JP2004104969A - モータの駆動装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で複数のモータの駆動を可能とし、選択外のステップモータが駆動されること阻止することができるステップモータの駆動回路を得る。
【解決手段】位相信号に応じて2相ステップモータ10a〜10cを駆動する駆動回路2と、駆動回路2に共通接続された複数のステップモータ10a〜10cと、選択信号に応じて、複数のステップモータ10a〜10cの対応するステップモータに駆動電圧を選択的に供給する選択回路11と、各ステップモータ10a〜10cと駆動回路2との間に設けられた配線切替手段3とを備える。配線切替手段3は、1個の2回路切替接点リレーを用いて、A相または反転A相、及び、B相または反転B相の2箇所に設けられる切替接点を備えて構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】位相信号に応じて2相ステップモータ10a〜10cを駆動する駆動回路2と、駆動回路2に共通接続された複数のステップモータ10a〜10cと、選択信号に応じて、複数のステップモータ10a〜10cの対応するステップモータに駆動電圧を選択的に供給する選択回路11と、各ステップモータ10a〜10cと駆動回路2との間に設けられた配線切替手段3とを備える。配線切替手段3は、1個の2回路切替接点リレーを用いて、A相または反転A相、及び、B相または反転B相の2箇所に設けられる切替接点を備えて構成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステップモータの駆動装置及び画像形成装置に係り、特に、複数のステップモータを1つの駆動回路で駆動可能としたステップモータの駆動装置、及び、複数の給紙部のそれぞれに、ピックモータを備えた印刷装置や、自動原稿給紙装置(ADF)や画像形成後の用紙に製本等の後処理をする用紙後処理装置(フィニッシャー)に使用する多数の搬送用、駆動用モータを備えた複写機等の前記モータの駆動に前記ステップモータの駆動装置を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の印刷装置等は、用紙等としてカットシートを利用して印刷を行っており、用紙のサイズ、種類に応じて複数の用紙カセットを有している。
【0003】
複数の用紙カセットを持たせた場合、前述の印刷装置等は、複数の給紙部を設けて構成する必要があり、各給紙部のそれぞれに、ピックモータを必要とする場合がある。また、複写機等に設置される自動原稿給紙装置(ADF)や画像形成後の用紙に製本等の後処理をする用紙後処理装置(フィニッシャー)にも多数の搬送用、駆動用モータを必要とする。これらモータとしては、安価なステップモータが利用されることが多く、これらのステップモータを駆動するためには、モータ毎に駆動回路が必要となり、駆動回路の構成が簡易なものが望まれている。
【0004】
図4は従来技術によるモータ駆動回路の第1の構成例を示すブロック図、図5は従来技術によるモータ駆動回路の第2の構成例を示すブロック図、図6は図4、図5におけるモータドライバの回路構成を示す図、図7はモータの駆動波形を示す図である。図4、図5において、10、10a、10bは2相ステップモータ(ステッピングモータ)、2、2a、2bはステップモータドライバである。図4、図5に示す例は、図4が1台のステップモータを駆動する場合の例、図5が2台のステップモータを2台のステップモータドライバで駆動する場合の例であり、ステップモータの構成及びステップモータドライバの構成は同一である。
【0005】
図4、図5に示す2相ステップモータ10、10a、10bは、図4に2相ステップモータ10の詳細を示しているように、A相、B相の2相のそれぞれに対し、正方向巻きのAコイル、Bコイルと、逆方向巻きの反転Aコイル、反転Bコイルが巻回されて構成されている。各相のコイルは、一端が共通接続され、それぞれ駆動電圧Vddが供給されている。また、このようなモータを駆動するステップモータドライバ2、2a、2bは、周知の自励型定電流チョッパ制御方式の駆動回路(例えば、サンケン電気株式会社製 SLA7026)により構成され、図4に示すように、位相信号PM−A〜PM−Dに応じて、励磁入力信号PMA、PMAB(反転A)、PMB、PMBB(反転B)により、2相ステップモータ10、10a、10bの各相コイルを励磁するものであり、外付けで、基準電圧発生用の抵抗R1、R2、R5、R6と、電圧検出用の抵抗R7、R8と、オフ時間設定用の抵抗R3、R4、コンデンサC2、C1とが設けられている。
【0006】
次に、モータの駆動制御の動作を、図6、図7を参照して、1−2相励磁方式により説明する。制御部(図示せず)から入力信号PM−Aをオンし、PM−B〜PM−Dをオフすると、励磁入力信号PMAが電流を引き込み、ステップモータ10のA相コイルが励磁される。
【0007】
この励磁電流は、駆動回路2のFETトランジスタ20のソースとドレインとを通り、09番ピンから抵抗R7を通り、グランドに流れ、抵抗R7の09番ピン側電圧と、+VccのR2/(R1+R2)の基準電圧とを比較器22で比較し、抵抗R7の電圧が、基準電圧を越えると、比較器22の出力により、比較器24を介してFETトランジスタ20をカットオフし、抵抗R3とコンデンサC2とで決まる時定数の時間だけ、比較器24の出力によりオフし続ける。
【0008】
これにより、図7のIpmaのぎざぎざ部分で示すように、A相コイルの励磁電流が減少し、A相に逆起電力が発生し、抵抗R7、フライホイールダイオード21aを介し反転A相コイルに電源方向に電流が流れる。
【0009】
このオフ時間後、再びFETトランジスタ20がオンし、A相コイルの励磁電流は上昇し、抵抗R7の電圧が、基準電圧を越えると、FETトランジスタ20をカットオフし、位相信号PM−Aのオン期間、A相コイルと逆起時反転A相コイルを交互に励磁するチョッパ制御により、定電流に制御される。
【0010】
入力信号PM−Cのオン時にも、同様であり、B相コイルと逆起時反転B相コイルを交互に励磁して、定電流制御して、位相信号の位相に応じて、1−2相励磁が行われる(以上、特許文献1の従来技術の欄参照)。
【0011】
しかし、前述した従来技術は、次に説明するような問題点を有している。
【0012】
すなわち、前述した従来技術は、カセット給紙部のように、複数のステップモータを備え、それらの複数のステップモータが同時に使用されないものであっても、各ステップモータ毎に駆動回路を必要とするため、プリント板実装面積の増大、信号線の増加等により、多くのスペースを要し、装置の小型化が阻害されると共に、コストアップが避けられないという問題点を有している。
【0013】
また、前述した従来技術は、1つの駆動回路で複数のステップモータを選択的に駆動すると、フライホイール電流により選択外のステップモータが駆動されてしまうことがあるという問題点を有している。
【0014】
前述のような問題点を解決することのできる従来技術として、1つのステップモータに8個ダイオードを使用して、1つのモータドライバにより複数のモータを選択的に駆動可能とし、かつ、選択されたステップモータ以外のモータが駆動されること阻止することができる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0015】
また、他の従来技術として、複数のステップモータとモータドライバとを繋ぐ全ての相及び電源線に切替手段を備えて、1つのモータドライバにより複数のステップモータを選択的に駆動可能とした技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0016】
【特許文献1】
特開平6−22599号公報(図4〜図6、及び、図1)
【0017】
【特許文献2】
特開2002−101695号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
前述した特許文献1記載の従来技術は、ダイオードの順電圧が、通常、1V〜3V(1A程度の順電流の場合)程度発生するため、モータの駆動電圧が低下してモータトルクが減少してしまうことになり、また、逆起電流をフライホイールダイオードから流しているので、モータドライバに逆起電流が流れず、本来のドライバの仕様と異なるモータドライバの使い方となり、ドライバの種類によっては不具合が発生する可能性がある。
【0019】
また、前述した特許文献2記載の従来技術は、駆動回路(モータドライバ)の数を減らすことはできるが、切替手段の数が多いためモータ駆動装置の小型化やコストダウンの効果がそれ程大きくない。
【0020】
本発明の目的は、複数のステップモータの駆動回路構成を簡易にし、しかも選択外のステップモータが駆動されること阻止することができるステップモータの駆動装置、及び、このステップモータの駆動装置を、複数の給紙部のそれぞれに、ピックモータを備えた印刷装置、自動原稿給紙装置(ADF)や画像形成後の用紙に製本等の後処理をする用紙後処理装置(フィニッシャー)に使用する多数の搬送用、駆動用モータを備えた複写機等の前記モータの駆動に用いた画像形成装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、第1の手段は、位相信号に応じて2相型ステップモータを駆動する駆動回路を有するモータの駆動装置において、前記駆動回路に共通に接続された複数のステップモータと、選択信号に応じて、前記複数のステップモータの対応するステップモータに駆動電圧を選択供給する電圧供給選択回路と、前記駆動回路から各ステップモータへの配線切替用に設けられた配線切替手段とを有し、前記配線切替手段の切替がA相または反転A相、及び、B相または反転B相の2箇所で行われることを特徴とする。
【0022】
第2の手段は、第1の手段において、前記配線切替手段が、リレーの接点を用いて構成されることを特徴とする。
【0023】
第3の手段は、第2の手段において、前記配線切替手段が、前記2箇所で行う切替のために、2回路切替接点を持つリレー1個で構成されていることを特徴とする。
【0024】
第4の手段は、第1〜第3の手段において、前記ステップモータの複数を1つのユニットとしてまとめたユニットを複数有し、前記配線切替手段による切替が、ユニット毎に選択して行われることを特徴とする。
【0025】
第5の手段は、第4の手段において、前記駆動回路が、前記ユニットに含まれるステップモータの数と同数が設けられることを特徴とする。
【0026】
第6の手段は、第1〜第5の手段において、前記駆動回路が、自励式定電流チョッパ制御方式の駆動回路であることを特徴とする。
【0027】
第7の手段は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等における画像形成装置において、用紙カセットピックモータ、自動原稿給紙装置、画像形成後の用紙の後処理をする用紙後処理装置に使用される搬送用、駆動用モータを駆動する第1〜第6の手段のうちの1つのモータの駆動装置を備えたことを特徴とする。
【0028】
前述の第1の手段によれば、1つの駆動回路で複数のステップモータを選択駆動することができ、しかも、逆起電流が他のステップモータに流れることがないため、トルクの低下を防止し、他のステップモータの不要な駆動を防止することができると共に、最小の回路構成としているので、従来に比べてコストダウンを図ることができる。
【0029】
第2の手段によれば、前記配線切替手段に接触抵抗が小さく双方向の電流駆動が可能なリレーを用いているので、選択されたステップモータのトルクを減少させず、逆起電圧も有効に利用することができる。
【0030】
第3の手段によれば、2箇所の切替接点を、2回路切替接点を持つリレー1個で構成することができるので、第2の手段に加え、部品点数を減らすことができ、さらなるコストダウンを図ることができる。
【0031】
第4の手段及び第5の手段によれば、複数のステップモータをユニットとしてまとめ、ユニット毎に選択切替を行い、電源電圧を選択供給する選択回路をユニット単位で切り替えられるようにし、電源電圧を選択供給する選択回路を単一モータ毎に持つ場合よりも部品点数を減らすことができので、さらなるコストダウンを図ることができる。
【0032】
第6の手段によれば、前記駆動回路が、逆起電力の発生し易い自励式定電流チョッパ制御方式の駆動回路であるので、選択駆動しても、逆起電力を有効に、かつ、他のモータに影響を与えることなく利用することができる。
【0033】
第7の手段によれば、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置の部品点数を減らすことができ、コストダウンを図ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるモータの駆動装置の実施形態を図面により詳細に説明する。
【0035】
図1は本発明によるモータの駆動装置の原理を説明する図であり、まず、図1を参照して、本発明の原理について説明する。図1において、3は配線切替手段、10cはステップモータ、11は電圧供給選択回路であり、他の符号は図4、図5の場合と同一である。
【0036】
図1に示すモータの駆動装置は、位相信号に応じて2相ステップモータ10a〜10cを駆動するステップモータドライバ2(以下、駆動回路という)と、駆動回路2に共通接続された複数のステップモータ10a〜10cと、選択信号に応じて、複数のステップモータ10a〜10cの対応するステップモータに駆動電圧を選択的に供給する選択回路11と、各ステップモータ10a〜10cと駆動回路2との間に設けられた配線切替手段3とを備えて構成されている。また、詳細を後述するように、配線切替手段3は、例えば、1個の2回路切替接点リレーを用いて、A相または反転A相、及び、B相または反転B相の2箇所に設けられる切替接点を備えて構成される。そして、配線切替手段3は、駆動モータの選択切替を、複数のステップモータをユニットとしてまとめ、ユニット毎に選択切替を行うことが可能である。さらに、駆動回路2は、自励式定電流チョッパ制御方式により構成される。
【0037】
図1に示すように構成されるモータの駆動装置は、前述した構成を備えることにより、1つの駆動回路2を使用して、複数のステップモータを選択的に駆動することができる。
【0038】
図2は本発明の第1の実施形態によるモータの駆動装置の構成を示すブロック図である。図2において、4a、4bはダイオード、5はトランジスタであり、他の符号は図1の場合と同一である。図2に示すモータの駆動装置は、2個のステップモータ10a、10bを1個の駆動回路2で駆動する場合の例である。
【0039】
図2に示す本発明の実施形態によるモータの駆動装置は、ステップモータ10a、10bが、配線切替手段3を構成する2回路切替接点リレーを介して駆動回路2に共通接続されて構成されている。電圧供給選択回路11は、図示例の場合、1回路切替接点リレーを使用して構成される。配線切替手段3及び電圧供給選択回路11を構成する切替接点リレーは、それぞれリレー切替信号に応じて切り替えられる。リレー切替信号は、選択信号を受けるトランジスタ5により生成され、リレー接点を駆動するコイルを説明する。図2に示す例では、配線切替手段3におけるトランジスタ5とリレーのコイルとを示していないが、配線切替手段3ににもこれらが設けられている。電圧供給選択回路11は、駆動電圧Vddを選択されたステップモータ10aまたは10bに供給するものである。配線切替手段3は、選択されたステップモータ10aまたは10bの相配線を接続しつつ、選択されたステップモータの逆起電力が、他方のステップモータに影響しないように、他方の相配線を切断する。
【0040】
配線切替手段3は、接触抵抗が小さく双方向の電流駆動が可能なリレー接点を用いて構成されるため、選択されたステップモータのトルクを減少させず、逆起電圧も有効に利用してモータを駆動することができる。ステップモータ10aが選択され、入力信号PM−Aがオンの時で説明すると、駆動回路2は、電源VddからA相に電流を引き込み、ステップモータ10aのA相コイルを励磁する。
【0041】
駆動回路2は、図6により説明した従来技術の場合と同一の回路構成でよい。その場合のモータの駆動制御の動作を説明する。いま、図示しない制御部から入力信号PM−Aをオンし、PM−B〜PM−Dをオフすると、励磁入力信号PMAが電流を引き込み、ステップモータ10のA相コイルが励磁される。
【0042】
選択されたステップモータの励磁電流は、駆動回路2のFETトランジスタ20のソースとドレインを通り、抵抗R7を介しグランドに流れ、抵抗R7の電圧と、+VccのR2/(R1+R2)の基準電圧とが比較器22により比較される。抵抗R7の電圧が、基準電圧を越えると、比較器22の出力により、比較器24を介してFETトランジスタ20がカットオフされ、抵抗R3とコンデンサC2とにより決まる時定数の時間だけ、比較器24の出力によりオフし続ける。
【0043】
これにより、図7のIPMA+反転IPMABのぎざぎざ部分で示すように、A相コイルの励磁電流が減少し、A相に逆起電力が発生し、抵抗R7、フライホイールダイオード21aを介し反転A相コイルに電源方向に電流が流れる。このとき、ステップモータ10bには電源Vddが供給されておらず、相配線も切断されているので電流は引き込まれず、また、閉ループも形成されないため逆起電力による電流も流れないため励磁されない。
【0044】
前述において、ステップモータ10aの相配線の接続と、ステップモータ10bの相配線の切断とを同時に行っているのが配線切替手段3を構成するリレーである。このとき、かりに配線切替手段3にリレーが無く、両方のステップモータの相配線が接続されているとすると、電圧供給選択回路11によってステップモータ10aのみに電源を供給しても、駆動回路2の共通接続側が電流源となり、ステップモータ10bのA相コイル、反転A相コイルに電流が流れて、ステップモータ10aのトルクが半減し、また、ステップモータ10bが回転してしまう不具合が生じることになる。
【0045】
入力信号PM−Cのオン時も、前述と同様であり、B相コイルと逆起時反転B相コイルとが交互に励磁されて定電流制御され、位相信号の位相に応じて、1−2相励磁が行われる。
【0046】
また、ステップモータ10bが選択されたときも同様であり、ステップモータ10bは正常に励磁され、ステップモータ10aには電源Vddが供給されておらず、相配線も切断されているので電流は引き込まれず、さらに、閉ループも形成されないため逆起電力による電流も流れないため励磁されない。
【0047】
配線切替手段3におけるリレーの切替接点は、図2に示すように、A相及びB相の2箇所に入れるだけでよい。もっと正確には、リレーの切替接点は、A相または反転A相のどちらか一方、及び、B相または反転B相のどちらか一方に入れられればよい。
【0048】
図4により従来技術として説明したように、2相ステップモータは、その内部で、A相〜反転A相及びB相〜反転B相が接続されている。従って、A相または反転A相のどちらか一方、及び、B相または反転B相のどちらか一方を切断すれば、閉ループは形成されない。このように構成したほうが切替接点の数を減らすことができ、しかもコストダウンを図ることができる。後述するように、ステップモータをユニット毎の駆動切替を行う場合、さらに大幅に切替接点の数を減らすことができ、部品点数(リレー数)を減少させて、コストダウンを図ることができる。そして、前述の2箇所の切替接点を、図2に示すように、2回路の切替接点リレー1個で構成すれば、さらなる部品点数(リレー数)の減少、コストダウンを図ることができる。
【0049】
前述した本発明の第1の実施形態は、1台の駆動回路で2台のステップモータを駆動するものとして説明したが、本発明は、配線切替手段3及び電圧供給選択回路11の切替を多段に行うようにして、1台の駆動回路でさらに多くのステップモータを選択的に駆動するようにすることができる。
【0050】
図3は本発明の第2の実施形態によるモータの駆動装置の構成を示すブロック図である。図3において、3a、3bは配線切替手段、4c、4dはダイオード、10dはステップモータであり、他の符号は図1、図2の場合と同一である。
【0051】
図3に示す本発明の第2の実施形態は、4個のステップモータ10a、10b、10c、10dを2個の駆動回路2a、2bにより駆動する場合の例である。そして、ここでは、ステップモータ10a及び10cをユニット1、ステップモータ10b及び10dをユニット2とし、選択切替は、ユニット1またはユニット2のどちらかを選択するものとする。
【0052】
ユニット1を選択した場合、電圧供給選択回路11は、電圧供給選択回路11を構成するリレー接点によってステップモータ10a、10cに電源Vddが供給し、配線切替手段3a、3bは、配線切替手段3a、3bを構成するリレー接点によってステップモータ10a、10cの励磁が行われるように配線が切り替えられる。同様に、ユニット2を選択した場合、ステップモータ10b、10dの励磁が行われる。
【0053】
図3により説明した本発明の第2の実施形態は、図2により説明した本発明の第1の実施形態に比較して、モータの数が2個から4個へ2倍に増加しているが、リレーの数(電圧供給選択手段を構成するリレー+配線切替手段を構成するリレー)が2個から3個になっただけである。この理由は、電圧供給をユニット毎に行っているため、電圧供給選択回路11を構成するリレーの数が増えていないためである。このように、ユニット毎の選択切替を行うことにより、更なる部品点数の減少、コストダウンを図ることができる。
【0054】
前述した本発明の第2の実施形態は、1つのユニットに2台のステップモータを設け2台の駆動回路によりそれらを同時に駆動するとして説明したが、本発明は、駆動回路を増加させることにより、1つのユニットにさらに多くのステップモータを含ませることができ、また、配線切替手段3a、3b及び電圧供給選択回路11の切替を多段に行うようにして、さらに多くのユニットを設けて、それらに含まれるステップモータを選択的に駆動するようにすることができる。
【0055】
前述で説明したように本発明の第1、第2の実施形態は、ステップモータのA相〜反転A相及びB相〜反転B相の閉ループが形成されることはないが、厳密にはステップモータの電圧供給用配線を通して、反転A相〜反転B相(切替接点の無い2点)の閉ループが形成される。これによる影響が無視することができない場合、図2、図3に点線で示したダイオード4a〜4dを挿入するとよい。
【0056】
前述した本発明の各実施形態は、特に、ステップモータの使用個数の多い複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の用紙カセットピックモータや、自動原稿給紙装置(ADF)や画像形成後の用紙に製本等の後処理をする用紙後処理装置(フィニッシャー)に使用される多数の搬送用、駆動用モータの駆動に使用して有効なものであり、本発明の実施形態として、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等における画像形成装置を構成することができる。また、前述した本発明の各実施形態は、複数のモータを有する他の装置のモータの駆動にも適用することができ、特に用途を限定するものではない。
【0057】
また、前述した本発明の第1、第2の実施形態は、1つの駆動回路に共通接続されるステップモータを2個として説明したが、本発明は、共通接続されるステップモータが2個以上の複数である場合にも適用することができる。
【0058】
さらに、前述した第1、第2の実施形態において、駆動電圧を選択的に供給する電圧供給選択回路11は、リレーにより構成するとして説明したが、リレーに限らず、例えば、FET等により構成してもよい。
【0059】
以上、本発明を実施形態により説明したが、本発明は、その主旨の範囲内で種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、簡易な構成で複数のステップモータの駆動を行うことができ、かつ、選択外のステップモータが駆動されること阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるモータの駆動装置の原理を説明する図である。
【図2】本発明の第1の実施形態によるモータの駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施形態によるモータの駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図4】従来技術によるモータ駆動回路の第1の構成例を示すブロック図である。
【図5】従来技術によるモータ駆動回路の第2の構成例を示すブロック図である。
【図6】図4、図5におけるモータドライバの回路構成を示す図である。
【図7】モータの駆動波形を示す図である。
【符号の説明】
2、2a、2b ステップモータドライバ(駆動回路)
3、3a、3b 配線切替手段
4a〜4d ダイオード
5 トランジスタ
10、10a〜10d 2相ステップモータ(ステッピングモータ)
11 電圧供給選択回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステップモータの駆動装置及び画像形成装置に係り、特に、複数のステップモータを1つの駆動回路で駆動可能としたステップモータの駆動装置、及び、複数の給紙部のそれぞれに、ピックモータを備えた印刷装置や、自動原稿給紙装置(ADF)や画像形成後の用紙に製本等の後処理をする用紙後処理装置(フィニッシャー)に使用する多数の搬送用、駆動用モータを備えた複写機等の前記モータの駆動に前記ステップモータの駆動装置を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の印刷装置等は、用紙等としてカットシートを利用して印刷を行っており、用紙のサイズ、種類に応じて複数の用紙カセットを有している。
【0003】
複数の用紙カセットを持たせた場合、前述の印刷装置等は、複数の給紙部を設けて構成する必要があり、各給紙部のそれぞれに、ピックモータを必要とする場合がある。また、複写機等に設置される自動原稿給紙装置(ADF)や画像形成後の用紙に製本等の後処理をする用紙後処理装置(フィニッシャー)にも多数の搬送用、駆動用モータを必要とする。これらモータとしては、安価なステップモータが利用されることが多く、これらのステップモータを駆動するためには、モータ毎に駆動回路が必要となり、駆動回路の構成が簡易なものが望まれている。
【0004】
図4は従来技術によるモータ駆動回路の第1の構成例を示すブロック図、図5は従来技術によるモータ駆動回路の第2の構成例を示すブロック図、図6は図4、図5におけるモータドライバの回路構成を示す図、図7はモータの駆動波形を示す図である。図4、図5において、10、10a、10bは2相ステップモータ(ステッピングモータ)、2、2a、2bはステップモータドライバである。図4、図5に示す例は、図4が1台のステップモータを駆動する場合の例、図5が2台のステップモータを2台のステップモータドライバで駆動する場合の例であり、ステップモータの構成及びステップモータドライバの構成は同一である。
【0005】
図4、図5に示す2相ステップモータ10、10a、10bは、図4に2相ステップモータ10の詳細を示しているように、A相、B相の2相のそれぞれに対し、正方向巻きのAコイル、Bコイルと、逆方向巻きの反転Aコイル、反転Bコイルが巻回されて構成されている。各相のコイルは、一端が共通接続され、それぞれ駆動電圧Vddが供給されている。また、このようなモータを駆動するステップモータドライバ2、2a、2bは、周知の自励型定電流チョッパ制御方式の駆動回路(例えば、サンケン電気株式会社製 SLA7026)により構成され、図4に示すように、位相信号PM−A〜PM−Dに応じて、励磁入力信号PMA、PMAB(反転A)、PMB、PMBB(反転B)により、2相ステップモータ10、10a、10bの各相コイルを励磁するものであり、外付けで、基準電圧発生用の抵抗R1、R2、R5、R6と、電圧検出用の抵抗R7、R8と、オフ時間設定用の抵抗R3、R4、コンデンサC2、C1とが設けられている。
【0006】
次に、モータの駆動制御の動作を、図6、図7を参照して、1−2相励磁方式により説明する。制御部(図示せず)から入力信号PM−Aをオンし、PM−B〜PM−Dをオフすると、励磁入力信号PMAが電流を引き込み、ステップモータ10のA相コイルが励磁される。
【0007】
この励磁電流は、駆動回路2のFETトランジスタ20のソースとドレインとを通り、09番ピンから抵抗R7を通り、グランドに流れ、抵抗R7の09番ピン側電圧と、+VccのR2/(R1+R2)の基準電圧とを比較器22で比較し、抵抗R7の電圧が、基準電圧を越えると、比較器22の出力により、比較器24を介してFETトランジスタ20をカットオフし、抵抗R3とコンデンサC2とで決まる時定数の時間だけ、比較器24の出力によりオフし続ける。
【0008】
これにより、図7のIpmaのぎざぎざ部分で示すように、A相コイルの励磁電流が減少し、A相に逆起電力が発生し、抵抗R7、フライホイールダイオード21aを介し反転A相コイルに電源方向に電流が流れる。
【0009】
このオフ時間後、再びFETトランジスタ20がオンし、A相コイルの励磁電流は上昇し、抵抗R7の電圧が、基準電圧を越えると、FETトランジスタ20をカットオフし、位相信号PM−Aのオン期間、A相コイルと逆起時反転A相コイルを交互に励磁するチョッパ制御により、定電流に制御される。
【0010】
入力信号PM−Cのオン時にも、同様であり、B相コイルと逆起時反転B相コイルを交互に励磁して、定電流制御して、位相信号の位相に応じて、1−2相励磁が行われる(以上、特許文献1の従来技術の欄参照)。
【0011】
しかし、前述した従来技術は、次に説明するような問題点を有している。
【0012】
すなわち、前述した従来技術は、カセット給紙部のように、複数のステップモータを備え、それらの複数のステップモータが同時に使用されないものであっても、各ステップモータ毎に駆動回路を必要とするため、プリント板実装面積の増大、信号線の増加等により、多くのスペースを要し、装置の小型化が阻害されると共に、コストアップが避けられないという問題点を有している。
【0013】
また、前述した従来技術は、1つの駆動回路で複数のステップモータを選択的に駆動すると、フライホイール電流により選択外のステップモータが駆動されてしまうことがあるという問題点を有している。
【0014】
前述のような問題点を解決することのできる従来技術として、1つのステップモータに8個ダイオードを使用して、1つのモータドライバにより複数のモータを選択的に駆動可能とし、かつ、選択されたステップモータ以外のモータが駆動されること阻止することができる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0015】
また、他の従来技術として、複数のステップモータとモータドライバとを繋ぐ全ての相及び電源線に切替手段を備えて、1つのモータドライバにより複数のステップモータを選択的に駆動可能とした技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0016】
【特許文献1】
特開平6−22599号公報(図4〜図6、及び、図1)
【0017】
【特許文献2】
特開2002−101695号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
前述した特許文献1記載の従来技術は、ダイオードの順電圧が、通常、1V〜3V(1A程度の順電流の場合)程度発生するため、モータの駆動電圧が低下してモータトルクが減少してしまうことになり、また、逆起電流をフライホイールダイオードから流しているので、モータドライバに逆起電流が流れず、本来のドライバの仕様と異なるモータドライバの使い方となり、ドライバの種類によっては不具合が発生する可能性がある。
【0019】
また、前述した特許文献2記載の従来技術は、駆動回路(モータドライバ)の数を減らすことはできるが、切替手段の数が多いためモータ駆動装置の小型化やコストダウンの効果がそれ程大きくない。
【0020】
本発明の目的は、複数のステップモータの駆動回路構成を簡易にし、しかも選択外のステップモータが駆動されること阻止することができるステップモータの駆動装置、及び、このステップモータの駆動装置を、複数の給紙部のそれぞれに、ピックモータを備えた印刷装置、自動原稿給紙装置(ADF)や画像形成後の用紙に製本等の後処理をする用紙後処理装置(フィニッシャー)に使用する多数の搬送用、駆動用モータを備えた複写機等の前記モータの駆動に用いた画像形成装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、第1の手段は、位相信号に応じて2相型ステップモータを駆動する駆動回路を有するモータの駆動装置において、前記駆動回路に共通に接続された複数のステップモータと、選択信号に応じて、前記複数のステップモータの対応するステップモータに駆動電圧を選択供給する電圧供給選択回路と、前記駆動回路から各ステップモータへの配線切替用に設けられた配線切替手段とを有し、前記配線切替手段の切替がA相または反転A相、及び、B相または反転B相の2箇所で行われることを特徴とする。
【0022】
第2の手段は、第1の手段において、前記配線切替手段が、リレーの接点を用いて構成されることを特徴とする。
【0023】
第3の手段は、第2の手段において、前記配線切替手段が、前記2箇所で行う切替のために、2回路切替接点を持つリレー1個で構成されていることを特徴とする。
【0024】
第4の手段は、第1〜第3の手段において、前記ステップモータの複数を1つのユニットとしてまとめたユニットを複数有し、前記配線切替手段による切替が、ユニット毎に選択して行われることを特徴とする。
【0025】
第5の手段は、第4の手段において、前記駆動回路が、前記ユニットに含まれるステップモータの数と同数が設けられることを特徴とする。
【0026】
第6の手段は、第1〜第5の手段において、前記駆動回路が、自励式定電流チョッパ制御方式の駆動回路であることを特徴とする。
【0027】
第7の手段は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等における画像形成装置において、用紙カセットピックモータ、自動原稿給紙装置、画像形成後の用紙の後処理をする用紙後処理装置に使用される搬送用、駆動用モータを駆動する第1〜第6の手段のうちの1つのモータの駆動装置を備えたことを特徴とする。
【0028】
前述の第1の手段によれば、1つの駆動回路で複数のステップモータを選択駆動することができ、しかも、逆起電流が他のステップモータに流れることがないため、トルクの低下を防止し、他のステップモータの不要な駆動を防止することができると共に、最小の回路構成としているので、従来に比べてコストダウンを図ることができる。
【0029】
第2の手段によれば、前記配線切替手段に接触抵抗が小さく双方向の電流駆動が可能なリレーを用いているので、選択されたステップモータのトルクを減少させず、逆起電圧も有効に利用することができる。
【0030】
第3の手段によれば、2箇所の切替接点を、2回路切替接点を持つリレー1個で構成することができるので、第2の手段に加え、部品点数を減らすことができ、さらなるコストダウンを図ることができる。
【0031】
第4の手段及び第5の手段によれば、複数のステップモータをユニットとしてまとめ、ユニット毎に選択切替を行い、電源電圧を選択供給する選択回路をユニット単位で切り替えられるようにし、電源電圧を選択供給する選択回路を単一モータ毎に持つ場合よりも部品点数を減らすことができので、さらなるコストダウンを図ることができる。
【0032】
第6の手段によれば、前記駆動回路が、逆起電力の発生し易い自励式定電流チョッパ制御方式の駆動回路であるので、選択駆動しても、逆起電力を有効に、かつ、他のモータに影響を与えることなく利用することができる。
【0033】
第7の手段によれば、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置の部品点数を減らすことができ、コストダウンを図ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるモータの駆動装置の実施形態を図面により詳細に説明する。
【0035】
図1は本発明によるモータの駆動装置の原理を説明する図であり、まず、図1を参照して、本発明の原理について説明する。図1において、3は配線切替手段、10cはステップモータ、11は電圧供給選択回路であり、他の符号は図4、図5の場合と同一である。
【0036】
図1に示すモータの駆動装置は、位相信号に応じて2相ステップモータ10a〜10cを駆動するステップモータドライバ2(以下、駆動回路という)と、駆動回路2に共通接続された複数のステップモータ10a〜10cと、選択信号に応じて、複数のステップモータ10a〜10cの対応するステップモータに駆動電圧を選択的に供給する選択回路11と、各ステップモータ10a〜10cと駆動回路2との間に設けられた配線切替手段3とを備えて構成されている。また、詳細を後述するように、配線切替手段3は、例えば、1個の2回路切替接点リレーを用いて、A相または反転A相、及び、B相または反転B相の2箇所に設けられる切替接点を備えて構成される。そして、配線切替手段3は、駆動モータの選択切替を、複数のステップモータをユニットとしてまとめ、ユニット毎に選択切替を行うことが可能である。さらに、駆動回路2は、自励式定電流チョッパ制御方式により構成される。
【0037】
図1に示すように構成されるモータの駆動装置は、前述した構成を備えることにより、1つの駆動回路2を使用して、複数のステップモータを選択的に駆動することができる。
【0038】
図2は本発明の第1の実施形態によるモータの駆動装置の構成を示すブロック図である。図2において、4a、4bはダイオード、5はトランジスタであり、他の符号は図1の場合と同一である。図2に示すモータの駆動装置は、2個のステップモータ10a、10bを1個の駆動回路2で駆動する場合の例である。
【0039】
図2に示す本発明の実施形態によるモータの駆動装置は、ステップモータ10a、10bが、配線切替手段3を構成する2回路切替接点リレーを介して駆動回路2に共通接続されて構成されている。電圧供給選択回路11は、図示例の場合、1回路切替接点リレーを使用して構成される。配線切替手段3及び電圧供給選択回路11を構成する切替接点リレーは、それぞれリレー切替信号に応じて切り替えられる。リレー切替信号は、選択信号を受けるトランジスタ5により生成され、リレー接点を駆動するコイルを説明する。図2に示す例では、配線切替手段3におけるトランジスタ5とリレーのコイルとを示していないが、配線切替手段3ににもこれらが設けられている。電圧供給選択回路11は、駆動電圧Vddを選択されたステップモータ10aまたは10bに供給するものである。配線切替手段3は、選択されたステップモータ10aまたは10bの相配線を接続しつつ、選択されたステップモータの逆起電力が、他方のステップモータに影響しないように、他方の相配線を切断する。
【0040】
配線切替手段3は、接触抵抗が小さく双方向の電流駆動が可能なリレー接点を用いて構成されるため、選択されたステップモータのトルクを減少させず、逆起電圧も有効に利用してモータを駆動することができる。ステップモータ10aが選択され、入力信号PM−Aがオンの時で説明すると、駆動回路2は、電源VddからA相に電流を引き込み、ステップモータ10aのA相コイルを励磁する。
【0041】
駆動回路2は、図6により説明した従来技術の場合と同一の回路構成でよい。その場合のモータの駆動制御の動作を説明する。いま、図示しない制御部から入力信号PM−Aをオンし、PM−B〜PM−Dをオフすると、励磁入力信号PMAが電流を引き込み、ステップモータ10のA相コイルが励磁される。
【0042】
選択されたステップモータの励磁電流は、駆動回路2のFETトランジスタ20のソースとドレインを通り、抵抗R7を介しグランドに流れ、抵抗R7の電圧と、+VccのR2/(R1+R2)の基準電圧とが比較器22により比較される。抵抗R7の電圧が、基準電圧を越えると、比較器22の出力により、比較器24を介してFETトランジスタ20がカットオフされ、抵抗R3とコンデンサC2とにより決まる時定数の時間だけ、比較器24の出力によりオフし続ける。
【0043】
これにより、図7のIPMA+反転IPMABのぎざぎざ部分で示すように、A相コイルの励磁電流が減少し、A相に逆起電力が発生し、抵抗R7、フライホイールダイオード21aを介し反転A相コイルに電源方向に電流が流れる。このとき、ステップモータ10bには電源Vddが供給されておらず、相配線も切断されているので電流は引き込まれず、また、閉ループも形成されないため逆起電力による電流も流れないため励磁されない。
【0044】
前述において、ステップモータ10aの相配線の接続と、ステップモータ10bの相配線の切断とを同時に行っているのが配線切替手段3を構成するリレーである。このとき、かりに配線切替手段3にリレーが無く、両方のステップモータの相配線が接続されているとすると、電圧供給選択回路11によってステップモータ10aのみに電源を供給しても、駆動回路2の共通接続側が電流源となり、ステップモータ10bのA相コイル、反転A相コイルに電流が流れて、ステップモータ10aのトルクが半減し、また、ステップモータ10bが回転してしまう不具合が生じることになる。
【0045】
入力信号PM−Cのオン時も、前述と同様であり、B相コイルと逆起時反転B相コイルとが交互に励磁されて定電流制御され、位相信号の位相に応じて、1−2相励磁が行われる。
【0046】
また、ステップモータ10bが選択されたときも同様であり、ステップモータ10bは正常に励磁され、ステップモータ10aには電源Vddが供給されておらず、相配線も切断されているので電流は引き込まれず、さらに、閉ループも形成されないため逆起電力による電流も流れないため励磁されない。
【0047】
配線切替手段3におけるリレーの切替接点は、図2に示すように、A相及びB相の2箇所に入れるだけでよい。もっと正確には、リレーの切替接点は、A相または反転A相のどちらか一方、及び、B相または反転B相のどちらか一方に入れられればよい。
【0048】
図4により従来技術として説明したように、2相ステップモータは、その内部で、A相〜反転A相及びB相〜反転B相が接続されている。従って、A相または反転A相のどちらか一方、及び、B相または反転B相のどちらか一方を切断すれば、閉ループは形成されない。このように構成したほうが切替接点の数を減らすことができ、しかもコストダウンを図ることができる。後述するように、ステップモータをユニット毎の駆動切替を行う場合、さらに大幅に切替接点の数を減らすことができ、部品点数(リレー数)を減少させて、コストダウンを図ることができる。そして、前述の2箇所の切替接点を、図2に示すように、2回路の切替接点リレー1個で構成すれば、さらなる部品点数(リレー数)の減少、コストダウンを図ることができる。
【0049】
前述した本発明の第1の実施形態は、1台の駆動回路で2台のステップモータを駆動するものとして説明したが、本発明は、配線切替手段3及び電圧供給選択回路11の切替を多段に行うようにして、1台の駆動回路でさらに多くのステップモータを選択的に駆動するようにすることができる。
【0050】
図3は本発明の第2の実施形態によるモータの駆動装置の構成を示すブロック図である。図3において、3a、3bは配線切替手段、4c、4dはダイオード、10dはステップモータであり、他の符号は図1、図2の場合と同一である。
【0051】
図3に示す本発明の第2の実施形態は、4個のステップモータ10a、10b、10c、10dを2個の駆動回路2a、2bにより駆動する場合の例である。そして、ここでは、ステップモータ10a及び10cをユニット1、ステップモータ10b及び10dをユニット2とし、選択切替は、ユニット1またはユニット2のどちらかを選択するものとする。
【0052】
ユニット1を選択した場合、電圧供給選択回路11は、電圧供給選択回路11を構成するリレー接点によってステップモータ10a、10cに電源Vddが供給し、配線切替手段3a、3bは、配線切替手段3a、3bを構成するリレー接点によってステップモータ10a、10cの励磁が行われるように配線が切り替えられる。同様に、ユニット2を選択した場合、ステップモータ10b、10dの励磁が行われる。
【0053】
図3により説明した本発明の第2の実施形態は、図2により説明した本発明の第1の実施形態に比較して、モータの数が2個から4個へ2倍に増加しているが、リレーの数(電圧供給選択手段を構成するリレー+配線切替手段を構成するリレー)が2個から3個になっただけである。この理由は、電圧供給をユニット毎に行っているため、電圧供給選択回路11を構成するリレーの数が増えていないためである。このように、ユニット毎の選択切替を行うことにより、更なる部品点数の減少、コストダウンを図ることができる。
【0054】
前述した本発明の第2の実施形態は、1つのユニットに2台のステップモータを設け2台の駆動回路によりそれらを同時に駆動するとして説明したが、本発明は、駆動回路を増加させることにより、1つのユニットにさらに多くのステップモータを含ませることができ、また、配線切替手段3a、3b及び電圧供給選択回路11の切替を多段に行うようにして、さらに多くのユニットを設けて、それらに含まれるステップモータを選択的に駆動するようにすることができる。
【0055】
前述で説明したように本発明の第1、第2の実施形態は、ステップモータのA相〜反転A相及びB相〜反転B相の閉ループが形成されることはないが、厳密にはステップモータの電圧供給用配線を通して、反転A相〜反転B相(切替接点の無い2点)の閉ループが形成される。これによる影響が無視することができない場合、図2、図3に点線で示したダイオード4a〜4dを挿入するとよい。
【0056】
前述した本発明の各実施形態は、特に、ステップモータの使用個数の多い複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の用紙カセットピックモータや、自動原稿給紙装置(ADF)や画像形成後の用紙に製本等の後処理をする用紙後処理装置(フィニッシャー)に使用される多数の搬送用、駆動用モータの駆動に使用して有効なものであり、本発明の実施形態として、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等における画像形成装置を構成することができる。また、前述した本発明の各実施形態は、複数のモータを有する他の装置のモータの駆動にも適用することができ、特に用途を限定するものではない。
【0057】
また、前述した本発明の第1、第2の実施形態は、1つの駆動回路に共通接続されるステップモータを2個として説明したが、本発明は、共通接続されるステップモータが2個以上の複数である場合にも適用することができる。
【0058】
さらに、前述した第1、第2の実施形態において、駆動電圧を選択的に供給する電圧供給選択回路11は、リレーにより構成するとして説明したが、リレーに限らず、例えば、FET等により構成してもよい。
【0059】
以上、本発明を実施形態により説明したが、本発明は、その主旨の範囲内で種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、簡易な構成で複数のステップモータの駆動を行うことができ、かつ、選択外のステップモータが駆動されること阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるモータの駆動装置の原理を説明する図である。
【図2】本発明の第1の実施形態によるモータの駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施形態によるモータの駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図4】従来技術によるモータ駆動回路の第1の構成例を示すブロック図である。
【図5】従来技術によるモータ駆動回路の第2の構成例を示すブロック図である。
【図6】図4、図5におけるモータドライバの回路構成を示す図である。
【図7】モータの駆動波形を示す図である。
【符号の説明】
2、2a、2b ステップモータドライバ(駆動回路)
3、3a、3b 配線切替手段
4a〜4d ダイオード
5 トランジスタ
10、10a〜10d 2相ステップモータ(ステッピングモータ)
11 電圧供給選択回路
Claims (7)
- 位相信号に応じて2相型ステップモータを駆動する駆動回路を有するモータの駆動装置において、
前記駆動回路に共通に接続された複数のステップモータと、選択信号に応じて、前記複数のステップモータの対応するステップモータに駆動電圧を選択供給する電圧供給選択回路と、前記駆動回路から各ステップモータへの配線切替用に設けられた配線切替手段とを有し、
前記配線切替手段の切替がA相または反転A相、及び、B相または反転B相の2箇所で行われることを特徴とするモータの駆動装置。 - 前記配線切替手段は、リレーの接点を用いて構成されることを特徴とする請求項1記載のモータの駆動装置。
- 前記配線切替手段は、前記2箇所で行う切替のために、2回路切替接点を持つリレー1個で構成されていることを特徴とする請求項2記載のモータの駆動装置。
- 前記ステップモータの複数を1つのユニットとしてまとめたユニットを複数有し、前記配線切替手段による切替が、ユニット毎に選択して行われることを特徴とする請求項1、2または3記載のモータの駆動装置。
- 前記駆動回路は、前記ユニットに含まれるステップモータの数と同数が設けられることを特徴とする請求項4記載のモータの駆動装置。
- 前記駆動回路は、自励式定電流チョッパ制御方式の駆動回路であることを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1記載のモータの駆動装置。
- 複写機、プリンタ、または、ファクシミリ装置における画像形成装置において、用紙カセットピックモータ、自動原稿給紙装置、画像形成後の用紙の後処理をする用紙後処理装置に使用される搬送用、駆動用モータを駆動する請求項1ないし6のうちいずれか1記載のモータの駆動装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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