JP2018171829A - 積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]
繊維集合体を含む面材(I)と、連通空隙を有する樹脂発泡成形体を含む基材(II)とを含む積層体であって、
上記繊維集合体は、目付けが10〜300g/m2、平均みかけ密度が0.10〜1.0g/cm3、平均繊維径が1〜50μm、通気度が2〜70cc/(cm2・sec)であり、
上記樹脂発泡成形体が、樹脂を含む凹外形部を有する樹脂発泡粒子であって、上記樹脂の密度ρ0と上記樹脂発泡粒子の真密度ρ1との比ρ0/ρ1が2〜20であり、上記樹脂発泡粒子の真密度ρ1と上記樹脂発泡粒子の嵩密度ρ2との比ρ1/ρ2が1.5〜4.0である上記樹脂発泡粒子が相互に融着した成形体であり、融着した上記樹脂発泡粒子間に連続した空隙部を有し、空隙率が15〜80%であり、
厚みが3〜80mmである、ことを特徴とする積層体。
面材(I)が、一方の表面層として平均繊維径が5〜50μmである熱可塑性合成繊維層(A)、中間層として平均繊維径が1〜10μmである熱可塑性合成極細繊維層(B)、他方の表面層として平均繊維径が5〜50μmである熱可塑性合成繊維を含む層(C)の3層からなる繊維集合積層体、又は該繊維集合積層体を2〜10枚重ね合わせた繊維集合積層体複合体である、[1]に記載の積層体。
上記樹脂発泡粒子の平均粒子径が1.0〜4.0mmである、[1]または[2]に記載の積層体。
上記樹脂が、20℃における表面張力が37〜60mN/mの熱可塑性樹脂である、[1]〜[3]のいずれかに記載の積層体。
自立型防音材である、[1]〜[4]のいずれかに記載の積層体。
さらに、特定の原料樹脂を用いることにより、機械強度、耐熱性、耐熱変形性、難燃性、耐溶剤性、剛性から選ばれる性能を両立させた新規な発泡成形体を得ることもできる。
本発明の積層体は、繊維集合体を含む面材(I)と、連通空隙を有する樹脂発泡成形体を含む基材(II)とを含む積層体であって、
上記繊維集合体は、目付けが10〜300g/m2、平均みかけ密度が0.10〜1.0g/cm3、平均繊維径が1〜50μm、通気度が2〜70cc/(cm2・sec)であり、
上記樹脂発泡成形体が、樹脂を含む凹外形部を有する樹脂発泡粒子であって、上記樹脂の密度ρ0と上記樹脂発泡粒子の真密度ρ1との比ρ0/ρ1が2〜20であり、上記樹脂発泡粒子の真密度ρ1と上記樹脂発泡粒子の嵩密度ρ2との比ρ1/ρ2が1.5〜4.0である上記樹脂発泡粒子が相互に融着した成形体であり、融着した上記樹脂発泡粒子間に連続した空隙部を有し、空隙率が15〜80%であり、
厚みが3〜80mmである。
本実施形態の積層体を形成する、連通空隙を有する樹脂発泡成形体を含む基材(II)について以下に説明する。上記連通空隙を有する樹脂発泡成形体は、下記のように樹脂発泡粒子を融合成形する事により得られる樹脂発泡成形体であることが好ましい。
上記基材(II)は、上記樹脂発泡成形体を含む。中でも、上記樹脂発泡成形体のみからなることが好ましい。上記基材(II)は、上記樹脂発泡成形体以外に、無機又は有機の粒子、難燃剤、安定剤などの添加剤を含む樹脂層を含んでいてもよい。
上記樹脂発泡粒子は、凹外形部を有すること(少なくとも一方の方向から見た外形において、凹形状部を有すること)が必要である。
なお、本明細書において凹外形部を有するとは、樹脂発泡粒子の正射影像が凹図形となる正射影像が得られる方向が存在することを意味する。また、本明細書において凹図形とは、凹図形となる正射影像図形の外表面上の2点間を結んだ線分の少なくとも一部(好ましくは全線分)が樹脂発泡粒子の外部領域を通る線分となる2点を選ぶことが可能であることを言う。凹図形の例を図1に示す。
また、上記凹外形部は、発泡時に形成される発泡気泡と異なる構造である。
上記凹外形部は、上記樹脂発泡粒子の表面を連結する一個または複数個の貫通孔であっても良いし、粒子を貫通しない一個または複数個の凹部であっても良いし、一個または複数個の貫通孔および一個または複数個の凹部が混在していても良い。ここで、貫通孔とは、樹脂発泡粒子外表面に形成された2つの穴を結ぶ空洞であってよく、該空洞が映る正射影像において、該空洞が樹脂発泡粒子に囲まれている正射影像(空洞が樹脂発泡粒子内に孤立した空洞を形成する正射影像)が得られる構造としてよい。
上記溝状凹部としては、例えば、中空の略円の一部を切り取った形状(C形状、U形状等)の断面(図1)を重ねた形状(図2(a)(b))、中空の略多角形(三角形、四角形等)の一部を切り取った断面(図1)を重ねた形状等が挙げられる。ここで、上記中空の略円及び中空の略多角形における中空とは、略円であってもよいし、略多角形であってもよいが、中空を囲む形状と同一形状であることが好ましい。また、上記中空の形状の中心と、上記中空を囲む形状の中心とが重なる形状(例えば、同心円等)ことが好ましい。
樹脂の密度ρ0とは、発泡前の原料樹脂の密度であり、水没法により重計を使用して測定される密度である。
本明細書においてρ0、ρ1、ρ2はすべて、20℃、0.10MPaの環境下において測定し得られた値を意味するものとする。
なお、本実施形態の樹脂発泡粒子の形状は、特に限定されず、様々な形状として良い。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、スチレン無水マレイン酸コポリマー、ポリフェニレンオキサイドとポリスチレンとのブレンド又はグラフトポリマー、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンターポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、ハイインパクトポリスチレンなどのスチレン系重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、後塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン又はプロピレンと塩化ビニルのコポリマーなどの塩化ビニル系重合体、ポリ塩化ビニリデン系共重合樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6、単独および共重合ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、単独および共重合ポリエステル系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(フェニレンエーテル−ポリスチレンアロイ樹脂)、ポリカーボネート樹脂、メタクリルイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエステル系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。
樹脂の表面張力は、JISK6768「プラスチック−フィルム及びシート−ぬれ張力試験方法」記載の方法において温度を20℃に変更した方法により測定される値を用いる。
上記樹脂発泡成形体は、上記樹脂発泡粒子が相互に融着した成形体である。即ち、本実施形態の樹脂発泡成形体は、少なくとも2個以上の上記樹脂発泡粒子が互いに融着した部分を少なくとも有する成形体である。融着した樹脂発泡粒子間には融着した部分及び空隙部がある。
また、上記樹脂発泡成形体は、融着した上記樹脂発泡粒子間に連続した空隙部を有し、空隙率が15〜80%(より好ましくは30〜70%)であることが好ましい。
上記空隙率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
次に本実施形態の積層体を形成する繊維集合体を含む面材(I)について以下に説明する。
上記面材(I)は、上記繊維集合体を含む。中でも、上記繊維集合体のみからなることが好ましい。上記面材(I)は、上記繊維集合体以外に、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、染料、顔料などの着色剤、可塑剤、滑剤、結晶化核剤、タルク、炭カル等の無機充填剤等を含む樹脂相を含んでいてもよい。
上記繊維集合体の目付けは、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
上記繊維集合体の平均みかけ密度は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
上記繊維集合体の平均繊維径は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
上記繊維集合体の通気度は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
層(A)の平均繊維径としては、7〜40μmがより好ましく、さらに好ましくは10〜30μmである。層(C)の平均繊維径としては、7〜40μmがより好ましく、さらに好ましくは10〜30μmである。層(B)の平均繊維径としては1.5〜9μmがより好ましく、さらに好ましくは2.0〜8μmである、特に好ましくは2.0μm以上7μm未満である。
層(A)に用いる熱可塑性合成繊維と、層(C)に含まれる熱可塑性合成繊維とは、同じ繊維であってもよいし異なる繊維であってもよい。中でも、各層間の接合強度の観点から、同じ繊維であることが好ましい。
上記面材は、繊維集合積層体、または2〜10枚の繊維集合積層体を重ね合わせた繊維集合積層体複合体であっても良い。繊維集合積層体の枚数が10枚を超えると面材を安定に保持する事が難しく、工程中で中間に空気層が入り易くなり、厚みの均質性が低下する傾向が現れ好ましくない。
これらの繊維は、単独でもよく、2種以上複合混繊してもよく、また、低融点繊維と高融点繊維との複合混繊してもよい。更に、好ましくは、高融点成分を芯部に有し、低融点成分を鞘部に有する、鞘芯構造の複合繊維が用いられる。例えば、芯が高融点(例えば、融点230〜300℃)成分で、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、共重合ポリアミドなどであり、鞘が低融点(例えば、融点210〜280℃、芯の高融点成分よりも20〜180℃融点が低い成分等)成分で低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリエチレン、共重合ポリプロピレン、共重合ポリエステル、脂肪族エステルなどが挙げられる。これらの組み合わせのうち、層(A)を構成する上記熱可塑性合成繊維は、層(C)の低融点成分の融点より20℃以上高融点である事が好ましい。
繊維集合積層体の目付けおよび平均みかけ密度が小さすぎると、音の震動の貫通が多くなり、吸音性が低下する。目付けおよび平均みかけ密度が大きすぎると緻密性が高くなり、剛性が増し、面材と基材との接着性、加工性が低下し好ましくない。
本実施形態の積層体1は、上記面材(I)3と、上記基材(II)2とを含む。面材3は、上記層(A)4、上記層(B)5、上記層(C)の3層からなる繊維集合積層体であってもよい。
また、上記繊維集合積層体を2個以上重ねる場合、一方の繊維集合積層体の層(A)と他方の繊維集合積層体の層(C)とが重なるように積層されてもよいし、一方の繊維集合積層体の層(A)と他方の繊維集合積層体の層(A)とが重なるように積層されてもよい。中でも、加熱積層後の積層体の強度に優れ、吸音性能に一層優れる観点から、一方の繊維集合積層体の層(A)と、他方の繊維集合積層体の層(C)とが重なるように積層されることが好ましい。
繊維集合体を含む面材(I)の片面に樹脂発泡成形体を含む基材(II)を積層する手段としては、熱接着による方法の他、接着剤を介して積層一体化する方法等も挙げられるが、接着剤を用いることなく、面材(I)と基材(II)とを単に重ね合わせて積層体(複合吸音材)とすることが好ましい。接着剤を用いないことにより、面材(I)と基材(II)との間には通気性を確実に確保することができ、安定した吸音性能を維持できる。このように、単に重ね合わせて積層する場合は、所定のフレーム(枠)に嵌め込み、少なくとも端部を固定することにより一体化するとよい。接着剤を介して積層一体化する場合は、接着剤を部分的に配置することによって、通気性を確保するとよい。接着剤が膜を形成して接着剤層となり、通気性が損なわれると、面材(I)から基材(II)への音の侵入が阻害され、吸音性能が低下する恐れがある。このように部分的に接着剤を存在させる方法としては、パウダー状や繊維状の熱接着剤を用いるとよい。また、基材(II)において、繊維集合積層体等の面材(I)側の面となる基材(II)表面を加熱溶融させ、繊維集合積層体等の面材(I)と貼り合わせる方法により接着一体化することもできる。
発泡前の樹脂の質量W(g)を測定した後、水没法で体積V(cm3)を測定し、W/V(g/cm3)を樹脂の密度とした。
樹脂発泡粒子の質量W(g)を測定した後、水没法で体積V(cm3)を測定し、W/V(g/cm3)を樹脂発泡粒子の真密度とした。
比重計により予備発泡後の樹脂原料ペレットの密度を測定した。
樹脂発泡粒子100gをメスシリンダーに入れ振動させその体積が恒量に達した時平坦化させた上面の目盛りを読んだ値として嵩体積V1(cm3)、樹脂発泡粒子を入れたメスシリンダーの質量W1(g)とメスシリンダーの質量W0(g)を測定し、下式により求めた。
ρ2=[W1−W0]/V1
100gの樹脂発泡粒子をJIS Z8801で規定される、呼び寸法がd1=5.6mm、d2=4.75mm、d3=4mm、d4=3.35mm、d5=2.36mm、d6=1.7mm、d7=1.4mm、d8=1mmである標準ふるいを用いて分級を行い、ふるいdiを通過して、ふるいdi+1で止まる粒子の重量割合をXi、全粒子集合体の平均粒子径Dを次式により求めた。
D=ΣXi(di・di+1)1/2
(iは1〜7の整数を表す)
以下の式より、樹脂発泡成形体の空隙率を求めた。
樹脂発泡成形体の空隙率(%)=[(B−C)/B]×100
但し、B:樹脂発泡成形体の見掛け体積(cm3)、C:樹脂発泡成形体の真の体積(cm3)であり、見掛け体積は成形体の外形寸法から算出される体積、真の体積Cは成形体の空隙部を除いた実体積をそれぞれ意味する。真の体積Cは樹脂発泡成形体を液体(例えばアルコール)中に沈めた時の増量した体積を測定することにより得られる。
単位長さ流れ抵抗の測定から以下のように判定した。
単位長さ流れ抵抗値の測定方法としては、国際標準規格ISO9053のAC法を適用して日本音響エンジニアリング(株)製、流れ抵抗測定システムAirReSys型を使用して測定した。すなわち、厚み10mmの平板状樹脂発泡成形体試料を用い、流速F=0.5mm/sの一様流中の流れる状態で材料表裏面の差圧P(Pa)を測定し、その差圧と材料厚みt(m)からP/(t・F)(N・s/m4)として求めた。単位長さ流れ抵抗値が200,000N・s/m4以下の場合を連続した空隙部有り(○)、200,000N・s/m4を超える場合を連続した空隙部無し(×)と評価した。
JIS K6767Aに基づき引っ張り強度を測定し、樹脂発泡成形体の破断伸度が2%以上の場合を融着強度に優れる(◎)、破断伸度が1%以上2%未満の場合2を融着強度が良好(〇)、破断伸度が1%未満の場合を融着強度が劣る(×)と評価した。
JIS A1405−2に基づき垂直入射吸音率を測定した。厚さ30mmの平板状樹脂発泡成形体を作製し直径41mm、厚さ30mmの円盤を切り出し、日本音響エンジニアリング社製垂直入射吸音率測定システムWinZacMTX型により、周波数200〜5000Hzにおける垂直入射吸音率を20℃において測定した。測定は、200、250Hz、315Hz、400Hz、500Hz、630Hz、800Hz、1000Hz、1250Hz、1600Hz、2000Hzの11点を中心周波数とする1/3オクターブ帯の平均吸音率を測定し11帯の平均吸音率のうち、吸音率30%以上の周波数が5点以上ある場合を吸音特性に優れる(◎)、吸音率30%以上の周波数が3点以上4点以下の場合を吸音特性が良好(〇)、吸音率30%以上の周波数が2点以下の場合を吸音特性が劣る(×)として評価した。
JIS L−1913「一般不織布試験方法」の単位面積当たりの質量(ISO法)の記載の方法に従って評価した値を面材の目付けとした。
JIS L−1913「一般不織布試験方法」の厚さ(ISO法)の記載の方法に従って平均厚み評価し、上記(9)の面材の目付けの値から、(面材の平均みかけ密度)=(面材の目付け)/(厚み)として求めた。
顕微鏡で500倍の拡大写真を撮り、不作為に選んだ繊維30本の直径の平均値を求めた。
JIS L−1096「織物及び編物の生地試験方法」記載の方法に従って測定した。
(8)と同じ装置測定法を用い、積層体の面材側を音の入射面として垂直入射吸音率を測定し、(8)と同様に評価した。
ポリアミド6樹脂(UBEナイロン「1022B」、宇部興産製、20℃における表面張力46mN/m)を、押出し機を用いて溶融し、図3(a1)記載の断面形状の異形押し出しダイから吐出させたストランドをペレタイザーでペレタイズし、平均粒子径1.4mmのペレットを得た。得られたペレットを10℃の圧力釜に投入し、4MPaの炭酸ガスを吹き込み3時間吸収させた。次いで炭酸ガス含浸ミニペレットを発泡装置に移し、240℃の空気を20秒間吹き込み、ポリアミド樹脂発泡粒子の集合体を得た。得られたポリアミド樹脂発泡粒子の集合体に含まれるポリアミド樹脂発泡粒子の平均粒子径は2.0mmであった。ポリアミド樹脂発泡粒子を切断し観察したところ、ポリアミド樹脂発泡粒子には独立気泡が切断面一面にまんべんなく多数形成されていた。ポリアミド樹脂発泡粒子の断面は図3(a2)に記した形状で凹外形部を有していた。
得られたポリアミド樹脂発泡粒子集合体を再度圧力釜に入れ、10℃にて4MPaの炭酸ガスを3時間吸収させた。次いでこの炭酸ガスを含浸したポリアミド樹脂発泡粒子を型内発泡成形装置の金型内に充填し、230℃の空気を30秒間吹き込み、ポリアミド樹脂発泡粒子同士が融着した樹脂発泡成形体A−1を得た。樹脂発泡成形体の発泡倍率は7.5倍であった。樹脂発泡成形体を切断し観察したところ、セル径が200〜400μmである独立気泡を多数有するポリアミド樹脂発泡粒子の集合体が形成されていた。通気抵抗の測定値から連続した空隙部を持つことが確認された。ポリアミド樹脂発泡粒子および樹脂発泡成形体の評価結果を表1中に記す。
ポリフェニレンエーテル系樹脂(商品名:ザイロンTYPE S201A、旭化成(株)製、20℃における表面張力40mN/m)を60質量%、非ハロゲン系難燃剤(ビスフェノールA−ビス(ジフェニルホスフェート)(BBP))を18質量%、ゴム濃度が6質量%の耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)10質量%(基材樹脂中のゴム成分含有量は0.6質量%)及び汎用ポリスチレン樹脂(PS)(商品名:GP685、PSジャパン(株)製)を12質量%加え、押出機にて加熱溶融混練の図3記載の異形押し出しダイから吐出させたストランドをペレタイザーでペレタイズし、ペレットを得た。特開平4−372630号公報の実施例1に記載の方法に準じ、基材樹脂としての上記ペレットを耐圧容器に収容し、容器内の気体を乾燥空気で置換した後、発泡剤として二酸化炭素(気体)を注入し、圧力3.2MPa、温度11℃の条件下で3時間かけて基材樹脂としてのペレットに対して二酸化炭素を7質量%含浸させ、基材樹脂ペレットを発泡炉内で攪拌羽させながら加圧水蒸気により発泡させた。得られた樹脂発泡粒子の概形を図3に示す。
なお、図3(b1)が製造例2、図3(c1)が製造例3、図3(d1)が製造例4、図3(e1)が製造例5、のダイ吐出口の断面形状である。また、図3(b2)が製造例2、図3(c2)が製造例3、図3(d2)が製造例4、図3(e2)が製造例5、の樹脂発泡粒子の断面である。
得られた樹脂発泡粒子を耐圧容器に移し、圧縮空気により内圧を0.5MPaまで1時間かけて昇圧し、その後0.5MPaで8時間保持し、加圧処理を施した。これを、型内発泡成形装置の水蒸気孔を有する金型内に充填し、加圧水蒸気0.35MPaで加熱して樹脂発泡粒子を相互に膨張・融着させた後、冷却し、成形金型より取り出し、樹脂発泡成形体A−2〜A−5を得た。なお、製造例2の樹脂発泡粒子から得られた樹脂発泡成形体がA−2、製造例3の樹脂発泡粒子から得られた樹脂発泡成形体がA−3、製造例4の樹脂発泡粒子から得られた樹脂発泡成形体がA−4、製造例5の樹脂発泡粒子から得られた樹脂発泡成形体がA−5である。通気抵抗の測定値から連続した空隙部を持つことが確認された。樹脂発泡粒子および樹脂発泡成形体の評価結果を表1中に記す。
エチレングリコールとイソフタル酸とテレフタル酸の重縮合体(イソフタル酸含有率 2重量%、20℃における表面張力43mN/m)100重量部と、ピロメリット酸二無水物0.3重量部と、炭酸ナトリウム0.03重量部、との混合物を押出機により270〜290℃溶融、混練しながらバレルの途中に発泡剤としてブタンを混合物に対して1.0重量%の割合で注入し、図3(f1)記載の異形押出しダイを通して予備発泡させたのち、直ちに冷却水槽で冷却しペレタイザーを用いて小粒状に切断して樹脂発泡粒子を製造した。得られた樹脂発泡粒子の断面は、図3(f2)であった。
得られた樹脂発泡粒子の嵩密度は0.14g/cm3、平均粒子径は1.5mmであった。
上記の樹脂発泡粒子を密閉容器に入れ、炭酸ガスを0.49MPaの圧力で圧入して4時間、保持したのち、密閉容器から取り出した樹脂発泡粒子を直ちに、型内発泡成形機の金型内に充填して型締めし、型内に、ゲージ圧0.02MPaのスチームを10秒間、ついでゲージ圧0.06MPaのスチームを20秒間導入し、120秒間保熱したのち水冷して、樹脂発泡粒子同士が融着した樹脂発泡成形体A−6を得た。通気抵抗の測定値から連続した空隙部を持つことが確認された。樹脂発泡粒子および樹脂発泡成形体の評価結果を表1中に記す。
押出し機の異形押し出しダイを通常の中空部のない円形断面ダイに変える以外は、それ製造例1、2、6と同様の条件で、樹脂発泡粒子および樹脂発泡成形体B−1、B−2、B−3を得た。通気抵抗の測定値から連続した空隙部を持たないことが確認された。樹脂発泡粒子および樹脂発泡成形体の評価結果を表2中に記す。
面材に用いる繊維集合体は、ポリエチレンテレフタレート(オルソクロロフェノールを用いた1%、25℃法の溶液粘度ηsp/c0.77、融点263℃)を、紡糸口金を用い、スパンボンド法により、紡糸温度300℃で繊維ウェブ(A)(層(A))を捕集ネット上に形成し、該連続長繊維ウエブ(目付け45g/m2、平均繊維径14μm)上に、ポリエチレンテレフタレート(25℃法の溶液粘度ηsp/c0.50、融点260℃)をメルトブローノズルで、紡糸温度300℃、加熱空気320℃で1000Nm2/hrで糸条を直接に噴出させ、極細繊維ウエブ(B)(目付け10g/m2、平均繊維径2μm)(層(B))を形成した。更に極細繊維ウエブ(B)の上に、2成分紡糸口金を用いて、鞘成分が高密度ポリエチレン(融点130℃)芯成分がポリエチレンテレフタレート(融点263℃)からなる複合長繊維ウエブ(C)(目付け45g/m2、平均繊維径18μm)(層(C))を積層した積層ウエブを、一対のエンボスロール/フラットロール温度230℃/105℃、線圧300N/cmで部分熱圧着し、目付け100g/m2、平均みかけ密度0.25g/cm3、熱圧着率15%の繊維集合体F−1を得た。
面材に用いる繊維集合体は、ポリエチレンテレフタレート(オルソクロロフェノールを用いた1%、25℃法の溶液粘度ηsp/c0.77、融点263℃)を、紡糸口金を用い、スパンボンド法により、紡糸温度300℃で繊維ウェブ(A)(層(A))を捕集ネット上に形成し、該連続長繊維ウエブ(目付け22.5g/m2、平均繊維径14μm)上に、ポリエチレンテレフタレート(同じく溶液粘度ηsp/c0.50、融点260℃)をメルトブローノズルで、紡糸温度300℃、加熱空気320℃で1000Nm2/hrで糸条を直接に噴出させ、極細繊維ウエブ(B)(目付け10g/m2、平均繊維径2μm)(層(B))を形成した。更に極細繊維ウエブ(B)の上に、2成分紡糸口金を用いて、鞘成分が共重合ポリエステル樹脂(融点130℃)芯成分がポリエチレンテレフタレート(融点263℃)からなる複合長繊維ウエブ(C)(目付け22.5g/m2、平均繊維径18μm)(層(C))を積層した積層ウエブを、一対のエンボスロール/フラットロール温度230℃/145℃、線圧300N/cmで部分熱圧着し、目付け100g/m2、平均みかけ密度0.25g/cm3、熱圧着率20%の繊維集合体F−2を得た。
ポリエチレンテレフタレート(オルソクロロフェノールを用いた1%、25℃法の溶液粘度ηsp/c0.77、融点263℃)を、紡糸口金を用い、スパンボンド法により、紡糸温度300℃で繊維ウェブ(S1)を捕集ネット上に形成し、該連続長繊維ウエブ(目付け100g/m2、平均繊維径14μm)を熱圧着で、目付け100g/m2、平均みかけ密度0.23g/cm3、熱圧着率15%の繊維集合体G−1を得た。
面材として表1記載の繊維集合体、基材として表1記載の樹脂発泡成形体を使用し、繊維集合体の層(C)と樹脂発泡成形体とが重なるように、両者を密着させてプレス機で120℃、0.3MPa、10秒圧着させて重ね合わせ周囲のみを粘着テープに貼り付けて固定し、吸音特性を評価した。
なお、実施例3〜6では、面材として、繊維集合体の層(A)と層(C)とが重なるように密着させ、熱プレス機で150℃、0.3MPa、10秒加熱圧着させて接着させた。
面材として繊維集合体F−2の層(A)と層(C)とが重なるように密着させ、熱プレス機で150℃、0.3MPa、10秒加熱圧着させて接着させた3枚の繊維集合体からなる繊維集合積層体複合体をしようした。また、基材として樹脂発泡成形体A−6を使用した。繊維集合積層体複合体の層(A)と樹脂発泡成形体とが重なるように両者を密着させて重ね合わせ熱プレス機で100℃、0.3MPa、1分加熱圧着して固定し、積層体を作製し吸音特性を評価した。
表2記載の繊維集合体と樹脂発泡成形体の組み合わせを使用し、繊維集合体の層(A)と樹脂発泡成形体とが重なるように両者を密着させて重ね合わせ周囲のみを接着させて固定し、吸音特性を評価した。
なお、比較例4では、面材として、繊維集合体G−1を3枚重ね合わせ、熱プレス機で150℃、0.3MPa、10秒加熱圧着させて、接着させたものを使用した。
本実施形態の積層体の用途例としては、軽量性と静音化が求められる自動車、電車、汽車などの車両および航空機などの駆動騒音低減に使用される部材が挙げられ、特に耐熱変形性の要求される自動車エンジンカバー、エンジンカプセル、エンジンルームフード、変速機ケーシング、吸音カバー、電気自動車用モーターのケーシング、吸音カバー等に特に好適に使用できる。
更に本実施形態の積層体は、静音化が求められるエアコンなどの空調機器、冷凍機、ヒートポンプ等や、ダクト等の風路を形成する部分、洗濯機、乾燥機、冷蔵庫、掃除機等の各種家庭用電気製品、プリンター、コピー機、FAX等のOA機器、の他壁材芯材、床材心材などの建築用資材にも好適に用いることができる。
2 基材
3 面材
4 層(A)
5 層(B)
6 層(C)
Claims (5)
- 繊維集合体を含む面材(I)と、連通空隙を有する樹脂発泡成形体を含む基材(II)とを含む積層体であって、
前記繊維集合体は、目付けが10〜300g/m2、平均みかけ密度が0.10〜1.0g/cm3、平均繊維径が1〜50μm、通気度が2〜70cc/(cm2・sec)であり、
前記樹脂発泡成形体が、樹脂を含む凹外形部を有する樹脂発泡粒子であって、前記樹脂の密度ρ0と前記樹脂発泡粒子の真密度ρ1との比ρ0/ρ1が2〜20であり、前記樹脂発泡粒子の真密度ρ1と前記樹脂発泡粒子の嵩密度ρ2との比ρ1/ρ2が1.5〜4.0である前記樹脂発泡粒子が相互に融着した成形体であり、融着した前記樹脂発泡粒子間に連続した空隙部を有し、空隙率が15〜80%であり、
厚みが3〜80mmである、ことを特徴とする積層体。 - 面材(I)が、一方の表面層として平均繊維径が5〜50μmである熱可塑性合成繊維層(A)、中間層として平均繊維径が1〜10μmである熱可塑性合成極細繊維層(B)、他方の表面層として平均繊維径が5〜50μmである熱可塑性合成繊維を含む層(C)の3層からなる繊維集合積層体、又は該繊維集合積層体を2〜10枚重ね合わせた繊維集合積層体複合体である、請求項1に記載の積層体。
- 前記樹脂発泡粒子の平均粒子径が1.0〜4.0mmである、請求項1または2記載の積層体。
- 前記樹脂が、20℃における表面張力が37〜60mN/mの熱可塑性樹脂である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
- 自立型防音材である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
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