JP2004108417A - 車両用油圧ポンプの駆動制御装置 - Google Patents

車両用油圧ポンプの駆動制御装置 Download PDF

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長谷川 善雄
Akira Hoshino
星野 明良
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Abstract

【課題】駆動源により駆動される油圧ポンプを小型化した車両において、エネルギ出力を可及的に抑制できる車両用駆動制御装置を提供する。
【解決手段】必要とされる作動油の総吐出量QALL を演算する総吐出量演算手段96と、総吐出量QALL に対する作動油の過不足量QLAを演算する過不足量演算手段98と、過不足量QLAの作動油を吐出するために第1油圧ポンプ56に要される第1エネルギ出力増加量ΔpowP1を演算する第1油圧ポンプ出力増加量演算手段100と、第2油圧ポンプ58に要される第2エネルギ出力増加量ΔpowP2を演算する第2油圧ポンプ出力増加量演算手段102と、上記第1エネルギ出力増加量ΔpowP1と第2エネルギ出力増加量ΔpowP2とを比較して、何れか小さい方にて上記過不足量QLAの作動油を供給するための油圧ポンプ駆動制御手段104とを含むことから、エネルギ出力を可及的に抑制することができる。
【選択図】 図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用油圧ポンプの駆動制御装置に関し、特に車両の駆動源により駆動される油圧ポンプを小型化した構成において、エネルギ出力を抑制する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両において、たとえば自動変速機の油圧制御回路に油圧を供給するために、第1駆動源として機能するエンジンにより駆動される第1油圧ポンプと、電動モータにより駆動される第2油圧ポンプとを備えた車両が知られている(例えば、特許文献1を参照)。かかる車両は、例えば、エンジンにより駆動される機械式油圧ポンプと、モータジェネレータにより駆動される電動式油圧ポンプと、作動油の供給制御を行う制御手段を備えており、その制御手段は、上記エンジンが高速回転しているときには上記機械式油圧ポンプのみを駆動させ、そのエンジンが低速回転しているときには上記機械式油圧ポンプを駆動させると共に、その機械式油圧ポンプの流量不足分を補うように上記電動式油圧ポンプを駆動させる。また、エンジン停止時においては、必要に応じて上記電動式ポンプのみを駆動させる。そのような構成によれば、エンジン停止時において、バッテリの消費電力を可及的に抑えながら自動変速機へ作動油を供給することができ、また、上記エンジンにより駆動される機械式油圧ポンプの小型化が実現される。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−46166号公報
【特許文献2】
特開平7−217733号公報
【特許文献3】
特開2000−186758号公報
【特許文献4】
特開2001−324009号公報
【特許文献5】
特開2001−330145号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の車両用油圧ポンプの駆動制御装置は、前記第1(機械式)油圧ポンプによる作動油の供給量が不足する際に、単純にその不足量を補うように前記第2(電動式)油圧ポンプを駆動するものであり、それら第1油圧ポンプおよび第2油圧ポンプを駆動するために要されるエネルギ出力については特に考慮されていなかった。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、車両の駆動源により駆動される第1油圧ポンプを小型化した構成において、エネルギ出力を可及的に抑制できる車両用油圧ポンプの駆動制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、車両の第1駆動源により駆動される第1油圧ポンプと、第2駆動源により駆動される第2油圧ポンプとを備え、前記第1油圧ポンプおよび第2油圧ポンプの作動を制御するための車両用油圧ポンプの駆動制御装置であって、前記車両の駆動状態に応じて必要とされる作動油の総吐出量を演算する総吐出量演算手段と、前記第1油圧ポンプの吐出量と第2油圧ポンプの吐出量との和が前記総吐出量となり、且つその第1油圧ポンプを駆動するために前記第1駆動源に要される第1エネルギ出力とその第2油圧ポンプを駆動するために前記第2駆動源に要される第2エネルギ出力との和が最小となる割合で前記第1油圧ポンプおよび第2油圧ポンプの駆動を制御する油圧ポンプ駆動制御手段とを含むことにある。
【0007】
【発明の効果】
このようにすれば、前記車両の駆動状態に応じて必要とされる作動油の総吐出量を演算する総吐出量演算手段と、前記第1油圧ポンプの吐出量と第2油圧ポンプの吐出量との和が前記総吐出量となるように、且つその第1油圧ポンプを駆動するために前記第1駆動源に要される第1エネルギ出力とその第2油圧ポンプを駆動するために前記第2駆動源に要される第2エネルギ出力との和が最小となる割合で前記第1油圧ポンプおよび第2油圧ポンプの駆動を制御する油圧ポンプ駆動制御手段とを含むことから、前記第1油圧ポンプおよび第2油圧ポンプがその駆動エネルギ上で最適の割合となるように駆動制御されることで、エネルギ出力を可及的に抑制でき、車両の燃費をよくする車両用油圧ポンプ駆動制御装置を提供することができる。
【0008】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記総吐出量演算手段により算出された総吐出量に対する作動油の過不足量を演算する過不足量演算手段と、前記第1油圧ポンプが前記過不足量の作動油を供給するために前記第1駆動源に要される第1エネルギ出力増加量を演算する第1出力演算手段と、前記第2油圧ポンプが前記過不足量の作動油を供給するために前記第2駆動源に要される第2エネルギ出力増加量を演算する第2出力演算手段とを備え、前記油圧ポンプ駆動制御手段は、上記第1エネルギ出力増加量と第2エネルギ出力増加量とのうちの何れか小さい方にて前記過不足量の作動油を供給するように前記第1油圧ポンプおよび第2油圧ポンプの駆動を制御するものである。このようにすれば、可及的に小さなエネルギ出力増加により、前記総吐出量演算手段により算出された総吐出量に対する過不足量の作動油を供給できるという利点がある。
【0009】
また、好適には、前記第1駆動源および第2駆動源の少なくとも一方は、前記第1油圧ポンプおよび第2油圧ポンプとは異なる補機に駆動力を与えるものであり、前記油圧ポンプ駆動制御手段は、前記補機を駆動するために要するエネルギ出力を加味して前記第1エネルギ出力と第2エネルギ出力との和が最小となるように前記第1油圧ポンプおよび第2油圧ポンプの駆動を制御するものである。このようにすれば、前記第1エネルギ出力または第2エネルギ出力が、エアコン等の補機を駆動するためのエネルギ出力に付随して考えられる場合などにおいては、エネルギ出力を更に抑制できるという利点がある。
【0010】
また、好適には、前記第2油圧ポンプを正常駆動可能な状態であるか否かを判定する第2油圧ポンプ駆動可能判定手段を含み、前記油圧ポンプ駆動制御手段は、その第2油圧ポンプ駆動可能判定手段によって前記第2油圧ポンプが正常駆動可能な状態でないと判定された場合には、前記第1油圧ポンプによって前記過不足を補うように前記第1駆動源を制御するものである。このようにすれば、第2油圧ポンプを正常駆動可能な状態でない場合には、その第2油圧ポンプの吐出量が第1油圧ポンプによって補われて専らその第1油圧ポンプによって過不足が補われる。
【0011】
また、好適には、前記第1油圧ポンプの吐出量によっても前記総吐出量が充足されない作動油不足状態では、前記作動油を消費する自動変速機の変速制御を抑制する変速制御抑制手段を備えたものである。このようにすれば、作動油不足状態では、作動油を消費する自動変速機の変速制御が抑制されるすなわち作動油の消費量の少なくても作動する変速制御に切り換えられるので、異常な変速が防止される。
【0012】
また、好適には、前記総吐出量演算手段は、車両の自動変速機の入力トルクと入力軸回転速度、変速状態、車速、車速と自動変速機の入力トルク、自動変速機の作動油温度、自動変速機の変速用油圧制御回路のライン圧のいずれかに基づいて、前記総吐出量を算出するものである。このようにすれば、容易且つ正確に総吐出量が得られる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施例である駆動制御装置が適用された車両用動力伝達装置の構成を説明する図であり、図2は、図1における自動変速機の骨子図である。これら図1および図2に示すように、第1駆動源としてのエンジン10の出力は、入力クラッチ12およびトルクコンバータ14を介して自動変速機16に入力され、図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝達されるようになっている。上記入力クラッチ12とトルクコンバータ14との間には、電動モータおよび発電機として機能する第1モータジェネレータ18が配設されている。また、上記エンジン10には、例えばクラッチ付連結装置20を介して第2モータジェネレータ22が作動的に連結されている。その第2モータジェネレータ22は、上記エンジン10の始動モータ、エンジン停止時におけるエアコンなどの補機の駆動モータ、あるいは上記エンジン10により回転駆動される発電機などとして機能する補機である。
【0015】
図2に示すように、上記トルクコンバータ14は、上記エンジン10のクランク軸24に連結されたポンプ翼車26と、上記自動変速機16の入力軸28に連結されたタービン翼車30と、それらポンプ翼車26およびタービン翼車30の間を直結するためのロックアップクラッチ32と、一方向クラッチ34によって一方向の回転が阻止されているステータ翼車36とを備えている。
【0016】
前記自動変速機16は、ハイおよびローの2段の切り換えを行う第1変速機38と、後進変速段および前進4段の切り換えが可能な第2変速機40とを備えている。上記第1変速機38は、サンギヤS0、リングギヤR0、およびキャリアK0に回転可能に支持されてそれらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされている遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置42と、サンギヤS0とキャリアK0との間に設けられたクラッチC0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0およびハウジング44間に設けられたブレーキB0とを備えている。
【0017】
上記第2変速機40は、サンギヤS1、リングギヤR1、およびキャリアK1に回転可能に支持されてそれらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わされている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置46と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアK2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成る第2遊星歯車装置48と、サンギヤS3、リングギヤR3、およびキャリアK3に回転可能に支持されてそれらサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされている遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置50とを備えている。
【0018】
上記サンギヤS1とサンギヤS2とは一体的に連結されている。同様に、上記リングギヤR1とキャリアK2とキャリアK3とは一体的に連結され、そのキャリアK3は出力軸52に連結されている。また、上記リングギヤR2とサンギヤS3とは一体的に連結されている。そして、上記リングギヤR2およびサンギヤS3と中間軸54との間には、クラッチC1が設けられ、上記サンギヤS1およびサンギヤS2と中間軸54との間には、クラッチC2が設けられている。また、上記サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止めるためのバンド形式のブレーキB1が上記ハウジング44に設けられている。また、上記サンギヤS1およびサンギヤS2と上記ハウジング44との間には、一方向クラッチF1およびブレーキB2が直列に設けられている。その一方向クラッチF1は、上記サンギヤS1およびサンギヤS2が上記入力軸28と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0019】
また、前記キャリアK1とハウジング44との間には、ブレーキB3が設けられており、前記リングギヤR3とハウジング44との間には、ブレーキB4と一方向クラッチF2とが並列に設けられている。その一方向クラッチF2は、前記リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0020】
以上のように構成された自動変速機16は、車両の前後方向に位置するPポジション、Rポジション、Nポジション、Dおよび4ポジション、3ポジション、2およびLポジションへ択一的に操作されるようにその支持機構が構成されているシフトレバー78により、例えば図3に示す係合作動表に示された油圧式摩擦係合装置(クラッチ、ブレーキ)の係合作動の組み合わせに従って後進1段および変速比が順次異なる前進5段の変速段のいずれかに切り換えられる。図3において「○」は係合状態を表し、空欄は解放状態を表し、「◎」はエンジンブレーキのときの係合状態を表し、「△」は動力伝達に関与しない係合を表している。この図3に示すように、上記シフトレバー78が駆動ポジションすなわち走行位置(R、D、4、3、2、L)に操作されると、クラッチC2またはC1が係合させられて前記エンジン10の動力が図示しない駆動輪へ伝達され、車両が後進走行あるいは前進走行させられる。なお、前述のクラッチC0〜C2およびブレーキB0〜B4は何れも油圧アクチュエータによって係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
【0021】
また、図2に示すように、前記自動変速機16のハウジング44内には、前記ポンプ翼車26と共に回転させられる機械式の第1油圧ポンプ56が設けられている。その第1油圧ポンプ56は、例えばベーン型ポンプであって、前記入力クラッチ12が係合させられているときには、前記エンジン10により回転駆動されてそのエンジン10に負荷を与え、前記入力クラッチ12が解放されているときには、前記第1モータジェネレータ18により回転駆動されてその第1モータジェネレータ18に負荷を与える。かかる第1油圧ポンプ56は、前記ハウジング44の底を構成する図示しないオイルパン内に還流した作動油を圧送するものである。
【0022】
また、図1に示すように、前記自動変速機16には、電気エネルギによって作動する電動モータ60により回転させられる電動式の第2油圧ポンプ58と、前記自動変速機16の駆動を制御するための油圧制御回路62および電子制御装置64とが備えられている。かかる第2油圧ポンプ58は、一般的なバッテリまたはキャパシタなどを電源として含むものであり、上記第1油圧ポンプ56と同様に、前記ハウジング44の底を構成するオイルパン内に還流した作動油を圧送するものである。
【0023】
図4は、前記油圧制御回路62の一部を説明する図である。この図に示すように、オイルパン内のオイルタンク66に還流させられた作動油は、前記第1油圧ポンプ56と必要に応じて前記第2油圧ポンプ58とにより圧送され、それら第1油圧ポンプ56および第2油圧ポンプ58から圧送された作動油はライン圧制御用電磁弁68からの指令に従って調圧を行うプライマリレギュレータバルブ70によって自動変速機16の油圧式摩擦係合装置の係合圧の元圧であるライン圧となるように調圧される。このライン圧は、通常、スロットル開度及び車速Vに基づいて算出される自動変速機16の入力トルクに応じた値に調圧される。ここで、前記第2油圧ポンプ58は、スプリング74を備えた第1切換弁72を介して接続されており、前記第2油圧ポンプ58の駆動時においては、上記スプリング74の付勢力によりその第2油圧ポンプ58から圧送された作動油がライン圧となるように調圧される一方、前記第2油圧ポンプ58の停止時においては、上記第1切換弁72が切り換えられることにより、前記第1油圧ポンプ56により圧送された作動油の逆流が防止される。また、前記第1油圧ポンプ56と第2油圧ポンプ58との間には、流量制御のためのチェック弁76が設けられている。上記プライマリレギュレータバルブ70によって調圧された作動油は、シフトレバー78に対して機械的に連結されることによりそのシフトレバー78の操作に連動させられるマニュアルバルブ80、および電磁弁82により制御される第2切換弁84を通して前記クラッチC0〜C2、ブレーキB0〜B4などの摩擦係合装置86に供給される。また、上記プライマリレギュレータバルブ70から排出された作動油は、セカンダリレギュレータバルブ88によって調圧された後、前記トルクコンバータ14および潤滑油路90などに供給される。
【0024】
前記電子制御装置64は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、たとえば、予め記憶された変速線図から車速Vおよびスロットル開度に基づいて前記自動変速機16のギヤ段を自動的に切り換える変速制御、前記ロックアップクラッチ32の係合、解放、あるいはスリップを実行する制御、前記第1油圧ポンプ56、第2油圧ポンプ58の駆動制御、およびハイブリッド原動機切換制御などを実行するものである。
【0025】
図5は、前記電子制御装置64に入力される信号およびその電子制御装置64から出力される信号を例示している。この図5に示すように、かかる電子制御装置64には、例えば前記エンジン10の回転速度であるエンジン回転速度NE を表す信号、そのエンジン10の冷却水温度であるエンジン水温TE を表すエンジン水温信号、前記電動モータ60に備えられたバッテリの電気エネルギ残量であるバッテリSOC(充電レベル)Rbattを表すバッテリSOC信号、そのバッテリの電圧Ebattを示すバッテリ電圧信号、入力軸回転速度センサ92により検出された前記自動変速機16の入力軸回転速度NINを表す信号、出力軸回転速度センサ94により検出された前記自動変速機16の出力軸回転速度NOUT に対応する車速Vを表す信号、前記自動変速機16内を循環する作動油の温度を示すAT油温TATを表す信号、前記シフトレバー78の操作位置PSHを表すシフトポジション信号、アクセルペダルの操作量であるアクセル開度θA を表すアクセル開度信号などが供給されている。また、かかる電子制御装置64からは、前記第2油圧ポンプ58の駆動を制御する信号、燃料噴射弁から前記エンジン10の気筒内へ噴射される燃料の量を制御するための噴射信号、前記ロックアップクラッチ32を開閉制御するために前記油圧制御回路62内のロックアップコントロールソレノイドを制御する信号、スロットル開度θTHを制御するために電子スロットル弁の開度を制御するスロットル制御信号、前記自動変速機16のギヤ段を切り換えるために前記油圧制御回路62内のシフト弁を駆動するシフトソレノイドを制御する信号などが出力される。
【0026】
図6は、前記電子制御装置64の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図6において、総吐出量演算手段96は、車両の駆動状態に応じて必要とされる作動油の総吐出量QALL を、スロットル開度θTH、車速V、変速係数、AT油温TAT、ギヤ段またはギヤ比、自動変速機16の入力トルク、入力軸回転速度NIN、およびライン圧などに基づいて逐次演算する。ここで、かかる演算において自動変速機16の変速すなわち変速係数が考慮に入れられているのは、変速中およびその前後では作動油の流量が比較的多く必要とされるためであり、その変速係数は、例えば変速の種類で区別され、係合作動させられる油圧式摩擦係合装置の数および種類に応じて、非変速中の1.0に比べて変速中およびその前後ではそれぞれ1.4乃至1.5などとされる。図7は、車両の走行状態に応じて必要とされる油圧ポンプの吐出量を示すグラフである。この図7に示すように、上記総吐出量QALL は、スロットル開度θTH、車速V、変速係数、AT油温TATなどに応じて定まる一方、負荷が高くなるほど多量とされる。上記総吐出量演算手段96は、例えば、前記電子制御装置64に予め記憶された図7のマップに基づいて上記総吐出量QALL を導出する。なお、前記自動変速機16に設けられた前記摩擦係合装置86の係合に必要とされる作動油量はその態様によって異なり、油路が長いほど、あるいはクラッチパックが大きいほど多くの流量が必要とされる。
【0027】
過不足量演算手段98は、上記総吐出量演算手段96により算出された総吐出量QALL に対する作動油の過不足量QLAを逐次演算する。図8は、第1油圧ポンプのポンプ回転数とその吐出量との関係を、図9は、第2油圧ポンプのポンプ回転数とその吐出量との関係を示すグラフである。これら図8および図9に示すように、油圧ポンプから吐き出される作動油の量とポンプ回転数との関係はその態様によって異なり、その吐出量は、それぞれのポンプ回転数と比例関係にある。上記過不足量演算手段98は、例えば、予め記憶された図8および図9のマップに基づいて、前記エンジン回転速度NE および電動モータ回転速度Nに応じてその時点での前記第1油圧ポンプ56の吐出量QP1および第2油圧ポンプ58の吐出量QP2を算出し、以下に示す式1から総吐出量QALL、第1油圧ポンプ56の吐出量QP1、および第2油圧ポンプ58の吐出量QP2に基づいて作動油の過不足量QLAを導出する。なお、かかる過不足量QLAとしては負の値も考えられ、以下の説明においても同様とする。
【0028】
[式1]
LA=QALL −(QP1+QP2
【0029】
第1油圧ポンプ出力増加量演算手段100は、第1出力演算手段に対応するものであり、前記第1油圧ポンプ56が前記過不足量QLAの作動油を供給するために第1駆動源である前記エンジン10に要される第1エネルギ出力増加量ΔpowP1を逐次演算する。かかる第1エネルギ出力増加量ΔpowP1は、例えば、前記第1油圧ポンプ56の駆動源を所定の電動モータに置き換えて考えた際に、ライン圧をPL 、第1油圧ポンプ56における機械効率と容積効率の積である全効率をηP1、所定の電動モータのインバータ効率をηi1、電線を含む電気効率をηe1、バッテリ効率をηbatt1 、発電効率をηol1 として、以下に示す式2によって算出される。なお、前記過不足量QLAが負の値をとる場合には、かかるエネルギ出力増加量もそれに従って負の値となり、以下の説明においても同様とする。
【0030】
[式2]
ΔpowP1=PL ×QLA/(ηP1×ηi1×ηe1×ηbatt1 ×ηol1 
【0031】
第2油圧ポンプ出力増加量演算手段102は、第2出力演算手段に対応するものであり、前記第2油圧ポンプ58が前記過不足量QLAの作動油を供給するために第2駆動源である前記電動モータ60に要される第2エネルギ出力増加量ΔpowP2を逐次演算する。かかる第2エネルギ出力増加量ΔpowP2は、例えば、ライン圧をPL 、第2油圧ポンプ58における機械効率と容積効率の積である全効率をηP2、前記電動モータ60のインバータ効率をηi2、電線を含む電気効率をηe2、バッテリ効率をηbatt2 、発電効率をηol2 として、以下に示す式3によって算出される。なお、ここでは回生効率を演算の要素とはしていないが、考慮されてもよい。
【0032】
[式3]
ΔpowP2=PL ×QLA/(ηP2×ηi2×ηe2×ηbatt2 ×ηol2 
【0033】
油圧ポンプ駆動制御手段104は、前記第1エネルギ出力増加量ΔpowP1と第2エネルギ出力増加量ΔpowP2とを比較し、それらのうちの何れか小さい方にて前記過不足量QLAの作動油を供給するように前記第1油圧ポンプ56および第2油圧ポンプ58の駆動を逐次制御する。すなわち、前記第1エネルギ出力増加量ΔpowP1の方が小さい場合には、前記第1油圧ポンプ56の吐出量をQP1+QLAとするために前記エンジン回転速度NE およびロックアップクラッチ32のスリップ量を加減する一方、前記第2エネルギ出力増加量ΔpowP2の方が小さい場合には、前記第2油圧ポンプ58の吐出量をQP2+QLAとするために前記電動モータ回転速度NM を加減する。これにより、油圧ポンプ駆動制御手段104は、結果的に、第1油圧ポンプ56の吐出量QP1と第2油圧ポンプ58の吐出量QP2との和が前記総吐出量QALL となり、且つその第1油圧ポンプ56を駆動するためにエンジン(第1駆動源)10に要される第1エネルギ出力とその第2油圧ポンプ58を駆動するために電動モータ(第2駆動源)60に要される第2エネルギ出力との和が最小となる割合で第1油圧ポンプ56および第2油圧ポンプ58の駆動割合を制御する。
【0034】
ここで、上記油圧ポンプ駆動制御手段104は、好適には、前記第1油圧ポンプ56が補機である前記第2モータジェネレータ22や図示しないエアコンのコンプレッサなどを駆動するために要する補機エネルギ出力powASを加味して、前記過不足量QLAの作動油を供給するためのエネルギ出力増加量が最小となるように前記第1油圧ポンプ56および第2油圧ポンプ58の駆動を制御するものである。すなわち、第1駆動源として機能する前記エンジン10は、補機である前記第2モータジェネレータ22などにも負荷を与えるものであるが、前記第1エネルギ出力増加量ΔpowP1が、上記補機エネルギ出力powASに付随して考えられる場合すなわちその補機エネルギ出力powASの一部を流用できる場合などにおいては、単純に数値計算的には前記第2エネルギ出力増加量ΔpowP2の方が小さくても、かかる第1エネルギ出力増加量ΔpowP1により前記過不足量QLAを供給することで、エネルギ出力を更に抑制できる場合があるのである。
【0035】
第2油圧ポンプ駆動可能判定手段106は、第2油圧ポンプ58が正常駆動可能な状態であるか否か、たとえば、作動油が低温で高粘性であるために吐出量が規定の能力ほど得られない状態、蓄電池などの電源装置からの電力が得られず電動モータ60を駆動できない状態、その電動モータ60や第2油圧ポンプ58の故障状態などであるか否かを判定する。前記油圧ポンプ駆動制御手段104は、その第2油圧ポンプ駆動可能判定手段106によって第2油圧ポンプ58が正常駆動可能な状態でないと判定された場合には、第1油圧ポンプ56によって前記過不足を補うようにすなわち総吐出量QALLが得られるように前記エンジン10を制御する。
【0036】
作動油不足判定手段108は、前記総吐出量QALLが充足されない作動油不足状態、たとえば上記第2油圧ポンプ58を正常作動させることができず第1油圧ポンプ56の吐出量によっては、総吐出量QALLが得られない作動油不足状態であるか否かを判定する。変速制御抑制手段110は、その作動油不足判定手段108により総吐出量QALLが充足されない作動油不足状態であると判定された場合には、作動油を消費する自動変速機16の変速を一時的に遅らせたり或いはロックアップクラッチ32の切換を遅らせたりして変速制御を抑制する。たとえば、自動変速機16の連続的な変速を避け、所定の時間間隔を設けて変速させる。自動変速機16が無段変速機である場合には変速速度を低下させる。
【0037】
図10は、電子制御装置64の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、十数ミリ秒乃至数十ミリ秒程度の所定のサイクルタイムで繰り返し実行されるものである。この図10において、ステップS1では、車両の走行状態に応じて定まる入力軸回転速度NIN、T/M入力トルク、車速V、スロットル開度θTH、AT油温TAT、変速係数、およびギヤ段またはギヤ比などが読み込まれ(入力され)る。次いで、前記総吐出量演算手段96に対応するステップS2では、上記S1において入力されたパラメータに基づいて、車両の駆動状態に応じて自動変速機16の油圧制御回路62において必要とされる作動油の総吐出量QALL が算出され、次いで、前記過不足量演算手段98に対応するステップS3では、前記数式1から上記S2において算出された総吐出量QALL に対する実際の供給作動油の過不足量QLAが算出される。
【0038】
次いで、前記第2油圧ポンプ駆動可否判定手段106に対応するステップS4では、前記第2油圧ポンプ58による作動油の供給が正常に可能な状態であるか否かが判断される。すなわち、その第2油圧ポンプ58の駆動が可能か否か、あるいは規定量の作動油を吐出できるか否かなどが判断される。例えば、低温にて作動油(ATF)の粘度が高い場合や、バッテリSOC(充電レベル)Rbattが不十分であり前記電動モータ60を駆動できない場合、あるいは電気系統のフェール時などにおいては前記第2油圧ポンプ58による作動油の供給が不可能となる。このS4の判断が否定される場合には、ステップS10において、前記総吐出量QALLが充足されない作動油不足状態、たとえば上記第2油圧ポンプ58を正常作動有為させることができず第1油圧ポンプ56の吐出量によっては、総吐出量QALLが得られない作動油不足状態であるか否かが判定され、総吐出量QALLが充足されない作動油不足状態であると判定された場合には、前記第1油圧ポンプ56の吐出量をQP1+QLAとするために前記エンジン回転速度NE およびロックアップクラッチ32のスリップ量が加減される。次いで、前記作動油不足判定手段108及び変速抑制手段110に対応するステップS11では、自動変速機による変速切換、ロックアップクラッチの切換などが一時的に遅らせられるなどの規制が行われる。具体的には、前記自動変速機16のように有段変速の型式では、変速出力までに所定の時間が空けられることで連続変速が避けられる。
【0039】
前記S4の判断が肯定される場合には、前記第1油圧ポンプ出力増加量演算手段100に対応するステップS5において、前記第1油圧ポンプ56が前記過不足量QLAの作動油を供給するために前記エンジン10に要される第1エネルギ出力増加量ΔpowP1が演算され、次いで、前記第2油圧ポンプ出力増加量演算手段102に対応するステップS6において、前記第2油圧ポンプ58が前記過不足量QLAの作動油を供給するために前記電動モータ60に要される第2エネルギ出力増加量ΔpowP2が演算される。
【0040】
前記S6に次いで、ステップS7では、前記S5で算出された第1エネルギ出力増加量ΔpowP1が、前記S6で算出された第2エネルギ出力増加量ΔpowP2よりも小さいか否かが判断される。このS7の判断が肯定される場合には、ステップS8において、前記第1油圧ポンプ56の吐出量をQP1+QLAとするために前記エンジン回転速度NE およびロックアップクラッチ32のスリップ量が加減されるが、判断が否定される場合には、ステップS9において、前記第2油圧ポンプ58の吐出量をQP2+QLAとするために前記電動モータ回転速度NM が加減される。すなわち、ステップS7、S8、およびS9が前記油圧ポンプ駆動制御手段104に対応する。
【0041】
上述のように、本実施例によれば、車両の駆動状態に応じて必要とされる作動油の総吐出量QALL を演算する総吐出量演算手段96(S2)と、前記第1油圧ポンプ56の吐出量と第2油圧ポンプ58の吐出量との和が前記総吐出量QALL となるように、且つ前記第1出力演算手段すなわち第1油圧ポンプ出力増加量演算手段100(S5)により算出された第1エネルギ出力および第2出力演算手段すなわち第2油圧ポンプ出力増加量演算手段102(S6)により算出された第2エネルギ出力の和が最小となるように前記第1油圧ポンプ56および第2油圧ポンプ58の駆動を制御する油圧ポンプ駆動制御手段104(S7、S8、S9)とを含むことから、前記第1油圧ポンプ56の吐出量と第2油圧ポンプ58の吐出量とが前記総吐出量QALL を充足し且つ第1油圧ポンプ56および第2油圧ポンプ58の駆動エネルギが最小となる割合となるように前記第1油圧ポンプ56および第2油圧ポンプ58のそれぞれの駆動が制御されることで、エネルギ出力を可及的に抑制できる車両用駆動制御装置を提供することができる。
【0042】
また、本実施例によれば、前記総吐出量演算手段96により算出された総吐出量QALL に対する作動油の過不足量QLAを演算する過不足量演算手段98(S3)と、前記第1油圧ポンプ56が所定量の作動油を吐出するために第1駆動源である前記エンジン10に要される第1エネルギ出力たとえば第1油圧ポンプ56が前記過不足量QLAの作動油を供給するために前記エンジン10に要される第1エネルギ出力増加量ΔpowP1を演算する第1出力演算手段すなわち第1油圧ポンプ出力増加量演算手段100(S5)と、前記第2油圧ポンプ58が所定量の作動油を吐出するために第2駆動源である前記電動モータ60に要される第2エネルギ出力たとえば第2油圧ポンプ58が前記過不足量QLAの作動油を供給するために前記電動モータ60に要される第2エネルギ出力増加量ΔpowP2をを演算する第2出力演算手段すなわち第2油圧ポンプ出力増加量演算手段102(S6)とを含み、前記油圧ポンプ駆動制御手段104は、前記第1エネルギ出力増加量ΔpowP1と第2エネルギ出力増加量ΔpowP2とを比較して、何れか小さい方にて前記過不足量QLAの作動油を供給するように前記第1油圧ポンプ56および第2油圧ポンプ58の駆動を制御するものであるため、可及的に小さなエネルギ出力増加により、前記総吐出量演算手段96により算出された総吐出量QALL に対する過不足量QLAの作動油を供給できるという利点がある。
【0043】
また、本実施例によれば、前記エンジン10は、前記第1油圧ポンプ56とは異なる補機である前記第2モータジェネレータ22にも駆動力を与えるものであり、前記油圧ポンプ駆動制御手段104は、前記第2モータジェネレータ22を駆動するために要する補機エネルギ出力powASを加味して前記第1エネルギ出力と第2エネルギ出力との和が最小となるように前記第1油圧ポンプ56および第2油圧ポンプ58の駆動を制御するものであるため、前記第1エネルギ出力増加量ΔpowP1が、前記第2モータジェネレータ22を駆動するための補機エネルギ出力powASに付随して考えられる場合などにおいては、エネルギ出力を更に抑制できるという利点がある。
【0044】
また、本実施例によれば、第2油圧ポンプ58を正常駆動可能な状態であるか否かを判定する第2油圧ポンプ駆動可能判定手段106(S4)を含み、前記油圧ポンプ駆動制御手段104は、その第2油圧ポンプ駆動可能判定手段106によって第2油圧ポンプ58が正常駆動可能な状態でないと判定された場合には、第1油圧ポンプ56によって前記過不足を補うようにその第1油圧ポンプ56を駆動するエンジン10を制御するものであることから、第2油圧ポンプ58を正常駆動可能な状態でない場合には、その第2油圧ポンプ58の吐出量が第1油圧ポンプ56によって補われて専らその第1油圧ポンプ56によって過不足が補われる。
【0045】
また、本実施例によれば、第1油圧ポンプ56の吐出量によっても総吐出量QALLが充足されない作動油不足状態では、作動油を消費する自動変速機16の変速制御を抑制する変速制御抑制手段110(S11)を備えたものであることから、作動油不足状態では、作動油を消費する自動変速機16の変速制御が抑制されるすなわち作動油の消費量の少なくても作動する変速制御に切り換えられるので、異常な変速が防止される。
【0046】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0047】
例えば、前述の実施例では、複数組の遊星歯車から成る有段式の自動変速機16について説明したが、有効径が可変な一対の可変プーリに巻き掛けられた伝動ベルトを介して動力が伝達されて連続的に変速比が変化させられるベルト式無段変速機やトロイダル型無段変速機などであってもよい。この場合、前記第1油圧ポンプ56および第2油圧ポンプ58により、かかる無段変速機の伝動ベルトを挟圧する油圧アクチュエータ内の油圧が供給される。
【0048】
また、前述の実施例では、前記第1油圧ポンプ56は機械式油圧ポンプであり、前記第2油圧ポンプ58は電動式油圧ポンプであったが、それらが何れも機械式油圧ポンプあるいは電動式油圧ポンプであっても構わない。
【0049】
また、前述の実施例では、前記第1油圧ポンプ56は、第1駆動源として前記エンジン10および第1モータジェネレータ18を備えており、それらが択一的に前記第1油圧ポンプ56を駆動するものであったが、第1駆動源としてそれらの何れか一方のみを備えたものであっても構わない。また、第2駆動源として電動モータ60が用いられていたが、モータジェネレータやエンジンなどであってもよい。
【0050】
また、前述の実施例では、前記第1油圧ポンプ56は、前記クランク軸24に固設されており、常時そのクランク軸24と共に回転させられるものであったが、例えばクラッチを介してそのクランク軸24に連結されるものであってもよく、そのような構成において、負荷・無負荷の切換およびスリップ量の加減が可能とされた油圧ポンプであっても構わない。
【0051】
また、前述の実施例では、前記第2油圧ポンプ58は、前記電動モータ62の電源としてバッテリを備えたものであったが、例えば所定の電池活性物質を連続的に外部から供給しつつ放電生成物を随時系外へ除去し、燃焼反応を電気化学的に行わせて直接電気エネルギに変換する燃料電池を備えたものであってもよく、また、バッテリまたはキャパシタである2次電池と燃料電池とを共に備え、それらを選択的に用いて前記電動モータ60に電気エネルギを供給するものであってもよい。更には、前記第1モータジェネレータ18または第2モータジェネレータ22を電源とするものであっても構わない。
【0052】
また、前述の実施例では特に言及していないが、前記第2油圧ポンプ58は、車両が停止してから所定時間が経過するまでの間は駆動を継続するものであっても構わない。そのようにすれば、車両の停止要求が発生してから所定時間が経過するまでの間に、すぐに車両が発進する際にも十分な油圧が保証されるという利点がある。
【0053】
また、前述の実施例では特に言及していないが、前記第1油圧ポンプ56および第2油圧ポンプ58としては、外接歯車ポンプ、内接歯車ポンプ、インボリュートポンプ、トロコイドポンプなど、様々な型式の容積型油圧ポンプが適宜選択されて用いられる。
【0054】
また、前述の実施例において、第1出力演算手段は、前記エンジン10により前記第1油圧ポンプ56を駆動する際のエネルギ出力を演算するものであったが、これに加えて前記第1モータジェネレータ18により前記第1油圧ポンプ56を駆動する際のエネルギ出力を演算するものであっても構わない。
【0055】
また、前述の実施例においては、前記第1油圧ポンプ出力増加量演算手段100によって算出された第1エネルギ出力増加量ΔpowP1と第2油圧ポンプ出力増加量演算手段102によって算出された第2エネルギ出力増加量Δpow とを前記油圧ポンプ駆動制御手段104によって比較し、何れか小さい方にて前記過不足量QLAの作動油を供給するように第1油圧ポンプ56および第2油圧ポンプ58の駆動を制御するものであったが、例えば前記第1油圧ポンプ56の吐出量QP1とそのために前記エンジン10に要される第1エネルギ出力powP1との関係、および前記第2油圧ポンプ58の吐出量QP2とそのために前記電動モータ60に要される第2エネルギ出力powP2との関係に基づいて、前記第1油圧ポンプ56の吐出量QP1と第2油圧ポンプ58の吐出量QP2との和が前記総吐出量QALL となるように、且つ上記第1エネルギ出力powP1と第2エネルギ出力powP2との和すなわち総エネルギ出力powALLが最小となるように前記第1油圧ポンプ56および第2油圧ポンプ58の駆動を制御するものであっても構わない。
【0056】
また、前述の実施例では、図10に示すフローチャートに従い、前記第1油圧ポンプ出力増加量演算手段100および第2油圧ポンプ出力増加量演算手段102によって算出されたエネルギ出力増加量ΔpowP1およびΔpowP2を、前記油圧ポンプ駆動制御手段104によってリアルタイムで比較するものであったが、その結果をマップ化したものが予め前記電子制御装置64に記憶されたものであってもよい。また、そのマップは複数枚に分けられたものであっても構わない。
【0057】
また、図10に示すルーチンは、車両の走行中に必ずしも継続して実行されなくともよく、予め設定された必要なタイミングで適宜実行されるものであっても構わない。
【0058】
また、前述の実施例において、エンジン10によって回転駆動される第1油圧ポンプ56は、その駆動回転速度が変化させられることによりその吐出量が制御されていたが、その出力ポートと入力ポートとの間に設けられたリリーフ弁の開度が調節されることによってその吐出量が制御されても良い。この場合には、エンジン回転速度を変化させなくても第1油圧ポンプ56の吐出量が制御される。
【0059】
その他一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である駆動制御装置が適用された車両用動力伝達装置の構成を説明する図である。
【図2】図1における自動変速機の骨子図である。
【図3】図1の自動変速機においてその摩擦係合装置の作動の組み合わせとそれにより得られるギヤ段との関係を示す係合表である。
【図4】図1の自動変速機を制御するための油圧制御回路の一部を説明する図である。
【図5】図1の自動変速機を制御するための電子制御装置の入力信号および出力信号を説明する図である。
【図6】図5の電子制御装置による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図7】車両の走行状態に応じて必要とされる油圧ポンプの吐出量を示すグラフである。
【図8】図1における第1油圧ポンプのポンプ回転数とその吐出量との関係を示すグラフである。
【図9】図1における第2油圧ポンプのポンプ回転数とその吐出量との関係を示すグラフである。
【図10】図5に示す電子制御装置の制御作動の要部すなわち油圧ポンプ駆動制御作動を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10:エンジン(第1駆動源)
18:第1モータジェネレータ(第1駆動源)
22:第2モータジェネレータ(補機)
56:第1油圧ポンプ
58:第2油圧ポンプ
60:電動モータ(第2駆動源)
96:総吐出量演算手段
98:過不足量演算手段
100:第1油圧ポンプ出力増加量演算手段(第1出力演算手段)
102:第2油圧ポンプ出力増加量演算手段(第2出力演算手段)
104:油圧ポンプ駆動制御手段
110:変速抑制手段
powAS:補機エネルギ出力
ALL :総吐出量
LA:過不足量
ΔpowP1:第1エネルギ出力増加量
ΔpowP2:第2エネルギ出力増加量

Claims (5)

  1. 車両の第1駆動源により駆動される第1油圧ポンプと、第2駆動源により駆動される第2油圧ポンプとを備え、前記第1油圧ポンプおよび第2油圧ポンプの作動を制御するための車両用油圧ポンプの駆動制御装置であって、
    前記車両の駆動状態に応じて必要とされる作動油の総吐出量を演算する総吐出量演算手段と、
    前記第1油圧ポンプの吐出量と第2油圧ポンプの吐出量との和が前記総吐出量となり、且つ該第1油圧ポンプを駆動するために前記第1駆動源に要される第1エネルギ出力と該第2油圧ポンプを駆動するために前記第2駆動源に要される第2エネルギ出力との和が最小となる割合で前記第1油圧ポンプおよび第2油圧ポンプの駆動を制御する油圧ポンプ駆動制御手段と
    を、含むことを特徴とする車両用油圧ポンプの駆動制御装置。
  2. 前記総吐出量演算手段により逐次算出される総吐出量と実際に前記第1油圧ポンプおよび第2油圧ポンプから吐出される吐出量との差である作動油の過不足量を演算する過不足量演算手段と、
    前記第1油圧ポンプが前記過不足量の作動油を供給するために前記第1駆動源に要される第1エネルギ出力増加量を演算する第1出力演算手段と、
    前記第2油圧ポンプが前記過不足量の作動油を供給するために前記第2駆動源に要される第2エネルギ出力増加量を演算する第2出力演算手段とを含み、
    前記油圧ポンプ駆動制御手段は、前記第1エネルギ出力増加量と第2エネルギ出力増加量とのうちの何れか小さい方にて前記過不足量の作動油を供給するように前記第1油圧ポンプおよび第2油圧ポンプの駆動を制御するものである請求項1の車両用油圧ポンプの駆動制御装置。
  3. 前記第1駆動源および第2駆動源の少なくとも一方は、前記第1油圧ポンプおよび第2油圧ポンプとは異なる補機に駆動力を与えるものであり、前記油圧ポンプ駆動制御手段は、前記補機を駆動するために要するエネルギ出力を加味して前記第1エネルギ出力と第2エネルギ出力との和が最小となるように前記第1油圧ポンプおよび第2油圧ポンプの駆動を制御するものである請求項1または2の車両用油圧ポンプの駆動制御装置。
  4. 前記第2油圧ポンプが正常駆動可能な状態であるか否かを判定する第2油圧ポンプ駆動可能判定手段を含み、
    前記油圧ポンプ駆動制御手段は、該第2油圧ポンプ駆動可能判定手段によって前記第2油圧ポンプが正常駆動可能な状態でないと判定された場合には、前記第1油圧ポンプによって前記過不足を補うように前記第1駆動源を制御するものである請求項2または3の車両用油圧ポンプの駆動制御装置。
  5. 前記第1油圧ポンプの吐出量によっても前記総吐出量が充足されない作動油不足状態では、前記作動油を消費する自動変速機の変速制御を抑制する変速制御抑制手段を備えたものである請求項4の車両用油圧ポンプの駆動制御装置。
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