JP2004105074A - 鮮度保持剤及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、強い抗酸化力と食品に含まれる各種色素に対して優れた色沢の維持及び色沢を向上させるとともに、分解酵素の活性を低下させて鮮度を保持する機能性と安全性に優れる鮮度保持剤及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の鮮度保持剤は、甲殻類の殻又は身、サケ,マス等の魚類の身、タイ,カサゴ等赤色の表皮を有する魚類の表皮、緑藻等の藻類、キノコ,ケフィア,糸状菌,酵母等の菌類等から有機溶媒を含有する抽出溶媒で抽出された抽出物と、a.還元剤、b.補酵素、c.還元酵素、d.遷移金属を含有する天然物の内のいずれか1以上と、を含有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、甲殻類の殻又は身、魚類の表皮又は身等から抽出された抽出液を用いた鮮度保持剤及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、食品の酸化や分解酵素による変敗を防止するためにアスコルビン酸,エリソルビン酸等の化学的合成品や胡麻抽出物,茶カテキン等の天然物等の酸化防止剤、ニコチン酸アミド等の還元補酵素、ソルビン酸等の防腐剤、変敗による変色を防止するために亜硫酸ナトリウム,亜硫酸水素ナトリウム等の発色剤が食品添加物として用いられている。また、近年、動植物界に広く分布している色素であるカロチノイドが抗酸化作用を有していることが注目され、化学的合成によって製造され、機能性食品や医薬品等として用いられている。
しかしながら、化学的合成によって生成されたエリソルビン酸,カロチノイド等は安全性に不安があるという問題点を有していた。
そこで、近年、甲殻類の殻等の天然物から抽出する鮮度保持剤の製造方法が開発されている。
【0003】
例えば、「特許文献1」には「培養された微生物にメタノールを加え超音波破砕処理し、破砕された培養物を分離回収した後、塩化メチレン−メタノール混合溶液により振盪抽出するカロチン類の抽出方法」が開示されている。
【0004】
「特許文献2」には「カルシウムやタンパク質等を除去したエビ,カニ殻を78±5℃の醸造用アルコール80%、水20%からなる溶媒中に浸漬させた後、分離抽出するアスタキサンチンの抽出方法」が開示されている。
【0005】
「特許文献3」には「塩酸に浸漬して鉱物質を除去した殻廃棄物をアセトンに浸漬してカロチノイド溶液を抽出し、上澄み液にn−ヘキサン及びジエチルエーテルを加え加水することによりアセトンを除去し、得られた有機混合物をNaSO上で乾燥させ、乾燥させた有機乾燥物をベンゼンに溶解しカラムクロマトグラフィー等によってアスタキサンチンを生成する方法」が開示されている。
【0006】
また、酸化防止剤として、亜硫酸水素ナトリウムや亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩等を用いることが知られている。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−22788号公報
【特許文献2】
特開平9−301950号公報
【特許文献3】
特開平11−49972号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)特許文献1に開示の技術は、抽出されたカロチノイドの安定性が低く容易に酸化され還元力が短時間で低下するという課題を有していた。また、抽出に用いられる有機溶媒が高濃度で残存してしまうという課題を有していた。
(2)特許文献2及び特許文献3に開示の技術は、エビ,カニ殻や殻廃棄物を溶媒に浸漬する時間が4〜24時間必要で抽出時間が長く生産性が著しく低いという課題を有していた。
(3)特許文献2に開示の技術は、アスタキサンチンが醸造用アルコールに難溶性のため、抽出効率が低いという課題を有していた。
(4)特許文献3に開示の技術は、アセトンを完全に除去することが困難で、食用に用いることができないという課題を有していた。
(5)酸化防止剤として用いられる亜硫酸水素ナトリウムや亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩や亜硝酸塩は、生体内で発ガン物質の因子となったり喘息患者に対し発作を促進したり、アレルギーを増長することが認められ、安全性に不安があるという課題を有していた。
【0009】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、強い抗酸化力と食品に含まれる各種色素に対して優れた色沢の維持及び色沢を向上させるとともに、分解酵素の活性を低下させて鮮度を保持する機能性と安全性に優れる鮮度保持剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、甲殻類の殻等の天然物から抗酸化性,発色性,保水性を有する抽出液を短時間で生成することができるとともに抽出効率が高く生産性に優れ、さらに安全性に優れる鮮度保持剤の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記従来の課題を解決するために本発明の鮮度保持剤及びその製造方法は、以下の構成を有している。
【0011】
本発明の請求項1に記載の鮮度保持剤は、甲殻類の殻又は身、サケ,マス等の魚類の身、タイ,カサゴ等赤色の表皮を有する魚類の表皮、緑藻等の藻類、キノコ,ケフィア,糸状菌,酵母等の菌類等から有機溶媒を含有する抽出溶媒で抽出された抽出物と、a.還元剤、b.補酵素、c.還元酵素、d.遷移金属を含有する天然物の内のいずれか1以上と、を含有した構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)強い抗酸化力、分解酵素阻害力及び還元補酵素作用を有しているので、食品の色沢保持性及び鮮度保持性に優れる。
(2)甲殻類の殻,植物等の天然物から抽出された抽出物を含有しているので、安全性に優れる。
(3)抽出物が食品の変色を促進する鉄や銅等の金属を封鎖する金属キレート状を形成すると推察され、食品の色沢維持及び色沢改善を図ることができる。
(4)従来は廃棄していた甲殻類の殻等の食品廃棄物を原料として利用することができるので、廃棄物の有効利用を図ることができる。
【0012】
ここで、抽出溶媒が含有する有機溶媒としては、メタノール,エタノール等のC2n+1OH(n=1〜5)で表されるアルコール系溶媒、アセトン、エーテル、クロロホルム、ピリジン、石油エーテル等が用いられる。食品に用いる場合にはエタノールが好適に用いられる。安全性に優れ飲料用としてそのまま用いることもできるからである。食品以外の工業用に用いる場合には、エタノール以外の有機溶媒が用いられる。抽出効率を向上させることができるとともに還元力を高めることができるからである。
【0013】
還元剤としては、カロチノイド,グルタチオン,アスコルビン酸,アスコルビン酸ナトリウム,エリソルビン酸,エリソルビン酸ナトリウム,クエン酸イソプロピル,ジブチルヒドロキシトルエン,dl−α−トコフェロール,ノルジヒドログアヤレチック酸,ブチルヒドロキシアニソール,没食子酸プロピル,レモン果汁等の柑橘類の果汁、カキ,茶葉,わさび等の抽出エキス等が用いられる。
還元酵素や補酵素としては、ニコチン酸,ニコチン酸アミド等が用いられる。
遷移金属を含有する天然物としては、亜鉛や鉄等の遷移金属を含有する海藻エキス,鰹節粉末,鰹エキス等が用いられる。
【0014】
a.還元剤、b.補酵素、c.還元酵素、d.遷移金属を含有する天然物の内のいずれか1以上の含有率は、0.05〜15wt%好ましくは0.7〜5wt%が好適である。0.7wt%より少なくなるにつれ鮮度保持剤の経時的還元力価の低下に伴う鮮度保持、色沢改善効果が低下するという傾向や鮮度保持剤を使用する際に浸漬時間等の加工時間が延長し生産性が低下する傾向がみられ、5wt%より多くなるにつれ、呈味が悪化するとともに原料コストが上昇する傾向がみられるため、いずれも好ましくない。特に、含有率が0.05wt%より少なくなるか15wt%より多くなると、これらの傾向が著しいため、いずれも好ましくない。
【0015】
鮮度保持剤の塩分濃度としては、0.9〜5wt%好ましくは0.9〜8wt%が好適に用いられる。塩分濃度が0.9wt%より少なくなるにつれ鮮度保持剤の浸透圧が小さく食材に鮮度保持剤が浸透し難くなる傾向がみられ、5wt%より多くなるにつれタンパク変性が生じ易くなるとともに鮮度保持剤を浸透させた食材が塩辛くなり過ぎる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。特に、塩分濃度が8wt%より多くなると、この傾向が著しくなるため好ましくない。
【0016】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の鮮度保持剤であって、前記有機溶媒の含有率が0.5〜25wt%好ましくは1.5〜20wt%である構成を有している。
この構成により、請求項1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)有機溶媒の含有率が0.5〜25wt%好ましくは1.5〜20wt%に調整されているので、抽出物の析出分離が起こらず、高い鮮度保持及び色沢改善作用を得ることができとともに、食材のタンパク変性が生じ難く旨みや色沢を維持することができる。
【0017】
ここで、有機溶媒の含有率が1.5wt%より少なくなるにつれ抽出物の析出分離が生じ鮮度保持及び色沢改善効果が低下する傾向がみられ、20wt%より多くなるにつれ食材のタンパク変性による呈味の低下、色沢が劣化する傾向がみられるため、いずれも好ましくない。特に、抽出溶媒の含有率が0.5wt%より少なくなるか25wt%より多くなると、これらの傾向が著しくなるので、いずれも好ましくない。
【0018】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の鮮度保持剤であって、前記抽出溶媒が、pH5〜9好ましくは6〜8に調整された構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)抽出溶媒がpH5〜9好ましくは6〜8に調整されているので、抽出物に含有されるカロチノイド等が酸化され難く還元力を安定に維持することができるとともに、食材の旨みが損なわれ難い。
【0019】
ここで、抽出溶媒のpHが6より小さくなるにつれ抽出物が含有するカロチノイド等が酸化され易く還元力が低下する傾向がみられ、pHが8より大きくなるにつれタンパク質等の夾雑物が溶出して不純物として混入し易く純度が低下し還元力が低下する傾向がみられるので、いずれも好ましくない。特に、pHが5より小さくなるか9より大きくなると、これらの傾向が著しいため、いずれも好ましくない。
【0020】
本発明の請求項4に記載の鮮度保持剤の製造方法は、甲殻類の殻又は身、サケ,マス等の魚類の身、タイ,カサゴ等赤色の表皮を有する魚類の表皮、緑藻等の藻類、キノコ,ケフィア,糸状菌,酵母等の菌類等を、有機溶媒を含有しpH5〜9に調整された抽出溶媒中で超音波等の抽出処理を行い抽出液を生成する抽出工程を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)甲殻類の殻等を抽出溶媒中で超音波等を用いて抽出処理を行うので、細胞膜等を破壊し抗酸化性を有するアスタキサンチン,カンタキサンチン,アスタシン,フェニコキサンチン等のカロチノイド等を抽出溶媒中に低温かつ短時間で抽出させることができ生産性に優れる。
(2)抽出溶媒のpHが所定の範囲に調整されているので、酸に不安定な性質を有するカロチノイド等の抽出物が抽出され易く抽出効率及び安定性が高く生産性に優れる。
(3)甲殻類の殻等の天然物から抽出するので、安全性に優れる。
(4)抽出処理として超音波処理を行うことにより、超音波の空洞化、乳化作用によりカロチノイド等が溶解し難いとされている低濃度のエタノール等の抽出溶媒にも低温かつ短時間で抽出させ溶解させることができるので、カロチノイドをはじめとする有用成分が変性するのを防止することができる。また、食品としての安全性の高い低濃度エタノールの使用が可能となり安全性に優れる。
(5)pHが略中性域なので、食品加工に用いる場合、食材の呈味を損なうことがない。
(6)従来方法では利用されにくかった甲殻類の殻等の食品廃棄物を抽出原料として利用することができるので、廃棄物の有効活用を行うことができる。
【0021】
抽出処理としては、スターラー等を用いて甲殻類の殻等とともに抽出溶媒を激しく撹拌する撹拌処理、甲殻類の殻等とともに抽出溶媒を激しくふるい動かす震盪処理、超音波を用いて処理する超音波処理等が用いられる。特に、超音波処理が好適に用いられる。超音波の空洞化、乳化作用によりカロチノイド等が溶解し難いとされている低濃度のエタノール等の抽出溶媒にも低温かつ短時間で抽出させ溶解させることができるので、カロチノイドをはじめとする有用成分が変性するのを防止することができるからである。
【0022】
有機溶媒としては、メタノール,エタノール等のC2n+1OH(n=1〜5)で表されるアルコール系溶媒、アセトン、エーテル、クロロホルム、ピリジン、石油エーテル等が用いられる。このうち、エタノールが好適に用いられる。食材としての安全性に優れ、飲料用としてそのまま用いることもできるからである。工業使用を目的とする場合、エタノール以外の有機溶媒を用いることができる。抽出効率をあげることができるとともに還元力を高められるからである。
【0023】
抽出溶媒としては、単独の有機溶媒や有機溶媒の混合物、有機溶媒と水との混合物が用いられる。有機溶媒と水との混合物の場合は、有機溶媒の種類にもよるが、食品使用の場合、混合物100容量部に対する有機溶媒の容量10〜100容量部好ましくは50〜80容量部が好適に用いられる。有機溶媒の容量が50容量部より少なくなるにつれ抽出効率が低下する傾向がみられ抽出時間の推移とともにカロチノイド等が酸化されて還元力が低下する傾向がみられ、80容量部より多くなるにつれ、抽出後の加工工程において有機溶媒を除去するための作業時間が増加し生産性が低下する傾向がみられるとともに、カロチノイド等が酸化されて還元力が低下する傾向がみられるため好ましくない。特に10容量部より少なくなるとこの傾向が著しいので好ましくない。
工業使用の場合、混合物100容量部に対する有機溶媒の容量50〜100容量部好ましくは70〜90容量部が好適に用いられる。有機溶媒の容量が70容量部より少なくなるにつれ抽出効率が低下する傾向がみられ経済性が悪くなるという傾向がみられ、特に50容量部より少なくなるとこの傾向が著しいので好ましくない。
【0024】
抽出溶媒のpHは、塩酸,酢酸,クエン酸,リンゴ酸,グルコン酸,乳酸,レモン果汁等の酸性を呈するpH調整剤で、pH5〜9好ましくは6〜8に調整される。
抽出溶媒のpHが6より小さくなるにつれカロチノイド等が酸化され易く還元力が低下する傾向がみられ、pHが8より大きくなるにつれ甲殻類の殻等からタンパク質等の夾雑物が不純物として溶出する傾向がみられ純度を高めるためにその後の工程で除去しなければならず生産性が低下する傾向がみられるため、いずれも好ましくない。特に、pHが5より小さくなるか9より大きくなると、これらの傾向が著しいため、いずれも好ましくない。
【0025】
なお、抽出効率を高めるために、甲殻類の殻等は、裁断や破砕等を行って小片化しておくのが好ましい。
また、カニやエビ等の甲殻類の殻等の硬度の高いものを用いる場合には、抽出工程の以前に酸処理、アルカリ処理、酵素処理、塩析等を行って、殻等が含有するカルシウム,タンパク質,キトサン等の夾雑物を除去しておくことができる。これにより、カロチノプロテインからのアスタキサンチンの遊離を速やかに行うことができるとともに、抽出液内にカルシウムやタンパク質等の夾雑物が混入し難く、還元性を有するカロチノイド等の純度を高めることができるとともに抽出効率を高めることができる。ここで、対象食品の用途により、タンパク質の析出には、塩以外に低濃度アルコールを用いることができる。
【0026】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の鮮度保持剤の製造方法であって、前記抽出溶媒に、a.還元剤、b.補酵素、c.還元酵素、d.遷移金属を含有する天然物の内のいずれか1以上を添加する構成を有している。
この構成により、請求項4で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)抽出物が抽出溶媒中に安定に保たれ高い還元力を維持することができる。明確な理由は不明であるが、水クラスターに均質化できるキレートが形成されていると推察している。
【0027】
ここで、還元剤、補酵素、還元酵素、遷移金属を含有する天然物としては、請求項1で説明したものと同様なので、説明を省略する。
甲殻類等の殻等に対する還元剤等の添加量は、甲殻類の殻等100重量部に対し還元剤等を0.05〜15重量部好ましくは0.7〜5重量部が好適に用いられる。還元剤等の添加量が0.7重量部よりも少なくなるにつれ抗酸化力に対する相乗効果が低下する傾向がみられ、添加量が5重量部よりも多くなるにつれ呈味の悪化や原料コストが増加する傾向が見られるため、いずれも好ましくない。特に、0.05重量部より少なくなるか15重量部より多くなると、これらの傾向が著しいため、いずれも好ましくない。
【0028】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の鮮度保持剤の製造方法であって、前記抽出工程で生成された前記抽出液から前記甲殻類の殻又は身、サケ,マス等の魚類の身、タイ,カサゴ等赤色の表皮を有する魚類の表皮、緑藻等の藻類、キノコ,ケフィア,糸状菌,酵母等の菌類等を分離除去して分離液を生成する分離工程と、前記分離工程で生成された前記分離液を濃縮し濃縮液を生成する濃縮工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項4又は5で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)分離工程において、抽出液から甲殻類の殻等を分離除去して分離液を生成するので、その後の処理が容易で作業性に優れる。
(2)濃縮工程を有しているので、抗酸化性を有するカロチノイド等の濃度を高めることができる。また、分離液内の抽出溶媒に含まれる有機溶媒を除去することができ安全性に優れる。特に、食品に利用する場合、有機溶媒によるタンパク質の変性や風味の劣化を防止することができる。
【0029】
ここで、分離工程において、抽出液から甲殻類の殻等を分離除去して分離液を得る方法としては、塩,低濃度エタノール,酵素を用いた凝集析出、甲殻類の殻等と抽出液との沈降速度差を利用した自然沈降,遠心沈降等によって甲殻類の殻等を分離除去する方法や、甲殻類の殻等の大きさよりも小さな孔径を有するフィルタを用いて濾過する方法、圧搾機等による圧搾分離等が用いられる。
特に、遠心沈降によって沈降処理するものが好適に用いられる。処理速度が速く分離効率に優れるからである。
得られた分離液は、沈殿,晶析等の平衡分離、膜分離,泳動分離,分配,クロマトグラフィー等の速度差分離等の方法を用いて精製することができる。
【0030】
濃縮工程において、分離液を濃縮して濃縮液を得る方法としては、溶媒を減圧蒸発する方法、加熱により蒸発する方法等が用いられる。
【0031】
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項4乃至6の内いずれか1に記載の鮮度保持剤の製造方法であって、前記抽出液及び前記分離液が、pH5〜9に調整された構成を有している。
この構成により、請求項4乃至6の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)抽出液及び分離液のpHが所定の範囲に調整されているので、分離工程、濃縮工程等の工程においても、カロチノプロテインから遊離したアスタキサンチン等の還元性を有するカロチノイド等の酸化による劣化を最小限にすることができ還元性を維持することができる。また、抽出成分の分離を防止することができるので、濃縮効率を高めることができる。
【0032】
ここで、抽出液及び分離液のpHとしては、請求項4で説明した抽出溶媒のpHと同様なので、説明を省略する。
【0033】
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項4乃至7の内いずれか1に記載の鮮度保持剤の製造方法であって、前記抽出液及び/又は前記分離液にタンパク質分解酵素を添加する構成を有している。
この構成により、請求項4乃至7の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)分離液中で還元性を有するカロチノイド等と結合している色素タンパク質が、添加されたタンパク質分解酵素により分解・凝集されて分離し易くなり、カロチノイド等を精製して純度を高めることができる。
【0034】
ここで、タンパク質分解酵素としては、プロテアーゼ等のタンパク質分解酵素やペプチターゼ、アミノペプチターゼ等のペプチド分解酵素や、グルタミナーゼ、t−グルタミナーゼ等のアミノ酸加水分解の触媒酵素が用いられる。
【0035】
タンパク質分解酵素の添加量としては、抽出液又は分離液100重量部に対して0.1〜2.0重量部好ましくは0.2〜1.0重量部が好適に用いられる。タンパク質分解酵素の添加量が0.2重量部より少なくなるにつれタンパク質の分解、凝集量が少なくカロチノイド等と結合したままのタンパク質が存在しカロチノイド等の純度が低くなる傾向や分離効率が低下する傾向がみられ、1.0重量部より多くなるにつれ、生産コストが上昇する傾向がみられるため好ましくない。特に、0.1重量部より少なくなるか2.0重量部より多くなると、これらの傾向が著しいためいずれも好ましくない。
【0036】
分離液又は抽出液に塩類を加えると、添加された塩類による塩析効果によりタンパク質の溶解度が減少して沈殿を生じ易くなり、抽出液や分離液中に存在するカロチノイド等をより効率的に精製して純度を高めることができる。
添加する塩類としては、硫酸アンモニウム,塩化ナトリウム等が用いられる。特に、食品としての安全性に優れており、食品の呈味を損ない難いので塩化ナトリウムが好適に用いられる。
【0037】
塩類の添加量としては、塩類の陰イオンの価数にもよるが、分離液又は抽出液100重量部に対して3〜12重量部好ましくは4.5〜6.5重量部が好適に用いられる。塩類の添加量が4.5重量部より少なくなるにつれ塩溶効果によりタンパク質の分離液に対する溶解度が増加し沈殿を生じ難くなる傾向がみられ、6.5重量部より多くなるにつれ、塩類の呈味により食材の呈味を損なってしまう傾向がみられるため好ましくない。特に、3重量部より少ないか12重量部より多くなると、これらの傾向が著しいためいずれも好ましくない。
【0038】
分離液は、タンパク質分解酵素や塩類を添加した後、常温で30〜60分間所遮光放置しておくのが好ましい。分離液の還元性を低下させないようにしつつ塩析、タンパク凝集効果を高めるためである。常温で放置した後、分離液は、水酸化ナトリウム、卵殻カルシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ性を呈するpH調整剤で、pH5〜9好ましくはpH6〜8に調整しておくのが好ましい。カロチノイド等が酸化するのを防止するとともに抽出成分の分離を防止するためである。
抽出液は、pHを所定範囲に調整した後、タンパク質分解酵素や塩類を添加し常温で30〜60分間所遮光放置し、遠心分離、濾過、圧搾等によってタンパク質分解酵素等の添加によって生じたタンパク質の沈殿物と分離液とに固液分離される。
【0039】
本発明の請求項9に記載の発明は、請求項6乃至8の内いずれか1に記載の鮮度保持剤の製造方法であって、前記濃縮工程において、前記濃縮液が、前記分離液を30〜70℃好ましくは35〜50℃、かつ、1.3〜26.7kPa好ましくは2.6〜8.0kPa(10〜200mmHg好ましくは20〜60mmHg)で減圧濃縮して生成された構成を有している。
この構成により、請求項6乃至8の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)分離液の温度が30〜70℃に保たれるので、カロチノイド等を酸化させ難く還元性を低下させず鮮度保持剤の品質を高めることができる、また、抽出成分の分離、凝固を防止できる。
(2)真空度が1.3〜26.7kPaに保たれるので、低温でも抽出溶媒が蒸発され易く短時間で濃縮することができ品質劣化を防止すると共に生産性に優れる。
【0040】
ここで、分離液の温度としては、30〜70℃好ましくは35〜50℃が好適に用いられる。温度が35℃より低くなるにつれ抽出溶媒の蒸発に時間を要し生産性が低下する傾向がみられ、50℃より高くなるにつれカロチノイド等が酸化され易く還元性が低下する傾向がみられるため好ましくない。特に、30℃より低くなるか70℃より高くなるとこれらの傾向が著しいため、いずれも好ましくない。
【0041】
減圧濃縮の際の真空度としては、1.3〜26.7kPa好ましくは2.6〜8.0kPaが好適に用いられる。真空度が2.6kPaより小さくなるにつれ抽出溶媒の蒸発速度が小さく時間を要し生産性が低下する傾向がみられ、8.0kPaより大きくなるにつれ減圧時間を要するとともに大型の減圧設備等を要し設備負荷が大きくなる傾向がみられるため好ましくない。特に、1.3kPaより小さくなるか26.7kPaより大きくなるとこれらの傾向が著しいため、いずれも好ましくない。
【0042】
蒸発した抽出溶媒は、冷却回収した後、フィルタ濾過、除菌等を行い再利用することができる。これにより、抽出溶媒を廃棄する際の廃液処理設備等を要しないとともに、大気中に気散させたりせず環境汚染を防止することができる。
【0043】
本発明の請求項10に記載の発明は、請求項6乃至9の内いずれか1に記載の鮮度保持剤の製造方法であって、前記濃縮液に、ラン藻若しくは大豆タンパク質又は卵タンパク質を分解して生成されたタンパク質分解物を混合する構成を有している。
この構成により、請求項6乃至9の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)シスチン,メチオニン等を含有している大豆タンパク質,卵タンパク質,ラン藻を分解して得られたチオール基により、食材のヘムタンパク質に対して鉄−硫黄クラスター構造を誘発すると推察され、食品の発色性を高めることができる。
(2)卵白タンパク質に含まれるオボトランスフェリンは微生物の増殖に必要な鉄を捕捉し、リゾチームはある種の細菌に対して溶菌性を示す等、卵白タンパク質の抗微生物作用により細菌の増殖を防止することができる。
(3)天然の大豆タンパク質や卵タンパク質を分解して生成されたタンパク質分解物を用いているので安全性に優れる。
(4)鉄−硫黄クラスターをもつ鉄タンパク質が形成されて窒素の還元を触媒するニトロゲナーゼ様物質が生成されることにより、間接的に発色効果を得ることができる。また、チロシナーゼ等のタンパク質分解酵素を阻害していると推察され変色を防止することができる。
【0044】
ここで、タンパク質分解物としては、(a)大豆タンパク質や卵タンパク質等に塩酸等を加えて酸加水分解した後、水酸化ナトリウム等を加えアルカリ処理を行って未分解のタンパク質を除去することによって得られるもの、(b)大豆タンパク質や卵タンパク質等にプロテアーゼを作用させペプチド結合を切断した後チオールプロテアーゼ等を作用させさらに分解したもの等を用いることができる。
なお、プロテアーゼやチオールプロテアーゼ等の酵素を作用させる場合には、使用する酵素に応じて温度やpHを所定の範囲に調整して用いる。
【0045】
タンパク質分解物の添加量としては、濃縮液100重量部に対し、0.1〜11.5重量部好ましくは0.2〜5.5重量部が好適に用いられる。添加量が0.2重量部より少なくなるにつれ色沢向上効果や鮮度保持効果に対する相乗的な効果が低下する傾向がみられ、添加量が5.5重量部より多くなるにつれ添加量が増加しても相乗的な効果が得られ難くなると同時に硫黄臭を感じる傾向がみられるため好ましくない。特に、0.1重量部より少ないか11.5重量部より多いとこれらの傾向が著しいため、いずれも好ましくない。
【0046】
本発明の請求項11に記載の発明は、請求項6乃至10の内いずれか1に記載の鮮度保持剤の製造方法であって、前記濃縮液に、シスチン,システイン,メチオニン,システイン酸塩酸等の含硫アミノ酸若しくはヒスチジン又はこれらの塩類の1種又は2種以上を混合する構成を有している。
この構成により、請求項6乃至10の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)シスチン等の含硫アミノ酸若しくはヒスチジン又はこれらの塩類を混合することにより、食材のヘムタンパク質に対して鉄−硫黄クラスター構造を誘発することにより食品の発色性を高めるとともに、細菌の繁殖抑制効果を得ることができる。
(2)シスチン等の含硫アミノ酸若しくはヒスチジン又はこれらの塩類を混合することにより、食材に生息する還元細菌の活動を促進し、分解酵素生産細菌と拮抗することにより、食材の色沢の改善、酸化劣化の防止効果を高めることができる。
(3)鉄−硫黄クラスターをもつ鉄タンパク質が形成されて窒素の還元を触媒するニトロゲナーゼ様物質の生成により間接的に発色効果を得ることができる。また、チロシナーゼ等の分解酵素を阻害していると推察され、変色を防止することができる。
【0047】
ここで、シスチン,システイン,メチオニン,システイン酸塩酸等の含硫アミノ酸若しくはヒスチジン又はこれらの塩類としては、合成法やケラチンの酸加水分解物により得られたもの、酵素法によって得られたもの等を用いることができる。大豆タンパク質や卵タンパク質を酸加水分解したものや酵素によって分解したものも用いることができる。
【0048】
含硫アミノ酸若しくはヒスチジン又はこれらの塩類の添加量としては、濃縮液100重量部に対し、0.1〜11.5重量部好ましくは0.2〜5.5重量部が好適に用いられる。添加量が0.2重量部より少なくなるにつれ色沢向上効果や鮮度保持効果に対する相乗的な効果が低下するとともに還元細菌の増殖低下により還元性が低下する傾向がみられ、添加量が5.5重量部より多くなるにつれ添加量が増加しても相乗的な効果がみられなくなると同時に硫黄臭を感じる傾向がみられるため好ましくない。特に、0.1重量部より少ないか11.5重量部より多いとこれらの傾向が著しいため、いずれも好ましくない。
【0049】
本発明の請求項12に記載の発明は、請求項6乃至11の内いずれか1に記載の鮮度保持剤の製造方法であって、(a)前記濃縮液に通電し陰極還元する、及び/又は(b)前記濃縮液に還元性ガスを接触させ還元する還元工程を備えた構成を有している。
この構成により、請求項6乃至11の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)濃縮液を還元する還元工程を有しているので、種々の処理によって酸化されて抗酸化性が低下したカロチノイド等を、還元して抗酸化性を向上させることができる。
【0050】
ここで、濃縮液に電圧を印加して陰極還元する方式としては、濃縮液中に浸漬され白金等の材質で形成された作用電極と白金等の材質で形成された対極との間に参照電極により一定に保たれたマイナス還元電位を印加し、濃縮液を作用電極側で還元するもの等が用いられる。
また、濃縮液に水素ガス等の還元性ガスを接触させる方式としては、気泡塔型、通気撹拌型等が用いられる。
【0051】
本発明の請求項13に記載の発明は、請求項6乃至12の内いずれか1に記載の鮮度保持剤の製造方法であって、前記濃縮液にa.還元剤、b.補酵素、c.還元酵素、d.遷移金属を含有する天然物の内のいずれか1以上を添加する構成を有している。
この構成により、請求項6乃至12の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)濃縮液に還元剤等の内のいずれか1以上を添加しているので、濃縮液の抗酸化力を補ってさらに向上させることができ、強い抗酸化力、分解酵素阻害作用及び還元補酵素作用を兼ね備え、食品の色沢保持性及び鮮度保持性に優れた鮮度保持剤を製造することができる。
(2)濃縮液と還元剤等の内のいずれか1以上が食品の変色を促進する鉄や銅等の金属を封鎖する金属キレート状を形成すると推察され、食品の色沢維持及び色沢改善を図ることができる鮮度保持剤を製造することができる。
(3)強い抗酸化力等が得られるので、食材に使用する際には、低濃度でかつ処理時間を短くすることができ、食品加工の生産性に優れた鮮度保持剤を製造することができる。
(4)濃縮液と還元剤等の内のいずれか1以上の相互作用により安定性に優れ、食品の鮮度保持期間を長くすることができる鮮度保持剤を製造することができる。
【0052】
ここで、還元剤としては、カロチノイド,グルタチオン,アスコルビン酸,アスコルビン酸ナトリウム,エリソルビン酸,エリソルビン酸ナトリウム,クエン酸イソプロピル,ジブチルヒドロキシトルエン,dl−α−トコフェロール,ノルジヒドログアヤレチック酸,ブチルヒドロキシアニソール,没食子酸プロピル等の水溶性や油溶性のものが用いられる。
還元酵素,補酵素としては、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等が用いられる。遷移金属を含有する天然物としては、亜鉛や鉄等の遷移金属を含有する海藻エキス,鰹節粉末,鰹エキス等が用いられる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における鮮度保持剤製造装置の構成図である。
図中、1は本発明の実施の形態1における鮮度保持剤製造装置、2は甲殻類の殻又は身、サケ,マス,タイ,カサゴ等の魚類の身や表皮、緑藻等の藻類、キノコ,ケフィア,糸状菌,酵母等の菌類等を0.1〜2.0mm程度の小片に粉砕するロールミル,ディスクミル等の粉砕機、3はメタノール,エタノール,アセトン,クロロホルム,ピリジン,石油エーテル等の有機溶媒やそれらの混合物、また有機溶媒と水との混合物等の抽出溶媒が貯留された抽出溶媒タンク、4は抽出溶媒タンク3に一端が接続された抽出溶媒導入用配管、5は塩酸,クエン酸,グルコン酸,乳酸,グルコノラクトン等のpH調整剤が貯留されたpH調整剤タンク、6は一端がpH調整剤タンク5に接続されたpH調整剤導入用配管、7は抽出溶媒導入用配管4の他端及びpH調整剤導入用配管6の他端が接続され粉砕機2で粉砕された甲殻類の殻等が浸漬されpHがpH調整剤によって5〜9に調整された抽出溶媒を超音波処理して甲殻類の殻等からアスタキンサンチン,カンタキサンチン,アスタシン,フェニコキサンチン等のカロチノイド等を含有する抽出液を生成する超音波処理装置、7aは超音波処理装置7に接続され超音波処理装置7に供給するアスコルビン酸ナトリウム等の還元剤,ニコチン酸アミド等の補酵素若しくは還元酵素等が貯留された還元剤タンク、8は上流側が超音波処理装置7に接続され超音波処理装置7で超音波処理され生成された抽出液が排出される抽出液排出用配管、9は抽出液排出用配管8の所定部に配設された抽出液排出用ポンプ、10は抽出液排出用配管8の下流側が接続され抽出液排出用配管8からの抽出液を貯留して5〜25℃の所定温度で抽出液中のタンパク質等夾雑物を分解,凝集させるための反応タンク、10aはt−グルタミナーゼ等のタンパク質分解酵素が貯留され反応タンク10に供給する第1分解酵素タンク、10bは塩化ナトリウム等の塩類を貯留する塩類タンク、11は上流側が反応タンク10に接続され反応後の抽出液を供給する抽出液供給用配管、12は抽出液供給用配管11の所定部に配設された抽出液供給用ポンプ、13は抽出液供給用配管11の下流側が接続され供給された抽出液を下層に沈降した沈降層と上層液の分離液とに固液分離するデカンター等の遠心分離機、13aは遠心分離機13で沈降分離された沈降層を遠心分離機13の外にフラットコンベア等で搬出し除去する沈降物除去部、14は上流側が遠心分離機13に接続され遠心分離機13で生成された分離液が排出される分離液排出用配管、15は分離液排出用配管14の所定部に配設された分離液排出用ポンプ、16は分離液排出用配管14の下流側が接続し分離液が貯留される分離液タンク、17は一端がpH調整剤タンク5に接続し他端が分離液タンク16に接続され分離液タンク16にpH調整剤を注入するpH調整剤注入用配管、18はt−グルタミナーゼ等のタンパク質分解酵素が貯留された第2分解酵素タンク、19は一端が分解酵素タンク18に接続され他端が分離液タンク16に接続された分解酵素導入用配管、20は塩化ナトリウム等の塩類を貯留する塩類タンク、21は一端が塩類タンク20に接続し他端が分離液タンク16に接続され分離液タンク16に塩類を導入する塩類導入用配管、22は上流側が分離液タンク16に接続され分離液タンク16で分解酵素,塩類,pH調整剤が注入された分離液を排出する分離液排出用配管、23は分離液排出用配管22の下流側が接続し分離液を減圧濃縮する減圧濃縮機、24は内部でボイラー水を加熱し減圧濃縮機23のジャケット(図示しない)に送られる加熱媒体を加熱するボイラー、25は一端が減圧濃縮機23に接続し分離液が濃縮されて蒸発した抽出溶媒蒸気を排出する抽出溶媒排出用配管、26は抽出溶媒排出用配管27の他端が接続し抽出溶媒蒸気を冷却して凝縮させるコンデンサを備えた抽出溶媒凝縮部、27は上流側が抽出溶媒凝縮部26に接続し下流側が抽出溶媒タンク3に接続され抽出溶媒凝縮部26で凝縮された抽出溶媒を抽出溶媒タンク3に回収する抽出溶媒回収用配管、28は上流側が減圧濃縮機23に接続し分離液が濃縮されて生成した濃縮液を排出する濃縮液流出用配管、29は濃縮液流出用配管28の所定部に配設された濃縮液流出用ポンプ、30は濃縮液流出用ポンプ29の下流側の濃縮液流出用配管28に接続され濃縮液からタンパク質等の沈殿等を除去する濾過装置、31は上流側が濾過装置30に接続し濾過された濃縮液を排出する濾過液配管、32は濾過液配管31の下流側に接続され後述する第1補助タンク33に貯留されているタンパク質分解物等を濃縮液と混合し塩類の希釈液で濃度調整を行う混合希釈装置、33は大豆タンパク質又は卵タンパク質等を分解して生成されたタンパク質分解物、又は、シスチン,システイン,メチオニン,システイン酸塩酸等の含硫アミノ酸若しくはヒスチジン又はこれらの塩類が貯留されている第1補助タンク、33aは塩類の希釈液が貯留されている第2補助タンク、33bは水酸化ナトリウム、卵殻カルシウム、炭酸カルシウム等のpH調整剤が貯留されたpH調整剤タンク、34はタンパク質分解物等が混合された濃縮液をフィルタ除菌後に窒素ガス等とともに遮光瓶等に充填する充填装置である。
【0054】
以上のように構成された本発明の実施の形態1における鮮度保持剤製造装置について、その使用方法を以下、図1を参照しながら、(1)甲殻類の殻等を抽出溶媒中で抽出処理してカロチノイド等が抽出された抽出液を生成する抽出工程、(2)抽出工程で生成された抽出液から甲殻類の殻等を除去して分離液を生成する分離工程、(3)分離工程で生成された分離液を濃縮する濃縮工程の順に説明する。
(1)抽出工程
始めに、甲殻類の殻又は身、サケ,マス,タイ,カサゴ等の魚類の身や表皮、緑藻等の藻類、キノコ,ケフィア,糸状菌,酵母等の菌類等を粉砕機2で0.1〜2mm程度の小片に粉砕する。次いで、粉砕された甲殻類の殻等の重量を秤量する。次いで、超音波処理装置7内に甲殻類の殻等の重量に応じた抽出溶媒を抽出溶媒導入用配管4から導入するとともに、甲殻類の殻等の重量に応じて還元剤タンク7aに貯留されている還元剤,還元酵素,補酵素等を導入した後、抽出溶媒内に粉砕機2で粉砕した甲殻類の殻等を浸漬・混合する。次に、pH調整剤導入用配管6からpH調整剤を抽出溶媒に添加し、抽出溶媒のpHを5〜9に調整する。次いで、甲殻類の殻等が浸漬された抽出溶媒を所定時間超音波処理して、カロチノイド等を抽出溶媒に抽出させ抽出液を生成する。
超音波処理によって生成された抽出液は、抽出液排出用ポンプ9を駆動させることによって抽出液排出用配管8を経て、反応タンク10に貯留されタンパク質分解酵素タンク10aから供給されたタンパク質分解酵素及び塩類タンク10bから供給された塩化ナトリウム等の存在下で5〜25℃の所定温度に保持される。
なお、カニやエビ等の甲殻類の殻等の硬度の高いものから抽出する場合には、粉砕する前若しくは粉砕後に、酸処理、アルカリ処理、塩析法等によって、カルシウム,タンパク質,キトサン等の夾雑物を除去することができる。これにより、抽出液内にカルシウム等の夾雑物が混入し難く、カロチノイド等の純度を高めることができる。また、緑藻等の藻類、キノコ,ケフィア,糸状菌,酵母等の菌類等のように小片化しているものから抽出する場合には、粉砕して小片化する必要がない。
【0055】
(2)分離工程
抽出工程で生成され反応タンク10に貯留された抽出液の所定量を、抽出液供給用ポンプ12を駆動させて抽出液供給用配管11を経て遠心分離機13に導入する。遠心分離機13において抽出液は、沈降した殻やタンパク質の沈殿と上層液である分離液とに分離される。沈殿は沈降物除去部13aを経て遠心分離機13の外に分離除去され、分離液は分離液排出用ポンプ15の駆動により分離液排出用配管14を経て秤量された後に分離液タンク16に貯留される。
分離液タンク16に貯留された分離液に、分解酵素タンク18から分解酵素導入用配管19を経て、分離液の重量に応じたタンパク質分解酵素が注入される。次いで、塩類タンク20から塩類導入用配管21を経て、分離液の量に応じた塩類が注入されると塩析効果によってタンパク質の沈殿が生じる。タンパク質分解酵素及び塩類が注入され沈殿を生じた分離液は、pH調整剤タンク5からpH調整剤注入用配管17を経て注入されるpH調整剤によってpHが5〜9に調整・維持され、所定時間遮光放置される。
【0056】
(3)濃縮工程
分離工程で分離液タンク16内に生成された分離液は、分離液排出用配管22を経て、減圧濃縮機23に供給される。真空濃縮器23は、分離液を30〜70℃好ましくは35〜50℃、かつ、1.3〜26.7kPa好ましくは2.6〜8.0kPaで所定時間減圧濃縮し、抽出溶媒を蒸発させカロチノイド等が濃縮された濃縮液を生成する。
一方、減圧濃縮機23によって蒸発した抽出溶媒蒸気は、抽出溶媒凝縮部26で冷却されて凝縮され、抽出溶媒回収用配管27を経て抽出溶媒タンク3に回収される。
減圧濃縮機23によって濃縮された濃縮液は、濃縮液流出用ポンプ29によって濃縮液流出用配管28を経て濾過装置30に圧送される。濃縮液に含まれるタンパク質等の沈殿等が濾過装置30で除去された後、濃縮液は濾過液配管31を経て混合希釈装置32に貯留される。混合希釈装置32では、濃縮液に第1補助タンク33に貯留されているタンパク質分解物等が所定量添加されるとともに、第2補助タンクに貯留されている塩類を含む希釈液が所定量混合され希釈される。次いで、pH調整剤タンク33bに貯留されている炭酸カルシウム等のpH調整剤が添加され、濃縮液のpHが5〜8に調整される。タンパク質分解物等が添加混合された濃縮液は、充填装置35によってフィルタ除菌された後に窒素ガス等とともに遮光瓶等に充填される。
【0057】
以上のように、実施の形態1における鮮度保持剤製造装置は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)甲殻類の殻等を抽出溶媒中で超音波処理するので、細胞膜等を破壊し還元性を有するアスタキサンチン,カンタキサンチン,アスタシン,フェニコキサンチン等のカロチノイド等を抽出溶媒中に短時間で抽出させることができ生産性に優れる。
(2)抽出溶媒のpHが所定の範囲に調整されているので、酸に不安定な性質を有するカロチノイド等の抽出物が抽出され易く抽出効率が高く生産性に優れる。
(3)抽出溶媒に、還元剤、補酵素、還元酵素、遷移金属を含有する天然物の内のいずれか1以上を貯留・添加する還元剤タンクを備えているので、抽出物が抽出溶媒中に安定に保たれ高い還元力を維持することができる。明確な理由は不明であるが、水クラスターに均質化できるキレートが形成されていると推察している。
(4)甲殻類の殻等の天然物から抽出するので、安全性に優れる。
(5)分離工程において、抽出液から甲殻類の殻等の被処理物を分離除去して分離液を生成するので、その後の処理が容易で作業性に優れる。
(6)濃縮工程を有しているので、還元性を有するカロチノイド等の濃度を高めることができる。また、分離液内の抽出溶媒に含まれる有機溶媒を除去することができ、安全性に優れる。
(7)抽出液及び分離液のpHが所定の範囲に調整されているので、還元性を有するアスタキサンチン,カンタキサンチン,アスタシン,フェニコキサンチン等のカロチノイド等の酸化による劣化を最小限に抑制することができる。
(8)抽出液を沈降分離して分離液を生成するので、容易に層分離ができるとともに一度に大量の処理が可能である。
(9)分離液中や抽出液中で抗酸化性を有するカロチノイド等と結合しているタンパク質が、添加されたタンパク質分解酵素により分解・凝集され、さらに分離液中のタンパク質が添加された塩類によって塩析効果により溶解度が減少されて沈殿を生じるため、分離液中に存在するカロチノイド等を精製して純度を高めることができる。
(10)分離液の温度が30〜70℃に保たれるので、カロチノイド等を酸化させ難く還元性を低下させず鮮度保持剤の品質を高めることができる。
(11)真空度が1.3〜26.7kPaに保たれるので、抽出溶媒が蒸発され易く短時間で濃縮することができ生産性に優れる。
(12)シスチン等の含硫アミノ酸若しくはヒスチジン又はこれらの塩類、含硫アミノ酸を含有している大豆タンパク質や卵タンパク質を分解して得られたタンパク質分解物は、分解して得られたチオール基により食材のヘムタンパクに対して鉄−硫黄クラスター構造を誘発することにより食品の発色性を高めることができる。
(13)卵白タンパク質に含まれるオボトランスフェリンは微生物の増殖に必要な鉄を捕捉し、リゾチームはある種の細菌に対して溶菌性を示す等、卵白タンパク質の抗微生物作用により細菌の増殖を防止することができる。
(14)天然の大豆タンパク質や卵タンパク質を分解して生成されたタンパク質分解物を用いることで安全性に優れる。
(15)タンパク質分解物が添加されるので、鉄−硫黄クラスターをもつ鉄タンパク質が形成されて窒素の還元を触媒するニトロゲナーゼ様物質が生成されることにより、間接的に発色効果を得ることができる。また、チロシナーゼ等のタンパク質分解酵素を阻害すると推察され、変色を防止することができる。
(16)第2補助タンクを備え濃縮液に塩化ナトリウム等の塩類の希釈液を添加混合できるので、鮮度保持剤の塩分濃度を調整して浸透圧調整を行うことができる。これにより、鮮度保持剤にサケ、ブリ、サバ等の魚肉や畜肉等を浸漬した際に浸透し易くすることができ、魚肉や畜肉等の鮮度保持を容易に行うことができる。
【0058】
ここで、実施の形態1では、還元工程を有していない場合について説明したが、白金等の材質で形成された作用電極と白金等の材質で形成された対極部と参照電極部を備えた陰極還元装置を形成し、還元工程において濃縮液に還元電位を印加することによって作用電極部で還元する場合もある。また、陰極還元装置に代えて、気泡塔型、通気撹拌型等の方式を用いて濃縮液に水素ガス等の還元性ガスを接触させるガス還元装置を備え、還元工程において濃縮液をガス還元装置内で還元する場合もある。これにより、種々の処理によって酸化されたカロチノイド等を還元して還元性を向上させることができる。
また、充填装置34によって濃縮液を窒素ガス等とともに遮光瓶等に充填する際に、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、クエン酸イソプロピル等の還元剤等を混合することもできる。これにより、還元剤が濃縮液の還元性を補うことができる。
なお、遠心分離機13で分離された分離液にタンパク質分解酵素や塩類を添加する分解酵素タンク18,塩類タンク20を備えた場合について説明したが、反応タンク10内でタンパク質分解酵素等による反応を十分行えば、分解酵素タンク18,塩類タンク20は設けなくてもよい。この場合は、タンパク質の沈殿を除去する濾過装置30も設けなくてよい。
【0059】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
粉砕されたブラックタイガーの甲殻100重量部を用意した。次いで、抽出溶媒としての65vol%エタノール水溶液650重量部に還元剤・遷移金属を含有する天然物としてレモン果汁,海藻エキスを40重量部添加・混合したものに甲殻を浸漬・混合した。次いで、pH調整剤としての5wt%グルコノデルタラクトン水溶液1〜2重量部を抽出溶媒に添加し、抽出溶媒のpHを6.8〜7.5に調整した。甲殻が浸漬されpHの調整された抽出溶媒に、超音波処理装置で周波数800kHz,強さ620000W/m(400W/in)の超音波を20分間照射しつつ3分間毎に撹拌する超音波処理を行い、カロチノイドが抽出された抽出液を生成した。
生成された抽出液にタンパク質分解酵素としての0.25wt%t−グルタミナーゼ2.0重量部を添加した後、常温・暗所で30分間放置した。次いで、抽出液を遠心分離機に移し、回転速度42s−1(2500rpm)で5分間遠心分離を行い、甲殻等を沈降除去し上層液の分離液を採取し、分離液625重量部を得た。次いで、分離液を40℃、8.0kPaの条件で90分減圧濃縮して、分離液を250重量部まで濃縮した濃縮液を得た。得られた濃縮液に塩類としての10wt%塩化ナトリウム水溶液230重量部を添加・希釈した後、pH調整剤としての5wt%卵殻カルシウム水溶液0.3〜0.4重量部を添加・混合し、pHを6.8〜7.0に調整した希釈液を得た。次いで、希釈液をフィルタ濾過し微生物を除去して、塩化ナトリウム濃度が5%に調整された480重量部の実施例1の鮮度保持剤を得た。
【0060】
(実施例2)
実施例1と同様の方法で鮮度保持剤を製造し、これとは別に以下の手順でタンパク質分解物を製造した。まず、大豆タンパク質(明治製菓製、大豆分離タンパク質)0.9重量部に清水1.8重量部を添加混合し、次いで5%濃度の塩酸水溶液を約0.5重量部添加してpHを約3に保ったまま24時間放置して大豆タンパク質を酸加水分解した。次いで、5%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を約1重量部添加混合してpHを約12に保ったまま24時間放置して、未分解のタンパク質を沈殿させた。これを濾過して沈殿を除去した後、5%濃度の塩酸水溶液を約0.5重量部添加して中和させpHを6.8〜7.0にし4.7重量部のタンパク質分解物を得た。実施例1と同様の方法で得られた鮮度保持剤95.3重量部に4.7重量部のタンパク質分解物を添加混合して、100重量部の実施例2の鮮度保持剤を得た。
【0061】
(実施例3)
実施例1と同様の方法で鮮度保持剤を製造し、これとは別に以下の手順でタンパク質分解物を製造した。まず、大豆タンパク質(明治製菓製、大豆分離タンパク質)0.9重量部に清水1.8重量部を添加混合し、次いでペプチターゼ(天野エンザイム製、ニューラーゼR)を約0.09重量部添加した後40℃の恒温槽で6時間放置して大豆タンパク質ペプチドを分解し、タンパク分解液を得た。次いで、タンパク分解液を希水酸化ナトリウム溶液でpH8.0に調整しチオールプロテアーゼ(天野エンザイム製、パパインW40)を約0.1重量部添加した後、恒温槽で55℃、6時間放置して、さらに大豆タンパク質を分解した。これを濾過して夾雑物等を除去した後、希塩酸溶液でpHを6.8〜7.0にし4.7重量部のタンパク質分解物を得た。実施例1と同様の方法で得られた鮮度保持剤95.3重量部に4.7重量部のタンパク質分解物を添加混合して、100重量部の実施例3の鮮度保持剤を得た。
【0062】
(実施例4)
実施例1と同様の方法で鮮度保持剤を製造し、鮮度保持剤99.9重量部にL−シスチン(関東化学製、L−シスチン特級)0.1重量部を添加混合し、実施例4の鮮度保持剤を得た。
【0063】
(比較例1)
5wt%塩化ナトリウム溶液を作成し比較例1とした。
(比較例2)
5wt%塩化ナトリウム溶液92.6重量部にL−アスコルビン酸ナトリウム(田辺製薬製)を5.5重量部、ニコチン酸アミド(田辺製薬製)を1.9重量部添加混合したものを作成し比較例2とした。
(比較例3)
0.3%亜硫酸水素ナトリウム溶液(5wt%塩化ナトリウム水溶液に亜硫酸水素ナトリウムを溶解したもの)を作成し比較例3とした。
(比較例4)
0.7%亜硫酸水素ナトリウム溶液(5wt%塩化ナトリウム水溶液に亜硫酸水素ナトリウムを溶解したもの)を作成し比較例4とした。
【0064】
(エビ・カニに対する鮮度保持剤の評価)
実施例1乃至4の鮮度保持剤を用いて(表1)に示すような配合になるように5wt%塩化ナトリウム水溶液に混合し、実施例5乃至13の鮮度保持剤を生成した。
【表1】
Figure 2004105074
次いで、比較例1乃至4及び実施例5乃至13の鮮度保持剤60重量部にエビ(オキアミ)、カニ(ズワイガニ)100重量部を常温(20℃)で3時間浸漬した後取り出した。次いで、常温(20℃)にて放置し、経時的に74時間まで、黒変及び着色を目視により観察した。但し、比較例3乃至4の亜硫酸水素ナトリウムには10分間浸漬した。
黒変に関する評価結果及び評価基準を(表2)に、着色に関する評価結果及び評価基準を(表3)に示す。
【表2】
Figure 2004105074
【表3】
Figure 2004105074
以上の評価の結果、以下の点が明らかになった。
(1)本実施例の鮮度保持剤には、チロシンや水酸基を有するフェノール化合物の酸化を非常に強く抑制する抗酸化物質、チロシナーゼ等の活性酵素を阻害する成分を含有していると推察され、その効果は比較例4の0.7%亜硫酸水素ナトリウム溶液と同等以上であることが明らかになった。
(2)実施例9の結果から、本実施例の鮮度保持剤は2.5wt%の低濃度でもエビ・カニの黒変を防止する鮮度保持剤として用いることができることが明らかになった。
(3)本実施例の鮮度保持剤は、抽出工程において甲殻中の色素タンパク質からの色素遊離が効率的に行われており、アスタシンの生成や低分子化が生じていると推察される。このため、浸透性が高く、それによって着色効果を有していると推察される。
【0065】
(サバ、タラコ等に対する鮮度保持剤の評価)
実施例10の鮮度保持剤と比較例1の塩水の各々60重量部に、a.サバの切り身、b.紅鮭の切り身、c.スジコ、d.タラコ各100重量部を、常温(20℃)で6時間浸漬した後に取り出し、常温(20℃)で放置し経時的に74時間まで黒変及び着色を目視により観察した。結果は以下のとおりであった。
(1)サバに対して、比較例では血合部の褐変が認められたが、実施例では全く変化がみられなかった。
(2)紅鮭に対して、比較例では身部の脱色が認められたが、実施例では全く変化がみられなかった。
(3)スジコに対して、比較例では全体に褐変が認められたが、実施例では全く変化がみられなかった。
(4)タラコに対して、比較例では全体に褐変が認められたが、実施例では全く変化がみられなかった。
以上の結果、本実施例の鮮度保持剤は、強い抗酸化力と食品に含まれる各種色素に対して優れた色沢の維持及び色沢を向上させるとともに、分解酵素の活性を低下させて鮮度を保持する機能性に優れることが明らかになった。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明の鮮度保持剤及びその製造方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)強い抗酸化力、分解酵素阻害力及び還元補酵素作用を有しているので、食品の色沢保持性及び鮮度保持性に優れた鮮度保持剤を提供することができる。
(2)甲殻類の殻,植物等の天然物から抽出された抽出物を含有しているので、安全性に優れた鮮度保持剤を提供することができる。
(3)抽出物が食品の変色を促進する鉄や銅等の金属を封鎖する金属キレート状を形成すると推察され、食品の色沢維持及び色沢改善を図ることができる鮮度保持剤を提供することができる。
(4)従来は廃棄していた甲殻類の殻等の食品廃棄物を原料として利用することができるので、廃棄物の有効利用を図ることができる鮮度保持剤を提供することができる。
【0067】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)有機溶媒の含有率が0.5〜25wt%好ましくは1.5〜20wt%に調整されているので、抽出物の析出分離が起こらず、高い鮮度保持及び色沢改善作用を得ることができとともに、食材のタンパク変性が生じ難く旨みや色沢を維持することができる鮮度保持剤を提供することができる。
【0068】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)抽出溶媒がpH5〜9好ましくは6〜8に調整されているので、抽出物に含有されるカロチノイド等が酸化され難く還元力を安定に維持することができるとともに、食材の旨みが損なわれ難い鮮度保持剤を提供することができる。
【0069】
請求項4に記載の発明によれば、
(1)甲殻類の殻等を抽出溶媒中で超音波等を用いた抽出処理を行うので、細胞膜等を破壊し抗酸化性を有するアスタキサンチン,カンタキサンチン,アスタシン,フェニコキサンチン等のカロチノイド等を抽出溶媒中に低温かつ短時間で抽出させることができ生産性に優れた鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
(2)抽出溶媒のpHが所定の範囲に調整されているので、酸に不安定な性質を有するカロチノイド等の抽出物が抽出され易く抽出効率及び安定性が高く生産性に優れた鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
(3)甲殻類の殻等の天然物から抽出するので、安全性に優れた鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
(4)超音波を用いることにより、超音波の空洞化、乳化作用によりカロチノイド等が溶解し難いとされている低濃度のエタノール等の抽出溶媒にも低温かつ短時間で抽出させ溶解させることができるので、カロチノイドをはじめとする有用成分が変性するのを防止することができる鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。また、食品としての安全性の高い低濃度エタノールの使用が可能となり安全性に優れた鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
(5)pHが略中性域なので、食品加工に用いる場合、食材の呈味を損なうことがない鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
(6)従来方法では利用されにくかった甲殻類の殻等の食品廃棄物を抽出原料として利用することができるので、廃棄物の有効活用を行うことができる鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
【0070】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4の効果に加え、
(1)抽出物が抽出溶媒中に安定に保たれ高い還元力を維持することができる鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
【0071】
請求項6に記載の発明によれば、請求項4又は5の効果に加え、
(1)分離工程において、抽出液から甲殻類の殻等の被処理物を分離除去して分離液を生成するので、その後の処理が容易で作業性に優れた鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
(2)濃縮工程を有しているので、抗酸化性を有するカロチノイド等の濃度を高めることができる鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。また、分離液内の抽出溶媒に含まれる有機溶媒を除去することができ安全性に優れた鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。特に、食品に利用する場合、有機溶媒によるタンパク質の変性や風味の劣化を防止することができる鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
【0072】
請求項7に記載の発明によれば、請求項4乃至6の内いずれか1の効果に加え、
(1)抽出液及び分離液のpHが所定の範囲に調整されているので、分離工程、濃縮工程等の工程においても、カロチノプロテインから遊離したアスタキサンチン等の還元性を有するカロチノイド等の酸化による劣化を最小限にすることができ還元性を維持することができる鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。また、抽出成分の分離を防止することができるので、濃縮効率を高めることができる鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
【0073】
請求項8に記載の発明によれば、請求項4乃至7の内いずれか1の効果に加え、
(1)分離液中で還元性を有するカロチノイド等と結合している色素タンパク質が、添加されたタンパク質分解酵素により分解・凝集されて分離し易くなり、カロチノイド等を精製して純度を高めることができる鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
【0074】
請求項9に記載の発明によれば、請求項6乃至8の内いずれか1の効果に加え、
(1)分離液の温度が30〜70℃に保たれるので、カロチノイド等を酸化させ難く還元性を低下させず鮮度保持剤の品質を高めることができる、また、抽出成分の分離、凝固を防止できる鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
(2)真空度が1.3〜26.7kPaに保たれるので、低温でも抽出溶媒が蒸発され易く短時間で濃縮することができ品質劣化を防止すると共に生産性に優れた鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
【0075】
請求項10に記載の発明によれば、請求項6乃至10の内いずれか1の効果に加え、
(1)シスチン,メチオニン等を含有している大豆タンパク質,卵タンパク質,ラン藻を分解して得られたチオール基により、食材のヘムタンパク質に対して鉄−硫黄クラスター構造を誘発すると推察され、食品の発色性を高めることができる鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
(2)卵白タンパク質に含まれるオボトランスフェリンは微生物の増殖に必要な鉄を捕捉し、リゾチームはある種の細菌に対して溶菌性を示す等、卵白タンパク質の抗微生物作用により細菌の増殖を防止することができる鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
(3)天然の大豆タンパク質や卵タンパク質を分解して生成されたタンパク質分解物を用いているので安全性に優れた鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
(4)鉄−硫黄クラスターをもつ鉄タンパク質が形成されて窒素の還元を触媒するニトロゲナーゼ様物質が生成されることにより、間接的に発色効果を得ることができる鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。また、チロシナーゼ等のタンパク質分解酵素を阻害すると推察され、変色を防止することができる鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
【0076】
請求項11に記載の発明によれば、請求項6乃至10の内いずれか1の効果に加え、
(1)シスチン等の含硫アミノ酸若しくはヒスチジン又はこれらの塩類を混合することにより、食材のヘムタンパク質に対して鉄−硫黄クラスター構造を誘発することにより食品の発色性を高めるとともに、細菌の繁殖抑制効果を得ることができる鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
(2)シスチン等の含硫アミノ酸若しくはヒスチジン又はこれらの塩類を混合することにより、食材に生息する還元細菌の活動を促進し、分解酵素生産細菌と拮抗することにより、食材の色沢の改善、酸化劣化の防止効果を高めることができる鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
(3)鉄−硫黄クラスターをもつ鉄タンパク質が形成されて窒素の還元を触媒するニトロゲナーゼ様物質の生成により間接的に発色効果を得ることができる鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。また、チロシナーゼ等の分解酵素を阻害すると推察され、変色を防止することができる鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
【0077】
請求項12に記載の発明によれば、請求項6乃至11の内いずれか1の効果に加え、
(1)濃縮液を還元する還元工程を有しているので、種々の処理によって酸化されて抗酸化性が低下したカロチノイド等を、還元して抗酸化性を向上させることができる鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
【0078】
請求項13に記載の発明によれば、請求項6乃至12の内いずれか1の効果に加え、
(1)濃縮液に還元剤等の内のいずれか1以上を添加しているので、濃縮液の抗酸化力を補ってさらに向上させることができ、強い抗酸化力、分解酵素阻害作用及び還元補酵素作用を兼ね備え、食品の色沢保持性及び鮮度保持性に優れた鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
(2)濃縮液と還元剤等の内のいずれか1以上が食品の変色を促進する鉄や銅等の金属を封鎖する金属キレート状を形成すると推察され、食品の色沢維持及び色沢改善を図ることができる鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
(3)強い抗酸化力等が得られるので、食材に使用する際には、低濃度でかつ処理時間を短くすることができ、食品加工の生産性に優れた鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
(4)濃縮液と還元剤等の内のいずれか1以上の相互作用により安定性に優れ、食品の鮮度保持期間を長くすることができる鮮度保持剤の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における鮮度保持剤製造装置の構成図
【符号の説明】
1 鮮度保持剤製造装置
2 粉砕機
3 抽出溶媒タンク
4 抽出溶媒導入用配管
5 pH調整剤タンク
6 pH調整剤導入用配管
7 超音波処理装置
7a 還元剤タンク
8 抽出液排出用配管
9 抽出液排出用ポンプ
10 反応タンク
10a タンパク質分解酵素タンク
10b 塩類タンク
11 抽出液供給用配管
12 抽出液供給用ポンプ
13 遠心分離機
13a 沈降物除去部
14 分離液排出用配管
15 分離液排出用ポンプ
16 分離液タンク
17 pH調整剤注入用配管
18 分解酵素タンク
19 分解酵素導入用配管
20 塩類タンク
21 塩類導入用配管
22 分離液排出用配管
23 減圧濃縮機
24 ボイラー
25 抽出溶媒排出用配管
26 抽出溶媒凝縮部
27 抽出溶媒回収用配管
28 濃縮液流出用配管
29 濃縮液流出用ポンプ
30 濾過装置
31 濾過液配管
32 混合希釈装置
33 第1補助タンク
33a 第2補助タンク
33b pH調整剤タンク
34 充填装置

Claims (13)

  1. 甲殻類の殻又は身、サケ,マス等の魚類の身、タイ,カサゴ等赤色の表皮を有する魚類の表皮、緑藻等の藻類、キノコ,ケフィア,糸状菌,酵母等の菌類等から有機溶媒を含有する抽出溶媒で抽出された抽出物と、a.還元剤、b.補酵素、c.還元酵素、d.遷移金属を含有する天然物の内のいずれか1以上と、を含有していることを特徴とする鮮度保持剤。
  2. 前記有機溶媒の含有率が0.5〜25wt%好ましくは1.5〜20wt%であることを特徴とする請求項1に記載の鮮度保持剤。
  3. 前記抽出溶媒が、pH5〜9好ましくは6〜8に調整されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鮮度保持剤。
  4. 甲殻類の殻又は身、サケ,マス等の魚類の身、タイ,カサゴ等赤色の表皮を有する魚類の表皮、緑藻等の藻類、キノコ,ケフィア,糸状菌,酵母等の菌類等を、有機溶媒を含有しpH5〜9に調整された抽出溶媒中で超音波等の抽出処理を行い抽出液を生成する抽出工程を備えていることを特徴とする鮮度保持剤の製造方法。
  5. 前記抽出溶媒に、a.還元剤、b.補酵素、c.還元酵素、d.遷移金属を含有する天然物の内のいずれか1以上を添加することを特徴とする請求項4に記載の鮮度保持剤の製造方法。
  6. 前記抽出工程で生成された前記抽出液から前記甲殻類の殻又は身、サケ,マス等の魚類の身、タイ,カサゴ等赤色の表皮を有する魚類の表皮、緑藻等の藻類、キノコ,ケフィア,糸状菌,酵母等の菌類等を分離除去して分離液を生成する分離工程と、
    前記分離工程で生成された前記分離液を濃縮し濃縮液を生成する濃縮工程と、を備えていることを特徴とする請求項4又は5に記載の鮮度保持剤の製造方法。
  7. 前記抽出液及び前記分離液が、pH5〜9に調整されていることを特徴とする請求項4乃至6の内いずれか1に記載の鮮度保持剤の製造方法。
  8. 前記抽出液及び/又は前記分離液にタンパク質分解酵素を添加することを特徴とする請求項4乃至7の内いずれか1に記載の鮮度保持剤の製造方法。
  9. 前記濃縮工程において、前記濃縮液が、前記分離液を30〜70℃好ましくは35〜50℃、かつ、1.3〜26.7kPa好ましくは2.6〜8.0kPa(10〜200mmHg好ましくは20〜60mmHg)で減圧濃縮して生成されていることを特徴とする請求項6乃至8の内いずれか1に記載の鮮度保持剤の製造方法。
  10. 前記濃縮液に、ラン藻若しくは大豆タンパク質又は卵タンパク質を分解して生成されたタンパク質分解物を混合することを特徴とする請求項6乃至9の内いずれか1に記載の鮮度保持剤の製造方法。
  11. 前記濃縮液に、シスチン,システイン,メチオニン,システイン酸塩酸等の含硫アミノ酸若しくはヒスチジン又はこれらの塩類の1種又は2種以上を混合することを特徴とする請求項6乃至10の内いずれか1に記載の鮮度保持剤の製造方法。
  12. (a)前記濃縮液に通電し陰極還元する、及び/又は(b)前記濃縮液に還元性ガスを接触させ還元する還元工程を備えていることを特徴とする請求項6乃至11の内いずれか1に記載の鮮度保持剤の製造方法。
  13. 前記濃縮液にa.還元剤、b.補酵素、c.還元酵素、d.遷移金属を含有する天然物の内のいずれか1以上を添加することを特徴とする請求項6乃至12の内いずれか1に記載の鮮度保持剤の製造方法。
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