JP2004106477A - 内装材及び成形内装材 - Google Patents
内装材及び成形内装材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004106477A JP2004106477A JP2002275708A JP2002275708A JP2004106477A JP 2004106477 A JP2004106477 A JP 2004106477A JP 2002275708 A JP2002275708 A JP 2002275708A JP 2002275708 A JP2002275708 A JP 2002275708A JP 2004106477 A JP2004106477 A JP 2004106477A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- interior material
- laminated
- hole
- resin
- material according
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
- Finishing Walls (AREA)
- Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
Abstract
【課題】軽量性、剛性、断熱性、成形加工性、耐熱性などの内装材としての特性を保持させつつ、室内騒音を低減出来る内装材を提供することを目的とする。
【解決手段】貫通孔を有し、それを封止する通気止めフィルムを積層した基材において、非通気性の基材に意匠性、剛性、耐熱剛性を維持できる程度の孔径を持つ貫通孔を設け、該貫通孔径において、通気止めフィルムを積層する面の孔径をもう一方の面の孔径より大きくした構造にすることにより、室内の通風汚れに関して問題なく、貫通孔部上のフィルムの振動自由度を高め、共振効果により入射音を膜振動に変換することで、特に人の話し声に近い低周波数域において巾広い低周波数域に優れた吸音特性が付与できる。
【選択図】 なし
【解決手段】貫通孔を有し、それを封止する通気止めフィルムを積層した基材において、非通気性の基材に意匠性、剛性、耐熱剛性を維持できる程度の孔径を持つ貫通孔を設け、該貫通孔径において、通気止めフィルムを積層する面の孔径をもう一方の面の孔径より大きくした構造にすることにより、室内の通風汚れに関して問題なく、貫通孔部上のフィルムの振動自由度を高め、共振効果により入射音を膜振動に変換することで、特に人の話し声に近い低周波数域において巾広い低周波数域に優れた吸音特性が付与できる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内装材用基材及び内装材に関する。さらに詳しくは、意匠性を損なうことなく室内騒音を低減出来る内装材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、住居や自動車、電車、車両等の室内の静寂性及び快適性として吸音性が求められているが、一般にこれらの要求を満足するものとしてグラスウール、ウレタンフォームやウレタンフォームと繊維等の連通する空間を有し、又は連続気泡構造を有する多孔質の構造を持つ(以下「多孔質構造体」と称す)吸音材料をベースとした内装材が広く用いられている。
【0003】
これらの多孔質の構造体からなる内装材においては、第一にこれら多孔質構造体を通過する音が、多孔質構造体内部の障害物を経る過程で干渉・回折効果により減衰することと、第二に多孔質構造体に音が当たると、その空気振動が多孔質構造体内部の空孔部分の空気に伝わり、この空孔部分で空気の粘性摩擦が生じ、音のエネルギーの一部が熱エネルギーに変換される、つまり空気の動きに対する抵抗によって、その振動が減衰され、音が小さくなるという2つの機構において吸音性能が生じる。
【0004】
しかし、通気性を有する多孔質構造体を、例えば車両等に用いる場合、その表面に装飾性等の目的で表皮材を積層して使用されることが多いが、走行中に車内に空気の流れが生じた際、表皮層がフィルターの役割を担い表皮層上部が孔状に汚れたり、室外からの音が伝播したり、多孔質構造体の裏側に壁面があった場合は室内音がその壁面にはね返り再度室内に伝播するため問題があった。
【0005】
またこれらの材料はリサイクル性が悪い上に、高い周波数域を吸音するにあたっては有効なものの人が話す音の周波数域(低周波数域)については効果がなく、この域の吸音効果を高めるためには厚みを拡大して重量を大きくする必要があり、軽量化及びコストに問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開昭62−184947号公報(第1頁、第1及び2図)
【0007】
【特許文献2】実開平3−46994号公報(第1頁、第1及び2図)
【0008】
【特許文献3】特開平14−2408号公報(第2〜4頁、第7図)
このような問題を解決する手段としての先行技術文献としては次のものがある。例として車両用吸音材について述べるならば、特許文献1には、厚み拡大、重量を大きくせずに吸音効果を高める方法として、多孔質吸音材に孔を設けてその多孔質吸音機能を高めることが知られている。また、特許文献2、及び特許文献3には、基材の通気止め対策として、通気止めフィルムあるいは遮音層を積層する方法が開示されている。
【0009】
しかし、このような多孔質吸音材は連続気泡構造体であるために圧縮応力に対応できず構造合成が低下することがあった。また、剛性維持のためガラスと併用されること、熱硬化性樹脂を用いていること等によりリサイクル性に問題があった。
【0010】
一方車両用内装材について軽量剛性、耐熱性、断熱性、リサイクル性が望まれる中で、軽量で耐熱性のある熱可塑性樹脂発泡体からなる発泡層の両面に非発泡層を積層した発泡積層シートを用いたものが知られている。特に耐熱性のある変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(以下「変性PPE系樹脂」と記す)発泡層の両面に変性PPE系樹脂非発泡層を積層した発泡積層シートは、高い独立気泡構造を持っているため軽量剛性に優れ、適度な耐熱性を保持した基材である。
【0011】
近年の多様化した市場要求に対して、非通気性の独立気泡率の高い発泡積層シートは、軽量剛性及びリサイクル性に優れていることから工業的な有用性があるものの、吸音性能に関しては、多孔質構造体に比して、少し及ばぬ傾向があることから、更なる改良が要望されている。しかし、非通気性の発泡積層シートでは、多孔質吸音材で用いた上記のような方法では吸音性を付与することができず、かつ吸音性改善に関する好適な方策が見出せていないのが現状である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、貫通孔を有し、それを封止する通気止めフィルムを積層した内装材において、非通気性の基材に意匠性、剛性、耐熱剛性を維持できる程度の孔径を持つ貫通孔を設け、該貫通孔径において、通気止めフィルムを積層する面側の孔径をもう一方の面の孔径より大きくした構造にすることにより、室内の通風汚れに関して問題なく、貫通孔部上のフィルムの振動自由度を高め、共振効果により入射音を膜振動に変換することで、特に人の話し声に近い低周波数域において優れた吸音特性が付与できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
なお、本発明で孔径とは、以下において全て、円相当径を意味する。
【0014】
この発明により非通気性の基材においても、巾広い低周波数域において吸音性を付与することができる。また、孔径の小さい方の径と大きい方の径の組合せにより、あるいは通気止めフィルムの材質によって共振周波数を変化させることができるため、上記の要因の選定によって所望の周波数域での吸音効果を発現させることができる。
【0015】
また、多孔質の表皮材と積層することにより、従来の方法に比較して大幅なコスト低減を可能とした上、すべての音域に対して優れた吸音性を保持する内装材を提案することができる。
【0016】
更に、多孔質基材に対しても同一の構造を付与することで、すべての音域に対して優れた吸音性を保持する内装材を提案することができる。
すなわち本発明は、1)貫通孔(2)を有し、それを封止する通気止めフィルム(3)を積層した基材(1)であって、該貫通孔(2)の通気止めフィルム(3)を積層する面側の孔径(円相当径)(以下「径」は円相当径を意味する)を、他面側の孔径より大きくしたことを特徴とする内装材。
【0017】
2)基材(1)が貫通孔(2a)を有する第1基材(11)に、該貫通孔(2a)より大きい径をもつ貫通孔(2b)を有する第2基材(13)を積層した構成であり、該第2基材(13)上に通気止めフィルム(3)を積層したものであることを特徴とする1)記載の内装材。
3)基材(1)が発泡層(4)をコア層とする発泡積層シ−トに通気止めフィルム(3)を積層したものであることを特徴とする1)または2)記載の内装材。
【0018】
4)発泡積層シートが耐熱性樹脂を基材樹脂とする独立気泡系の発泡層(4)の両面に、熱可塑性樹脂からなる非発泡層(5、6)を積層したことを特徴とする3)記載の内装材。
5)基材(1)に設けられた貫通孔の小さい方の孔径が0.1mm〜20mm未満であることを特徴とする1)〜4)のいずれか1記載の内装材。
【0019】
6)基材(1)に設けられた貫通孔の小さい方の孔径が3mm〜8mm未満であることを特徴とする1)〜4)のいずれか1記載の内装材。
7)基材(1)に設けられた貫通孔の大きい方の孔径が6.5mm〜100mmであることを特徴とする1)〜6)のいずれか1記載の内装材。
8)基材(1)に設けられた貫通孔の大きい方の孔径が8mm〜20mmであることを特徴とする1)〜6)のいずれか1記載の内装材。
【0020】
9)通気止めフィルム(3)の厚みが5μm〜200μmであることを特徴とする1)〜8)のいずれか1記載の内装材。
10)通気止めフィルム(3)の厚みが10μm〜30μmであることを特徴とする1)〜8)のいずれか1記載の内装材。
11)発泡層(4)を構成する基材樹脂が変成ポリフェニレンエーテル系樹脂からなることを特徴とする1)〜10)のいずれか1項記載の内装材。
【0021】
12)発泡層(4)の両面に積層された非発泡層(5、6)において、少なくとも一方の基材樹脂が変成ポリフェニレンエーテル系樹脂からなることを特徴とする、1)〜11)のいずれか1項記載の内装材。
13)発泡層(4)において、構成する変成ポリフェニレンエーテル系樹脂中のフェニレンエーテル系成分の含有量が25重量%〜70重量%であり、スチレン系成分の含有量が75重量%〜30重量%であり、独立気泡率が80%以上であることを特徴とする1)〜12)のいずれか1項記載の内装材。
14)通気止めフィルムがポリアミド系樹脂を用いたことを特徴とする1)〜13)のいずれか1項記載の内装材。
【0022】
15)ポリアミド系樹脂がナイロンフィルムであることを特徴とする14)記載の内装材。
16)複数の貫通孔(2)を有し、それを封止する通気止めフィルム(3)を積層した基材(1)が、耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層(4)の両面に、熱可塑性樹脂からなる非発泡層(5、6)を積層した発泡積層シートに通気止めフィルム(3)を積層したものであり、この基材(1)は貫通孔径の大きい面側に通気止めフィルム(3)が積層されており、多面側に表皮材が積層されている事を特徴とする内装材。
【0023】
17)表皮材が不織布である16)記載の内装材。
18)基材(1)の通気止めフィルムの上に異音防止層が積層された16)または17)記載の内装材。
19)異音防止層が不織布である18)記載の内装材。
20)1)〜19)いずれか1項に記載の内装材を車両用に用いたことを特徴とする車両用内装材。
21)1)〜20)のいずれか1項に記載の内装材を成形して得られる成形内装材。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る内装材の例を図面に基づいて詳しく説明する。以下の実施例は車両用内装材に関して触れるが、以下は一実施形態の例にすぎず、本発明は内装材について広く適用される。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る内装材の構成を模式的に示すものであり、貫通孔(2)と通気止めフィルム(3)を積層した基材(1)は、貫通孔が異なる孔径をもつ貫通孔を組み合わせた構造で、且つ通気止めフィルム面側の孔径がもう一方の面側の孔径よりも大きくなっている。本発明でいう貫通孔とは、断面は円形が一般的であるが、円に限定されることはなく、楕円、三角形、四角形、多角形、その他の形状を広く含む概念である。更に、貫通孔の大きさを表現するにつき、単に孔径として表しているが、円以外の形状である場合にも円相当径として表現している。
【0026】
発泡層(4)は、その両面に、非発泡層(5、6)が積層され発泡積層シートであり、更に通気止めフィルム接着剤層(10)を介して積層される通気止めフィルムを異音防止層として用い、その裏面側に表皮材接着剤層(9)を介して表皮材(7)が積層されている。ただし、小さい径の複数の貫通孔に対して、大きい径の貫通孔の一つが連通されるような構造も含む。
【0027】
図2は、本発明の他の実施形態に係る内装材の構成を模式的に示すものであり、貫通孔(2)がほぼ円錐(台)形状あるいは角錐(台)形状とすることで通気止めフィルム面の孔径をもう一方の面側の径よりも大きくしている。それ以外は、図1と同様である。ここに、貫通孔(2)は、一方の面側孔径が、他の面側の孔径より大であればよいのであるから、例示したような、円錐、円錐台、角錐、角錐台といった形状に限定されることはない。
【0028】
図3は、本発明の更に他の実施形態に係る内装材の構成を模式的に示すものであり、貫通孔(2)と通気止めフィルム(3)を積層した基材(1)の構成としては、一つの径を持つ貫通孔(2a)を有する基材(11)に、該貫通孔(2a)の径より大きい径の貫通孔(2b)を有する第2基材(13)と通気止めフィルムが、基材接着剤層(12)と、フィルム接着剤層(10)とを介して積層されている。ここでは、通気止めフィルム(3)は異音防止層として用いられている。また、このように形成された基材(1)の通気止めフィルム面の裏面側には表皮材接着剤層(9)を介して表皮材(7)が積層されている。ただし、小さい孔径を持つ複数の貫通孔(2a)に対して、大きい孔径の貫通孔(2b)の一つが連通されるような構造も含む。
【0029】
図4は、本発明の別の実施形態に係る内装材の構成を模式的に示すものであり、図1の構成体の異音防止層を兼ねた通気止めフィルム(3)の上に更に異音防止層(8)が積層されている。
【0030】
図5は、本発明の別の実施形態に係る内装材の構成を模式的に示すものであり、図2の構成体の異音防止層を兼ねた通気止めフィルム(3)の上に更に異音防止層(8)が積層されている。
【0031】
図6は、本発明の別の実施形態に係る内装材の構成を模式的に示すものであり、図3の構成体の異音防止層を兼ねた通気止めフィルム(3)の上に更に異音防止層(8)が積層されている。
【0032】
上記記載の基材は、上記記載の貫通孔を有し、それを封止する通気止めフィルムからなる構造をしておれば、いかなる基材にも適用できる。よって、図示したような基材、発泡積層シート、さらに、これらに異音防止層、表皮材を有する特定の構成に、必ずしも制限されるものではない。
【0033】
基材を構成する素材としては、成形加工性、軽量性、耐熱性、断熱性、リサイクル性及びコストを鑑みた場合、耐熱性樹脂を基材樹脂とする独立気泡系の発泡コア層に熱可塑性樹脂からなる非発泡層を積層した基材を用いることが好ましい。
【0034】
本発明の発泡層(4)に使用される耐熱性樹脂としては、耐熱性を有するとして当業者に知られており、一般に市販されているいずれの樹脂をも用いることができる。例示すれば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−イタコン酸共重合体等の耐熱ポリスチレン系樹脂;ポリスチレン(PS)あるいは耐熱ポリスチレンとポリフェニレンエーテル(PPE)とのブレンド体、PPEへのスチレングラフト重合物などのスチレン・フェニレンエーテル共重合体、等の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(変性PPE系樹脂);ポリカーボネート樹脂;およびポリブチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートで例示されるポリエステル樹脂;ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン樹脂などである。これらの樹脂は、2種以上を用いることもできる。
【0035】
これらの中でも変成PPE系樹脂は、耐熱性および剛性等の品質に優れているうえに、加工性および製造が容易である。使われるPPE系樹脂としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレンー1,4−エーテル)、 ポリ(2,6−ジプロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−プロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−ブチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−ブロムフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−エチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0036】
変性PPE系樹脂そしてPPE系樹脂に混合するPS系樹脂としては、スチレンまたはその誘導体、例えばα−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン等を主成分とする樹脂である。したがって、PS系樹脂はスチレンまたはスチレン誘導体だけからなる単独重合体に限らず他の単量体と共重合することによって作られた共重合体であってもよい。
【0037】
また、前記PPE系樹脂に重合、好ましくはグラフト重合させるスチレン系単量体の具体例としては、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレンなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせてもよい。これらのうちではスチレンが、汎用性、コストの点から好ましい。
【0038】
本発明の発泡層(4)に使用される基材樹脂として、変性PPE系樹脂を使用する場合は、フェニレンエーテル成分として、通常25〜70重量部、スチレン成分として75〜30重量部が好ましく、更に好ましくは、フェニレンエーテル成分として35〜60重量部、スチレン成分としては65〜40重量部、特に好ましくは、フェニレンエーテル成分として38〜58重量部、スチレン成分としては62〜42重量部がよい。PPE系樹脂の混合割合が少ないと、耐熱性が劣る傾向にあり、PPE系樹脂の混合割合が多いと、加熱流動時の粘度が上昇するため発泡成形が困難になる傾向がある。
【0039】
発泡における発泡剤としては、発泡層(4)用いられる耐熱性樹脂との相溶性がよければ汎用ガスを使用することができる。好ましくは、炭化水素系ガスであり、例示すればブタン、ペンタン等が挙げられる。これらの中でも変性PPE系樹脂を耐熱性樹脂として用いた発泡層(4)を形成する発泡剤としては、ブタンガスが耐熱性樹脂との相溶性および発泡性が優れており、ブタンガスにおいても特にイソブタンとノルマルブタンとの混合比が85対15の混合ガスが非常に優れた発泡性を示す。また、発泡層(4)中の発泡剤は1重量部から7重量部が好ましく、最も好ましくは、3重量部から5重量部である。
【0040】
変性PPE系樹脂を耐熱性樹脂として用いた発泡層(4)は、例えば自動車内装材として用いる場合は、厚みが3〜20mm、更には4〜10mmであるのが好ましい。発泡層(4)の厚さが3mm未満であると、強度および断熱性に劣り自動車内装材として適当でない場合がある。一方、20mmを超える場合、自動車室内のスペースの確保、室内設計上の制限等の理由から実用上不適当である場合がある。
【0041】
変性PPE系樹脂を耐熱性樹脂として用いた発泡層(4)は、発泡倍率が20〜100倍、更には30〜60倍であるのが好ましい。これは、発泡倍率が20倍未満の場合、強度及び断熱性が劣ることとなり、また、発泡倍率が100倍以上の場合は、セル膜密度が低くなり過ぎて耐熱性が悪化する傾向がある。
【0042】
変性PPE系樹脂を耐熱性樹脂として用いた発泡層(4)は、独立気泡率が70%以上、更には80%以上が好ましい。独立気泡率が70%以下の場合、断熱性、剛性に劣る傾向がある。
【0043】
本発明において使用される発泡層(4)の耐熱性樹脂には、必要に応じて気泡調整剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭気低減剤等を添加してもよい。
【0044】
次に、非発泡層(5、6)に用いられる熱可塑性樹脂は、発泡層の基材樹脂としても用いる耐熱性樹脂を含んだものを意味する。この熱可塑性樹脂としては、耐熱PS系樹脂、変性PPE系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリアミド(ナイロン)系樹脂などが挙げられ、これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いられるが、発泡層(4)として変性PPE系樹脂を使用する場合は、該発泡層との接着性の観点から、非発泡層(5、6)としては変性PPE系樹脂、耐熱PS系樹脂が好ましく使用される。
【0045】
非発泡層(5、6)として変性PPE系樹脂を使う場合は、上述の発泡層(4)の場合と同様に、PPE系樹脂とスチレン系化合物を主体とする単量体またはその重合体で重合または混合による変性を行ったものであり、例えば、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂、PPE系樹脂にスチレン系単量体を重合させたPPE−スチレン共重合体、この共重合体とPS系樹脂またはPPE系樹脂との混合物、その共重合体とPPE系樹脂とPS系樹脂との混合物などが挙げられる。これらのうちでは、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂が、製造が容易であるなどの点から好ましい。
【0046】
これらPPE系樹脂、PS系樹脂またはスチレン系単量体の具体例や好ましいものの例示や、PS系樹脂やスチレン単量体と重合可能な単量体の具体例、それを使用する理由などは、発泡層(4)において説明した場合と同様である。
【0047】
非発泡層(5、6)に使用される基材樹脂として、変成PPE系樹脂を使用する場合は、フェニレンエーテル成分として15〜75重量部、スチレン成分として75〜25重量部が好ましく、更に好ましくは、フェニレンエーテル成分として20〜60重量部、スチレン成分として80〜40重量部がよい。 PPE系樹脂の使用割合が小さすぎると、耐熱性が劣る傾向にあり、PPE系樹脂の使用割合が大きすぎると、加熱流動時の粘度が上昇し、成形が困難になる場合がある。
【0048】
非発泡層(5、6)の基材樹脂として好ましい耐熱PS系樹脂はスチレンまたはその誘導体と他の単量体との共重合体(以下「St系共重合体」と記す。)であり、耐熱性の改善効果を有するスチレンまたはその誘導体と共重合可能な単量体としては、例えばマレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはその誘導体およびその酸無水物、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル化合物またはその誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。耐熱性の改善効果を有するスチレンまたはその誘導体と共重合可能な単量体は通常40重量部以下、好ましくは30重量部以下の範囲で用いられる。
【0049】
また、スチレンまたはスチレン誘導体を重合させる際に、合成ゴムまたはゴムラテックスを添加して重合させたものとマレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはその誘導体およびその酸無水物、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル化合物との共重合体であってもよい。このうちでは、スチレン−無水マレイン酸系共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、スチレン−メタアクリル酸系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体がその耐熱性改善効果、汎用性、コストの面から好ましい。
【0050】
耐熱PS系樹脂は単独で用いても良く、あるいは2種類以上組み合わせても良い。また、耐熱PS系樹脂は他の熱可塑性樹脂とブレンドして用いてもよく、ブレンドする熱可塑性樹脂としては例えば、ポリスチレン、HIPS、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニルなどの塩化ビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドやそれらの共重合体などがあげられる。このうちでは汎用性、均一分散が可能であること、非発泡層の耐衝撃性改善効果が大きいこと、コストの面等からHIPSが好ましい。HIPSとしては公知のものが使用でき、ゴム成分の含有量は通常1〜15重量%である。
【0051】
非発泡層(5、6)の厚みは50〜300μmさらには75〜200μmが好ましい。非発泡層(5、6)の厚さが50μmより薄い場合には、強度、剛性、耐熱性などが劣り、300μmより厚い場合には、積層シートの成形性が劣る傾向にある。
【0052】
非発泡層(5、6)を形成する場合、必要に応じて、耐衝撃性改良剤、充填剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭気低減剤等を単独又は2種以上組み合わせて添加してもよい。
【0053】
耐衝撃性改良剤は、非発泡層(5、6)を発泡層(4)に積層し、2次発泡させた積層シートを自動車内装材として成形する際のパンチング加工や、積層シートや成形体を輸送する際に、非発泡層(5、6)の割れなどを防止するのに有効である。耐衝撃性改良剤としては、基材樹脂に混合することによってその効果を発揮するものであれば特に限定なく使用し得る。耐衝撃性改良剤は、重合による変性で熱可塑性樹脂に導入した耐衝撃性改良効果を発揮し得る成分であってもよく、例えばHIPSなどのように耐衝撃性改良成分を含むものを混合して非発泡層に使用する場合も、非発泡層(5、6)に耐衝撃性を付与することができる。
【0054】
発泡層(4)とその両面に積層された非発泡層(5、6)からなる、あるいは、さらに接着剤層を積層した基材(1)が、または、発泡層(4)とその両面に積層された非発泡層(5、6)からなる積層体の上に更に第2基材(11)を有する基材が保持する小さい方の径の貫通孔としては、パンチングやドリル等で設けられた孔であり、孔径が0.1mm〜20mm未満であるのが好ましい。径が0.1mm以下であると、基材(1)の上に積層された通気止めフィルム(3)が振動するに充分な音波が侵入できず、また、20mm以上であると、基材あるいは成形後の基材のハンドリング性や剛性が低下したり、成形体形状や耐熱時の変形が大きくなり安定した製品を得ることができなくなる。これらの径のうち、適度な剛性、ハンドリング性、意匠性、より小さい耐熱変形性の観点から、また、高い吸音性を付与するという観点から、3mm〜8mm未満が好ましい。
【0055】
次に大きい方の貫通孔としては、円錐台あるいは角錐台形状のパンチングやドリル等で小さい方の貫通孔と同時に空けてもよいし、小さい方の貫通孔を空けた基材の上からプレス冶具を用いて大きい方の孔を設けてもよい。好ましくは、加熱された冶具でプレスすると安定した、そして基材が加熱されても形状を維持できる孔を設けることができる。第2基材を用いる場合、小さい方の孔と第2基材に設けられる大きい方の貫通孔は、別々に空けて貼り合わせることもできる。
【0056】
設けられる径は6.5mmから100mmが好ましい。6.5mm以下の場合、侵入してきた音波に対して通気止めフィルムの振動が充分に起こらず、また、100mm以上の場合には、通気止めフィルムを緩まない状態に加工するのが困難で、充分な吸音性を付与できなくなる。これらの径のうち、適度な剛性、ハンドリング性、意匠性、より小さい耐熱変形性の観点から、また、高い吸音性を付与するという観点から、8mm〜20mmが好ましい。
【0057】
小さい方の貫通孔と大きい方の貫通孔が順次設けられる場合は、必ずしも小さい方の孔と大きい方の孔が全て接続される必要は無く、また、複数の小さい方の孔に一つの大きい方の孔が接続されても良い。ランダムにそれぞれの孔を設けても、確率的に接続された孔部で吸音効果が発揮されるため、設備的精度をさほど有さずにこの構造を作成することができる。また貫通孔の形状は円であっても多角形であってもよい。
【0058】
また、貫通孔のピッチに関しては、孔のサイズよりは大きく100mm以下であるのが好ましい。ピッチが孔のサイズと同程度に小さければ、成形体としての形状を維持できなかったり、成形後のハンドリング性や剛性が低下したり、成形体形状や耐熱時の変形が大きくなり安定した製品を得ることができなくなる。100mm以上の場合は吸音性能が発揮できなくなる。
【0059】
第2基材としては、積層される通気止めフィルムの振動を阻害しない程度の厚みを有すれば、フィルム、シートや布巾、いずれの材質の物も使用することができる。通気止めフィルムを確実に振動させられる厚み、あるいは、内装材として適度な厚みということを鑑みて、10μm〜50mmが好ましい。更に好ましくは40μm〜10mmがよい。
【0060】
通気止めフィルムとして用いられるフィルムとしては、空気の透過を実質的に阻止できるのであれば、当業者に知られており、一般に市販されているいずれのフィルムをも用いることができる。例示すれば、ポリオレフィン系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム等がある。中でも、高い温度(例えば100℃以上)で加熱成形加工するにおいては、耐熱性及びピンホールの発生を鑑みてポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルムが好ましい。その中でも、ナイロンやポリエチレンテレフタレートフィルムは加工の良好性から好ましい。更にその中でも、ナイロンは加熱加工において、高い耐熱性を有し、加熱収縮が大きいため、フィルムの張力を維持したまま加工が可能である。そのためフィルムの共振による吸音性を高めるとともに、フィルム自身の異音発生が小さいことからナイロンが好ましい。
【0061】
また、フィルムが高い温度にさらされない状態で加工する場合には、非発泡層、表皮材及び異音防止層との接着の良好性からポリオレフィン系フィルムが好ましい。例示すれば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状ポリエチレン等の単独重合体、エチレンープロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンとメタアクリレート、アクリレート、ブテン等のオレフィンと共重合できる単量体との共重合体、またこれらの混合物等からなるポリエチレン系樹脂、プロピレンの単独重合体、プロピレン酢酸ビニル共重合体、プロピレンとメタアクリレート、アクリレート、ブテン等のオレフィンと共重合できる単量体との共重合体、またはこれらの混合物等からなるポリプロピレン系樹脂が好ましく。これらの中では、汎用性からポリエチレンが好ましく、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)がさらに好ましい。これらのフィルム(3)は、異音防止層接着層として機能する場合もある。
【0062】
通気止めフィルムの厚みとしては、5μm〜200μmが好ましい。5μm以下の場合、その上に異音防止層が積層される場合は、異音防止層の接着性を低下させ良好な成形体を得ることができない。また、200μm以上の場合、その剛性から貫通孔上で充分な振動が発現せず目的の吸音性能を付与することができなくなる。
【0063】
表皮材(7)の具体例としては、従来の内装材として用いられるものが使用できる。たとえば織布、不織布を配するが、これらには、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリアクリロニトリル、モダアクリル(例えば、鐘淵化学工業株式会社製「カネカロン(登録商標)」などの合成樹脂や羊毛、木綿などの天然素材のものや、それらを適宜組み合わせたものが使われる。このような表皮材(7)に、必要に応じて、更にポリウレタンフォームから成る発泡層を単層または複層で積層したものが使用できる。
【0064】
通気止めフィルムの更に上に積層する異音防止層としては、通気止めフィルムの振動を阻害しないようなものであれば、当業者に知られており、一般に市販されているいずれのものも使用することができる。中でも不織布は、通気止めフィルムの振動を阻害しないことと、異音を防止するという点に適している。
【0065】
尚、既述の通気止めフィルムを異音防止層として用いることも可能であり、又、異音防止層を通気止めフィルムとして用いることも可能である。
【0066】
表皮材接着材層(9)、通気止めフィルム接着材層(10)及び第2基材接着材層(12)としては、充分な接着性と成形加工性を発揮できれば、当業者に知られ、一般に市販されているいずれの接着剤も使用できる。例示すればポリオレフィン系ホットメルト接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤やウレタン系接着材である。
【0067】
基材(1)に関しては、貫通孔(通気止めフィルム積層側の孔径が他面側より大きい)と通気止めフィルムを有する構造であれば、実質的に厚みの制限は受けない。しかし、用途によって実用性且つ成形性を鑑みて、車両用天井材であれば1mm〜20mmが好ましい。1mm以下の場合剛性が低下し形状が維持できない場合があり、20mm以上の場合成形性が悪くなり、成形型への基材追随性低下から所望の形に成形できなくなる可能性がある。
【0068】
車両用天井の中でも自動車の天井に用いる場合は、上記同様の理由で2mm〜7mm厚みがより好ましい。
【0069】
また、建材用に用いられる場合は、用いられる部分に要求される剛性により下限の厚みが制限され、要求される空間的占有率から上限の厚みが制限される範囲であればいかなる厚みであっても良い。
【0070】
【実施例】
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。実施例比較例に用いた樹脂を表1に示す。
【0071】
【表1】
なお表1に示した樹脂に関する各符号は次の通りである。
変成PPE :変成ポリフェニレンエ−テル樹脂
PS :ポリスチレン樹脂
HIPS :ハイインパクトポリスチレン樹脂
実施例および比較例で行った評価方法を以下に示す。
自動車内装材用発泡積層シートの評価
(発泡層および成形体の厚さ)
1次発泡シート、成形体の幅方向に20ヶ所の厚さを測定し、その測定値の平均値を算出した。
【0072】
(発泡倍率)
1次発泡シートの密度dfをJIS K 7222に準じて測定し、変成PPE系樹脂の密度dpを JIS K 7112に準じて測定し、次式より求めた。
【0073】
発泡倍率=dp/df
(独立気泡率)
ASTM D−2859に準じて測定した。(マルチピクノメーター(ベックマン社製)を使用)
(目付)
1次発泡シートの押し出し方向の5ヶ所より、100mm×100mmの大きさの試験片を切り出し、それらの重量を測定したのち、平均値を算出した。
【0074】
(垂直入射吸音率測定)
ISO 10534−2による垂直入射吸音率の測定により評価した。なお、本測定は一例として車両用内装材を用いるため、車両への実装状態に近づける為、音波は表皮材側より入射した。測定は、29mm口径の測定機(測定周波数範囲:500〜6300Hz)、背後空気層15mmで測定を行った。ただし、背後空気層は通気止めフィルムの振動を妨げないための一例として15mmで測定したが、0mmでなければ何ら制限を受けない。
【0075】
(実施例1)
発泡層(4)として、PPE樹脂成分40重量%,PS樹脂成分60重量%となるように変成PPE樹脂(A)57.1重量部とPS樹脂(B)42.9重量部とを混合した混合樹脂100重量部に対してiso−ブタンを主成分とする発泡剤(iso−ブタン/n−ブタン=85/15重量%)3.4重量部及びタルク0.32重量部を押出機により混錬した。サーキュラーダイスにより押出し、引取ロールを介して巻取りロールにロール上に巻き取り、一次厚み2.3mm、一次発泡倍率12倍、独立気泡率90%、セル径0.19mm、目付160g/m2の発泡シートを得た。
【0076】
ついでこの発泡シートをロールより繰り出しながら、 室外側非発泡層(6)としてSMAA共重合体樹脂(C)50部とHIPS樹脂(D)50部の混合樹脂を樹脂温度245℃となるように押出機で溶融・混錬し、Tダイを用いてフィルム上に押出し、熱融着して厚み150μmのフィルムを積層した。
【0077】
さらについで、この片面に非発泡層を形成したシートをロールから反転して繰り出し、室内側非発泡層(5)としてPPE系樹脂成分20重量%、PS系樹脂成分80重量%になるように変成PPE樹脂(A)28.6重量部、PS樹脂(B)71.4重量部を混合した混合樹脂を樹脂温度265℃となるように押出し機で溶融・混錬し、Tダイを用いてフィルム状に押出し、発泡積層シートの残された発泡層上に厚み120μmのフィルムを積層した。
【0078】
このようにして得られた発泡積層シートに、ポリオレフィン系ホットメルト(表皮材接着材層(9))を仮止めし、貫通孔(2)として厚み方向に貫通する貫通孔を直径:6.0mmで、φ2.9mm径に1個に設けた。ついで、その貫通孔に接合するように加熱プレス機を用いて室外側非発泡層(6)側からφ14mm一つの窪み孔を設けた。
【0079】
次に通気止めフィルム(3)として、厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(東洋紡社製「ハーデン」フィルム)をポリオレフィン系ホットメルト(通気止めフィルム接着材層(10)を介して熱ロールに通し仮止めした。
【0080】
このようにして得られた積層シートの通気止めフィルム積層側とは異なる面に表皮材層(7)として厚み約1mmのPET系不織布表皮材を仮止めした。
【0081】
以上のようにして得られた基材を加熱炉に入れ表面温度150℃まで加熱し、金型にてプラグ成形を行った後、トリミング、パンチング加工を施し、厚さ5.0mmの図1同様の車両用内装材を得た。得られた内装材からφ29mmのサンプルに打抜き垂直入射吸音率を測定した。その結果、吸音極大値が1000Hz付近に、吸音率が80%程度の幅広い吸音曲線になった。
【0082】
(実施例2)
最初にφ6mmの貫通孔を設けた後、貫通孔に接合するように加熱プレス機を用いて室外側非発泡層(6)側からφ10mm一つの窪み孔を設けた以外は実施例1同様の構成体を有する図1同様の車両用内装材を得た。得られた内装材からφ29mmのサンプルに打抜き垂直入射吸音率を測定した。その結果、吸音極大値が1500Hz付近に、吸音率が35%程度の吸音曲線になった。
【0083】
(実施例3)
通気止めフィルムとして厚み12μmのPETフィルム(東洋紡「エステル」二軸延伸ポリエステルフィルム)を用いた以外は、実施例1同様の構成体を有する図1同様の車両用内装材を得た。得られた内装材からφ29mmのサンプルに打抜き垂直入射吸音率を測定した。その結果、吸音極大値が1000Hz付近に、吸音率が85%程度の幅広い吸音曲線になった。
【0084】
(実施例4)
最初に空ける小さい方の貫通孔径をφ3mmにした以外は、実施例1同様の構成体を有する図1同様の車両用内装材を得た。得られた内装材からφ29mmのサンプルに打抜き垂直入射吸音率を測定した。その結果、吸音極大値が1000Hz付近に、吸音率が45%程度の幅広い吸音曲線になった。
【0085】
(実施例5)
貫通孔の数をサンプルにつき2つにした以外は、実施例1同様の構成体を有する図1同様の車両用内装材を得た。得られた内装材からφ29mmのサンプルに打抜き垂直入射吸音率を測定した。その結果、吸音極大値が1500Hz付近に、吸音率が75%程度の幅広い吸音曲線になった。
【0086】
(実施例6)
最初にφ6mmの貫通孔を設けた後、熱プレスの代わりに先端が円錐形状を有するドリルにて最大径14mmとなる孔(最小でφ6mm)を空けて円錐台形状の貫通孔を設けた以外は、実施例1同様の構成体を有する図2同様の車両用内装材を得た。得られた内装材からφ29mmのサンプルに打抜き垂直入射吸音率を測定した。その結果、吸音極大値が2000Hz付近に、吸音率が40%程度の吸音曲線になった。
【0087】
(実施例7)
実施例1で用いた発泡層(4)、非発泡層(5、6)、表皮材接着材層(9)、表皮材(7)、φ6.0mmの貫通孔一個からなる積層体に、ポリオレフィン系ホットメルトの第2基材接着剤層(12)を介して、貫通孔φ14mmを設けた厚さ125μmのPETフィルムの第2基材と、更にポリオレフィン系ホットメルトの通気止めフィルム接着材層(10)を介して、厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(東洋紡社製「ハーデン」フィルム)の通気止めフィルム(3)が順次積層された図3同様の車両用内装材を得た。得られた内装材からφ29mmのサンプルに打抜き垂直入射吸音率を測定した。その結果、吸音極大値が1500Hz付近に、吸音率が70%程度の幅広い吸音曲線になった。
【0088】
(実施例8)
実施例1で用いたサンプルの表皮材の上に、多孔質材のウレタンスラブ6mmを積層して垂直入射吸音率を測定した。その結果、吸音極大値が1000Hz付近に、吸音率が80%程度の幅広いピークに加えて、4000から5000Hz近傍に吸音率が90%程度のピークを持つ吸音曲線になり、低周波数から高周波数において幅広く高吸音率を示した。
【0089】
(比較例1)
孔径がφ6mmの唯一つの径を持つ貫通孔1つであり、熱プレス加工で異なる径の孔を設けていない以外は実施例1と同じ構成体からなる車両用内装材を得た。得られた内装材からφ29mmのサンプルに打抜き垂直入射吸音率を測定した。その結果は、実施例とともに随時示す。
【0090】
(比較例2)
孔径が0.5mmの唯一つの径を持つ貫通孔5つであり、熱プレス加工で異なる径の孔を設けていない以外は実施例1と同じ構成体からなる車両用内装材を得た。得られた内装材からφ29mmのサンプルに打抜き垂直入射吸音率を測定した。その結果は、実施例とともに随時示す。
【0091】
(比較例3)
実施例1と同様の発泡層(4)と非発泡層(5、6)、貫通孔を有する積層体の室内側にポリオレフィン系ホットメルトの通気止めフィルム接着材層を介して、厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(東洋紡社製「ハーデン」フィルム)の通気止めフィルム(3)、更にその上にエポキシ樹脂(ジャパン エポキシレジン(株)社製エピレッツ880SAW65)100重量部に硬化剤(ジャパン エポキシレジン(株)社製エピキュアU)20重量部を混合し、当該混合物をエタノールで10倍希釈した混合溶液をロールコーターを用いて30g/m2塗布した表皮材接着材層を介して表皮材が、順次積層された車両用内装材を得た。得られた内装材からφ29mmのサンプルに打抜き垂直入射吸音率を測定した。その結果は、実施例とともに随時示す。
【0092】
【発明の効果】
貫通孔を有し、それを封止する通気止めフィルムを積層した基材において、非通気性の基材に意匠性、剛性、耐熱剛性を維持できる程度の孔径を持つ貫通孔を設け、該貫通孔径において、通気止めフィルムを積層する面の孔径をもう一方の面の孔径より大きくした構造にすることにより、室内の通風汚れに関して問題なく、貫通孔部上のフィルムの振動自由度を高め、共振効果により入射音を膜振動に変換することで、特に人の話し声に近い低周波数域において巾広い低周波数域に優れた吸音特性が付与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る内装材の要部拡大断面模式図である。
【図2】図2は、本発明に係る内装材の他の実施形態を示す要部拡大断面模式図である。
【図3】図3は、本発明に係る内装材の他の実施形態を示す要部拡大断面模式図である。
【図4】図4は、本発明に係る内装材の他の実施形態を示す要部拡大断面模式図である。
【図5】図5は、本発明に係る内装材の他の実施形態を示す要部拡大断面模式図である。
【図6】図6は、本発明に係る内装材の他の実施形態を示す要部拡大断面模式図である。1:基材
2:貫通孔
3:通気止めフィルム
4:発泡コア層
5:室内側非発泡層
6:室外側非発泡層
7:表皮材
8:異音防止層
9:表皮材接着剤層
10:通気止めフィルム接着剤層
11:第1基材
12:第2基材接着材層
13:第2基材
【発明の属する技術分野】
本発明は内装材用基材及び内装材に関する。さらに詳しくは、意匠性を損なうことなく室内騒音を低減出来る内装材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、住居や自動車、電車、車両等の室内の静寂性及び快適性として吸音性が求められているが、一般にこれらの要求を満足するものとしてグラスウール、ウレタンフォームやウレタンフォームと繊維等の連通する空間を有し、又は連続気泡構造を有する多孔質の構造を持つ(以下「多孔質構造体」と称す)吸音材料をベースとした内装材が広く用いられている。
【0003】
これらの多孔質の構造体からなる内装材においては、第一にこれら多孔質構造体を通過する音が、多孔質構造体内部の障害物を経る過程で干渉・回折効果により減衰することと、第二に多孔質構造体に音が当たると、その空気振動が多孔質構造体内部の空孔部分の空気に伝わり、この空孔部分で空気の粘性摩擦が生じ、音のエネルギーの一部が熱エネルギーに変換される、つまり空気の動きに対する抵抗によって、その振動が減衰され、音が小さくなるという2つの機構において吸音性能が生じる。
【0004】
しかし、通気性を有する多孔質構造体を、例えば車両等に用いる場合、その表面に装飾性等の目的で表皮材を積層して使用されることが多いが、走行中に車内に空気の流れが生じた際、表皮層がフィルターの役割を担い表皮層上部が孔状に汚れたり、室外からの音が伝播したり、多孔質構造体の裏側に壁面があった場合は室内音がその壁面にはね返り再度室内に伝播するため問題があった。
【0005】
またこれらの材料はリサイクル性が悪い上に、高い周波数域を吸音するにあたっては有効なものの人が話す音の周波数域(低周波数域)については効果がなく、この域の吸音効果を高めるためには厚みを拡大して重量を大きくする必要があり、軽量化及びコストに問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開昭62−184947号公報(第1頁、第1及び2図)
【0007】
【特許文献2】実開平3−46994号公報(第1頁、第1及び2図)
【0008】
【特許文献3】特開平14−2408号公報(第2〜4頁、第7図)
このような問題を解決する手段としての先行技術文献としては次のものがある。例として車両用吸音材について述べるならば、特許文献1には、厚み拡大、重量を大きくせずに吸音効果を高める方法として、多孔質吸音材に孔を設けてその多孔質吸音機能を高めることが知られている。また、特許文献2、及び特許文献3には、基材の通気止め対策として、通気止めフィルムあるいは遮音層を積層する方法が開示されている。
【0009】
しかし、このような多孔質吸音材は連続気泡構造体であるために圧縮応力に対応できず構造合成が低下することがあった。また、剛性維持のためガラスと併用されること、熱硬化性樹脂を用いていること等によりリサイクル性に問題があった。
【0010】
一方車両用内装材について軽量剛性、耐熱性、断熱性、リサイクル性が望まれる中で、軽量で耐熱性のある熱可塑性樹脂発泡体からなる発泡層の両面に非発泡層を積層した発泡積層シートを用いたものが知られている。特に耐熱性のある変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(以下「変性PPE系樹脂」と記す)発泡層の両面に変性PPE系樹脂非発泡層を積層した発泡積層シートは、高い独立気泡構造を持っているため軽量剛性に優れ、適度な耐熱性を保持した基材である。
【0011】
近年の多様化した市場要求に対して、非通気性の独立気泡率の高い発泡積層シートは、軽量剛性及びリサイクル性に優れていることから工業的な有用性があるものの、吸音性能に関しては、多孔質構造体に比して、少し及ばぬ傾向があることから、更なる改良が要望されている。しかし、非通気性の発泡積層シートでは、多孔質吸音材で用いた上記のような方法では吸音性を付与することができず、かつ吸音性改善に関する好適な方策が見出せていないのが現状である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、貫通孔を有し、それを封止する通気止めフィルムを積層した内装材において、非通気性の基材に意匠性、剛性、耐熱剛性を維持できる程度の孔径を持つ貫通孔を設け、該貫通孔径において、通気止めフィルムを積層する面側の孔径をもう一方の面の孔径より大きくした構造にすることにより、室内の通風汚れに関して問題なく、貫通孔部上のフィルムの振動自由度を高め、共振効果により入射音を膜振動に変換することで、特に人の話し声に近い低周波数域において優れた吸音特性が付与できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
なお、本発明で孔径とは、以下において全て、円相当径を意味する。
【0014】
この発明により非通気性の基材においても、巾広い低周波数域において吸音性を付与することができる。また、孔径の小さい方の径と大きい方の径の組合せにより、あるいは通気止めフィルムの材質によって共振周波数を変化させることができるため、上記の要因の選定によって所望の周波数域での吸音効果を発現させることができる。
【0015】
また、多孔質の表皮材と積層することにより、従来の方法に比較して大幅なコスト低減を可能とした上、すべての音域に対して優れた吸音性を保持する内装材を提案することができる。
【0016】
更に、多孔質基材に対しても同一の構造を付与することで、すべての音域に対して優れた吸音性を保持する内装材を提案することができる。
すなわち本発明は、1)貫通孔(2)を有し、それを封止する通気止めフィルム(3)を積層した基材(1)であって、該貫通孔(2)の通気止めフィルム(3)を積層する面側の孔径(円相当径)(以下「径」は円相当径を意味する)を、他面側の孔径より大きくしたことを特徴とする内装材。
【0017】
2)基材(1)が貫通孔(2a)を有する第1基材(11)に、該貫通孔(2a)より大きい径をもつ貫通孔(2b)を有する第2基材(13)を積層した構成であり、該第2基材(13)上に通気止めフィルム(3)を積層したものであることを特徴とする1)記載の内装材。
3)基材(1)が発泡層(4)をコア層とする発泡積層シ−トに通気止めフィルム(3)を積層したものであることを特徴とする1)または2)記載の内装材。
【0018】
4)発泡積層シートが耐熱性樹脂を基材樹脂とする独立気泡系の発泡層(4)の両面に、熱可塑性樹脂からなる非発泡層(5、6)を積層したことを特徴とする3)記載の内装材。
5)基材(1)に設けられた貫通孔の小さい方の孔径が0.1mm〜20mm未満であることを特徴とする1)〜4)のいずれか1記載の内装材。
【0019】
6)基材(1)に設けられた貫通孔の小さい方の孔径が3mm〜8mm未満であることを特徴とする1)〜4)のいずれか1記載の内装材。
7)基材(1)に設けられた貫通孔の大きい方の孔径が6.5mm〜100mmであることを特徴とする1)〜6)のいずれか1記載の内装材。
8)基材(1)に設けられた貫通孔の大きい方の孔径が8mm〜20mmであることを特徴とする1)〜6)のいずれか1記載の内装材。
【0020】
9)通気止めフィルム(3)の厚みが5μm〜200μmであることを特徴とする1)〜8)のいずれか1記載の内装材。
10)通気止めフィルム(3)の厚みが10μm〜30μmであることを特徴とする1)〜8)のいずれか1記載の内装材。
11)発泡層(4)を構成する基材樹脂が変成ポリフェニレンエーテル系樹脂からなることを特徴とする1)〜10)のいずれか1項記載の内装材。
【0021】
12)発泡層(4)の両面に積層された非発泡層(5、6)において、少なくとも一方の基材樹脂が変成ポリフェニレンエーテル系樹脂からなることを特徴とする、1)〜11)のいずれか1項記載の内装材。
13)発泡層(4)において、構成する変成ポリフェニレンエーテル系樹脂中のフェニレンエーテル系成分の含有量が25重量%〜70重量%であり、スチレン系成分の含有量が75重量%〜30重量%であり、独立気泡率が80%以上であることを特徴とする1)〜12)のいずれか1項記載の内装材。
14)通気止めフィルムがポリアミド系樹脂を用いたことを特徴とする1)〜13)のいずれか1項記載の内装材。
【0022】
15)ポリアミド系樹脂がナイロンフィルムであることを特徴とする14)記載の内装材。
16)複数の貫通孔(2)を有し、それを封止する通気止めフィルム(3)を積層した基材(1)が、耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層(4)の両面に、熱可塑性樹脂からなる非発泡層(5、6)を積層した発泡積層シートに通気止めフィルム(3)を積層したものであり、この基材(1)は貫通孔径の大きい面側に通気止めフィルム(3)が積層されており、多面側に表皮材が積層されている事を特徴とする内装材。
【0023】
17)表皮材が不織布である16)記載の内装材。
18)基材(1)の通気止めフィルムの上に異音防止層が積層された16)または17)記載の内装材。
19)異音防止層が不織布である18)記載の内装材。
20)1)〜19)いずれか1項に記載の内装材を車両用に用いたことを特徴とする車両用内装材。
21)1)〜20)のいずれか1項に記載の内装材を成形して得られる成形内装材。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る内装材の例を図面に基づいて詳しく説明する。以下の実施例は車両用内装材に関して触れるが、以下は一実施形態の例にすぎず、本発明は内装材について広く適用される。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る内装材の構成を模式的に示すものであり、貫通孔(2)と通気止めフィルム(3)を積層した基材(1)は、貫通孔が異なる孔径をもつ貫通孔を組み合わせた構造で、且つ通気止めフィルム面側の孔径がもう一方の面側の孔径よりも大きくなっている。本発明でいう貫通孔とは、断面は円形が一般的であるが、円に限定されることはなく、楕円、三角形、四角形、多角形、その他の形状を広く含む概念である。更に、貫通孔の大きさを表現するにつき、単に孔径として表しているが、円以外の形状である場合にも円相当径として表現している。
【0026】
発泡層(4)は、その両面に、非発泡層(5、6)が積層され発泡積層シートであり、更に通気止めフィルム接着剤層(10)を介して積層される通気止めフィルムを異音防止層として用い、その裏面側に表皮材接着剤層(9)を介して表皮材(7)が積層されている。ただし、小さい径の複数の貫通孔に対して、大きい径の貫通孔の一つが連通されるような構造も含む。
【0027】
図2は、本発明の他の実施形態に係る内装材の構成を模式的に示すものであり、貫通孔(2)がほぼ円錐(台)形状あるいは角錐(台)形状とすることで通気止めフィルム面の孔径をもう一方の面側の径よりも大きくしている。それ以外は、図1と同様である。ここに、貫通孔(2)は、一方の面側孔径が、他の面側の孔径より大であればよいのであるから、例示したような、円錐、円錐台、角錐、角錐台といった形状に限定されることはない。
【0028】
図3は、本発明の更に他の実施形態に係る内装材の構成を模式的に示すものであり、貫通孔(2)と通気止めフィルム(3)を積層した基材(1)の構成としては、一つの径を持つ貫通孔(2a)を有する基材(11)に、該貫通孔(2a)の径より大きい径の貫通孔(2b)を有する第2基材(13)と通気止めフィルムが、基材接着剤層(12)と、フィルム接着剤層(10)とを介して積層されている。ここでは、通気止めフィルム(3)は異音防止層として用いられている。また、このように形成された基材(1)の通気止めフィルム面の裏面側には表皮材接着剤層(9)を介して表皮材(7)が積層されている。ただし、小さい孔径を持つ複数の貫通孔(2a)に対して、大きい孔径の貫通孔(2b)の一つが連通されるような構造も含む。
【0029】
図4は、本発明の別の実施形態に係る内装材の構成を模式的に示すものであり、図1の構成体の異音防止層を兼ねた通気止めフィルム(3)の上に更に異音防止層(8)が積層されている。
【0030】
図5は、本発明の別の実施形態に係る内装材の構成を模式的に示すものであり、図2の構成体の異音防止層を兼ねた通気止めフィルム(3)の上に更に異音防止層(8)が積層されている。
【0031】
図6は、本発明の別の実施形態に係る内装材の構成を模式的に示すものであり、図3の構成体の異音防止層を兼ねた通気止めフィルム(3)の上に更に異音防止層(8)が積層されている。
【0032】
上記記載の基材は、上記記載の貫通孔を有し、それを封止する通気止めフィルムからなる構造をしておれば、いかなる基材にも適用できる。よって、図示したような基材、発泡積層シート、さらに、これらに異音防止層、表皮材を有する特定の構成に、必ずしも制限されるものではない。
【0033】
基材を構成する素材としては、成形加工性、軽量性、耐熱性、断熱性、リサイクル性及びコストを鑑みた場合、耐熱性樹脂を基材樹脂とする独立気泡系の発泡コア層に熱可塑性樹脂からなる非発泡層を積層した基材を用いることが好ましい。
【0034】
本発明の発泡層(4)に使用される耐熱性樹脂としては、耐熱性を有するとして当業者に知られており、一般に市販されているいずれの樹脂をも用いることができる。例示すれば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−イタコン酸共重合体等の耐熱ポリスチレン系樹脂;ポリスチレン(PS)あるいは耐熱ポリスチレンとポリフェニレンエーテル(PPE)とのブレンド体、PPEへのスチレングラフト重合物などのスチレン・フェニレンエーテル共重合体、等の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(変性PPE系樹脂);ポリカーボネート樹脂;およびポリブチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートで例示されるポリエステル樹脂;ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン樹脂などである。これらの樹脂は、2種以上を用いることもできる。
【0035】
これらの中でも変成PPE系樹脂は、耐熱性および剛性等の品質に優れているうえに、加工性および製造が容易である。使われるPPE系樹脂としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレンー1,4−エーテル)、 ポリ(2,6−ジプロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−プロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−ブチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−ブロムフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−エチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0036】
変性PPE系樹脂そしてPPE系樹脂に混合するPS系樹脂としては、スチレンまたはその誘導体、例えばα−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン等を主成分とする樹脂である。したがって、PS系樹脂はスチレンまたはスチレン誘導体だけからなる単独重合体に限らず他の単量体と共重合することによって作られた共重合体であってもよい。
【0037】
また、前記PPE系樹脂に重合、好ましくはグラフト重合させるスチレン系単量体の具体例としては、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレンなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせてもよい。これらのうちではスチレンが、汎用性、コストの点から好ましい。
【0038】
本発明の発泡層(4)に使用される基材樹脂として、変性PPE系樹脂を使用する場合は、フェニレンエーテル成分として、通常25〜70重量部、スチレン成分として75〜30重量部が好ましく、更に好ましくは、フェニレンエーテル成分として35〜60重量部、スチレン成分としては65〜40重量部、特に好ましくは、フェニレンエーテル成分として38〜58重量部、スチレン成分としては62〜42重量部がよい。PPE系樹脂の混合割合が少ないと、耐熱性が劣る傾向にあり、PPE系樹脂の混合割合が多いと、加熱流動時の粘度が上昇するため発泡成形が困難になる傾向がある。
【0039】
発泡における発泡剤としては、発泡層(4)用いられる耐熱性樹脂との相溶性がよければ汎用ガスを使用することができる。好ましくは、炭化水素系ガスであり、例示すればブタン、ペンタン等が挙げられる。これらの中でも変性PPE系樹脂を耐熱性樹脂として用いた発泡層(4)を形成する発泡剤としては、ブタンガスが耐熱性樹脂との相溶性および発泡性が優れており、ブタンガスにおいても特にイソブタンとノルマルブタンとの混合比が85対15の混合ガスが非常に優れた発泡性を示す。また、発泡層(4)中の発泡剤は1重量部から7重量部が好ましく、最も好ましくは、3重量部から5重量部である。
【0040】
変性PPE系樹脂を耐熱性樹脂として用いた発泡層(4)は、例えば自動車内装材として用いる場合は、厚みが3〜20mm、更には4〜10mmであるのが好ましい。発泡層(4)の厚さが3mm未満であると、強度および断熱性に劣り自動車内装材として適当でない場合がある。一方、20mmを超える場合、自動車室内のスペースの確保、室内設計上の制限等の理由から実用上不適当である場合がある。
【0041】
変性PPE系樹脂を耐熱性樹脂として用いた発泡層(4)は、発泡倍率が20〜100倍、更には30〜60倍であるのが好ましい。これは、発泡倍率が20倍未満の場合、強度及び断熱性が劣ることとなり、また、発泡倍率が100倍以上の場合は、セル膜密度が低くなり過ぎて耐熱性が悪化する傾向がある。
【0042】
変性PPE系樹脂を耐熱性樹脂として用いた発泡層(4)は、独立気泡率が70%以上、更には80%以上が好ましい。独立気泡率が70%以下の場合、断熱性、剛性に劣る傾向がある。
【0043】
本発明において使用される発泡層(4)の耐熱性樹脂には、必要に応じて気泡調整剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭気低減剤等を添加してもよい。
【0044】
次に、非発泡層(5、6)に用いられる熱可塑性樹脂は、発泡層の基材樹脂としても用いる耐熱性樹脂を含んだものを意味する。この熱可塑性樹脂としては、耐熱PS系樹脂、変性PPE系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリアミド(ナイロン)系樹脂などが挙げられ、これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いられるが、発泡層(4)として変性PPE系樹脂を使用する場合は、該発泡層との接着性の観点から、非発泡層(5、6)としては変性PPE系樹脂、耐熱PS系樹脂が好ましく使用される。
【0045】
非発泡層(5、6)として変性PPE系樹脂を使う場合は、上述の発泡層(4)の場合と同様に、PPE系樹脂とスチレン系化合物を主体とする単量体またはその重合体で重合または混合による変性を行ったものであり、例えば、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂、PPE系樹脂にスチレン系単量体を重合させたPPE−スチレン共重合体、この共重合体とPS系樹脂またはPPE系樹脂との混合物、その共重合体とPPE系樹脂とPS系樹脂との混合物などが挙げられる。これらのうちでは、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂が、製造が容易であるなどの点から好ましい。
【0046】
これらPPE系樹脂、PS系樹脂またはスチレン系単量体の具体例や好ましいものの例示や、PS系樹脂やスチレン単量体と重合可能な単量体の具体例、それを使用する理由などは、発泡層(4)において説明した場合と同様である。
【0047】
非発泡層(5、6)に使用される基材樹脂として、変成PPE系樹脂を使用する場合は、フェニレンエーテル成分として15〜75重量部、スチレン成分として75〜25重量部が好ましく、更に好ましくは、フェニレンエーテル成分として20〜60重量部、スチレン成分として80〜40重量部がよい。 PPE系樹脂の使用割合が小さすぎると、耐熱性が劣る傾向にあり、PPE系樹脂の使用割合が大きすぎると、加熱流動時の粘度が上昇し、成形が困難になる場合がある。
【0048】
非発泡層(5、6)の基材樹脂として好ましい耐熱PS系樹脂はスチレンまたはその誘導体と他の単量体との共重合体(以下「St系共重合体」と記す。)であり、耐熱性の改善効果を有するスチレンまたはその誘導体と共重合可能な単量体としては、例えばマレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはその誘導体およびその酸無水物、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル化合物またはその誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。耐熱性の改善効果を有するスチレンまたはその誘導体と共重合可能な単量体は通常40重量部以下、好ましくは30重量部以下の範囲で用いられる。
【0049】
また、スチレンまたはスチレン誘導体を重合させる際に、合成ゴムまたはゴムラテックスを添加して重合させたものとマレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはその誘導体およびその酸無水物、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル化合物との共重合体であってもよい。このうちでは、スチレン−無水マレイン酸系共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、スチレン−メタアクリル酸系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体がその耐熱性改善効果、汎用性、コストの面から好ましい。
【0050】
耐熱PS系樹脂は単独で用いても良く、あるいは2種類以上組み合わせても良い。また、耐熱PS系樹脂は他の熱可塑性樹脂とブレンドして用いてもよく、ブレンドする熱可塑性樹脂としては例えば、ポリスチレン、HIPS、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニルなどの塩化ビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドやそれらの共重合体などがあげられる。このうちでは汎用性、均一分散が可能であること、非発泡層の耐衝撃性改善効果が大きいこと、コストの面等からHIPSが好ましい。HIPSとしては公知のものが使用でき、ゴム成分の含有量は通常1〜15重量%である。
【0051】
非発泡層(5、6)の厚みは50〜300μmさらには75〜200μmが好ましい。非発泡層(5、6)の厚さが50μmより薄い場合には、強度、剛性、耐熱性などが劣り、300μmより厚い場合には、積層シートの成形性が劣る傾向にある。
【0052】
非発泡層(5、6)を形成する場合、必要に応じて、耐衝撃性改良剤、充填剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭気低減剤等を単独又は2種以上組み合わせて添加してもよい。
【0053】
耐衝撃性改良剤は、非発泡層(5、6)を発泡層(4)に積層し、2次発泡させた積層シートを自動車内装材として成形する際のパンチング加工や、積層シートや成形体を輸送する際に、非発泡層(5、6)の割れなどを防止するのに有効である。耐衝撃性改良剤としては、基材樹脂に混合することによってその効果を発揮するものであれば特に限定なく使用し得る。耐衝撃性改良剤は、重合による変性で熱可塑性樹脂に導入した耐衝撃性改良効果を発揮し得る成分であってもよく、例えばHIPSなどのように耐衝撃性改良成分を含むものを混合して非発泡層に使用する場合も、非発泡層(5、6)に耐衝撃性を付与することができる。
【0054】
発泡層(4)とその両面に積層された非発泡層(5、6)からなる、あるいは、さらに接着剤層を積層した基材(1)が、または、発泡層(4)とその両面に積層された非発泡層(5、6)からなる積層体の上に更に第2基材(11)を有する基材が保持する小さい方の径の貫通孔としては、パンチングやドリル等で設けられた孔であり、孔径が0.1mm〜20mm未満であるのが好ましい。径が0.1mm以下であると、基材(1)の上に積層された通気止めフィルム(3)が振動するに充分な音波が侵入できず、また、20mm以上であると、基材あるいは成形後の基材のハンドリング性や剛性が低下したり、成形体形状や耐熱時の変形が大きくなり安定した製品を得ることができなくなる。これらの径のうち、適度な剛性、ハンドリング性、意匠性、より小さい耐熱変形性の観点から、また、高い吸音性を付与するという観点から、3mm〜8mm未満が好ましい。
【0055】
次に大きい方の貫通孔としては、円錐台あるいは角錐台形状のパンチングやドリル等で小さい方の貫通孔と同時に空けてもよいし、小さい方の貫通孔を空けた基材の上からプレス冶具を用いて大きい方の孔を設けてもよい。好ましくは、加熱された冶具でプレスすると安定した、そして基材が加熱されても形状を維持できる孔を設けることができる。第2基材を用いる場合、小さい方の孔と第2基材に設けられる大きい方の貫通孔は、別々に空けて貼り合わせることもできる。
【0056】
設けられる径は6.5mmから100mmが好ましい。6.5mm以下の場合、侵入してきた音波に対して通気止めフィルムの振動が充分に起こらず、また、100mm以上の場合には、通気止めフィルムを緩まない状態に加工するのが困難で、充分な吸音性を付与できなくなる。これらの径のうち、適度な剛性、ハンドリング性、意匠性、より小さい耐熱変形性の観点から、また、高い吸音性を付与するという観点から、8mm〜20mmが好ましい。
【0057】
小さい方の貫通孔と大きい方の貫通孔が順次設けられる場合は、必ずしも小さい方の孔と大きい方の孔が全て接続される必要は無く、また、複数の小さい方の孔に一つの大きい方の孔が接続されても良い。ランダムにそれぞれの孔を設けても、確率的に接続された孔部で吸音効果が発揮されるため、設備的精度をさほど有さずにこの構造を作成することができる。また貫通孔の形状は円であっても多角形であってもよい。
【0058】
また、貫通孔のピッチに関しては、孔のサイズよりは大きく100mm以下であるのが好ましい。ピッチが孔のサイズと同程度に小さければ、成形体としての形状を維持できなかったり、成形後のハンドリング性や剛性が低下したり、成形体形状や耐熱時の変形が大きくなり安定した製品を得ることができなくなる。100mm以上の場合は吸音性能が発揮できなくなる。
【0059】
第2基材としては、積層される通気止めフィルムの振動を阻害しない程度の厚みを有すれば、フィルム、シートや布巾、いずれの材質の物も使用することができる。通気止めフィルムを確実に振動させられる厚み、あるいは、内装材として適度な厚みということを鑑みて、10μm〜50mmが好ましい。更に好ましくは40μm〜10mmがよい。
【0060】
通気止めフィルムとして用いられるフィルムとしては、空気の透過を実質的に阻止できるのであれば、当業者に知られており、一般に市販されているいずれのフィルムをも用いることができる。例示すれば、ポリオレフィン系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム等がある。中でも、高い温度(例えば100℃以上)で加熱成形加工するにおいては、耐熱性及びピンホールの発生を鑑みてポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルムが好ましい。その中でも、ナイロンやポリエチレンテレフタレートフィルムは加工の良好性から好ましい。更にその中でも、ナイロンは加熱加工において、高い耐熱性を有し、加熱収縮が大きいため、フィルムの張力を維持したまま加工が可能である。そのためフィルムの共振による吸音性を高めるとともに、フィルム自身の異音発生が小さいことからナイロンが好ましい。
【0061】
また、フィルムが高い温度にさらされない状態で加工する場合には、非発泡層、表皮材及び異音防止層との接着の良好性からポリオレフィン系フィルムが好ましい。例示すれば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状ポリエチレン等の単独重合体、エチレンープロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンとメタアクリレート、アクリレート、ブテン等のオレフィンと共重合できる単量体との共重合体、またこれらの混合物等からなるポリエチレン系樹脂、プロピレンの単独重合体、プロピレン酢酸ビニル共重合体、プロピレンとメタアクリレート、アクリレート、ブテン等のオレフィンと共重合できる単量体との共重合体、またはこれらの混合物等からなるポリプロピレン系樹脂が好ましく。これらの中では、汎用性からポリエチレンが好ましく、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)がさらに好ましい。これらのフィルム(3)は、異音防止層接着層として機能する場合もある。
【0062】
通気止めフィルムの厚みとしては、5μm〜200μmが好ましい。5μm以下の場合、その上に異音防止層が積層される場合は、異音防止層の接着性を低下させ良好な成形体を得ることができない。また、200μm以上の場合、その剛性から貫通孔上で充分な振動が発現せず目的の吸音性能を付与することができなくなる。
【0063】
表皮材(7)の具体例としては、従来の内装材として用いられるものが使用できる。たとえば織布、不織布を配するが、これらには、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリアクリロニトリル、モダアクリル(例えば、鐘淵化学工業株式会社製「カネカロン(登録商標)」などの合成樹脂や羊毛、木綿などの天然素材のものや、それらを適宜組み合わせたものが使われる。このような表皮材(7)に、必要に応じて、更にポリウレタンフォームから成る発泡層を単層または複層で積層したものが使用できる。
【0064】
通気止めフィルムの更に上に積層する異音防止層としては、通気止めフィルムの振動を阻害しないようなものであれば、当業者に知られており、一般に市販されているいずれのものも使用することができる。中でも不織布は、通気止めフィルムの振動を阻害しないことと、異音を防止するという点に適している。
【0065】
尚、既述の通気止めフィルムを異音防止層として用いることも可能であり、又、異音防止層を通気止めフィルムとして用いることも可能である。
【0066】
表皮材接着材層(9)、通気止めフィルム接着材層(10)及び第2基材接着材層(12)としては、充分な接着性と成形加工性を発揮できれば、当業者に知られ、一般に市販されているいずれの接着剤も使用できる。例示すればポリオレフィン系ホットメルト接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤やウレタン系接着材である。
【0067】
基材(1)に関しては、貫通孔(通気止めフィルム積層側の孔径が他面側より大きい)と通気止めフィルムを有する構造であれば、実質的に厚みの制限は受けない。しかし、用途によって実用性且つ成形性を鑑みて、車両用天井材であれば1mm〜20mmが好ましい。1mm以下の場合剛性が低下し形状が維持できない場合があり、20mm以上の場合成形性が悪くなり、成形型への基材追随性低下から所望の形に成形できなくなる可能性がある。
【0068】
車両用天井の中でも自動車の天井に用いる場合は、上記同様の理由で2mm〜7mm厚みがより好ましい。
【0069】
また、建材用に用いられる場合は、用いられる部分に要求される剛性により下限の厚みが制限され、要求される空間的占有率から上限の厚みが制限される範囲であればいかなる厚みであっても良い。
【0070】
【実施例】
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。実施例比較例に用いた樹脂を表1に示す。
【0071】
【表1】
なお表1に示した樹脂に関する各符号は次の通りである。
変成PPE :変成ポリフェニレンエ−テル樹脂
PS :ポリスチレン樹脂
HIPS :ハイインパクトポリスチレン樹脂
実施例および比較例で行った評価方法を以下に示す。
自動車内装材用発泡積層シートの評価
(発泡層および成形体の厚さ)
1次発泡シート、成形体の幅方向に20ヶ所の厚さを測定し、その測定値の平均値を算出した。
【0072】
(発泡倍率)
1次発泡シートの密度dfをJIS K 7222に準じて測定し、変成PPE系樹脂の密度dpを JIS K 7112に準じて測定し、次式より求めた。
【0073】
発泡倍率=dp/df
(独立気泡率)
ASTM D−2859に準じて測定した。(マルチピクノメーター(ベックマン社製)を使用)
(目付)
1次発泡シートの押し出し方向の5ヶ所より、100mm×100mmの大きさの試験片を切り出し、それらの重量を測定したのち、平均値を算出した。
【0074】
(垂直入射吸音率測定)
ISO 10534−2による垂直入射吸音率の測定により評価した。なお、本測定は一例として車両用内装材を用いるため、車両への実装状態に近づける為、音波は表皮材側より入射した。測定は、29mm口径の測定機(測定周波数範囲:500〜6300Hz)、背後空気層15mmで測定を行った。ただし、背後空気層は通気止めフィルムの振動を妨げないための一例として15mmで測定したが、0mmでなければ何ら制限を受けない。
【0075】
(実施例1)
発泡層(4)として、PPE樹脂成分40重量%,PS樹脂成分60重量%となるように変成PPE樹脂(A)57.1重量部とPS樹脂(B)42.9重量部とを混合した混合樹脂100重量部に対してiso−ブタンを主成分とする発泡剤(iso−ブタン/n−ブタン=85/15重量%)3.4重量部及びタルク0.32重量部を押出機により混錬した。サーキュラーダイスにより押出し、引取ロールを介して巻取りロールにロール上に巻き取り、一次厚み2.3mm、一次発泡倍率12倍、独立気泡率90%、セル径0.19mm、目付160g/m2の発泡シートを得た。
【0076】
ついでこの発泡シートをロールより繰り出しながら、 室外側非発泡層(6)としてSMAA共重合体樹脂(C)50部とHIPS樹脂(D)50部の混合樹脂を樹脂温度245℃となるように押出機で溶融・混錬し、Tダイを用いてフィルム上に押出し、熱融着して厚み150μmのフィルムを積層した。
【0077】
さらについで、この片面に非発泡層を形成したシートをロールから反転して繰り出し、室内側非発泡層(5)としてPPE系樹脂成分20重量%、PS系樹脂成分80重量%になるように変成PPE樹脂(A)28.6重量部、PS樹脂(B)71.4重量部を混合した混合樹脂を樹脂温度265℃となるように押出し機で溶融・混錬し、Tダイを用いてフィルム状に押出し、発泡積層シートの残された発泡層上に厚み120μmのフィルムを積層した。
【0078】
このようにして得られた発泡積層シートに、ポリオレフィン系ホットメルト(表皮材接着材層(9))を仮止めし、貫通孔(2)として厚み方向に貫通する貫通孔を直径:6.0mmで、φ2.9mm径に1個に設けた。ついで、その貫通孔に接合するように加熱プレス機を用いて室外側非発泡層(6)側からφ14mm一つの窪み孔を設けた。
【0079】
次に通気止めフィルム(3)として、厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(東洋紡社製「ハーデン」フィルム)をポリオレフィン系ホットメルト(通気止めフィルム接着材層(10)を介して熱ロールに通し仮止めした。
【0080】
このようにして得られた積層シートの通気止めフィルム積層側とは異なる面に表皮材層(7)として厚み約1mmのPET系不織布表皮材を仮止めした。
【0081】
以上のようにして得られた基材を加熱炉に入れ表面温度150℃まで加熱し、金型にてプラグ成形を行った後、トリミング、パンチング加工を施し、厚さ5.0mmの図1同様の車両用内装材を得た。得られた内装材からφ29mmのサンプルに打抜き垂直入射吸音率を測定した。その結果、吸音極大値が1000Hz付近に、吸音率が80%程度の幅広い吸音曲線になった。
【0082】
(実施例2)
最初にφ6mmの貫通孔を設けた後、貫通孔に接合するように加熱プレス機を用いて室外側非発泡層(6)側からφ10mm一つの窪み孔を設けた以外は実施例1同様の構成体を有する図1同様の車両用内装材を得た。得られた内装材からφ29mmのサンプルに打抜き垂直入射吸音率を測定した。その結果、吸音極大値が1500Hz付近に、吸音率が35%程度の吸音曲線になった。
【0083】
(実施例3)
通気止めフィルムとして厚み12μmのPETフィルム(東洋紡「エステル」二軸延伸ポリエステルフィルム)を用いた以外は、実施例1同様の構成体を有する図1同様の車両用内装材を得た。得られた内装材からφ29mmのサンプルに打抜き垂直入射吸音率を測定した。その結果、吸音極大値が1000Hz付近に、吸音率が85%程度の幅広い吸音曲線になった。
【0084】
(実施例4)
最初に空ける小さい方の貫通孔径をφ3mmにした以外は、実施例1同様の構成体を有する図1同様の車両用内装材を得た。得られた内装材からφ29mmのサンプルに打抜き垂直入射吸音率を測定した。その結果、吸音極大値が1000Hz付近に、吸音率が45%程度の幅広い吸音曲線になった。
【0085】
(実施例5)
貫通孔の数をサンプルにつき2つにした以外は、実施例1同様の構成体を有する図1同様の車両用内装材を得た。得られた内装材からφ29mmのサンプルに打抜き垂直入射吸音率を測定した。その結果、吸音極大値が1500Hz付近に、吸音率が75%程度の幅広い吸音曲線になった。
【0086】
(実施例6)
最初にφ6mmの貫通孔を設けた後、熱プレスの代わりに先端が円錐形状を有するドリルにて最大径14mmとなる孔(最小でφ6mm)を空けて円錐台形状の貫通孔を設けた以外は、実施例1同様の構成体を有する図2同様の車両用内装材を得た。得られた内装材からφ29mmのサンプルに打抜き垂直入射吸音率を測定した。その結果、吸音極大値が2000Hz付近に、吸音率が40%程度の吸音曲線になった。
【0087】
(実施例7)
実施例1で用いた発泡層(4)、非発泡層(5、6)、表皮材接着材層(9)、表皮材(7)、φ6.0mmの貫通孔一個からなる積層体に、ポリオレフィン系ホットメルトの第2基材接着剤層(12)を介して、貫通孔φ14mmを設けた厚さ125μmのPETフィルムの第2基材と、更にポリオレフィン系ホットメルトの通気止めフィルム接着材層(10)を介して、厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(東洋紡社製「ハーデン」フィルム)の通気止めフィルム(3)が順次積層された図3同様の車両用内装材を得た。得られた内装材からφ29mmのサンプルに打抜き垂直入射吸音率を測定した。その結果、吸音極大値が1500Hz付近に、吸音率が70%程度の幅広い吸音曲線になった。
【0088】
(実施例8)
実施例1で用いたサンプルの表皮材の上に、多孔質材のウレタンスラブ6mmを積層して垂直入射吸音率を測定した。その結果、吸音極大値が1000Hz付近に、吸音率が80%程度の幅広いピークに加えて、4000から5000Hz近傍に吸音率が90%程度のピークを持つ吸音曲線になり、低周波数から高周波数において幅広く高吸音率を示した。
【0089】
(比較例1)
孔径がφ6mmの唯一つの径を持つ貫通孔1つであり、熱プレス加工で異なる径の孔を設けていない以外は実施例1と同じ構成体からなる車両用内装材を得た。得られた内装材からφ29mmのサンプルに打抜き垂直入射吸音率を測定した。その結果は、実施例とともに随時示す。
【0090】
(比較例2)
孔径が0.5mmの唯一つの径を持つ貫通孔5つであり、熱プレス加工で異なる径の孔を設けていない以外は実施例1と同じ構成体からなる車両用内装材を得た。得られた内装材からφ29mmのサンプルに打抜き垂直入射吸音率を測定した。その結果は、実施例とともに随時示す。
【0091】
(比較例3)
実施例1と同様の発泡層(4)と非発泡層(5、6)、貫通孔を有する積層体の室内側にポリオレフィン系ホットメルトの通気止めフィルム接着材層を介して、厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(東洋紡社製「ハーデン」フィルム)の通気止めフィルム(3)、更にその上にエポキシ樹脂(ジャパン エポキシレジン(株)社製エピレッツ880SAW65)100重量部に硬化剤(ジャパン エポキシレジン(株)社製エピキュアU)20重量部を混合し、当該混合物をエタノールで10倍希釈した混合溶液をロールコーターを用いて30g/m2塗布した表皮材接着材層を介して表皮材が、順次積層された車両用内装材を得た。得られた内装材からφ29mmのサンプルに打抜き垂直入射吸音率を測定した。その結果は、実施例とともに随時示す。
【0092】
【発明の効果】
貫通孔を有し、それを封止する通気止めフィルムを積層した基材において、非通気性の基材に意匠性、剛性、耐熱剛性を維持できる程度の孔径を持つ貫通孔を設け、該貫通孔径において、通気止めフィルムを積層する面の孔径をもう一方の面の孔径より大きくした構造にすることにより、室内の通風汚れに関して問題なく、貫通孔部上のフィルムの振動自由度を高め、共振効果により入射音を膜振動に変換することで、特に人の話し声に近い低周波数域において巾広い低周波数域に優れた吸音特性が付与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る内装材の要部拡大断面模式図である。
【図2】図2は、本発明に係る内装材の他の実施形態を示す要部拡大断面模式図である。
【図3】図3は、本発明に係る内装材の他の実施形態を示す要部拡大断面模式図である。
【図4】図4は、本発明に係る内装材の他の実施形態を示す要部拡大断面模式図である。
【図5】図5は、本発明に係る内装材の他の実施形態を示す要部拡大断面模式図である。
【図6】図6は、本発明に係る内装材の他の実施形態を示す要部拡大断面模式図である。1:基材
2:貫通孔
3:通気止めフィルム
4:発泡コア層
5:室内側非発泡層
6:室外側非発泡層
7:表皮材
8:異音防止層
9:表皮材接着剤層
10:通気止めフィルム接着剤層
11:第1基材
12:第2基材接着材層
13:第2基材
Claims (21)
- 貫通孔(2)を有し、それを封止する通気止めフィルム(3)を積層した基材(1)であって、該貫通孔(2)の通気止めフィルム(3)を積層する面側の孔径を、他面側の孔径より大きくしたことを特徴とする内装材。
- 基材(1)が貫通孔(2a)を有する第1基材(11)に、該貫通孔(2a)より大きい径をもつ貫通孔(2b)を有する第2基材(13)を積層した構成であり、該第2基材(13)上に通気止めフィルム(3)を積層したものであることを特徴とする請求項1記載の内装材。
- 基材(1)が発泡層(4)をコア層とする発泡積層シ−トに通気止めフィルム(3)を積層したものであることを特徴とする請求項1または2記載の内装材。
- 発泡積層シートが耐熱性樹脂を基材樹脂とする独立気泡系の発泡層(4)の両面に、熱可塑性樹脂からなる非発泡層(5、6)を積層したことを特徴とする請求項3記載の内装材。
- 基材(1)に設けられた貫通孔の小さい方の孔径が0.1mm〜20mm未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の内装材。
- 基材(1)に設けられた貫通孔の小さい方の孔径が3mm〜8mm未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の内装材。
- 基材(1)に設けられた貫通孔の大きい方の孔径が6.5mm〜100mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の内装材。
- 基材(1)に設けられた貫通孔の大きい方の孔径が8mm〜20mmであることを特徴とする請求項記載の内装材。
- 通気止めフィルム(3)の厚みが5μm〜200μmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の内装材。
- 通気止めフィルム(3)の厚みが10μm〜30μmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の内装材。
- 発泡層(4)を構成する基材樹脂が変成ポリフェニレンエーテル系樹脂からなることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の内装材。
- 発泡層(4)の両面に積層された非発泡層(5、6)において、少なくとも一方の基材樹脂が変成ポリフェニレンエーテル系樹脂からなることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項記載の内装材。
- 発泡層(4)において、構成する変成ポリフェニレンエーテル系樹脂中のフェニレンエーテル系成分の含有量が25重量%〜70重量%であり、スチレン系成分の含有量が75重量%〜30重量%であり、独立気泡率が80%以上であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項記載の内装材。
- 通気止めフィルムがポリアミド系樹脂を用いたことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項記載の内装材。
- ポリアミド系樹脂がナイロンフィルムであることを特徴とする請求項14記載の内装材。
- 複数の貫通孔(2)を有し、それを封止する通気止めフィルム(3)を積層した基材(1)が、耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層(4)の両面に、熱可塑性樹脂からなる非発泡層(5、6)を積層した発泡積層シートに通気止めフィルム(3)を積層したものであり、この基材(1)は貫通孔径の大きい面側に通気止めフィルム(3)が積層されており、多面側に表皮材が積層されている事を特徴とする内装材。
- 表皮材が不織布である請求項16記載の内装材。
- 基材(1)の通気止めフィルムの上に異音防止層が積層された請求項16または17記載の内装材。
- 異音防止層が不織布である請求項18記載の内装材。
- 請求項1〜19のいずれか1項に記載の内装材を車両用に用いたことを特徴とする車両用内装材。
- 請求項1〜20のいずれか1項に記載の内装材を成形して得られる成形内装材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002275708A JP2004106477A (ja) | 2002-09-20 | 2002-09-20 | 内装材及び成形内装材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002275708A JP2004106477A (ja) | 2002-09-20 | 2002-09-20 | 内装材及び成形内装材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004106477A true JP2004106477A (ja) | 2004-04-08 |
Family
ID=32271830
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002275708A Pending JP2004106477A (ja) | 2002-09-20 | 2002-09-20 | 内装材及び成形内装材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004106477A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009126496A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-11 | Toyota Boshoku Corp | 車両用内装材及び車両用内装材の製造方法 |
JP2013053391A (ja) * | 2011-09-06 | 2013-03-21 | Dainippon Printing Co Ltd | 発泡壁紙の製造方法 |
CN110352455A (zh) * | 2017-02-27 | 2019-10-18 | 日东电工株式会社 | 吸音材料 |
JP2021502216A (ja) * | 2017-11-13 | 2021-01-28 | ユニバーサル.ファイバーズ.インコーポレイテッド | 制振材料および/または消音材料の製造方法 |
WO2023200005A1 (ja) * | 2022-04-15 | 2023-10-19 | テイ・エス テック株式会社 | 車両用内装材 |
-
2002
- 2002-09-20 JP JP2002275708A patent/JP2004106477A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009126496A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-11 | Toyota Boshoku Corp | 車両用内装材及び車両用内装材の製造方法 |
JP2013053391A (ja) * | 2011-09-06 | 2013-03-21 | Dainippon Printing Co Ltd | 発泡壁紙の製造方法 |
CN110352455A (zh) * | 2017-02-27 | 2019-10-18 | 日东电工株式会社 | 吸音材料 |
JP2021502216A (ja) * | 2017-11-13 | 2021-01-28 | ユニバーサル.ファイバーズ.インコーポレイテッド | 制振材料および/または消音材料の製造方法 |
WO2023200005A1 (ja) * | 2022-04-15 | 2023-10-19 | テイ・エス テック株式会社 | 車両用内装材 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2018147464A1 (ja) | 樹脂発泡粒子、樹脂発泡成形体、および積層体 | |
JP2005335684A (ja) | 超軽量な防音材 | |
JP2009145694A (ja) | 車両用吸音基材及びその製造方法 | |
JP2018171829A (ja) | 積層体 | |
JP2009161170A (ja) | 自動車内装材用発泡シート | |
US20060013996A1 (en) | Laminated surface skin material and laminate for interior material | |
JP2007168292A (ja) | 内装材用基材 | |
JP4384573B2 (ja) | 自動車内装天井材用の積層部材 | |
JP2004106477A (ja) | 内装材及び成形内装材 | |
JP2004130731A (ja) | 内装材及び車両用内装材 | |
JP2011000810A (ja) | 自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材 | |
JP2007301774A (ja) | 自動車内装材用基材及び自動車内装材 | |
JP4494024B2 (ja) | 自動車内装材用積層シート及びその製造方法並びに自動車内装材 | |
JP4276137B2 (ja) | 自動車内装材用発泡シート | |
JP2003334875A (ja) | 自動車内装材用基材及び自動車内装材 | |
JP7328353B2 (ja) | 多層吸音材 | |
JP2005350055A (ja) | 自動車内装材用発泡積層シ−ト | |
JP2009039989A (ja) | 自動車内装材用発泡積層シートおよび自動車内装材 | |
JP2006247868A (ja) | 自動車内装材および自動車内装部品 | |
JP2008303593A (ja) | 畳構成部材およびこれを用いた薄畳 | |
JP2004209975A (ja) | 積層表皮材およびそれを用いた内装材用積層体 | |
JP5328199B2 (ja) | 自動車内装材用積層シート、自動車内装材及びその製造方法 | |
JP2006110912A (ja) | 多層表皮材及びそれを積層した内装材用積層体 | |
JP2002283482A (ja) | 自動車内装材 | |
JP2003252124A (ja) | 自動車内装材 |