JP2004108209A - マイクロガスタービン設備の遠隔監視システム - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のマイクロガスタービン設備では、故障情報を得るために、運転員や管理技術者が各マイクロガスタービン設備の設置場所まで出向いて行く必要があった。
【解決手段】マイクロガスタービン設備が設置されたMGT設置サイト200に設置され、MGT設置サイト200のデータを収集するデータ収集伝達装置210と通信系を介してデータの送受信を行う通信装置304と、この通信装置304と送受信を行い、受信したデータを解析するデータ収集解析装置302と、このデータ収集解析装置302の解析結果を表示するディスプレイ装置306によって構成されている中央監視センター300により、MGT設置サイト200の状態を集中監視して、各MGT設置サイト200に情報を伝達して制御するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】マイクロガスタービン設備が設置されたMGT設置サイト200に設置され、MGT設置サイト200のデータを収集するデータ収集伝達装置210と通信系を介してデータの送受信を行う通信装置304と、この通信装置304と送受信を行い、受信したデータを解析するデータ収集解析装置302と、このデータ収集解析装置302の解析結果を表示するディスプレイ装置306によって構成されている中央監視センター300により、MGT設置サイト200の状態を集中監視して、各MGT設置サイト200に情報を伝達して制御するようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロガスタービン(以下MGTという)設備を遠隔監視するMGT設備の遠隔監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のMGT設備の例として、図13のような特願2000−240836号公報に記載されたシステムがある。
図13は、従来のマイクロガスタービン設備を示す図である。
図13において、100はMGT設備、102は発電機、104は圧縮機、106はタービン、108は再生器、110は燃焼器、112は熱回収器、114は通信線、120は発電機102から熱回収器112までを制御する制御装置である。MGT設備100は、発電機102から熱回収器112と、発電出力を交流から直流に変換するコンバータとコンバータ出力の直流を商用周波数に変換するインバータとインバータ出力の電圧を変換するトランスとトランスの二次側に設けられた遮断機とにより構成されている。この発電機102、圧縮機104及びタービン106は同一軸で繋がっている。
【0003】
以下、動作について説明する。
圧縮機104で圧縮された空気は、再生器108で加熱され、燃焼器110で燃料の燃焼に供され、高温高圧の気体が発生する。この高温高圧の気体がタービン106を回転させ、この回転力により圧縮機104を回転させると同時に発電機102を回転させ、発電機が発電を行い、この電力はコンバータ、インバータ、トランスにより電圧、電流、周波数等を変換されて電力需要家に供給される。
タービン106を通った気体は、再生器108をとおり、残存熱エネルギで前述のように圧縮空気を加熱する。再生器108を通った気体は、排気ガスとして排出されるが、依然外気温と比べるとかなりの高温を保っており、熱回収器112を通って熱を十分に放出した後、外に排気される。熱回収器112は、回収した熱エネルギを熱エネルギ需要家に供給する。
【0004】
MGT設備100の制御装置120は、設備内のさまざまな機器の情報を常時スキャニングするスキャニング装置、スキャニングした情報を保持する記憶装置、人間の外部からの入力や自動制御信号等によってMGT設備内の各機器をコントロールするコントロール装置等を備えている。
MGT設備100の制御装置120が常時スキャニングし、一定期間保持している情報の例として、圧縮機・燃焼器・タービン・再生器等の出入口温度・圧力や発電機出力、タービン回転数、運転時間、排気温度・圧力、各種スイッチのON・OFF等がある。
また、この制御装置120は、各機器の状態をスキャニングし、得たデータを一旦装置内の記憶装置に記憶した後、異常なデータを検知する機能を有している。この異常なデータが、軽微な故障(軽故障)を表している場合は、軽故障警報を鳴らして表示装置に異常があった旨を表示し、重大な故障(重故障)を表している場合は、重故障警報を鳴らして表示装置に異常があった旨を表示し、迅速かつ安全にMGT設備100の運転を停止させる機能を有している。
【0005】
一方、MGT設備の遠隔監視システムの例として、特許文献1に示すものがある。しかし、そこには電力の過不足を監視し、電力の配分を遠隔で行う技術が記載されているに過ぎず、この発明と直接の関連性が無いため説明を省略する。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−10499号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来のMGT設備では、故障情報を得るために、運転員や管理技術者が各MGT設備の設置場所まで出向いて行く必要があった。
また、MGT設備を安定的に運転するためには、定期点検やMGT設備の延べ運転時間に対応したメンテナンスが必要であり、このメンテナンスの計画に必要な各MGT設備の運転状況を得るためにも、技術者が逐一設置場所に出向いて行く必要があった。
しかし、MGT等の小型分散電源設備は、エネルギの自給を目的とした設備であるので、その利用者は非常に広範囲に分散しているため、各設備の情報を得るためや、メンテナンス及び重故障時に逐一設置場所への技術者派遣を必要とする保守体制を敷くと、大きな人的費用がかさんでいた。このように、保守費用がかさむことによって、環境にやさしいMGT設備の導入が、困難になるという問題があった。
【0008】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、特定の場所において、少人数の技術者により、多数の小型分散電源設備、特にMGT設備の運転状況や故障状況を把握・解析し、最適な保守・故障時のケア・電力や燃料の安定供給等のアフターサービスを設備利用者に提供することのできるMGT設備の遠隔監視システムを得ることを目的にしている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わるマイクロガスタービン設備の遠隔監視システムにおいては、複数のサイトにそれぞれ設置され、サイトのデータを収集する複数のデータ収集伝達装置と、この複数のデータ収集伝達装置と通信系を介して接続され、データ収集伝達装置から収集したデータに基づきサイトを監視する中央監視センターを備え、中央監視センターは、通信系を介して複数のデータ収集伝達装置とデータの送受信を行う通信装置と、この通信装置と送受信を行い、受信したデータを解析するデータ収集解析装置と、このデータ収集解析装置の解析結果を表示するディスプレイ装置によって構成されているものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
実施の形態1について、図をもとに説明する。
図1は、この発明の実施の形態1によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの概略構成を示す図である。
図1において、100はMGT設備で、100a〜100cはそれぞれ個別のMGT設備である。120はMGT設備100の制御装置で、120a〜120cはそれぞれ個別の制御装置である。400は各MGT設備100へ燃料を供給する燃料供給設備である。200はMGT設備100の設置場所(以下単にサイトと呼ぶ。)で、200a〜200cはそれぞれ個別のサイトである。各サイト200には一機から数機のMGT設備100とこれを制御する制御装置200及び燃料供給設備が備わっており、これらの機器と多芯の通信線220で繋がっているデータ収集伝達装置210が設置されている。
【0011】
300は各サイトと通信系を介して接続された中央監視センターである。次に、中央監視センター300の構成について説明する。
304は外部の通信系からの通信データを送受信する通信装置、302は通信装置304からデータを受信し、これを記憶するとともにそのデータを解析するデータ収集解析装置、306はデータ収集解析装置302が指示した情報を表示するディスプレイ装置、310はデータ収集解析装置302により検出された重故障等の警報を発する警報装置、308は日報、週報、月報等や重故障等のイベント情報を印刷するプリンタ、314は監視員である。通信装置304〜プリンタ308は、中央監視センター300に設置されている。無論、監視員も中央監視センター300内で監視や作業等を行っている。
500は中央監視センター300の通信装置304と各設置サイト200のデータ収集伝達装置210とを接続する通信系である。この通信系500には、一般加入電話回線、ISDN回線や光ケーブル等のインターネット回線、専用回線、無線等、いずれを使用しても良い。
【0012】
各サイトに設置されたデータ収集伝達装置210は、サイト内に設置された各MGT設備100の制御装置120内に保持されたデータ、燃料供給設備400の状態信号・故障信号、電力需要家の受電装置の状態信号・故障信号を収集する。またデータ収集伝達装置210は、その収集したデータを保持する記憶部、人間の外部からの入力や中央監視センター300からの自動制御信号等によってサイト内の各機器をコントロールするコントロール部等を備えている。
【0013】
各MGT設備の制御装置120は、従来の技術で述べた通り、MGT設備内の各機器の制御に必要なデータを常時スキャニング(例えば0.1秒毎)し、これを一定期間(例えば1時間)保持している。データ収集伝達装置210は、多芯の通信線220を通じて各MGT設備100の制御装置120にアクセスし、その記憶装置で保持されている運転状況データと各種警報信号を常時(例えば0.1秒毎)スキャニングして収集している。
また、データ収集伝達装置210は、燃料供給設備400、需要家の受電装置、図示しないコンバータやインバータ等、諸機器の状態データを常時スキャニングして収集し、これを一定期間(例えば1時間)保持している。データ収集伝達装置210内の演算装置は、収集した運転状況データの値と予めきめられた値とを比較し、異常を検知することができる。
【0014】
図2は、この発明の実施の形態1によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの動作を示すフローチャートである。
図3は、この発明の実施の形態1によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの収集するデータの例を示す図であり、中央監視センター内のデータ収集解析装置や各サイトに設置されたデータ収集伝達装置が、収集し保持する諸データの例を示している。
図4は、この発明の実施の形態1によるマイクロガスタービン設備の重故障の例を示す図である。
図5は、この発明の実施の形態1によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの中央監視センター内のデータ収集解析装置内に記憶され蓄積されるデータベース(以下DBという)の例を示す図である。
【0015】
次に動作を、図2〜図5を用いて説明する。
図2において、サイトに設置されたデータ収集伝達装置210は、ステップ602で、サイト内の諸設備の運転状態データを常時収集し保持している。収集して保持する運転状態データの例は、図3に示されるとおりである。収集される運転状態データに対応して、図3に示すように、予め上限値や下限値等の、正常範囲の限界を示す限界値が設定される。ステップ604では、図4に示すような重大な故障(以下、重故障という)の有無を判断し、さらに図3の収集データが重故障を示す限界値をオーバーしたか否かを判断する。重故障を検知した場合、ステップ606及び608に移行する。ステップ606において、当該サイトに設置されたデータ収集伝達装置210は、中央監視センター300に向けて重故障通知を送信する。この通知にはサイト番号等の最小限の情報が含まれている。この信号を送信するのと平行して、重故障が発生した設備を安全に停止させる(ステップ608)。なお、データ収集伝達装置210は、重故障を検知したあと一定期間(例えば5分間)、MGT設備の運転(停止)状況情報をスキャニングし続け、これを保持する。
【0016】
中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、重故障発生サイトのデータ収集伝達装置210からの重故障通知を受信する(ステップ610)と、すぐに警報装置を作動させることによって警報を鳴動させる(ステップ612)。そして、ディスプレイ装置306に、重故障があったことを示す重故障警告ウィンドウをポップアップさせる(ステップ614)。重故障警告ポップアップウィンドウには、最低限の情報(何サイトの何号機で故障が起こったのか等)が記載されており、監視員314が気付き、これを閉じるまで常に画面の最上面に表示しつづけられる。故障が複数設備で起こっている場合、最新の故障警告ウィンドウが最上面になる。
【0017】
次に、中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、重故障発生の通知を受信してから一定時間後(例えば10分後)に(ステップ616)、重故障発生サイトのデータ収集伝達装置210に通信系500を通じてアクセスし、重故障の生じた設備の故障前一定期間(例えば15分)と故障後一定期間(例えば5分)の運転状況データを収集し、異常信号の情報とその値及び収集した運転状況データを事故前後のトレンドとしてディスプレイ装置306に表示する(ステップ618)。故障警告ウィンドウが閉じられていない場合は、本画面が背面となる。
【0018】
そして、ステップ620において、自動DB照会として予めDBとして蓄積されている過去の故障履歴との照会を行うことによって類似故障を検索し、この結果を類似故障が検索された場合(ステップ622)には、ディスプレイ装置306に表示する(ステップ624)。類似故障の自動DB照会の際には、DBに登録されている故障情報の中で、異常信号の種類が全て一致し、また運転状況データの異常値がある程度のレベル(データの種類によって予め設定しておく。)で一致しているものを類似故障とみなす。類似故障が発見できなかった場合は、発見できなかった旨をポップアップする。類似故障が発見できた場合、図5に示すように、故障部位、詳細な故障対処法といった情報が一目でわかるようになっている。従来の設備の保守経験が豊富にあるので、ほとんどの重故障に対して図5のデータが蓄積されている。
【0019】
この検索結果の表示を見て、中央監視センター300の監視員314が故障対策を行う(ステップ626)。その後、MGT設備が正常状態に復帰したかを確認し(ステップ628)、確認できればステップ646に行き、確認できなければ、ステップ622に行く。
図5に示すとおり、DBには、詳細な故障情報とその故障に対する詳細な対応について記載されており、検索結果の表示によって、故障部位とその対策法(故障復旧方法、修理部品等)が一目でわかる。今までは重故障が発生すれば、当該設備に技術者を派遣し、この重故障の原因を特定した後、道具や交換機器を手配して、この設備の復旧にあたっていたが、この発明により故障部位とその対策法が一目でわかるため、故障サイトまで行く回数が大幅に減り、当該設備の復旧までの時間を大幅に減少させることが可能となる。
また、MGT設備100は、発電機、タービン、熱回収器といった機器が複合したシステムであり、今まではその故障部位を特定し、これに対応するためには、それぞれの分野の専門技術者(発電機の専門技術者、原動機の専門技術者、熱回収器の専門技術者等)が現場に行く必要性があったが、検索結果の表示を見ることによって故障部位が容易に特定でき、またその詳細な対策法がわかるため、専門技術者でなくとも故障の対応にあたることが可能となり、故障の対応に関わる人員を、大幅に削減(半分以下)することが可能となる。
なお、再起動等の、中央監視センター300からの遠隔操作のみで対応可能な場合は、故障した設備に行くことすら必要なく、故障した設備の復旧に関わる人員、かかる時間共に劇的に減少させることが可能となる。
なお、トレンドデータをみる(使用)ことにより、上記の検索結果の妥当性を裏付けることができ、確実な故障判断を行う効果がある。
【0020】
ステップ622において、類似故障が自動的に検索できなかった場合、監視員314が検索手法や検索キーワードを指定して、データ収集解析装置302を用いたDB検索を行う(ステップ630)。この際、故障信号番号による検索、故障履歴による検索、故障個所による検索等ができる。この検索の表示結果に従い、故障の対応にあたる。
ステップ632では、類似故障を検索し、類似故障がある場合にはステップ634で、類似故障情報を表示して、ステップ636で、故障対策を施し、ステップ638で、正常状態に復帰したのを確認し、正常状態でない場合には、ステップ630に行く。ステップ632で、類似故障がない場合には、ステップ640で、故障対策を検討する。次いで、ステップ642で、故障対策を施し、ステップ644で、正常状態に復帰したのを確認し、正常状態でない場合には、ステップ640に行く。
ステップ628、ステップ638またはステップ644で、機器が正常運転状態に戻り、収集データのすべてが正常値になったことを確認すると、故障発生サイトのデータ収集伝達装置210は、この旨を中央監視センター300に送信する。
ステップ646については、実施の形態2で説明する。
【0021】
実施の形態1によれば、広範囲に分散する多数のMGT設備を一箇所の中央監視センター監視するため、各設備の監視を非常に少人数で行うことができる。
また、故障情報をDB化しこれを自動的に検索して各故障の対処にあたることができるようになるため、現地に赴いて故障原因を調査し対応策を練る必要がなくなり、故障設備の復旧にかかる時間を大幅に短縮することができる。
また、MGT設備は様々な機器の集合体であるため、その故障原因の調査に必要であった、複数の各専門技術者の現場立会いが不必要となり、保守人員も大幅に削減できる。
さらにまた、以上のように保守人員が大幅に削減できるため、保守にかかる費用が大幅に軽減され、MGT設備を安価で利用することができるようになり、このようなクリーンなエネルギ供給装置のいっそうの普及が見込まれ、地球資源の浪費を低減できる。
【0022】
実施の形態2.
実施の形態2は、図2のステップ646のDB登録についてのものであり、図2及び図5を援用して説明する。
中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、故障発生サイトのデータ収集伝達装置210から、収集データがすべて正常値になったことを確認したという通知を受け取れば、DB登録動作を行う(ステップ646)。
【0023】
データ収集解析装置302は、故障発生から停止までにそのMGT設備100で起こった事象について、異常個所やトレンドの傾向評価を行い、これらに一つの故障管理IDを割り付けて、図5に示すような形式でDBに登録する。故障管理IDは、故障発生サイト、故障発生設備、故障発生日、故障発生時間、異常信号の種類等で細かく分類されたID番号であり、DB照会や故障復旧作業対策をスムーズに行うための番号である。
故障の対応にあたった監視員は、データ収集解析装置302がDBに登録したデータに加え、この復旧作業方法・対応方法を具体的にデータベースに記入する。場合によっては、故障の対策にあたった監視員や技術員が、その故障の故障管理IDを変えたり、独自のトレンドの傾向評価に変えたりすることもできる。
【0024】
実施の形態2によれば、これによって、DBの故障対応情報が拡充され、以降のDB照会での類似故障ヒット率が向上し、更なる対応の迅速化・スリム化が図られることになる。
【0025】
実施の形態3.
次に、実施の形態3について図6と図7をもとに説明する。
図6は、この発明の実施の形態3によるマイクロガスタービン設備の軽故障が発生した場合の故障発生から対応終了までの流れを示すフローチャートである。
図7は、この発明の実施の形態3によるマイクロガスタービン設備の軽故障の例を示す図である。
【0026】
各サイト200a〜200cに設置されたデータ収集伝達装置210は、前述の通り、ステップ702で、サイト内の諸設備の運転状態データを常時収集し、これを保持している。ステップ704において、この運転状況に軽微な故障(以下軽故障という)を検知した場合、ステップ706に移行する。ステップ706において、軽故障発生サイトに設置されたデータ収集伝達装置210は、中央監視センター300に向けて軽故障通知を送信する。この通知には、サイト番号や故障設備の番号等、最小限の情報が含まれている。この際、設備の運転は、継続され、データ収集伝達装置210も通常の動作をする。軽故障の例を図7に示す。
【0027】
中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、軽故障発生サイトのデータ収集伝達装置210から軽故障通知を受信すると(ステップ708)、すぐに警報装置310を作動させることによって、重故障時とは別の軽故障警報を鳴動させ(ステップ710)、ディスプレイ装置306に軽故障があったことを示す軽故障警告ウィンドウをポップアップさせる(ステップ712)。軽故障警告ポップアップウィンドウには、最低限の情報(何サイトの何号機で故障が起こったのか等)が記載されており、監視員314が気付き、これを閉じるまで常に画面の最上面に表示しつづけられる。ただし重故障ポップアップウィンドウがディスプレイ装置306に既に表示されている場合は、これが最上面になり、また軽故障が複数設備で起こっている場合、最新の軽故障警告ウィンドウが最上面になる。
【0028】
次に、中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、軽故障発生の通知を受信してから一定時間後(例えば2分後)に(ステップ714)、故障発生サイトのデータ収集伝達装置210に通信系500を通じてアクセスして、故障の生じた設備の事故前一定期間(例えば5分)と事故後一定期間(例えば2分間)の運転状況データを収集し、異常信号の情報とその値及び収集した運転状況データを故障前後トレンドとしてディスプレイ装置306に表示する(ステップ716)。故障警告ウィンドウが閉じられていない場合は、本画面が背面となる。そして、収集したデータをもとに、すでに述べたように自動DB照会を行い(ステップ718)、軽故障が重故障に繋がる恐れのあるものかどうか判断する(ステップ720)。
【0029】
軽故障が重故障に繋がる恐れのあるものであれば、正常状態に復帰したかどうかを確認し(ステプ724)、正常状態に復帰していない場合には、所定時間(例えば1時間)運転を継続させても(ステップ726)、機器が正常運転状態に戻らない場合、重故障モードに切り替える(ステップ728)。
【0030】
運転を継続させている間に機器が正常運転状態に戻った場合(ステップ724)、故障発生サイトのデータ収集伝達装置210が、収集データのすべてが正常値になったことを確認し、この旨を中央監視センター300に送信する。
中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、故障発生サイトのデータ収集伝達装置210から収集データがすべて正常値になったことを確認したという通知を受け取れば、故障発生から復旧までにその設備で起こった事象について、異常個所やトレンドの傾向評価を行い、これらに一つの故障管理IDを割り付けて、DBに登録し、運転継続が可能であるという情報も併せてDBに登録する(ステップ730)。当該軽故障のトレンド画面やポップアップウィンドウ等が閉じられていない場合は、これを閉じ、軽故障対応を完了する。
軽故障が重故障に繋がる恐れのあるものでない場合、運転を継続させ、先述のDB登録処理(ステップ730)を行う。
【0031】
実施の形態3によれば、以上のように、軽故障時の運転状況データを収集し、これをDBとして保持しておくことにより、各MGT設備の故障しやすい場所が把握でき、重大な故障を未然に防ぐことが可能となる。
また、フィルタの目詰まりなどが頻繁に起こる等の各MGT設備の癖がわかるため、的確な保守計画を立てられるようになる。的確な保守計画を立てることにより、保守人員の投入も計画的にできるため、保守人員の削減が容易となる。
【0032】
実施の形態4.
実施の形態4について図8と図9を用いて説明する。
図8は、この発明の実施の形態4によるマイクロガスタービン設備の燃料供給設備の概略を示す図である。
図8において、100はMGT設備、402は主燃料槽、404は主燃料槽燃料計、406は燃料サービスタンク、408は燃料サービスタンク燃料計、410は燃料くみ上げポンプであり、主燃料槽402〜燃料くみ上げポンプ410により燃料供給設備400が構成される。なお、これに加えて燃料サービスタンク406から主燃料槽402に余剰燃料を送るためのポンプを付けてもよい。主燃料槽燃料計404は、先述の多芯の通信線によりサイト内のデータ収集伝達装置210と繋がっており、燃料サービスタンク燃料計408は、各MGT設備100の制御装置120と繋がっている。
【0033】
図9は、この発明の実施の形態4によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの燃料補給までの流れを示すフローチャートである。
次に、図9を用いて、動作について説明する。
中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、一定時間(例えば1時間)毎に、通信装置304と通信系500を介して、各サイトのデータ収集伝達装置210にアクセスし、図3にあるような諸データを収集する。この際に各サイトの主燃料槽の燃料残量をディスプレイ装置306に表示する。この燃料残量を監視員が確認し(ステップ802)、燃料が十分にない場合(ステップ804)には、燃料供給車を手配し(ステップ806)、そのサイトの主燃料槽402に燃料を補給する(ステップ808)。
このように中央監視センター300で、各サイトの燃料を監視できるようになるため、燃料の補給が的確に行える。これまでは燃料残量を確認するためには誰かが各サイトまで行かなければならなかったが、これを中央監視センター300にて多数のサイトの燃料残量を数名の監視員で確認できるようになるため、労力が大変削減される。
【0034】
実施の形態4によれば、散在するMGT設備の燃料の監視を、一箇所で集中して行うことができるようになり、非常に広い地域にまたがってのMGT設備の設置が容易になり、その保守及び燃料の補給が容易になる。
このため、MGT設備を使った広範囲での電力・エネルギの小売事業を行うことが容易になる。
【0035】
実施の形態5.
次に、発明の実施の形態5について図10と図11をもとに説明する。
図10は、この発明の実施の形態5によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの燃料が少なくなってきた場合の諸装置の動作を示すフローチャートである。
図11は、この発明の実施の形態5によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの燃料残量が僅少となった場合の諸装置の動作を示すフローチャートである。
実施の形態5は、実施の形態4では燃料補給のタイミングに差が出たり、補給を忘れたりすることがあると考えられるため、この点を改良したものである。
【0036】
各サイトのデータ収集伝達装置210は、既に述べた通り、このサイト内に設置された機器の状態を示すデータを常時スキャニングしている。各サイトのデータ収集伝達装置210は、主燃料槽402の燃料残量が注意レベル(サイトによって予め決定しておく)まで低下すると、燃料残量注意通知を中央監視センター300に向けて送信する。この後中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、図10の動作を行う。
【0037】
図10では、中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、燃料残量注意通知を受信(ステップ820)すると、燃料残量注意ポップアップウィンドウをディスプレイ装置306に表示させ、同時に燃料残量注意の警報を鳴動させる(ステップ822)。これらを感知した監視員が、燃料補給の必要性が高い場合(ステップ824)には、燃料供給車を手配し(ステップ826)、当該サイトの主燃料槽に燃料を補給する(ステップ828)。
ステップ824で、燃料補給の必要性が高くない場合には、運転を継続する(ステップ830)。
【0038】
さらに主燃料槽402の燃料残量が少なくなり、警告レベル(これもサイトにより予め決めておく)に達すると、各サイトのデータ収集伝達装置210は、燃料残量警告通知を中央監視センター300に向けて送信する。この後中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、図11の動作を行う。
【0039】
図11では、中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、燃料残量警告通知を受信すると(ステップ842)、燃料残量警告ポップアップウィンドウをディスプレイ装置306に表示させ、同時に燃料残量警告の警報を鳴動させる(844)。これと同時に通信系500を介して燃料供給車を自動的に手配し(846)、当該サイトの主燃料槽に燃料を補給する(ステップ848)。
なお、主燃料槽の急激な燃料残量レベル低下は、重故障扱いとし、燃料サービスタンクの燃料残量レベル低下は、軽故障扱いとしている。
【0040】
実施の形態5によれば、このように、燃料残量が注意レベルに低下すると軽故障を発生するので、燃料を予め供給手配することができる効果がある。
また、万一、軽故障時に手配した燃料補給が実施されなかった場合でも、燃料残量が警告レベルに達すると重故障を発生するとともに、燃料補給の自動手配を行うので、MGT設備の燃料切れを防止できる効果がある。
【0041】
実施の形態6.
実施の形態6について説明する。
上記のシステムでは、各設置サイトのMGT設備において、定期点検や作業しながらの試運転を行っているにも関わらず、中央監視センターからの命令によって設備がコントロールされる恐れがある。これを防ぐために、図12のような制御モードを切り替えることのできるフェイルセーフ機能を設ける。
【0042】
図12は、この発明の実施の形態6によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムのフェイルセーフ機能を示す図である。
図12に示されるように、制御モードは2組で計4つあり、センター・ローカルモード切り替えスイッチ900(第二のモード切り替えスイッチ)で切り替えられる、MGT設備を中央監視センターから遠隔制御するセンターモード902とMGT設備をローカルに制御するローカルモード904、及び通常・保守モード切り替えスイッチ910(第一のモード切り替えスイッチ)で切り替えられる、MGT設備を通常運転する通常モード912とMGT設備を保守する保守モード914である。
中央監視センターは、センター・ローカルモード切り替えスイッチ900の操作のみを行うことが可能であり、各設置サイトでは、通常・保守モード切り替えスイッチ910の操作のみを行うことが可能となっている。
【0043】
通常モードかつセンターモードのときにのみ、中央監視センターからの各設備の遠隔操作(設備運転、設備停止、設備再起動)が可能であり、これ以外のモードのときは全てサイト側での現場制御運転となる。
このように二重にモード切り替えを行うことにより、作業者が各サイトで作業する場合の安全性が非常に増大する。
【0044】
実施の形態6によれば、多重のモード切り替えによって中央監視センターでの遠隔制御機能を停止させることができるため、MGT設備現場で作業をする際の作業者の安全が高いレベルで確保できる。
【0045】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
複数のサイトにそれぞれ設置され、サイトのデータを収集する複数のデータ収集伝達装置と、この複数のデータ収集伝達装置と通信系を介して接続され、データ収集伝達装置から収集したデータに基づきサイトを監視する中央監視センターを備え、中央監視センターは、通信系を介して複数のデータ収集伝達装置とデータの送受信を行う通信装置と、この通信装置と送受信を行い、受信したデータを解析するデータ収集解析装置と、このデータ収集解析装置の解析結果を表示するディスプレイ装置によって構成されているので、広範囲に分散する複数のマイクロガスタービン設備を一箇所の中央監視センターで監視するため、各マイクロガスタービン設備の監視を非常に少人数で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの概略構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの動作を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態1によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの収集するデータの例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1によるマイクロガスタービン設備の重故障の例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの中央監視センター内のデータ収集解析装置内に記憶され蓄積されるデータベースの例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態3によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの軽故障が発生した場合の故障発生から対応終了までの流れを示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態3によるマイクロガスタービン設備の軽故障の例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態4によるマイクロガスタービン設備の燃料供給設備の概略を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態4によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの燃料補給までの流れを示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態5によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの燃料が少なくなってきた場合の諸装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態5によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの燃料残量が僅少となった場合の諸装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態6によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムのフェイルセーフ機能を示す図である。
【図13】従来のマイクロガスタービン設備を示す図である。
【符号の説明】
100 MGT設備、120 制御装置、200 MGT設置サイト、
210 データ収集伝達装置、300 中央監視センター、
302 データ収集解析装置、304 通信装置、
306 ディスプレイ装置、310 警報装置、400 燃料供給設備、
402 主燃料槽、404 主燃料槽燃料計、406 燃料サービスタンク、
408 燃料サービスタンク燃料計、410 燃料くみ上げポンプ、
500 通信系、900 センター・ローカルモード切り替えスイッチ、
910 通常・保守モード切り替えスイッチ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロガスタービン(以下MGTという)設備を遠隔監視するMGT設備の遠隔監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のMGT設備の例として、図13のような特願2000−240836号公報に記載されたシステムがある。
図13は、従来のマイクロガスタービン設備を示す図である。
図13において、100はMGT設備、102は発電機、104は圧縮機、106はタービン、108は再生器、110は燃焼器、112は熱回収器、114は通信線、120は発電機102から熱回収器112までを制御する制御装置である。MGT設備100は、発電機102から熱回収器112と、発電出力を交流から直流に変換するコンバータとコンバータ出力の直流を商用周波数に変換するインバータとインバータ出力の電圧を変換するトランスとトランスの二次側に設けられた遮断機とにより構成されている。この発電機102、圧縮機104及びタービン106は同一軸で繋がっている。
【0003】
以下、動作について説明する。
圧縮機104で圧縮された空気は、再生器108で加熱され、燃焼器110で燃料の燃焼に供され、高温高圧の気体が発生する。この高温高圧の気体がタービン106を回転させ、この回転力により圧縮機104を回転させると同時に発電機102を回転させ、発電機が発電を行い、この電力はコンバータ、インバータ、トランスにより電圧、電流、周波数等を変換されて電力需要家に供給される。
タービン106を通った気体は、再生器108をとおり、残存熱エネルギで前述のように圧縮空気を加熱する。再生器108を通った気体は、排気ガスとして排出されるが、依然外気温と比べるとかなりの高温を保っており、熱回収器112を通って熱を十分に放出した後、外に排気される。熱回収器112は、回収した熱エネルギを熱エネルギ需要家に供給する。
【0004】
MGT設備100の制御装置120は、設備内のさまざまな機器の情報を常時スキャニングするスキャニング装置、スキャニングした情報を保持する記憶装置、人間の外部からの入力や自動制御信号等によってMGT設備内の各機器をコントロールするコントロール装置等を備えている。
MGT設備100の制御装置120が常時スキャニングし、一定期間保持している情報の例として、圧縮機・燃焼器・タービン・再生器等の出入口温度・圧力や発電機出力、タービン回転数、運転時間、排気温度・圧力、各種スイッチのON・OFF等がある。
また、この制御装置120は、各機器の状態をスキャニングし、得たデータを一旦装置内の記憶装置に記憶した後、異常なデータを検知する機能を有している。この異常なデータが、軽微な故障(軽故障)を表している場合は、軽故障警報を鳴らして表示装置に異常があった旨を表示し、重大な故障(重故障)を表している場合は、重故障警報を鳴らして表示装置に異常があった旨を表示し、迅速かつ安全にMGT設備100の運転を停止させる機能を有している。
【0005】
一方、MGT設備の遠隔監視システムの例として、特許文献1に示すものがある。しかし、そこには電力の過不足を監視し、電力の配分を遠隔で行う技術が記載されているに過ぎず、この発明と直接の関連性が無いため説明を省略する。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−10499号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来のMGT設備では、故障情報を得るために、運転員や管理技術者が各MGT設備の設置場所まで出向いて行く必要があった。
また、MGT設備を安定的に運転するためには、定期点検やMGT設備の延べ運転時間に対応したメンテナンスが必要であり、このメンテナンスの計画に必要な各MGT設備の運転状況を得るためにも、技術者が逐一設置場所に出向いて行く必要があった。
しかし、MGT等の小型分散電源設備は、エネルギの自給を目的とした設備であるので、その利用者は非常に広範囲に分散しているため、各設備の情報を得るためや、メンテナンス及び重故障時に逐一設置場所への技術者派遣を必要とする保守体制を敷くと、大きな人的費用がかさんでいた。このように、保守費用がかさむことによって、環境にやさしいMGT設備の導入が、困難になるという問題があった。
【0008】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、特定の場所において、少人数の技術者により、多数の小型分散電源設備、特にMGT設備の運転状況や故障状況を把握・解析し、最適な保守・故障時のケア・電力や燃料の安定供給等のアフターサービスを設備利用者に提供することのできるMGT設備の遠隔監視システムを得ることを目的にしている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わるマイクロガスタービン設備の遠隔監視システムにおいては、複数のサイトにそれぞれ設置され、サイトのデータを収集する複数のデータ収集伝達装置と、この複数のデータ収集伝達装置と通信系を介して接続され、データ収集伝達装置から収集したデータに基づきサイトを監視する中央監視センターを備え、中央監視センターは、通信系を介して複数のデータ収集伝達装置とデータの送受信を行う通信装置と、この通信装置と送受信を行い、受信したデータを解析するデータ収集解析装置と、このデータ収集解析装置の解析結果を表示するディスプレイ装置によって構成されているものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
実施の形態1について、図をもとに説明する。
図1は、この発明の実施の形態1によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの概略構成を示す図である。
図1において、100はMGT設備で、100a〜100cはそれぞれ個別のMGT設備である。120はMGT設備100の制御装置で、120a〜120cはそれぞれ個別の制御装置である。400は各MGT設備100へ燃料を供給する燃料供給設備である。200はMGT設備100の設置場所(以下単にサイトと呼ぶ。)で、200a〜200cはそれぞれ個別のサイトである。各サイト200には一機から数機のMGT設備100とこれを制御する制御装置200及び燃料供給設備が備わっており、これらの機器と多芯の通信線220で繋がっているデータ収集伝達装置210が設置されている。
【0011】
300は各サイトと通信系を介して接続された中央監視センターである。次に、中央監視センター300の構成について説明する。
304は外部の通信系からの通信データを送受信する通信装置、302は通信装置304からデータを受信し、これを記憶するとともにそのデータを解析するデータ収集解析装置、306はデータ収集解析装置302が指示した情報を表示するディスプレイ装置、310はデータ収集解析装置302により検出された重故障等の警報を発する警報装置、308は日報、週報、月報等や重故障等のイベント情報を印刷するプリンタ、314は監視員である。通信装置304〜プリンタ308は、中央監視センター300に設置されている。無論、監視員も中央監視センター300内で監視や作業等を行っている。
500は中央監視センター300の通信装置304と各設置サイト200のデータ収集伝達装置210とを接続する通信系である。この通信系500には、一般加入電話回線、ISDN回線や光ケーブル等のインターネット回線、専用回線、無線等、いずれを使用しても良い。
【0012】
各サイトに設置されたデータ収集伝達装置210は、サイト内に設置された各MGT設備100の制御装置120内に保持されたデータ、燃料供給設備400の状態信号・故障信号、電力需要家の受電装置の状態信号・故障信号を収集する。またデータ収集伝達装置210は、その収集したデータを保持する記憶部、人間の外部からの入力や中央監視センター300からの自動制御信号等によってサイト内の各機器をコントロールするコントロール部等を備えている。
【0013】
各MGT設備の制御装置120は、従来の技術で述べた通り、MGT設備内の各機器の制御に必要なデータを常時スキャニング(例えば0.1秒毎)し、これを一定期間(例えば1時間)保持している。データ収集伝達装置210は、多芯の通信線220を通じて各MGT設備100の制御装置120にアクセスし、その記憶装置で保持されている運転状況データと各種警報信号を常時(例えば0.1秒毎)スキャニングして収集している。
また、データ収集伝達装置210は、燃料供給設備400、需要家の受電装置、図示しないコンバータやインバータ等、諸機器の状態データを常時スキャニングして収集し、これを一定期間(例えば1時間)保持している。データ収集伝達装置210内の演算装置は、収集した運転状況データの値と予めきめられた値とを比較し、異常を検知することができる。
【0014】
図2は、この発明の実施の形態1によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの動作を示すフローチャートである。
図3は、この発明の実施の形態1によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの収集するデータの例を示す図であり、中央監視センター内のデータ収集解析装置や各サイトに設置されたデータ収集伝達装置が、収集し保持する諸データの例を示している。
図4は、この発明の実施の形態1によるマイクロガスタービン設備の重故障の例を示す図である。
図5は、この発明の実施の形態1によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの中央監視センター内のデータ収集解析装置内に記憶され蓄積されるデータベース(以下DBという)の例を示す図である。
【0015】
次に動作を、図2〜図5を用いて説明する。
図2において、サイトに設置されたデータ収集伝達装置210は、ステップ602で、サイト内の諸設備の運転状態データを常時収集し保持している。収集して保持する運転状態データの例は、図3に示されるとおりである。収集される運転状態データに対応して、図3に示すように、予め上限値や下限値等の、正常範囲の限界を示す限界値が設定される。ステップ604では、図4に示すような重大な故障(以下、重故障という)の有無を判断し、さらに図3の収集データが重故障を示す限界値をオーバーしたか否かを判断する。重故障を検知した場合、ステップ606及び608に移行する。ステップ606において、当該サイトに設置されたデータ収集伝達装置210は、中央監視センター300に向けて重故障通知を送信する。この通知にはサイト番号等の最小限の情報が含まれている。この信号を送信するのと平行して、重故障が発生した設備を安全に停止させる(ステップ608)。なお、データ収集伝達装置210は、重故障を検知したあと一定期間(例えば5分間)、MGT設備の運転(停止)状況情報をスキャニングし続け、これを保持する。
【0016】
中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、重故障発生サイトのデータ収集伝達装置210からの重故障通知を受信する(ステップ610)と、すぐに警報装置を作動させることによって警報を鳴動させる(ステップ612)。そして、ディスプレイ装置306に、重故障があったことを示す重故障警告ウィンドウをポップアップさせる(ステップ614)。重故障警告ポップアップウィンドウには、最低限の情報(何サイトの何号機で故障が起こったのか等)が記載されており、監視員314が気付き、これを閉じるまで常に画面の最上面に表示しつづけられる。故障が複数設備で起こっている場合、最新の故障警告ウィンドウが最上面になる。
【0017】
次に、中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、重故障発生の通知を受信してから一定時間後(例えば10分後)に(ステップ616)、重故障発生サイトのデータ収集伝達装置210に通信系500を通じてアクセスし、重故障の生じた設備の故障前一定期間(例えば15分)と故障後一定期間(例えば5分)の運転状況データを収集し、異常信号の情報とその値及び収集した運転状況データを事故前後のトレンドとしてディスプレイ装置306に表示する(ステップ618)。故障警告ウィンドウが閉じられていない場合は、本画面が背面となる。
【0018】
そして、ステップ620において、自動DB照会として予めDBとして蓄積されている過去の故障履歴との照会を行うことによって類似故障を検索し、この結果を類似故障が検索された場合(ステップ622)には、ディスプレイ装置306に表示する(ステップ624)。類似故障の自動DB照会の際には、DBに登録されている故障情報の中で、異常信号の種類が全て一致し、また運転状況データの異常値がある程度のレベル(データの種類によって予め設定しておく。)で一致しているものを類似故障とみなす。類似故障が発見できなかった場合は、発見できなかった旨をポップアップする。類似故障が発見できた場合、図5に示すように、故障部位、詳細な故障対処法といった情報が一目でわかるようになっている。従来の設備の保守経験が豊富にあるので、ほとんどの重故障に対して図5のデータが蓄積されている。
【0019】
この検索結果の表示を見て、中央監視センター300の監視員314が故障対策を行う(ステップ626)。その後、MGT設備が正常状態に復帰したかを確認し(ステップ628)、確認できればステップ646に行き、確認できなければ、ステップ622に行く。
図5に示すとおり、DBには、詳細な故障情報とその故障に対する詳細な対応について記載されており、検索結果の表示によって、故障部位とその対策法(故障復旧方法、修理部品等)が一目でわかる。今までは重故障が発生すれば、当該設備に技術者を派遣し、この重故障の原因を特定した後、道具や交換機器を手配して、この設備の復旧にあたっていたが、この発明により故障部位とその対策法が一目でわかるため、故障サイトまで行く回数が大幅に減り、当該設備の復旧までの時間を大幅に減少させることが可能となる。
また、MGT設備100は、発電機、タービン、熱回収器といった機器が複合したシステムであり、今まではその故障部位を特定し、これに対応するためには、それぞれの分野の専門技術者(発電機の専門技術者、原動機の専門技術者、熱回収器の専門技術者等)が現場に行く必要性があったが、検索結果の表示を見ることによって故障部位が容易に特定でき、またその詳細な対策法がわかるため、専門技術者でなくとも故障の対応にあたることが可能となり、故障の対応に関わる人員を、大幅に削減(半分以下)することが可能となる。
なお、再起動等の、中央監視センター300からの遠隔操作のみで対応可能な場合は、故障した設備に行くことすら必要なく、故障した設備の復旧に関わる人員、かかる時間共に劇的に減少させることが可能となる。
なお、トレンドデータをみる(使用)ことにより、上記の検索結果の妥当性を裏付けることができ、確実な故障判断を行う効果がある。
【0020】
ステップ622において、類似故障が自動的に検索できなかった場合、監視員314が検索手法や検索キーワードを指定して、データ収集解析装置302を用いたDB検索を行う(ステップ630)。この際、故障信号番号による検索、故障履歴による検索、故障個所による検索等ができる。この検索の表示結果に従い、故障の対応にあたる。
ステップ632では、類似故障を検索し、類似故障がある場合にはステップ634で、類似故障情報を表示して、ステップ636で、故障対策を施し、ステップ638で、正常状態に復帰したのを確認し、正常状態でない場合には、ステップ630に行く。ステップ632で、類似故障がない場合には、ステップ640で、故障対策を検討する。次いで、ステップ642で、故障対策を施し、ステップ644で、正常状態に復帰したのを確認し、正常状態でない場合には、ステップ640に行く。
ステップ628、ステップ638またはステップ644で、機器が正常運転状態に戻り、収集データのすべてが正常値になったことを確認すると、故障発生サイトのデータ収集伝達装置210は、この旨を中央監視センター300に送信する。
ステップ646については、実施の形態2で説明する。
【0021】
実施の形態1によれば、広範囲に分散する多数のMGT設備を一箇所の中央監視センター監視するため、各設備の監視を非常に少人数で行うことができる。
また、故障情報をDB化しこれを自動的に検索して各故障の対処にあたることができるようになるため、現地に赴いて故障原因を調査し対応策を練る必要がなくなり、故障設備の復旧にかかる時間を大幅に短縮することができる。
また、MGT設備は様々な機器の集合体であるため、その故障原因の調査に必要であった、複数の各専門技術者の現場立会いが不必要となり、保守人員も大幅に削減できる。
さらにまた、以上のように保守人員が大幅に削減できるため、保守にかかる費用が大幅に軽減され、MGT設備を安価で利用することができるようになり、このようなクリーンなエネルギ供給装置のいっそうの普及が見込まれ、地球資源の浪費を低減できる。
【0022】
実施の形態2.
実施の形態2は、図2のステップ646のDB登録についてのものであり、図2及び図5を援用して説明する。
中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、故障発生サイトのデータ収集伝達装置210から、収集データがすべて正常値になったことを確認したという通知を受け取れば、DB登録動作を行う(ステップ646)。
【0023】
データ収集解析装置302は、故障発生から停止までにそのMGT設備100で起こった事象について、異常個所やトレンドの傾向評価を行い、これらに一つの故障管理IDを割り付けて、図5に示すような形式でDBに登録する。故障管理IDは、故障発生サイト、故障発生設備、故障発生日、故障発生時間、異常信号の種類等で細かく分類されたID番号であり、DB照会や故障復旧作業対策をスムーズに行うための番号である。
故障の対応にあたった監視員は、データ収集解析装置302がDBに登録したデータに加え、この復旧作業方法・対応方法を具体的にデータベースに記入する。場合によっては、故障の対策にあたった監視員や技術員が、その故障の故障管理IDを変えたり、独自のトレンドの傾向評価に変えたりすることもできる。
【0024】
実施の形態2によれば、これによって、DBの故障対応情報が拡充され、以降のDB照会での類似故障ヒット率が向上し、更なる対応の迅速化・スリム化が図られることになる。
【0025】
実施の形態3.
次に、実施の形態3について図6と図7をもとに説明する。
図6は、この発明の実施の形態3によるマイクロガスタービン設備の軽故障が発生した場合の故障発生から対応終了までの流れを示すフローチャートである。
図7は、この発明の実施の形態3によるマイクロガスタービン設備の軽故障の例を示す図である。
【0026】
各サイト200a〜200cに設置されたデータ収集伝達装置210は、前述の通り、ステップ702で、サイト内の諸設備の運転状態データを常時収集し、これを保持している。ステップ704において、この運転状況に軽微な故障(以下軽故障という)を検知した場合、ステップ706に移行する。ステップ706において、軽故障発生サイトに設置されたデータ収集伝達装置210は、中央監視センター300に向けて軽故障通知を送信する。この通知には、サイト番号や故障設備の番号等、最小限の情報が含まれている。この際、設備の運転は、継続され、データ収集伝達装置210も通常の動作をする。軽故障の例を図7に示す。
【0027】
中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、軽故障発生サイトのデータ収集伝達装置210から軽故障通知を受信すると(ステップ708)、すぐに警報装置310を作動させることによって、重故障時とは別の軽故障警報を鳴動させ(ステップ710)、ディスプレイ装置306に軽故障があったことを示す軽故障警告ウィンドウをポップアップさせる(ステップ712)。軽故障警告ポップアップウィンドウには、最低限の情報(何サイトの何号機で故障が起こったのか等)が記載されており、監視員314が気付き、これを閉じるまで常に画面の最上面に表示しつづけられる。ただし重故障ポップアップウィンドウがディスプレイ装置306に既に表示されている場合は、これが最上面になり、また軽故障が複数設備で起こっている場合、最新の軽故障警告ウィンドウが最上面になる。
【0028】
次に、中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、軽故障発生の通知を受信してから一定時間後(例えば2分後)に(ステップ714)、故障発生サイトのデータ収集伝達装置210に通信系500を通じてアクセスして、故障の生じた設備の事故前一定期間(例えば5分)と事故後一定期間(例えば2分間)の運転状況データを収集し、異常信号の情報とその値及び収集した運転状況データを故障前後トレンドとしてディスプレイ装置306に表示する(ステップ716)。故障警告ウィンドウが閉じられていない場合は、本画面が背面となる。そして、収集したデータをもとに、すでに述べたように自動DB照会を行い(ステップ718)、軽故障が重故障に繋がる恐れのあるものかどうか判断する(ステップ720)。
【0029】
軽故障が重故障に繋がる恐れのあるものであれば、正常状態に復帰したかどうかを確認し(ステプ724)、正常状態に復帰していない場合には、所定時間(例えば1時間)運転を継続させても(ステップ726)、機器が正常運転状態に戻らない場合、重故障モードに切り替える(ステップ728)。
【0030】
運転を継続させている間に機器が正常運転状態に戻った場合(ステップ724)、故障発生サイトのデータ収集伝達装置210が、収集データのすべてが正常値になったことを確認し、この旨を中央監視センター300に送信する。
中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、故障発生サイトのデータ収集伝達装置210から収集データがすべて正常値になったことを確認したという通知を受け取れば、故障発生から復旧までにその設備で起こった事象について、異常個所やトレンドの傾向評価を行い、これらに一つの故障管理IDを割り付けて、DBに登録し、運転継続が可能であるという情報も併せてDBに登録する(ステップ730)。当該軽故障のトレンド画面やポップアップウィンドウ等が閉じられていない場合は、これを閉じ、軽故障対応を完了する。
軽故障が重故障に繋がる恐れのあるものでない場合、運転を継続させ、先述のDB登録処理(ステップ730)を行う。
【0031】
実施の形態3によれば、以上のように、軽故障時の運転状況データを収集し、これをDBとして保持しておくことにより、各MGT設備の故障しやすい場所が把握でき、重大な故障を未然に防ぐことが可能となる。
また、フィルタの目詰まりなどが頻繁に起こる等の各MGT設備の癖がわかるため、的確な保守計画を立てられるようになる。的確な保守計画を立てることにより、保守人員の投入も計画的にできるため、保守人員の削減が容易となる。
【0032】
実施の形態4.
実施の形態4について図8と図9を用いて説明する。
図8は、この発明の実施の形態4によるマイクロガスタービン設備の燃料供給設備の概略を示す図である。
図8において、100はMGT設備、402は主燃料槽、404は主燃料槽燃料計、406は燃料サービスタンク、408は燃料サービスタンク燃料計、410は燃料くみ上げポンプであり、主燃料槽402〜燃料くみ上げポンプ410により燃料供給設備400が構成される。なお、これに加えて燃料サービスタンク406から主燃料槽402に余剰燃料を送るためのポンプを付けてもよい。主燃料槽燃料計404は、先述の多芯の通信線によりサイト内のデータ収集伝達装置210と繋がっており、燃料サービスタンク燃料計408は、各MGT設備100の制御装置120と繋がっている。
【0033】
図9は、この発明の実施の形態4によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの燃料補給までの流れを示すフローチャートである。
次に、図9を用いて、動作について説明する。
中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、一定時間(例えば1時間)毎に、通信装置304と通信系500を介して、各サイトのデータ収集伝達装置210にアクセスし、図3にあるような諸データを収集する。この際に各サイトの主燃料槽の燃料残量をディスプレイ装置306に表示する。この燃料残量を監視員が確認し(ステップ802)、燃料が十分にない場合(ステップ804)には、燃料供給車を手配し(ステップ806)、そのサイトの主燃料槽402に燃料を補給する(ステップ808)。
このように中央監視センター300で、各サイトの燃料を監視できるようになるため、燃料の補給が的確に行える。これまでは燃料残量を確認するためには誰かが各サイトまで行かなければならなかったが、これを中央監視センター300にて多数のサイトの燃料残量を数名の監視員で確認できるようになるため、労力が大変削減される。
【0034】
実施の形態4によれば、散在するMGT設備の燃料の監視を、一箇所で集中して行うことができるようになり、非常に広い地域にまたがってのMGT設備の設置が容易になり、その保守及び燃料の補給が容易になる。
このため、MGT設備を使った広範囲での電力・エネルギの小売事業を行うことが容易になる。
【0035】
実施の形態5.
次に、発明の実施の形態5について図10と図11をもとに説明する。
図10は、この発明の実施の形態5によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの燃料が少なくなってきた場合の諸装置の動作を示すフローチャートである。
図11は、この発明の実施の形態5によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの燃料残量が僅少となった場合の諸装置の動作を示すフローチャートである。
実施の形態5は、実施の形態4では燃料補給のタイミングに差が出たり、補給を忘れたりすることがあると考えられるため、この点を改良したものである。
【0036】
各サイトのデータ収集伝達装置210は、既に述べた通り、このサイト内に設置された機器の状態を示すデータを常時スキャニングしている。各サイトのデータ収集伝達装置210は、主燃料槽402の燃料残量が注意レベル(サイトによって予め決定しておく)まで低下すると、燃料残量注意通知を中央監視センター300に向けて送信する。この後中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、図10の動作を行う。
【0037】
図10では、中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、燃料残量注意通知を受信(ステップ820)すると、燃料残量注意ポップアップウィンドウをディスプレイ装置306に表示させ、同時に燃料残量注意の警報を鳴動させる(ステップ822)。これらを感知した監視員が、燃料補給の必要性が高い場合(ステップ824)には、燃料供給車を手配し(ステップ826)、当該サイトの主燃料槽に燃料を補給する(ステップ828)。
ステップ824で、燃料補給の必要性が高くない場合には、運転を継続する(ステップ830)。
【0038】
さらに主燃料槽402の燃料残量が少なくなり、警告レベル(これもサイトにより予め決めておく)に達すると、各サイトのデータ収集伝達装置210は、燃料残量警告通知を中央監視センター300に向けて送信する。この後中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、図11の動作を行う。
【0039】
図11では、中央監視センター300のデータ収集解析装置302は、燃料残量警告通知を受信すると(ステップ842)、燃料残量警告ポップアップウィンドウをディスプレイ装置306に表示させ、同時に燃料残量警告の警報を鳴動させる(844)。これと同時に通信系500を介して燃料供給車を自動的に手配し(846)、当該サイトの主燃料槽に燃料を補給する(ステップ848)。
なお、主燃料槽の急激な燃料残量レベル低下は、重故障扱いとし、燃料サービスタンクの燃料残量レベル低下は、軽故障扱いとしている。
【0040】
実施の形態5によれば、このように、燃料残量が注意レベルに低下すると軽故障を発生するので、燃料を予め供給手配することができる効果がある。
また、万一、軽故障時に手配した燃料補給が実施されなかった場合でも、燃料残量が警告レベルに達すると重故障を発生するとともに、燃料補給の自動手配を行うので、MGT設備の燃料切れを防止できる効果がある。
【0041】
実施の形態6.
実施の形態6について説明する。
上記のシステムでは、各設置サイトのMGT設備において、定期点検や作業しながらの試運転を行っているにも関わらず、中央監視センターからの命令によって設備がコントロールされる恐れがある。これを防ぐために、図12のような制御モードを切り替えることのできるフェイルセーフ機能を設ける。
【0042】
図12は、この発明の実施の形態6によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムのフェイルセーフ機能を示す図である。
図12に示されるように、制御モードは2組で計4つあり、センター・ローカルモード切り替えスイッチ900(第二のモード切り替えスイッチ)で切り替えられる、MGT設備を中央監視センターから遠隔制御するセンターモード902とMGT設備をローカルに制御するローカルモード904、及び通常・保守モード切り替えスイッチ910(第一のモード切り替えスイッチ)で切り替えられる、MGT設備を通常運転する通常モード912とMGT設備を保守する保守モード914である。
中央監視センターは、センター・ローカルモード切り替えスイッチ900の操作のみを行うことが可能であり、各設置サイトでは、通常・保守モード切り替えスイッチ910の操作のみを行うことが可能となっている。
【0043】
通常モードかつセンターモードのときにのみ、中央監視センターからの各設備の遠隔操作(設備運転、設備停止、設備再起動)が可能であり、これ以外のモードのときは全てサイト側での現場制御運転となる。
このように二重にモード切り替えを行うことにより、作業者が各サイトで作業する場合の安全性が非常に増大する。
【0044】
実施の形態6によれば、多重のモード切り替えによって中央監視センターでの遠隔制御機能を停止させることができるため、MGT設備現場で作業をする際の作業者の安全が高いレベルで確保できる。
【0045】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
複数のサイトにそれぞれ設置され、サイトのデータを収集する複数のデータ収集伝達装置と、この複数のデータ収集伝達装置と通信系を介して接続され、データ収集伝達装置から収集したデータに基づきサイトを監視する中央監視センターを備え、中央監視センターは、通信系を介して複数のデータ収集伝達装置とデータの送受信を行う通信装置と、この通信装置と送受信を行い、受信したデータを解析するデータ収集解析装置と、このデータ収集解析装置の解析結果を表示するディスプレイ装置によって構成されているので、広範囲に分散する複数のマイクロガスタービン設備を一箇所の中央監視センターで監視するため、各マイクロガスタービン設備の監視を非常に少人数で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの概略構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの動作を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態1によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの収集するデータの例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1によるマイクロガスタービン設備の重故障の例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの中央監視センター内のデータ収集解析装置内に記憶され蓄積されるデータベースの例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態3によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの軽故障が発生した場合の故障発生から対応終了までの流れを示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態3によるマイクロガスタービン設備の軽故障の例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態4によるマイクロガスタービン設備の燃料供給設備の概略を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態4によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの燃料補給までの流れを示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態5によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの燃料が少なくなってきた場合の諸装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態5によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムの燃料残量が僅少となった場合の諸装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態6によるマイクロガスタービン設備の遠隔制御システムのフェイルセーフ機能を示す図である。
【図13】従来のマイクロガスタービン設備を示す図である。
【符号の説明】
100 MGT設備、120 制御装置、200 MGT設置サイト、
210 データ収集伝達装置、300 中央監視センター、
302 データ収集解析装置、304 通信装置、
306 ディスプレイ装置、310 警報装置、400 燃料供給設備、
402 主燃料槽、404 主燃料槽燃料計、406 燃料サービスタンク、
408 燃料サービスタンク燃料計、410 燃料くみ上げポンプ、
500 通信系、900 センター・ローカルモード切り替えスイッチ、
910 通常・保守モード切り替えスイッチ。
Claims (10)
- 複数のマイクロガスタービン設備設置場所(以下サイトという)にそれぞれ設置され、上記サイトのデータを収集する複数のデータ収集伝達装置、この複数のデータ収集伝達装置と通信系を介して接続され、上記データ収集伝達装置から収集したデータに基づき上記サイトを監視する中央監視センターを備え、上記中央監視センターは、通信系を介して上記複数のデータ収集伝達装置とデータの送受信を行う通信装置と、この通信装置と送受信を行い、受信したデータを解析するデータ収集解析装置と、このデータ収集解析装置の解析結果を表示するディスプレイ装置によって構成されていることを特徴とするマイクロガスタービン設備の遠隔監視システム。
- 上記サイトで重大な故障が発生したときには、上記データ収集解析装置は、上記重大な故障の状況を上記ディスプレイ装置に表示することを特徴とする請求項1記載のマイクロガスタービン設備の遠隔監視システム。
- 上記サイトで軽微な故障が発生したときには、上記データ収集解析装置は、上記軽微な故障の状況を上記ディスプレイ装置に表示すると共に、上記軽微な故障が継続すれば重大な故障になる場合には、所定時間経過後に上記ディスプレイ装置に重大な故障の表示を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載のマイクロガスタービン設備の遠隔監視システム。
- 上記データ収集解析装置は、故障種別及び上記故障種別に対する故障対処方法を記憶したデータベースを有すると共に、上記故障発生時には、上記データベースを参照して故障種別と故障対処方法を上記ディスプレイ装置に表示することを特徴とする請求項2または請求項3記載のマイクロガスタービン設備の遠隔監視システム。
- 上記データ収集解析装置は、故障復旧時に、上記故障に関するデータを上記データベースに登録することを特徴とする請求項4記載のマイクロガスタービン設備の遠隔監視システム。
- 上記データ収集解析装置は、故障発生時には、故障の程度に応じてそれぞれ予め定められた上記故障発生前及び故障発生後の期間の収集データを上記ディスプレイ装置に表示することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか一項記載のマイクロガスタービン設備の遠隔監視システム。
- 上記データ収集解析装置が上記データ収集伝達装置から収集するデータには、サイトにおける主燃料槽の残量が含まれ、上記データ収集解析装置は、上記主燃料槽の残量を上記ディスプレイ装置に表示することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項記載のマイクロガスタービン設備の遠隔監視システム。
- 上記サイトにおける主燃料槽の残量が注意レベルに達した場合には、上記データ収集解析装置は、上記ディスプレイ装置に強制的に燃料残量注意表示を行うことを特徴とする請求項7記載のマイクロガスタービン設備の遠隔監視システム。
- 上記サイトにおける主燃料槽の残量が警告レベルに達した場合には、上記データ収集解析装置は、上記ディスプレイ装置に警告表示すると共に、上記主燃料槽に燃料を供給する燃料供給車を手配することを特徴とする請求項7または請求項8記載のマイクロガスタービン設備の遠隔監視システム。
- 上記マイクロガスタービン設備を保守する保守モードと上記マイクロガスタービン設備を通常運転する通常モードとを切換える第一のモード切り替えスイッチ、上記マイクロガスタービン設備を上記中央監視センターから遠隔制御するセンターモードと上記マイクロガスタービン設備をサイト側でローカルに制御するローカルモードとを切換える第二のモード切り替えスイッチを備え、上記第一のモード切り替えスイッチは、上記サイト側でのみ操作され、上記第二のモード切り替えスイッチは、上記中央監視センター側でのみ操作され、上記第一のモード切り替えスイッチ及び第二のモード切り替えスイッチにより、保守モードまたはローカルモードが選択されている場合には、上記中央監視センター及び上記データ収集伝達装置間の送受信が切断されることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項記載のマイクロガスタービン設備の遠隔監視システム。
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