JP2004108301A - 最高車速制限装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】入力側の操作量を出力側に伝えるときの操作性が高く、搭載位置の自由度が高い最高車速制限装置を提供する。
【解決手段】操作量制限機構2は設定ボリューム41により設定された最高車速を車速が超えないようにキャブレター21のスロットル開度を規制して車速を制限する。操作量制限機構2はアクセルペダル3に接続された上側プーリ8と、キャブレター21に接続された下側プーリ9とを備える。下側プーリ9にはカム33が機械的に連結され、カム33には上側ストッパ部34が形成されている。一方、ステッピングモータ20の出力軸20aには機械的にカム35が連結され、カム35には下側ストッパ部36が形成されている。そして、ステッピングモータ20が所定回転して下側ストッパ部36が上側ストッパ部34に当接することで、キャブレター21のスロットル開度の開きが規制されて車速が制限される。
【選択図】 図1
【解決手段】操作量制限機構2は設定ボリューム41により設定された最高車速を車速が超えないようにキャブレター21のスロットル開度を規制して車速を制限する。操作量制限機構2はアクセルペダル3に接続された上側プーリ8と、キャブレター21に接続された下側プーリ9とを備える。下側プーリ9にはカム33が機械的に連結され、カム33には上側ストッパ部34が形成されている。一方、ステッピングモータ20の出力軸20aには機械的にカム35が連結され、カム35には下側ストッパ部36が形成されている。そして、ステッピングモータ20が所定回転して下側ストッパ部36が上側ストッパ部34に当接することで、キャブレター21のスロットル開度の開きが規制されて車速が制限される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の最高車速を制限する最高車速制限装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、フォークリフト等の産業車両には車両の最高車速を制限する最高車速制限装置が搭載されている。最高車速制限装置はアクセルペダルが深く踏み込まれても、予め設定された最高車速を超えないようにエンジンの最高回転数を制限する装置である。このように、最高車速制限装置を車両に搭載すると、運転者は最高車速が制限されている工場構内等での運転時にアクセル操作に神経を使うことなく車両運転及び荷役作業を行える。
【0003】
この種の最高車速制限装置が特許文献1等に開示されている。図8は、特許文献1に開示された車両(フォークリフト)の模式構成図である。車両の床面51にはアクセルペダル52が取り付けられている。また、床面51には支軸53を中心に回動可能な略L字状の操作部材54が支持され、操作部材54の一端がローラ55を介してアクセルペダル52の裏面に接触している。操作部材54はアクセルペダル52が踏み込まれると支軸53を基点に回動して二点鎖線で示すように他端が前方に移動する。
【0004】
操作部材54の他端にはワイヤロープ56を介して操作量制限機構57が接続されている。操作量制限機構57は回動中心58を支点として車両の前後方向に回動可能な板状の基部59を備え、ワイヤロープ56は基部59の反回動中心側に取着されている。基部59には回転型のステッピングモータ60が取り付けられ、ステッピングモータ60の出力軸60aには径方向に延びる腕部61が固定されている。腕部61の先端にはワイヤロープ62を介してキャブレター63が接続されている。
【0005】
車両はECU64、車速センサ65及び車速設定ボリューム66を備えている。車速設定ボリューム66は運転席等に設置され、車両の最高車速Vmax を複数段階で設定可能となっている。ECU64は車速センサ65の検出値に基づき車両の車速を演算し、車速Vが車速設定ボリューム66により決まる最高車速Vmax を超えるとき、ステッピングモータ60を図9(a)から図9(b)に示す状態に所定ステップだけ減速方向に駆動する。これにより、キャブレター63のスロットル開度が制限され、アクセルペダルが深く踏み込まれても予め設定された最高車速を超えない。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−331206号公報(第4−5頁、図4)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車速制限機能に対応していない機台に車速制限装置を搭載する場合がある。しかし、操作量制限機構57は回動中心58を支点として板状の基部59が回動する構成であるので、機構自体の駆動範囲が大きい。このため、操作量制限機構57を搭載する場合に搭載位置が制限され、限られた位置への配置を余儀なくされる問題があった。さらに、基部59にステッピングモータ60が配置されているので、キャブレター63のスロットル開度制限時にはステッピングモータ60本体が回動する構成となり、装置としての信頼性にも問題があった。
【0008】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は入力側の操作量を出力側に伝えるときの操作性が高く、搭載位置の自由度が高い最高車速制限装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため請求項1に記載の発明では、最高車速制限装置は、前記スロットル操作手段に対し第1連結部材を介して連結され、該第1連結部材が巻き掛けられて形成された巻掛部を有する第1回動部と、前記燃料供給手段に第2連結部材を介して連結され、弾性体を介して前記第1回動部の回動力により回動する第2回動部と、前記第2回動部に設けられ該第2回動部の回動に応じて位置が変わる第1ストッパ部と、前記第1ストッパ部に対し独立して動き、前記第1ストッパ部の移動を規制可能な第2ストッパ部と、前記第2ストッパ部を駆動して前記車速が前記最高車速を超えない位置に該第2ストッパ部を配置させる駆動手段とを備えた。
【0010】
この発明によれば、第1回動部及び第2回動部の回動軸がモータの出力軸と同軸上に位置し、しかもスロットル操作手段から延びる第1連結部材が第1回動部に巻き掛けられることで巻掛部が形成される。従って、最高車速制限装置はアクセル操作時に第1連結部材及び第2連結部材が直線方向にのみ引っ張られる構成に比べて小型となる。また、最高車速制限装置は駆動する際に非駆動時の状態より広い駆動範囲を必要とする動きをとらないので、配置スペースが小さく済む。以上により、最高車速制限装置の搭載位置の自由度が高くなる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記第1回動部及び第2回動部はプーリである。この発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、第1連結部材がプーリの円周に沿って巻き掛けられるので、最高車速制限装置の初期状態においてスロットル操作手段と最高車速制限装置との間の第1連結部材の長さが短く済み、搭載位置の自由度がさらに高まる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記第1ストッパ部は前記第2回動部と別体に設けられている。この発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、第1ストッパ部は第2回動部と別体に設けられるので、第1回動部と第2回動部とが同一のものを使用可能になり、部品種類の増加が防げる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記駆動手段はモータである。この発明によれば、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、駆動源としてモータを用いるので、装置自体の構成が簡単なもので済む。
【0014】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記第1回動部、第2回動部、第1ストッパ部、第2ストッパ部、モータはハウジングに収容されてユニット化されている。この発明によれば、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、上記した部材をハウジングに収容することによってユニット化されているので、最高車速制限装置を車体に組み付ける際にはハウジングを組み付けるだけで済み、組付作業が簡単で済む。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をフォークリフトに搭載される最高車速制限装置に具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0016】
図1に示すように、フォークリフトの床面1にはアクセルペダル3が取り付けられている。また、床面1には支軸4を中心に回動可能な略L字状の操作部材5が支持され、操作部材5の一端がローラ6を介してアクセルペダル3の裏面に接触している。操作部材5はアクセルペダル3が踏み込まれると支軸4を基点に回動して同図の二点鎖線で示すように他端が前方に移動する。なお、アクセルペダル3がスロットル操作手段に相当する。
【0017】
図1及び図2に示すように、操作部材5の他端にはワイヤロープ7を介して操作量制限機構2が接続されている。操作量制限機構2は上下方向に沿って同軸上に配置された2つの略円板形状の上側プーリ8及び下側プーリ9を備えている。上側プーリ8は2枚の円板部10,11(図2参照)を有し、これら円板部10,11はこれらよりも外径の小さい連結部12を間に挟んだ状態で対向配置されている。下側プーリ9も上側プーリ8とほぼ同一形状をなし、2枚の円板部13,14と連結部15とを有している。なお、操作量制限機構2が最高車速制限装置を構成し、ワイヤロープ7が第1連結部材、上側プーリ8が第1回動部、下側プーリ9が第2回動部に相当する。
【0018】
上側プーリ8の径方向端部には2枚の円板部10,11に亘って係止された略円柱状の係止部16が配設されている。操作部材5から延びるワイヤロープ7は係止部16に取り付けられている。上側プーリ8の中心部には孔部17が貫通形成され、この孔部17には上側プーリ8が相対回動可能な状態でシャフト18が挿通されている。アクセルペダル3が踏み込まれると、上側プーリ8はワイヤロープ7に引っ張られてシャフト18を中心にして反時計方向(図3参照)に回転する。
【0019】
上側プーリ8にはワイヤロープ7の端部が上側プーリ8に巻き掛けられることによって巻掛部8a(図3参照)が設けられている。巻掛部8aはアクセルペダル3が踏み込まれていない状態では最大巻き掛けられた状態であり、そこからアクセルペダル3が踏み込まれると巻き掛け量が減少していく構成となっている。本例では、巻掛部8aはアクセルペダル3の非操作時において上側プーリ8に半周程度巻かれている。
【0020】
また、下側プーリ9はシャフト18に巻き掛けられたリターンスプリング19によって上側プーリ8と接続されている。このため、下側プーリ9は上側プーリ8が回転すると、その回転力がリターンスプリング19によって伝達されて上側プーリ8と同一方向に回転する。また、シャフト18はその下端部で下側プーリ9に連結固定され、下側プーリ9とともに同期して回転する。
【0021】
リターンスプリング19は上側プーリ8と下側プーリ9との同期をとるとともに、運転者によってアクセルペダル3が急激に操作されてステッピングモータ20に過大なトルクがかかっても脱調しないように作用する。リターンスプリング19のバネ定数は、キャブレター21内のスロットル付属のリターンスプリングやワイヤロープ7,22の摺動抵抗、及びそれらのばらつき、経時変化等を考慮して設定される。なお、リターンスプリング19が弾性体、ステッピングモータ20が駆動手段(モータ)、キャブレター21が燃料供給手段、ワイヤロープ22が第2連結部材に相当する。
【0022】
下側プーリ9の径方向端部には2枚の円板部13、14に亘って係止された略円柱状の係止部23が配設されている。係止部23にはキャブレター21に向かって延びるワイヤロープ22の一端が接続されている。ワイヤロープ22はアクセルペダル3が踏み込まれて上側プーリ8及び下側プーリ9が回転すると下側プーリ9に巻き取られる。ワイヤロープ22が下側プーリ9に巻き取られると、下側プーリ9にはワイヤロープ22が巻き掛かって巻掛部(図示省略)が形成される。シャフト18の両端には上側プーリ8及び下側プーリ9を挟み込むように軸受け24,25が2つ配設されている。シャフト18の上端部には抜け止め用の係止ピン26が取り付けられている。
【0023】
図1に示すように、車体後部側には支持部材27が配設され、ワイヤロープ22は支持部材27に支持されたワイヤーシース28に通されている。ワイヤロープ22には支持部材27の後側にコイルバネ29が装着されている。コイルバネ29はその後端がワイヤロープ22に固着され、前端が支持部材27に当接され、巻き取られたワイヤロープ22を元の位置に復帰するように付勢力を付与する。アクセルペダル3の踏み込みにより回転した上側プーリ8及び下側プーリ9は、ペダル操作が開放されたときコイルバネ29の作用によって元の位置に復帰する。
【0024】
キャブレター21は車体後方に搭載されたエンジン(図示省略)に配設されている。キャブレター21はエンジン回転数を調整するスロットル30を備え、スロットル30の端部には扇形状の操作板31のかなめ部が固着されている。操作板31の外周面には溝部32が形成されている。ワイヤロープ22の他端は溝部32に巻回され、その後端が溝部32の端部に連結されている。そして、キャブレター21はアクセルペダル3の踏み込みによりワイヤロープ22が巻き取られることによってスロットル30が開き側に駆動する。
【0025】
シャフト18の下端には略円板形状のカム33が固定されている。カム33は平面方向において上側プーリ8及び下側プーリ9と平面方向において同一面積となっている。カム33は中心部が上側プーリ8及び下側プーリ9の回転軸上に位置し、アクセルペダル3のペダル操作に伴って上側プーリ8及び下側プーリ9が回転したときにこれらとともに回転する。また、カム33の下面にはストッパ部(以下、上側ストッパ部と記す)34が一体形成されている。上側ストッパ部34は径方向に亘って延びる略三角形状(略扇形状)であり、カム33の回転に伴い位置が変化する。
【0026】
一方、カム33の下方位置にはこれと相対向するようにカム35が配設されている。カム35はその中心部がステッピングモータ20の出力軸20aに固定され、ステッピングモータ20を駆動源として時計方向及び反時計方向の両方に回転する。カム35の上面にはストッパ部(以下、下側ストッパ部と記す)36が一体形成されている。下側ストッパ部36は上側ストッパ部34とほぼ同一形状をなし、ステッピングモータ20によるカム35の回転に伴い位置が変化する。出力軸20a、上側プーリ8、下側プーリ9、カム33,35の各軸心は同軸上に配置されている。なお、上側ストッパ部34が第1ストッパ部、下側ストッパ部36が第2ストッパ部に相当する。
【0027】
また、下側ストッパ部36は上側ストッパ部34の移動経路上に配置されている。そして、アクセルペダル3が踏み込まれて上側プーリ8及び下側プーリ9が所定量回転すると、車速Vが最高車速Vmax を超えないように上側ストッパ部34が下側ストッパ部36に当接するようになっている。また、下側ストッパ部36はアクセルペダル3が非操作の状態では初期位置(初期状態)に位置し、この初期位置ではスロットル開度が全開に操作可能となっている。本例では、この初期位置でのステッピングモータ20の回転角度を「0」度とし、モータ回転角度θの基準とする。
【0028】
床面1の下面にはハウジング38が固着され、ハウジング38には装置本体2aが収容されている。装置本体2aは少なくとも上側プーリ8、下側プーリ9、カム33,35、上側ストッパ部34、下側ストッパ部36,ステッピングモータ20等からなり、カム33,35に対し上側プーリ8及び下側プーリ9が上側に位置した状態でハウジング38に収容されている。
【0029】
ハウジング38の内面には内側方向に延出する3つの支持部39a〜39cが上下方向に並んで形成されている。操作量制限機構2は軸受け24が支持部39aに、軸受け25が支持部39b、ステッピングモータ20が支持部39cに支持されている。また、ハウジング38の側部にはワイヤロープ7,22を通すための孔部40a,40bが各々形成されている。
【0030】
運転席(図示省略)には車両の最高車速Vmax を設定するための設定ボリューム41が配設されている。設定ボリューム41は最高車速Vmax を例えば9〜23km/mの範囲で任意の値に設定可能となっている。また、車軸42に取り付けられたデフギヤ42aの近傍には同ギヤ42aに相対向するように車速センサ43が配置されている。車速センサ43は例えば磁気抵抗素子を用いた磁気センサ等からなり、デフギヤ42aの回転状態に応じた検出信号(パルス信号)Sを出力する。なお、ハウジング38がハウジング、設定ボリューム41が最高車速設定手段に相当する。
【0031】
車体の内部には電子制御ユニット(以下、ECUと記す)44が装備されている。ECU44はCPU45、ROM46、RAM47及び駆動回路48を備えている。CPU45の入力側には設定ボリューム41及び車速センサ43が接続され、出力側には駆動回路48を介してステッピングモータ20が接続されている。CPU45は車速センサ43の検出信号Sに基づき車速Vを算出する。また、CPU45は設定ボリューム41から入力した最高車速データD及び車速Vに基づき、駆動回路48を介してステッピングモータ20を駆動制御する。なお、CPU45が最高車速制限装置の一部を構成する。
【0032】
ROM46には車速制限処理を行うための制御プログラムが記憶されている。この制御プログラムは車両の車速Vが設定ボリューム41により設定された最高車速Vmax を超えないように車速を制限するプログラムである。この制御プログラムとして車速Vに応じたモータ回転角度θがCPU45によって求められるが、その処理は計算やマップを用いた方法のどちらでもよい。
【0033】
CPU45はROM46の制御プログラムに基づき以下に示す車速制限処理を実行する。まず、CPU45は車速Vを算出するとともに最高車速データDを取り込む。そして、図4に示すようにCPU45は車速Vが車両走行判定速度V0 を超えたときにステッピングモータ20の制御を開始する。CPU45は車速Vが車両走行判定速度V0 よりも大きく最高車速Vmax 以下のとき、初期位置を基準としてモータ回転角度θが車速Vに応じた角度となるようにステッピングモータ20を駆動制御(フィードバック制御)する。
【0034】
このとき、CPU45は最高車速Vmax が大きいときよりも小さいときの方が、車速Vに対するモータ回転角度θの値が大きくなるようにステッピングモータ20を制御する。即ち、図4に示すように同じ車速で見た場合、モータ回転角度θは最高車速Vmax1,Vmax2,Vmax3(Vmax1<Vmax2<Vmax3)の順で大きな値をとる。さらに、ステッピングモータ20はモータ回転角度θと車速Vとが車両走行判定速度V0 から最高車速Vmax までの範囲において正比例の関係をとるように制御される。
【0035】
一方、CPU45は車速Vが上昇して最高車速Vmax に近づくと、車速Vが最高車速Vmax を超えないようにステッピングモータ20を最大角度θmax で保持する。この最大角度θmax はアクセルペダル3が踏み込まれても車速Vが最高車速Vmax を超えないように設定された角度である。この状態では下側プーリ9及びカム33の回転がカム35の下側ストッパ部36によって規制され、キャブレター21のスロットル30がそれ以上開かず車速が上昇しなくなる。図4では最高車速がVmax1,Vmax2,Vmax3のとき、最大角度が各々θmax1,θmax2,θmax となる。
【0036】
また、CPU45は車速Vが車両走行判定速度V0 以下ではステッピングモータ20のモータ回転角度θを「0」の初期位置にする。この車両走行判定速度V0 は荷役作業を行う状態であると判断される車速値であり、この状態ではキャブレター21のスロットル開度が規制された状態が解除され、アクセルペダル3の踏み込みによりスロットル30が全開可能となって通常の荷役作業が行える。
【0037】
次に、本例の最高車速制限装置の作用について説明する。
最高車速Vmax が設定ボリューム41によりVmax1に設定されたとする。まず、図5(a)に示すようにアクセルペダル3が踏み込まれるとワイヤロープ7に引っ張られて上側プーリ8及び下側プーリ9と上側のカム33が反時計方向に回転する。それに応じてワイヤロープ22が巻き取られ、キャブレター21のスロットル30が開いて車速Vが上昇する。このとき、カム35は車速Vに応じたモータ回転角度θをとるようにステッピングモータ20の駆動力によって時計方向に回転している。
【0038】
そして、アクセルペダル3の踏み込み操作に伴い車速Vが上昇していき、車速Vが最高車速Vmax1になると、図5(b)に示すようにその時点でステッピングモータ20はモータ回転角度θが最大角度θmax1で保持される。このため、アクセルペダル3を踏み込んでも上側ストッパ部34と下側ストッパ部36とが当接した状態となり、下側プーリ9及びカム33の回転が下側ストッパ部36によって規制される。よって、スロットル30がそれ以上開かず、車速Vは最高車速Vmax を維持することになり車速Vが制限される。
【0039】
このように2つのストッパ部34,36が当接した状態では、2つのプーリ8,9のうち下側プーリ9の回転は規制されるが、上側プーリ8は下側プーリ9とリターンスプリング19によって連結されているので、上側プーリ8はアクセルペダル3の踏み込みに応じて回転する。このため、車速Vを制限するために上側ストッパ部34と下側ストッパ部36とが当接した状態であっても、アクセルペダル3が踏み込めないようなことがなく操作フィーリングが確保される。上側プーリ8は下側プーリ9より多く回転しても、アクセルペダル3の開放時にはリターンスプリング19によって下側プーリ9とともに元の位置に復帰する。
【0040】
また、車速Vが制限された状態から車両が減速を始めると、ステッピングモータ20は反時計方向に回転を開始し、そのときの車速Vに応じたモータ回転角度θをとる。このとき、カム35もステッピングモータ20とともに反時計方向に回転する。そして、車速Vが車両走行判定速度V0 を下回って低速状態になると、ステッピングモータ20のモータ回転角度θが「0」となり初期位置に復帰し、スロットル30の開度が全開可能な状態となる。
【0041】
本例では、アクセルペダル3が踏み込まれたときにはワイヤロープ7に引っ張られて上側プーリ8及び下側プーリ9が回転し、それに伴いワイヤロープ22が巻き取られてキャブレター21が駆動する。そして、車速Vが最高車速Vmax を超えないようにするために、下側プーリ9と連れ回りするカム33の上側ストッパ部34が、ステッピングモータ20により保持されたカム35の下側ストッパ部36に当接して下側プーリ9の回転が規制されて車速Vが制限される。この構成からなる最高車速制限装置はアクセルペダル3が踏み込まれたときの伝達力をキャブレター21側に伝える操作性が充分に確保されたものである。
【0042】
さらに、上側プーリ8、下側プーリ9及びカム33,35の回転軸がステッピングモータ20の出力軸20aと同軸上に位置する。しかも、ワイヤロープ7が上側プーリ8に巻き掛けられて巻掛部8aを有する構成でもある。このため、操作量制限機構2は例えばワイヤロープ7が直線方向G(図1参照)のみ引っ張られる構成と比較して小型となり、かつ駆動時及び非駆動時の両方とも配置スペースが変わらない。従って、操作量制限機構2の配置スペースが小さく済むので、操作量制限機構2ひいては最高車速制限装置の搭載位置の自由度が高くなる。
【0043】
特に、最高車速制限装置を搭載していない産業車両に同装置を後付けすることがあるが、他の部品の関係上、産業車両には限られた配置スペースしか存在しない。しかし、操作量制限機構2は配置スペースが小さくて済むので、車両に後付けする場合であっても、操作量制限機構2を搭載できないような不具合が生じ難くなる。また、後付けのことを考慮に入れて車両の機台を設計する必要も生じない。
【0044】
この実施形態では以下のような効果を得ることができる。
(1)操作量制限機構2は上側プーリ8、下側プーリ9及びカム33,35の回転軸がステッピングモータ20の出力軸20aと同軸上に位置し、ワイヤロープ7が上側プーリ8に巻き掛けられて巻掛部8aを有する構成である。従って、アクセルペダル3が踏み込まれたときの操作量をキャブレター21側に伝えるときの操作性が高く、駆動時及び非駆動時の両方で配置スペースが変わらないことから、搭載位置の自由度を高くすることができる。
【0045】
(2)上側ストッパ部34は下側プーリ9と別体であるカム33に形成されているので、上側プーリ8と下側プーリ9に同一部品を使用でき、部品種類の増加を防ぐことができる。
【0046】
(3)操作量制限機構2は装置本体2aをハウジング38に収容された状態で車体に組み付けられるので、操作量制限機構2の組み付けの際にはハウジング38を車体に組み付ければよく、組付作業が簡単で済む。
【0047】
(4)アクセルペダル3が踏み込まれて操作量制限機構2が稼働するとき、ステッピングモータ20本体が回動する構成ではないので、モータ本体が回動する構成に比べて最高車速制限装置の信頼性を向上できる。
【0048】
(5)上側プーリ8と下側プーリ9とはリターンスプリング19によって連結されているので、上側ストッパ部34と下側ストッパ部36が当接して下側プーリ9の回動が規制されても、上側プーリ8は回動可能である。このため、車速Vが規制された状態でもアクセルペダル3が踏み込め、ペダル操作の操作性を高くすることができる。
【0049】
なお、実施形態は前記に限定されず、例えば次の態様に変更してもよい。
○ 上側ストッパ部34はカム33に形成されることで、下側プーリ9に対し別体であることに限定されない。例えば、図6に示すように下側プーリ9の下面に上側ストッパ部34を一体形成してもよい。この場合、上下方向において操作量制限機構2の小型化が図れる。
【0050】
○ 車両走行判定速度V0 と最高車速Vmax との間における車速Vとモータ回転角度θとの関係は、正比例の関係を有した直線に限定されず、例えば図7に示すように曲線状態でもよい。
【0051】
○ 第1及び第2回動部は略円形状を有する上側プーリ8及び下側プーリ9に限定されない。例えば、上側プーリ8及び下側プーリ9は巻掛部8aを有する略扇形状でもよい。また、上側プーリ8及び下側プーリ9はステッピングモータ20の出力軸20aを回動軸として回動可能な巻掛部8aのない腕部でもよい。
【0052】
○ 上側ストッパ部34及び下側ストッパ部36の形状は略三角形状(略扇形状)に限らず、例えば略四角形状など下側プーリ9の回転を規制可能な形状であれば、その形状は特に限定されない。
【0053】
○ 駆動手段はモータに限らず、例えばシリンダ等の他の駆動源を用いてもよい。また、駆動手段がモータである場合、モータはステッピングモータ20に限定されず、例えば直流モータでもよい。
【0054】
○ 操作量制限機構2はステッピングモータ20本体を出力軸20aに対して下側にして車体に組み付けることに限定されず、ステッピングモータ20本体を出力軸20aに対して上側にして組み付けてもよい。
【0055】
○ 操作量制限機構2の組付位置は床面1の下面に限定されず、例えば床面1の上面などその他の位置に組み付けてもよい。
○ 操作量制限機構2はハウジング38を介して車体に組み付けられることに限らず、これに代えてブラケットを用いてもよい。また、操作量制限機構2はハウジング38なしで直接車体に組み付けられてもよい。
【0056】
○ 操作量制限機構2の車体への組み付け向きは上下方向に限らず、例えば横向きでもよい。
○ ステッピングモータ20は車速Vに応じたモータ回転角度θとなるように制御されることに限定されない。例えば、車速Vが所定の閾値を超えたときに、車速Vの値に関係なく下側ストッパ部36を車速Vが最高車速Vmax を超えない位置に移動させる制御でもよい。
【0057】
○ ステッピングモータ20に施されるフィードバック制御は、比例制御、PI制御、PID制御等を用いてもよい。
○ 車両は産業車両に限らず、自動車などの他の車両でもよい。また、車両が産業車両である場合にはフォークリフトに限らず、ショベルローダ等の他の産業車両でもよい。
【0058】
前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(1)請求項1,2,4又は5において、前記第1ストッパ部は前記第2回動部と一体に設けられている。この場合、第1回動部及び第2回動部の配列方向において小型化が図れる。
【0059】
(2)請求項5及び前記技術的思想(1)において、前記第1回動部及び第2回動部はシャフト(18)を軸として回動可能な構成であって、前記ハウジングは前記シャフトを回動可能に支持する軸受けと前記モータとを支持している。
【0060】
(3)請求項1〜5及び前記技術的思想(1),(2)のうちいずれか一項において、前記第2ストッパ部が前記車速に応じた位置となるように前記モータを制御する制御手段(45)を備えた。
【0061】
(4)請求項1〜5及び前記技術的思想(1)〜(3)のうちいずれか一項に記載に記載の最高車速制限装置を備えた産業車両。この場合、最高車速制限装置の搭載位置の自由度が増すので、最高車速制限装置を産業車両に搭載する際に産業車両の機台設計を新たに行う頻度が少なくなる。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、入力側の操作量を出力側に伝えるときの操作性が高く、搭載位置の自由度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態における最高車速制限装置の模式構成図。
【図2】操作量制限機構の側面図。
【図3】操作量制限機構のプーリ及びカム部分の模式的な分解斜視図。
【図4】車速とモータ回転角度の関係を示すグラフ。
【図5】(a),(b)は操作量制限機構の作用を示す模式斜視図。
【図6】別例における操作量制限機構の側面図。
【図7】他の別例における車速とモータ回転角度の関係を示すグラフ。
【図8】従来におけるフォークリフトの模式構成図。
【図9】(a),(b)は操作量制限機構の作用を示す平面図。
【符号の説明】
2…最高車速制限装置を構成する操作量制限機構、3…スロットル操作手段としてのアクセルペダル、7…第1連結部材としてのワイヤロープ、8…第1回動部としての上側プーリ、8a…巻掛部、9…第2回動部としての下側プーリ、14…弾性体としてのリターンスプリング、20…駆動手段としてのステッピングモータ、20a…出力軸、21…燃料供給手段としてのキャブレター、22…第2連結部材としてのワイヤロープ、30…スロットル、34…第1ストッパ部としての上側ストッパ部、36…第2ストッパ部としての下側ストッパ部、38…ハウジング、41…最高車速設定手段としての設定ボリューム、44…最高車速制限装置を構成するECU、V…車速、Vmax …最高車速。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の最高車速を制限する最高車速制限装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、フォークリフト等の産業車両には車両の最高車速を制限する最高車速制限装置が搭載されている。最高車速制限装置はアクセルペダルが深く踏み込まれても、予め設定された最高車速を超えないようにエンジンの最高回転数を制限する装置である。このように、最高車速制限装置を車両に搭載すると、運転者は最高車速が制限されている工場構内等での運転時にアクセル操作に神経を使うことなく車両運転及び荷役作業を行える。
【0003】
この種の最高車速制限装置が特許文献1等に開示されている。図8は、特許文献1に開示された車両(フォークリフト)の模式構成図である。車両の床面51にはアクセルペダル52が取り付けられている。また、床面51には支軸53を中心に回動可能な略L字状の操作部材54が支持され、操作部材54の一端がローラ55を介してアクセルペダル52の裏面に接触している。操作部材54はアクセルペダル52が踏み込まれると支軸53を基点に回動して二点鎖線で示すように他端が前方に移動する。
【0004】
操作部材54の他端にはワイヤロープ56を介して操作量制限機構57が接続されている。操作量制限機構57は回動中心58を支点として車両の前後方向に回動可能な板状の基部59を備え、ワイヤロープ56は基部59の反回動中心側に取着されている。基部59には回転型のステッピングモータ60が取り付けられ、ステッピングモータ60の出力軸60aには径方向に延びる腕部61が固定されている。腕部61の先端にはワイヤロープ62を介してキャブレター63が接続されている。
【0005】
車両はECU64、車速センサ65及び車速設定ボリューム66を備えている。車速設定ボリューム66は運転席等に設置され、車両の最高車速Vmax を複数段階で設定可能となっている。ECU64は車速センサ65の検出値に基づき車両の車速を演算し、車速Vが車速設定ボリューム66により決まる最高車速Vmax を超えるとき、ステッピングモータ60を図9(a)から図9(b)に示す状態に所定ステップだけ減速方向に駆動する。これにより、キャブレター63のスロットル開度が制限され、アクセルペダルが深く踏み込まれても予め設定された最高車速を超えない。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−331206号公報(第4−5頁、図4)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車速制限機能に対応していない機台に車速制限装置を搭載する場合がある。しかし、操作量制限機構57は回動中心58を支点として板状の基部59が回動する構成であるので、機構自体の駆動範囲が大きい。このため、操作量制限機構57を搭載する場合に搭載位置が制限され、限られた位置への配置を余儀なくされる問題があった。さらに、基部59にステッピングモータ60が配置されているので、キャブレター63のスロットル開度制限時にはステッピングモータ60本体が回動する構成となり、装置としての信頼性にも問題があった。
【0008】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は入力側の操作量を出力側に伝えるときの操作性が高く、搭載位置の自由度が高い最高車速制限装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため請求項1に記載の発明では、最高車速制限装置は、前記スロットル操作手段に対し第1連結部材を介して連結され、該第1連結部材が巻き掛けられて形成された巻掛部を有する第1回動部と、前記燃料供給手段に第2連結部材を介して連結され、弾性体を介して前記第1回動部の回動力により回動する第2回動部と、前記第2回動部に設けられ該第2回動部の回動に応じて位置が変わる第1ストッパ部と、前記第1ストッパ部に対し独立して動き、前記第1ストッパ部の移動を規制可能な第2ストッパ部と、前記第2ストッパ部を駆動して前記車速が前記最高車速を超えない位置に該第2ストッパ部を配置させる駆動手段とを備えた。
【0010】
この発明によれば、第1回動部及び第2回動部の回動軸がモータの出力軸と同軸上に位置し、しかもスロットル操作手段から延びる第1連結部材が第1回動部に巻き掛けられることで巻掛部が形成される。従って、最高車速制限装置はアクセル操作時に第1連結部材及び第2連結部材が直線方向にのみ引っ張られる構成に比べて小型となる。また、最高車速制限装置は駆動する際に非駆動時の状態より広い駆動範囲を必要とする動きをとらないので、配置スペースが小さく済む。以上により、最高車速制限装置の搭載位置の自由度が高くなる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記第1回動部及び第2回動部はプーリである。この発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、第1連結部材がプーリの円周に沿って巻き掛けられるので、最高車速制限装置の初期状態においてスロットル操作手段と最高車速制限装置との間の第1連結部材の長さが短く済み、搭載位置の自由度がさらに高まる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記第1ストッパ部は前記第2回動部と別体に設けられている。この発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、第1ストッパ部は第2回動部と別体に設けられるので、第1回動部と第2回動部とが同一のものを使用可能になり、部品種類の増加が防げる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記駆動手段はモータである。この発明によれば、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、駆動源としてモータを用いるので、装置自体の構成が簡単なもので済む。
【0014】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記第1回動部、第2回動部、第1ストッパ部、第2ストッパ部、モータはハウジングに収容されてユニット化されている。この発明によれば、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、上記した部材をハウジングに収容することによってユニット化されているので、最高車速制限装置を車体に組み付ける際にはハウジングを組み付けるだけで済み、組付作業が簡単で済む。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をフォークリフトに搭載される最高車速制限装置に具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0016】
図1に示すように、フォークリフトの床面1にはアクセルペダル3が取り付けられている。また、床面1には支軸4を中心に回動可能な略L字状の操作部材5が支持され、操作部材5の一端がローラ6を介してアクセルペダル3の裏面に接触している。操作部材5はアクセルペダル3が踏み込まれると支軸4を基点に回動して同図の二点鎖線で示すように他端が前方に移動する。なお、アクセルペダル3がスロットル操作手段に相当する。
【0017】
図1及び図2に示すように、操作部材5の他端にはワイヤロープ7を介して操作量制限機構2が接続されている。操作量制限機構2は上下方向に沿って同軸上に配置された2つの略円板形状の上側プーリ8及び下側プーリ9を備えている。上側プーリ8は2枚の円板部10,11(図2参照)を有し、これら円板部10,11はこれらよりも外径の小さい連結部12を間に挟んだ状態で対向配置されている。下側プーリ9も上側プーリ8とほぼ同一形状をなし、2枚の円板部13,14と連結部15とを有している。なお、操作量制限機構2が最高車速制限装置を構成し、ワイヤロープ7が第1連結部材、上側プーリ8が第1回動部、下側プーリ9が第2回動部に相当する。
【0018】
上側プーリ8の径方向端部には2枚の円板部10,11に亘って係止された略円柱状の係止部16が配設されている。操作部材5から延びるワイヤロープ7は係止部16に取り付けられている。上側プーリ8の中心部には孔部17が貫通形成され、この孔部17には上側プーリ8が相対回動可能な状態でシャフト18が挿通されている。アクセルペダル3が踏み込まれると、上側プーリ8はワイヤロープ7に引っ張られてシャフト18を中心にして反時計方向(図3参照)に回転する。
【0019】
上側プーリ8にはワイヤロープ7の端部が上側プーリ8に巻き掛けられることによって巻掛部8a(図3参照)が設けられている。巻掛部8aはアクセルペダル3が踏み込まれていない状態では最大巻き掛けられた状態であり、そこからアクセルペダル3が踏み込まれると巻き掛け量が減少していく構成となっている。本例では、巻掛部8aはアクセルペダル3の非操作時において上側プーリ8に半周程度巻かれている。
【0020】
また、下側プーリ9はシャフト18に巻き掛けられたリターンスプリング19によって上側プーリ8と接続されている。このため、下側プーリ9は上側プーリ8が回転すると、その回転力がリターンスプリング19によって伝達されて上側プーリ8と同一方向に回転する。また、シャフト18はその下端部で下側プーリ9に連結固定され、下側プーリ9とともに同期して回転する。
【0021】
リターンスプリング19は上側プーリ8と下側プーリ9との同期をとるとともに、運転者によってアクセルペダル3が急激に操作されてステッピングモータ20に過大なトルクがかかっても脱調しないように作用する。リターンスプリング19のバネ定数は、キャブレター21内のスロットル付属のリターンスプリングやワイヤロープ7,22の摺動抵抗、及びそれらのばらつき、経時変化等を考慮して設定される。なお、リターンスプリング19が弾性体、ステッピングモータ20が駆動手段(モータ)、キャブレター21が燃料供給手段、ワイヤロープ22が第2連結部材に相当する。
【0022】
下側プーリ9の径方向端部には2枚の円板部13、14に亘って係止された略円柱状の係止部23が配設されている。係止部23にはキャブレター21に向かって延びるワイヤロープ22の一端が接続されている。ワイヤロープ22はアクセルペダル3が踏み込まれて上側プーリ8及び下側プーリ9が回転すると下側プーリ9に巻き取られる。ワイヤロープ22が下側プーリ9に巻き取られると、下側プーリ9にはワイヤロープ22が巻き掛かって巻掛部(図示省略)が形成される。シャフト18の両端には上側プーリ8及び下側プーリ9を挟み込むように軸受け24,25が2つ配設されている。シャフト18の上端部には抜け止め用の係止ピン26が取り付けられている。
【0023】
図1に示すように、車体後部側には支持部材27が配設され、ワイヤロープ22は支持部材27に支持されたワイヤーシース28に通されている。ワイヤロープ22には支持部材27の後側にコイルバネ29が装着されている。コイルバネ29はその後端がワイヤロープ22に固着され、前端が支持部材27に当接され、巻き取られたワイヤロープ22を元の位置に復帰するように付勢力を付与する。アクセルペダル3の踏み込みにより回転した上側プーリ8及び下側プーリ9は、ペダル操作が開放されたときコイルバネ29の作用によって元の位置に復帰する。
【0024】
キャブレター21は車体後方に搭載されたエンジン(図示省略)に配設されている。キャブレター21はエンジン回転数を調整するスロットル30を備え、スロットル30の端部には扇形状の操作板31のかなめ部が固着されている。操作板31の外周面には溝部32が形成されている。ワイヤロープ22の他端は溝部32に巻回され、その後端が溝部32の端部に連結されている。そして、キャブレター21はアクセルペダル3の踏み込みによりワイヤロープ22が巻き取られることによってスロットル30が開き側に駆動する。
【0025】
シャフト18の下端には略円板形状のカム33が固定されている。カム33は平面方向において上側プーリ8及び下側プーリ9と平面方向において同一面積となっている。カム33は中心部が上側プーリ8及び下側プーリ9の回転軸上に位置し、アクセルペダル3のペダル操作に伴って上側プーリ8及び下側プーリ9が回転したときにこれらとともに回転する。また、カム33の下面にはストッパ部(以下、上側ストッパ部と記す)34が一体形成されている。上側ストッパ部34は径方向に亘って延びる略三角形状(略扇形状)であり、カム33の回転に伴い位置が変化する。
【0026】
一方、カム33の下方位置にはこれと相対向するようにカム35が配設されている。カム35はその中心部がステッピングモータ20の出力軸20aに固定され、ステッピングモータ20を駆動源として時計方向及び反時計方向の両方に回転する。カム35の上面にはストッパ部(以下、下側ストッパ部と記す)36が一体形成されている。下側ストッパ部36は上側ストッパ部34とほぼ同一形状をなし、ステッピングモータ20によるカム35の回転に伴い位置が変化する。出力軸20a、上側プーリ8、下側プーリ9、カム33,35の各軸心は同軸上に配置されている。なお、上側ストッパ部34が第1ストッパ部、下側ストッパ部36が第2ストッパ部に相当する。
【0027】
また、下側ストッパ部36は上側ストッパ部34の移動経路上に配置されている。そして、アクセルペダル3が踏み込まれて上側プーリ8及び下側プーリ9が所定量回転すると、車速Vが最高車速Vmax を超えないように上側ストッパ部34が下側ストッパ部36に当接するようになっている。また、下側ストッパ部36はアクセルペダル3が非操作の状態では初期位置(初期状態)に位置し、この初期位置ではスロットル開度が全開に操作可能となっている。本例では、この初期位置でのステッピングモータ20の回転角度を「0」度とし、モータ回転角度θの基準とする。
【0028】
床面1の下面にはハウジング38が固着され、ハウジング38には装置本体2aが収容されている。装置本体2aは少なくとも上側プーリ8、下側プーリ9、カム33,35、上側ストッパ部34、下側ストッパ部36,ステッピングモータ20等からなり、カム33,35に対し上側プーリ8及び下側プーリ9が上側に位置した状態でハウジング38に収容されている。
【0029】
ハウジング38の内面には内側方向に延出する3つの支持部39a〜39cが上下方向に並んで形成されている。操作量制限機構2は軸受け24が支持部39aに、軸受け25が支持部39b、ステッピングモータ20が支持部39cに支持されている。また、ハウジング38の側部にはワイヤロープ7,22を通すための孔部40a,40bが各々形成されている。
【0030】
運転席(図示省略)には車両の最高車速Vmax を設定するための設定ボリューム41が配設されている。設定ボリューム41は最高車速Vmax を例えば9〜23km/mの範囲で任意の値に設定可能となっている。また、車軸42に取り付けられたデフギヤ42aの近傍には同ギヤ42aに相対向するように車速センサ43が配置されている。車速センサ43は例えば磁気抵抗素子を用いた磁気センサ等からなり、デフギヤ42aの回転状態に応じた検出信号(パルス信号)Sを出力する。なお、ハウジング38がハウジング、設定ボリューム41が最高車速設定手段に相当する。
【0031】
車体の内部には電子制御ユニット(以下、ECUと記す)44が装備されている。ECU44はCPU45、ROM46、RAM47及び駆動回路48を備えている。CPU45の入力側には設定ボリューム41及び車速センサ43が接続され、出力側には駆動回路48を介してステッピングモータ20が接続されている。CPU45は車速センサ43の検出信号Sに基づき車速Vを算出する。また、CPU45は設定ボリューム41から入力した最高車速データD及び車速Vに基づき、駆動回路48を介してステッピングモータ20を駆動制御する。なお、CPU45が最高車速制限装置の一部を構成する。
【0032】
ROM46には車速制限処理を行うための制御プログラムが記憶されている。この制御プログラムは車両の車速Vが設定ボリューム41により設定された最高車速Vmax を超えないように車速を制限するプログラムである。この制御プログラムとして車速Vに応じたモータ回転角度θがCPU45によって求められるが、その処理は計算やマップを用いた方法のどちらでもよい。
【0033】
CPU45はROM46の制御プログラムに基づき以下に示す車速制限処理を実行する。まず、CPU45は車速Vを算出するとともに最高車速データDを取り込む。そして、図4に示すようにCPU45は車速Vが車両走行判定速度V0 を超えたときにステッピングモータ20の制御を開始する。CPU45は車速Vが車両走行判定速度V0 よりも大きく最高車速Vmax 以下のとき、初期位置を基準としてモータ回転角度θが車速Vに応じた角度となるようにステッピングモータ20を駆動制御(フィードバック制御)する。
【0034】
このとき、CPU45は最高車速Vmax が大きいときよりも小さいときの方が、車速Vに対するモータ回転角度θの値が大きくなるようにステッピングモータ20を制御する。即ち、図4に示すように同じ車速で見た場合、モータ回転角度θは最高車速Vmax1,Vmax2,Vmax3(Vmax1<Vmax2<Vmax3)の順で大きな値をとる。さらに、ステッピングモータ20はモータ回転角度θと車速Vとが車両走行判定速度V0 から最高車速Vmax までの範囲において正比例の関係をとるように制御される。
【0035】
一方、CPU45は車速Vが上昇して最高車速Vmax に近づくと、車速Vが最高車速Vmax を超えないようにステッピングモータ20を最大角度θmax で保持する。この最大角度θmax はアクセルペダル3が踏み込まれても車速Vが最高車速Vmax を超えないように設定された角度である。この状態では下側プーリ9及びカム33の回転がカム35の下側ストッパ部36によって規制され、キャブレター21のスロットル30がそれ以上開かず車速が上昇しなくなる。図4では最高車速がVmax1,Vmax2,Vmax3のとき、最大角度が各々θmax1,θmax2,θmax となる。
【0036】
また、CPU45は車速Vが車両走行判定速度V0 以下ではステッピングモータ20のモータ回転角度θを「0」の初期位置にする。この車両走行判定速度V0 は荷役作業を行う状態であると判断される車速値であり、この状態ではキャブレター21のスロットル開度が規制された状態が解除され、アクセルペダル3の踏み込みによりスロットル30が全開可能となって通常の荷役作業が行える。
【0037】
次に、本例の最高車速制限装置の作用について説明する。
最高車速Vmax が設定ボリューム41によりVmax1に設定されたとする。まず、図5(a)に示すようにアクセルペダル3が踏み込まれるとワイヤロープ7に引っ張られて上側プーリ8及び下側プーリ9と上側のカム33が反時計方向に回転する。それに応じてワイヤロープ22が巻き取られ、キャブレター21のスロットル30が開いて車速Vが上昇する。このとき、カム35は車速Vに応じたモータ回転角度θをとるようにステッピングモータ20の駆動力によって時計方向に回転している。
【0038】
そして、アクセルペダル3の踏み込み操作に伴い車速Vが上昇していき、車速Vが最高車速Vmax1になると、図5(b)に示すようにその時点でステッピングモータ20はモータ回転角度θが最大角度θmax1で保持される。このため、アクセルペダル3を踏み込んでも上側ストッパ部34と下側ストッパ部36とが当接した状態となり、下側プーリ9及びカム33の回転が下側ストッパ部36によって規制される。よって、スロットル30がそれ以上開かず、車速Vは最高車速Vmax を維持することになり車速Vが制限される。
【0039】
このように2つのストッパ部34,36が当接した状態では、2つのプーリ8,9のうち下側プーリ9の回転は規制されるが、上側プーリ8は下側プーリ9とリターンスプリング19によって連結されているので、上側プーリ8はアクセルペダル3の踏み込みに応じて回転する。このため、車速Vを制限するために上側ストッパ部34と下側ストッパ部36とが当接した状態であっても、アクセルペダル3が踏み込めないようなことがなく操作フィーリングが確保される。上側プーリ8は下側プーリ9より多く回転しても、アクセルペダル3の開放時にはリターンスプリング19によって下側プーリ9とともに元の位置に復帰する。
【0040】
また、車速Vが制限された状態から車両が減速を始めると、ステッピングモータ20は反時計方向に回転を開始し、そのときの車速Vに応じたモータ回転角度θをとる。このとき、カム35もステッピングモータ20とともに反時計方向に回転する。そして、車速Vが車両走行判定速度V0 を下回って低速状態になると、ステッピングモータ20のモータ回転角度θが「0」となり初期位置に復帰し、スロットル30の開度が全開可能な状態となる。
【0041】
本例では、アクセルペダル3が踏み込まれたときにはワイヤロープ7に引っ張られて上側プーリ8及び下側プーリ9が回転し、それに伴いワイヤロープ22が巻き取られてキャブレター21が駆動する。そして、車速Vが最高車速Vmax を超えないようにするために、下側プーリ9と連れ回りするカム33の上側ストッパ部34が、ステッピングモータ20により保持されたカム35の下側ストッパ部36に当接して下側プーリ9の回転が規制されて車速Vが制限される。この構成からなる最高車速制限装置はアクセルペダル3が踏み込まれたときの伝達力をキャブレター21側に伝える操作性が充分に確保されたものである。
【0042】
さらに、上側プーリ8、下側プーリ9及びカム33,35の回転軸がステッピングモータ20の出力軸20aと同軸上に位置する。しかも、ワイヤロープ7が上側プーリ8に巻き掛けられて巻掛部8aを有する構成でもある。このため、操作量制限機構2は例えばワイヤロープ7が直線方向G(図1参照)のみ引っ張られる構成と比較して小型となり、かつ駆動時及び非駆動時の両方とも配置スペースが変わらない。従って、操作量制限機構2の配置スペースが小さく済むので、操作量制限機構2ひいては最高車速制限装置の搭載位置の自由度が高くなる。
【0043】
特に、最高車速制限装置を搭載していない産業車両に同装置を後付けすることがあるが、他の部品の関係上、産業車両には限られた配置スペースしか存在しない。しかし、操作量制限機構2は配置スペースが小さくて済むので、車両に後付けする場合であっても、操作量制限機構2を搭載できないような不具合が生じ難くなる。また、後付けのことを考慮に入れて車両の機台を設計する必要も生じない。
【0044】
この実施形態では以下のような効果を得ることができる。
(1)操作量制限機構2は上側プーリ8、下側プーリ9及びカム33,35の回転軸がステッピングモータ20の出力軸20aと同軸上に位置し、ワイヤロープ7が上側プーリ8に巻き掛けられて巻掛部8aを有する構成である。従って、アクセルペダル3が踏み込まれたときの操作量をキャブレター21側に伝えるときの操作性が高く、駆動時及び非駆動時の両方で配置スペースが変わらないことから、搭載位置の自由度を高くすることができる。
【0045】
(2)上側ストッパ部34は下側プーリ9と別体であるカム33に形成されているので、上側プーリ8と下側プーリ9に同一部品を使用でき、部品種類の増加を防ぐことができる。
【0046】
(3)操作量制限機構2は装置本体2aをハウジング38に収容された状態で車体に組み付けられるので、操作量制限機構2の組み付けの際にはハウジング38を車体に組み付ければよく、組付作業が簡単で済む。
【0047】
(4)アクセルペダル3が踏み込まれて操作量制限機構2が稼働するとき、ステッピングモータ20本体が回動する構成ではないので、モータ本体が回動する構成に比べて最高車速制限装置の信頼性を向上できる。
【0048】
(5)上側プーリ8と下側プーリ9とはリターンスプリング19によって連結されているので、上側ストッパ部34と下側ストッパ部36が当接して下側プーリ9の回動が規制されても、上側プーリ8は回動可能である。このため、車速Vが規制された状態でもアクセルペダル3が踏み込め、ペダル操作の操作性を高くすることができる。
【0049】
なお、実施形態は前記に限定されず、例えば次の態様に変更してもよい。
○ 上側ストッパ部34はカム33に形成されることで、下側プーリ9に対し別体であることに限定されない。例えば、図6に示すように下側プーリ9の下面に上側ストッパ部34を一体形成してもよい。この場合、上下方向において操作量制限機構2の小型化が図れる。
【0050】
○ 車両走行判定速度V0 と最高車速Vmax との間における車速Vとモータ回転角度θとの関係は、正比例の関係を有した直線に限定されず、例えば図7に示すように曲線状態でもよい。
【0051】
○ 第1及び第2回動部は略円形状を有する上側プーリ8及び下側プーリ9に限定されない。例えば、上側プーリ8及び下側プーリ9は巻掛部8aを有する略扇形状でもよい。また、上側プーリ8及び下側プーリ9はステッピングモータ20の出力軸20aを回動軸として回動可能な巻掛部8aのない腕部でもよい。
【0052】
○ 上側ストッパ部34及び下側ストッパ部36の形状は略三角形状(略扇形状)に限らず、例えば略四角形状など下側プーリ9の回転を規制可能な形状であれば、その形状は特に限定されない。
【0053】
○ 駆動手段はモータに限らず、例えばシリンダ等の他の駆動源を用いてもよい。また、駆動手段がモータである場合、モータはステッピングモータ20に限定されず、例えば直流モータでもよい。
【0054】
○ 操作量制限機構2はステッピングモータ20本体を出力軸20aに対して下側にして車体に組み付けることに限定されず、ステッピングモータ20本体を出力軸20aに対して上側にして組み付けてもよい。
【0055】
○ 操作量制限機構2の組付位置は床面1の下面に限定されず、例えば床面1の上面などその他の位置に組み付けてもよい。
○ 操作量制限機構2はハウジング38を介して車体に組み付けられることに限らず、これに代えてブラケットを用いてもよい。また、操作量制限機構2はハウジング38なしで直接車体に組み付けられてもよい。
【0056】
○ 操作量制限機構2の車体への組み付け向きは上下方向に限らず、例えば横向きでもよい。
○ ステッピングモータ20は車速Vに応じたモータ回転角度θとなるように制御されることに限定されない。例えば、車速Vが所定の閾値を超えたときに、車速Vの値に関係なく下側ストッパ部36を車速Vが最高車速Vmax を超えない位置に移動させる制御でもよい。
【0057】
○ ステッピングモータ20に施されるフィードバック制御は、比例制御、PI制御、PID制御等を用いてもよい。
○ 車両は産業車両に限らず、自動車などの他の車両でもよい。また、車両が産業車両である場合にはフォークリフトに限らず、ショベルローダ等の他の産業車両でもよい。
【0058】
前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(1)請求項1,2,4又は5において、前記第1ストッパ部は前記第2回動部と一体に設けられている。この場合、第1回動部及び第2回動部の配列方向において小型化が図れる。
【0059】
(2)請求項5及び前記技術的思想(1)において、前記第1回動部及び第2回動部はシャフト(18)を軸として回動可能な構成であって、前記ハウジングは前記シャフトを回動可能に支持する軸受けと前記モータとを支持している。
【0060】
(3)請求項1〜5及び前記技術的思想(1),(2)のうちいずれか一項において、前記第2ストッパ部が前記車速に応じた位置となるように前記モータを制御する制御手段(45)を備えた。
【0061】
(4)請求項1〜5及び前記技術的思想(1)〜(3)のうちいずれか一項に記載に記載の最高車速制限装置を備えた産業車両。この場合、最高車速制限装置の搭載位置の自由度が増すので、最高車速制限装置を産業車両に搭載する際に産業車両の機台設計を新たに行う頻度が少なくなる。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、入力側の操作量を出力側に伝えるときの操作性が高く、搭載位置の自由度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態における最高車速制限装置の模式構成図。
【図2】操作量制限機構の側面図。
【図3】操作量制限機構のプーリ及びカム部分の模式的な分解斜視図。
【図4】車速とモータ回転角度の関係を示すグラフ。
【図5】(a),(b)は操作量制限機構の作用を示す模式斜視図。
【図6】別例における操作量制限機構の側面図。
【図7】他の別例における車速とモータ回転角度の関係を示すグラフ。
【図8】従来におけるフォークリフトの模式構成図。
【図9】(a),(b)は操作量制限機構の作用を示す平面図。
【符号の説明】
2…最高車速制限装置を構成する操作量制限機構、3…スロットル操作手段としてのアクセルペダル、7…第1連結部材としてのワイヤロープ、8…第1回動部としての上側プーリ、8a…巻掛部、9…第2回動部としての下側プーリ、14…弾性体としてのリターンスプリング、20…駆動手段としてのステッピングモータ、20a…出力軸、21…燃料供給手段としてのキャブレター、22…第2連結部材としてのワイヤロープ、30…スロットル、34…第1ストッパ部としての上側ストッパ部、36…第2ストッパ部としての下側ストッパ部、38…ハウジング、41…最高車速設定手段としての設定ボリューム、44…最高車速制限装置を構成するECU、V…車速、Vmax …最高車速。
Claims (5)
- エンジンにスロットル開度に応じた量の燃料を供給する燃料供給手段と、スロットル開度を変更するためのスロットル操作手段との間に配置され、前記スロットル操作手段の操作量に対応する車速が、最高車速設定手段によって設定された最高車速を超えないように、前記スロットル開度を規制して車速を制限する最高車速制限装置において、
前記スロットル操作手段に対し第1連結部材を介して連結され、該第1連結部材が巻き掛けられて形成された巻掛部を有する第1回動部と、前記燃料供給手段に第2連結部材を介して連結され、弾性体を介して前記第1回動部の回動力により回動する第2回動部と、前記第2回動部に設けられ該第2回動部の回動に応じて位置が変わる第1ストッパ部と、前記第1ストッパ部に対し独立して動き、前記第1ストッパ部の移動を規制可能な第2ストッパ部と、前記第2ストッパ部を駆動して前記車速が前記最高車速を超えない位置に該第2ストッパ部を配置させる駆動手段とを備えた最高車速制限装置。 - 前記第1回動部及び第2回動部はプーリである請求項1に記載の最高車速制限装置。
- 前記第1ストッパ部は前記第2回動部と別体に設けられている請求項1又は2に記載の最高車速制限装置。
- 前記駆動手段はモータである請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の最高車速制限装置。
- 前記第1回動部、第2回動部、第1ストッパ部、第2ストッパ部、モータはハウジングに収容されてユニット化されている請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の最高車速制限装置。
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2002
- 2002-09-19 JP JP2002273715A patent/JP2004108301A/ja active Pending
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