JP2004105365A - Ct装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブラシの無用の摩耗を低減する。
【構成】データを収集する高速回転時には、バネ支持板52を下側に位置付けて、ブラシ31,35,39,43をスリップリングSLa,SLb,SLc,SLdへ比較的大きな第1の押圧力で当接させる。データを収集しない低速回転時には、バネ支持板52を上側に位置付けて、ブラシ31,35,39,43をスリップリングSLa,SLb,SLc,SLdへ比較的小さな第2の押圧力で当接させる。
【効果】ブラシの寿命および交換サイクルを延長し、ランニングコストを節減できる。
【選択図】 図3
【構成】データを収集する高速回転時には、バネ支持板52を下側に位置付けて、ブラシ31,35,39,43をスリップリングSLa,SLb,SLc,SLdへ比較的大きな第1の押圧力で当接させる。データを収集しない低速回転時には、バネ支持板52を上側に位置付けて、ブラシ31,35,39,43をスリップリングSLa,SLb,SLc,SLdへ比較的小さな第2の押圧力で当接させる。
【効果】ブラシの寿命および交換サイクルを延長し、ランニングコストを節減できる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CT(Computed Tomography)装置に関し、さらに詳しくは、ブラシの無用の摩耗を低減または回避できるようにしたCT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図14は、従来のCT装置500の走査ガントリの回転側に設けられたリング状ディスクRDと固定側に設けられたブラシ・ブロックBBを示す正面図である。図15は、図14のP−P’断面図である。
リング状ディスクRDに設けられている多数のスリップリングSLa,SLb,SLc,SLdとブラシ・ブロックBBに設けられている多数のブラシ31,35,39,43,…との間で、電力や信号の伝達が行われる。
【0003】
1系統のスリップリングに対するブラシの個数は、例えば6〜12個である。そして、電源系統は例えば6系統あり、信号系統は例えば9系統ある。
【0004】
ブラシ・ブロックBBは、支持台59a,59bと支柱55a,55bとにより支持されたホルダ支持板56を具備している。
ホルダ支持板56は、ブラシ31,35,39,43,…を保持するためのホルダ32,36,40,44,…を保持している。
ホルダ32,36,40,44,…内には、ブラシ31,35,…の反スリップリング側面を押すバネ33,37,41,45,…が収容され、バネ33,37,41,45,…の反ブラシ側はバネキャップ34,38,42,46,…で押さえられている。
【0005】
ブラシ31,35,39,43,…をスリップリングSLa,SLb,SLc,SLdへ当接させる押圧力は、ホルダ32,36,40,44,…に対するバネキャップ34,38,42,46,…の螺合の程度を変えることにより調節可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
データ収集時には回転側は高速回転するが、この高速回転の立上りを速くするために、データ非収集時にも回転側を低速回転することが行われている。
しかし、従来のCT装置では、低速回転時でも、ブラシ31,35,39,43,…をスリップリングSLa,SLb,SLc,SLdへ当接させる押圧力は高速回転時と同じであったため、ブラシ31,35,39,43,…が無用に摩耗する問題点があった。
そこで、本発明の目的は、ブラシの無用の摩耗を低減または回避できるようにしたCT装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の観点では、本発明は、走査ガントリの固定側と回転側の一方側に設けられた2系統以上のスリップリングと、各系統のスリップリングに対応して他方側に設けられた1系統につき複数個のブラシと、一つの系統の複数のブラシをスリップリングへ第1の押圧力で当接させるか又は第1の押圧力より小さい第2の押圧力で当接させるかを切り替え可能に保持するブラシ保持手段と、前記切り替えを制御する切替制御手段とを具備したことを特徴とするCT装置を提供する。
上記第1の観点によるCT装置では、高速回転時には比較的大きな第1の押圧力とすることで、スリップリングとブラシの間で信号や電力を支障なく伝達できる。一方、低速回転時には比較的小さな第2の押圧力とすることで、ブラシの摩耗を低減できる。また、いずれの押圧力にしても、スリップリングにブラシが当接しているため、ゴミが入る隙間を生じない。なお、第1の押圧力と第2の押圧力は、それぞれ広がりを持っていても良い。
【0008】
第2の観点では、本発明は、上記構成のCT装置において、前記切替制御手段は、高速回転時に一つの系統の複数のブラシを第1の押圧力でスリップリングへ当接させ、低速回転時に一つの系統の複数のブラシを第2の押圧力でスリップリングへ当接させることを特徴とするCT装置を提供する。
上記第2の観点によるCT装置では、高速回転時には比較的大きな第1の押圧力とするので、スリップリングとブラシの間で信号や電力を支障なく伝達できる。一方、低速回転時には比較的小さな第2の押圧力とするので、ブラシの摩耗を低減できる。また、いずれの押圧力にしても、スリップリングにブラシが当接しているため、ゴミが入る隙間を生じない。なお、第1の押圧力と第2の押圧力は、それぞれ広がりを持っていても良い。
【0009】
第3の観点では、本発明は、上記構成のCT装置において、前記ブラシ保持手段は、個々のブラシの反スリップリング側面を押す付勢手段を有し、前記切替制御手段は、一つの系統の複数のブラシに対応する各付勢手段の付勢力を同時に切り替える手段であることを特徴とするCT装置を提供する。
上記第3の観点によるCT装置では、一つの系統の複数のブラシの押圧力を同時に切り替えることが出来る。
【0010】
第4の観点では、本発明は、上記構成のCT装置において、前記切替制御手段は、2系統以上の少なくとも4個のブラシに対応する各付勢手段の付勢力を同時に切り替える手段であることを特徴とするCT装置を提供する。
上記第4の観点によるCT装置では、2系統以上のブラシの押圧力を同時に切り替えることが出来る。
【0011】
第5の観点では、本発明は、走査ガントリの固定側と回転側の一方側に設けられた2系統以上のスリップリングと、各系統のスリップリングに対応して他方側に設けられた1系統につき複数個のブラシと、一つの系統の複数のブラシをスリップリングへ接触させるか非接触にするかを切り替え可能に保持するブラシ保持手段と、前記切り替えを制御する切替制御手段とを具備したことを特徴とするCT装置を提供する。
上記第5の観点によるCT装置では、高速回転時にはスリップリングとブラシとを接触させることにより信号や電力を伝達できる。一方、低速回転時にはスリップリングとブラシとを非接触とすることによりブラシの摩耗を回避できる。なお、接触時2の押圧力は、広がりを持っていても良い。
【0012】
第6の観点では、本発明は、上記構成のCT装置において、前記切替制御手段は、高速回転時に一つの系統の複数のブラシをスリップリングへ当接させ、低速回転時に一つの系統の複数のブラシをスリップリングから浮かせることを特徴とするCT装置を提供する。
上記第6の観点によるCT装置では、一つの系統の複数のブラシを同時に浮かせることが出来る。
【0013】
第7の観点では、本発明は、上記構成のCT装置において、前記ブラシ保持手段は、一つの系統の複数のブラシを一体に保持するブラシ保持手段を有し、前記切替制御手段は、前記スリップリングに対する前記ブラシ保持手段の位置を移動させる手段であることを特徴とするCT装置を提供する。
上記第7の観点によるCT装置では、一つの系統の複数のブラシを同時に浮かせることが出来る。
【0014】
第8の観点では、本発明は、上記構成のCT装置において、前記ブラシ保持手段は、2系統以上の少なくとも4個のブラシを一体に保持するブラシ保持手段を有し、前記切替制御手段は、前記スリップリングに対する前記ブラシ保持手段の位置を移動させる手段であり、2系統以上の少なくとも4個のブラシをスリップリングへ接触させるか非接触にするかを同時に切り替えることを特徴とするCT装置を提供する。
上記第8の観点によるCT装置では、2系統以上のブラシを同時に浮かせることが出来る。
【0015】
第9の観点では、本発明は、上記構成のCT装置において、前記系統には、電源系統と信号系統の2系統があることを特徴とするCT装置を提供する。
上記第9の観点によるCT装置では、電源系統のブラシは一定の押圧力で接触させ、信号系統のブラシは押圧力を切り替えたり、浮かせたりすることが出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0017】
−第1の実施形態−
図1は、第1の実施形態にかかるCT装置100を示す構成図である。
このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ20とを具備している。
【0018】
操作コンソール1は、操作者の入力を受け付ける入力装置2と、画像生成処理などを実行する中央処理装置3と、走査ガントリ20で取得した投影データを収集する投影データ収集バッファ5と、投影データから再構成したCT画像などを表示するCRT6と、プログラムや投影データやX線CT画像を記憶する記憶装置7とを具備している。
【0019】
テーブル装置10は、被検体を乗せて走査ガントリ20のボア(空洞部)に入れ出しするクレードル12を具備している。クレードル12は、テーブル装置10に内蔵するモータで駆動される。
【0020】
走査ガントリ20の回転側は、X線管21と、X線コントローラ22と、コリメータ23と、検出器24と、DAS(Data Acquisition System)25と、被検体の体軸の回りにX線管21などを回転させる回転コントローラ26と、スリップリングSLとを具備している。
走査ガントリ20の固定側は、制御信号などを操作コンソール1や撮影テーブル10とやり取りする制御インタフェース29と、多数のブラシを保持したブラシ・ブロックBBと、ブラシの押圧力を切り替える制御を行う切替制御部CCとを具備している。
【0021】
図2は、CT装置100の走査ガントリ20の回転側に設けられたリング状ディスクRDと固定側に設けられたブラシ・ブロックBBを示す正面図である。図3,図4は、図2のP−P’断面図である。
リング状ディスクRDに設けられている多数のスリップリングSLa,SLb,SLc,SLdとブラシ・ブロックBBに設けられている多数のブラシ31,35,39,43,…との間で、電力や信号の伝達が行われる。
【0022】
ブラシ・ブロックBBは、支持台59a,59bとガイドピン51a,51bとにより支持されたホルダ支持板56を具備している。
ホルダ支持板56は、ブラシ31,35,39,43,…を保持するためのホルダ32,36,40,44,…を保持している。
ホルダ32,36,40,44,…内には、ブラシ31,35,…の反スリップリング側面を押すバネ33,37,41,45,…が収容され、バネ33,37,41,45,…の反ブラシ側はバネ支持板52で押さえられている。
【0023】
バネ支持板52にはナット63が固着され、ナット63はネジ軸62に螺合し、ネジ軸62はモータ61の回転軸に取り付けられ、モータ61は固定側に固定されている。ナット63とネジ軸62によりボールねじ機構60が構成されているため、モータ61の回転により、バネ支持板52をスリップリングSLa,SLb,…に対して移動することが出来る。
【0024】
次に、CT装置100の動作について説明する。
図3に示すように、例えばアキシャルスキャンやヘリカルスキャンでデータ収集を行う高速回転時には、切替制御部CCは、モータ61を所定量だけ回転させ、バネ支持板52をスリップリングSLa,SLb,…に対して第1の距離に近づける。これにより、バネ33,37,41,45,…が押され、比較的大きい第1の押圧力になる。
一方、図4に示すように、データ収集を行わない低速回転時には、切替制御部CCは、モータ61を所定量だけ逆回転させ、バネ支持板52をスリップリングSLa,SLb,…に対して第2の距離まで遠ざける。これにより、バネ33,37,41,45,…が緩められ、比較的小さい第2の押圧力(例えば第1の押圧力の1/2〜1/10)になる。
【0025】
第1の実施形態にかかるCT装置100によれば、ブラシ31,35,…の無用な摩耗を低減できる。また、いずれの押圧力にしてもスリップリングSLa,SLb,…にブラシ31,35,…が当接しているため、ゴミが入る隙間を生じない。
【0026】
−第2の実施形態−
図5は、第2の実施形態にかかるCT装置200の走査ガントリの回転側に設けられたリング状ディスクRDと固定側に設けられたブラシ・ブロックBBを示す正面図である。図6,図7は、図5のP−P’断面図である。
リング状ディスクRDに設けられている多数のスリップリングSLa,SLb,SLc,SLdとブラシ・ブロックBBに設けられている多数のブラシ31,35,39,43,…との間で、電力や信号の伝達が行われる。
【0027】
ブラシ・ブロックBBは、支持台59a,59bとガイドピン51a,51bとにより支持されたホルダ支持板56を具備している。
ホルダ支持板56は、ブラシ31,35,39,43,…を保持するためのホルダ32,36,40,44,…を保持している。
ホルダ32,36,40,44,…内には、ブラシ31,35,…の反スリップリング側面を押すバネ33,37,41,45,…が収容され、バネ33,37,41,45,…の反ブラシ側はバネ支持板52で押さえられている。
【0028】
バネ支持板52は、シャフト65に固着されている。
シャフト65は、ソレノイド64が励磁されると、電磁力で、ソレノイド64に吸い込まれる。
スプリング66は、バネ支持板52をホルダ支持板56から遠ざけるように付勢している。
【0029】
次に、CT装置200の動作について説明する。
図6に示すように、例えばアキシャルスキャンやヘリカルスキャンでデータ収集を行う高速回転時には、切替制御部CCは、ソレノイド64を励磁してシャフト65を吸い込ませ、バネ支持板52をスリップリングSLa,SLb,…に対して第1の距離に近づける。第1の距離は、ガイドピン51aに設けたストッパ67aの位置で決まる。これにより、バネ33,37,41,45,…が押され、比較的大きい第1の押圧力になる。
一方、図7に示すように、データ収集を行わない低速回転時には、切替制御部CCは、ソレノイド64を励磁せず、スプリング66によりバネ支持板52をスリップリングSLa,SLb,…に対して第2の距離まで遠ざける。第2の距離は、ガイドピン51aに設けたストッパ68aの位置で決まる。これにより、バネ33,37,41,45,…が緩められ、比較的小さい第2の押圧力(例えば第1の押圧力の1/2〜1/10)になる。
【0030】
第2の実施形態にかかるCT装置200によれば、ブラシ31,35,…の無用な摩耗を低減できる。また、いずれの押圧力にしてもスリップリングSLa,SLb,…にブラシ31,35,…が当接しているため、ゴミが入る隙間を生じない。
【0031】
−第3の実施形態−
図8は、第3の実施形態にかかるCT装置300の走査ガントリ20の回転側に設けられたリング状ディスクRDと固定側に設けられたブラシ・ブロックBBを示す正面図である。図9,図10は、図8のP−P’断面図である。
リング状ディスクRDに設けられている多数のスリップリングSLa,SLb,SLc,SLdとブラシ・ブロックBBに設けられている多数のブラシ31,35,39,43,…との間で、電力や信号の伝達が行われる。
【0032】
ブラシ・ブロックBBは、ボールねじ機構60とモータ61とにより支持されたホルダ支持板56を具備している。また、ホルダ支持板56の回転止めのための支持台59a,59bとガイドピン51a,51bを具備している。
ホルダ支持板56は、ブラシ31,35,39,43,…を保持するためのホルダ32,36,40,44,…を保持している。
ホルダ32,36,40,44,…内には、ブラシ31,35,…の反スリップリング側面を押すバネ33,37,41,45,…が収容され、バネ33,37,41,45,…の反ブラシ側はバネキャップ34,38,42,46,…で押さえられている。
【0033】
ホルダ支持板56にはナット63が固着され、ナット63はネジ軸62に螺合し、ネジ軸62はモータ61の回転軸に取り付けられ、モータ61は固定側に固定されている。ナット63とネジ軸62によりボールねじ機構60が構成されているため、モータ61の回転により、ホルダ支持板56をスリップリングSLa,SLb,…に対して移動することが出来る。
【0034】
次に、CT装置300の動作について説明する。
図9に示すように、例えばアキシャルスキャンやヘリカルスキャンでデータ収集を行う高速回転時には、切替制御部CCは、モータ61を所定量だけ回転させ、ホルダ支持板56をスリップリングSLa,SLb,…に対して第1の距離に近づける。これにより、バネ33,37,41,45,…が縮められ、比較的大きい第1の押圧力になる。
一方、図10に示すように、データ収集を行わない低速回転時には、切替制御部CCは、モータ61を所定量だけ逆回転させ、ホルダ支持板56をスリップリングSLa,SLb,…に対して第2の距離まで遠ざける。これにより、バネ33,37,41,45,…が緩められ、比較的小さい第2の押圧力(例えば第1の押圧力の1/5〜1/10)になる。
【0035】
第3の実施形態にかかるCT装置300によれば、ブラシ31,35,…の無用な摩耗を低減できる。また、いずれの押圧力にしてもスリップリングSLa,SLb,…にブラシ31,35,…が当接しているため、ゴミが入る隙間を生じない。さらに、ホルダ32,36,40,44,…に対するバネキャップ34,38,42,46,…の螺合の程度を変えることにより、押圧力を個々に微調節可能である。
【0036】
−第4の実施形態−
図11は、第4の実施形態にかかるCT装置400の走査ガントリ20の回転側に設けられたリング状ディスクRDと固定側に設けられたブラシ・ブロックBBを示す正面図である。図12,図13は、図11のP−P’断面図である。
リング状ディスクRDに設けられている多数のスリップリングSLa,SLb,SLc,SLdとブラシ・ブロックBBに設けられている多数のブラシ71,73,75,77,…との間で、電力や信号の伝達が行われる。
【0037】
ブラシ・ブロックBBは、ボールねじ機構60とモータ61とにより支持された板バネ支持板59を具備している。また、板バネ支持板59の回転止めのための支持台59a,59bとガイドピン51a,51bを具備している。
板バネ支持板59は、ブラシ71,73,75,77,…を弾性的に保持する板バネ72,74,76,78,…を保持している。
【0038】
板バネ支持板59にはナット63が固着され、ナット63はネジ軸62に螺合し、ネジ軸62はモータ61の回転軸に取り付けられ、モータ61は固定側に固定されている。ナット63とネジ軸62によりボールねじ機構60が構成されているため、モータ61の回転により、板バネ支持板59をスリップリングSLa,SLb,…に対して移動することが出来る。
【0039】
次に、CT装置400の動作について説明する。
図12に示すように、例えばアキシャルスキャンやヘリカルスキャンでデータ収集を行う高速回転時には、切替制御部CCは、モータ61を所定量だけ回転させ、板バネ支持板59をスリップリングSLa,SLb,…に対して第1の距離に近づける。これにより、板バネ72,74,76,78,…の弾性力でブラシ71,73,75,77,…がスリップリングSLa,SLb,SLc,SLdに接触する。
一方、図13に示すように、データ収集を行わない低速回転時には、切替制御部CCは、モータ61を所定量だけ逆回転させ、板バネ支持板59をスリップリングSLa,SLb,…に対して第2の距離まで遠ざける。これにより、ブラシ71,73,75,77,…が浮き上がり、スリップリングSLa,SLb,SLc,SLdと非接触になる。
【0040】
第4の実施形態にかかるCT装置400によれば、ブラシ71,73,…の無用な摩耗を回避できる。
【0041】
−他の実施形態−
(1)第1〜第4の実施形態では、全系統の多数のブラシを一体に保持したが、系統ごとにブラシを保持するようにしてもよい。この場合、系統ごとにブラシの押圧力を切り替えたり、接触/非接触を切り替えたり出来る。
(2)第1〜第3の実施形態で接触/非接触を切り替えたり、第4の実施形態でブラシの押圧力を切り替えてもよい。
(3)モータ61やソレノイド64に代えて、油圧や空圧のアクチュエータを採用してもよい。
【0042】
【発明の効果】
本発明のCT装置によれば、例えばデータを収集しない低速回転時に、スリップリングへのブラシの押圧力を小さくするか又はスリップリングからブラシを浮かせることが出来る。このため、ブラシの無用の摩耗を低減または回避することが出来る。したがって、ブラシの寿命および交換サイクルを延長し、ランニングコストを節減できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態にかかるCT装置を示す構成図である。
【図2】第1の実施形態にかかるCT装置のリング状ディスクとブラシ・ブロックを示す正面図である。
【図3】図2のP−P’断面図(高速回転時)である。
【図4】図2のP−P’断面図(低速回転時)である。
【図5】第2の実施形態にかかるCT装置のリング状ディスクとブラシ・ブロックを示す正面図である。
【図6】図5のP−P’断面図(高速回転時)である。
【図7】図5のP−P’断面図(低速回転時)である。
【図8】第3の実施形態にかかるCT装置のリング状ディスクとブラシ・ブロックを示す正面図である。
【図9】図8のP−P’断面図(高速回転時)である。
【図10】図8のP−P’断面図(低速回転時)である。
【図11】第4の実施形態にかかるCT装置のリング状ディスクとブラシ・ブロックを示す正面図である。
【図12】図11のP−P’断面図(高速回転時)である。
【図13】図11のP−P’断面図(低速回転時)である。
【図14】従来のCT装置のリング状ディスクとブラシ・ブロックを示す正面図である。
【図15】図14のP−P’断面図である。
【符号の説明】
100,200,300,400 CT装置
20 走査ガントリ
31,35,39,43 ブラシ
71,73,75,77 ブラシ
BB ブラシ・ブロック
CC 切替制御部
RD リング状ディスク
SLa,SLb,SLc,SLd スリップリング
【発明の属する技術分野】
本発明は、CT(Computed Tomography)装置に関し、さらに詳しくは、ブラシの無用の摩耗を低減または回避できるようにしたCT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図14は、従来のCT装置500の走査ガントリの回転側に設けられたリング状ディスクRDと固定側に設けられたブラシ・ブロックBBを示す正面図である。図15は、図14のP−P’断面図である。
リング状ディスクRDに設けられている多数のスリップリングSLa,SLb,SLc,SLdとブラシ・ブロックBBに設けられている多数のブラシ31,35,39,43,…との間で、電力や信号の伝達が行われる。
【0003】
1系統のスリップリングに対するブラシの個数は、例えば6〜12個である。そして、電源系統は例えば6系統あり、信号系統は例えば9系統ある。
【0004】
ブラシ・ブロックBBは、支持台59a,59bと支柱55a,55bとにより支持されたホルダ支持板56を具備している。
ホルダ支持板56は、ブラシ31,35,39,43,…を保持するためのホルダ32,36,40,44,…を保持している。
ホルダ32,36,40,44,…内には、ブラシ31,35,…の反スリップリング側面を押すバネ33,37,41,45,…が収容され、バネ33,37,41,45,…の反ブラシ側はバネキャップ34,38,42,46,…で押さえられている。
【0005】
ブラシ31,35,39,43,…をスリップリングSLa,SLb,SLc,SLdへ当接させる押圧力は、ホルダ32,36,40,44,…に対するバネキャップ34,38,42,46,…の螺合の程度を変えることにより調節可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
データ収集時には回転側は高速回転するが、この高速回転の立上りを速くするために、データ非収集時にも回転側を低速回転することが行われている。
しかし、従来のCT装置では、低速回転時でも、ブラシ31,35,39,43,…をスリップリングSLa,SLb,SLc,SLdへ当接させる押圧力は高速回転時と同じであったため、ブラシ31,35,39,43,…が無用に摩耗する問題点があった。
そこで、本発明の目的は、ブラシの無用の摩耗を低減または回避できるようにしたCT装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の観点では、本発明は、走査ガントリの固定側と回転側の一方側に設けられた2系統以上のスリップリングと、各系統のスリップリングに対応して他方側に設けられた1系統につき複数個のブラシと、一つの系統の複数のブラシをスリップリングへ第1の押圧力で当接させるか又は第1の押圧力より小さい第2の押圧力で当接させるかを切り替え可能に保持するブラシ保持手段と、前記切り替えを制御する切替制御手段とを具備したことを特徴とするCT装置を提供する。
上記第1の観点によるCT装置では、高速回転時には比較的大きな第1の押圧力とすることで、スリップリングとブラシの間で信号や電力を支障なく伝達できる。一方、低速回転時には比較的小さな第2の押圧力とすることで、ブラシの摩耗を低減できる。また、いずれの押圧力にしても、スリップリングにブラシが当接しているため、ゴミが入る隙間を生じない。なお、第1の押圧力と第2の押圧力は、それぞれ広がりを持っていても良い。
【0008】
第2の観点では、本発明は、上記構成のCT装置において、前記切替制御手段は、高速回転時に一つの系統の複数のブラシを第1の押圧力でスリップリングへ当接させ、低速回転時に一つの系統の複数のブラシを第2の押圧力でスリップリングへ当接させることを特徴とするCT装置を提供する。
上記第2の観点によるCT装置では、高速回転時には比較的大きな第1の押圧力とするので、スリップリングとブラシの間で信号や電力を支障なく伝達できる。一方、低速回転時には比較的小さな第2の押圧力とするので、ブラシの摩耗を低減できる。また、いずれの押圧力にしても、スリップリングにブラシが当接しているため、ゴミが入る隙間を生じない。なお、第1の押圧力と第2の押圧力は、それぞれ広がりを持っていても良い。
【0009】
第3の観点では、本発明は、上記構成のCT装置において、前記ブラシ保持手段は、個々のブラシの反スリップリング側面を押す付勢手段を有し、前記切替制御手段は、一つの系統の複数のブラシに対応する各付勢手段の付勢力を同時に切り替える手段であることを特徴とするCT装置を提供する。
上記第3の観点によるCT装置では、一つの系統の複数のブラシの押圧力を同時に切り替えることが出来る。
【0010】
第4の観点では、本発明は、上記構成のCT装置において、前記切替制御手段は、2系統以上の少なくとも4個のブラシに対応する各付勢手段の付勢力を同時に切り替える手段であることを特徴とするCT装置を提供する。
上記第4の観点によるCT装置では、2系統以上のブラシの押圧力を同時に切り替えることが出来る。
【0011】
第5の観点では、本発明は、走査ガントリの固定側と回転側の一方側に設けられた2系統以上のスリップリングと、各系統のスリップリングに対応して他方側に設けられた1系統につき複数個のブラシと、一つの系統の複数のブラシをスリップリングへ接触させるか非接触にするかを切り替え可能に保持するブラシ保持手段と、前記切り替えを制御する切替制御手段とを具備したことを特徴とするCT装置を提供する。
上記第5の観点によるCT装置では、高速回転時にはスリップリングとブラシとを接触させることにより信号や電力を伝達できる。一方、低速回転時にはスリップリングとブラシとを非接触とすることによりブラシの摩耗を回避できる。なお、接触時2の押圧力は、広がりを持っていても良い。
【0012】
第6の観点では、本発明は、上記構成のCT装置において、前記切替制御手段は、高速回転時に一つの系統の複数のブラシをスリップリングへ当接させ、低速回転時に一つの系統の複数のブラシをスリップリングから浮かせることを特徴とするCT装置を提供する。
上記第6の観点によるCT装置では、一つの系統の複数のブラシを同時に浮かせることが出来る。
【0013】
第7の観点では、本発明は、上記構成のCT装置において、前記ブラシ保持手段は、一つの系統の複数のブラシを一体に保持するブラシ保持手段を有し、前記切替制御手段は、前記スリップリングに対する前記ブラシ保持手段の位置を移動させる手段であることを特徴とするCT装置を提供する。
上記第7の観点によるCT装置では、一つの系統の複数のブラシを同時に浮かせることが出来る。
【0014】
第8の観点では、本発明は、上記構成のCT装置において、前記ブラシ保持手段は、2系統以上の少なくとも4個のブラシを一体に保持するブラシ保持手段を有し、前記切替制御手段は、前記スリップリングに対する前記ブラシ保持手段の位置を移動させる手段であり、2系統以上の少なくとも4個のブラシをスリップリングへ接触させるか非接触にするかを同時に切り替えることを特徴とするCT装置を提供する。
上記第8の観点によるCT装置では、2系統以上のブラシを同時に浮かせることが出来る。
【0015】
第9の観点では、本発明は、上記構成のCT装置において、前記系統には、電源系統と信号系統の2系統があることを特徴とするCT装置を提供する。
上記第9の観点によるCT装置では、電源系統のブラシは一定の押圧力で接触させ、信号系統のブラシは押圧力を切り替えたり、浮かせたりすることが出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0017】
−第1の実施形態−
図1は、第1の実施形態にかかるCT装置100を示す構成図である。
このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ20とを具備している。
【0018】
操作コンソール1は、操作者の入力を受け付ける入力装置2と、画像生成処理などを実行する中央処理装置3と、走査ガントリ20で取得した投影データを収集する投影データ収集バッファ5と、投影データから再構成したCT画像などを表示するCRT6と、プログラムや投影データやX線CT画像を記憶する記憶装置7とを具備している。
【0019】
テーブル装置10は、被検体を乗せて走査ガントリ20のボア(空洞部)に入れ出しするクレードル12を具備している。クレードル12は、テーブル装置10に内蔵するモータで駆動される。
【0020】
走査ガントリ20の回転側は、X線管21と、X線コントローラ22と、コリメータ23と、検出器24と、DAS(Data Acquisition System)25と、被検体の体軸の回りにX線管21などを回転させる回転コントローラ26と、スリップリングSLとを具備している。
走査ガントリ20の固定側は、制御信号などを操作コンソール1や撮影テーブル10とやり取りする制御インタフェース29と、多数のブラシを保持したブラシ・ブロックBBと、ブラシの押圧力を切り替える制御を行う切替制御部CCとを具備している。
【0021】
図2は、CT装置100の走査ガントリ20の回転側に設けられたリング状ディスクRDと固定側に設けられたブラシ・ブロックBBを示す正面図である。図3,図4は、図2のP−P’断面図である。
リング状ディスクRDに設けられている多数のスリップリングSLa,SLb,SLc,SLdとブラシ・ブロックBBに設けられている多数のブラシ31,35,39,43,…との間で、電力や信号の伝達が行われる。
【0022】
ブラシ・ブロックBBは、支持台59a,59bとガイドピン51a,51bとにより支持されたホルダ支持板56を具備している。
ホルダ支持板56は、ブラシ31,35,39,43,…を保持するためのホルダ32,36,40,44,…を保持している。
ホルダ32,36,40,44,…内には、ブラシ31,35,…の反スリップリング側面を押すバネ33,37,41,45,…が収容され、バネ33,37,41,45,…の反ブラシ側はバネ支持板52で押さえられている。
【0023】
バネ支持板52にはナット63が固着され、ナット63はネジ軸62に螺合し、ネジ軸62はモータ61の回転軸に取り付けられ、モータ61は固定側に固定されている。ナット63とネジ軸62によりボールねじ機構60が構成されているため、モータ61の回転により、バネ支持板52をスリップリングSLa,SLb,…に対して移動することが出来る。
【0024】
次に、CT装置100の動作について説明する。
図3に示すように、例えばアキシャルスキャンやヘリカルスキャンでデータ収集を行う高速回転時には、切替制御部CCは、モータ61を所定量だけ回転させ、バネ支持板52をスリップリングSLa,SLb,…に対して第1の距離に近づける。これにより、バネ33,37,41,45,…が押され、比較的大きい第1の押圧力になる。
一方、図4に示すように、データ収集を行わない低速回転時には、切替制御部CCは、モータ61を所定量だけ逆回転させ、バネ支持板52をスリップリングSLa,SLb,…に対して第2の距離まで遠ざける。これにより、バネ33,37,41,45,…が緩められ、比較的小さい第2の押圧力(例えば第1の押圧力の1/2〜1/10)になる。
【0025】
第1の実施形態にかかるCT装置100によれば、ブラシ31,35,…の無用な摩耗を低減できる。また、いずれの押圧力にしてもスリップリングSLa,SLb,…にブラシ31,35,…が当接しているため、ゴミが入る隙間を生じない。
【0026】
−第2の実施形態−
図5は、第2の実施形態にかかるCT装置200の走査ガントリの回転側に設けられたリング状ディスクRDと固定側に設けられたブラシ・ブロックBBを示す正面図である。図6,図7は、図5のP−P’断面図である。
リング状ディスクRDに設けられている多数のスリップリングSLa,SLb,SLc,SLdとブラシ・ブロックBBに設けられている多数のブラシ31,35,39,43,…との間で、電力や信号の伝達が行われる。
【0027】
ブラシ・ブロックBBは、支持台59a,59bとガイドピン51a,51bとにより支持されたホルダ支持板56を具備している。
ホルダ支持板56は、ブラシ31,35,39,43,…を保持するためのホルダ32,36,40,44,…を保持している。
ホルダ32,36,40,44,…内には、ブラシ31,35,…の反スリップリング側面を押すバネ33,37,41,45,…が収容され、バネ33,37,41,45,…の反ブラシ側はバネ支持板52で押さえられている。
【0028】
バネ支持板52は、シャフト65に固着されている。
シャフト65は、ソレノイド64が励磁されると、電磁力で、ソレノイド64に吸い込まれる。
スプリング66は、バネ支持板52をホルダ支持板56から遠ざけるように付勢している。
【0029】
次に、CT装置200の動作について説明する。
図6に示すように、例えばアキシャルスキャンやヘリカルスキャンでデータ収集を行う高速回転時には、切替制御部CCは、ソレノイド64を励磁してシャフト65を吸い込ませ、バネ支持板52をスリップリングSLa,SLb,…に対して第1の距離に近づける。第1の距離は、ガイドピン51aに設けたストッパ67aの位置で決まる。これにより、バネ33,37,41,45,…が押され、比較的大きい第1の押圧力になる。
一方、図7に示すように、データ収集を行わない低速回転時には、切替制御部CCは、ソレノイド64を励磁せず、スプリング66によりバネ支持板52をスリップリングSLa,SLb,…に対して第2の距離まで遠ざける。第2の距離は、ガイドピン51aに設けたストッパ68aの位置で決まる。これにより、バネ33,37,41,45,…が緩められ、比較的小さい第2の押圧力(例えば第1の押圧力の1/2〜1/10)になる。
【0030】
第2の実施形態にかかるCT装置200によれば、ブラシ31,35,…の無用な摩耗を低減できる。また、いずれの押圧力にしてもスリップリングSLa,SLb,…にブラシ31,35,…が当接しているため、ゴミが入る隙間を生じない。
【0031】
−第3の実施形態−
図8は、第3の実施形態にかかるCT装置300の走査ガントリ20の回転側に設けられたリング状ディスクRDと固定側に設けられたブラシ・ブロックBBを示す正面図である。図9,図10は、図8のP−P’断面図である。
リング状ディスクRDに設けられている多数のスリップリングSLa,SLb,SLc,SLdとブラシ・ブロックBBに設けられている多数のブラシ31,35,39,43,…との間で、電力や信号の伝達が行われる。
【0032】
ブラシ・ブロックBBは、ボールねじ機構60とモータ61とにより支持されたホルダ支持板56を具備している。また、ホルダ支持板56の回転止めのための支持台59a,59bとガイドピン51a,51bを具備している。
ホルダ支持板56は、ブラシ31,35,39,43,…を保持するためのホルダ32,36,40,44,…を保持している。
ホルダ32,36,40,44,…内には、ブラシ31,35,…の反スリップリング側面を押すバネ33,37,41,45,…が収容され、バネ33,37,41,45,…の反ブラシ側はバネキャップ34,38,42,46,…で押さえられている。
【0033】
ホルダ支持板56にはナット63が固着され、ナット63はネジ軸62に螺合し、ネジ軸62はモータ61の回転軸に取り付けられ、モータ61は固定側に固定されている。ナット63とネジ軸62によりボールねじ機構60が構成されているため、モータ61の回転により、ホルダ支持板56をスリップリングSLa,SLb,…に対して移動することが出来る。
【0034】
次に、CT装置300の動作について説明する。
図9に示すように、例えばアキシャルスキャンやヘリカルスキャンでデータ収集を行う高速回転時には、切替制御部CCは、モータ61を所定量だけ回転させ、ホルダ支持板56をスリップリングSLa,SLb,…に対して第1の距離に近づける。これにより、バネ33,37,41,45,…が縮められ、比較的大きい第1の押圧力になる。
一方、図10に示すように、データ収集を行わない低速回転時には、切替制御部CCは、モータ61を所定量だけ逆回転させ、ホルダ支持板56をスリップリングSLa,SLb,…に対して第2の距離まで遠ざける。これにより、バネ33,37,41,45,…が緩められ、比較的小さい第2の押圧力(例えば第1の押圧力の1/5〜1/10)になる。
【0035】
第3の実施形態にかかるCT装置300によれば、ブラシ31,35,…の無用な摩耗を低減できる。また、いずれの押圧力にしてもスリップリングSLa,SLb,…にブラシ31,35,…が当接しているため、ゴミが入る隙間を生じない。さらに、ホルダ32,36,40,44,…に対するバネキャップ34,38,42,46,…の螺合の程度を変えることにより、押圧力を個々に微調節可能である。
【0036】
−第4の実施形態−
図11は、第4の実施形態にかかるCT装置400の走査ガントリ20の回転側に設けられたリング状ディスクRDと固定側に設けられたブラシ・ブロックBBを示す正面図である。図12,図13は、図11のP−P’断面図である。
リング状ディスクRDに設けられている多数のスリップリングSLa,SLb,SLc,SLdとブラシ・ブロックBBに設けられている多数のブラシ71,73,75,77,…との間で、電力や信号の伝達が行われる。
【0037】
ブラシ・ブロックBBは、ボールねじ機構60とモータ61とにより支持された板バネ支持板59を具備している。また、板バネ支持板59の回転止めのための支持台59a,59bとガイドピン51a,51bを具備している。
板バネ支持板59は、ブラシ71,73,75,77,…を弾性的に保持する板バネ72,74,76,78,…を保持している。
【0038】
板バネ支持板59にはナット63が固着され、ナット63はネジ軸62に螺合し、ネジ軸62はモータ61の回転軸に取り付けられ、モータ61は固定側に固定されている。ナット63とネジ軸62によりボールねじ機構60が構成されているため、モータ61の回転により、板バネ支持板59をスリップリングSLa,SLb,…に対して移動することが出来る。
【0039】
次に、CT装置400の動作について説明する。
図12に示すように、例えばアキシャルスキャンやヘリカルスキャンでデータ収集を行う高速回転時には、切替制御部CCは、モータ61を所定量だけ回転させ、板バネ支持板59をスリップリングSLa,SLb,…に対して第1の距離に近づける。これにより、板バネ72,74,76,78,…の弾性力でブラシ71,73,75,77,…がスリップリングSLa,SLb,SLc,SLdに接触する。
一方、図13に示すように、データ収集を行わない低速回転時には、切替制御部CCは、モータ61を所定量だけ逆回転させ、板バネ支持板59をスリップリングSLa,SLb,…に対して第2の距離まで遠ざける。これにより、ブラシ71,73,75,77,…が浮き上がり、スリップリングSLa,SLb,SLc,SLdと非接触になる。
【0040】
第4の実施形態にかかるCT装置400によれば、ブラシ71,73,…の無用な摩耗を回避できる。
【0041】
−他の実施形態−
(1)第1〜第4の実施形態では、全系統の多数のブラシを一体に保持したが、系統ごとにブラシを保持するようにしてもよい。この場合、系統ごとにブラシの押圧力を切り替えたり、接触/非接触を切り替えたり出来る。
(2)第1〜第3の実施形態で接触/非接触を切り替えたり、第4の実施形態でブラシの押圧力を切り替えてもよい。
(3)モータ61やソレノイド64に代えて、油圧や空圧のアクチュエータを採用してもよい。
【0042】
【発明の効果】
本発明のCT装置によれば、例えばデータを収集しない低速回転時に、スリップリングへのブラシの押圧力を小さくするか又はスリップリングからブラシを浮かせることが出来る。このため、ブラシの無用の摩耗を低減または回避することが出来る。したがって、ブラシの寿命および交換サイクルを延長し、ランニングコストを節減できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態にかかるCT装置を示す構成図である。
【図2】第1の実施形態にかかるCT装置のリング状ディスクとブラシ・ブロックを示す正面図である。
【図3】図2のP−P’断面図(高速回転時)である。
【図4】図2のP−P’断面図(低速回転時)である。
【図5】第2の実施形態にかかるCT装置のリング状ディスクとブラシ・ブロックを示す正面図である。
【図6】図5のP−P’断面図(高速回転時)である。
【図7】図5のP−P’断面図(低速回転時)である。
【図8】第3の実施形態にかかるCT装置のリング状ディスクとブラシ・ブロックを示す正面図である。
【図9】図8のP−P’断面図(高速回転時)である。
【図10】図8のP−P’断面図(低速回転時)である。
【図11】第4の実施形態にかかるCT装置のリング状ディスクとブラシ・ブロックを示す正面図である。
【図12】図11のP−P’断面図(高速回転時)である。
【図13】図11のP−P’断面図(低速回転時)である。
【図14】従来のCT装置のリング状ディスクとブラシ・ブロックを示す正面図である。
【図15】図14のP−P’断面図である。
【符号の説明】
100,200,300,400 CT装置
20 走査ガントリ
31,35,39,43 ブラシ
71,73,75,77 ブラシ
BB ブラシ・ブロック
CC 切替制御部
RD リング状ディスク
SLa,SLb,SLc,SLd スリップリング
Claims (9)
- 走査ガントリの固定側と回転側の一方側に設けられた2系統以上のスリップリングと、各系統のスリップリングに対応して他方側に設けられた1系統につき複数個のブラシと、一つの系統の複数のブラシをスリップリングへ第1の押圧力で当接させるか又は第1の押圧力より小さい第2の押圧力で当接させるかを切り替え可能に保持するブラシ保持手段と、前記切り替えを制御する切替制御手段とを具備したことを特徴とするCT装置。
- 請求項1に記載のCT装置において、前記切替制御手段は、高速回転時に一つの系統の複数のブラシを第1の押圧力でスリップリングへ当接させ、低速回転時に一つの系統の複数のブラシを第2の押圧力でスリップリングへ当接させることを特徴とするCT装置。
- 請求項1または請求項2に記載のCT装置において、前記ブラシ保持手段は、個々のブラシの反スリップリング側面を押す付勢手段を有し、前記切替制御手段は、一つの系統の複数のブラシに対応する各付勢手段の付勢力を同時に切り替える手段であることを特徴とするCT装置。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載のCT装置において、前記切替制御手段は、2系統以上の少なくとも4個のブラシに対応する各付勢手段の付勢力を同時に切り替える手段であることを特徴とするCT装置。
- 走査ガントリの固定側と回転側の一方側に設けられた2系統以上のスリップリングと、各系統のスリップリングに対応して他方側に設けられた1系統につき複数個のブラシと、一つの系統の複数のブラシをスリップリングへ接触させるか非接触にするかを切り替え可能に保持するブラシ保持手段と、前記切り替えを制御する切替制御手段とを具備したことを特徴とするCT装置。
- 請求項5に記載のCT装置において、前記切替制御手段は、高速回転時に一つの系統の複数のブラシをスリップリングへ当接させ、低速回転時に一つの系統の複数のブラシをスリップリングから浮かせることを特徴とするCT装置。
- 請求項5または請求項6に記載のCT装置において、前記ブラシ保持手段は、一つの系統の複数のブラシを一体に保持するブラシ保持手段を有し、前記切替制御手段は、前記スリップリングに対する前記ブラシ保持手段の位置を移動させる手段であることを特徴とするCT装置。
- 請求項5から請求項7のいずれかに記載のCT装置において、前記ブラシ保持手段は、2系統以上の少なくとも4個のブラシを一体に保持するブラシ保持手段を有し、前記切替制御手段は、前記スリップリングに対する前記ブラシ保持手段の位置を移動させる手段であり、2系統以上の少なくとも4個のブラシをスリップリングへ接触させるか非接触にするかを同時に切り替えることを特徴とするCT装置。
- 請求項1から請求項8のいずれかに記載のCT装置において、前記系統には、電源系統と信号系統の2系統があることを特徴とするCT装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007222293A (ja) * | 2006-02-22 | 2007-09-06 | Toshiba Corp | X線ct装置 |
JP2014057798A (ja) * | 2012-09-19 | 2014-04-03 | Hitachi Medical Corp | X線ct装置 |
CN104545979A (zh) * | 2015-01-19 | 2015-04-29 | 赛诺威盛科技(北京)有限公司 | 一种电刷检测装置及其ct扫描系统 |
-
2002
- 2002-09-17 JP JP2002270297A patent/JP2004105365A/ja active Pending
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