JP2004106951A - 在庫管理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の工程を経て製品が製造される工場の在庫管理システムにおいて、各工程毎の在庫管理を簡略化し、在庫管理を全工程を連結させることにより在庫数を適正に制御できるシステムを提案する。
【解決手段】複数の主要工程毎10〜13に部品在庫保有手段20〜23を有し、基準在庫数を算出し、自工程の在庫数と後工程の在庫数とから適正在庫数を算出し、各工程毎に在庫数を基準在庫数及び適正在庫数に見合うように製作日程、数量を指示する主在庫管理手段1と、各工程は主在庫管理手1からの指示を受け、自工程の生産した数量を主在庫管理手段に送付する部品在庫管理手段14〜17を備える在庫管理システム。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の主要工程毎10〜13に部品在庫保有手段20〜23を有し、基準在庫数を算出し、自工程の在庫数と後工程の在庫数とから適正在庫数を算出し、各工程毎に在庫数を基準在庫数及び適正在庫数に見合うように製作日程、数量を指示する主在庫管理手段1と、各工程は主在庫管理手1からの指示を受け、自工程の生産した数量を主在庫管理手段に送付する部品在庫管理手段14〜17を備える在庫管理システム。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、部品・製品の製造の在庫、又はそれらの物流の在庫に関するもので、特に複数の工程又は工場で部品を補充するために発注する在庫管理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
必要な物を必要なとき、必要な量だけ生産、発注するいわゆるジャストインタイム生産が部品管理手法として利用されてきた。この手法は発注指示カードを部品と共に移動して部品の管理を行うものであり、特許第2956088号公報他で提案されている。またこの特許にはこの発注指示カードを電子的に管理できるように、読み取り装置で内容を読み、記憶装置にその内容を照合し、納入、未納入を把握するコンピュータシステムを含めて記載されていた。
【0003】
以下に図8に基づき従来手法を説明する。組立工場40と部品工場50は通信回線32で接続され、トラック30で部品を組立工場40に輸送している。組立工場40では、納入実績把握手段42、制御部43、読み取り手段44、記憶手段45、情報認識手段46から構成された発注管理手段41により、部品の発注が部品工場に対して通信ネットワーク31を通し通信回線32を介して行われる。部品工場50は、情報伝達手段52、発注指示カード作成手段53から構成された受注管理手段51からなり、まず情報伝達手段52により部品の発注指示を組立工場から受け、この指示に基づき発注指示カードを作成した後、部品の製造を行う。
【0004】
一方組立工場40では、輸送された発注指示カード付き部品をまず納入実績把握手段42によりデータを読込、記憶手段45に記憶する。制御部43は未納入品が存在するか否かをチェックし、完納でない場合は部品工場50に報知する機能を有している。次に部品は部品箱47から組立ライン48に投入される。発注指示カードは部品箱47から取り上げられ、読み取り手段44により集計される。部品が組立ライン48に投入されて、発注指示カードが集計され続けると部品を補充すべく、制御部43は再び部品工場50に発注指示される。さらに部品の納入情報は経理システム手段49で処理され、部品工場50にも伝達されるものである。
【0005】
また模式的な工場における従来の在庫管理の考え方を説明する。図5は工程1、工程2、工程3、工程4(10、11、12、13)から構成された工場を示している。工程1(10)は部品番号1000を製作する。20は工程1で完成した部品1000を一旦蓄える第1の在庫部である。後工程11はこの第1在庫部20、又は工程1から部品1000を受け、部品番号1100を製作する。21は完成した部品1100を在庫する第2在庫部である。同様に工程3(12)は、部品1100から部品番号1200を製作し、第3在庫部22に蓄える。工程4(13)は、部品1200から製品番号1300を製作し、第4在庫部23に蓄える。また出荷要求に基づき製品1300を第4在庫部23から出荷(30)する。以上のような工程を有する工場における従来の在庫管理を説明する。
【0006】
工程4(13)は最終工程であり、ここでは過去・現在の生産実績のみならず、将来の出荷予測台数の情報が入ってくる。例えば過去3カ月、現在及び将来2カ月の計6カ月の出荷台数から平均月出荷台数(Xa)、その標準偏差(σ)を計算し、基準在庫数(ST)を下式により求める。
ST=Xa+2σ (1)
【0007】
次に、最大在庫Smax、最小在庫Sminは下式により求める。
Smax=Xa+K1 (2)
Smin=Xa+K2 (3)
ここでK1、K2は所定数であり、例えばK1は加工ロット数、調達リードタイムを加味した数である。
【0008】
さらに具体的に各工程毎の在庫数を図2、図6を用いて説明する。図2に示すように工程4(13)の月毎の出荷数の変動が増加傾向にある変動1行目があったとすると、上記数式(1)により基準在庫数は150個となる。同様に減少出荷数変動2行目があった場合、基準在庫数は125個となる。ここでNは今月、N−1は先月、N+1は来月を示している。
【0009】
次に各前工程(10〜12)の生産数及び在庫数を図2の出荷変動1について考える。もし、各工程で同一使用個数、同一調達リードタイムであれば各工程の在庫数は同一となり、図2の出荷変動1であれば、150個となる。しかし、各材料の使用数、調達リードタイムが同一となることはまれであり、これらの要件により在庫数は可変しなければならない。ここで図6のような場合で考える。簡略化のため、使用個数は同一の1個とし、工程4(13)の基準在庫(ST)を最小在庫(Smin)=150個とする。さらに最大在庫Smaxは、
Smax=ST+K3 (4)
ここでK3は標準ロット数とし、図6の2行に示すように標準ロット数を仮定する。
【0010】
また、各工程毎の最小在庫数は図6の3行のように算出されたとし、最大在庫は最小在庫に標準ロットを加算したものとして4行の数量とする。そしてある時点の在庫数を図6の5行のように仮定すると、出荷に従い実在庫が図6の7行以降のように変化する。この例では各工程毎に最小在庫数>実在庫数になった場合に補充するもので、補充する個数は各工程毎の標準ロット数(2行)まで製作するものとしている。図6の見方は、7行で出荷を120個行い、8行では、その出荷のため工程4の在庫数2が130個になった。10行では、工程4の在庫数が最小在庫数(150個)を切ったので標準ロット数まで工程3から補充した。その個数は100個であり、そのため工程3の在庫が250個になったことを示している。同様に12行から14行は再度120個出荷した状況を示している。15、16行は、工程4で部品を工程3から補充し、この結果工程3の部品が150個になり、実在庫数<最小在庫数となったので、工程2から部品を補充し、さらに工程2は工程1から300個補充し、工程1は新規に500個製作したことを示しているものである。なお、図中連結在庫数とは後工程の在庫数に自工程の在庫数を加算したものであり、工程1の連結在庫数を見ると全工場の在庫数を把握できる。
【0011】
一方、図7は補充数を後工程の最大在庫数まで製作するものである。この場合は、補充回数が削減できるので、他の部品を製作するためのいわゆる段取り換えの手間が削減できるメリットがあり、生産効率を向上することが可能である。しかし最大在庫数まで製作するため、在庫数面から見るとデメリットになるものであるが、工場管理ではよく使用する方法である。
【0012】
このように従来の工場での補充は、後工程により引かれた結果自工程の在庫数を所定の範囲になるようにコントロールしているものであった。そのため、図6の20、22行、図7の20、22行(3回出荷時点)に示したように連結在庫数(工場全体の在庫数)をみると1840個、2030個の在庫が存在することになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように組立工場と部品工場を通信ネットワークにより連携させ、部品発注システムを形成しているものである場合、部品の発注・納入管理ができるものであり、できる限り在庫を持たないようすることが最大の特徴である。しかし、使用した数量とほぼ同等の数量を発注すれば、現実には売行きの変動によって急激な売上増の場合は部品の逼迫、逆に売上が落ちると部品は過剰という過不足が生ずるため、現実問題としてどうしても在庫を持たざるを得ない。このような過不足を解消するには在庫により調整する方法が一般的であり、実際の工場ではいくらかの在庫を有しているのが現状である。また、組立工場は市場の動向を推測し各部品工場に部品発注をするため、また部品逼迫のリスクをなくすため、少なめには発注できず販売の変動は在庫により調整する方法が取られていた。この場合、従来のシステムではその対応方法については示唆されておらず、余裕をもって部品工場からの進捗状況の把握と組立工場からの催促する従来方法で行っているものと推察される。
【0014】
また、組立工場は組立工場自体が製造した製品を自己の判断によって販売している場合以外で、例えばさらに顧客、代理店等が存在し、最終販売者の情報に応じて製造している場合、最終販売者は販売状況により製作数量をしばしば変動させるものである。この状況では、組立工場は変動を吸収するため、在庫が必要となり、さらに部品工場はその変動を吸収するため、在庫及び製作調整をたえず行わなければならなかった。組立工場では部品工場の負担を軽減するため、所定数量を確定したものとして発注しており、組立工場でのみ最終販売者の要求に合うように熟練者により巧妙に調整していた。
【0015】
また、図5〜7のような模式的な工場での在庫の考え方では、各工程毎に個別在庫管理を行っていたため多量に在庫を持たなければならなかった。
また、各工程は部品・製品の流れから自工程の在庫が適正(最小)在庫を切ると前工程にそれぞれ独立に部品を要求することになり、最悪の状態では各工程毎に工程管理者が必要となったり、自工程以外の動向は把握しにくい問題も発生していた。
さらにまた、在庫管理では各工程毎の事情、例えば、標準ロット数、製作時間、勤務時間、品質不良・トラブル発生他による製作数量の変動等々により後工程の需要量に前工程の生産管理、在庫管理は複雑で、日々対応しなければならないものであった。
【0016】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたもので、適正な在庫を有することが簡単にできる在庫管理システムを提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る在庫管理システムは、複数の工程を経て製品を生産するように構成され、前記複数の工程の内少なくとも主要工程毎にその工程までに製作した部品を在庫として一時保有する部品在庫保有手段と、この部品在庫保有手段から部品を後工程へ供給し、最終的に製品を生産出荷する工程管理において、前記部品在庫保有手段における在庫数を過去・現在又は将来の出荷数から基準在庫数を算出し、この基準在庫数から前記各部品毎に部品在庫保有手段の適正部品在庫数を、自工程の在庫数と自工程以降の後工程における在庫数とから算出し、前記基準在庫数及び適正部品在庫数に見合うように前記各工程に製品の生産日程・数量、部品の製作日程・数量を指示する主在庫管理手段とを備え、前記主要工程毎に前記主在庫管理手段による指示を周知し、また自工程の生産した数量を前記主在庫管理手段に送付する部品在庫管理手段とを備えるものである。
【0018】
また、この発明に係る在庫管理システムにおける主在庫管理手段は、各工程毎に製品の下流から順に適正部品在庫数を自工程を含め自工程以降の各工程毎の在庫数、適正在庫数を連結することにより求め、この求めた適正在庫数により自工程の在庫数管理を行うことを特徴とするものである。
【0019】
また、この発明に係る在庫管理システムにおける主在庫数管理手段は、各工程毎に最大在庫数、最小在庫数を算出し、生産の基準在庫数、又は製作の部品在庫数が最大在庫数と最小在庫数の間の基準在庫数となるように指示することを特徴とするものである。
【0020】
また、この発明に係る在庫管理システムにおける主在庫数管理手段は、基準在庫数から各部品在庫数を算出する際、基準在庫数に所定範囲の幅を有して各部品在庫数を算出する、又は過去、現在、将来の出荷数量に少なくとも過去より将来の生産数量の重み付けを同等以上多くして算出することを特徴とするものである
【0021】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図について説明する。図1の工程1、2、3、4(10、11、12、13)から構成された工場で考える。なお図5と同一付与番号は従来と同様なものであるとし、また従来例図5における各工程の加工ロット数も同じとする。本発明では、各工程毎独立に在庫数を管理するものではなく、各工程を一まとめとして扱う方法について図3を用いて説明する。各工程の在庫数の限界に使用する数量は最小在庫数・最大在庫数を使用するのではなく、連結最小在庫数・連結最大在庫数なるものを使用する。
連結最小在庫数=自工程最小在庫数+後工程以降の連結最小在庫数
連結最大在庫数=標準ロット数+自工程の連結最小在庫数
で算出する。すなわち補充の基準となる数量は、各工程毎の在庫数ではなく後工程在庫数も加味した連結在庫数を使用する。
【0022】
この連結最小・最大在庫数において、各工程毎に連結在庫数が連結最小在庫数、又は後工程の標準ロット数を切った場合に標準ロット数を補充するものである。具体的に在庫数の変動を見る。6行で120個出荷したため、工程4の在庫数が130個になり、そこで9行で工程3から(図1における第3在庫部22から)標準ロット100個を搬入する。同様に11行に示したように120個出荷し、14行で工程3から100個部品を工程4に搬入した。工程3の在庫数は150個となったが、連結在庫数は360個(15行)有している。この数量は連結最小在庫数、かつ工程4の標準ロット数より多いため補充はしない。その理由は工程3の部品は工程4に移動したのみで工場全体で見れば、未だ工場内に存在しているためすぐに製作する必要がないからである。
【0023】
図3と図6を比較すると2〜4回出荷した時点の全工場の在庫数は、従来1960〜1720個であったが、本発明では1460〜1220個となり30%近い削減ができるものである。
従って、各工程毎に独立に在庫数を管理するのではなく、後工程の在庫数を加味した連結在庫数で工程毎にリンクして管理することにより、総在庫数を制御することなり結果在庫数を削減できるものである。
【0024】
次に前述のようなことを具体的に行う方法について図1を用いて説明する。2は各工程(10〜13)、及び出荷(30)をコントロールしている管理部である。この管理部2を含め各工程1〜4にはそれぞれコンピュータシステムが設置されており、これらは回線3で接続されていることを示している。管理部2は図3に示した管理表を作成する。各工程の能力、部品製作に必要な調達日数等から標準ロット数を決定し、後工程への搬入度合いから連結最小在庫数、連結最大在庫数を決定する。なお、実在庫数は各工程が記入したものである。これらの数値から連結在庫数が機械的に算出できる。図3の1欄の番号を日付として見ると、本日は5日であり、6日(行)、11日(行)、16日(行)に120個の出荷を予定していることがわかる。さらに、この管理表(図3)は各工程に電送され、各工程では自工程の部品が何日に何個引かれ、かつ何日に何個の製作を行うべきかを把握できるものである。このような機能を有したコンピュータセット1が設置されている。
【0025】
一方各工程では管理表(図3)を表示したり、日々の在庫数を最新化するための入出力装置を有したコンピュータセット(14〜17)を配置している。工程3(12)が次に部品を製作するのは、20日(行)で工程2(11)から部品を200個搬入してこれを利用して製作することが一目瞭然である。従って、各工程ではいつどれだけ部品を製作するかの判断は不要となり、管理表の指示に従ってこの指示された日に、指示された数量製作すればよいことになっている。このことは各工程に在庫数から製作する部品数を算出するという仕事をする人を減らすことも可能となるメリットがある。
【0026】
このように各工程毎にオンライン化されたコンピュータシステムを有し、図3に示したような所定期間毎の部品の動きを表示することにより、各工程毎に在庫数の管理を行うことができる。さらに各工程毎に独立に部品製作指示が可能になり、しかも従来より在庫数を自ずと削減できる。
【0027】
なお、図3において本日が5行目であるとすると、例えば21行までを記載したデータ表として送信し、6行目の出荷が終了した時点で26行目までを送信するようにする。このように複数の出荷計画及びこの出荷による各工程の在庫変動を報知することにより、各工程にいつどれだけ補充すべきかを知らせるものである。また、将来の出荷台数が不確定の場合、このように最も近い日程つまり確定しているところまでを報知し、不確定の日程は管理部が一応計画していても各工程には報知しないということも可能である。
【0028】
また、工程1〜4は同一の工場でなくてもよく、工程1が工場1であり、工程2が離れた場所にある別の工場2であるとしてもよい。さらに工程3は海外への運搬を示す船便と考えることもでき、部品、製品の物流の工程と考えることも可能である。このように複数の工場、輸送をオンラインで接続し、かつ各工程毎に管理するのではなく、製品の工程を最初から最後までを連結して考えることにより、全体的に在庫数を削減することが可能となる。さらに、通信回線3は専用回線でなくても、インターネットのような共通回線であってもよい。
【0029】
実施の形態2.
次に補充数を最大在庫数まで補充する方式を図4について考える。考え方は実施の形態1と同様であり、ただ補充数量が異なるものである。すなわち連結最大在庫数まで補充するタイプであり、そのため各工程では4行の連結最大在庫数まで前工程から部品を搬入する。従来の図7と比較すると、2回出荷した時点で従来例では2150個の在庫数となり、本発明では5回出荷した時点で1550個の在庫数となり、削減効果が歴然とある。
【0030】
また、図6、図7の最小在庫数(3行目)は、カン、コツにより求まったものであり、この最小在庫数にはいくらかは安全率が含まれており、この安全率が高いと変動には強いが、在庫数が多くなり、逆に安全率が低いと変動には弱いが、在庫数が少なくなるものであった。しかし、本発明ではこの安全率の考慮はほとんど必要でなく、各工程を連結させてトータル的に在庫数を管理しているため、カン・コツはなくてもよいものと結果的になっている。
【0031】
実施の形態3.
基準在庫数の算出方法として、過去、現在、将来の数量から平均数量、標準偏差を求めたものであるが、適正在庫はこの基準在庫に所定の幅を決定して算出することもできる。この場合であっても所定幅は、各工程毎に例えば、標準ロット数、製作日数、後工程の標準ロット数等から算出する。また出荷台数に大きな変動がある製品、例えば新製品として今後量産が開始されるもの、又は季節商品のように数量に大きな変動を持っている製品には、別の算出方法を用いることがよい。その方法としては、過去の数量は無視、又はほとんど無視し、現在、将来分の係数を大きくすることにより簡単に算出できる。これは過去、現在の数量は零の場合を考えると、将来の生産数量を最小在庫数と置くべきものであることからも推察できる。
【0032】
図2の3行目のような急な変動があった場合を考える。来月に500個のスポット的出荷があり、来来月には平均的出荷150個がある場合、来月の変動は通常の変動の領域をはるかに越えたものである。このような異常事態には従来の平均と標準偏差の計算式ではなく、特別措置として例えば下式により求める。
ST=Yn−Xa (5)
ST=Yn (6)
ここでYnは来月つまりスポット的出荷数である。
【0033】
数式(5)、(6)はどちらかを利用するもので、例えば新製品立ち上がりのようにXa(平均月出荷数)が零、又は月づきの変動が激しく平均月出荷数を求めても意味がほとんどない場合に数式(6)を利用し、図2の3行目のようなスポット変動に対しては数式(5)を利用する。図2の3行目は数式(5)を利用すると平均は4カ月のデータより
(120+120+110+120)÷4=117
数式(5)より、
ST=500−117=383
となる。
【0034】
以上のように、出荷数の変動が少ない場合は2σの標準偏差を用いるが、変動が通常より大の急変に対しては、変動したその数字を利用することにより、直接的に適正在庫を求めることにより対処するものである。このことは標準偏差でカバーできない95%以外の5%の領域に対し、3σ、4σによる安全率を増加したような在庫を増やす方法ではないため、在庫数を削減できるものである。
【0035】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0036】
この発明の在庫管理システムによれば、部品在庫保有手段における在庫数を過去・現在又は将来の出荷数から基準在庫数を算出し、この基準在庫数から各部品毎に部品在庫保有手段の適正部品在庫数を、自工程の在庫数と自工程以降の後工程における在庫数とから算出し、基準在庫数及び適正部品在庫数に見合うように各工程に製品の生産日程・数量、部品の製作日程・数量を指示する主在庫管理手段とを備え、各工程毎に主在庫管理手段による指示を周知し、また自工程の生産した数量を前記主在庫管理手段に送付する部品在庫管理手段とを備えるため、在庫管理が簡単で、在庫数を削減できる効果がある。
【0037】
また、この発明の在庫管理システムによれば、主在庫管理手段は、各工程毎に製品の下流から順に適正部品在庫数を自工程を含め自工程以降の各工程毎の在庫数、適正在庫数を連結することにより求め、この求めた適正在庫数により自工程の在庫数管理を行うため、在庫管理が簡単で、在庫数を削減できる効果がある。
【0038】
また、この発明の在庫管理システムによれば、主在庫数管理手段は、各工程毎に最大在庫数、最小在庫数を算出し、生産の基準在庫数、又は製作の部品在庫数が最大在庫数と最小在庫数の間の基準在庫数となるように指示するため、在庫管理が単純に行うことができる効果がある。
【0039】
また、この発明の在庫管理システムによれば、主在庫数管理手段は、基準在庫数から各部品在庫数を算出する際、基準在庫数に所定範囲の幅を有して各部品在庫数を算出する、又は過去、現在、将来の出荷数量に少なくとも過去より将来の生産数量の重み付けを同等以上多くして算出するため、在庫管理が単純で、急激な出荷変動に対応できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1〜3によるシステム構成図である。
【図2】実施の形態1、2及び従来例による在庫数算出表である。
【図3】実施の形態1による在庫管理表である。
【図4】実施の形態2による在庫管理表である。
【図5】従来のシステム構成図である。
【図6】従来の在庫表である。
【図7】従来の在庫表である。
【図8】別の従来のシステム構成図である。
【符号の説明】
10 工程1、11 工程2、12 工程3、13 工程4、14〜17 部品在庫管理手段、20〜23 部品在庫保有手段、41 主在庫管理手段。
【発明の属する技術分野】
この発明は、部品・製品の製造の在庫、又はそれらの物流の在庫に関するもので、特に複数の工程又は工場で部品を補充するために発注する在庫管理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
必要な物を必要なとき、必要な量だけ生産、発注するいわゆるジャストインタイム生産が部品管理手法として利用されてきた。この手法は発注指示カードを部品と共に移動して部品の管理を行うものであり、特許第2956088号公報他で提案されている。またこの特許にはこの発注指示カードを電子的に管理できるように、読み取り装置で内容を読み、記憶装置にその内容を照合し、納入、未納入を把握するコンピュータシステムを含めて記載されていた。
【0003】
以下に図8に基づき従来手法を説明する。組立工場40と部品工場50は通信回線32で接続され、トラック30で部品を組立工場40に輸送している。組立工場40では、納入実績把握手段42、制御部43、読み取り手段44、記憶手段45、情報認識手段46から構成された発注管理手段41により、部品の発注が部品工場に対して通信ネットワーク31を通し通信回線32を介して行われる。部品工場50は、情報伝達手段52、発注指示カード作成手段53から構成された受注管理手段51からなり、まず情報伝達手段52により部品の発注指示を組立工場から受け、この指示に基づき発注指示カードを作成した後、部品の製造を行う。
【0004】
一方組立工場40では、輸送された発注指示カード付き部品をまず納入実績把握手段42によりデータを読込、記憶手段45に記憶する。制御部43は未納入品が存在するか否かをチェックし、完納でない場合は部品工場50に報知する機能を有している。次に部品は部品箱47から組立ライン48に投入される。発注指示カードは部品箱47から取り上げられ、読み取り手段44により集計される。部品が組立ライン48に投入されて、発注指示カードが集計され続けると部品を補充すべく、制御部43は再び部品工場50に発注指示される。さらに部品の納入情報は経理システム手段49で処理され、部品工場50にも伝達されるものである。
【0005】
また模式的な工場における従来の在庫管理の考え方を説明する。図5は工程1、工程2、工程3、工程4(10、11、12、13)から構成された工場を示している。工程1(10)は部品番号1000を製作する。20は工程1で完成した部品1000を一旦蓄える第1の在庫部である。後工程11はこの第1在庫部20、又は工程1から部品1000を受け、部品番号1100を製作する。21は完成した部品1100を在庫する第2在庫部である。同様に工程3(12)は、部品1100から部品番号1200を製作し、第3在庫部22に蓄える。工程4(13)は、部品1200から製品番号1300を製作し、第4在庫部23に蓄える。また出荷要求に基づき製品1300を第4在庫部23から出荷(30)する。以上のような工程を有する工場における従来の在庫管理を説明する。
【0006】
工程4(13)は最終工程であり、ここでは過去・現在の生産実績のみならず、将来の出荷予測台数の情報が入ってくる。例えば過去3カ月、現在及び将来2カ月の計6カ月の出荷台数から平均月出荷台数(Xa)、その標準偏差(σ)を計算し、基準在庫数(ST)を下式により求める。
ST=Xa+2σ (1)
【0007】
次に、最大在庫Smax、最小在庫Sminは下式により求める。
Smax=Xa+K1 (2)
Smin=Xa+K2 (3)
ここでK1、K2は所定数であり、例えばK1は加工ロット数、調達リードタイムを加味した数である。
【0008】
さらに具体的に各工程毎の在庫数を図2、図6を用いて説明する。図2に示すように工程4(13)の月毎の出荷数の変動が増加傾向にある変動1行目があったとすると、上記数式(1)により基準在庫数は150個となる。同様に減少出荷数変動2行目があった場合、基準在庫数は125個となる。ここでNは今月、N−1は先月、N+1は来月を示している。
【0009】
次に各前工程(10〜12)の生産数及び在庫数を図2の出荷変動1について考える。もし、各工程で同一使用個数、同一調達リードタイムであれば各工程の在庫数は同一となり、図2の出荷変動1であれば、150個となる。しかし、各材料の使用数、調達リードタイムが同一となることはまれであり、これらの要件により在庫数は可変しなければならない。ここで図6のような場合で考える。簡略化のため、使用個数は同一の1個とし、工程4(13)の基準在庫(ST)を最小在庫(Smin)=150個とする。さらに最大在庫Smaxは、
Smax=ST+K3 (4)
ここでK3は標準ロット数とし、図6の2行に示すように標準ロット数を仮定する。
【0010】
また、各工程毎の最小在庫数は図6の3行のように算出されたとし、最大在庫は最小在庫に標準ロットを加算したものとして4行の数量とする。そしてある時点の在庫数を図6の5行のように仮定すると、出荷に従い実在庫が図6の7行以降のように変化する。この例では各工程毎に最小在庫数>実在庫数になった場合に補充するもので、補充する個数は各工程毎の標準ロット数(2行)まで製作するものとしている。図6の見方は、7行で出荷を120個行い、8行では、その出荷のため工程4の在庫数2が130個になった。10行では、工程4の在庫数が最小在庫数(150個)を切ったので標準ロット数まで工程3から補充した。その個数は100個であり、そのため工程3の在庫が250個になったことを示している。同様に12行から14行は再度120個出荷した状況を示している。15、16行は、工程4で部品を工程3から補充し、この結果工程3の部品が150個になり、実在庫数<最小在庫数となったので、工程2から部品を補充し、さらに工程2は工程1から300個補充し、工程1は新規に500個製作したことを示しているものである。なお、図中連結在庫数とは後工程の在庫数に自工程の在庫数を加算したものであり、工程1の連結在庫数を見ると全工場の在庫数を把握できる。
【0011】
一方、図7は補充数を後工程の最大在庫数まで製作するものである。この場合は、補充回数が削減できるので、他の部品を製作するためのいわゆる段取り換えの手間が削減できるメリットがあり、生産効率を向上することが可能である。しかし最大在庫数まで製作するため、在庫数面から見るとデメリットになるものであるが、工場管理ではよく使用する方法である。
【0012】
このように従来の工場での補充は、後工程により引かれた結果自工程の在庫数を所定の範囲になるようにコントロールしているものであった。そのため、図6の20、22行、図7の20、22行(3回出荷時点)に示したように連結在庫数(工場全体の在庫数)をみると1840個、2030個の在庫が存在することになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように組立工場と部品工場を通信ネットワークにより連携させ、部品発注システムを形成しているものである場合、部品の発注・納入管理ができるものであり、できる限り在庫を持たないようすることが最大の特徴である。しかし、使用した数量とほぼ同等の数量を発注すれば、現実には売行きの変動によって急激な売上増の場合は部品の逼迫、逆に売上が落ちると部品は過剰という過不足が生ずるため、現実問題としてどうしても在庫を持たざるを得ない。このような過不足を解消するには在庫により調整する方法が一般的であり、実際の工場ではいくらかの在庫を有しているのが現状である。また、組立工場は市場の動向を推測し各部品工場に部品発注をするため、また部品逼迫のリスクをなくすため、少なめには発注できず販売の変動は在庫により調整する方法が取られていた。この場合、従来のシステムではその対応方法については示唆されておらず、余裕をもって部品工場からの進捗状況の把握と組立工場からの催促する従来方法で行っているものと推察される。
【0014】
また、組立工場は組立工場自体が製造した製品を自己の判断によって販売している場合以外で、例えばさらに顧客、代理店等が存在し、最終販売者の情報に応じて製造している場合、最終販売者は販売状況により製作数量をしばしば変動させるものである。この状況では、組立工場は変動を吸収するため、在庫が必要となり、さらに部品工場はその変動を吸収するため、在庫及び製作調整をたえず行わなければならなかった。組立工場では部品工場の負担を軽減するため、所定数量を確定したものとして発注しており、組立工場でのみ最終販売者の要求に合うように熟練者により巧妙に調整していた。
【0015】
また、図5〜7のような模式的な工場での在庫の考え方では、各工程毎に個別在庫管理を行っていたため多量に在庫を持たなければならなかった。
また、各工程は部品・製品の流れから自工程の在庫が適正(最小)在庫を切ると前工程にそれぞれ独立に部品を要求することになり、最悪の状態では各工程毎に工程管理者が必要となったり、自工程以外の動向は把握しにくい問題も発生していた。
さらにまた、在庫管理では各工程毎の事情、例えば、標準ロット数、製作時間、勤務時間、品質不良・トラブル発生他による製作数量の変動等々により後工程の需要量に前工程の生産管理、在庫管理は複雑で、日々対応しなければならないものであった。
【0016】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたもので、適正な在庫を有することが簡単にできる在庫管理システムを提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る在庫管理システムは、複数の工程を経て製品を生産するように構成され、前記複数の工程の内少なくとも主要工程毎にその工程までに製作した部品を在庫として一時保有する部品在庫保有手段と、この部品在庫保有手段から部品を後工程へ供給し、最終的に製品を生産出荷する工程管理において、前記部品在庫保有手段における在庫数を過去・現在又は将来の出荷数から基準在庫数を算出し、この基準在庫数から前記各部品毎に部品在庫保有手段の適正部品在庫数を、自工程の在庫数と自工程以降の後工程における在庫数とから算出し、前記基準在庫数及び適正部品在庫数に見合うように前記各工程に製品の生産日程・数量、部品の製作日程・数量を指示する主在庫管理手段とを備え、前記主要工程毎に前記主在庫管理手段による指示を周知し、また自工程の生産した数量を前記主在庫管理手段に送付する部品在庫管理手段とを備えるものである。
【0018】
また、この発明に係る在庫管理システムにおける主在庫管理手段は、各工程毎に製品の下流から順に適正部品在庫数を自工程を含め自工程以降の各工程毎の在庫数、適正在庫数を連結することにより求め、この求めた適正在庫数により自工程の在庫数管理を行うことを特徴とするものである。
【0019】
また、この発明に係る在庫管理システムにおける主在庫数管理手段は、各工程毎に最大在庫数、最小在庫数を算出し、生産の基準在庫数、又は製作の部品在庫数が最大在庫数と最小在庫数の間の基準在庫数となるように指示することを特徴とするものである。
【0020】
また、この発明に係る在庫管理システムにおける主在庫数管理手段は、基準在庫数から各部品在庫数を算出する際、基準在庫数に所定範囲の幅を有して各部品在庫数を算出する、又は過去、現在、将来の出荷数量に少なくとも過去より将来の生産数量の重み付けを同等以上多くして算出することを特徴とするものである
【0021】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図について説明する。図1の工程1、2、3、4(10、11、12、13)から構成された工場で考える。なお図5と同一付与番号は従来と同様なものであるとし、また従来例図5における各工程の加工ロット数も同じとする。本発明では、各工程毎独立に在庫数を管理するものではなく、各工程を一まとめとして扱う方法について図3を用いて説明する。各工程の在庫数の限界に使用する数量は最小在庫数・最大在庫数を使用するのではなく、連結最小在庫数・連結最大在庫数なるものを使用する。
連結最小在庫数=自工程最小在庫数+後工程以降の連結最小在庫数
連結最大在庫数=標準ロット数+自工程の連結最小在庫数
で算出する。すなわち補充の基準となる数量は、各工程毎の在庫数ではなく後工程在庫数も加味した連結在庫数を使用する。
【0022】
この連結最小・最大在庫数において、各工程毎に連結在庫数が連結最小在庫数、又は後工程の標準ロット数を切った場合に標準ロット数を補充するものである。具体的に在庫数の変動を見る。6行で120個出荷したため、工程4の在庫数が130個になり、そこで9行で工程3から(図1における第3在庫部22から)標準ロット100個を搬入する。同様に11行に示したように120個出荷し、14行で工程3から100個部品を工程4に搬入した。工程3の在庫数は150個となったが、連結在庫数は360個(15行)有している。この数量は連結最小在庫数、かつ工程4の標準ロット数より多いため補充はしない。その理由は工程3の部品は工程4に移動したのみで工場全体で見れば、未だ工場内に存在しているためすぐに製作する必要がないからである。
【0023】
図3と図6を比較すると2〜4回出荷した時点の全工場の在庫数は、従来1960〜1720個であったが、本発明では1460〜1220個となり30%近い削減ができるものである。
従って、各工程毎に独立に在庫数を管理するのではなく、後工程の在庫数を加味した連結在庫数で工程毎にリンクして管理することにより、総在庫数を制御することなり結果在庫数を削減できるものである。
【0024】
次に前述のようなことを具体的に行う方法について図1を用いて説明する。2は各工程(10〜13)、及び出荷(30)をコントロールしている管理部である。この管理部2を含め各工程1〜4にはそれぞれコンピュータシステムが設置されており、これらは回線3で接続されていることを示している。管理部2は図3に示した管理表を作成する。各工程の能力、部品製作に必要な調達日数等から標準ロット数を決定し、後工程への搬入度合いから連結最小在庫数、連結最大在庫数を決定する。なお、実在庫数は各工程が記入したものである。これらの数値から連結在庫数が機械的に算出できる。図3の1欄の番号を日付として見ると、本日は5日であり、6日(行)、11日(行)、16日(行)に120個の出荷を予定していることがわかる。さらに、この管理表(図3)は各工程に電送され、各工程では自工程の部品が何日に何個引かれ、かつ何日に何個の製作を行うべきかを把握できるものである。このような機能を有したコンピュータセット1が設置されている。
【0025】
一方各工程では管理表(図3)を表示したり、日々の在庫数を最新化するための入出力装置を有したコンピュータセット(14〜17)を配置している。工程3(12)が次に部品を製作するのは、20日(行)で工程2(11)から部品を200個搬入してこれを利用して製作することが一目瞭然である。従って、各工程ではいつどれだけ部品を製作するかの判断は不要となり、管理表の指示に従ってこの指示された日に、指示された数量製作すればよいことになっている。このことは各工程に在庫数から製作する部品数を算出するという仕事をする人を減らすことも可能となるメリットがある。
【0026】
このように各工程毎にオンライン化されたコンピュータシステムを有し、図3に示したような所定期間毎の部品の動きを表示することにより、各工程毎に在庫数の管理を行うことができる。さらに各工程毎に独立に部品製作指示が可能になり、しかも従来より在庫数を自ずと削減できる。
【0027】
なお、図3において本日が5行目であるとすると、例えば21行までを記載したデータ表として送信し、6行目の出荷が終了した時点で26行目までを送信するようにする。このように複数の出荷計画及びこの出荷による各工程の在庫変動を報知することにより、各工程にいつどれだけ補充すべきかを知らせるものである。また、将来の出荷台数が不確定の場合、このように最も近い日程つまり確定しているところまでを報知し、不確定の日程は管理部が一応計画していても各工程には報知しないということも可能である。
【0028】
また、工程1〜4は同一の工場でなくてもよく、工程1が工場1であり、工程2が離れた場所にある別の工場2であるとしてもよい。さらに工程3は海外への運搬を示す船便と考えることもでき、部品、製品の物流の工程と考えることも可能である。このように複数の工場、輸送をオンラインで接続し、かつ各工程毎に管理するのではなく、製品の工程を最初から最後までを連結して考えることにより、全体的に在庫数を削減することが可能となる。さらに、通信回線3は専用回線でなくても、インターネットのような共通回線であってもよい。
【0029】
実施の形態2.
次に補充数を最大在庫数まで補充する方式を図4について考える。考え方は実施の形態1と同様であり、ただ補充数量が異なるものである。すなわち連結最大在庫数まで補充するタイプであり、そのため各工程では4行の連結最大在庫数まで前工程から部品を搬入する。従来の図7と比較すると、2回出荷した時点で従来例では2150個の在庫数となり、本発明では5回出荷した時点で1550個の在庫数となり、削減効果が歴然とある。
【0030】
また、図6、図7の最小在庫数(3行目)は、カン、コツにより求まったものであり、この最小在庫数にはいくらかは安全率が含まれており、この安全率が高いと変動には強いが、在庫数が多くなり、逆に安全率が低いと変動には弱いが、在庫数が少なくなるものであった。しかし、本発明ではこの安全率の考慮はほとんど必要でなく、各工程を連結させてトータル的に在庫数を管理しているため、カン・コツはなくてもよいものと結果的になっている。
【0031】
実施の形態3.
基準在庫数の算出方法として、過去、現在、将来の数量から平均数量、標準偏差を求めたものであるが、適正在庫はこの基準在庫に所定の幅を決定して算出することもできる。この場合であっても所定幅は、各工程毎に例えば、標準ロット数、製作日数、後工程の標準ロット数等から算出する。また出荷台数に大きな変動がある製品、例えば新製品として今後量産が開始されるもの、又は季節商品のように数量に大きな変動を持っている製品には、別の算出方法を用いることがよい。その方法としては、過去の数量は無視、又はほとんど無視し、現在、将来分の係数を大きくすることにより簡単に算出できる。これは過去、現在の数量は零の場合を考えると、将来の生産数量を最小在庫数と置くべきものであることからも推察できる。
【0032】
図2の3行目のような急な変動があった場合を考える。来月に500個のスポット的出荷があり、来来月には平均的出荷150個がある場合、来月の変動は通常の変動の領域をはるかに越えたものである。このような異常事態には従来の平均と標準偏差の計算式ではなく、特別措置として例えば下式により求める。
ST=Yn−Xa (5)
ST=Yn (6)
ここでYnは来月つまりスポット的出荷数である。
【0033】
数式(5)、(6)はどちらかを利用するもので、例えば新製品立ち上がりのようにXa(平均月出荷数)が零、又は月づきの変動が激しく平均月出荷数を求めても意味がほとんどない場合に数式(6)を利用し、図2の3行目のようなスポット変動に対しては数式(5)を利用する。図2の3行目は数式(5)を利用すると平均は4カ月のデータより
(120+120+110+120)÷4=117
数式(5)より、
ST=500−117=383
となる。
【0034】
以上のように、出荷数の変動が少ない場合は2σの標準偏差を用いるが、変動が通常より大の急変に対しては、変動したその数字を利用することにより、直接的に適正在庫を求めることにより対処するものである。このことは標準偏差でカバーできない95%以外の5%の領域に対し、3σ、4σによる安全率を増加したような在庫を増やす方法ではないため、在庫数を削減できるものである。
【0035】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0036】
この発明の在庫管理システムによれば、部品在庫保有手段における在庫数を過去・現在又は将来の出荷数から基準在庫数を算出し、この基準在庫数から各部品毎に部品在庫保有手段の適正部品在庫数を、自工程の在庫数と自工程以降の後工程における在庫数とから算出し、基準在庫数及び適正部品在庫数に見合うように各工程に製品の生産日程・数量、部品の製作日程・数量を指示する主在庫管理手段とを備え、各工程毎に主在庫管理手段による指示を周知し、また自工程の生産した数量を前記主在庫管理手段に送付する部品在庫管理手段とを備えるため、在庫管理が簡単で、在庫数を削減できる効果がある。
【0037】
また、この発明の在庫管理システムによれば、主在庫管理手段は、各工程毎に製品の下流から順に適正部品在庫数を自工程を含め自工程以降の各工程毎の在庫数、適正在庫数を連結することにより求め、この求めた適正在庫数により自工程の在庫数管理を行うため、在庫管理が簡単で、在庫数を削減できる効果がある。
【0038】
また、この発明の在庫管理システムによれば、主在庫数管理手段は、各工程毎に最大在庫数、最小在庫数を算出し、生産の基準在庫数、又は製作の部品在庫数が最大在庫数と最小在庫数の間の基準在庫数となるように指示するため、在庫管理が単純に行うことができる効果がある。
【0039】
また、この発明の在庫管理システムによれば、主在庫数管理手段は、基準在庫数から各部品在庫数を算出する際、基準在庫数に所定範囲の幅を有して各部品在庫数を算出する、又は過去、現在、将来の出荷数量に少なくとも過去より将来の生産数量の重み付けを同等以上多くして算出するため、在庫管理が単純で、急激な出荷変動に対応できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1〜3によるシステム構成図である。
【図2】実施の形態1、2及び従来例による在庫数算出表である。
【図3】実施の形態1による在庫管理表である。
【図4】実施の形態2による在庫管理表である。
【図5】従来のシステム構成図である。
【図6】従来の在庫表である。
【図7】従来の在庫表である。
【図8】別の従来のシステム構成図である。
【符号の説明】
10 工程1、11 工程2、12 工程3、13 工程4、14〜17 部品在庫管理手段、20〜23 部品在庫保有手段、41 主在庫管理手段。
Claims (4)
- 複数の工程を経て製品を生産するように構成され、前記複数の工程の内少なくとも主要工程毎にその工程までに製作した部品を在庫として一時保有する部品在庫保有手段と、この部品在庫保有手段から部品を後工程へ供給し、最終的に製品を生産出荷する工程管理において、
前記部品在庫保有手段における在庫数を過去・現在又は将来の出荷数から基準在庫数を算出し、この基準在庫数から前記各部品毎に部品在庫保有手段の適正部品在庫数を、自工程の在庫数と自工程以降の後工程における在庫数とから算出し、前記基準在庫数及び適正部品在庫数に見合うように前記各工程に製品の生産日程・数量、部品の製作日程・数量を指示する主在庫管理手段とを備え、前記主要工程毎に前記主在庫管理手段による指示を周知し、また自工程の生産した数量を前記主在庫管理手段に送付する部品在庫管理手段とを備えることを特徴とする在庫管理システム。 - 主在庫管理手段は、各工程毎に製品の下流から順に適正部品在庫数を自工程を含め自工程以降の各工程毎の在庫数、適正在庫数を連結することにより求め、この求めた適正在庫数により自工程の在庫数管理を行うことを特徴とする請求項1記載の在庫数管理システム。
- 主在庫数管理手段は、各工程毎に最大在庫数、最小在庫数を算出し、生産の基準在庫数、又は製作の部品在庫数が最大在庫数と最小在庫数の間の基準在庫数となるように指示することを特徴とする請求項1記載の在庫管理システム。
- 主在庫数管理手段は、基準在庫数から各部品在庫数を算出する際、基準在庫数に所定範囲の幅を有して各部品在庫数を算出する、又は過去、現在、将来の出荷数量に少なくとも過去より将来の出荷数量の重み付けを同等以上多くして算出することを特徴とする請求項1記載の在庫管理システム。
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