JP3789745B2 - アルカリ土壌の中和剤及び中和方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカリ土壌等の中和剤及び中和方法に関する。さらに詳しくは、例えば、建築現場において地盤安定化処理を施すこと等によりアルカリ化した土壌等に対し、緑化資材として有効に活用するために使用される、アルカリ土壌等の中和剤及び中和方法に関する。なお、本発明でいう「アルカリ土壌等」には、上記アルカリ化した土壌の他、土木現場の掘削に伴うアルカリ性汚泥、及び工業的に排出されるアルカリ性廃棄物をも含むものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築現場や大規模開発地域では、耐震性向上のため地盤安定化処理を実施することが多く、その際には水酸化カルシウムや炭酸カルシウムを含むセメント系の固化材が施用されている。その結果、これらの地盤はpH9〜11という通常自然界には存在しないような高いpHを示し、そのままの状態で植栽しても植物の生育が阻害されたり枯損したりする等、緑化する際の障害になっていた。
【0003】
上記アルカリ土壌に植栽しようとする場合、一般には、アルカリ性の表土を鋤き取り、その場所に新たな良質土壌を客土して対応している。しかし、鋤き取ったアルカリ性の表土は埋め立て処分されるが、近年ではその処分地の確保が困難な状況にあり、また、必要な客土を得るために森林が切り崩される等、環境破壊の問題もあった。
【0004】
また、土木現場での掘削に伴うアルカリ性汚泥についても、従来はそのままアルカリ性廃棄物として遮蔽型の埋め立て地に処分されていた。さらに、様々な工業分野から排泄される残渣の多くは、凝集、沈殿、固化を目的として処理されているが、この処理に石灰系資材を用いた場合には、pH値が高くなってアルカリ化してしまい、処理物の再利用を妨げる一因となっていた。
【0005】
このような状況の中、地盤安定化処理後のアルカリ土壌に対し、緑化を目的として、希硫酸の散布による中和が試みられた。しかし、多量に要する硫酸と水との混合の危険性や、希硫酸の飛散による周囲の人間や動植物への影響が大きいため実用化には至っていない。また、硫酸によるアルカリ土壌・汚泥の中和作用は一時的なpHの下降にとどまり、数日から数十日でpHは再上昇してしまう。これは、汚泥や土壌に散布できる希硫酸の量に限界があり、セメント系資材に含まれる水酸化カルシウム量を中和させるだけのポテンシャルに達しないことに起因している。ポテンシャルを高めるために硫酸濃度を上げると、急激な化学反応を起こし水素ガスが発生する危険が生じる。また、多量の硫酸を供すると土壌中の電気伝導度が上昇して植物の生育限界を超え、緑化目的に有効利用することが困難となる。
【0006】
これに対し本発明者は、特開2000−119651号公報において、アルカリ土壌を緑化に適したpHに矯正するため、硫酸第一鉄により中和する方法を提案している。この発明によれば、硫酸第一鉄は、非常に安価に入手でき、安全性も高いという利点を有している。しかし、硫酸第一鉄のみでpHを十分に下げようとしても電気伝導度が高くなってしまう欠点があり、改良の余地を残していた。
【0007】
一方、アルカリ土壌を中和する別の方法として、イオウを施用する方法が比較的古くから知られている。その中和メカニズムは、土壌中のイオウ酸化細菌群により無機イオウが微生物的酸化を受け最終的に硫酸を生成し、これが周囲の土壌pHを下降させるものである。しかし、これらイオウ酸化細菌の適正生育範囲は、酸性域が殆どで一部に中性からややアルカリ性で生育可能なものがある程度である。そのため、上述のような、地盤安定化処理後のアルカリ土壌のような高いpH(pH9〜11)を示す土壌に対しては、イオウ酸化細菌の活動が阻害され、中和効果を得ることはできなかった。
【0008】
また、特開平8−157822号公報には、イオウと、有機酸及び/又は有機酸含有物とを配合してなる土壌のpH降下促進剤が開示されている。この発明は、イオウによる中和効果の発現の遅れを有機酸で補い、pHの低下を早めるものである。しかし、上記pH降下促進剤は、pH7〜7.5程度の弱アルカリ性の土壌を対象とするものであり、上述のような高いpHを示すアルカリ土壌の中和を意図したものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の状況に鑑み、本発明は、上述の地盤安定化処理後のアルカリ土壌のような高いpH(pH9〜11)を示す土壌や汚泥、及びアルカリ性廃棄物を、安全に、かつ短期間で中和し、その中和した状態(pHを低下させた状態)を長期にわたって安定に維持することができ、さらに、電気伝導度が高くならず緑化目的に有効利用することができる、アルカリ土壌等の中和剤及び中和方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、請求項1として、硫酸鉄と、イオウと、多孔質な構造を有する炭化物に硫酸イオンを吸着させた酸性炭化物とが含有されたアルカリ土壌の中和剤としたことを特徴とする。
【0011】
上記手段によれば、硫酸鉄によりアルカリ土壌のpHが短期間に低下し、ついで酸性炭化物が、亜硫酸イオン及び硫酸イオンを徐々に放出して中長期的にpHを低い状態で安定させる。また、この間の中和反応は、従来の硫酸単体又は硫酸鉄単体による中和に比較してゆっくりと進むため、中和反応により生成された塩類は自然降雨や人為的な灌水により流亡し、結果として電気伝導度を低い状態に保持できる。
さらに、酸性炭化物によりイオウ粒子周辺が酸性環境とされ、イオウ酸化細菌の増殖・活動を活発にする。
【0012】
また、請求項2は、請求項1記載のアルカリ土壌の中和剤に、さらにイオウ酸化細菌が含有されたことを特徴とする。
【0013】
上記手段によれば、土壌にもともと存在するイオウ酸化細菌に加えて外部からも細菌を供給することにより、イオウの酸化が促進される。
【0014】
また、請求項3は、請求項1又は2記載のアルカリ土壌の中和剤に、さらに栄養分が含有されたことを特徴とする。
【0015】
上記手段によれば、栄養分がイオウ酸化細菌の栄養源となり、イオウ酸化細菌の増殖・活動を活発にし、イオウの酸化をさらに促進する。
【0016】
さらに本発明は、各原料が予め配合された中和剤を提供するのみならず、土壌を中和する現場において各原料を混合し施用する場合をも含むものである。すなわち、本発明は、請求項4〜6として、硫酸鉄と、イオウと、多孔質な構造を有する炭化物に硫酸イオンを吸着させた酸性炭化物とを混合し、必要に応じてイオウ酸化細菌、及び栄養分をも混合して土壌に施用することを特徴とするアルカリ土壌等の中和方法を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】
続いて、実施の形態に基づき本発明を詳細に説明する。なお、以下では、主にアルカリ土壌を対象とする中和剤、及び中和方法について述べるが、それ以外のアルカリ性汚泥、廃棄物についても同様に適用される。
本発明のアルカリ土壌の中和剤は、硫酸鉄、イオウから選ばれる少なくとも一種と、酸性炭化物とを含有することを特徴とする。
【0018】
上記硫酸鉄は、水溶性であるためすばやく土壌水分中に溶出し、水酸化カルシウム等のアルカリ成分と(化1)に示すような中和反応を起こし、土壌のpHを短期間で低下させるものである。このような硫酸鉄の具体例としては、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等を挙げることができる。
【0019】
【化1】
【0020】
次に、酸性炭化物について説明する。本発明でいう酸性炭化物とは、多孔質な構造を有する炭化物に硫酸イオンを吸着させたものである。吸着させる硫酸イオンの濃度、量により中和ポテンシャルが異なるが、希硫酸を含浸させた場合のpHは概ねpH1.7〜3.0内外の強酸性を呈する。このような炭化物としては活性炭、炭、及びこれらの粉末等を挙げることができ、さらには焼却炉中に生成するすす等も適用可能である。活性炭や炭等の炭化物の表面には官能基が存在して陰イオンを吸着することが知られている。以上のような働きにより、酸性炭化物は、土壌中において保持していた硫酸イオンを徐々に放出し、土壌のpHを中長期的に低下させる。すなわち、硫酸塩による短期間の中和作用を補完して、土壌が中和された状態を長期間にわたり安定に維持するものである。また、酸性炭化物は陽イオンの吸着能を有しているため、硫酸塩を施用することによる電気伝導度の急激な上昇を抑制し、土壌の緑化への有効利用を可能とするものである。
【0021】
上記硫酸鉄、及び酸性炭化物の組み合わせだけでも本発明の目的は達成可能であるが、特にセメント系固化材により固化された汚泥や土壌は、その粒子周辺が酸化されることにより一部が崩壊し内部のカルシウムイオンが溶出して僅かではあるがpH値の再上昇を招く場合がある。そこで、本発明の中和剤には、さらにイオウが配合される。イオウは、(化2)に示すように、土壌中のイオウ酸化細菌の働きにより酸化されて硫酸を生成し、このpHの再上昇を長期的に抑制する。ここで、イオウは酸性炭化物と混合されているため、イオウ粒子の周辺は酸性の環境とされる。したがって、イオウ粒子表面に付着することで生活史が成り立つイオウ酸化細菌は、容易に活動・増殖することが可能となる。
【0022】
【化2】
【0023】
以上述べた硫酸鉄、酸性炭化物、イオウは3種類とも含有することが最も好ましいが、硫酸鉄、イオウについては少なくともどちらか一方が配合されていれば足りる。すなわち、本発明に係るアルカリ土壌等の中和剤の実施態様としては、(1)硫酸鉄、酸性炭化物、イオウを含む場合、(2)硫酸鉄、酸性炭化物を含む場合、(3)酸性炭化物、イオウを含む場合、が適用可能である。
また、各原料の配合量は、対象となる土壌の性状等により適宜設定することができ特に限定されるものではないが、一般に、上記(1)の場合、硫酸鉄10〜70重量部、酸性炭化物10〜70重量部、イオウ5〜50重量部とすることが好ましく、最も好ましくは、硫酸鉄50重量部、酸性炭化物30重量部、イオウ20重量部である。また、上記(2)の場合には、硫酸鉄10〜70重量部、酸性炭化物10〜70重量部とすることが好ましく、上記(3)の場合には、酸性炭化物40〜70重量部、イオウ30〜60重量部とすることが好ましい。
【0024】
上記中和剤には、さらにイオウ酸化細菌を配合することができる。イオウ酸化細菌を外部から供給することにより、イオウを酸化して硫酸を生成する反応が促進され、土壌のpHをさらに低下させることができる。特に、建設残土や工業的に排出されるアルカリ性廃棄物等の、イオウ酸化細菌があまり存在していないか全く存在していない環境に対して効果的である。イオウ酸化細菌を配合するに際しては、培養液の状態で加えても良いし、あるいは細菌を含む土壌を採取し、必要に応じて予め酸性あるいは中性域で細菌を増殖させた上で、その土壌ごと加えることもできる。また、イオウ酸化細菌の配合量は、中和対象である土壌に投入したイオウの量、周囲の温度、さらに増殖に必要な栄養分の多寡等を考慮して適宜設定される。
【0025】
さらに、本発明の中和剤には、上記イオウ酸化細菌の増殖を助けるために、栄養分を配合することができる。適用可能な栄養分の具体例としては、窒素肥料、リン酸肥料、カリ肥料、もしくはこれらを配合した化学肥料、又は油かすや魚かす等の有機質肥料等が挙げられる。
【0026】
以上は、各原料を予め配合した中和剤について述べたが、必ずしも予め配合する必要はなく、土壌を中和する現場において各原料を混合し、施用することによっても同様の効果を得ることができる。その際の混合方法は、特に限定されるものではなく、通常のミキサー等を用いて適宜行われる。
【0027】
本発明のアルカリ土壌の中和剤、もしくは各原料を現場で混合して施用する場合の、土壌への施用量は、各原料の配合比、土壌の初期pH、目標とするpH値、及び電気伝導度等を総合的に考慮して適宜設定される。例えば、硫酸鉄、酸性炭化物、それぞれ50重量部からなる中和剤を、pH10の土壌に投入し、pH7〜7.5の状態で安定させる場合の施用量は、土壌1m3 当たり10〜50kgとされる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。
【0029】
(実施例1〜4)
pH10を示すアルカリ土壌1m3 に対し、以下に示す原料からなる中和剤を投入し、時間の経過に伴う土壌pHの変化を測定した。なお、pHの測定は、土壌10gをサンプリングし、水25mlを加え1時間振とうした後、pHメーター(ガラス電極法)により行った。
中和剤の成分;
実施例1: 硫酸第一鉄20kg、酸性炭化物8kg
実施例2: 硫酸第一鉄20kg、酸性炭化物8kg、イオウ4kg
実施例3: 硫酸第一鉄20kg、酸性炭化物8kg、イオウ8kg
実施例4: 硫酸第一鉄20kg、酸性炭化物8kg、イオウ12kg
【0030】
測定結果を図1に示す。図1から明らかなように、実施例1〜4の中和剤はいずれも優れた中和作用を示し、また、数百時間経過後から安定に低pHの状態を長期間にわたり維持することができた。特に実施例2〜4の場合は、pHを継続的に低下させることができた。
また、中和剤を施用してから17日経過後における土壌の電気伝導度を測定したところ、実施例1:0.62、実施例2:1.56、実施例3:1.53、実施例4:1.67であり、いずれも植物が生育可能な範囲であった。
【0031】
(比較例1、及び実施例5〜7)
pH10を示すアルカリ土壌1m3 に対し、以下に示す原料からなる中和剤を投入し、時間経過に伴う土壌pHの変化を測定した。なお、pHの測定は土壌10gをサンプリングし、水25mlを加え1時間振とうした後、pHメーター(ガラス電極法)により測定した。サンプリングは2連で行い、その平均値を採用した。なお、イオウ酸化細菌は一般的な土壌に多数生息しているため、畑土(pH5.7)にイオウ粉末を散布し、イオウ酸化細菌の働きでpHが4.2内外に下降した土壌(乾重2kg/m3 )をもってイオウ酸化細菌を混入するものとした。
中和剤の成分;
比較例1:イオウ2kg
実施例5:酸性炭化物80kg、イオウ8kg
実施例6:酸性炭化物80kg、イオウ8kg、イオウ酸化細菌を含む畑土2kg
実施例7:酸性炭化物80kg、イオウ8kg、イオウ酸化細菌を含む畑土2kg、肥料(普通化成肥料、チッソ:燐酸:カリ=1:1:1)1kg
【0032】
測定結果を図2に示す。図2から明らかなように、比較例1では、急激なpHの下降がみられず、高pH域(pH9以上)における土壌ではイオウ酸化細菌は不活性状態にあり、イオウ酸化作用によるpHの中和効果がないことを示している。なお、イオウ酸化細菌はイオウ分子表面に取り付くように生活するため、一部のイオウ酸化細菌がイオウを酸化させた結果、若干のpH値の下降はみられる。
それに対し実施例5では、酸性炭化物によって土壌pHがイオウ酸化細菌に適したpHまで下降したことによりイオウ酸化細菌の働きが活発になってイオウが硫酸となり、そのためpHが著しく下降して目的を達成することができた。また、実施例6は、イオウ酸化細菌を予め増殖させた畑土をイオウ粉末と良く混合した例であるが、pHの下降開始時期が早まり、またpH値も実施例5に比べ大きく下降した。これは、畑土に存在したイオウ酸化細菌がイオウ表面に予め接触し、効率よく増殖した結果であると考えられ、元来イオウ酸化細菌に乏しい建設残土やアルカリ性廃棄物の中和に効果的な手段となる。さらに、実施例7は、イオウ酸化細菌の増殖に必要な栄養分として化成肥料(チッソ:燐酸:カリ=1:1:1)を添加した例であるが、pHの下降をさらに促進することができた。なお、栄養分として、上記化成肥料に替えて堆肥や厩肥等の有機肥料を用いた場合も同様の結果が得られた。
【0033】
(比較例2)
pH10を示すアルカリ土壌1m3 に対し、硫酸第一鉄のみからなる中和剤を3kg、5kg、10kg、及び20kg投入し、それぞれの場合について、実施例1と同様の方法で時間経過に伴う土壌のpH変化を測定した。測定結果を図3に示す。図3の結果から、いずれの場合も土壌のpHが時間経過とともに徐々に再上昇を示すことが明らかとなった。これは、固化したセメント成分の表面が中和処理により崩壊し、新たに露出したカルシウム等のアルカリ成分が溶出することに起因するものと推察される。
【0034】
また、pH10を示すアルカリ土壌1m3 に対し、硫酸第一鉄のみを施用してpHを所定の値まで低下させ、そのときの土壌の電気伝導度を測定した。測定結果を図4に示す。図4によれば、土壌のpHを約8.5に低下させる施用量までであれば電気伝導度の値は1.5ms/cm以下に収まるが、pHをそれ以上低下させる量を投入すると電気伝導度は許容値を超え、例えば植物の健全な生育環境とされるpH7.5を目標に中和すると、電気伝導度は2.0ms/cm以上となり、植物の生育に不適となることが明らかとなった。
【0035】
(比較例3)
pH10を示すアルカリ土壌1m3 に対し、酸性炭化物のみからなる中和剤を20kg、40kg、60kg、100kg投入し、それぞれの場合について、時間経過によるpHの変化を測定した。その結果、図5に示すように、最終的なpHでは若干高い場合もみられたが、いずれもpHの再上昇はなく、安定な状態を維持する機能が確認された。
また、上記酸性炭化物の中和剤を施用してpHを所定の値まで低下させたときの、土壌の電気伝導度を測定した。その結果、図6に示すように、pHを8.0以下まで低下させても、電気伝導度は2.0以下に抑えることができた。これは、酸性炭化物が陽イオンを吸着することにより電気伝導度の上昇を抑制するためと推察される。
【0036】
【発明の効果】
以上、本発明の中和剤、及び中和方法により、地盤安定化処理後のアルカリ土壌のような高いpHを示す土壌や汚泥、及びアルカリ性廃棄物を、安全に、かつ短期間で中和し、その中和した状態を長期にわたって安定に維持することができる。また、電気伝導度が植物の生育可能な範囲に抑えられるので、中和した後の土壌等を緑化目的に有効利用することができる。
さらに本発明は、その原材料として工業副産物である硫酸鉄を使用し、酸性炭化物においては有機性廃棄物の炭化材を使用することができ、さらには焼却炉で生成され廃棄されるすす等も再利用できるため、非常に低コストで実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1〜4の測定結果を示すグラフである。
【図2】 比較例1、及び実施例5〜7の測定結果を示すグラフである。
【図3】 比較例2の測定結果を示すグラフである。
【図4】 比較例2の測定結果を示すグラフである。
【図5】 比較例3の測定結果を示すグラフである。
【図6】 比較例3の測定結果を示すグラフである。
Claims (6)
- 硫酸鉄と、イオウと、多孔質な構造を有する炭化物に硫酸イオンを吸着させた酸性炭化物とが含有されたことを特徴とするアルカリ土壌の中和剤。
- 請求項1記載のアルカリ土壌の中和剤に、さらにイオウ酸化細菌が含有されたことを特徴とするアルカリ土壌の中和剤。
- 請求項1又は2記載のアルカリ土壌の中和剤に、さらに栄養分が含有されたことを特徴とするアルカリ土壌の中和剤。
- 硫酸鉄と、イオウと、多孔質な構造を有する炭化物に硫酸イオンを吸着させた酸性炭化物とを混合し、土壌に施用することを特徴とするアルカリ土壌の中和方法。
- 請求項4記載のアルカリ土壌の中和方法において、さらにイオウ酸化細菌を混合することを特徴とするアルカリ土壌の中和方法。
- 請求項4又は5記載のアルカリ土壌の中和方法において、さらに栄養分を混合することを特徴とするアルカリ土壌の中和方法。
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