JP2004105250A - ドラム式洗濯乾燥機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドラム内壁面に、脱水後の洗濯物が張り付いたまま乾燥されることがなくて、しわの発生を抑え仕上がり良好な乾燥を効率良く行なえるようにする。
【解決手段】脱水および乾燥運転を続けて実施可能としたものにおいて、ドラム23を構成し多数の透孔25aを有する胴部25に、一部無孔壁部25cを設け、且つこの無孔壁部25cを胴部25の内壁面より内方に突出した形態の構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】脱水および乾燥運転を続けて実施可能としたものにおいて、ドラム23を構成し多数の透孔25aを有する胴部25に、一部無孔壁部25cを設け、且つこの無孔壁部25cを胴部25の内壁面より内方に突出した形態の構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、周壁に多数の透孔を設けた横軸周りに回転するドラム内に、洗濯物を収容して洗濯および乾燥を可能としたドラム式洗濯乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種ドラム式洗濯乾燥機は、一般的に外郭を形成する筐体内に貯水可能な水槽を弾性支持し、この水槽の内部には横軸周りに回転可能なドラムが設けられ、該ドラムは前記水槽の後面に装着されたモータにより回転駆動される構成としている。
そして、前記ドラムの構成としては、例えば図14に示すようにドラム1は円筒状の胴部2全体に多数の透孔3を設け、且つ例えば周長の略3等分した位置に3個の撹拌羽根、所謂バッフル4を設けた構成としている。
【0003】
しかして、上記構成のドラム1に洗濯物を収容し所定水量給水した後、図示しないモータにより回転駆動し、夫々洗い,脱水,乾燥等の行程に応じた回転速度で制御して自動的に運転できるようにしている。例えば、洗い(含むすすぎ)行程では、ドラム1が低速回転されるに伴ない洗濯物がバッフル4にて掻き上げられ、上部に至り落下する動作が繰り返され所謂たたき洗いが実行される。
【0004】
そして、脱水行程では後の乾燥運転を効率良く行なうために、洗濯物からできるだけ水分を抽出すべくドラム1を最も高速度で回転し、即ち遠心脱水するようにしている。続く乾燥行程では、ドラム1は最も低速度で回転せられ、且つ温風供給手段から水槽(いずれも図示せず)内に供給された温風を、ドラム1内の洗濯物と接触させ乾燥するようにしている。
【0005】
このようにドラム1の透孔2は、該ドラム1に対して洗いとか脱水運転では水の供給および排出を容易に可能とし、乾燥運転では温風の出入を容易に可能とすべく、ドラム1の周壁全体に亘り多数形成している。また、上記のようにドラム式洗濯乾燥機では、全ての各行程をドラム1を回転させることにより行なうとともに、そのうちドラム1が高速回転される脱水行程に続いて、低速回転による乾燥行程が行なわれる。
【0006】
この場合、脱水運転における洗濯物(図示せず)は、遠心作用を受けてドラム1の特に胴部2の内壁面に押し付けられ、且つ遠心放出される水は透孔2から放出されるが、その水の流出する勢いも受けて該洗濯物は透孔2を有する内壁面に密着した張り付いた状態となる。
従って、このような脱水行程に続いて乾燥行程に移行すると、洗濯物が張り付いた状態のまま乾燥作用が進み、結果頑固なしわが多く生じて乾燥後の仕上がり状態は悪いものとなる。
【0007】
その対策として、例えば乾燥行程の直前における所謂最終脱水において、ドラムを低回転速度で運転し、洗濯物への遠心作用を小さくして上記張り付け現象を抑える手段も考えられる。しかしながら、この手段では脱水性能の低下は否めず、当然乾燥前の洗濯物の状態としても好ましくなく、実用に不適である。
そこで、従来では最終脱水を行なう前に、ドラムの回転数が順次高くなる予備脱水なる行程を複数回(例えば3回)行なうことが考えられている(特許文献1参照)。
斯かる制御手段によれば、複数回の予備脱水(停止)ごとに、洗濯物をドラムの内壁面から剥離するとともに、洗濯物の含水率を徐々に低減することで、脱水終了時には洗濯物が簡単に剥離して、その後の乾燥行程で、しわがなくふんわりとした乾燥ができると云うものである。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−235068号公報(第5,6頁、第5,6図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の如く異なる回転速度での予備脱水を複数回行なう動作を付加することは、単に最終脱水を行なう場合に比して何倍もの脱水時間を要し、以って1回の洗濯作業に長時間を費やすこととなり時間の無駄となる。しかも、所定の脱水性能を確保しながら洗濯物を剥離できるように回転制御をするには、実際には洗濯物量に応じた種々の回転速度、或は時間設定をするなどして運転制御せねばならず制御が複雑化するなどの問題を有する。
【0010】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従ってその目的は、乾燥運転時に洗濯物がドラムへの張り付け状態から解放されて、しわの少ない仕上がり良好な乾燥を効率良く行なえるようにしたドラム式洗濯乾燥機を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のドラム式洗濯乾燥機は、外郭を形成する筐体と、この筐体の内部に弾性支持した水槽と、この水槽の内部に横軸周りに回転可能に配設したドラムと、このドラム内に温風を供給する温風供給手段とを備え、前記ドラムは、その円筒状の胴部の略全体に多数の透孔を有するとともに複数のバッフルを有する構成とし、少なくとも脱水および乾燥運転を続けて運転可能としたものにおいて、前記ドラムの胴部のバッフル間に位置して一部無孔壁部を設け、該無孔壁部は円筒状内壁面に対し内方に突出する形態としたことを特徴とする(請求項1の発明)。
【0012】
斯かる構成によれば、乾燥前の脱水運転の際、洗濯物は遠心作用により全体的にはドラム内壁面に押し付けられた状態になるが、無孔壁部に位置する洗濯物の一部は、密着方向への押圧作用が弱く内壁面に密着した張り付き状態に至らない。従って、この状態のまま乾燥運転を開始しても、ドラムの低速回転に伴ない無孔壁部に位置する洗濯物が上方位置に達すると、その重量により簡単に剥がれるように落下し、この落下に伴ない他の部位の張り付いた状態の洗濯物に対し衝撃を与え密着状態から解放させ順次拡大する。
【0013】
この結果、乾燥運転の初期に洗濯物の張り付き状態は速やかに解消され、張り付いたまま乾燥されることによる強力なしわは発生せず、運転初期より良好な撹拌作用を得て乾燥むらもなく、洗濯物をふんわりとした仕上がり状態の良い乾燥ができる。また、胴部の一部を無孔壁部とした程度では、脱水性能に大きく影響を与えることもなく、所期の脱水性能を維持できるとともに、従来の如き複雑な回転制御等をも不要で簡易な構成にて提供できる。
【0014】
そして、請求項1記載のものにおいて、無孔壁部は、山形状に突出するとともに、脱水回転方向側の面を短辺とし、反回転方向側の面を長辺としたことを特徴とする(請求項2の発明)。
【0015】
斯かる構成によれば、無孔壁部を山形状に突出した形態としたことにより、洗濯物から抽出された水が速やかに流下し、特には洗濯物から抽出された多くの水を長辺側の面上で受け、これを遠心脱水の放出方向である後方(反回転方向)に向って速やかに流すことができ、以って水が滞ることなく脱水性能を良好に維持できる点で有効である。
【0016】
また、請求項1または2記載のものにおいて、無孔壁部は、その表面に複数のビードを突設したことを特徴とする(請求項3の発明)。
【0017】
斯かる構成によれば、脱水運転時に無孔壁部の面上に洗濯物が密着するのを確実に阻止でき、従って各ビード間が水路のガイドとして機能し、抽出された水は速やかに流れ透孔部位から放出されて脱水性能の向上を図り得、且つ内壁面への張り付き現象を一層確実に防止できて、しわのないふんわりとした仕上がり良好な乾燥効果が得られる。
【0018】
また、請求項1ないし3のいずれかに記載のものにおいて、無孔壁部は、ドラム胴部とは別部材で構成したことを特徴とする(請求項4の発明)。
【0019】
斯かる構成によれば、例えば容量等が異なる各種のドラムに対して共通に使用したり、或は大きさや形状等に制約を受けることなく設計製作の自由度が広がり、最適の形態とする無孔壁部を形成するに好都合である。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明のドラム式洗濯乾燥機の第1実施例を示す、図1ないし図5を参照して説明する。
ぞのうちの図1ないし図3において、まず図1に基づき洗濯乾燥機全体の概略構成につき述べると、外郭を形成する筐体11の前面部の上部には、各種の運転コース等を設定操作するためのキースイッチ(図示せず)等を有する操作パネル12を配設するとともに、その内方には、洗いや乾燥運転の全般を制御すべくマイクロコンピュータ等からなる制御装置13が設けられている。そして、前面部の略中央部には洗濯物を出し入れする開口部11aを開閉する扉14が、図示しないヒンジ部を介して回動可能に設けられている。
【0021】
しかして、筐体11の内部には、貯水可能とする前面に開口部15aを有する円筒状の水槽15が配設され、複数のサスペンション16(1個のみ図示)を介して弾性支持されている。この水槽15は、横軸型で且つやゝ前上がりの傾斜状態に支持されるとともに、前記開口部15aと筐体11の開口部11aとの間にはベロー17が設けられ水密に連結されている。
【0022】
一方、水槽15の底部には一部下方に膨出した凹陥部18が形成され、その内部に洗濯水を加温するためのシーズヒータからなる温水ヒータ19が配設されている。そして、この凹陥部18の最低部位には図示しないが排水口が設けられ、これに連接して排水弁20が設けられており、該排水弁20は凹陥部18の外底面に取り付けられたギヤドモータからなる排水弁モータ21により開閉動作が制御される。この排水弁20の出口側には蛇腹状の屈曲自在な排水ホース22が接続され、その先端部は機外に導出されている。
【0023】
このような、水槽15の内部には、同じく円筒状のドラム23が回転可能で横軸形に軸支され配設されている。このドラム23を構成する前面部24には、大きな開口部24aが形成され、また周壁たる胴部25および後面部26には通水兼通風用の多数の透孔25a,26aを有するとともに、胴部25には洗濯物を掻き上げるための3個のバッフル25b(2個のみ図示)を内方に突設している。そして、このドラム23は、その後面部26の中央において、前記水槽15に回転可能に軸支されている。
【0024】
その軸支構成は、水槽15の後面部中央に軸受ハウジング27が設けられていて、この軸受ハウジング27内に回転軸28を配した例えばアウターロータ形のブラシレスモータからなるモータ29を装着している。しかして、前記ドラム23の後面部26は、上記回転軸28に直結されて軸支され、モータ29によりドラム23を直接回転駆動可能な構成としている。
【0025】
更に、上記ドラム23の構成につき、図2および図3を参照して説明する。 即ち、図2は前記した前面部24を除いて示すドラム23の斜視図、および図3は図2のA−A線に沿って切断して拡大して示す断面図で、前記した3個のバッフル25bが円筒状胴部25の周方向に3等配した位置に設けられており、そのうちの2つのバッフル25b間に位置して一部に透孔25aを有しない無孔壁部25cを形成している。
【0026】
この無孔壁部25cは、胴部25を横切る方向(軸方向)に所定の面積を確保すべく帯状に延設されるとともに、少なくとも胴部25の円筒状内壁面より内方に突出した(図3に高さh1で示す)構成にあって、例えば本実施例ではバッフル25bより幅広で且つ低い山形状の断面をなして内方に突出し、胴部25と一体成形されている。
因みに、無孔壁部25cは所定の面積を確保すべく、例えば突出高さh1は、通常ドラム23の直径の約1/50以上で、幅はドラム23周長の約1/6〜1/8に設定するのが望ましい。
【0027】
そしてまた、図1において前記水槽15の前面から後面の外側を取り巻くようにして、ドラム23内に温風を循環供給する循環送風路30を形成している。この循環送風路30は、一端は水槽15の後面部に連通し、途中に除湿器31および温風供給手段32を経て、水槽15の前面開口部15aに連通接続した構成としている。
【0028】
そのうちの除湿器31の概略構成につき述べると、これは全体に中空状をなして前記循環送風路30の一部を兼ねた構成とし、下端部において水槽15を通してドラム23内の空気を取り込み、該空気が下部から上方へと移動する間に、図示しない水冷手段として上部から水を注ぎ入れることによって、その空気中から水分を冷却し凝縮させて除湿する機能を有するもので、凝縮された水分は排水弁20を経て排水ホース22から機外に排出されるようにしている。
【0029】
一方、温風供給手段32にあっては、上記除湿器31の下流側に配設され図中矢印方向に送風作用をなす送風ファン33aおよびファンモータ33b等からなる送風機33と、この送風機33から送られてきた空気を加熱するヒータ装置34とから構成され、この温風供給手段32は上記除湿器31にて除湿された空気を加熱温風化し、その温風は循環送風路30を経て水槽15およびドラム23の各開口部15aおよび23aを通して供給される。
【0030】
従って、斯かる構成からなる循環送風路30によれば、乾燥運転時において送風機33による矢印方向の送風作用を受けて、例えば湿気を帯びたドラム23内の空気が、水槽15を通して除湿器31内に取り込まれると、ここで冷却除湿され、その空気はヒータ装置34に送られて加熱温風化され、温風は水槽15およびドラム23内に供給される。そして、図示しない洗濯物の乾燥に寄与した後の温風は湿気を帯びているので、再び上記除湿器31に吸入されて除湿され、温風供給手段32を通して改めて再生された温風がドラム23内に繰り返し供給され、所謂温風循環により乾燥運転が進められる。
【0031】
次に、上記構成の作用につき述べる。
ドラム式洗濯乾燥機としては、種々の運転コースを選択的に実行可能としているが、特に本発明に関連する運転コースの一例につき説明すると、通常、周知のように「洗い」・「すすぎ」・「(最終)脱水」行程を自動的に実行するとともに、続いて「乾燥」行程まで自動的に進行する運転コースを備えているが、或は上記「(最終)脱水」行程を終えて一旦休止した後、「乾燥」行程を手動操作してスタートさせることも可能であり、要は脱水を終えた状態のまま乾燥運転を開始する運転態様につき説明する。
【0032】
しかるに、通常に行なわれる「洗い」および「すすぎ」行程では、洗濯水を水槽15内に供給した状態でドラム23を低速回転させ、図示しない洗濯物をバッフル23bにて掻き上げては落下させる所謂たたき洗い動作にて実行するものであり、一方「脱水」行程ではドラム23を高速回転させ洗濯物から遠心脱水を行なう。従って、最終脱水された状態の洗濯物は、遠心作用を受けてドラム23の内壁面に密着した張り付け状態にある。特には、胴部25の各バッフル25b間における透孔25aが多数形成された内壁面は平滑な面状にあって、該透孔25aから遠心作用を受けた水が放出される際に、洗濯物は内壁面の全周に押し付けられ所謂張り付いた状態となり、しかもその遠心力は大きくてドラム23が停止した後も、張り付いた状態のままに保持される。
【0033】
ところが、本実施例では胴部25の一部に無孔壁部25cを形成し、且つ断面山形状に内方に突出する形態としているため、この無孔部分には上記のような透孔25aを貫通して勢いよく流出する方向の水の流れがなくなる。このことから、該無孔壁部25cに向う水の流れは弱くなり、図示しない洗濯物を内壁面に押し付ける力は弱くなり、強く密着状態には至らない。
このため、無孔壁部25cに対応する位置の洗濯物は、水の流出による押圧作用が緩和された状態となり、内壁面に強力に密着した張り付け状態を回避しながら遠心脱水されることになる。
【0034】
そして、上記脱水終了に続いて「乾燥」行程に移行すると、ドラム23は低速回転されるとともに、前記温風供給手段32から温風が供給され、循環送風路30および水槽15を介した温風循環が実行され、洗濯物の乾燥が行なわれる。しかるに、この低速回転に伴ない遠心作用は少ないものの、洗濯物が張り付いた部分では、通常そのまま密着状態に保持されて進行するのに対し、無孔壁部25cに対応した洗濯物(一部)は上方位置に達すると、これが内壁面から容易に剥がれるように落下する。
【0035】
この一部の剥がれた洗濯物が、下方に位置する緊張して張り付いた状態にある洗濯物上に落下することにより、その衝撃により内壁面と密着した張り付き状態から解放する。そして、このような剥がれ現象が続いて行なわれ拡大するとともに、剥がれた洗濯物はバッフル25bによる掻き上げ作用を受けて、洗濯物を満遍なく撹拌してドラム23の内部全体に広げ、温風との接触を良好となした乾燥運転が実行される。
【0036】
上記説明したように本実施例によれば、次の効果を有する。
ドラム23を構成する多数の透孔25aを有する胴部25に、一部無孔壁部25cを設け且つこの無孔壁部25cを山形状に内方に突出する形態とした。
これにより、脱水運転に続いて乾燥運転を行なう場合に、その脱水運転において洗濯物は遠心作用により全体的には胴部25内壁面に押し付けられた状態にあるが、無孔壁部25cに位置する洗濯物の一部は、密着方向への押圧作用が弱く内壁面に密着した張り付き状態に至らない。
【0037】
従って、この状態のまま乾燥運転を開始しても、ドラム23の低速回転に伴ない無孔壁部25cに位置する洗濯物が上方位置に達すると、その重量により容易に落下する。この一部洗濯物の落下により、下方の緊張状態に張り付いている洗濯物に対し衝撃を与え密着状態から解放させる作用を発揮し、順次拡大していく。また、この洗濯物の落下に伴ない、その前後に連なる洗濯物も引っ張られるように剥がれ作用を受け、剥がれ部分は更に拡大する。
【0038】
この結果、乾燥運転の初期に洗濯物の張り付き状態は速やかに解消され、張り付いたまま乾燥されることによる強力なしわは発生せず、運転初期より良好な撹拌作用を得て乾燥むらもなく、洗濯物をふんわりとした仕上がり状態の良好な乾燥ができる。
また、胴部25の一部を無孔壁部25cとした程度では、脱水性能に大きく影響を与えることもなく、従って脱水時間を特別な予備脱水を含む長時間設定とすることもなく所期の脱水性能を維持でき、或は複雑な回転制御等をも不要で簡易に実施できる利点は大きい。
【0039】
(変形例)
図4および図5は、上記実施例の変形例を示したもので、このものは上記した山形状の無孔壁部25cの表面に複数のビード35を突設した点で異なるのみで、他は共通の構成にある。このビード35は、軸方向と直交する方向であるドラム23の回転方向に沿って延び並列配置された構成にあって、胴部25と一体に成形されている。
斯かる構成によれば、無孔壁部25cに複数のビード35を突設したので、該無孔壁部25cに洗濯物が密接状態となるのを防ぎ、脱水時の水の流れは各ビード35間からスムースに通り抜けることで脱水性能の向上を図り、無孔壁部25cを設けたことによる脱水性能の低下を抑えるのに有効である。
【0040】
加えて、このビード35の存在により洗濯物が無孔壁部25cへの密着防止に有効であることから、この脱水運転から乾燥運転へと移行しても、該無孔壁部25cに対応した洗濯物は一層剥がれ易くて、ドラム23の低速回転に伴ない容易で確実に落下し、洗濯物全体を張り付け状態から速やかに解放することができ、従って効率良くしわの少ない仕上がり良好な乾燥作用が期待できる。
【0041】
上記実施例に対し、図6〜図13は本発明の第2および第3実施例を示したもので、上記第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ以下説明する。
【0042】
(第2の実施の形態)
まず、図6,7は、本発明の第2実施例を示したもので、図6は図2相当図で、図7は図6のC−C断面を示す図3相当図である。
このものは、上記実施例とは無孔壁部の形態において異なるもので、ドラム36を構成する円筒状の胴部37には、一部を除く全面に多数の透孔37aと、複数のバッフル37bと、一部に形成した無孔壁部37cとを有し、このうち無孔壁部37cについては、内方に断面山形状に高さh2突出した基本的形態であることは上記第1実施例と同じであるが、その山形を形成する両傾斜面の各辺の長さが異なる非対称とした構成にある。
即ち、上記無孔壁部37cは、ドラム36の脱水回転方向(図中矢印N方向)に面する側を短辺38aとし、反回転方向側を長辺38bとして胴部37と一体に形成され、従って突出高さh2を有する頂部から短辺38a側は急斜面となし、反対に長辺38b側は広い緩斜面を形成する。
【0043】
斯かる構成によれば、乾燥運転では洗濯物を内壁面への張り付き状態から速やかに解放して、しわの少ない乾燥ができるとする上記第1実施例と同様の作用効果を有する上に、無孔壁部37cを非対称の短辺38a,長辺38bとした山形状に形成したので、脱水運転時に遠心抽出された水が該無孔壁部37cから速やかに流下するもので、特に脱水時における放水方向は図7中の矢印で示す傾向にあって相対的に後方(反矢印N方向)に流れることから、この放水方向に沿って主に上記長辺38b側の広い緩斜面上を後方に速やかに流れることになる。
【0044】
従って、無孔壁部37cに対応する部分における洗濯物から抽出された水の多くは長辺38b側の広い面で受け止められ、且つこれを傾斜面に沿って遠心作用も受けつつ後方に向って速やかに流下させることができ、無孔壁部37cを設けたことによる脱水性能の低下を抑制するのに一層有効である。尚、遠心放出される水の流れとは逆方向となる短辺38a側では、面積が狭いので受ける水も少なくて且つ急斜面に形成されるため、水は滞ることなく速やかに流下して透孔37aから外方へ放出され、やはりこの短辺38a側の面にあっても脱水性能の低下には至らない。
【0045】
(変形例)
図8,図9、および図10ないし図12は、上記実施例に対し夫々異なる変形例を示したもので、まず図8,9に示す変形例につき説明する。
このものは、ドラム39の胴部40とは別部材からなる無孔壁部41を構成するとともに、その突出する山形の形状を流線形としたものであるが、基本的には上記実施例と同様に矢印Nで示す脱水回転方向側を短辺42aとし、反回転方向側を長辺42bとし、突出高さh2の頂部を中心に左右非対称とする山形状をなしたものである。
【0046】
即ち、無孔壁部41は例えば耐熱性のプラスチック材にて成形され、内部に形成された複数のボス部41cに胴部40の外方からネジ42を締付けることで取付固定している。従って、この変形例の場合、胴部40のうち無孔壁部41で覆われる一部は、作用効果上特に透孔40aの有無には関係ない構成となる。
このように流線形状の無孔壁部41の構成にあっても、上記実施例と同様に内壁面への洗濯物の張り付け状態を回避し得る作用効果を期待できることは容易に理解できる。
【0047】
ところで、無孔壁部41は低く突出したものであるが、各バッフル40a間の平滑な面上に突出しており、該無孔壁部41と洗濯物との接触頻度は当然高くなる。しかしながら、斯かる無孔壁部41は滑らかな流線形状となして突出する山形状にしたので、洗いから乾燥に至るまでの洗濯物と該無孔壁部41との接触に対して所謂布傷み現象を抑えるに有効である。
また、無孔壁部41を別部材としたので、例えば洗濯物容量が異なる各種のドラムに対して共通に使用したり、或は大きさや形状等において設計製作上の制約を受けることなく最適の形態の無孔壁部を形成するに好都合である。
但し、この無孔壁部41にあっても上記実施例の如く胴部40と一体に形成することも容易に可能であることは云うまでもない。
【0048】
次いで、図10ないし図12に示す他の変形例につき説明する。
即ち、図10は図2相当図で、図11は図10のE−E断面を示す図3相当図、および図12は要部の平面図を示したもので、このものは胴部40とは別部材からなる断面山形状の無孔壁部43を備え、その表面には回転方向に延びる複数のビード44a,44bを突設したものである。具体的には、この無孔壁部43も矢印Nで示す回転方向側の面を短辺45aとし、反回転方向側を長辺45bとした非対称構成にあって、その短辺45a側の急斜面には短いビード44aを、また長辺45b側の広い緩斜面には長いビード44bを夫々突設している。
そして、無孔壁部43の裏面側に形成された複数のボス部44cに、胴部40を介してネジ42を締付けドラム39に取付固定されている。
【0049】
しかして、斯かる構成によれば、乾燥前の脱水運転に際して、無孔壁部43の長辺45bとなす広い緩斜面にて遠心抽出された水を受け止め且つ後方(反矢印N方向)へ流すとともに、表面のビード44b間を水路としてスムースに流れる上に洗濯物が密着するのを防止できるなどに基づき、洗濯物がドラム39の内壁面に張り付く現象をなくすことができる。従って、この脱水運転に続いて乾燥運転が開始されると、無孔壁部43に位置する洗濯物の部分から落下して剥がれ、他の部位の張り付け状態にある洗濯物も速やかに剥がすことができ、乾燥むらがなくふんわりとした仕上がり良好な乾燥が期待できる。
【0050】
(第3の実施の形態)
次いで、図13は本発明の第3実施例を示すドラム45の断面図で、これは胴部46のバッフル46b間に平坦状の無孔壁部46cを形成したものである。しかしながら、斯かる構成の無孔壁部46cにあっても、ドラム45の胴部46の内壁面に対し、内方に高さh3突出した構成にある。従って、この平坦な無孔壁部46cにおいて洗濯物から抽出された水が滞ることなく流れて、周りの透孔46aから遠心放出され正常な脱水作用を行なうことができる。
【0051】
しかも、この実施例でも無孔壁部46cの表面に、回転方向に延びる複数のビード47を突設して、遠心抽出された水の流れを良くし且つ洗濯物の密着を防止するに有効な構成としており、脱水から乾燥運転に至り洗濯物が張り付いた状態のまま乾燥されることはなく、以ってしわを抑えた仕上がり良好な乾燥効果が期待できる。
【0052】
尚、本発明は上記し且つ図面に示した実施例に限らず、例えば無孔壁部はドラムと一体或は別部材を問わず複数個所に設けても良く、特にドラムの回転中心に対して対称位置とする2個所に設けて回転バランスを良好とする配置構成や、その他、各実施例を適宜組み合わせて実施したり、温風供給手段は温風循環する構成に限らず温風を生成しドラム内に供給可能な構成であれば良いなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて適宜変更して実施できるものである。
【0053】
【発明の効果】
以上述べたことから明らかなように、本発明のドラム式洗濯乾燥機は、脱水および乾燥運転を続けて実施可能としたものにおいて、ドラムを構成する多数の透孔を有する胴部に、一部無孔壁部を設けるとともに、この無孔壁部をドラム内壁面より内方に突出する形態とした。
これにより、乾燥前の脱水運転において洗濯物は遠心作用により全体的には胴部内壁面に押し付けられた状態にあるが、無孔壁部に位置する洗濯物の一部は、密着方向への押圧作用が弱く内壁面に密着した張り付き状態に至らない。
【0054】
従って、この状態のまま乾燥運転が開始されても、無孔壁部に位置する洗濯物は、その重量により容易に剥がれるように落下し、この一部洗濯物の落下により他の部位の洗濯物に対し密着した張り付け状態から順次解放する。
この結果、乾燥運転の初期に洗濯物の張り付き状態は速やかに解消され、張り付いたまま乾燥されることによる強力なしわは発生せず、運転初期より良好な撹拌作用を得て乾燥むらもなく、ふんわりとした仕上がりの良い乾燥が効率良く実行できるなど、実用性に富んだドラム式洗濯乾燥機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるドラム式洗濯乾燥機の全体構成を示す縦断側面図
【図2】ドラムの要部を示す斜視図
【図3】図2のA−A線に沿って切断して示す断面図
【図4】変形例を示す図2相当図
【図5】図4のB−B断面を示す図3相当図
【図6】本発明の第2実施例を示す図2相当図
【図7】図6のC−C断面を示す図3相当図
【図8】変形例を示す図2相当図
【図9】図8のD−D断面を示す図3相当図
【図10】他の変形例を示す図2相当図
【図11】図10のE−E断面を示す図3相当図
【図12】要部の平面図
【図13】本発明の第3実施例を示すドラムの断面図
【図14】従来例を示す図13相当図
【符号の説明】
11は筐体、15は水槽、23,36,39,45はドラム、25,37,40,46は胴部、25a,37a,40a,46aは透孔、25b,37b,40b,46bはバッフル、25c,37c,41,43,46cは無孔壁部、32は温風供給手段、35,44a,44b,47はビード、38a,42a,45aは短辺、および38b,42b,45bは長辺を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、周壁に多数の透孔を設けた横軸周りに回転するドラム内に、洗濯物を収容して洗濯および乾燥を可能としたドラム式洗濯乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種ドラム式洗濯乾燥機は、一般的に外郭を形成する筐体内に貯水可能な水槽を弾性支持し、この水槽の内部には横軸周りに回転可能なドラムが設けられ、該ドラムは前記水槽の後面に装着されたモータにより回転駆動される構成としている。
そして、前記ドラムの構成としては、例えば図14に示すようにドラム1は円筒状の胴部2全体に多数の透孔3を設け、且つ例えば周長の略3等分した位置に3個の撹拌羽根、所謂バッフル4を設けた構成としている。
【0003】
しかして、上記構成のドラム1に洗濯物を収容し所定水量給水した後、図示しないモータにより回転駆動し、夫々洗い,脱水,乾燥等の行程に応じた回転速度で制御して自動的に運転できるようにしている。例えば、洗い(含むすすぎ)行程では、ドラム1が低速回転されるに伴ない洗濯物がバッフル4にて掻き上げられ、上部に至り落下する動作が繰り返され所謂たたき洗いが実行される。
【0004】
そして、脱水行程では後の乾燥運転を効率良く行なうために、洗濯物からできるだけ水分を抽出すべくドラム1を最も高速度で回転し、即ち遠心脱水するようにしている。続く乾燥行程では、ドラム1は最も低速度で回転せられ、且つ温風供給手段から水槽(いずれも図示せず)内に供給された温風を、ドラム1内の洗濯物と接触させ乾燥するようにしている。
【0005】
このようにドラム1の透孔2は、該ドラム1に対して洗いとか脱水運転では水の供給および排出を容易に可能とし、乾燥運転では温風の出入を容易に可能とすべく、ドラム1の周壁全体に亘り多数形成している。また、上記のようにドラム式洗濯乾燥機では、全ての各行程をドラム1を回転させることにより行なうとともに、そのうちドラム1が高速回転される脱水行程に続いて、低速回転による乾燥行程が行なわれる。
【0006】
この場合、脱水運転における洗濯物(図示せず)は、遠心作用を受けてドラム1の特に胴部2の内壁面に押し付けられ、且つ遠心放出される水は透孔2から放出されるが、その水の流出する勢いも受けて該洗濯物は透孔2を有する内壁面に密着した張り付いた状態となる。
従って、このような脱水行程に続いて乾燥行程に移行すると、洗濯物が張り付いた状態のまま乾燥作用が進み、結果頑固なしわが多く生じて乾燥後の仕上がり状態は悪いものとなる。
【0007】
その対策として、例えば乾燥行程の直前における所謂最終脱水において、ドラムを低回転速度で運転し、洗濯物への遠心作用を小さくして上記張り付け現象を抑える手段も考えられる。しかしながら、この手段では脱水性能の低下は否めず、当然乾燥前の洗濯物の状態としても好ましくなく、実用に不適である。
そこで、従来では最終脱水を行なう前に、ドラムの回転数が順次高くなる予備脱水なる行程を複数回(例えば3回)行なうことが考えられている(特許文献1参照)。
斯かる制御手段によれば、複数回の予備脱水(停止)ごとに、洗濯物をドラムの内壁面から剥離するとともに、洗濯物の含水率を徐々に低減することで、脱水終了時には洗濯物が簡単に剥離して、その後の乾燥行程で、しわがなくふんわりとした乾燥ができると云うものである。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−235068号公報(第5,6頁、第5,6図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の如く異なる回転速度での予備脱水を複数回行なう動作を付加することは、単に最終脱水を行なう場合に比して何倍もの脱水時間を要し、以って1回の洗濯作業に長時間を費やすこととなり時間の無駄となる。しかも、所定の脱水性能を確保しながら洗濯物を剥離できるように回転制御をするには、実際には洗濯物量に応じた種々の回転速度、或は時間設定をするなどして運転制御せねばならず制御が複雑化するなどの問題を有する。
【0010】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従ってその目的は、乾燥運転時に洗濯物がドラムへの張り付け状態から解放されて、しわの少ない仕上がり良好な乾燥を効率良く行なえるようにしたドラム式洗濯乾燥機を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のドラム式洗濯乾燥機は、外郭を形成する筐体と、この筐体の内部に弾性支持した水槽と、この水槽の内部に横軸周りに回転可能に配設したドラムと、このドラム内に温風を供給する温風供給手段とを備え、前記ドラムは、その円筒状の胴部の略全体に多数の透孔を有するとともに複数のバッフルを有する構成とし、少なくとも脱水および乾燥運転を続けて運転可能としたものにおいて、前記ドラムの胴部のバッフル間に位置して一部無孔壁部を設け、該無孔壁部は円筒状内壁面に対し内方に突出する形態としたことを特徴とする(請求項1の発明)。
【0012】
斯かる構成によれば、乾燥前の脱水運転の際、洗濯物は遠心作用により全体的にはドラム内壁面に押し付けられた状態になるが、無孔壁部に位置する洗濯物の一部は、密着方向への押圧作用が弱く内壁面に密着した張り付き状態に至らない。従って、この状態のまま乾燥運転を開始しても、ドラムの低速回転に伴ない無孔壁部に位置する洗濯物が上方位置に達すると、その重量により簡単に剥がれるように落下し、この落下に伴ない他の部位の張り付いた状態の洗濯物に対し衝撃を与え密着状態から解放させ順次拡大する。
【0013】
この結果、乾燥運転の初期に洗濯物の張り付き状態は速やかに解消され、張り付いたまま乾燥されることによる強力なしわは発生せず、運転初期より良好な撹拌作用を得て乾燥むらもなく、洗濯物をふんわりとした仕上がり状態の良い乾燥ができる。また、胴部の一部を無孔壁部とした程度では、脱水性能に大きく影響を与えることもなく、所期の脱水性能を維持できるとともに、従来の如き複雑な回転制御等をも不要で簡易な構成にて提供できる。
【0014】
そして、請求項1記載のものにおいて、無孔壁部は、山形状に突出するとともに、脱水回転方向側の面を短辺とし、反回転方向側の面を長辺としたことを特徴とする(請求項2の発明)。
【0015】
斯かる構成によれば、無孔壁部を山形状に突出した形態としたことにより、洗濯物から抽出された水が速やかに流下し、特には洗濯物から抽出された多くの水を長辺側の面上で受け、これを遠心脱水の放出方向である後方(反回転方向)に向って速やかに流すことができ、以って水が滞ることなく脱水性能を良好に維持できる点で有効である。
【0016】
また、請求項1または2記載のものにおいて、無孔壁部は、その表面に複数のビードを突設したことを特徴とする(請求項3の発明)。
【0017】
斯かる構成によれば、脱水運転時に無孔壁部の面上に洗濯物が密着するのを確実に阻止でき、従って各ビード間が水路のガイドとして機能し、抽出された水は速やかに流れ透孔部位から放出されて脱水性能の向上を図り得、且つ内壁面への張り付き現象を一層確実に防止できて、しわのないふんわりとした仕上がり良好な乾燥効果が得られる。
【0018】
また、請求項1ないし3のいずれかに記載のものにおいて、無孔壁部は、ドラム胴部とは別部材で構成したことを特徴とする(請求項4の発明)。
【0019】
斯かる構成によれば、例えば容量等が異なる各種のドラムに対して共通に使用したり、或は大きさや形状等に制約を受けることなく設計製作の自由度が広がり、最適の形態とする無孔壁部を形成するに好都合である。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明のドラム式洗濯乾燥機の第1実施例を示す、図1ないし図5を参照して説明する。
ぞのうちの図1ないし図3において、まず図1に基づき洗濯乾燥機全体の概略構成につき述べると、外郭を形成する筐体11の前面部の上部には、各種の運転コース等を設定操作するためのキースイッチ(図示せず)等を有する操作パネル12を配設するとともに、その内方には、洗いや乾燥運転の全般を制御すべくマイクロコンピュータ等からなる制御装置13が設けられている。そして、前面部の略中央部には洗濯物を出し入れする開口部11aを開閉する扉14が、図示しないヒンジ部を介して回動可能に設けられている。
【0021】
しかして、筐体11の内部には、貯水可能とする前面に開口部15aを有する円筒状の水槽15が配設され、複数のサスペンション16(1個のみ図示)を介して弾性支持されている。この水槽15は、横軸型で且つやゝ前上がりの傾斜状態に支持されるとともに、前記開口部15aと筐体11の開口部11aとの間にはベロー17が設けられ水密に連結されている。
【0022】
一方、水槽15の底部には一部下方に膨出した凹陥部18が形成され、その内部に洗濯水を加温するためのシーズヒータからなる温水ヒータ19が配設されている。そして、この凹陥部18の最低部位には図示しないが排水口が設けられ、これに連接して排水弁20が設けられており、該排水弁20は凹陥部18の外底面に取り付けられたギヤドモータからなる排水弁モータ21により開閉動作が制御される。この排水弁20の出口側には蛇腹状の屈曲自在な排水ホース22が接続され、その先端部は機外に導出されている。
【0023】
このような、水槽15の内部には、同じく円筒状のドラム23が回転可能で横軸形に軸支され配設されている。このドラム23を構成する前面部24には、大きな開口部24aが形成され、また周壁たる胴部25および後面部26には通水兼通風用の多数の透孔25a,26aを有するとともに、胴部25には洗濯物を掻き上げるための3個のバッフル25b(2個のみ図示)を内方に突設している。そして、このドラム23は、その後面部26の中央において、前記水槽15に回転可能に軸支されている。
【0024】
その軸支構成は、水槽15の後面部中央に軸受ハウジング27が設けられていて、この軸受ハウジング27内に回転軸28を配した例えばアウターロータ形のブラシレスモータからなるモータ29を装着している。しかして、前記ドラム23の後面部26は、上記回転軸28に直結されて軸支され、モータ29によりドラム23を直接回転駆動可能な構成としている。
【0025】
更に、上記ドラム23の構成につき、図2および図3を参照して説明する。 即ち、図2は前記した前面部24を除いて示すドラム23の斜視図、および図3は図2のA−A線に沿って切断して拡大して示す断面図で、前記した3個のバッフル25bが円筒状胴部25の周方向に3等配した位置に設けられており、そのうちの2つのバッフル25b間に位置して一部に透孔25aを有しない無孔壁部25cを形成している。
【0026】
この無孔壁部25cは、胴部25を横切る方向(軸方向)に所定の面積を確保すべく帯状に延設されるとともに、少なくとも胴部25の円筒状内壁面より内方に突出した(図3に高さh1で示す)構成にあって、例えば本実施例ではバッフル25bより幅広で且つ低い山形状の断面をなして内方に突出し、胴部25と一体成形されている。
因みに、無孔壁部25cは所定の面積を確保すべく、例えば突出高さh1は、通常ドラム23の直径の約1/50以上で、幅はドラム23周長の約1/6〜1/8に設定するのが望ましい。
【0027】
そしてまた、図1において前記水槽15の前面から後面の外側を取り巻くようにして、ドラム23内に温風を循環供給する循環送風路30を形成している。この循環送風路30は、一端は水槽15の後面部に連通し、途中に除湿器31および温風供給手段32を経て、水槽15の前面開口部15aに連通接続した構成としている。
【0028】
そのうちの除湿器31の概略構成につき述べると、これは全体に中空状をなして前記循環送風路30の一部を兼ねた構成とし、下端部において水槽15を通してドラム23内の空気を取り込み、該空気が下部から上方へと移動する間に、図示しない水冷手段として上部から水を注ぎ入れることによって、その空気中から水分を冷却し凝縮させて除湿する機能を有するもので、凝縮された水分は排水弁20を経て排水ホース22から機外に排出されるようにしている。
【0029】
一方、温風供給手段32にあっては、上記除湿器31の下流側に配設され図中矢印方向に送風作用をなす送風ファン33aおよびファンモータ33b等からなる送風機33と、この送風機33から送られてきた空気を加熱するヒータ装置34とから構成され、この温風供給手段32は上記除湿器31にて除湿された空気を加熱温風化し、その温風は循環送風路30を経て水槽15およびドラム23の各開口部15aおよび23aを通して供給される。
【0030】
従って、斯かる構成からなる循環送風路30によれば、乾燥運転時において送風機33による矢印方向の送風作用を受けて、例えば湿気を帯びたドラム23内の空気が、水槽15を通して除湿器31内に取り込まれると、ここで冷却除湿され、その空気はヒータ装置34に送られて加熱温風化され、温風は水槽15およびドラム23内に供給される。そして、図示しない洗濯物の乾燥に寄与した後の温風は湿気を帯びているので、再び上記除湿器31に吸入されて除湿され、温風供給手段32を通して改めて再生された温風がドラム23内に繰り返し供給され、所謂温風循環により乾燥運転が進められる。
【0031】
次に、上記構成の作用につき述べる。
ドラム式洗濯乾燥機としては、種々の運転コースを選択的に実行可能としているが、特に本発明に関連する運転コースの一例につき説明すると、通常、周知のように「洗い」・「すすぎ」・「(最終)脱水」行程を自動的に実行するとともに、続いて「乾燥」行程まで自動的に進行する運転コースを備えているが、或は上記「(最終)脱水」行程を終えて一旦休止した後、「乾燥」行程を手動操作してスタートさせることも可能であり、要は脱水を終えた状態のまま乾燥運転を開始する運転態様につき説明する。
【0032】
しかるに、通常に行なわれる「洗い」および「すすぎ」行程では、洗濯水を水槽15内に供給した状態でドラム23を低速回転させ、図示しない洗濯物をバッフル23bにて掻き上げては落下させる所謂たたき洗い動作にて実行するものであり、一方「脱水」行程ではドラム23を高速回転させ洗濯物から遠心脱水を行なう。従って、最終脱水された状態の洗濯物は、遠心作用を受けてドラム23の内壁面に密着した張り付け状態にある。特には、胴部25の各バッフル25b間における透孔25aが多数形成された内壁面は平滑な面状にあって、該透孔25aから遠心作用を受けた水が放出される際に、洗濯物は内壁面の全周に押し付けられ所謂張り付いた状態となり、しかもその遠心力は大きくてドラム23が停止した後も、張り付いた状態のままに保持される。
【0033】
ところが、本実施例では胴部25の一部に無孔壁部25cを形成し、且つ断面山形状に内方に突出する形態としているため、この無孔部分には上記のような透孔25aを貫通して勢いよく流出する方向の水の流れがなくなる。このことから、該無孔壁部25cに向う水の流れは弱くなり、図示しない洗濯物を内壁面に押し付ける力は弱くなり、強く密着状態には至らない。
このため、無孔壁部25cに対応する位置の洗濯物は、水の流出による押圧作用が緩和された状態となり、内壁面に強力に密着した張り付け状態を回避しながら遠心脱水されることになる。
【0034】
そして、上記脱水終了に続いて「乾燥」行程に移行すると、ドラム23は低速回転されるとともに、前記温風供給手段32から温風が供給され、循環送風路30および水槽15を介した温風循環が実行され、洗濯物の乾燥が行なわれる。しかるに、この低速回転に伴ない遠心作用は少ないものの、洗濯物が張り付いた部分では、通常そのまま密着状態に保持されて進行するのに対し、無孔壁部25cに対応した洗濯物(一部)は上方位置に達すると、これが内壁面から容易に剥がれるように落下する。
【0035】
この一部の剥がれた洗濯物が、下方に位置する緊張して張り付いた状態にある洗濯物上に落下することにより、その衝撃により内壁面と密着した張り付き状態から解放する。そして、このような剥がれ現象が続いて行なわれ拡大するとともに、剥がれた洗濯物はバッフル25bによる掻き上げ作用を受けて、洗濯物を満遍なく撹拌してドラム23の内部全体に広げ、温風との接触を良好となした乾燥運転が実行される。
【0036】
上記説明したように本実施例によれば、次の効果を有する。
ドラム23を構成する多数の透孔25aを有する胴部25に、一部無孔壁部25cを設け且つこの無孔壁部25cを山形状に内方に突出する形態とした。
これにより、脱水運転に続いて乾燥運転を行なう場合に、その脱水運転において洗濯物は遠心作用により全体的には胴部25内壁面に押し付けられた状態にあるが、無孔壁部25cに位置する洗濯物の一部は、密着方向への押圧作用が弱く内壁面に密着した張り付き状態に至らない。
【0037】
従って、この状態のまま乾燥運転を開始しても、ドラム23の低速回転に伴ない無孔壁部25cに位置する洗濯物が上方位置に達すると、その重量により容易に落下する。この一部洗濯物の落下により、下方の緊張状態に張り付いている洗濯物に対し衝撃を与え密着状態から解放させる作用を発揮し、順次拡大していく。また、この洗濯物の落下に伴ない、その前後に連なる洗濯物も引っ張られるように剥がれ作用を受け、剥がれ部分は更に拡大する。
【0038】
この結果、乾燥運転の初期に洗濯物の張り付き状態は速やかに解消され、張り付いたまま乾燥されることによる強力なしわは発生せず、運転初期より良好な撹拌作用を得て乾燥むらもなく、洗濯物をふんわりとした仕上がり状態の良好な乾燥ができる。
また、胴部25の一部を無孔壁部25cとした程度では、脱水性能に大きく影響を与えることもなく、従って脱水時間を特別な予備脱水を含む長時間設定とすることもなく所期の脱水性能を維持でき、或は複雑な回転制御等をも不要で簡易に実施できる利点は大きい。
【0039】
(変形例)
図4および図5は、上記実施例の変形例を示したもので、このものは上記した山形状の無孔壁部25cの表面に複数のビード35を突設した点で異なるのみで、他は共通の構成にある。このビード35は、軸方向と直交する方向であるドラム23の回転方向に沿って延び並列配置された構成にあって、胴部25と一体に成形されている。
斯かる構成によれば、無孔壁部25cに複数のビード35を突設したので、該無孔壁部25cに洗濯物が密接状態となるのを防ぎ、脱水時の水の流れは各ビード35間からスムースに通り抜けることで脱水性能の向上を図り、無孔壁部25cを設けたことによる脱水性能の低下を抑えるのに有効である。
【0040】
加えて、このビード35の存在により洗濯物が無孔壁部25cへの密着防止に有効であることから、この脱水運転から乾燥運転へと移行しても、該無孔壁部25cに対応した洗濯物は一層剥がれ易くて、ドラム23の低速回転に伴ない容易で確実に落下し、洗濯物全体を張り付け状態から速やかに解放することができ、従って効率良くしわの少ない仕上がり良好な乾燥作用が期待できる。
【0041】
上記実施例に対し、図6〜図13は本発明の第2および第3実施例を示したもので、上記第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ以下説明する。
【0042】
(第2の実施の形態)
まず、図6,7は、本発明の第2実施例を示したもので、図6は図2相当図で、図7は図6のC−C断面を示す図3相当図である。
このものは、上記実施例とは無孔壁部の形態において異なるもので、ドラム36を構成する円筒状の胴部37には、一部を除く全面に多数の透孔37aと、複数のバッフル37bと、一部に形成した無孔壁部37cとを有し、このうち無孔壁部37cについては、内方に断面山形状に高さh2突出した基本的形態であることは上記第1実施例と同じであるが、その山形を形成する両傾斜面の各辺の長さが異なる非対称とした構成にある。
即ち、上記無孔壁部37cは、ドラム36の脱水回転方向(図中矢印N方向)に面する側を短辺38aとし、反回転方向側を長辺38bとして胴部37と一体に形成され、従って突出高さh2を有する頂部から短辺38a側は急斜面となし、反対に長辺38b側は広い緩斜面を形成する。
【0043】
斯かる構成によれば、乾燥運転では洗濯物を内壁面への張り付き状態から速やかに解放して、しわの少ない乾燥ができるとする上記第1実施例と同様の作用効果を有する上に、無孔壁部37cを非対称の短辺38a,長辺38bとした山形状に形成したので、脱水運転時に遠心抽出された水が該無孔壁部37cから速やかに流下するもので、特に脱水時における放水方向は図7中の矢印で示す傾向にあって相対的に後方(反矢印N方向)に流れることから、この放水方向に沿って主に上記長辺38b側の広い緩斜面上を後方に速やかに流れることになる。
【0044】
従って、無孔壁部37cに対応する部分における洗濯物から抽出された水の多くは長辺38b側の広い面で受け止められ、且つこれを傾斜面に沿って遠心作用も受けつつ後方に向って速やかに流下させることができ、無孔壁部37cを設けたことによる脱水性能の低下を抑制するのに一層有効である。尚、遠心放出される水の流れとは逆方向となる短辺38a側では、面積が狭いので受ける水も少なくて且つ急斜面に形成されるため、水は滞ることなく速やかに流下して透孔37aから外方へ放出され、やはりこの短辺38a側の面にあっても脱水性能の低下には至らない。
【0045】
(変形例)
図8,図9、および図10ないし図12は、上記実施例に対し夫々異なる変形例を示したもので、まず図8,9に示す変形例につき説明する。
このものは、ドラム39の胴部40とは別部材からなる無孔壁部41を構成するとともに、その突出する山形の形状を流線形としたものであるが、基本的には上記実施例と同様に矢印Nで示す脱水回転方向側を短辺42aとし、反回転方向側を長辺42bとし、突出高さh2の頂部を中心に左右非対称とする山形状をなしたものである。
【0046】
即ち、無孔壁部41は例えば耐熱性のプラスチック材にて成形され、内部に形成された複数のボス部41cに胴部40の外方からネジ42を締付けることで取付固定している。従って、この変形例の場合、胴部40のうち無孔壁部41で覆われる一部は、作用効果上特に透孔40aの有無には関係ない構成となる。
このように流線形状の無孔壁部41の構成にあっても、上記実施例と同様に内壁面への洗濯物の張り付け状態を回避し得る作用効果を期待できることは容易に理解できる。
【0047】
ところで、無孔壁部41は低く突出したものであるが、各バッフル40a間の平滑な面上に突出しており、該無孔壁部41と洗濯物との接触頻度は当然高くなる。しかしながら、斯かる無孔壁部41は滑らかな流線形状となして突出する山形状にしたので、洗いから乾燥に至るまでの洗濯物と該無孔壁部41との接触に対して所謂布傷み現象を抑えるに有効である。
また、無孔壁部41を別部材としたので、例えば洗濯物容量が異なる各種のドラムに対して共通に使用したり、或は大きさや形状等において設計製作上の制約を受けることなく最適の形態の無孔壁部を形成するに好都合である。
但し、この無孔壁部41にあっても上記実施例の如く胴部40と一体に形成することも容易に可能であることは云うまでもない。
【0048】
次いで、図10ないし図12に示す他の変形例につき説明する。
即ち、図10は図2相当図で、図11は図10のE−E断面を示す図3相当図、および図12は要部の平面図を示したもので、このものは胴部40とは別部材からなる断面山形状の無孔壁部43を備え、その表面には回転方向に延びる複数のビード44a,44bを突設したものである。具体的には、この無孔壁部43も矢印Nで示す回転方向側の面を短辺45aとし、反回転方向側を長辺45bとした非対称構成にあって、その短辺45a側の急斜面には短いビード44aを、また長辺45b側の広い緩斜面には長いビード44bを夫々突設している。
そして、無孔壁部43の裏面側に形成された複数のボス部44cに、胴部40を介してネジ42を締付けドラム39に取付固定されている。
【0049】
しかして、斯かる構成によれば、乾燥前の脱水運転に際して、無孔壁部43の長辺45bとなす広い緩斜面にて遠心抽出された水を受け止め且つ後方(反矢印N方向)へ流すとともに、表面のビード44b間を水路としてスムースに流れる上に洗濯物が密着するのを防止できるなどに基づき、洗濯物がドラム39の内壁面に張り付く現象をなくすことができる。従って、この脱水運転に続いて乾燥運転が開始されると、無孔壁部43に位置する洗濯物の部分から落下して剥がれ、他の部位の張り付け状態にある洗濯物も速やかに剥がすことができ、乾燥むらがなくふんわりとした仕上がり良好な乾燥が期待できる。
【0050】
(第3の実施の形態)
次いで、図13は本発明の第3実施例を示すドラム45の断面図で、これは胴部46のバッフル46b間に平坦状の無孔壁部46cを形成したものである。しかしながら、斯かる構成の無孔壁部46cにあっても、ドラム45の胴部46の内壁面に対し、内方に高さh3突出した構成にある。従って、この平坦な無孔壁部46cにおいて洗濯物から抽出された水が滞ることなく流れて、周りの透孔46aから遠心放出され正常な脱水作用を行なうことができる。
【0051】
しかも、この実施例でも無孔壁部46cの表面に、回転方向に延びる複数のビード47を突設して、遠心抽出された水の流れを良くし且つ洗濯物の密着を防止するに有効な構成としており、脱水から乾燥運転に至り洗濯物が張り付いた状態のまま乾燥されることはなく、以ってしわを抑えた仕上がり良好な乾燥効果が期待できる。
【0052】
尚、本発明は上記し且つ図面に示した実施例に限らず、例えば無孔壁部はドラムと一体或は別部材を問わず複数個所に設けても良く、特にドラムの回転中心に対して対称位置とする2個所に設けて回転バランスを良好とする配置構成や、その他、各実施例を適宜組み合わせて実施したり、温風供給手段は温風循環する構成に限らず温風を生成しドラム内に供給可能な構成であれば良いなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて適宜変更して実施できるものである。
【0053】
【発明の効果】
以上述べたことから明らかなように、本発明のドラム式洗濯乾燥機は、脱水および乾燥運転を続けて実施可能としたものにおいて、ドラムを構成する多数の透孔を有する胴部に、一部無孔壁部を設けるとともに、この無孔壁部をドラム内壁面より内方に突出する形態とした。
これにより、乾燥前の脱水運転において洗濯物は遠心作用により全体的には胴部内壁面に押し付けられた状態にあるが、無孔壁部に位置する洗濯物の一部は、密着方向への押圧作用が弱く内壁面に密着した張り付き状態に至らない。
【0054】
従って、この状態のまま乾燥運転が開始されても、無孔壁部に位置する洗濯物は、その重量により容易に剥がれるように落下し、この一部洗濯物の落下により他の部位の洗濯物に対し密着した張り付け状態から順次解放する。
この結果、乾燥運転の初期に洗濯物の張り付き状態は速やかに解消され、張り付いたまま乾燥されることによる強力なしわは発生せず、運転初期より良好な撹拌作用を得て乾燥むらもなく、ふんわりとした仕上がりの良い乾燥が効率良く実行できるなど、実用性に富んだドラム式洗濯乾燥機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるドラム式洗濯乾燥機の全体構成を示す縦断側面図
【図2】ドラムの要部を示す斜視図
【図3】図2のA−A線に沿って切断して示す断面図
【図4】変形例を示す図2相当図
【図5】図4のB−B断面を示す図3相当図
【図6】本発明の第2実施例を示す図2相当図
【図7】図6のC−C断面を示す図3相当図
【図8】変形例を示す図2相当図
【図9】図8のD−D断面を示す図3相当図
【図10】他の変形例を示す図2相当図
【図11】図10のE−E断面を示す図3相当図
【図12】要部の平面図
【図13】本発明の第3実施例を示すドラムの断面図
【図14】従来例を示す図13相当図
【符号の説明】
11は筐体、15は水槽、23,36,39,45はドラム、25,37,40,46は胴部、25a,37a,40a,46aは透孔、25b,37b,40b,46bはバッフル、25c,37c,41,43,46cは無孔壁部、32は温風供給手段、35,44a,44b,47はビード、38a,42a,45aは短辺、および38b,42b,45bは長辺を示す。
Claims (4)
- 外郭を形成する筐体と、この筐体の内部に弾性支持した水槽と、この水槽の内部に横軸周りに回転可能に配設したドラムと、このドラム内に温風を供給する温風供給手段とを備え、前記ドラムは、その円筒状の胴部の略全体に多数の透孔を有するとともに複数のバッフルを有する構成とし、少なくとも脱水および乾燥運転を続けて運転可能としたものにおいて、
前記ドラムの胴部のバッフル間に位置して一部無孔壁部を設け、該無孔壁部は円筒状内壁面に対し内方に突出する形態としたことを特徴とするドラム式洗濯乾燥機。 - 無孔壁部は、山形状に突出するとともに、脱水回転方向側の面を短辺とし、反回転方向側の面を長辺としたことを特徴とする請求項1記載のドラム式洗濯乾燥機。
- 無孔壁部は、その表面に複数のビードを突設したことを特徴とする請求項1または2記載のドラム式洗濯乾燥機。
- 無孔壁部は、ドラム胴部とは別部材で構成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のドラム式洗濯乾燥機。
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