JP2004108491A - スラスト軸受装置 - Google Patents

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JP2004108491A JP2002271774A JP2002271774A JP2004108491A JP 2004108491 A JP2004108491 A JP 2004108491A JP 2002271774 A JP2002271774 A JP 2002271774A JP 2002271774 A JP2002271774 A JP 2002271774A JP 2004108491 A JP2004108491 A JP 2004108491A
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pressure
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Makoto Mikami
三上 誠
Satoshi Nanba
南波 聡
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Toshiba Corp
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Abstract

【課題】軸受油膜温度を低減させて負荷性能を向上させると共に、摩擦によるトルク損失を極力解消し、且つスクレーパの振動を回避することにある。
【解決手段】軸受台に取付けられたコイルばね等の弾性体にそれぞれ支持されて配置された複数個のティルティングパッド3によって回転軸1を支えるスラスト軸受において、前記隣接するパッド1相互間に対応する軸受台2にシリンダ9を設け、このシリンダ9内にブラシ式スクレーパ8をばねにより弾性支持させて収納し、シリンダ3内に外部に設置したポンプ11から圧油を配管を通して供給可能な構成とし、且つ配管に給油バルブ12並びに圧力計13を設け、該圧力計13を監視しながら給油バルブ12を調整することにより、シリンダ9内が一定圧力になるように潤滑油を導入するようにしたものである。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水車発電機などのスラスト軸受装置に係わり、特に高周速・高荷重回転機械のティルティングパッド式スラスト軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のティルティングパッド式スラスト軸受としては、図7に示すような構造のものが採用されている。
【0003】
図7に示すように、回転軸1は、軸受台2に取付けられたコイルばね等の弾性体4にそれぞれ支持されて回転軸1の周囲部に適宜の隙間を存して配置された複数個のティルティングパッド3(以下パッドと略す)によって支えられている。
【0004】
このようなスラスト軸受において、回転軸1が回転すると、回転軸1とパッド3との隙間に楔形状の油膜が形成されて隙間内に圧力が発生し、この圧力によって回転軸が浮上する。
【0005】
パッド3と回転軸1は、図示しない油槽内に収納されているため、後方のパッド3の入口には前方のパッド3の隙間を通過してくる潤滑油6と油槽内の潤滑油7とが混合されて流入する。これは、パッド3の入口油膜厚さは出口油膜厚さより大きいためで、常にこのように混合した潤滑油が流入することになる。
【0006】
パッド3を通過した潤滑油は、回転軸1とパッド3との隙間内で摩擦せん断発熱するため、温度が上昇する。この熱油と油槽内の冷油が混合して後方のパッド3の入口に流入すると、入口の油膜温度は油槽内の油温より高くなる。
【0007】
ここで、説明を簡単にするため2次元で考えると、入口油膜温度Tiは、
Ti={To×ho+Tb×(hi−ho)}/hi
となり、一般的にho/hiは2〜3程度であるからTiは、
(To+Tb)/2〜(To+2Tb)/2
となる。但し、Tiは入口油膜温度、Toは出口油膜温度、Tbは油槽内から流入する潤滑油の温度、hiは回転軸1と後方のパッド3の入口側との隙間、hoは回転軸1と前方のパッド3の出口側との隙間である。
【0008】
従って、図8に示すスラスト軸受の油膜温度分布の曲線図からも明らかなように、前方のパッド出口から流出する熱油が後方のパッド入口に流入する油の温度に与える影響は大きく、油槽の油温よりかなり高くなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このようにパッドの入口に流入する潤滑油の温度は、前方のパッド出口から流出する熱油の影響で油槽内の油の温度より高くなり、パッド油膜の平均温度も油槽から全て流入する場合に比べてほぼ同程度高くなる。例えば大容量水車発電機の大形スラスト軸受では、油槽内の油温に対してパッド入口に流入する油温は10℃〜15℃程度高くなる。
【0010】
従って、パッド入口に流入する温度が高くなると、潤滑油の粘度が低下するため、軸受油膜の厚さが小さくなり、軸受の負荷性能が低下することになる。また、油膜温度が高くなると、潤滑油や軸受摺動面材料の劣化を招く恐れもある。
【0011】
そこで、その対策として、従来では実開昭59−115122号公報、実開昭59−191415号公報、実開昭59−191416号公報及び実開昭59−191417号公報にあるように、パッド間に油掻き板を設けて回転軸(スラストランナ)に押し付け、前方のパッドから流出する熱油を掻き取る方法が提案されている。
【0012】
しかし、このような構成のスラスト軸受装置においても、油掻き板と回転軸の接触による摩擦トルクの損失が増大(効率低下)し、また板のびびり振動が発生する可能性がある。
【0013】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、前方のパッド出口から流出する熱油が次のパッドの入口から極力流入しないように、且つパッドの入口に油槽内の潤滑油が流入するようにして、軸受油膜温度を低減させて負荷性能を向上させると共に、スクレーパ(油掻き装置)を細い素線の集合体(ブラシ)で構成することにより、摩擦によるトルク損失を極力解消し、且つスクレーパの振動を回避できるスラスト軸受装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するため、次のような手段によりスラスト軸受装置を構成する。
【0015】
請求項1に対応する発明は、軸受台に取付けられたコイルばね等の弾性体にそれぞれ支持されて配置された複数個のティルティングパッド(以下単にパッドと称す)によって回転軸を支えるスラスト軸受において、前記隣接するパッド相互間に耐摩耗性に優れた線材を束ねて構成されたブラシ式スクレーパを支持機構に支持させて設けたものである。
【0016】
このような構成とすれば、ブラシ先端が回転軸に接触してパッド出口から流出してくる熱油を掻き取るので、次のパッド入口への熱油の流入が極力防止され、油槽内の潤滑油がパッドに流入することで、パッド入口温度を低くすることができる。
【0017】
請求項2に対応する発明は、請求項1に対応する発明のスラスト軸受装置において、前記支持機構として、隣接するパッド相互間に対応する軸受台にシリンダを設け、このシリンダ内に前記ブラシ式スクレーパをばねにより弾性支持させて収納し、前記シリンダ内に外部に設置したポンプから圧油を配管を通して供給可能な構成とし、且つ前記配管に給油バルブ並びに圧力計を設け、該圧力計を監視しながら前記給油バルブを調整することにより、前記シリンダ内が一定圧力になるように潤滑油を導入するようにしたものである。
【0018】
このような構成とすれば、ブラシ式スクレーパを回転軸に一定の力で押し付けることができる。
【0019】
請求項3に対応する発明は、請求項1記載のスラスト軸受装置において、前記支持機構として、隣接するパッド相互間に対応する軸受台にベローズを設け、このベローズの上に前記ブラシ式スクレーパを設置すると共に、前記ベローズ内に外部に設置したポンプから圧油を配管を通して供給可能な構成とし、且つ前記配管に給油バルブ並びに圧力計を設け、該圧力計を監視しながら前記給油バルブを調整することにより、前記シリンダ内が一定圧力になるように潤滑油を導入するようにしたものである。
【0020】
このような構成とすれば、同様の機構により回転軸に一定の力で押し付けことができる。
【0021】
請求項4に対応する発明は、請求項2又は請求項3に対応する発明のスラスト軸受装置において、前記シリンダ又はベローズ内の圧力を検出する圧力センサを設け、この圧力センサにより検出された信号に基づいて前記給油バルブと前記配管に接続された排油用の配管に設けられた排油バルブを開閉制御する制御盤を設けたものである。
【0022】
このような構成とすれば、常時ブラシ式スクレーパを回転軸に一定の力で押し付けることができる。
【0023】
請求項5に対応する発明は、請求項2又は請求項3に対応する発明のスラスト軸受装置において、前記シリンダ又はベローズ内の圧力を検出する圧力センサを設ける共に、パッドの入口側にパッドに流入する潤滑油の温度を測定する温度センサを設け、圧力センサにより検出された信号及び前記温度センサにより検出された温度信号に基づいて設定温度になる最小給油圧力を設定すべく給油バルブと前記配管に接続された排油用の配管に設けられた排油バルブを開閉制御する制御盤を設けたものである。
【0024】
このような構成とすれば、必要最小限の力でブラシ式スクレーパを回転軸に押し付けることができ、発熱やブラシの摩耗を最小にできる。
【0025】
請求項6に対応する発明は、請求項4又は請求項5に対応する発明のスラスト軸受装置において、オイルリフタ装置(静圧機構)を設けると共に、パッドの出口側に該部の油膜温度を測定する温度センサを設ける構成とし、前記制御盤は前記温度センサにより測定された温度信号が入力され、油膜温度が異常温度になると前記オイルリフタ装置を起動して前記パッドに潤滑油を注入して静圧による油膜を形成させるようにしたものである。
【0026】
このような構成とすれば、常時必要最小限の力でブラシ式スクレーパを回転軸に押し付けることができ、発熱やブラシの摩耗を最小にできる。
【0027】
請求項7に対応する発明は、請求項4又は請求項5に対応する発明のスラスト軸受装置において、オイルリフタ装置(静圧機構)を設けると共に、パッドの出口側に該部の油膜厚さを測定する隙間センサを設ける構成とし、前記制御盤は前記隙間センサにより測定された油膜厚さ信号が異常値になると前記オイルリフタ装置を起動して前記パッドに潤滑油を注入して静圧による油膜を形成させるようにしたものである。
【0028】
このような構成とすれば、パッド及びブラシの損傷を防止することができる。
【0029】
請求項8に対応する発明は、請求項1記載のスラスト軸受装置において、ブラシ式スクレーパを支持する支持機構は、ブラシ式スクレーパをばねにより回転軸に押し付け一定のばね定数で支持させたものである。
【0030】
このような構成とすれば、ブラシ式スクレーパの押し付け力を制御することはできないが、簡単な機構でほぼ同様な効果を得ることができる。
【0031】
請求項9に対応する発明は、請求項1乃至請求項9のいずれかに対応する発明のスラスト軸受装置において、前記ブラシ式スクレーパとパッド入口の間にノズルを設け、このノズルから油槽内の油を回転軸に向けて吐出させるようにしたものである。
【0032】
このような構成とすれば、確実かつ効果的にパッドの入口温度を低下させることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0034】
図1は、本発明によるスラスト軸受装置の第1の実施の形態を示す構成図である。
【0035】
図1において、回転軸1は、軸受台2に取付けられたコイルばね等の弾性体4にそれぞれ支持された複数個のパッド3によって支えられている。
【0036】
本実施の形態では、かかるスラスト軸受において、隣接するパッド3相互間に対応する軸受台2上にシリンダ9を設け、このシリンダ9内に耐摩耗性に優れた線材を束ねて構成されたブラシ式スクレーパ8をばね14により弾性支持させて収納し、シリンダ9内に外部に設置したポンプ11から圧油を配管を介して供給可能な構成とする。
【0037】
上記ばね14は、シリンダ9内の油圧を低下させたときにブラシ式スクレーパ8が下がるようにブラシ式スクレーパ8とシリンダ9の底面の双方に固定されている。この場合、ばねの引っ張り力を考慮して油圧を設定する必要があるので、予め回転軸1に対するブラシ式スクレーパ8の押し付け力と油圧との関係を求めておく。
【0038】
一方、ポンプ11とシリンダ9とを間を繋ぐ配管には、バルブ12と圧力計13とが設けられ、シリンダ9内に送油される圧力を圧力計13で監視しながらバルブ12を操作し、ブラシ式スクレーパ8が予め求めた回転軸1に対する適正な押し付け力にすべく、設定及び調整する。
【0039】
さらに、ブラシ式スクレーパ8とシリンダ9の内周面との間に図2に示すように油漏れを防止するためのパッキン10が設けられている。
【0040】
このような構成のスラスト軸受装置とすれば、隣接するパッド3相互間に設けられたシリンダ9内にパッドブラシ式スクレーパ8を収納し、シリンダ9内に供給される圧油によりブラシ先端を回転軸1に接触させてパッド3の出口から流出してくる熱油を掻き取って、熱油が次のパッドの入口に流入することを極力防止するようにしたので、油槽内の潤滑油をパッド3に流入させることが可能となり、パッド3の入口温度を低くすることができる。
【0041】
また、シリンダ9内に外部に設置したポンプ11から配管を通して圧油を送り、且つ配管に設けられた圧力計13を見ながら、バルブ11を操作してシリンダ9内の油圧が一定になるように調整することにより、パッドブラシ式スクレーパ8を回転軸1に対して一定の力で押し付けることができる。
【0042】
図2は本発明によるスラスト軸受装置の第2の実施の形態を示す構成図で、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点について述べる。
【0043】
第2の実施の形態では、図1のシリンダ支持機構に代えて伸縮移動可能なベローズ15を軸受台2に固定し、このベローズ15の上にブラシ式スクレーパ8を設置すると共に、ベローズ15内に外部に設置したポンプ11から圧油を配管を通して供給可能な構成とする。
【0044】
そして、ポンプ11とベローズ15との間を繋ぐ配管には、第1の実施の形態と同様にバルブ12と圧力計13とが設けられ、ベローズ15内に送油される圧力を圧力計13で監視しながらバルブ12を操作し、ブラシ式スクレーパ8が予め求めた回転軸1に対する適正な押し付け力にすべく、設定及び調整する。
【0045】
このような構成のスラスト軸受装置とすれば、ベローズ15内の油圧を制御してベローズ15を伸縮させ、回転軸1に対するブラシ式スクレーパ8の押し付け力を設定することにより、パッド3の出口から流出してくる熱油をブラシ式スクレーパ8により掻き取ることができるので、パッド3の入口への熱油の流入を防ぐことができ、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、ブラシ式スクレーパ8を適正な力で押し付けることによって、過大なブラシの摩耗や該ブラシの摩擦による発熱を避けることができる。
【0046】
図4は本発明によるスラスト軸受装置の第3の実施の形態を示す構成図で、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分について述べる。
【0047】
第3の実施の形態では、図1のシリンダ支持機構に代えて伸縮移動可能なベローズ15を軸受台2に固定し、このベローズ15の上にブラシ式スクレーパ8を設置すると共に、ベローズ15内に外部に設置したポンプ11から圧油を配管を通して供給可能な構成とする。
【0048】
そして、ポンプ11とベローズ15とを繋ぐ配管には例えば電動式バルブからなる給油バルブ18が設けられると共に、この配管に接続された排油用の配管には、排油バルブ19が設けられている。
【0049】
また、ベローズ15内に圧力センサ16が設けられ、パッド3の入口側に温度センサ21が設けられると共に、パッド3の出口側にも温度センサ25が設けられる。
【0050】
一方、外部に設置された制御盤20には、圧力センサ16により検出された圧力信号17、温度センサ21により検出されたパッド3の入口側の温度信号22及び温度センサ25により検出されたパッド3の出口側の温度信号26がそれぞれ入力される。
【0051】
この制御盤20は、ポンプ11に起動信号を与えると共に、圧力センサ16からの圧力信号17及びパッドの入口近傍に設けられた温度センサ21からの温度信号22を感知しながら給油バルブ18及び排油バルブ19の開度を制御する機能と、パッド出口近傍に設けられた温度センサ25からの温度信号26がトリップ温度値を超えると、パッド3の隙間内に強制的に高圧油を吐出するオイルリフタ装置23に動作指令を与えると共に、給油バルブ18の全閉、排油バルブ19の開放およびポンプ11を停止させる機能とを備えている。
【0052】
また、パッド3とオイルリフタ装置23との間に接続された配管には、逆止弁24が設けられている。
【0053】
上記オイルリフタ装置23及び逆止弁24は、所謂静圧軸受機構を構成している。
【0054】
このように構成されたスラスト軸受装置において、ブラシ式スクレーパの押し付け力を自動制御する場合の作用を述べる。
【0055】
まず、制御盤20からの信号でポンプ11が起動されると、圧油がベローズ16内に送油される。このとき制御盤20は、ベローズ16内に設けた圧力センサ16により検出された圧力信号17を感知しながら給油バルブ18の開度を自動調整する。従って、ベローズ16内の圧力は、設定した圧力範囲に加圧される。
【0056】
このような制御盤20による給油バルブ18と排油バルブ19の操作は、運転中も行われ、ベローズ15内の圧力が設定範囲を維持するように調整される。
【0057】
以上はベローズ15内に加える圧力によって回転軸1に対するブラシ式スクレーパ8の押し付け力を自動調整する場合の制御であるが、更に最適な押し付け力を制御する場合について説明する。
【0058】
パッド3の入口近傍に設けられた温度センサ21で測定されたパッド3に流入してくる潤滑油の温度信号22が制御盤20に入力すると、制御盤20は潤滑油の温度が設定温度(油槽内油温+2〜3℃程度以内)になるようにブラシ式スクレーパ8の押し付け力を前述同様にバルブ18,19の制御により調整する。
【0059】
ブラシ式スクレーパ8の押し付け力の増加に伴い、パッド3の入口温度が低下するが、次第にブラシ式スクレーパ8の押し付け力に対して温度が飽和してくる(押し付け力を増しても温度が一定になる)。
【0060】
従って、パッド3の入口温度を感知して飽和する温度に対するブラシ式スクレーパ8の押し付け力を最小に設定すれば、ブラシの発熱・摩耗を最小に抑えることができる。
【0061】
次にスラスト軸受装置の異常監視方法と異常時に損傷を自動的に回避する方法について説明する。
【0062】
運転中のスラスト軸受パッド3の油膜の最高温度を監視すべく、パッド出口近傍に設けられた温度センサ25により油膜の温度が検出されると、この温度信号26は制御盤20に入力される。すると、制御盤20では、温度センサ25からの温度信号が設定したトリップ温度値を超えているかどうかを判断し、トリップ温度値を超えている場合にはオイルリフタ装置23を始動させると共に、ブラシ式スクレーパ8に送油している給油バルブ18を全閉、排油バルブ19を開放し、且つポンプ11を停止させる。これにより、オイルリフタ装置23より逆止弁24を介してパッド3の隙間内に強制的に高圧油が流入するので、パッド3の損傷及びブラシの損耗が回避される。
【0063】
このような構成のスラスト軸受装置によれば、ブラシの発熱・摩耗を自動的に最小限に抑え、且つスラスト軸受の異常を監視し、異常時にパッドの損傷ならびにブラシの損耗を自動的に回避することができる。
【0064】
なお、上記実施の形態では、ブラシ式スクレーパ8の支持機構としてベローズを例に説明したが、第1の実施の形態のようにシリンダによる支持機構の場合も前述同様に実施できる。
【0065】
また、上記実施の形態では、温度センサに代えてパッド3の出口側の隙間を検出する隙間センサ27を設け、この隙間センサ27からの信号により最小油膜厚さを監視し、設定した油膜厚さより小さくなったときに前述同様の制御を行うようにしてもよい。
【0066】
図5は本発明によるスラスト軸受装置の第4の実施の形態を示す構成図で、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分について述べる。
【0067】
第4の実施の形態では、図5に示すように隣接するパッド3相互間に対応する軸受台2上に保持器29を設け、この保持器29内に耐摩耗性に優れた線材を束ねて構成されたブラシ式スクレーパ8をばね28により弾性支持させて収納した簡易型の支持機構を構成したものである。
【0068】
このような構成のスラスト軸受装置としても、回転軸1に対してブラシ式スクレーパ8のブラシを一定の剛性で押し付けることができる。この場合、ブラシ式スクレーパ8の移動量(調整量)は微量であることから、支持ばね長の変化量ΔXは小さく、従ってばね28の押し付け力の変化;ΔF=(ばね定数K)×(変化量ΔX)も小さく、ほぼ一定の力で押し付けることができる。
【0069】
図6は本発明によるスラスト軸受装置の第5の実施の形態を示す構成図で、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分について述べる。
【0070】
第6の実施の形態では、ブラシ式スクレーパ8をばね14により弾性支持させて収納したシリンダ9と後方のパッド3との間に対応する軸受台2上にノズル30を設け、このノズル30と油槽との間に接続された配管にポンプ31を設け、このポンプ31により油槽内の油を循環させるように構成したものである。
【0071】
この場合、循環ポンプ系が形成されていない場合は新たに設けられる。
【0072】
このような構成のスラスト軸受装置とすれば、ポンプ31により循環する油槽内の油はノズル30より回転軸1に向けて吐出される。この場合、パッド3間に存する油槽の油は循環ポンプ31から油槽に供給される油の温度より高い。
【0073】
従って、更に低温の潤滑油が確実に供給されると共に、ブラシの冷却作用もあることから、ブラシの摩耗抑制効果を得ることができる。
【0074】
上記実施の形態では、図1に示す第1の実施の形態の構成に加えて、ノズル29を設けるようにしたが、図3乃至図5に示す第2の実施の形態乃至第5の構成に加えて、ノズル29を設けるようにしても前述同様の作用効果を得ることができる。
【0075】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によるスラスト軸受装置によれば、隣接するパッド相互間に設けられたブラシ式スクレーパを回転軸に押し付けて前方のパッドの出口から流出する熱油を掻き取って、パッド入口への熱油の流入を極力防ぐようにしたので、パッドの油膜温度を低減して軸受負荷性能を向上させることができる。更に最適な押し付け力を与える制御機能と異常時の損傷を回避する制御機能を備えた制御盤を設けることによって、スラスト軸受の信頼性を向上させると共に、ブラシの摩耗を最小にして長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスラスト軸受装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】同実施の形態におけるシリンダ部分を拡大して示す平面図。
【図3】本発明によるスラスト軸受装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図4】本発明によるスラスト軸受装置の第3の実施の形態を示す構成図。
【図5】本発明によるスラスト軸受装置の第4の実施の形態を示す構成図。
【図6】本発明によるスラスト軸受装置の第5の実施の形態を示す構成図。
【図7】従来のスラスト軸受装置の構成と潤滑油の流れを示す説明図。
【図8】従来のスラスト軸受装置の油膜の温度分布を示す説明図。
【符号の説明】
1:回転軸
2:軸受台
3:パッド
4:弾性体
5:出口側潤滑油
6:入口側潤滑油
7:油槽内潤滑油
8:ブラシ式スクレーパ
9:シリンダ
10:パッキン
11:ポンプ
12:バルブ
13:圧力計
14:ばね
15:ベロー
16:圧力センサ
17:圧力信号
18:給油バルブ
19:排油バルブ
20:自動制御盤
21:温度センサ
22:温度信号
23:オイルリフタ装置
24:逆止弁
25:温度センサ
26:温度信号
27:隙間センサ
28:ばね
29:保持器
30:ノルズ
31:循環ポンプ

Claims (9)

  1. 軸受台に取付けられたコイルばね等の弾性体にそれぞれ支持されて配置された複数個のティルティングパッド(以下単にパッドと称す)によって回転軸を支えるスラスト軸受において、前記隣接するパッド相互間に耐摩耗性に優れた線材を束ねて構成されたブラシ式スクレーパを支持機構に支持させて設けたことを特徴とするスラスト軸受装置。
  2. 請求項1記載のスラスト軸受装置において、前記支持機構として、隣接するパッド相互間に対応する軸受台にシリンダを設け、このシリンダ内に前記ブラシ式スクレーパをばねにより弾性支持させて収納し、前記シリンダ内に外部に設置したポンプから圧油を配管を通して供給可能な構成とし、且つ前記配管に給油バルブ並びに圧力計を設け、該圧力計を監視しながら前記給油バルブを調整することにより、前記シリンダ内が一定圧力になるように潤滑油を導入するようにしたことを特徴とするスラスト軸受装置。
  3. 請求項1記載のスラスト軸受装置において、前記支持機構として、隣接するパッド相互間に対応する軸受台にベローズを設け、このベローズの上に前記ブラシ式スクレーパを設置すると共に、前記ベローズ内に外部に設置したポンプから圧油を配管を通して供給可能な構成とし、且つ前記配管に給油バルブ並びに圧力計を設け、該圧力計を監視しながら前記給油バルブを調整することにより、前記シリンダ内が一定圧力になるように潤滑油を導入するようにしたことを特徴とするスラスト軸受装置。
  4. 請求項2又は請求項3記載のスラスト軸受装置において、前記シリンダ又はベローズ内の圧力を検出する圧力センサを設け、この圧力センサにより検出された信号に基づいて前記給油バルブと前記配管に接続された排油用の配管に設けられた排油バルブを開閉制御する制御盤を設けたことを特徴するスラスト軸受装置。
  5. 請求項2又は請求項3記載のスラスト軸受装置において、前記シリンダ又はベローズ内の圧力を検出する圧力センサを設ける共に、パッドの入口側にパッドに流入する潤滑油の温度を測定する温度センサを設け、圧力センサにより検出された信号及び前記温度センサにより検出された温度信号に基づいて設定温度になる最小給油圧力を設定すべく給油バルブと前記配管に接続された排油用の配管に設けられた排油バルブを開閉制御する制御盤を設けたことを特徴とするスラスト軸受装置。
  6. 請求項4又は請求項5記載のスラスト軸受装置において、オイルリフタ装置(静圧機構)を設けると共に、パッドの出口側に該部の油膜温度を測定する温度センサを設ける構成とし、前記制御盤は前記温度センサにより測定された温度信号が入力され、油膜温度が異常温度になると前記オイルリフタ装置を起動して前記パッドに潤滑油を注入して静圧による油膜を形成させるようにしたことを特徴とするスラスト軸受装置。
  7. 請求項4又は請求項5記載のスラスト軸受装置において、オイルリフタ装置(静圧機構)を設けると共に、パッドの出口側に該部の油膜厚さを測定する隙間センサを設ける構成とし、前記制御盤は前記隙間センサにより測定された油膜厚さ信号が異常値になると前記オイルリフタ装置を起動して前記パッドに潤滑油を注入して静圧による油膜を形成させるようにしたことを特徴とするスラスト軸受装置。
  8. 請求項1記載のスラスト軸受装置において、ブラシ式スクレーパを支持する支持機構は、ブラシ式スクレーパをばねにより回転軸に押し付け一定のばね定数で支持させたことを特徴とするスラスト軸受装置。
  9. 請求項1乃至請求項9のいずかに記載のスラスト軸受装置において、ブラシ式スクレーパとパッド入口の間にノズルを設け、このノズルから油槽内の油を回転軸に向けて吐出させるようにしたことを特徴とするスラスト軸受装置。
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