固めた状態で、(θが)3度から50度までスキャンし、測定することでなされる。
【0010】
ところで、通常のサリチル酸誘導体の金属錯塩は、X線回折では明確なピークがなく、結晶構造がはっきりしないものが多い。これに対して、本発明の帯電制御剤は金属として2価の亜鉛、サリチル酸として3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸を使用することにより、結晶になり易くなる。更に、結晶構造として、反応方法その他に工夫を凝らすことにより、X線回折の2つのメインビークが、4〜6度と14〜16度に存在する結晶構造を有するようになる。すなわち、格子間隔が1.47〜2.21nmと0.527〜0.637nmの周期のきれいな結晶構造を持つこととなる。
【0011】
このような、結晶構造を持つことにより、従来とは異なった帯電特性が得られる。すなわち、従来とは異なった結晶構造で、且つ従来よりも結晶化されていることにより、電子の移動がし易くなり、帯電性の立ち上がりが良好になり、また、帯電が大幅に大きくなる。また、このことにより、トナー中の帯電制御剤の低減、画像の地かぶりの防止ができる。
【0012】
本発明に係る上記の帯電制御剤の合成方法は、亜鉛イオンが入った水溶液と3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸をアルカリ水溶液に溶かしたものとを反応させる。ここで、水溶液の滴下方法(どちらの溶液をもう一方の溶液に滴下するのか)および滴下速度、反応温度、反応時のpHを操作することによって帯電制御剤の結晶構造を変化させることができる。
また、帯電制御剤の結晶構造を変化させる他の方法としては、帯電制御剤が分解しない程度に熱をかけて結晶構造を変化させることもできる。
さらには、帯電制御剤を各種有機溶媒蒸気にさらしても、有機溶媒の種類により、結晶構造を変化させることができる。
【0013】
本発明のトナーは結着樹脂に関しては公知のものが全て使用可能である。
例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、これらは単独あるいは混合して使用できる。
【0014】
更に本発明では、結着樹脂としてエポキシ樹脂の末端が不活性であるポリオール樹脂を用い、本発明の上記帯電制御剤とともに用いることにより、更に帯電特性が良好に高くなる。
これは、一般的なトナー用結着樹脂であるスチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などと比較して、エポキシ樹脂の末端が不活性であるポリオール樹脂には、エポキシ環が開環したOH基が多く存在し、上記一般式(1)で示される帯電制御剤とイオン的なつながりが発生するためである。すなわち、トナー製造においては、着色剤や、結着樹脂、帯電制御剤等の混練物の粉砕が行なわれるが、この粉砕の際に帯電制御剤の一部がトナー表面に露出するものの、前記のイオン的なつながりにより、帯電制御剤がトナー表面から脱離しにくく、他の樹脂に比較して表面の帯電制御剤量が増大し、トナー帯電量が大きくなると考えられる。また、樹脂とのイオン的なつながりにおいても、電荷の移動がよりし易くなり、トナーの帯電立ち上がりが早くなる。
【0015】
本発明に用いられるエポキシ樹脂は、好ましくはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとエピクロロヒドリンを結合して得られたものである。エポキシ樹脂は安定した定着特性や光沢を得るために、数平均分子量の相違する少なくとも2種以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。更に低分子量成分が10〜50wt%、高分子量成分が5〜40wt%であることが好ましい。低分子量成分が多すぎると、保存性の悪化の可能性がある。また、高分子量成分が多すぎると、低温時の定着性の悪化の可能性がある。
【0016】
また、樹脂に可撓性を付与するために、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物をエピクロロヒドリンやβ−メチルエピクロロヒドリンでグリシジル化した樹脂を用いても良い。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド及びこれらの混合物が用いられ、2価フェノールとしてはビスフェノールAやビスフェノールF等が挙げられる。特に下記一般式(2)で表わされるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテルが好ましい。
【化4】
であり、またn、mは繰り返し単位の数であり、各々1以上であってn+m=2〜6である。)
【0017】
また、可撓性成分としてフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等のフタル酸系やダイマー酸等のカルボキシル基をエピクロルヒドリンでエステル化した樹脂を用いても良い。
これらの可撓性を付与する成分は、ポリオール樹脂に対して10〜40wt%含まれていることが好ましい。
【0018】
また、本発明で用いられるエポキシ基と反応する活性水素を分子中に一個有する化合物としては、1価フェノール類、2級アミン類、カルボン酸類がある。1価フェノール類としては以下のものが例示される。フェノール、クレゾール、イソプロピルフェノール、アミノフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、キシレノール、p−クミルフェノール等が挙げられる。2級アミン類としては、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、N−メチル(エチル)ピペラジン、ピペリジンなどが挙げられる。また、カルボン酸類としては、プロピオン酸、カプロン酸、安息香酸、ステアリン酸などが挙げられる。
【0019】
本発明のポリオール樹脂を得るためには、種々の原材料組合せが可能ではある。例えば、両末端グリシジル基のエポキシ樹脂をジハライドやジイソシアネート、ジアミン、ジチオール、多価フェノール、ジカルボン酸と反応させることにより得ることができる。このうち、2価のフェノールを反応させるのが反応安定性の点で最も好ましい。また、ゲル化しない範囲で多価フェノール類や多価カルボン酸類を2価フェノールと併用するのも好ましい。ここで、多価フェノール類、多価カルボン酸類の量は全量に対し15重量%以下が適当である。
【0020】
本発明で用いられるエポキシ基と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物としては、2価フェノール類、多価フェノール類、多価カルボン酸類が挙げられる。2価フェノールとしてはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールが挙げられる。また、多価フェノール類としてはオルソクレゾールノボラック類、フェノールノボラック類、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンが例示される。多価カルボン酸類としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸が例示される。
【0021】
本発明のトナーは帯電制御剤が白色であるため黒トナーとしても、適当な着色剤を用いてカラートナーとしても使用することができる。
着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレトVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。
着色剤の使用量は一般に結着樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部が適当である。
【0022】
カラートナーについては、顔料系の着色剤の使用が、周囲への着色剤移行、耐光性、帯電性、定着性などからより好ましい。
【0023】
Yellowトナーであれば、具体的にはC.I.Pingment Yellow180、C.I.Pingment Yellow155、C.I.Pingment Yellow74、C.I.Pingment Yellow93などを使用すると安全性、耐光性、透明性の面から特に好ましい。
【0024】
Magentaトナーであれば、具体的にはC.I.Pingment Red 57−1、C.I.Pingment Red 122、C.I.Pingment Red 184、C.I.Pingment Violet 19、C.I.Pingment Red 269などを使用すると耐光性、透明性、色目の面から特に好ましい。
【0025】
Cyanトナーであれば、具体的にはC.I.Pingment Blue 15−1、C.I.Pingment Blue 15−2、C.I.Pingment Blue 15−3、C.I.Pingment Blue 16などを使用すると耐光性、透明性、色目の面から特に好ましい。
【0026】
特にカラー顔料を使用す場合は、トナー中の顔料分散を助けるため、予め樹脂と顔料を5:5〜2:1程度で分散したマスターバッチを使用するとよい。
【0027】
ブラックトナーには、カーボンブラックの使用がコスト面から非常に有利である。またカーボンブラックのみを使用したブラックトナーは色目が赤から黄色を帯びるので、補色剤等をいれて、色目の調整を行なってもよい。
カーボンブラックを使用した本発明のトナーは、本発明に係る帯電制御剤(前記一般式(1)で表され、かつX線回折の2つのメインピークが4〜6度と14〜16度に存在する結晶を有する亜鉛化合物)とカーボンブラックの作用により、帯電性が高くなる特性が得られ、本発明に係る帯電制御剤本来の性能を更に発揮することが出来る。
【0028】
本発明のカラートナーは、必要に応じて本発明に係る帯電制御剤の他に補強のための帯電制御剤を含有してもよい。
補強のための帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カ一リット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
【0029】
本発明において補強のための荷電制御剤の使用量は、本発明に係る主帯電制御剤量、結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられ、好ましくは、0.3〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0030】
次に本発明のトナーに用いられるその他の材料について説明する。
本発明のトナーに用いるワックスとしては、その融点が40〜120℃のものが好ましく、特に50〜110℃のものが好ましい。ワックスの融点が120℃より高いときには低温での定着性が不足する場合があり、一方融点が40℃より低いときには耐オフセツト性、耐久性が低下する場合がある。なお、ワックスの融点は、示差走査熱量測定法(DSC)によって求めることができる。すなわち、数mgの試料を一定の昇温速度、例えば(10℃/min)で加熟したときの融解ピーク値を融点とする。
【0031】
本発明において用いることができるワックスの具体例としては、固形のパラフィンワックス、マイクロワックス、ライスワックス、脂肪酸アミド系ワックス、脂肪酸系ワックス、脂肪族モノケトン類、脂肪酸金属塩系ワックス、脂肪酸エステル系ワックス、部分ケン化脂肪酸エステル系ワックス、シリコーンワニス、高級アルコール、カルナウバワックスなどを挙げることができる。また低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなども用いることができる。特に、環球法による軟化点が70〜150℃のポリオレフィンが好ましく、さらには当該軟化点が120〜150℃のポリオレフィンが好ましい。
【0032】
さらに、本発明のトナーには、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためにクリーニング性向上剤を含有させることができ、このようなクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造されたポリマー微粒子などを挙げることができる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
【0033】
さらに本発明のトナーには、流動性を向上させるために外添剤を含有させてもよい。このような外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
【0034】
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
【0035】
この他、高分子系微粒子、例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体や、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ナイロンなどの重縮合系樹脂、熱硬化性樹脂の重合体粒子も用いることができる。
【0036】
このような外添剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤などが好ましい表面処理剤として挙げられる。
【0037】
本発明のトナーの現像方式としては、トナーの帯電安定性が優れているため、1成分非磁性現像、1成分磁性現像、2成分現像のいずれの方式でも乾式現像が可能である。
【0038】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、これにより本発明が限定されるものではない。なお、実施例において「部」は重量部を意味する。
【0039】
[帯電制御剤作成例]
帯電制御剤1(本発明例)
3,5ジターシャリブチルサリチル酸250g(1モル)を2%苛性ソーダ水溶液2000gに溶かし、80℃に昇温させる。塩化亜鉛34g(0.5モル)を水1000gに溶かし80℃に昇温させる。塩化亜鉛水溶液に、3,5ジターシャリブチルサリチル酸水溶液を30分間で滴下し、80℃で2時間攪拌する。これに塩酸水溶液を加えてpHを6.5に調整し、反応を終了する。これを熱時濾過、水洗、乾燥して、白色の微粉(本発明に係る帯電制御剤)を得た。
X線回折測定を行なったところ、図1のような回折ピークが得られ、一番強度が強いピークが15.70度、二番目に強いビークが5.18度であった。X線回折速度の条件は、管球:Cu、管電圧:50KV、管電流:30mA、走査軸2θ/θ、波長:1.54056Åとした(以下同じ)。
【0040】
帯電制御剤2(比較例)
オリエント化学工業社製のボントロンE−84は、本発明に係る帯電制御剤と同一化学式である。この帯電制御剤を比較品としてそのまま使用した。
X線回折測定を行なったところ、図2のような回折ピークが得られ、一番強度が強いピークが6.60度、二番目に強いビークが15.40度であった。
【0041】
帯電制御剤3(本発明例)
オリエント化学工業社製のボントロンE−84を、デシケーターに酢酸エチルとともにこれらを接触させずに入れ、酢酸エチル蒸気中に24時間暴露して、本発明に係る帯電制御剤を得た。
X線回折測定を行なったところ、図3のような回折ピークが得られ、一番強度が強いピークが5.84度、二番目に強いビークが15.56度であった。
【0042】
帯電制御剤4(比較例)
帯電制御剤1を、デシケーターにアセトンとともにこれらを接触させずに入れ、アセトン蒸気中に24時間帯電制御剤を暴露した。
X線回折測定を行なったところ、図4のような回折ピークが得られ、一番強度が強いピークが5.70度、二番目に強いビークが6.14度であった。
【0043】
[樹脂作成例]
樹脂1:
攪拌装置、温度計、N2導入口、冷却管付セパラブルフラスコに、低分子ビスフェノールA/エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂(数平均分子量:約360)311.9g、高分子ビスフェノールA/エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂(数平均分子量:約2900)135.8g、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加物のジグリシジル化物(前記一般式(1)においてn+m:約2.1)230.3g、ビスフェノールA233.9g、p−クミルフェノール88.1g、キシレン200gを加えた。N2雰囲気下で70〜100℃まで昇温し、塩化リチウムを0.183g加え、更に160℃まで昇温し減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させて、ポリオール樹脂1000gを得た。
【0044】
樹脂2:
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物とフマル酸、テレフタル酸を使用してポリエステル樹脂を合成した。
【0045】
(実施例1〜16及び比較例1〜16)
帯電制御剤1、帯電制御剤2、帯電制御剤3、帯電制御剤4と樹脂1、樹脂2を組み合わせ、下記の処方によりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを作成した。混練粉砕法で平均粒径7.5μmのトナー粒子を得た。
【0046】
(イエロートナー)
樹脂 100部
帯電制御剤 1部
Pigment Yellow 180 5部
【0047】
(マゼンタトナー)
樹脂 100部
帯電制御剤 1部
Pigment Red 122 6部
(シアントナー)
樹脂 100部
帯電制御剤 1部
Pigment Blue 15−2 3部
(ブラックトナー)
樹脂 100部
帯電制御剤 1部
カーボンブラック 3部
【0048】
(評価方法)
トナー5部と鉄粒子(キャリア)95部とをロールミルで混ぜて、ブローオフ法により帯電測定を行なった。但し、この際使用したトナーは、帯電制御剤の性能を確認するため、疎水シリカを混合していないものを使用した。
さらにレーザープリンターで画像評価するため、上記トナーに疎水性シリカ(クラリアントジャパン社製、H2000)を0.5wt%添加し、ミキサーで混合して、流動性の良好なトナーを得た。このトナーをリコー社製レーザープリンター:IPSIO COLOR 8000に入れ地かぶりの評価を行なった。
地かぶりは、結果を○:良好、△:やや悪化(許容レベル)、×:悪いで示した。
【0049】
【表1】
(注)CCAは帯電制御剤である。
【0050】
【発明の効果】
本発明のトナーを使用することにより、安定して、大きな帯電が得られ、地かぶりの少ない高画質が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯電制御剤1のX線回折図である。
【図2】帯電制御剤2のX線回折図である。
【図3】帯電制御剤3のX線回折図である。
【図4】帯電制御剤4のX線回折図である。
Claims (6)
- 結着樹脂としてエポキシ樹脂の末端が不活性であるポリオール樹脂を用いた請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
- 着色剤としてカーボンブラックを用いた請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー。
- 着色剤としてイエロー顔料を用いた請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー。
- 着色剤としてマゼンタ顔料を用いた請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー。
- 着色剤としてシアン顔料を用いた請求項1又は2記載の静電荷像現像用シアントナー。
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