JP2004106132A - 車輪用研磨装置 - Google Patents

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井村 精二
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Abstract

【課題】鉄道車両の在姿状態で車輪のフラットに対応する部分の全周面を研磨しつつ前記フラットをなくすることができるようにする。
【解決手段】モータ1に連動される駆動輪2及び該駆動輪2に対して上下に離隔する従動輪3を支持した第1可動部材4と、駆動輪2及び従動輪3間に掛設された研磨ベルト5と、第1可動部材4を相対移動可能に支持した第2可動部材6と、該第2可動部材6に対して第1可動部材4を往復動させる往復動機構7と、第2可動部材6を第1可動部材4が往復動作する方向と交差する方向へ相対移動可能に支持した静止体8と、該静止体8に回転自在に支持されたねじ軸9と、該ねじ軸9及び前記第2可動部材6の間に介された付勢ばね10とを備える。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は鉄道車両の車輪踏面を研磨する車輪用研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道車両は一般に一つの車体が4個の車輪を有する2つの台車により支持されており、例えば8両編成の電車である場合、64個の車輪を備えることになる。1つの台車の4個の車輪は、左右の車輪同士が1本の車軸で連結され、車軸と一体に回転するように構成されており、また、各台車は夫々の車輪に対応するブレーキ装置を有している。
【0003】
図9は車輪踏面にフラットが発生するメカニズム及びフラット部分が剥離するメカニズムの一部を示す概略図である。
ブレーキ装置は鉄道車両を停止させるため、車輪にブレーキ力が加わったとき、レールBと車輪Dとの間の摩擦力(粘着力)よりもブレーキ力が大きかった際に車輪Dが回転を停止してレールB上を滑走することになり(図9(a) )、この滑走により「フラット」と呼ぶ略楕円形の摩滅した滑走痕(円周上は直線状の磨滅きず)がレールBと接触している車輪踏面dに発生する(図9(b) のO)。大部分は車両Dが停止する直前の10〜40Km/h程度の遅い速度のときにフラットOが発生する。
【0004】
フラットOの特徴は、車輪Dが1回転する都度、コンコンと鳴る音が発生する。多くのフラットOは1本の車軸で連結された左右の車輪Dの同位相の位置に発生する。
フラットO部分の表面は、滑走時のレールDとの摩擦熱により車輪材料の変態点以上(例えば730℃以上)に焼き入れされ、硬化している(図9(c) )か、又は、フラットO部分の内部及びフラットO部分の縁は、焼き入れによる体積変化及び脆化により微細な亀裂が発生している(図9(d) )。
【0005】
フラットOの発生しやすい状況は、ブレーキ力が車輪DとレールBとの間の摩擦力(粘着力)を超えたときに発生するので、ブレーキ力が過大、摩擦力が小のときに発生しやすい。ブレーキ力の過大は一般的に急ブレーキを掛けたときに発生する。摩擦力が小さくなるのは雨(特に降り始め)、レール頭頂面の油、駅の手前の踏切(自動車のタイヤから転写された汚れ)、落ち葉(特に針葉樹)、トンネルの漏水、特に早朝の霜及び霧、レール頭頂面のサビ等である。
【0006】
フラットOが発生した状態で繰り返し走行された場合のフラットOによる害は、
(1)  フラットO部分がレールBと接触する都度、騒音が発生する。
(2)  深い亀裂に進展する(図9(e) )。(フラットO部分の縁は大きな衝撃荷重を受け、微細な亀裂が深い亀裂に進展する。)
(3)  フラットO部分が剥離する(図9(f) )。この剥離は、フラットO部分の表面が焼き入れ硬化して微細な亀裂が発生することになり、亀裂内に水分が入ると、転動応力(くさび効果)によって前記亀裂が進展することになり、亀裂同士がつながって剥離する。)
(4)  フラットO部分がレールBと接触する都度、車輪Dから車軸軸受に衝撃荷重が加わり、車軸軸受が損傷することがある。
(5)  車輪寿命が短くなる。
等である。
【0007】
車輪踏面dにフラットOが発生した場合、フラットO部分で亀裂が深く進展する前に車両在姿状態で車輪踏面dを転削することができるように構成された在姿旋盤を用いて車輪踏面dの全周を転削することにより、フラットO及び亀裂をなくするようにしている。(例えば、非特許文献1)。
また、軽微なフラットOは車両在姿状態で作業者が車両の下にもぐりこみ、手作業でフラットO部分の縁を簡易グラインダでラウンドオフにならしたり、又は、ブレーキ装置のブレーキシューを取外し、ブレーキシュー形状をした砥石をブレーキ装置に装着して車輪にブレーキを掛けながら車両を往復走行させて車輪踏面を研磨し、フラットOを除去する方法が採用されている。
【0008】
【非特許文献1】
「ROLLING STOCK AND MACHINERY」社団法人 日本鉄道車両機械技術協会発行 1998.1 p.35−39
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、簡易グラインダによりフラットを除去する場合は、作業者が車両の下にもぐり込んで研磨するため、作業が行い難く、また、フラットの近傍部分だけしか研磨することができず、車輪の真円度が低下する。また、ブレーキシュー形状の砥石でブレーキを掛けながらフラットを除去する場合は、車両を構内走行させるため、運転手、見張り員等の人員を多く要し、作業の時間帯及び作業場所が限られることになり、しかも、作業時間も長時間となる。
【0010】
また、在姿旋盤により転削する場合は、在姿旋盤自体が高価であるため、一回当たりのフラット除去作業費が比較的高くなり、また、専用の在姿旋盤ピットで転削作業を行う必要があるため、軽微なフラットは見逃され、亀裂が進展して在姿旋盤で転削されるため転削量が多く、車輪の寿命が短くなる。
【0011】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、二つの回転輪を支持した可動体と、該可動体を相対移動可能に支持した静止体と、該静止体に対して可動体を移動させる移動手段と、回転輪間に掛設された研磨ベルトとを備える構成とすることにより、鉄道車両の在姿状態で車輪踏面のフラットに対応する部分の全周を研磨しつつ前記フラットを初期になくすることができる簡易タイプの車輪用研磨装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、移動手段が可動体を静止体に対して付勢する付勢ばねである構成とすることにより、研磨ベルトの車輪踏面への押付力を均等化することができ、研磨効率を高めることができる車輪用研磨装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、移動手段は前記付勢ばねの付勢力を調整する調整体を備える構成とすることにより、付勢ばねを交換することなく研磨ベルトの適正な押付力を得ることができる車輪用研磨装置を提供することを目的とする。
【0014】
また、第1可動部材は回転輪を支持した第1支持台と、該第1支持台を相対回転可能に支持した第2支持台と、第1支持台の第2支持台に対する回転位置を調節する調節ねじとを設けた構成とすることにより、車輪の種類が異なる場合においても、車輪に対応して適正な研磨を行うことができる車輪用研磨装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る車輪用研磨装置は、離隔する二つの回転輪を支持した可動体と、該可動体を相対移動可能に支持した静止体と、該静止体に対して可動体を移動させる移動手段と、前記回転輪間に掛設され、車輪の外周面を研磨する研磨ベルトとを備えていることを特徴とする。
【0016】
第1発明にあっては、研磨ベルトが掛設された回転輪を回転させるとともに、静止体に対して可動体を移動させ、鉄道車両の在姿状態でレールに対して持ち上げられた車輪の車輪踏面に研磨ベルトを面接触させることにより、フラットに対応する部分の全周を研磨しつつ前記フラットをなくすることができ、しかも、車輪の真円度を得ることができる。また、鉄道車両の在姿状態で研磨ベルトを車輪踏面に面接触させることにより簡易に研磨することができるため、フラットが初期の状態で研磨作業が行い易い。また、二つの回転輪を支持した可動体と、静止体と、可動体を移動させる移動手段と、研磨ベルトとを備える簡単な構成であるため、在姿旋盤に比べて安価に構成することができ、一回当たりのフラット除去作業費を低減できるとともに、ピット外に比較的容易に運搬することが可能であり、ピット外で研磨作業を行い得る。
【0017】
第2発明に係る車輪用研磨装置は、前記移動手段は前記可動体を静止体に対して付勢する付勢ばねであることを特徴とする。
【0018】
第2発明にあっては、付勢ばねによって研磨ベルトを車輪踏面に押付けることができるため、研磨ベルトの車輪踏面への押付力を均等化することができ、研磨効率を高めることができる。
【0019】
第3発明に係る車輪用研磨装置は、前記移動手段は前記付勢ばねの付勢力を調整する調整体を備えることを特徴とする。
【0020】
第3発明にあっては、調整体を操作することにより、付勢ばねの付勢力を調整することができるため、付勢ばねを交換することなく研磨ベルトの適正な押付力を得ることができる。
【0021】
第4発明に係る車輪用研磨装置は、前記可動体は前記回転輪を支持した第1可動部材と、該第1可動部材を可動体が移動する方向と交差する方向へ相対移動可能に支持した第2可動部材と、該第2可動部材に対して前記第1可動部材を往復動作させる往復動機構とを備えることを特徴とする。
【0022】
第4発明にあっては、静止体に対して車輪の軸心方向へ移動させることができる可動体の第1可動部材を第2可動部材に対して車輪の軸長方向へ往復移動させることができるため、車輪踏面のフラットに対応する部分の全周を研磨しつつ前記フラットに対して軸長方向の非フラット部分をも全周に亘って研磨することができる。
【0023】
第5発明に係る車輪用研磨装置は、前記第1可動部材は前記回転輪を支持した第1支持台と、該第1支持台を相対回転可能に支持した第2支持台と、第1支持台の第2支持台に対する回転位置を調節する調節ねじとを有することを特徴とする。
【0024】
第5発明にあっては、調節ねじを回し操作することにより、第1支持台が支持している駆動輪及び従動輪を介して研磨ベルトの車輪踏面に対する位置を調節することができるため、車輪の種類が異なる場合においても、車輪に対応して適正な研磨を行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る車輪用研磨装置の構成を示す正面図、図2は車輪用研磨装置の構成を示す側面図、図3は図1のIII −III 線の拡大断面図、図4は第1可動部材側部分を拡大した部分正面図、図5は第1可動部材側部分だけの一部を省略した平面図である。
【0026】
この車輪用研磨装置Aは、駆動源としての第1のモータ1、該モータ1に連動される駆動輪2及び該駆動輪2に対して下方へ離隔する従動輪3を支持した第1可動部材4と、駆動輪2及び従動輪3間に掛設された研磨ベルト5と、第1可動部材4を相対移動可能に支持した第2可動部材6と、該第2可動部材6に対して第1可動部材4を往復動作させる往復動機構7と、第2可動部材6を第1可動部材4が往復動作する方向と交差する方向へ相対移動可能に支持した静止体8と、該静止体8に回転自在に支持された調整体としてのねじ軸9と、静止体8及び第2可動部材6の間に介され、第2可動部材6を静止体8に対して図1、図3の矢印X方向へ移動させる付勢ばね10とを備えている。
【0027】
静止体8はレールBの下側フランジに固定ねじ11により固定される矩形の定盤81と、該定盤81上に離隔して突設された2つの支柱部材82,83と、該支柱部材82,83の間に上下及び左右に離隔して架設された4本の案内杆84と、支柱部材82,83の間に左右に離隔して架設された2本のばね支持杆85とを有する。一方の支柱部材82にはその軸心が案内杆84,84と平行になるねじ軸9が2つの移動規制環86により回転だけを可能に、換言すれば、相対移動ができず、回転を可能に支持されている。このねじ軸9の一端にはハンドル12が設けられている。
【0028】
第1可動部材4と第2可動部材6とは、静止体8に対して案内杆84の長手方向へ移動が可能な可動体Cを構成している。
第2可動部材6は、矩形の台板61と、該台板61の一端部に前記移動する方向へ離隔して垂設され、案内杆84に移動可能に支持された第1脚体62及び第2脚体63と、台板61の他端部に垂設された第3脚体64と、台板61の上面に第2可動部材6が移動する方向へ離隔して設けられた2つのレール部65,65と、第1脚体62に穿設され、前記ねじ軸9に螺合するねじ孔66とを備えており、第2脚体63及び前記支柱部材83の間に前記付勢ばね10を介してある。レール部65,65はその長手方向が第2可動部材6が移動する方向と直交する方向へ長くなっている。台板61にはその軸心が上下方向となり、台板61を貫通して上方に突出する駆動軸を有する第2のモータ13が垂設されている。また、第3脚体64の下端には定盤の上面に接触して転動する転動輪67が設けられている。
【0029】
第1可動部材4は第1のモータ1及び従動輪3を支持した第1支持台41と、レール部65,65に移動自在に嵌合された2つの嵌合溝42,42を有し、枢軸43により第1支持台41を相対回転可能に支持した第2支持台44と、第1支持台41の第2支持台44に対する回転位置を調節する調節ねじ45とを有する。この調節ねじ45は、車輪Dに対応して第1支持台41の第2支持台44に対する回転位置を大まかに調節する2本の第1ボルト45aと、第1支持台41の第2支持台44に対する回転位置を微調節する2本の第2ボルト45bとを備える。
【0030】
第1支持台41は矩形の台板41aと、該台板41aの一端部から台板に沿って突設された突板部41bと、該突板部41bから下方に向けて突設されたブラケット41cと、台板41aに支持軸41dを介して駆動輪2と離隔する方向へ移動可能に支持された軸受部材41eと、該軸受部材41eを駆動輪2と離隔する方向へ付勢するテンションバネ41fと、研磨ベルト5が研磨した研磨粉の飛散を防ぐためのカバー体41gと、ブラケット41cに枢支されたレバー41hとを有しており、軸受部材41eに回転軸41jを介して従動輪3が回転自在に支持されている。
【0031】
台板41aは第2支持台44と接触する嵩上板41k及び離隔する2つの長孔41m,41mを有しており、該長孔41m,41mに第1ボルト45a,45aが挿入されている。また、台板41aには、その軸心が第2可動部材6の移動方向と直交する方向となる駆動軸1aを有する第1のモータ1が固定されており、駆動軸1aに駆動輪2が嵌合固定されている。また、レバー41hには前記回転軸41jの端部に遊嵌される長孔41nを有しており、レバー41hを揺動操作することにより、回転軸41j及び軸受部材41eを介してテンションバネ41fを撓ませ、従動輪3を駆動輪2の方向へ移動させ、研磨ベルト5を弛緩させることができるようにしてある。
【0032】
第2支持台44は前記台板61と台板41aとの間に配置される矩形の板体であり、一端部には前記第2ボルト45b,45bが螺着されるねじ孔を有する突片44aと、第1ボルト45a,45aが螺着されるねじ孔とを有しており、第2ボルト45b,45bの先端が前記嵩上板41kの一端面に当接している。そして、第1ボルト45a,45aを弛緩した状態で第1支持台41を第2支持台44に対して回転させることにより、第1支持台41の第2支持台44に対する位置を大まかに調節し、また、第2ボルト45b,45bを回し操作することにより、第1支持台41の第2支持台44に対する位置を微調節する。
【0033】
図6は往復動機構部分の構成を示すもので、(a) は平面図、(b) は正面図である。
また、第2支持台44の中央部と前記台板61との間には往復動機構7が設けられている。この往復動機構7は第2のモータ13の駆動軸に嵌合固定され、偏心軸71aを有する偏心体71と、偏心軸71aにその一端部が遊嵌されたリンク部材72とを備え、該リンク部材72の他端部が第2支持台44に垂設された伝動軸44bに遊嵌されており、第2のモータ13の回転を往復運動に変換し、第2支持台44をレール部65,65の長手方向へ往復動作させるようにしてある。尚、第2支持台44の往復動作量は、鉄道車両が走行する際に車輪踏面のレール頭頂面との接触点が変わる領域の動作量とするが、この領域を越える動作量としてもよく、往復動機構7による第2支持台44の往復動作量は特に制限されない。
【0034】
駆動輪2と従動輪3との間に掛設された研磨ベルト5は車輪Dの踏面と接触する表面に研磨剤が設けられており、駆動輪2の回転により図1の時計回り方向へ回転するように構成されている。また、この研磨ベルト5は、駆動輪2と従動輪3との途中部分を車輪踏面に押付け、車輪踏面との周方向接触域を比較的長くすることができるようにしてあり、また、この押付けにより、駆動輪2と従動輪3との途中部分が若干撓み、車輪踏面に沿うようにしてある。尚、研磨ベルト5の構造は特に制限されるものでなく、例えば表面に複数の羽根部材を有する研磨ベルトであってもよい。
【0035】
また、第1のモータ1の駆動軸1aには増速機が接続されている。また、第1及び第2のモータ1,13を駆動制御する制御手段及びタイマ等を有する操作具を備えており、該操作具を操作することにより、第1及び第2のモータ1,13の発停、駆動時間の設定等を行うことができるようにしてある。
【0036】
図7は車輪用研磨装置の使用状態を示す説明図、図8は車輪用研磨装置の研磨ベルト、車輪、レールの位置関係を示す説明図である。
以上のように構成された車輪用研磨装置Aは、在姿状態の鉄道車両の車輪Dを車軸Eを介してレールBに対して持ち上げる昇降装置Fと、車輪Dを駆動させる車輪駆動装置Gとともに使用される。昇降装置Fは例えばジャッキを用いる。車輪駆動装置Gは外周部がゴム系材料により形成された駆動輪20と、該駆動輪20を駆動するモータ21と、該モータ21を相対移動可能に支持した静止体22と、該静止体22に対して前記モータ21を移動させる操作軸23とを備えており、操作軸23を操作することにより、駆動輪20の車輪D(車輪踏面)への押付力を調整することができるようにしてある。
【0037】
次に車輪Dの踏面を研磨する方法について説明する。
鉄道車両の左右一対の車輪Dに発生したフラットをなくする場合、鉄道車両の在姿状態で、1つの台車に支持されている2本の車軸E,Eの両端部下方に合計4つの昇降装置Fを配置し、各昇降装置Fにより2本の車軸Eを介して4つの車輪DをレールBに対して持ち上げ、この状態で左右の車輪D,Dのラジアル方向外側に車輪用研磨装置A,Aを配置し、さらに、1つの車輪Dのラジアル方向外側で、車輪用研磨装置Aと反対側に車輪駆動装置Gを配置する。尚、鉄道車両の車輪には、ブラシ付きモータ、又は、ブラシ無しモータにより駆動される車輪と、非駆動の車輪とがあり、ブラシ付きモータにより駆動される車輪はブラシ無しモータにより駆動される車輪に比べてモータ停止状態での回転抵抗が大きいため、ブラシ付きモータにより駆動される車輪にフラットが発生した際は、左右の車輪側に車輪駆動装置Gを配置し、ブラシ無しモータにより駆動される車輪及び非駆動の車輪にフラットが発生した際は、前記したように1つの車輪側に車輪駆動装置Gを配置する。また、昇降装置Fは、その昇降部材の上端を車軸Eの両端部に嵌合された軸受部材に間座を介して当接させるのであり、間座によって軸受部材に対する昇降部材の滑り、及び軸受部材の損傷を防ぐ。また、1つの台車に支持されている4つの車輪Dを持ち上げるのは、台車はその中央部に設けられた1本の軸体と、複数のサスペンションとにより車体を支持しており、前記軸体にこじり力を加えることなく車輪を持ち上げるためである。
【0038】
この状態で駆動輪2を車輪Dの踏面に押付け、操作具を操作することにより、車輪駆動装置Gのモータ20を駆動して車輪Dを図7の時計回り方向へ回転させる一方、車輪用研磨装置Aの研磨ベルト5を車輪Dの踏面で、フラットに対応する周面に接触させ、第1のモータ1を駆動して研磨ベルト5を図7の時計回り方向(車輪の回転方向と同方向)へ回転させるとともに、第2のモータ13を駆動し、往復動機構7により第1支持台41を介して駆動輪2、従動輪3及び研磨ベルト5を車輪Dの軸長方向へ往復動作させることにより、車輪Dのフラットに対応する部分の全周を研磨しつつ前記フラットに対して軸長方向の非フラット部分をも全周に亘って研磨することができる。
【0039】
この際、研磨ベルト5を支持した可動体Cは、付勢ばね10により静止体8に対して車輪踏面方向へ付勢されており、研磨ベルト5の途中部分が車輪踏面Dに押付けられているため、研磨ベルト5の車輪Dへの押付力を均等化することができ、研磨効率を高めることができる。また、駆動輪2及び従動輪3間に掛設された研磨ベルト5の途中部分を車輪踏面に接触させるため、車輪踏面との周方向接触域を比較的長くすることができ、車輪の真円度を得ることができる。しかも、車輪Dのフラットに対応する部分だけでなく、鉄道車両が走行する際に車輪踏面のレール頭頂面との接触点が変わる領域を全周に亘って研磨することができる。また、付勢ばね10による研磨ベルト5の車輪踏面への押付力が不足する場合は、ねじ軸9を回し操作することにより、付勢ばね10の付勢力を調整することができるため、付勢ばね10を交換することなく研磨ベルト5の適正な押付力を得ることができる。また、静止体8と第2可動部材6との間に付勢ばね10を設けているため、研磨作業時に第1可動部材4及び第2可動部材6が振動する場合においても、付勢ばね10の弾性復元力によってねじ軸9の弛緩を防ぐことができ、研磨ベルト5の適正な押付力を維持することができる。また、鉄道車両の在姿状態で研磨することができるため、ピット外全てのレール上で研磨作業を行うことができる。
【0040】
因に、以上のように研磨ベルト5を一般の車輪の踏面に押付け、駆動輪20により周速20〜30m/s で車輪を回転し、車輪踏面を研磨した結果、20分で0.2mmの深さに研磨することができた。このように比較的短時間で研磨することができ、しかも、車輪Dのフラットに対応する部分だけでなく、鉄道車両が走行する際に車輪踏面のレール頭頂面との接触点が変わる領域を全周に亘って研磨することができ、さらに、車輪の真円度を得ることができる。尚、研磨作業時間は車輪の材質によって異なる。例えば線路補修用車両はゴムが混入された絶縁車輪が用いられているため、この絶縁車輪の踏面を研磨する際は一般の車輪の踏面を研磨する際の研磨時間よりも短くなる。
【0041】
尚、以上説明した実施の形態では、可動体Cが第1可動部材4及び第2可動部材6を備え、第1可動部材4及び第2可動部材6の間に往復動機構7を設けた構成としたが、その他、第1可動部材4及び第2可動部材6を一体的に動作可能とし、往復動機構7をなくした構成としてもよい。この場合、可動体Cは前記第1支持台41と、前記第2支持台44及び第1支持台41の第2支持台44に対する位置を調節する前記調節ねじ45とを備える構成としてもよい。
【0042】
また、以上説明した実施の形態では、研磨ベルト5を車輪Dの回転方向と同方向へ回転させるように構成したが、その他、車輪Dの回転方向と反対方向へ回転させるように構成してもよく、研磨ベルト5の回転方向は特に制限されない。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように第1発明によれば、車両の在姿状態でレールに対して持ち上げられた車輪の踏面に研磨ベルトを接触させることにより、フラットに対応する部分の全周を研磨しつつ前記フラットをなくすることができ、しかも、車輪の真円度を矯正することができる。また、鉄道車両の在姿状態で研磨ベルトを車輪踏面に接触させることにより研磨することができるため、研磨作業が行い易い。また、二つの回転輪を支持した可動体と、静止体と、移動手段と、研磨ベルトとを備える構成であるため、在姿旋盤に比べて安価に構成することができ、一回当たりのフラット除去作業費を低減できるとともに、ピット外に比較的容易に運搬することが可能であり、ピット外で研磨作業を行い得る。
【0044】
第2発明によれば、研磨ベルトの車輪踏面への押付力を均等化することができ、研磨効率を高めることができる。
【0045】
第3発明によれば、調整体を操作することにより、付勢ばねの付勢力を調整することができるため、付勢ばねを交換することなく研磨ベルトの適正な押付力を得ることができる。
【0046】
第4発明によれば、研磨ベルトを車輪の幅方向へ往復移動させることができるため、フラットに対応する部分の全周を研磨しつつ前記フラットに対して幅方向の非フラット部分をも全周に亘って研磨することができる。
【0047】
第5発明によれば、調節ねじを操作することにより第1支持台の第2支持台に対する回転位置を調節することができるため、車輪の種類が異なる場合においても、車輪に対応して適正な研磨を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車輪用研磨装置の構成を示す正面図である。
【図2】本発明に係る車輪用研磨装置の構成を示す側面図である。
【図3】図1のIII −III 線の拡大断面図である。
【図4】本発明に係る車輪用研磨装置の第1可動部材側部分を拡大した部分正面図である。
【図5】本発明に係る車輪用研磨装置の第1可動部材側部分だけの一部を省略した平面図である。
【図6】本発明に係る車輪用研磨装置の往復動機構部分の構成を示すもので、(a) は平面図、(b) は正面図である。
【図7】本発明に係る車輪用研磨装置の使用状態を示す説明図である。
【図8】本発明に係る車輪用研磨装置の研磨ベルト、車輪、レールの位置関係を示す説明図である。
【図9】車輪踏面にフラットが発生するメカニズム及びフラット部分が剥離するメカニズムの一部を示す概略図である。
【符号の説明】
2  駆動輪(回転輪)
3  従動輪(回転輪)
4  第1可動部材
5  研磨ベルト
6  第2可動部材
7  往復動機構
8  静止体
9  ねじ軸(調整体)
10 付勢ばね(移動手段)
41 第1支持台
44 第2支持台
45 調節ねじ
C  可動体

Claims (5)

  1. 離隔する二つの回転輪を支持した可動体と、該可動体を相対移動可能に支持した静止体と、該静止体に対して可動体を移動させる移動手段と、前記回転輪間に掛設され、車輪の外周面を研磨する研磨ベルトとを備えることを特徴とする車輪用研磨装置。
  2. 前記移動手段は前記可動体を静止体に対して付勢する付勢ばねである請求項1記載の車輪用研磨装置。
  3. 前記移動手段は前記付勢ばねの付勢力を調整する調整体を備える請求項2記載の車輪用研磨装置。
  4. 前記可動体は前記回転輪を支持した第1可動部材と、該第1可動部材を可動体が移動する方向と交差する方向へ相対移動可能に支持した第2可動部材と、該第2可動部材に対して前記第1可動部材を往復動作させる往復動機構とを備える請求項1記載の車輪用研磨装置。
  5. 前記第1可動部材は前記回転輪を支持した第1支持台と、該第1支持台を相対回転可能に支持した第2支持台と、第1支持台の第2支持台に対する回転位置を調節する調節ねじとを有する請求項4記載の車輪用研磨装置。
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