JP2004107431A - エポキシ樹脂粉体塗料 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ樹脂粉体塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気・電子部品を絶縁外装する目的で使用されているエポキシ樹脂粉体塗料は、部品の火災に対する安全性を確保するために高度の難燃性を有することが要求されている。このため粉体塗料の成分中には、難燃性を付与する様々な化合物が配合され、難燃性の向上が試みられている。例えば、可燃性の樹脂成分を少なくし、不燃性の無機充填剤、特に結晶水を含有して燃焼時にはこれを放出することで難燃効果を発現するような水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの無機充填剤を多く配合する方法、あるいは、エポキシ樹脂を燃焼性の低いシリコーン樹脂やシアヌレート環含有樹脂で変性する方法など、さまざまな方法が提案、実施されているが、最も広く実施されているのは各種のハロゲン系難燃剤を配合する方法である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
フィルムコンデンサやセラミックコンデンサ等の絶縁外装用エポキシ樹脂粉体塗料では、臭素化エポキシ樹脂とアンチモン化合物の組合せによる難燃系がよく用いられており、その塗膜はUL94のV−0の難燃性を有するものがほとんどである。ところが最近、テレビモニターやビデオテープレコーダー等のAV機器に搭載されるフィルムコンデンサに対して、「JIS C 0061」に規定されるようなニードルフレーム試験での難燃性に優れる性能が求められるようになった。
【0004】
ニードルフレーム試験では絶縁外装を施した部品そのものを燃焼するため、塗膜自身の難燃性が高くても部品自体が燃える可能性があり、より高度な難燃性が必要である。コンデンサ容積の比較的大きな部品や、PETフィルムのような耐熱性のあるフィルコンデンサでは、従来からあるハロゲン/アンチモン系の難燃効果で対処できる場合もあるが、コンデンサ容積の小さいPPフィルムコンデンサでは、燃焼時に塗膜が割れ内容物であるフィルムに着火してしまい消火が困難である。
【0005】
ニードルフレーム試験での難燃性を向上させるために、多量の臭素化エポキシ樹脂やアンチモン化合物を配合する検討が行われたが、ハロゲン/アンチモン系は気相での難燃系であるため、外装塗膜が割れた場合、内容物であるフィルムへの着火を抑えることが難しい。
また近年、ハロゲン化合物に替わる難燃剤として燃焼時に脱水作用と共にチャー生成による熱遮蔽効果を示すリン化合物が広く検討され、無機系の赤リンや有機系の各種リン酸エステルが使用されている。
【0006】
しかしながら、赤リン配合物は色調が濃赤褐色を呈するため、エポキシ樹脂粉体塗料の特徴の一つである青、黄、緑などの淡色には不適で、褐色や黒色などの濃色への適用に限定される不都合がある。
一方、各種リン酸エステルの配合物では、臭素化エポキシ樹脂を併用する事によりニードルフレーム試験での難燃性を達成できるものがあったが、リン系化合物を用いた場合は一般的に、エポキシ樹脂の硬化性が阻害されるという問題がある。これに対して硬化性を向上させるために硬化剤添加量を増加した場合、保存安定性が著しく低下し粉体塗料としての実用には適さない。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−191952号公報
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、エポキシ樹脂に配合しても硬化性の阻害が比較的小さく、保存安定性に優れ、かつ、ニードルフレーム試験での難燃性に優れるエポキシ樹脂粉体塗料を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤、及び難燃剤を必須成分として含有するエポキシ樹脂粉体塗料において、前記難燃剤は、下記一般式(I)で表される化合物を含有するものであることを特徴とするエポキシ樹脂粉体塗料。
【化2】
(2)前記エポキシ樹脂は、臭素化エポキシ樹脂を含有するものである上記(1)に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
(3)前記エポキシ樹脂に対して、上記一般式(I)で表される化合物を、15〜45重量%配合する上記(1)又は(2)に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のエポキシ樹脂粉体塗料(以下、「粉体塗料」という)について詳細に説明する。
本発明の粉体塗料は、エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤、及び難燃剤を必須成分として含有する粉体塗料において、前記難燃剤は、一般式(I)で表される化合物を含有するものであることを特徴とする。
【化3】
【0011】
本発明の粉体塗料で用いられるエポキシ樹脂としては特に限定されないが、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、o−クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビフェノールノボラックエポキシ樹脂、アミノグリシジルエーテル樹脂等が挙げられる。なお、これらは単独又は複数を組合せ使用することができる。
これらのエポキシ樹脂の性状としては特に限定されないが、軟化点が60〜140℃である固形のものが好ましい。これにより、粉体塗料を製造する場合の作業性を向上させることができる。また、エポキシ樹脂の種類としても特に限定されないが、通常のエポキシ樹脂粉体塗料に用いられているものを使用することができる。
【0012】
本発明の粉体塗料で用いられるエポキシ樹脂は、特に限定されないが、臭素化エポキシ樹脂を含有するものであることが好ましい。これにより、後述する難燃剤との併用で、ニードルフレーム試験での難燃性に優れるエポキシ樹脂粉体塗料を得ることができる。
上記臭素化エポキシ樹脂としては特に限定されないが、例えば、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル樹脂、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル樹脂等が挙げられる。なお、これらは単独又は複数を組合せて使用することができる。
また、臭素化エポキシ樹脂は、低臭素化タイプ、高臭素化タイプ、何れでも使用できる。性状についても特に限定されないが、エポキシ樹脂と同様に固形タイプのものが好ましい。
臭素化エポキシ樹脂を用いる場合の配合量としては特に限定されないが、エポキシ樹脂と臭素化エポキシ樹脂を合計した全エポキシ樹脂中に、30〜70重量%配合されることが好ましい。配合量が前記下限値より少ないと、ニードルフレーム試験における難燃性が低下することがある。また、前記上限値より多い場合は、樹脂成分の硬化性が低下することがある。
【0013】
本発明の粉体塗料で用いられる硬化剤としては特に限定されないが、適用されるエポキシ樹脂の種類に応じて、種々のものを単独又は複数を組合せて使用することができる。
一例を挙げれば、ジアミノジフェニルメタンやアニリン樹脂などの芳香族アミン、脂肪族アミンと脂肪族ジカルボン酸とその縮合物、ジシアンジアミド及びその誘導体、各種イミダゾールやイミダゾリン化合物、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、ピロメリット酸などのポリジカルボン酸またはその酸無水物、アジピン酸やフタル酸などのジヒドラジッド、フェノール、クレゾール、キシレノール、ビスフェノールAなどのノボラック類、カルボン酸アミド、メチロール化メラミン類、ブロック型イソシアヌレート類などである。
なお、これらの硬化剤に対して、必要により3級アミン類、イミダゾール類、有機リン化合物などの硬化促進剤を使用してもよい。
【0014】
本発明の粉体塗料で用いられる充填材としては特に限定されないが、例えば、タルク、焼成クレー、マイカ、ワラストナイト等の等のケイ酸塩、アルミナ、結晶又は溶融シリカ、カオリン等の酸化物、炭酸カルシウム、ドロマイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩のほか、ガラス繊維やガラスビーズ、ジルコン化合物、チタン化合物、モリブデン化合物などが挙げられる。これらを単独又は複数組合せて使用することができる。
【0015】
本発明の粉体塗料には、下記一般式(I)で表される化合物を含む難燃剤を配合することを特徴とする。これにより、比較的少ない配合量で難燃性を付与することができる。
【化4】
【0016】
上記一般式(I)で表される化合物は、直鎖構造のポリリン酸に、メラミンが結合した構造を有するリン含有化合物である。このような化合物の入手方法としては特に限定されないが、このように調製された市販品を用いることができる。
上記一般式(I)で表される化合物は特に限定されないが、一般式(I)中のnの数が20〜50であることが好ましい。
【0017】
上記一般式(I)で表される化合物の配合量は特に限定されないが、エポキシ樹脂の総量に対して、15〜45重量%であることが好ましい。さらに好ましくは15〜30重量%である。これにより、十分な難燃性を付与することができ、かつ、少ない配合量により粉体塗料の硬化性に与える影響を小さくすることができる。配合量が前記下限値より少ないと、ニードルフレーム試験における難燃性が低下することがある。また、前記上限値を超えて配合すると、樹脂成分の硬化性の低下や、塗装性に影響を与える溶融流れ率の低下がみられることがある。
【0018】
本発明の粉体塗料に配合される難燃剤としては、上記一般式(I)で表される化合物のほか、通常エポキシ樹脂粉体塗料に用いられる難燃剤を併用して配合することができる。このような難燃剤としては、臭素化エポキシ樹脂等のハロゲン化合物が挙げられる。
また、このほかにも組成物の難燃性を高めるために、シリコーン樹脂、メラミン樹脂などのシアヌレート環骨格を有する樹脂、あるいは、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、膨張性黒鉛などを難燃性助剤として適宜使用することができる。
【0019】
本発明の粉体塗料には、以上に説明した成分のほか、必要に応じて各種顔料、レベリング剤、カップリング剤などの添加剤を適宜配合することができる。
【0020】
本発明の粉体塗料を製造する方法としては特に限定されず、通常の方法を適用することができる。一例を挙げると、所定の組成比に配合した原料成分をヘンシェルミキサーなどの混合装置を用いて十分に均一混合した後、エクストルーダーなどの混練装置を用いて溶融混合し、次いでビクトリーミルなどの粉砕装置により、適当な粒度に粉砕し、これを分級することにより得ることができる。
【0021】
本発明の粉体塗料には、上記一般式(I)で表される化合物を難燃剤として配合することを特徴とする。この化合物は比較的リン含有率が高いので、少量の配合で難燃性を付与することができ、組成物中の樹脂成分の硬化性を実質的に低下させることがない。さらに、燃焼時に炭化皮膜を形成するため、好ましくは臭素化エポキシ樹脂を併用する事により、特にニードルフレーム試験方法での難燃性に優れた硬化被膜を形成することができ、電気・電子部品の絶縁外装用として好適なエポキシ樹脂粉体塗料を得ることができるものである。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例、比較例を用いて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、表1に記載されている配合量は「重量部」を示す。
【0023】
1.粉体塗料の作製
表1に示した種類と配合量の原材料混合物を、約100℃でエクストルーダーを用いて混練した後粉砕し、150メッシュで分級を行い、平均粒径50μmの粉体塗料を得た。
【0024】
2.用いた原材料
(1)エポキシ樹脂
ジャパンエポキシレジン株式会社製・「エピコートEP1002」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
(2)臭素化エポキシ樹脂
ジャパンエポキシレジン株式会社製・「エピコートEP5050」(ビスフェノールA型臭素化エポキシ樹脂)
(3)硬化剤
(a) 2、4−ジアミノ−6−(2′−メチルイミダゾリル−(1′))−エチル−s−トリアジン:四国化成工業(株)製「2MZ−A」
(b) 1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール:四国化成製「2PZ−OK」
(4)難燃剤
(a) メラミンポリリン酸:DSM Melapurb.v製・「MP200/70」(一般式(I)において、n数の平均がほぼ30に相当するもの)
(b) メラミンピロフォスフェート:株式会社鈴祐化学製・「CLMP」(一般式(I)において、n=2に相当するもの)
(c) リン酸エステル:大八化学工業株式会社製・「PX−200」
【0025】
実施例および比較例で用いた原材料及び配合量について、表1に示す。
【表1】
【0026】
3.粉体塗料の評価
実施例及び比較例で得られた粉体塗料を用いて、以下の評価を行った。
(1)流れ性
JIS C2161(水平溶融流れ率)に準じて、以下のように行った。
成形用金型を用いて、粉体塗料0.5gを直径10mmの円柱状の試験片に成形し、平面が平滑な金属板の上に置き、熱風循環式の恒温槽にて120℃、30分処理を行い、冷却後、次式による溶融流れ率を測定した。
溶融流れ率(%)=((D−10)/10)×100
D:溶融して広がった後の試験片の直径(mm)
(2)ゲルタイム
JIS C−2105(熱盤法(150℃))に準じて行った。
(3)保存安定性
40℃恒温槽中で、3日間放置後の水平溶融流れ率を測定し、上記塗料の流れ率の初期値から以下の式で規定される保持率で算出した。
保持率(%)=(40℃3日保存後の溶融流れ率/初期溶融流れ率)×100
(4)ニードルフレーム試験
JIS C0061に準じて、以下のように行った。
JIS C0061に記載の方法により、塗装サンプルを作成した。次に、長さ35mm以上、内径0.5±0.1mm、外径0.9mm以下のニードルフレームバーナーを用い、塗装サンプルの最も燃えやすいと思われる任意の場所に炎を1回だけ接炎した。所定時間接炎後、規定時間内に消火するかどうか、燃焼落下物又は赤熱落下物により薄葉紙が発火するかどうかで難燃性を評価した。
落下物が無く、規定時間内で消火の場合は「○」、規定時間内で未消火あるいは落下物等による着火がある場合は「×」とした。
【0027】
評価結果を表2に示す。
【表2】
【0028】
表1及び表2の結果より、実施例1〜8は、エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤、及び難燃剤として上記一般式(I)で表される化合物を配合した本発明の粉体塗料であり、硬化性を損なうことなく、良好な保存安定性とニードルフレーム試験での難燃性を得ることができた。
一方、比較例では実施例とは別の難燃剤、または難燃剤と難燃助剤とを使用したが、いずれも、保存安定性とニードルフレーム試験での難燃性を両立させることはできなかった。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤、及び難燃剤を必須成分として含有し、難燃剤として上記一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とするエポキシ樹脂粉体塗料であり、硬化性の阻害が比較的小さく、保存安定性に優れ、ニードルフレーム試験での難燃性に優れる塗膜を得ることができる。従って本発明の粉体塗料は、電気・電子部品の絶縁外装用として好適である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ樹脂粉体塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気・電子部品を絶縁外装する目的で使用されているエポキシ樹脂粉体塗料は、部品の火災に対する安全性を確保するために高度の難燃性を有することが要求されている。このため粉体塗料の成分中には、難燃性を付与する様々な化合物が配合され、難燃性の向上が試みられている。例えば、可燃性の樹脂成分を少なくし、不燃性の無機充填剤、特に結晶水を含有して燃焼時にはこれを放出することで難燃効果を発現するような水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの無機充填剤を多く配合する方法、あるいは、エポキシ樹脂を燃焼性の低いシリコーン樹脂やシアヌレート環含有樹脂で変性する方法など、さまざまな方法が提案、実施されているが、最も広く実施されているのは各種のハロゲン系難燃剤を配合する方法である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
フィルムコンデンサやセラミックコンデンサ等の絶縁外装用エポキシ樹脂粉体塗料では、臭素化エポキシ樹脂とアンチモン化合物の組合せによる難燃系がよく用いられており、その塗膜はUL94のV−0の難燃性を有するものがほとんどである。ところが最近、テレビモニターやビデオテープレコーダー等のAV機器に搭載されるフィルムコンデンサに対して、「JIS C 0061」に規定されるようなニードルフレーム試験での難燃性に優れる性能が求められるようになった。
【0004】
ニードルフレーム試験では絶縁外装を施した部品そのものを燃焼するため、塗膜自身の難燃性が高くても部品自体が燃える可能性があり、より高度な難燃性が必要である。コンデンサ容積の比較的大きな部品や、PETフィルムのような耐熱性のあるフィルコンデンサでは、従来からあるハロゲン/アンチモン系の難燃効果で対処できる場合もあるが、コンデンサ容積の小さいPPフィルムコンデンサでは、燃焼時に塗膜が割れ内容物であるフィルムに着火してしまい消火が困難である。
【0005】
ニードルフレーム試験での難燃性を向上させるために、多量の臭素化エポキシ樹脂やアンチモン化合物を配合する検討が行われたが、ハロゲン/アンチモン系は気相での難燃系であるため、外装塗膜が割れた場合、内容物であるフィルムへの着火を抑えることが難しい。
また近年、ハロゲン化合物に替わる難燃剤として燃焼時に脱水作用と共にチャー生成による熱遮蔽効果を示すリン化合物が広く検討され、無機系の赤リンや有機系の各種リン酸エステルが使用されている。
【0006】
しかしながら、赤リン配合物は色調が濃赤褐色を呈するため、エポキシ樹脂粉体塗料の特徴の一つである青、黄、緑などの淡色には不適で、褐色や黒色などの濃色への適用に限定される不都合がある。
一方、各種リン酸エステルの配合物では、臭素化エポキシ樹脂を併用する事によりニードルフレーム試験での難燃性を達成できるものがあったが、リン系化合物を用いた場合は一般的に、エポキシ樹脂の硬化性が阻害されるという問題がある。これに対して硬化性を向上させるために硬化剤添加量を増加した場合、保存安定性が著しく低下し粉体塗料としての実用には適さない。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−191952号公報
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、エポキシ樹脂に配合しても硬化性の阻害が比較的小さく、保存安定性に優れ、かつ、ニードルフレーム試験での難燃性に優れるエポキシ樹脂粉体塗料を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤、及び難燃剤を必須成分として含有するエポキシ樹脂粉体塗料において、前記難燃剤は、下記一般式(I)で表される化合物を含有するものであることを特徴とするエポキシ樹脂粉体塗料。
【化2】
(2)前記エポキシ樹脂は、臭素化エポキシ樹脂を含有するものである上記(1)に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
(3)前記エポキシ樹脂に対して、上記一般式(I)で表される化合物を、15〜45重量%配合する上記(1)又は(2)に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のエポキシ樹脂粉体塗料(以下、「粉体塗料」という)について詳細に説明する。
本発明の粉体塗料は、エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤、及び難燃剤を必須成分として含有する粉体塗料において、前記難燃剤は、一般式(I)で表される化合物を含有するものであることを特徴とする。
【化3】
【0011】
本発明の粉体塗料で用いられるエポキシ樹脂としては特に限定されないが、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、o−クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビフェノールノボラックエポキシ樹脂、アミノグリシジルエーテル樹脂等が挙げられる。なお、これらは単独又は複数を組合せ使用することができる。
これらのエポキシ樹脂の性状としては特に限定されないが、軟化点が60〜140℃である固形のものが好ましい。これにより、粉体塗料を製造する場合の作業性を向上させることができる。また、エポキシ樹脂の種類としても特に限定されないが、通常のエポキシ樹脂粉体塗料に用いられているものを使用することができる。
【0012】
本発明の粉体塗料で用いられるエポキシ樹脂は、特に限定されないが、臭素化エポキシ樹脂を含有するものであることが好ましい。これにより、後述する難燃剤との併用で、ニードルフレーム試験での難燃性に優れるエポキシ樹脂粉体塗料を得ることができる。
上記臭素化エポキシ樹脂としては特に限定されないが、例えば、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル樹脂、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル樹脂等が挙げられる。なお、これらは単独又は複数を組合せて使用することができる。
また、臭素化エポキシ樹脂は、低臭素化タイプ、高臭素化タイプ、何れでも使用できる。性状についても特に限定されないが、エポキシ樹脂と同様に固形タイプのものが好ましい。
臭素化エポキシ樹脂を用いる場合の配合量としては特に限定されないが、エポキシ樹脂と臭素化エポキシ樹脂を合計した全エポキシ樹脂中に、30〜70重量%配合されることが好ましい。配合量が前記下限値より少ないと、ニードルフレーム試験における難燃性が低下することがある。また、前記上限値より多い場合は、樹脂成分の硬化性が低下することがある。
【0013】
本発明の粉体塗料で用いられる硬化剤としては特に限定されないが、適用されるエポキシ樹脂の種類に応じて、種々のものを単独又は複数を組合せて使用することができる。
一例を挙げれば、ジアミノジフェニルメタンやアニリン樹脂などの芳香族アミン、脂肪族アミンと脂肪族ジカルボン酸とその縮合物、ジシアンジアミド及びその誘導体、各種イミダゾールやイミダゾリン化合物、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、ピロメリット酸などのポリジカルボン酸またはその酸無水物、アジピン酸やフタル酸などのジヒドラジッド、フェノール、クレゾール、キシレノール、ビスフェノールAなどのノボラック類、カルボン酸アミド、メチロール化メラミン類、ブロック型イソシアヌレート類などである。
なお、これらの硬化剤に対して、必要により3級アミン類、イミダゾール類、有機リン化合物などの硬化促進剤を使用してもよい。
【0014】
本発明の粉体塗料で用いられる充填材としては特に限定されないが、例えば、タルク、焼成クレー、マイカ、ワラストナイト等の等のケイ酸塩、アルミナ、結晶又は溶融シリカ、カオリン等の酸化物、炭酸カルシウム、ドロマイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩のほか、ガラス繊維やガラスビーズ、ジルコン化合物、チタン化合物、モリブデン化合物などが挙げられる。これらを単独又は複数組合せて使用することができる。
【0015】
本発明の粉体塗料には、下記一般式(I)で表される化合物を含む難燃剤を配合することを特徴とする。これにより、比較的少ない配合量で難燃性を付与することができる。
【化4】
【0016】
上記一般式(I)で表される化合物は、直鎖構造のポリリン酸に、メラミンが結合した構造を有するリン含有化合物である。このような化合物の入手方法としては特に限定されないが、このように調製された市販品を用いることができる。
上記一般式(I)で表される化合物は特に限定されないが、一般式(I)中のnの数が20〜50であることが好ましい。
【0017】
上記一般式(I)で表される化合物の配合量は特に限定されないが、エポキシ樹脂の総量に対して、15〜45重量%であることが好ましい。さらに好ましくは15〜30重量%である。これにより、十分な難燃性を付与することができ、かつ、少ない配合量により粉体塗料の硬化性に与える影響を小さくすることができる。配合量が前記下限値より少ないと、ニードルフレーム試験における難燃性が低下することがある。また、前記上限値を超えて配合すると、樹脂成分の硬化性の低下や、塗装性に影響を与える溶融流れ率の低下がみられることがある。
【0018】
本発明の粉体塗料に配合される難燃剤としては、上記一般式(I)で表される化合物のほか、通常エポキシ樹脂粉体塗料に用いられる難燃剤を併用して配合することができる。このような難燃剤としては、臭素化エポキシ樹脂等のハロゲン化合物が挙げられる。
また、このほかにも組成物の難燃性を高めるために、シリコーン樹脂、メラミン樹脂などのシアヌレート環骨格を有する樹脂、あるいは、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、膨張性黒鉛などを難燃性助剤として適宜使用することができる。
【0019】
本発明の粉体塗料には、以上に説明した成分のほか、必要に応じて各種顔料、レベリング剤、カップリング剤などの添加剤を適宜配合することができる。
【0020】
本発明の粉体塗料を製造する方法としては特に限定されず、通常の方法を適用することができる。一例を挙げると、所定の組成比に配合した原料成分をヘンシェルミキサーなどの混合装置を用いて十分に均一混合した後、エクストルーダーなどの混練装置を用いて溶融混合し、次いでビクトリーミルなどの粉砕装置により、適当な粒度に粉砕し、これを分級することにより得ることができる。
【0021】
本発明の粉体塗料には、上記一般式(I)で表される化合物を難燃剤として配合することを特徴とする。この化合物は比較的リン含有率が高いので、少量の配合で難燃性を付与することができ、組成物中の樹脂成分の硬化性を実質的に低下させることがない。さらに、燃焼時に炭化皮膜を形成するため、好ましくは臭素化エポキシ樹脂を併用する事により、特にニードルフレーム試験方法での難燃性に優れた硬化被膜を形成することができ、電気・電子部品の絶縁外装用として好適なエポキシ樹脂粉体塗料を得ることができるものである。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例、比較例を用いて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、表1に記載されている配合量は「重量部」を示す。
【0023】
1.粉体塗料の作製
表1に示した種類と配合量の原材料混合物を、約100℃でエクストルーダーを用いて混練した後粉砕し、150メッシュで分級を行い、平均粒径50μmの粉体塗料を得た。
【0024】
2.用いた原材料
(1)エポキシ樹脂
ジャパンエポキシレジン株式会社製・「エピコートEP1002」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
(2)臭素化エポキシ樹脂
ジャパンエポキシレジン株式会社製・「エピコートEP5050」(ビスフェノールA型臭素化エポキシ樹脂)
(3)硬化剤
(a) 2、4−ジアミノ−6−(2′−メチルイミダゾリル−(1′))−エチル−s−トリアジン:四国化成工業(株)製「2MZ−A」
(b) 1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール:四国化成製「2PZ−OK」
(4)難燃剤
(a) メラミンポリリン酸:DSM Melapurb.v製・「MP200/70」(一般式(I)において、n数の平均がほぼ30に相当するもの)
(b) メラミンピロフォスフェート:株式会社鈴祐化学製・「CLMP」(一般式(I)において、n=2に相当するもの)
(c) リン酸エステル:大八化学工業株式会社製・「PX−200」
【0025】
実施例および比較例で用いた原材料及び配合量について、表1に示す。
【表1】
【0026】
3.粉体塗料の評価
実施例及び比較例で得られた粉体塗料を用いて、以下の評価を行った。
(1)流れ性
JIS C2161(水平溶融流れ率)に準じて、以下のように行った。
成形用金型を用いて、粉体塗料0.5gを直径10mmの円柱状の試験片に成形し、平面が平滑な金属板の上に置き、熱風循環式の恒温槽にて120℃、30分処理を行い、冷却後、次式による溶融流れ率を測定した。
溶融流れ率(%)=((D−10)/10)×100
D:溶融して広がった後の試験片の直径(mm)
(2)ゲルタイム
JIS C−2105(熱盤法(150℃))に準じて行った。
(3)保存安定性
40℃恒温槽中で、3日間放置後の水平溶融流れ率を測定し、上記塗料の流れ率の初期値から以下の式で規定される保持率で算出した。
保持率(%)=(40℃3日保存後の溶融流れ率/初期溶融流れ率)×100
(4)ニードルフレーム試験
JIS C0061に準じて、以下のように行った。
JIS C0061に記載の方法により、塗装サンプルを作成した。次に、長さ35mm以上、内径0.5±0.1mm、外径0.9mm以下のニードルフレームバーナーを用い、塗装サンプルの最も燃えやすいと思われる任意の場所に炎を1回だけ接炎した。所定時間接炎後、規定時間内に消火するかどうか、燃焼落下物又は赤熱落下物により薄葉紙が発火するかどうかで難燃性を評価した。
落下物が無く、規定時間内で消火の場合は「○」、規定時間内で未消火あるいは落下物等による着火がある場合は「×」とした。
【0027】
評価結果を表2に示す。
【表2】
【0028】
表1及び表2の結果より、実施例1〜8は、エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤、及び難燃剤として上記一般式(I)で表される化合物を配合した本発明の粉体塗料であり、硬化性を損なうことなく、良好な保存安定性とニードルフレーム試験での難燃性を得ることができた。
一方、比較例では実施例とは別の難燃剤、または難燃剤と難燃助剤とを使用したが、いずれも、保存安定性とニードルフレーム試験での難燃性を両立させることはできなかった。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤、及び難燃剤を必須成分として含有し、難燃剤として上記一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とするエポキシ樹脂粉体塗料であり、硬化性の阻害が比較的小さく、保存安定性に優れ、ニードルフレーム試験での難燃性に優れる塗膜を得ることができる。従って本発明の粉体塗料は、電気・電子部品の絶縁外装用として好適である。
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CN100463952C (zh) * | 2007-01-17 | 2009-02-25 | 华南理工大学 | 一种含磷三嗪环类阻燃剂及其制备方法 |
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2002
- 2002-09-17 JP JP2002269916A patent/JP2004107431A/ja active Pending
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