JP2004107535A - 起泡性水中油型乳化油脂組成物 - Google Patents

起泡性水中油型乳化油脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課  題】良好な起泡性及び官能特性、ヒートショック耐性を付与し、流通又は保存中の温度変化に安定な起泡性の水中油型乳化油脂組成物の提供。
【解決手段】乳脂肪を全油脂中の70〜100重量%含有する水中油型乳化油脂組成物であって、HLBが4以下の飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルを0.05〜0.5重量%配合してなる起泡性水中油型乳化油脂組成物。
【選択図面】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流通又は保存中の温度変化に対して安定であり、ホイップ性、起泡性等の物性面に優れ、さらに風味、口溶け等官能特性の良好な起泡性水中油型乳化油脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ケーキのトッピングやナッペに使用する起泡性水中油型乳化油脂組成物(ホイップ用クリーム)は、通常は冷蔵(5℃前後)で流通又は保存される。
そして使用する際に、ホイッパーで撹拌する等で物理的な力を加えて起泡させ、ホイップドクリームとする。このように起泡性水中油型乳化油脂組成物に物理的な力を加えると、脂肪球が部分的に壊れ、気泡を含む3次元の立体構造を形成することでホイップドクリームとなる。クリームをホイップするのに要する時間は短い方が好まれるため、予め脂肪球の破壊を促進するように配合や製造条件を調整することも行われている。
【0003】
【特許文献】
特許文献1 特開平11−225671
特許文献2 特開平11−276106
特許文献3 特開2001−258473
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このように脂肪球を予め破壊しやすくすると、脂肪球が不安定となり、流通又は保存中の振動や衝撃で乳化破壊が起こり、粘度が上昇したり、部分的に固化するといった問題があった。また、脂肪球は温度の影響を受けやすく、製造直後に冷却されて結晶化した脂肪球の油脂結晶が、温度変化により一部溶解し、それが再度冷却される(このような温度変化をヒートショックという)と、融け残った結晶が成長するためにさらに不安定となり、粘度の上昇や固化が促進されるという問題があった。
【0005】
また、起泡性水中油型乳化油脂組成物の調製には、一般的に乳脂肪や植物性油脂が用いられている。このうち植物性油脂は、水素添加やエステル交換といった改質を行ったり、特定のトリグリセリド組成や固体脂含量となるように調整して、ヒートショック耐性を付与することができるが、乳脂肪を工業的に改質したり、組成や固体脂含量を調整することは困難であった。また、バターオイルの分別処理物を用いて乳脂肪のヒートショック耐性を改善することも行われているが、高融点のバターオイルを用いるため、口溶けが悪いという問題があった。
【0006】
また、乳脂肪を含有するクリームは、風味、口溶け等の官能特性に優れているため、水中油型乳化油脂組成物を調製するにあたり、乳脂肪を用いることが望まれている。
そこで、本発明は、乳脂肪を含有する水中油型乳化油脂組成物であって、ヒートショック耐性を有し、ホイップ性、起泡性等の物性面に優れ、さらに風味、口溶け等官能特性の良好な起泡性水中油型乳化油脂組成物を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鋭意取り組んだ結果、乳脂肪を全油脂中の70〜100重量%含有する起泡性水中油型乳化油脂組成物にHLBが4以下の飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルを0.05〜0.5重量%配合することにより、該起泡性水中油型乳化油脂組成物のヒートショック耐性を改善することができ、さらに、ホイップ性、起泡性等の物性面に優れ、風味、口溶け等官能特性の良好な起泡性水中油型乳化油脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明において、乳脂肪としては、一般には牛や羊の乳から遠心分離して得られる抽出クリームを直接、もしくはそこからチャーニングしてバターとしたもの、あるいは精製してバターオイルとしたものを用いることができる。また、バターやバターオイルを水素添加、分別、エステル交換など、通常行われる油脂の改質処理を行ったものを用いることもできる。
【0009】
本発明において、乳脂肪以外の油脂としては、水中油型乳化油脂組成物の製造に一般的に用いられる油脂であればいずれの油脂を使用してもよく、例えば、動物脂あるいは植物性油脂、これらの分別油、水素添加油脂又はエステル交換油脂等を挙げることができる。このうち、動物脂としては、牛脂、ラード、魚油、鯨油等を、植物性油脂としては大豆油、ナタネ油、コーン油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、ヒマワリ油、オリーブ油、サフラワー油、カカオ脂又は米油等を使用することができ、これらのうち、1種又は2種以上を併用してもよい。
本発明では、乳脂肪を全油脂中の70〜100重量%となるように水中油型乳化油脂組成物に配合する。70重量%に満たないと、得られる水中油型乳化油脂組成物のヒートショック耐性が弱くなり、流通又は保存中の温度変化により、粘度上昇や固化を生じやすくなる。
【0010】
本発明において、乳化剤としては、HLBが4以下である飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルを用いる。これにより水中油型乳化油脂組成物のヒートショック耐性を向上させ、さらにホイップ性や起泡性等の物性面と口溶け、風味等の官能特性の両方を向上させることができる。
HLBが4以下の飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルを構成する脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸又はベヘニン酸等があり、このうち、脂肪酸としてステアリン酸又はベヘニン酸が結合したソルビタンエステルを用いることがより好ましい。
なお、HLBが4を越えたり、不飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルを用いると、得られる水中油型乳化油脂組成物のヒートショック耐性が弱くなり、流通又は保存中の温度変化により、粘度上昇や固化を生じやすくなるため好ましくない。
【0011】
また、HLBが4以下である上記飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルとともに、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、レシチン誘導体、モノグリセリン脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル誘導体、ポリグリセリン脂肪酸エステル又はプロピレングリコール脂肪酸エステル等の乳化剤を適宜用いてもよい。
さらに、本発明においては、目的とする最終製品に合わせて、タンパク質、増粘多糖類、糖類、塩類、着色料又は香料等を適宜使用することができる。
【0012】
タンパク質としては、食品に用いることのできるものであればいずれのものでもよいが、風味の点で乳由来のタンパク質が好ましく、例えば、脱脂乳、脱脂粉乳、バターミルク又はホエー等を挙げることができる。また、生乳、生クリーム、バター、ヨーグルト又はチーズ等から調製されるタンパク質を用いてもよく、さらに、UF膜やイオン交換樹脂処理等により調製されるものを用いてもよい。
増粘多糖類としては、例えば、グアーガム、キサンタンガム、寒天、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ローカストビーンガム、アラビアガム又はCMC等を挙げることができる。
糖類としては、例えば、砂糖、異性化糖、液糖、澱粉糖化物又は糖アルコール等を挙げることができる。
塩類としては、例えばリン酸のナトリウム塩、カリウム塩又はクエン酸のナトリウム塩等を挙げることができる。また、必要に応じて着色料、香料を使用してもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の水中油型乳化油脂組成物は、例えば以下のような方法で得ることができる。
バター等の乳脂肪原料と植物性油脂等の油系原料を60〜75℃に加温溶解し、そこにHLB4以下の飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルを必要量含有する油系乳化剤を分散、溶解させて油相部を調製する。次に30〜70℃の温水に抽出クリーム、脱脂粉乳、水系乳化剤、増粘多糖類又はリン酸塩等の水系原料を分散、溶解させ、温度を50〜70℃に調整して水相部を調製する。次いで、公知の乳化手段、例えば、水相部と油相部をTKホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて予備乳化を行い、その後、バルブ式の均質機を用い、0〜150kg/cmの圧力で均質処理を行うことで完全に乳化状態を構築させる。さらに、公知の殺菌手段、好ましくは直接蒸気注入式殺菌機を使用して、150℃で4秒間保持することで滅菌し、減圧工程を経て急激に温度を低下させ、バルブ式の均質機で0〜150kg/cmの圧力で再度均質処理を行った後、プレート式熱交換機で2〜7℃まで冷却させ、容器に充填することにより、本発明の起泡性水中油型乳化油脂組成物が得られる。
【0014】
以下に試験例及び実施例を示し、本発明をより詳細に説明する。
【実施例1】
表1に示す配合に従い、以下の処方で本発明品1を製造した。
【0015】
【表1】
Figure 2004107535
【0016】
無塩バター(雪印乳業社製)を68℃まで加温し、飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルとしてHLB2.5のソルビタントリステアリン酸エステル(ポエムS−65F、理研ビタミン社製)、レシチン(レシチンDX、日清製油社製)及びグリセリンモノステアリン酸エステル(エマルジーMS、理研ビタミン社製)を溶解し、72℃まで加温して油相部を調製した。次に、水、脂肪率が50重量%である抽出クリーム、脱脂粉乳(雪印乳業社製)、ショ糖ステアリン酸エステル(DKF−110、第一工業製薬社製)及びヘキサメタリン酸ナトリウム(太平化学工業社製)、グアガム(雪印食品社製)を溶解し、65℃まで加温し、水相部を調製した。
次いで、水相部をホモミキサー(TKホモミキサー、特殊機化工業社製)で低速撹拌する中に、油相部を徐々に投入し、その後、高速で10分間予備乳化を行った。次に、2段式均質機(三和機械工業社製)で、1段目60kg/cm、2段目20kg/cm、合計80kg/cmで均質化し、直接蒸気注入式殺菌機(岩井機械工業社製)で150℃、4秒間の殺菌処理を行い、再度2段式均質機で1段目40kg/cm、2段目20kg/cm、合計60kg/cmで均質化し、プレート式熱交換機で品温を5℃まで冷却した。冷却後のクリームは5℃の冷蔵庫で3日間静置して油脂結晶を安定化して、本発明品1を得た。
【0017】
【実施例2】
飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルとしてHLB2.5のソルビタントリベヘニン酸エステル(ポエムB−150、理研ビタミン社製)を用いる以外は実施例1と同様にして製造し、本発明品2を得た。
【0018】
【実施例3】
飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルとしてHLB3.6のソルビタンジステアリン酸エステル(サンソフトNo.63C、太陽化学社製)を用いる以外は実施例1と同様にして製造し、本発明品3を得た。
【0019】
【比較例1】
飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルの代わりに、不飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルであるHLB1.8のソルビタントリオレイン酸エステル(ソルゲン20V、第一工業製薬社製)を用いる以外は実施例1と同様にして製造し、比較品1を得た。
【0020】
【比較例2】
飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルとしてHLB5.3のソルビタンモノステアリン酸エステル(ポエムS−300(B)、理研ビタミン社製)を用いる以外は実施例1と同様にして製造し、比較品2を得た。
【0021】
【比較例3】
飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルの代わりに、水を添加して、実施例1と同様にして製造し、比較品3を得た。
【0022】
【試験例1】
「ソルビタンエステルの結合脂肪酸及びHLB値評価」
(品質評価)
実施例1〜3、比較例1〜3で得られた本発明品1〜3及び比較品1〜3について、品質評価としてホイップ時間、オーバーラン及び粘度を測定した。
ホイップ時間:各試作品をケンウッドタイプのホイップミキサーで毎分400回転で撹拌して、最適起泡状態に達するまでの時間を測定した。
オーバーラン:最適起泡状態と判断された時点でのオーバーランを以下の式により算出した。
[(起泡前の一定容量のクリーム重量)−(起泡後の一定容量のクリーム重量)]/(起泡後の一定容量のクリーム重量)×100
粘度:B型粘度計(東京計器)を用いて品温10℃で測定した。
さらに、専門パネラー8名により、起泡させた各試作品について官能評価を行った。
評価は、以下の5段階で行い、その平均点を四捨五入した値で示した。
5点:大変好ましい
4点:好ましい
3点:どちらともいえない
2点:好ましくない
1点:全く好ましくない
これらの結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
Figure 2004107535
【0024】
これによると、本発明品1〜3、比較品2及び3は、ホイップ時間、オーバーラン、口溶け及び風味ともに、いずれもほぼ同等の数値を示し、良好であった。一方、不飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルを配合した比較品1は、オーバーランが低く、風味的に苦味を感じたため、好ましくなかった。
【0025】
(保存安定性評価)
実施例1〜3、比較例1〜3で得られた本発明品1〜3及び比較品1〜3について、保存安定性評価として以下のようにして冷蔵品とヒートショック処理品について振動耐性試験を行った。
ヒートショック処理:各試作品を250ml容量のプラスチック容器に200ml注入し、それを25℃の温湯中に1時間浸漬した後、5℃の冷蔵庫で24時間静置した。
振動耐性試験:各試作品を250ml紙パックに200g充填し、それを振動器にて毎分167回振動させ、クリームの流動性が著しく低下するまでの回数を測定し、10,000回以上を良好、5,000回以上10,000回未満をやや良好、2,000回以上5,000回未満をやや不良、2,000回未満を不良とした。
その結果を表3に示す。
【0026】
【表3】
Figure 2004107535
【0027】
これによると、冷蔵品については、比較品1がやや良好、それ以外の全ての試作品が良好な振動耐性を示した。
一方、ヒートショック処理品については、不飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルを配合した比較品1、HLBが4を越える飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルを配合した比較品2、飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルを配合しなかった比較品3は、いずれも粘度上昇が見られ、振動耐性も不良であった。
これに対して、HLBが4以下の飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルを配合した本発明品1、2及び3は、ヒートショック処理後の粘度上昇も見られず、振動耐性も良好であった。
【0028】
【試験例2】
「乳化剤の種類評価」
実施例1と同様にして、表4に示したように飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルの代わりに他の乳化剤を用いて、比較品4及び5を製造した。
【0029】
【表4】
Figure 2004107535
【0030】
このようにして得られた比較品4及び5について、試験例1と同様の方法で品質評価及び保存安定性評価を行った。
その結果を表5及び表6に示す。
【0031】
【表5】
Figure 2004107535
【0032】
【表6】
Figure 2004107535
【0033】
これによると、飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステル以外の乳化剤を用いた比較品4及び5は、品質については良好な結果が得られたが、保存安定性については好ましくない結果であった。このことから、HLB4以下の飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルを配合すれば保存安定性の良いことがわかった。
【0034】
【試験例3】
「乳化剤の配合量評価」
実施例1と同様にして、飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルの配合量及び水の配合量を表7に示したように変えて、本発明品4〜7、比較品6及び7を製造した。
【0035】
【表7】
Figure 2004107535
【0036】
このようにして得られた本発明品4〜6、比較品6及び7について、試験例1と同様の方法で品質評価及び保存安定性評価を行った。
その結果を表8及び表9に示す。
【0037】
【表8】
Figure 2004107535
【0038】
【表9】
Figure 2004107535
【0039】
これによると、飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルの添加量が0.05〜0.5重量%である本発明品4〜6は、品質及び保存安定性について良好な結果が得られたが、0.01重量%である比較品6は保存安定性、0.8重量%である比較品7は口溶けや風味の面で好ましくない結果であった。このことから、飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルの添加量は0.05〜0.5重量%が好ましいことがわかった。
【0040】
【試験例4】
「乳脂肪の配合量による評価」
実施例1と同様にして、無塩バター、抽出クリーム及び植物性油脂の配合量を表10に示したように変えて、本発明品7、8及び比較品8を製造した。
【0041】
【表10】
Figure 2004107535
【0042】
なお、植物性油脂としては、ナタネ硬化油75部、パーム硬化油10部、ヤシ硬化油15部の植物性油脂混合物(上昇融点31℃)を用いた。
このようにして得られた本発明品7、8及び比較品8について、試験例1と同様の方法で品質評価及び保存安定性評価を行った。
その結果を表11及び表12に示す。
【0043】
【表11】
Figure 2004107535
【0044】
【表12】
Figure 2004107535
【0045】
これによると、乳脂肪の配合割合が全油脂中の70重量%以上である本発明品7及び8は、品質及び保存安定性において良好な結果が得られたが、50重量%である比較品8は保存安定性において、好ましくない結果であった。このことから、全油脂中の乳脂肪の比率は70〜100重量%が好ましいことがわかった。
【0046】
【実施例4】
以下の表13に示す配合に従い、以下のようにして本発明品を製造した。
【表13】
Figure 2004107535
【0047】
無塩バター(雪印乳業社製)を68℃まで加温し、ソルビタントリステアリン酸エステル(サンソフトNo.65T、太陽化学社製)、グリセリンモノベヘニン酸エステル(HLB3.4)(サンソフトNo.8100、太陽化学社製)、レシチン(レシチンDX、日清製油社製)、ポリグリセリンオレイン酸エステル(O−50D、三菱化学フーズ社製)、コハク酸ステアリン酸エステル(サンソフトNo.681NU、太陽化学社製)を溶解し、72℃まで加温して油相部を調製した。次に、水、脂肪率が50重量%である抽出クリーム、脱脂粉乳(雪印乳業社製)、ショ糖パルミチン酸エステル(リョートーシュガーエステルP−1570、三菱化学フーズ社製)、キサンタンガム(エコーガム、大日本製薬社製)を溶解し、65℃まで加温し、水相部を調製した。水相部をホモミキサー(TKホモミキサー、特殊機化工業社製)で低速撹拌する中に、油相部を徐々に投入し、その後高速で10分間予備乳化を行った。次に、2段式均質機(三和機械工業社製)で1段目60kg/cm、2段目20kg/cm、合計80kg/cmで均質化し、直接殺菌機(岩井機械工業社製)で150℃、4秒間の殺菌処理を行い、再度2段式均質機で1段目40kg/cm、2段目20kg/cm、合計60kg/cmで均質化し、プレートで品温を5℃まで冷却した。冷却後のクリームは5℃の冷蔵庫で3日間静置して油脂結晶を安定化して、本発明品の水中油型乳化油脂組成物を得た。
このようにして得られた本発明品は、風味、起泡性、保存安定性ともに良好であった。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、全油脂中、乳脂肪を70〜100重量%含有する水中油型乳化油脂組成物に、HLBが4以下である飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルを0.05〜0.5重量%配合することにより、この乳化剤が乳脂肪に特異的に作用し、該水中油型乳化油脂組成物に、良好な起泡性及び官能特性、さらにヒートショック耐性を付与することができる。このため、流通又は保存中の温度変化に安定な起泡性水中油型乳化油脂組成物を提供することができる。

Claims (2)

  1. 乳脂肪を全油脂中の70〜100重量%含有する水中油型乳化油脂組成物であって、HLBが4以下の飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルを0.05〜0.5重量%配合することを特徴とする起泡性水中油型乳化油脂組成物。
  2. 飽和脂肪酸結合型ソルビタンエステルを構成する脂肪酸が、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸又はベヘニン酸であることを特徴とする請求項1記載の起泡性水中油型乳化油脂組成物。
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