JP2004108460A - 液体封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低周波数からなるエンジンアイドリング振動を高減衰カにて制振する。
【解決手段】振動体からの振動を遮断するインシュレータ3と、インシュレータ3の一部が室壁を形成し液体を封入する主室5と、これに対向する第一ダイヤフラム4が室壁の一部を形成し主室5に第一オリフィス7により連通する副室6と、副室6と第三液室8との間を連通させる二重巻き形態の第二オリフィス9と、第一及び第二のオリフィスを形成するオリフィス形成部材11と、その内側中央部において第三液室8を形成するとともに該液室と主室5との間を画する第二ダイヤフラム20が設けられる液室形成部材12とからなり、第二オリフィスの9の内外通路9a,9b間の隔壁93をゴム状部材により形成する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定周波数域の振動遮断を図るように形成された防振機構部を有する液体封入式防振装置に関するものであり、特に、例えばエンジンアイドリング振動あるいはエンジンシェイク振動等の、二つの周波数の振動入力に対して、いずれの場合にも高減衰特性を発揮させるようにし、これによって前記両振動を減衰させるようにした液体封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
防振装置のうち、特に、自動車用のエンジンマウント等にあっては、動力源であるところのエンジンが、アイドリング運転の状態から最大回転速度までの間、種々の状況下で使用されるものであるため、広い範囲の周波数に対応できるものでなければならない。
【0003】
そのため、内部に二つの液室を設け、その間をオリフィスをもって連通させるとともに、前記オリフィス内の液体を特定周波数にて共振させること等によって、特定周波数の振動遮断を図るようにした液体封入式防振装置が案出され、既に公知となっている。そして、このような液体封入式防振装置のうち、二つのオリフィスを有するタイプのものとしては、例えば、下記の特許文献1に記載のもの等が挙げられる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−20992号公報 (第2−5頁、図1−3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記文献のものは、一方のオリフィス内に存在する液体の液柱共振作用によって本防振装置全体の動バネ定数を低減化させ、これによってアイドリング振動の遮断を図るようにする一方、車両走行時に問題とされるエンジンシェイク振動に対しては、もう一方のオリフィス内における液体の流動抵抗に基づく減衰力の作用によって制振機能を発揮させるようにしているものである。
【0006】
しかしながら、最近の自動車用エンジンにおいては、低燃費化の観点から希薄燃焼方式、あるいはエンジンアイドリング回転速度の低回転数化等が採られており、エンジンのアイドリング運転状態が不安定となっている。その結果、エンジンの回転0.5次振動数域における振動発生等が問題とされている。
【0007】
本発明は、上記のような低振動数域のアイドリング振動の制振を、アイドリング振動対応用オリフィスの高減衰機能にて行わせるようにした液体封入式防振装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。
【0009】
すなわち、請求項1に記載の発明においては、振動体に取付けられる第一の連結部材と、車体側のメンバに取付けられる第二の連結部材と、これら第一の連結部材と第二の連結部材との間にあって前記振動体からの振動を吸収及び遮断するゴム状のインシュレータと、前記インシュレータと軸方向に間隔をおいて対向する第一のダイヤフラムと、前記インシュレータと前記第一のダイヤフラムとの間で前記インシュレータの一部にてその室壁が形成されるものであって液体が封入される主室と、該主室に第一のオリフィスを介して連通せしめられるとともに前記第一のダイヤフラムにて室壁の一部が形成される副室と、前記主室と副室との間を仕切る仕切構成部と、該仕切構成部にあって前記主室に対して第二のダイヤフラムにて室壁の一部が区画形成される第三液室と、該第三液室と前記副室との間を連通させる第二のオリフィスとからなる、二つのオリフィスを有するタイプの液体封入式防振装置において、前記第二のオリフィスが、前記仕切構成部内の前記第三液室の外側に設けられて平面視が円環状の二重巻き形態をなし、前記第一のオリフィスが、前記第二のオリフィスの外側に設けられて平面視が円環の一部にて形成される円弧状の形態をなし、前記仕切構成部が、前記第一及び第二の両オリフィス並びに前記第三液室を形成する部材と、その下面に接設されて前記第三液室と前記第二のオリフィスの下方側を閉塞する仕切受板とからなり、前記オリフィスを形成する部材の二重巻きの内外通路間の隔壁がゴム状部材により形成され、該隔壁が前記仕切受板に対接せしめられてなる構成を採ることにしたものである。
【0010】
このような構成を採用した本発明の防振装置によれば、エンジンアイドリング振動、特に、エンジンの回転0.5次振動に相当する低周波数(低振動数)域の振動を低減化させることができるようになる。
【0011】
特に、本発明においては、一方のオリフィスをエンジンの回転0.5次振動にも対応させることで、このような低周波数(低振動数)の振動を低減化させることができるとともに、もう一方のオリフィスをもってエンジンローリング振動及びエンジンシェイク振動にも対応させるようにすることにより、エンジンアイドリング運転時及び車両の走行時において、共にエンジン振動の抑制(制振)あるいは遮断を図ることができるようになる。
【0012】
しかも、本発明の場合、前記第一及び第二の両オリフィス並びに前記第三液室を形成する部材を、その下面に接設される仕切受板と組み合わせることにより、前記の二重巻きのオリフィスを含む二つオリフィス構造を容易に構成できる上、前記二重巻きの内外通路間の隔壁がゴム状部材により形成されて、該ゴム状部材により下方側を閉塞する仕切受板に対接されることで、金属同士の接触による場合とは異なり、前記対接部分が液密に良好に保持され、漏れによる短絡が生じるおそれがなく、第二のオリフィスを二重巻き形態にしたことによる効果を充分に発揮できる。
【0013】
また、請求項2の発明のように、前記二重巻きの内外通路間の隔壁が、前記第二のオリフィスと前記第三液室との間を画する内側隔壁とともに、前記第二のダイヤフラムと一体のゴム状部材により形成され、両隔壁が前記仕切受板に対接せしめられてなる場合は、二重巻き形態の前記第二のオリフィスの内外通路間の短絡のみでなく、第二のオリフィスと第三液室との間の短絡も防止できる。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の液体封入式防振装置において、前記第一のオリフィス及び第二のオリフィスを、エンジンアイドリング振動の入力及びエンジンシェイク振動の入力に対して、共に高減衰特性を発揮させるようにしたものである。
【0015】
このような構成によれば、エンジンアイドリング振動及び車両走行中におけるエンジンシェイク振動の抑制(制振)を図ることができる。
【0016】
すなわち、この発明の場合、両オリフィスが、共に高減衰特性を有するように設定されているので、エンジンアイドリング運転時におけるエンジンの回転0.5次振動あるいはエンジンアイドリング運転時におけるエンジンローリング振動を、前記二つのオリフィスにて形成される高減衰力にて抑え込む(制振する)ことができることになる。その結果、エンジンアイドリング運転中に発生する比較的低周波数の振動を効率良く制振することができることになる。
【0017】
また、車両の走行中に発生するエンジンシェイク振動の抑制(制振)に関しても、前記オリフィスの減衰力によって抑え込む(制振する)ことができるようになる。このように、本発明のものにおいては、エンジンアイドリング運転時の低周波数の振動及び車両走行中に発生するエンジンシェイク振動の両者が、共に二つのオリフィスによって形成される高減衰力によって抑え込まれるようになり、効果的に制振作用が発揮されるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図示する実施例に基づいて説明する。
【0019】
図1は本実施例の液体封入式防振装置の縦断面図、図2は図1とは切断個所を異にした一部の断面図、図3は仕切構成部を構成するオリフィス形成部材と液室形成部材の下面側からの平面(底面)図である。
【0020】
本実施例の液体封入式防振装置は、図1に示すように、振動体に取付けられる第一の連結部材1と、車体側のメンバ等に取付けられる第二の連結部材2と、これら第一の連結部材1と第二の連結部材2との間にあって前記振動体からの振動を吸収及び遮断するゴム状のインシュレータ3と、前記インシュレータと軸方向に間隔をおいて対向する第一のダイヤフラム(第一ダイヤフラム)4と、前記インシュレータ3と前記第一のダイヤフラム4との間で前記インシュレータ3の一部にてその室壁が形成されるものであって液体が封入される主室5と、該主室5に第一のオリフィス(第一オリフィス)7を介して連通せしめられて主室同様に液体が封入されるとともに前記第一のダイヤフラム4にて室壁の一部が区画形成される副室6と、前記主室5と副室6との間を仕切る仕切構成部10と、該仕切構成部10内にあって前記主室5に対して第二のダイヤフラム20にて室壁の一部が区画形成される第三液室8と、該第三液室8と前記副室6との間を連通させる第二のオリフィス(第二オリフィス)9とを有している。
【0021】
前記仕切構成部10は、前記第一オリフィス7及び第二のオリフィス9等が設けられる環状のオリフィス形成部材11と、当該オリフィス形成部材11の内側中央部において前記第二のダイヤフラム20を形成し前記第三液室8を形成するゴム状部材よりなる液室形成部材12と、これらオリフィス形成部材11及び液室形成部材12の下面に接設されて、前記第二のオリフィス9及び第三液室8の下面を閉塞し前記副室6との間を区画形成する仕切受板13とから構成されている。
【0022】
前記オリフィス形成部材11は、その大部分がプラスチック材またはアルミニウム合金材等の剛性を有する素材により形成されるものであって、平面視が円環状の形態からなり、図3に示すように、前記第一と第二の二つのオリフィス7、9を形成するようになっている。具体的には、オリフィス形成部材11の外周面には、円環状に略一周する(円弧状の)凹溝が形成されており、該オリフィス形成部材11が第二の連結部材2の上側筒状部24の内周に嵌着されることにより、前記凹溝が前記第一オリフィス7として形成されるようになっている。この第一オリフィス7は、主室5と副室6との間を連通させるもので、該オリフィス7の一端側がオリフィス形成部材11の外周上縁部に有する連通口71により主室5に通じ、他端側が図2で示すように、該オリフィス形成部材11の下面側に形成された切欠部72から前記仕切受板13に有する連通口131により副室6に通じている。
【0023】
前記の第一オリフィス7の内側には、前記第三液室8の周りに、下方に開口する溝により二重巻き状の形態をなす前記第二オリフィス9が設けられている。この第二オリフィス9は、前記副室6と第三液室8との間を連通させるものであって、主室5内の液体に伝播されて来た振動の入力に基づいて作動する前記第二ダイヤフラム20(図1参照)の作動により、前記第三液室8内の液体を副室6側へ流動させるようになっている。具体的には、前記の第二オリフィス9は、第三液室8側の開口部91を基点にして略一周したところで折り返されて二重巻き状に戻されてきたところで、前記仕切受板13に有する開口穴132を経由して副室6に連通するようになっている。92は二重巻きの内外両通路9a,9bの折り返し部を示している。そして、前記第二オリフィス9における内外通路9a,9b間の隔壁93及び第三液室8との間の内側隔壁94は、後述するように液室形成部材12と一体のゴム状部材により形成されている。
【0024】
前記液室形成部材12は、ゴム状部材にて形成されたカップ状の形態をなし、前記の第一と第二のオリフィス7と9の内側に設けられている。この液室形成部材12の中央部には、前記第三液室8の形成するための下方に開口する凹陥部が設けられるとともに、当該凹陥部の上方部に前記主室5との間を区画形成する第二ダイヤフラム20が一体に設けられている。この液室形成部材12は、前記のオリフィス形成部材11に対し加硫接着手段により一体的に結合されており、前記第三液室8は開口部91を介して前記第二オリフィス9に連通するものである(図3参照)。
【0025】
前記の二つオリフィスの構成からなるものにおいて、前記第一と第二のオリフィスの一方、主として前記外側の第一オリフィス7は、アイドリング振動のうちのエンジン回転0.5次振動数に相当する低周波数の振動の制振を目的に形成されるものである。従って、前記エンジンの回転0.5次振動を抑制すべく、低周波振動の入力に対して高減衰力が得られるように前記のようにオリフィス形成部材11の外側に形成される。
【0026】
前記仕切受板13は、前記の構成からなるオリフィス形成部材11及び液室形成部材12の下面に接設されて、前記第三液室8並びに第二オリフィス9の下方開口側を副室6に対して液密状に遮断するように設けられる(図1参照)。
【0027】
前記仕切受板13は、基本的には円板状の形態からなるものであり、鋼板を基礎としたプレス成形品、あるいはアルミニウム合金製板材の成形加工品等からなるものである。
【0028】
そして、このような円板状の仕切受板13の上に、ゴム材またはEPDM等からなる前記液室形成部材12、並びに円環状の形態からなる前記オリフィス形成部材11が接設されるとともに、前記各部材11、12が圧接された状態で保持されることによって、上述したように前記第三液室8、前記第二オリフィス9が形成されるようになる。その結果、前記仕切受板13に対して、前記オリフィス形成部材11及び液室形成部材12とがお互いに密着することになる。
【0029】
特に、本発明の場合は、前記二重巻き状の第二オリフィス9の内外通路9a,9b間の隔壁93が、第三液室8との間の内側隔壁94とともに、液室形成部材12と一体のゴム状部材により形成されて、これら両隔壁93,94が前記仕切受板13前に液密に対接されるようになっている。そのため、金属同士の接触による場合とは異なり、前記対接部分が液密に良好に保持されて、漏れによる短絡が生じるおそれがなくなる。また、第二のオリフィス9と第三液室8との間の短絡も防止される。それゆえ、前記二重巻き状の第二オリフィス9、第三液室8等におけるシール性が高められ、前記第二のオリフィス9を二重巻き形態にしたことによる効果を充分に発揮できるものになる。
【0030】
図示する実施例の場合、前記内外通路9a,9b間の隔壁93は、ゴム状部材の内部にオリフィス形成部材11の上板部より下方向きに突出する凸部95が設けられており、該隔壁93の補強が図られている。
【0031】
前記仕切受板13の周辺端末部にはフランジ133が設けられており、該フランジ133のところで、前記オリフィス形成部材11の外周をシールするように前記インシュレータ3の周縁部から第二連結部材2の筒状部24の内周に沿って延長形成されたゴム部33、及び第一ダイヤフラム4の周縁部の補助金具41が一緒に重ね合わされた状態で接合され、これらが前記第二の連結部材2の周辺部にクリンチ結合手段等により結合されるようになっている。
【0032】
このようにして、前記オリフィス形成部材11が第二連結部材2の筒状部24の内周に液密に嵌着されて、前記第一タイヤフラム4及び前記仕切受板13と共に前記第二の連結部材2の周辺部に一体的に結合されることによって、前記仕切部受板13と第一ダイヤフラム4との間には第一ダイヤフラム4等にて区画形成される副室6が形成されることとなる。
【0033】
そして、前記のように副室6の上方部を区画形成する仕切受板13には、上記した第一オリフィス7の副室側の連通口131及び第二オリフィス9の副室側の開口穴132が設けられている。
【0034】
次に、このような構成からなる本実施例の形態のものについての作動態様等について説明する。
【0035】
振動体側からの振動は、図1に示すように、上部の第一の連結部材1を介して、ゴム材等からなるインシュレータ3へと伝播される。これに伴って、当該インシュレータ3は、振動あるいは変形をして、前記入力振動の大部分を吸収あるいは遮断する。従って、大半の振動は、このインシュレータ3のところで遮断されることとなるが、一部のものは、当該インシュレータ3のところでは遮断されず、次の液体が封入された各室、すなわち主室5、副室6、第三液室8及び各オリフィス7、9のところで遮断されることとなる。
【0036】
次に、これら各室及びオリフィスにおける具体的作用について説明する。まず、エンジンアイドリング振動の入力に対しては、本実施例の形態においては以下のような対処法を採る。
【0037】
すなわち、本実施例の形態において対象とされるアイドリング振動は、まず、一つはエンジンの回転0.5次振動に対応する5Hz前後から20Hz程度までの非常に低周波数域の振動である。この振動を遮断するには、従来のもののように、エンジンマウントの動バネ定数を低減化させることによって行うのは困難である。また、従来のものにおいては、その減衰特性が、図4の従来例(B)線に示すように、特定の周波数(振動数)であるエンジンシェイク振動を対象としたところでピーク値が生ずるようになっており、それ以外の周波数域では減衰力はほとんど生じないようになっている。従って、従来のものにおいては、このエンジンの回転0.5次振動をエンジンマウントの有する減衰力にて抑え込む(制振する)ことは不可能である。
【0038】
このような点に鑑みて、本実施例の形態においては、前記5Hz前後から20Hzの低周波数の振動入力に対して、オリフィスの減衰機能を高めさせることによって前記低周波数の振動を抑え込む(制振する)こととしている。
【0039】
具体的には、前記低周波数の振動がインシュレータ3介して主室5内の液体に伝播された場合、まず、主室5内に存在する液体を第一オリフィス7を介して副室6側へ流動させるようにする。この第一オリフィス7内における液体の流動抵抗によって所定の減衰力を発揮させ、前記エンジンの回転0.5次振動の抑制を図ることとする。すなわち、図4の実施例(A)線のa1部に示すように、5Hz前後の振動入力に対して高減衰力を発揮させるようにし、これによって、前記5Hz前後の振動数を有するエンジンの回転0.5次振動を抑え込む(制振する)ようにする。
【0040】
また、本実施例の形態においては、エンジンアイドリング振動に関して、15Hz前後の周波数域におけるエンジンローリング振動が問題とされており、これの制振も必要とされている。この15Hz前後の周波数域におけるエンジンローリング振動の制振機能についても、本実施例の形態においては、エンジンマウントの減衰機能を高めさせることによって対処することとしている。
【0041】
具体的には、前記第一オリフィス7の内側に2重巻き状に設けられる第二オリフィス9にて形成される減衰機能にて前記15Hz前後のエンジンローリング振動を抑え込む(制振する)ようにしている〔(図4の実施例(A)線のa2部参照〕。すなわち、このエンジンローリング振動の入力に対しては、主室5に面した第二ダイヤフラム20が振動をする。この第二ダイヤフラム20の振動に応じて、第三液室8内の液体を開口部91から第二オリフィス9へ流動させるとともに、該第二オリフィス9を経由させて仕切受板13に有する開口穴132から副室6側へ流動させる。この第二オリフィス9内における液体の流動作用によって、図4の実施例(A)線のa2部に示すように15Hz前後の周波数(振動数)に対して高減衰力が得られるようになる。この高減衰力によってエンジンローリング振動は抑え込まれる(制振される)こととなる。
【0042】
なお、車両の走行中に問題とされるエンジンシェイク振動に関しては、本実施例の形態においては、前記エンジンシェイク振動の振動数の値が10〜15Hzの範囲内のものであるところから、主に、前記第二オリフィス9内の液体の流動作用に基づく減衰力によって抑止される(制振される)こととなる。具体的には、本実施例の形態においては、主に、図3に示す第二オリフィス9の径及び長さを適宜値に設定することによって、エンジンシェイク振動の入力に対して高減衰特性を発揮させるようにする。これらによって、車両走行中に発生するエンジンシェイク振動は効果的に抑え込まれる(制振される)こととなる。
【0043】
このように、本実施例の形態のものにおいては、エンジンの回転0.5次振動等を含む低周波数からなるアイドリング運転時の振動遮断を、各主室5、副室6、第三液室8及び第一と第二の各オリフィス7、9にて形成される高減衰力にて抑え込む(制振する)ことができる。また、これら各オリフィスを用いて、車両走行中に問題とされるエンジンシェイク振動の抑制も図ることができる。
【0044】
なお、図4の特性線図は、内側の第二オリフィスが二重巻き形態をなす本発明の実施例装置(実施例)と、特許文献1に開示のもので内側の第二オリフィスが略一周(一重)である従来装置(従来例)とについて、プラス・マイナス0.05mmの振幅で振動を与えて、アイドリング振動に相当する周波数領域で振動周波数を変化させた場合の減衰特性を示している。
【0045】
下記の表1は、図4の減衰特性を得た実施例装置(実施例)と、従来装置(従来例1と従来例2)についての、外側オリフィス(第一オリフィス)と内側オリフィス(第二オリフィス)の断面積(S1)(S2)、オリフィス長(L1)(L2)、及び前記断面積とオリフィス長とを掛けた値(容積に相当)(m1)(m2)を、それぞれ示している。図4の従来例(B)線の減衰特性は前記従来例1によるものであるが、従来例2のものについても殆ど同じ減衰特性になる。
【0046】
【表1】
Figure 2004108460
【0047】
また、下記の表2は、上記の表1の実施例装置と従来装置(従来例1と従来例2)についての、前記容積に相当する値(m1)(m2)の比(m2/m1)、オリフィス長(L1)(L2)の比(L2/L1)と、共振周波数を求める式に関係する断面積とオリフィス長との比の平方根をそれぞれ示している。
【0048】
【表2】
Figure 2004108460
【0049】
上記の表1及び表2から、図4の実施例(A)線の減衰特性、すなわちエンジンの回転0.5次振動に対応する5Hz前後から20Hz程度までの低周波数域の振動に対して特に効果のある特性を得るためには、内外の両オリフィスについて、前記容積に相当する値の比(m2/m1)は2.0以上であること、またオリフィス長の比(L2/L1)は1.0より大きいこと、さらに前記断面積とオリフィス長との比の平方根については0.45以下であるように、設計することが求められる。換言すれば、このように内外の二つのオリフィスを設定することにより、低周波数域の振動に対する減衰及び抑制効果を高めることができる。またそのため、内側の第二オリフィスを、本発明のように二重巻きの形態としてそのオリフィス長を長くするのが、前記の要求に応える上で、特に有効な対応策であると言える。
【0050】
【発明の効果】
上記したように本発明によれば、二つのオリフィスを有するタイプの液体封入式防振装置として、エンジンアイドリング振動、特に、エンジンの回転0.5次振動に相当する5Hzから20Hz程度までの低周波数(低振動数)域の振動を効果的に低減化させることができる。
【0051】
特に、本発明においては、一方のオリフィスをエンジンの回転0.5次振動に対応させることで、このような低周波数(低振動数)の振動を低減化させることができるとともに、もう一方のオリフィスをもってエンジンローリング振動及びエンジンシェイク振動にも対応させることで、エンジンアイドリング運転時及び車両の走行時において、共にエンジン振動の抑制(制振)あるいは遮断を図ることができることになる。
【0052】
しかも、本発明の場合、仕切構成部に二重巻きのオリフィスを含む二つオリフィス構造を容易に構成できる上、前記二重巻きの内外通路間の隔壁がゴム状部材により形成して仕切受板に対接させるようにしたことで、漏れによる短絡を防止でき、内側の第二のオリフィスを二重巻き形態にしたことによる効果を充分に発揮できる。
【0053】
また、本発明においては、前記第一のオリフィス及び第二のオリフィスを、エンジンアイドリング振動の入力及びエンジンシェイク振動の入力に対して、共に高減衰特性を発揮させるようにした構成とすることにより、エンジンアイドリング運転時におけるエンジンの回転0.5次振動あるいはエンジンアイドリング運転時におけるエンジンローリング振動を前記二つのオリフィスにて形成される高減衰力にて抑え込む(制振する)ことができる。その結果、エンジンアイドリング運転中に発生する比較的低周波数の振動を効率良く制振することができる。また、車両の走行中に発生するエンジンシェイク振動の抑制(制振)についても、前記各オリフィスの減衰力によって抑え込む(制振する)ことができる。
【0054】
このように、本発明は、エンジンアイドリング運転時の低周波数の振動及び車両走行中に発生するエンジンシェイク振動の両者を、二つのオリフィスによって形成される高減衰力によって抑え込むことができ、効果的に制振作用を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の液体封入式防振装置全体の縦断面図である。
【図2】図1とは切断個所を異にした一部の断面図である。
【図3】仕切構成部を構成するオリフィス形成部材と液室形成部材の下面側からの平面(底面)図である。
【図4】本発明の実施例にかかる液体封入式防振装置と、従来装置のエンジン回転0.5次振動を含むアイドリング振動に対する減衰特性を示す特性線図(グラフ)である。
【符号の説明】
1  第一の連結部材
2  第二の連結部材
3  インシュレータ
4  第一のダイヤフラム
5  主室
6  副室
7  第一のオリフィス(第一オリフィス)
8  第三液室
9  第二のオリフィス(第二オリフィス)
9a,9b 内外通路
10 仕切構成部
11 オリフィス形成部材
12 液室形成部材
13 仕切受板
24 筒状部
33 ゴム部
41 補助金具
71 連通口
72 切欠部
91 開口部
92 折り返し部
93 隔壁
94 内側隔壁
131 連通口
132 開口穴

Claims (3)

  1. 振動体に取付けられる第一の連結部材と、車体側のメンバに取付けられる第二の連結部材と、これら第一の連結部材と第二の連結部材との間にあって前記振動体からの振動を吸収及び遮断するゴム状のインシュレータと、前記インシュレータと軸方向に間隔をおいて対向する第一のダイヤフラムと、前記インシュレータと前記第一のダイヤフラムとの間で前記インシュレータの一部にてその室壁が形成されるものであって液体が封入される主室と、該主室に第一のオリフィスを介して連通せしめられるとともに前記第一のダイヤフラムにて室壁の一部が形成される副室と、前記主室と副室との間を仕切る仕切構成部と、該仕切構成部にあって前記主室に対して第二のダイヤフラムにて室壁の一部が区画形成される第三液室と、該第三液室と前記副室との間を連通させる第二のオリフィスとからなる、二つのオリフィスを有するタイプの液体封入式防振装置において、
    前記第二のオリフィスが、前記仕切構成部内の前記第三液室の外側に設けられて平面視が円環状の二重巻き形態をなし、前記第一のオリフィスが、前記第二のオリフィスの外側に設けられて平面視が円環の一部にて形成される円弧状の形態をなし、
    前記仕切構成部が、前記第一及び第二の両オリフィス並びに前記第三液室を形成する部材と、その下面に接設されて前記第三液室と前記第二のオリフィスの下方側を閉塞する仕切受板とからなり、前記第二のオリフィスの二重巻きの内外通路間の隔壁がゴム状部材により形成され、該隔壁が前記仕切受板に対接せしめられてなることを特徴とする液体封入式防振装置。
  2. 請求項1に記載の液体封入式防振装置において、前記二重巻きの内外通路間の隔壁が、前記第二のオリフィスと前記第三液室との間を画する内側隔壁とともに、前記第二のダイヤフラムと一体のゴム状部材により形成され、両隔壁が前記仕切受板に対接せしめられてなることを特徴とする液体封入式防振装置。
  3. 請求項1または2に記載の液体封入式防振装置において、前記第一のオリフィス及び第二のオリフィスを、エンジンアイドリング振動の入力及びエンジンシェイク振動の入力に対して、共に高減衰特性を発揮させるようにした構成からなることを特徴とする液体封入式防振装置。
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