JP2004107618A - 土壌改質剤およびアルカリ性土壌の改質方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルカリ性土壌の中和を、二次汚染を生じることがなく迅速に行なうことができ、しかも、簡易且つ安価な処理を可能とする土壌改質剤およびアルカリ性土壌の改質方法を提供すること。
【解決手段】糖類、油類、有機酸、有機性汚泥類、都市ゴミまたは有機性汚泥類を処理して得られたコンポストおよび乾燥汚泥からなる有機物群から選ばれるいずれかの有機物を少なくとも含有することを特徴とするアルカリ性土壌改質剤、およびアルカリ性土壌の改質方法。
【選択図】 なし
【解決手段】糖類、油類、有機酸、有機性汚泥類、都市ゴミまたは有機性汚泥類を処理して得られたコンポストおよび乾燥汚泥からなる有機物群から選ばれるいずれかの有機物を少なくとも含有することを特徴とするアルカリ性土壌改質剤、およびアルカリ性土壌の改質方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土壌改質剤およびアルカリ性土壌の改質方法に関し、さらに詳しくは微生物の生命活動を利用してアルカリ性土壌を、二次汚染を生じることなく、しかも安価に中和できる土壌改質剤およびアルカリ性土壌の改質方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、土壌のpHが自然界に与える悪影響として、植物の発育不良や重金属の溶出などが知られている。特に、アルカリ性土壌は固く乾燥しており、植物が生育し難いという植生への影響や、土壌中の鉛やヒ素などの安全性に問題のある重金属の溶出を誘発し易くするという問題がある。アルカリ性土壌は乾燥地に多くみられるが、このような自然由来の土壌のみならず、セメントなどのアルカリ系材料が使用されていた場所の土壌や、近年、揮発性有機化合物によって汚染された土壌に生石灰を混合し、生石灰と水分との反応熱を利用して、揮発性有機化合物を蒸発除去する方法(ホットソイル法)で処理された土壌など、人工的な処理に由来してアルカリ性土壌となっている場合もある。
【0003】
これに対して、アルカリ性土壌を中和する手法としては、塩酸や硫酸などに代表される酸による薬剤中和や、アルカリ性土壌に硫黄を添加する方法が知られている。しかし、薬剤によって土壌pHを適性に安定化させることは比較的困難であり、添加量が多過ぎると土壌が酸性化してしまい、同時に使用薬剤が強酸の場合は、作業安全上の問題も生じる。一方、土壌に硫黄を添加する方法では、土壌中に生息する硫黄酸化細菌の働きにより硫黄が酸化して硫酸に変換され、これによって土壌のpH値を下げているが、pH低下の効果は緩慢で、その効果が現われる迄には長期間を要するという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、アルカリ性土壌の中和を、二次汚染を生じることがなく迅速に行なうことができ、しかも、簡易かつ安価な処理を可能とする土壌改質剤およびアルカリ性土壌の改質方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は下記の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、糖類、油類、有機酸、有機性汚泥類、都市ゴミまたは有機性汚泥類を処理して得られたコンポストおよび乾燥汚泥からなる有機物群から選ばれるいずれかの有機物を少なくとも含有することを特徴とするアルカリ性土壌改質剤を提供する。
上記本発明の土壌改質剤においては、前記有機物に対して質量基準で、1〜100%の硫黄を含むこと:前記有機物が、余剰汚泥を水分含有量が30質量%以下になるように乾燥して得られた乾燥汚泥であることが好ましい。
【0006】
また、本発明は、前記の土壌改質剤を、アルカリ性土壌に添加混合し、該混合物中に空気を供給することを特徴とするアルカリ性土壌の改質方法を提供する。上記本発明のアルカリ性土壌の改質方法においては、空気の導入を、周囲が通気性である空気導入管を被改質土壌中に設置して行うことが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決するために鋭意検討の結果、強酸である塩酸や硫酸などの薬剤を使用することなく、微生物の生命活動を利用することによりアルカリ性土壌を改質し、有効に活用できる土壌環境を実現できる土壌改質剤を見い出して本発明に至った。
【0008】
すなわち、本発明者らは、土壌中における微生物が生産する二酸化炭素、有機酸、硫酸などが、アルカリ性土壌を有効に中和し、農業などに有効に活用できる土壌環境を実現する可能性について検討を加えた結果、微生物の生命活動に利用可能な有機物をアルカリ性土壌に添加混合するという極めて単純な方法で、添加後短期間に急速な土壌のpHが低下し、アルカリ性土壌を中性付近に中和できることを見い出した。
【0009】
さらに上記した有機物に硫黄を併用させると、そのアルカリ中和効果はより著しく、従来、農業分野において行なわれていたアルカリ性土壌に硫黄を単独で添加した場合と比較して、その効果の発現がより速やかであり、アルカリ性土壌に対するより急速なpH低下の効果が得られ、かつ有機物を単独に使用した場合と比較してpH低下率も大きく、その効果の持続性が向上することを見い出した。
【0010】
さらに本発明者らは、上記本発明の土壌改質剤の使用に際し、該改質剤を添加混合した土壌中に積極的に空気を供給することにより、土壌中の微生物の生命活動がより一層活性化され、アルカリ性土壌の改質がさらに効率よく行われることを見出した。この空気の供給は、混合土壌の切り返しなどの如く多くの労働力を必要とせずに、混合土壌に空気導入管を単に設置するのみで有効であることを見出した。
【0011】
本発明の土壌改質剤は、糖類、油類、有機酸、有機性汚泥類、都市ゴミまたは有機性汚泥類を処理して得られたコンポストおよび乾燥汚泥からなる有機物群から選ばれるいずれかの有機物を少なくとも含有することを特徴とする。本発明者らの検討によれば、これらの有機物は、微生物の生命活動に利用可能なものであるため、本発明の土壌改質剤をアルカリ性土壌に添加混合すると、土壌中の微生物の増殖が促進され、これによって微生物が生産する二酸化炭素、有機酸などの量が増え、アルカリ性土壌の中和が促進されることがわかった。この手法は簡便で安価であるが、後述するように、未処理の土壌に対しては勿論のこと、従来より行なわれている硫黄を添加した場合と比較しても、添加後、短期間でアルカリ性土壌のpHが急速に低下し、上記有機物と硫黄とを併用した場合には、さらにアルカリ性土壌の著しいpH低下効果が得られることがわかった。
【0012】
本発明の土壌改質剤を構成する有機物は、本来、微生物が生命活動に利用可能なものであればいずれであってもよいが、本発明者らの検討によれば、特に、糖類、油類、有機酸、有機性汚泥類や、都市ゴミまたは有機性汚泥類を処理して得られたコンポストおよび乾燥汚泥などから選択されるいずれかの有機物を使用した場合に良好な結果が得られることがわかった。ここで、有機性汚泥類としては、活性汚泥法による下水汚泥や工場排水汚泥などから得られる余剰汚泥が有用である。
【0013】
さらに、本発明者らの検討によれば、上記の有機物の中でも、特に乾燥汚泥を使用することが好適であることがわかった。乾燥汚泥としては、含水率が30質量%以下のものであれば、いずれの方法で得られたものであってもよいが、例えば、有機性排水処理を行なった場合に排出される余剰汚泥を、含水率が30質量%以下になるまで乾燥させた乾燥汚泥を使用することで、有効な結果が得られる。乾燥汚泥を得る方法としては、例えば、余剰汚泥を20℃以上の温度で除湿乾燥する方法、50℃以上の温度で、高温乾燥、高温真空乾燥、高温熱風乾燥する方法、その他、常温乾燥、天日乾燥、凍結乾燥などが挙げられる。
【0014】
本発明の土壌改質剤は、上記の有機物を少なくとも含有することを特徴とするが、さらに硫黄が含まれていてもよい。硫黄の含有量としては、有機物に対して質量基準で1〜100%、さらには1〜50%であることが好ましい。
【0015】
さらに、本発明の土壌改質剤は、上記した成分の他に、処理の安定性や速度をより高める目的で、別に培養した有用な微生物を添加してもよい。また、使用する有機物中に、微生物の栄養源が不足している場合には、さらに炭素源、窒素源、および燐源の少なくともいずれかを添加してもよい。この場合には、土壌に添加した際に、微生物の生育にとってより好適な土壌環境が実現できるように、添加物の種類および添加量などを適宜に調整することが好ましい。
【0016】
上記のような成分を含有してなる本発明の土壌改質剤を使用する場合には、土壌のアルカリ性の程度によっても異なるが、アルカリ性土壌に対して質量基準で1〜20%程度の範囲で使用することが好ましい。
【0017】
本発明のアルカリ性土壌の改質方法は、以上の本発明の土壌改質剤を用いてアルカリ性土壌を改質する際に、土壌と改質剤との混合物中に積極的に空気(すなわち酸素)を供給し、土壌中の好気性細菌の増殖を図り、土壌の改質速度を向上させることを特徴としている。1例を図2を参照して説明する。
【0018】
図2の符号21は、アルカリ性土壌となっている土地の所望箇所を掘り出して、前記本発明の土壌改質剤を所定の割合で均一に添加混合した後埋戻した領域を示している。本発明では、この領域に空気を供給するが、好ましい供給方法は、上記領域に周囲が通気性である空気導入管22を差し込む方法である。空気導入管22は空気を土壌中に効率よく供給できる限り、如何なる形状でも、材質でもよいが、一般的には繰り返し使用が可能である耐久性に優れた合成樹脂製の空気導入管が好適である。
【0019】
空気導入管は、図3にその1例の一部を示す如く、周囲が通気性である筒状の構造が好ましい。このような空気導入管22は、その内径や改質土壌量などの条件によって一概には決められないが、例えば、改質対象土地の改質深さHと同程度の長さであって、その長さの70〜95%程度が土壌中に挿入できることが好ましい。図3に示す例は、後の実施例で使用した空気導入管の1例である。すなわち、この空気導入管22は、塩化ビニル樹脂製のスパイラル状支持体31の内面に多数の通気孔を有する円筒状のフイルム、織布、不織布などの通気性素材32を内張りしたものであって、土塊が内部には入らず、空気若しくは水と空気が土壌中に効率的に拡散するようにしたものである。図示の例は1例であり、その他多数の通気孔を有する合成樹脂製の円筒などであってもよい。
【0020】
また、空気導入管22の設置ピッチは、被処理土壌のpHにもよるが、30〜100cm程度が好適である。設置ピッチが30cm未満では、改質効率は良好であるものの、導入管の必要本数が多く、また、作業量も多いことから経済的ではない。また、設置ピッチが100cmを超えると、土壌中への空気の供給量が不十分であり、土壌の改質速度が満足できる程度には向上しない。なお、以上の空気導入管は、土壌が乾燥している場合には、土壌中に水分を供給する水分供給管としても使用することができる。
【0021】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。表1に実施例および比較例で行なったアルカリ性土壌の改質試験条件を纏めて示した。
【0022】
<実施例1>
先ず、黒土に水酸化カルシウムを所定の割合で混合し、pH12以上の模擬アルカリ性土壌を作成した。この作成したアルカリ性土壌の225gをポット(小鉢)に入れた。さらに、このポットに下記のようにして得た乾燥汚泥を20g添加し、均一になるように混合した。上記で使用した乾燥汚泥としては、有機性排水処理設備から得られた余剰汚泥を熱風(入温度700℃、出温度200℃)で20分間処理し、含水率が20質量%になるまで乾燥させたものを用いた。
【0023】
さらにこのポットを温度25〜28℃で土壌水分を20質量%以上に保った状態に置き、90日間、流出水のpH変化を調べた。その際、10日毎にポットに100mlの水をかけて、ポット下部からの流出水のpHを測定した。得られた結果を図1にグラフ化して示した。この結果、図1に示したように、30日経過後から顕著なpHの低下が起こることが確認できた。
【0024】
<実施例2>
実施例1で使用したと同様のアルカリ性土壌225gに乾燥汚泥20gを入れたポットに、さらに硫黄粉末(和光純薬工業株式会社製)を10g添加し、均一になるように混合して試験用試料とした。実施例1と同様の条件および方法で、流出水のpHの変化を測定し、得られた結果を図1に示した。この結果、図1に示したように、30日経過前から顕著なpHの低下が起こり、さらに50日を経過した後は、アルカリ性土壌であると定義されている8.5のpH値を下回り、ほぼ中性の土壌に変化していることが確認できた。
【0025】
<比較例1>
実施例1で使用したと同様のpH12以上のアルカリ性土壌225gを入れたポットについて、実施例1と同様の条件および方法で流出水のpHの変化を測定した。そして、得られた結果を図1に示した。この結果、図1に示したように、20日経過後から漸次pHの低下が見られたが、90日を経過した後でも、pHは11前後であった。
【0026】
<比較例2>
実施例1で使用したと同様のpH12以上のアルカリ性土壌225gを入れ、さらに実施例2で使用したと同様の硫黄粉末を10g添加し、均一になるように混合し、試験用試料とした。このポットについて、実施例1と同様の条件および方法で流出水のpHの変化を測定した。そして、得られた結果を図1に示した。この結果、図1に示したように、20日経過後から漸次pHの低下が見られたが、硫黄を添加していない比較例1の未処理の土壌の場合と大差なく、90日を経過した後でも、比較例1の場合と同様にpHは11前後であった。
【0027】
【0028】
<実施例3>
製飴工場の廃水処理設備から生じた余剰汚泥とフスマとを質量比で3:1.8の割合で混合した後、ある程度の水分を蒸発させた後、造粒機により直径5mm、長さ10mmの円柱状ペレットに成形し、さらに水分10質量%まで乾燥させ、本発明の土壌改質剤とした。
【0029】
屋外の土壌(1試験区50cm×50cm×50cm、200kg)を掘り起こし、これに水酸化カルシウムを所定の割合で混合し、水分30質量%、pH12以上の模擬アルカリ性土壌を作製した。下記表2の試験区を設定し、上記の土壌改質剤を表2に記載の割合で添加(試験区1は無添加)し、均一になるように混合後、埋戻した。なお、試験区3では空気導入管を4隅に、上方10cmを土壌表面に露出させて設置した。この空気導入管は図3に示す如き構造であって、長さ55cm、内径5cmであり、塩化ビニル樹脂製のスパイラル構造物の内面に円筒状(ホース状)多孔質フイルムを内張りしたものである。
【0030】
【0031】
上記の各試験区の土壌を経時的(平成14年11月29日〜平成15年5月19日、171日間)に20g採取し、これを純水100mlに添加混合し、混合物のpHを測定し、下記表3に示す結果を得た。
【0032】
上記表3に示すように空気導入管を設置した試験区3においては、95日目以降に顕著なpHの低下が起こり、133日目ではアルカリ性土壌であると定義されている8.5のpH値を下回った。試験期間は冬季であったにも拘らず、試験区3においては顕著なpHの低下が確認され、本発明の方法が有効であることが確認された。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、アルカリ性土壌の中和を、二次汚染を生じることがなく、簡易かつ安価な処理で、しかも迅速に行なうことができる土壌改質剤およびアルカリ性土壌の改質方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2および比較例1、2で行なったアルカリ性土壌の改質試験におけるpH変化を示すグラフ。
【図2】本発明のアルカリ性土壌の改質方法を図解的に説明する図。
【図3】本発明で使用した空気導入管の1例を説明する図。
【符号の説明】
21:被処理土壌
22:空気導入管
31:スパイラル状支持体
32:多孔質フィルム
【発明の属する技術分野】
本発明は、土壌改質剤およびアルカリ性土壌の改質方法に関し、さらに詳しくは微生物の生命活動を利用してアルカリ性土壌を、二次汚染を生じることなく、しかも安価に中和できる土壌改質剤およびアルカリ性土壌の改質方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、土壌のpHが自然界に与える悪影響として、植物の発育不良や重金属の溶出などが知られている。特に、アルカリ性土壌は固く乾燥しており、植物が生育し難いという植生への影響や、土壌中の鉛やヒ素などの安全性に問題のある重金属の溶出を誘発し易くするという問題がある。アルカリ性土壌は乾燥地に多くみられるが、このような自然由来の土壌のみならず、セメントなどのアルカリ系材料が使用されていた場所の土壌や、近年、揮発性有機化合物によって汚染された土壌に生石灰を混合し、生石灰と水分との反応熱を利用して、揮発性有機化合物を蒸発除去する方法(ホットソイル法)で処理された土壌など、人工的な処理に由来してアルカリ性土壌となっている場合もある。
【0003】
これに対して、アルカリ性土壌を中和する手法としては、塩酸や硫酸などに代表される酸による薬剤中和や、アルカリ性土壌に硫黄を添加する方法が知られている。しかし、薬剤によって土壌pHを適性に安定化させることは比較的困難であり、添加量が多過ぎると土壌が酸性化してしまい、同時に使用薬剤が強酸の場合は、作業安全上の問題も生じる。一方、土壌に硫黄を添加する方法では、土壌中に生息する硫黄酸化細菌の働きにより硫黄が酸化して硫酸に変換され、これによって土壌のpH値を下げているが、pH低下の効果は緩慢で、その効果が現われる迄には長期間を要するという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、アルカリ性土壌の中和を、二次汚染を生じることがなく迅速に行なうことができ、しかも、簡易かつ安価な処理を可能とする土壌改質剤およびアルカリ性土壌の改質方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は下記の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、糖類、油類、有機酸、有機性汚泥類、都市ゴミまたは有機性汚泥類を処理して得られたコンポストおよび乾燥汚泥からなる有機物群から選ばれるいずれかの有機物を少なくとも含有することを特徴とするアルカリ性土壌改質剤を提供する。
上記本発明の土壌改質剤においては、前記有機物に対して質量基準で、1〜100%の硫黄を含むこと:前記有機物が、余剰汚泥を水分含有量が30質量%以下になるように乾燥して得られた乾燥汚泥であることが好ましい。
【0006】
また、本発明は、前記の土壌改質剤を、アルカリ性土壌に添加混合し、該混合物中に空気を供給することを特徴とするアルカリ性土壌の改質方法を提供する。上記本発明のアルカリ性土壌の改質方法においては、空気の導入を、周囲が通気性である空気導入管を被改質土壌中に設置して行うことが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決するために鋭意検討の結果、強酸である塩酸や硫酸などの薬剤を使用することなく、微生物の生命活動を利用することによりアルカリ性土壌を改質し、有効に活用できる土壌環境を実現できる土壌改質剤を見い出して本発明に至った。
【0008】
すなわち、本発明者らは、土壌中における微生物が生産する二酸化炭素、有機酸、硫酸などが、アルカリ性土壌を有効に中和し、農業などに有効に活用できる土壌環境を実現する可能性について検討を加えた結果、微生物の生命活動に利用可能な有機物をアルカリ性土壌に添加混合するという極めて単純な方法で、添加後短期間に急速な土壌のpHが低下し、アルカリ性土壌を中性付近に中和できることを見い出した。
【0009】
さらに上記した有機物に硫黄を併用させると、そのアルカリ中和効果はより著しく、従来、農業分野において行なわれていたアルカリ性土壌に硫黄を単独で添加した場合と比較して、その効果の発現がより速やかであり、アルカリ性土壌に対するより急速なpH低下の効果が得られ、かつ有機物を単独に使用した場合と比較してpH低下率も大きく、その効果の持続性が向上することを見い出した。
【0010】
さらに本発明者らは、上記本発明の土壌改質剤の使用に際し、該改質剤を添加混合した土壌中に積極的に空気を供給することにより、土壌中の微生物の生命活動がより一層活性化され、アルカリ性土壌の改質がさらに効率よく行われることを見出した。この空気の供給は、混合土壌の切り返しなどの如く多くの労働力を必要とせずに、混合土壌に空気導入管を単に設置するのみで有効であることを見出した。
【0011】
本発明の土壌改質剤は、糖類、油類、有機酸、有機性汚泥類、都市ゴミまたは有機性汚泥類を処理して得られたコンポストおよび乾燥汚泥からなる有機物群から選ばれるいずれかの有機物を少なくとも含有することを特徴とする。本発明者らの検討によれば、これらの有機物は、微生物の生命活動に利用可能なものであるため、本発明の土壌改質剤をアルカリ性土壌に添加混合すると、土壌中の微生物の増殖が促進され、これによって微生物が生産する二酸化炭素、有機酸などの量が増え、アルカリ性土壌の中和が促進されることがわかった。この手法は簡便で安価であるが、後述するように、未処理の土壌に対しては勿論のこと、従来より行なわれている硫黄を添加した場合と比較しても、添加後、短期間でアルカリ性土壌のpHが急速に低下し、上記有機物と硫黄とを併用した場合には、さらにアルカリ性土壌の著しいpH低下効果が得られることがわかった。
【0012】
本発明の土壌改質剤を構成する有機物は、本来、微生物が生命活動に利用可能なものであればいずれであってもよいが、本発明者らの検討によれば、特に、糖類、油類、有機酸、有機性汚泥類や、都市ゴミまたは有機性汚泥類を処理して得られたコンポストおよび乾燥汚泥などから選択されるいずれかの有機物を使用した場合に良好な結果が得られることがわかった。ここで、有機性汚泥類としては、活性汚泥法による下水汚泥や工場排水汚泥などから得られる余剰汚泥が有用である。
【0013】
さらに、本発明者らの検討によれば、上記の有機物の中でも、特に乾燥汚泥を使用することが好適であることがわかった。乾燥汚泥としては、含水率が30質量%以下のものであれば、いずれの方法で得られたものであってもよいが、例えば、有機性排水処理を行なった場合に排出される余剰汚泥を、含水率が30質量%以下になるまで乾燥させた乾燥汚泥を使用することで、有効な結果が得られる。乾燥汚泥を得る方法としては、例えば、余剰汚泥を20℃以上の温度で除湿乾燥する方法、50℃以上の温度で、高温乾燥、高温真空乾燥、高温熱風乾燥する方法、その他、常温乾燥、天日乾燥、凍結乾燥などが挙げられる。
【0014】
本発明の土壌改質剤は、上記の有機物を少なくとも含有することを特徴とするが、さらに硫黄が含まれていてもよい。硫黄の含有量としては、有機物に対して質量基準で1〜100%、さらには1〜50%であることが好ましい。
【0015】
さらに、本発明の土壌改質剤は、上記した成分の他に、処理の安定性や速度をより高める目的で、別に培養した有用な微生物を添加してもよい。また、使用する有機物中に、微生物の栄養源が不足している場合には、さらに炭素源、窒素源、および燐源の少なくともいずれかを添加してもよい。この場合には、土壌に添加した際に、微生物の生育にとってより好適な土壌環境が実現できるように、添加物の種類および添加量などを適宜に調整することが好ましい。
【0016】
上記のような成分を含有してなる本発明の土壌改質剤を使用する場合には、土壌のアルカリ性の程度によっても異なるが、アルカリ性土壌に対して質量基準で1〜20%程度の範囲で使用することが好ましい。
【0017】
本発明のアルカリ性土壌の改質方法は、以上の本発明の土壌改質剤を用いてアルカリ性土壌を改質する際に、土壌と改質剤との混合物中に積極的に空気(すなわち酸素)を供給し、土壌中の好気性細菌の増殖を図り、土壌の改質速度を向上させることを特徴としている。1例を図2を参照して説明する。
【0018】
図2の符号21は、アルカリ性土壌となっている土地の所望箇所を掘り出して、前記本発明の土壌改質剤を所定の割合で均一に添加混合した後埋戻した領域を示している。本発明では、この領域に空気を供給するが、好ましい供給方法は、上記領域に周囲が通気性である空気導入管22を差し込む方法である。空気導入管22は空気を土壌中に効率よく供給できる限り、如何なる形状でも、材質でもよいが、一般的には繰り返し使用が可能である耐久性に優れた合成樹脂製の空気導入管が好適である。
【0019】
空気導入管は、図3にその1例の一部を示す如く、周囲が通気性である筒状の構造が好ましい。このような空気導入管22は、その内径や改質土壌量などの条件によって一概には決められないが、例えば、改質対象土地の改質深さHと同程度の長さであって、その長さの70〜95%程度が土壌中に挿入できることが好ましい。図3に示す例は、後の実施例で使用した空気導入管の1例である。すなわち、この空気導入管22は、塩化ビニル樹脂製のスパイラル状支持体31の内面に多数の通気孔を有する円筒状のフイルム、織布、不織布などの通気性素材32を内張りしたものであって、土塊が内部には入らず、空気若しくは水と空気が土壌中に効率的に拡散するようにしたものである。図示の例は1例であり、その他多数の通気孔を有する合成樹脂製の円筒などであってもよい。
【0020】
また、空気導入管22の設置ピッチは、被処理土壌のpHにもよるが、30〜100cm程度が好適である。設置ピッチが30cm未満では、改質効率は良好であるものの、導入管の必要本数が多く、また、作業量も多いことから経済的ではない。また、設置ピッチが100cmを超えると、土壌中への空気の供給量が不十分であり、土壌の改質速度が満足できる程度には向上しない。なお、以上の空気導入管は、土壌が乾燥している場合には、土壌中に水分を供給する水分供給管としても使用することができる。
【0021】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。表1に実施例および比較例で行なったアルカリ性土壌の改質試験条件を纏めて示した。
【0022】
<実施例1>
先ず、黒土に水酸化カルシウムを所定の割合で混合し、pH12以上の模擬アルカリ性土壌を作成した。この作成したアルカリ性土壌の225gをポット(小鉢)に入れた。さらに、このポットに下記のようにして得た乾燥汚泥を20g添加し、均一になるように混合した。上記で使用した乾燥汚泥としては、有機性排水処理設備から得られた余剰汚泥を熱風(入温度700℃、出温度200℃)で20分間処理し、含水率が20質量%になるまで乾燥させたものを用いた。
【0023】
さらにこのポットを温度25〜28℃で土壌水分を20質量%以上に保った状態に置き、90日間、流出水のpH変化を調べた。その際、10日毎にポットに100mlの水をかけて、ポット下部からの流出水のpHを測定した。得られた結果を図1にグラフ化して示した。この結果、図1に示したように、30日経過後から顕著なpHの低下が起こることが確認できた。
【0024】
<実施例2>
実施例1で使用したと同様のアルカリ性土壌225gに乾燥汚泥20gを入れたポットに、さらに硫黄粉末(和光純薬工業株式会社製)を10g添加し、均一になるように混合して試験用試料とした。実施例1と同様の条件および方法で、流出水のpHの変化を測定し、得られた結果を図1に示した。この結果、図1に示したように、30日経過前から顕著なpHの低下が起こり、さらに50日を経過した後は、アルカリ性土壌であると定義されている8.5のpH値を下回り、ほぼ中性の土壌に変化していることが確認できた。
【0025】
<比較例1>
実施例1で使用したと同様のpH12以上のアルカリ性土壌225gを入れたポットについて、実施例1と同様の条件および方法で流出水のpHの変化を測定した。そして、得られた結果を図1に示した。この結果、図1に示したように、20日経過後から漸次pHの低下が見られたが、90日を経過した後でも、pHは11前後であった。
【0026】
<比較例2>
実施例1で使用したと同様のpH12以上のアルカリ性土壌225gを入れ、さらに実施例2で使用したと同様の硫黄粉末を10g添加し、均一になるように混合し、試験用試料とした。このポットについて、実施例1と同様の条件および方法で流出水のpHの変化を測定した。そして、得られた結果を図1に示した。この結果、図1に示したように、20日経過後から漸次pHの低下が見られたが、硫黄を添加していない比較例1の未処理の土壌の場合と大差なく、90日を経過した後でも、比較例1の場合と同様にpHは11前後であった。
【0027】
【0028】
<実施例3>
製飴工場の廃水処理設備から生じた余剰汚泥とフスマとを質量比で3:1.8の割合で混合した後、ある程度の水分を蒸発させた後、造粒機により直径5mm、長さ10mmの円柱状ペレットに成形し、さらに水分10質量%まで乾燥させ、本発明の土壌改質剤とした。
【0029】
屋外の土壌(1試験区50cm×50cm×50cm、200kg)を掘り起こし、これに水酸化カルシウムを所定の割合で混合し、水分30質量%、pH12以上の模擬アルカリ性土壌を作製した。下記表2の試験区を設定し、上記の土壌改質剤を表2に記載の割合で添加(試験区1は無添加)し、均一になるように混合後、埋戻した。なお、試験区3では空気導入管を4隅に、上方10cmを土壌表面に露出させて設置した。この空気導入管は図3に示す如き構造であって、長さ55cm、内径5cmであり、塩化ビニル樹脂製のスパイラル構造物の内面に円筒状(ホース状)多孔質フイルムを内張りしたものである。
【0030】
【0031】
上記の各試験区の土壌を経時的(平成14年11月29日〜平成15年5月19日、171日間)に20g採取し、これを純水100mlに添加混合し、混合物のpHを測定し、下記表3に示す結果を得た。
【0032】
上記表3に示すように空気導入管を設置した試験区3においては、95日目以降に顕著なpHの低下が起こり、133日目ではアルカリ性土壌であると定義されている8.5のpH値を下回った。試験期間は冬季であったにも拘らず、試験区3においては顕著なpHの低下が確認され、本発明の方法が有効であることが確認された。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、アルカリ性土壌の中和を、二次汚染を生じることがなく、簡易かつ安価な処理で、しかも迅速に行なうことができる土壌改質剤およびアルカリ性土壌の改質方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2および比較例1、2で行なったアルカリ性土壌の改質試験におけるpH変化を示すグラフ。
【図2】本発明のアルカリ性土壌の改質方法を図解的に説明する図。
【図3】本発明で使用した空気導入管の1例を説明する図。
【符号の説明】
21:被処理土壌
22:空気導入管
31:スパイラル状支持体
32:多孔質フィルム
Claims (5)
- 糖類、油類、有機酸、有機性汚泥類、都市ゴミまたは有機性汚泥類を処理して得られたコンポストおよび乾燥汚泥からなる有機物群から選ばれるいずれかの有機物を少なくとも含有することを特徴とするアルカリ性土壌改質剤。
- 前記有機物に対して質量基準で、1〜100%の硫黄を含む請求項1に記載のアルカリ性土壌改質剤。
- 前記有機物が、余剰汚泥を水分含有量が30質量%以下になるように乾燥して得られた乾燥汚泥である請求項1または2に記載のアルカリ性土壌改質剤。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の土壌改質剤を、アルカリ性土壌に添加混合し、該混合物中に空気を供給することを特徴とするアルカリ性土壌の改質方法。
- 空気の導入を、周囲が通気性である空気導入管を被改質土壌中に設置して行う請求項1に記載のアルカリ性土壌の改質方法。
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JP2003136208A JP2004107618A (ja) | 2002-07-25 | 2003-05-14 | 土壌改質剤およびアルカリ性土壌の改質方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8007558B2 (en) | 2006-06-13 | 2011-08-30 | Maxeco Organo-Mineral (Canada) Inc. | Organo-mineral soil amendment |
RU2713649C2 (ru) * | 2016-05-06 | 2020-02-06 | Общество с ограниченной ответственностью "АКТИВ" | Способ переработки жидких углеводородных шламов |
-
2003
- 2003-05-14 JP JP2003136208A patent/JP2004107618A/ja active Pending
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