JP2004104949A - 発電電力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】送電電力量と需要家受電電力量とを一致させることができる発電電力制御装置を提供する。
【解決手段】本発明は、サンプリング毎に前記所定の時間区間の開始時間を起点とした今回サンプリングまでの受電電力量と、今回サンプリングまでの所定の送電損失電力量を除いた送電電力量との間の誤差を誤差補正値として算出するとともに、今回サンプリング区間における受電電力量と、前回サンプリング区間における受電電力量との差を変動予測値として算出し、前記誤差補正値と、前記変動予測値とを加算し、この加算結果に前記送電損失電力量を加算して、次回のサンプリング区間における必要送電電力量として出力する。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明は、サンプリング毎に前記所定の時間区間の開始時間を起点とした今回サンプリングまでの受電電力量と、今回サンプリングまでの所定の送電損失電力量を除いた送電電力量との間の誤差を誤差補正値として算出するとともに、今回サンプリング区間における受電電力量と、前回サンプリング区間における受電電力量との差を変動予測値として算出し、前記誤差補正値と、前記変動予測値とを加算し、この加算結果に前記送電損失電力量を加算して、次回のサンプリング区間における必要送電電力量として出力する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定規模電気事業者による発電所からの電力託送における発電電力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
規制緩和により電力小売部分自由化が始まり、電力系統に連系している自家発電設備の発電電力を電力会社の送電ネットワークを介して別の場所の需要家に供給する電力託送を行うことが可能となった。(現時点においては、特別高圧需要家との制限あり。)
この電力託送によって需要家に電力を供給する事業を特定規模電気事業と言い、この事業を行う者を特定規模電気事業者と言う。特定規模電気事業者は、契約した需要家が必要とする電力を発電あるいは調達することで供給する義務が生じ、託送電力量と需要家受電電力量を一致させることが求められている。
【0003】
具体的には30分間の電力量が一致していれば良いとされている。これを同時同量と言う。また、30分間の電力量の一致は、電力会社と契約する送電サービス電力の±3%相当電力量の範囲に入ることが目標値とされている。
【0004】
現在の系統連系する発電所の基本的な構成は図7に示すように、発電機1、原動機2、調速機3、発電コントローラ4、自動電圧調整装置(AVR)5から成り、これらは、遮断器6を介して構内系統に接続され、遮断器7を介して構内負荷8に電力供給し、さらに遮断器9を介して電力系統と連系されている。また、保護装置として発電機異常を保護する発電機保護装置10、電力系統との連系保護のための系統連系保護装置11が設置されている。
【0005】
この系統連系する発電所において発電機出力の制御は発電コントローラ4により行われる。電力計12および電力計13による電力計測値は、発電コントローラ4による発電機出力の制御に際してフィードバック信号として用いる。
【0006】
発電コントローラ4は、発電電力指令値に追従させるため調速機3を動作させ、発電機出力が制御される。ここで発電電力制御は、逆潮流あり連系の場合、発電所の稼働率を考え、発電効率の良いポイントにおける発電電力一定制御が行われることが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
電力系統へ電力を送り出す逆潮流ありの系統連系において、発電電力一定制御を行った場合、逆潮流となる電力(逆送電力)は構内負荷で消費した残りの電力であり、これは成り行き任せとなる。この逆送電力を託送することを考える場合、現状の成り行き任せでは特定規模電気事業者としての同時同量を満たすことは不可能である。ゆえに、発電コントロールを同時同量を満たすための制御に変更するか、そのための制御装置の追加設置が必要となる。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、託送電力量と需要家受電電力量とを一致させることができる発電電力制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
したがって、上記目的を達成するために、本発明は、電力系統に連系する複数の発電所の発電電力を電力系統を介して複数の需要家に供給する電力託送システムにおける発電電力制御装置において、所定の時間区間におけるサンプリングレートを設定する手段と、前記設定されたサンプリングレートによって区分される前記所定の時間区間の各サンプリング区間毎における前記発電所が電力系統に逆送した送電電力量と、前記需要家が受電した受電電力量と、前記送電電力量に対して定められる送電損失電力量とに基づいて、サンプリング毎に前記所定の時間区間の開始時間を起点とした今回サンプリングまでの受電電力量と、今回サンプリングまでの所定の送電損失電力量を除いた送電電力量との間の誤差を誤差補正値として算出する手段と、今回サンプリング区間における受電電力量と、前回サンプリング区間における受電電力量との差から次回サンプリング区間の受電電力量を予測する受電電力量予測手段と、前記誤差補正値と、前記受電電力量予測値とを加算し、この加算結果に対して定められる送電損失電力量を加算して、次回のサンプリング区間における必要送電電力量として出力する手段とを具備することを特徴とする発電電力制御装置、である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る発電電力制御装置について説明する。
【0011】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の形態に係る発電電力制御装置を使用した電力託送システムを示す図である。なお、図7と同一部分には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0012】
同図において、発電所A101および発電所B102から電力系統300に電力を逆送し、電力系統300を介して需要家A201および需要家B202に電力供給している。
【0013】
発電所A101において、図7の従来からの構成に加え、電力系統300へ送電する送電電力量を検出する電力量計14と、電力系統300から受電する需要家A201において受電電力量を検出する電力量計23を設置している。また、発電所B102は発電所A101と同様の構成要素(表記を省略)を有し、需要家B202は需要家A201と同様の構成要素(表記を省略)を有している。
【0014】
電力託送用電力制御装置41は、発電所A101および発電所B102から電力系統に送電した送電電力量と、需要家A201および需要家B202が受電した受電電力量に基づき、同時同量を満たすために必要とする制御信号を決定し、発電所A101および発電所B102の発電コントローラに対して制御信号(電力指令)を与える。
【0015】
電力託送用電力制御装置41は管理センター400内に設置されている。管理センター400、発電所A101、発電所B102、需要家A201、需要家B202、それぞれは基本的に離れた場所に立地している。
【0016】
なお、発電所Aの送電電力量の信号、発電所Bの送電電力量の信号、需要家Aの受電電力量の信号、需要家Bの受電電力量の信号、発電所Aへの制御信号、発電所Bへの制御信号、それぞれの伝達には、通信手段として電話回線などを活用することが考えられる。図中には通信手段となる構成要素、例えば通信端末となる装置や回線ケーブルの表記は省略している。
【0017】
さらに、図1は一例として記しているものであり、発電所は2ヶ所に限定するものではなく、一つの発電所内の発電機の台数も1台に限定するものではない。また、需要家も2ヶ所に限定するものではない。
【0018】
図2は、発電電力制御装置における電力託送用電力制御装置の機能ブロック図である。図1にも記載している需要家Aおよび需要家Bからの受電電力量の信号を取り込み加算して受電電力量の合計値を得る。
【0019】
同様に、図1にも記載している発電所Aおよび発電所Bからの送電電力量の信号を加算して送電電力量の合計値を得る。送電電力量合計値から所定の送電損失率に基づき送電損失電力量減算部46にて送電損失電力量を減ずる。
【0020】
送電損失率をLoss(%)とすると、送電損失電力量減算部46にゲイン(1−Loss/100)を設定すると送電損失電力量を減じたことになる。送電電力量の合計から送電損失電力量を減じた値を供給電力量とすると、受電電力量合計値と供給電力量を比較して誤差があれば、誤差補正部42にて誤差補正値を算出する。
【0021】
また、受電電力量合計値の変動から受電電力量予測部43にて受電電力量変動予測値を算出する。誤差補正部42からの誤差補正値と受電電力量予測部43からの受電電力量変動予測値の合計値(必要供給電力量)に送電損失電力量加算部44で送電損失電力量を加算することで必要送電電力量を得る。送電損失電力量加算部44は前述の送電損失電力量減算部46とは逆のゲイン1/(1−Loss/100)を設定することで、送電損失電力量を加算したことになる。
【0022】
電力量配分部45では、経済性を考慮する経済負荷配分の手法により、燃料消費量の合計が少なくなるように各発電所の各発電機に負荷配分を行う。配分された結果は、図1にも記載しているように各発電所に対する制御信号として伝送される。具体的には、電力量配分部45は、必要送電電力量を書く発電所の各発電機に配分し、各発電機の担当分電力量を次回サンプリング区間幅で出力しうる電力値に変換し、次回のサンプリング区間における各発電所の発電機への発電電力指令としている。
【0023】
レートリミット部47は、各発電所への負荷配分としての制御指令の急激な変更を抑制するために設けている。具体的には、レートリミット部47は、生成された次回サンプリング区間における各発電電力指令の今回サンプリング区間における各発電電力指令に対する増減量を所定の範囲に制限する。
【0024】
サンプリング設定部48は、図2の点線枠内のロジックの動作タイミングを司っている。サンプリング設定部48におけるサンプリングレートの設定値は、30分の時間区間を任意のレートで等間隔で区切ることや、レートを自由に変更できるものである。
【0025】
図2中の点線枠内のロジックの動作は、前述のようにサンプリング設定部48にて設定される30分の時間区間内のサンプリングのタイミングで行われており、サンプリングの設定例とサンプリング毎に行われる誤差補正部42、受電電力量予測部43による必要送電電力量の算出について図3を用いて説明する。
【0026】
30分間の同時同量を満たすため、図3のように30分の時間を例えば最初の20分間を5分間隔のレートとし、残りの10分間を1分間隔のレートとし、このサンプリングでもって制御を行なう。図3中のPLは需要家受電電力(需要家合計値)の推移を表している。
【0027】
今回のサンプリング区間がtn、前回のサンプリング区間がtb、次回のサンプリング区間がtaである。Pbは前回のサンプリング区間(tbの区間)におけるPLの推移から決まる需要家受電電力の平均値である。
【0028】
同様に、Pnは今回のサンプリング区間(tnの区間)における需要家受電電力の平均値を示す。サンプリング毎に電力量計23での計測値を取得すると、tbおよびtnにおける電力量は、Pb×tb、Pn×tnとして捉えることが出来る。
【0029】
発電所からの送電電力量(発電所合計値)についても、電力量計14の計測値に基づいて、tbおよびtnにおける送電電力量をPrb×tb、Prn×tnと表現できる。
【0030】
PrbおよびPrnは、tbおよびtnにおける送電電力の平均値を意味している。また、Pra*はtaにおける送電電力指令を意味している。送電電力量から送電損失電力量を差し引くため損失率Loss(%)とすると、需要家に供給した電力量は、それぞれPrb×tb×(1−Loss/100)、Prn×tn×(1−Loss/100)となる。30分の時間区間の最初のサンプリング区間がtbであったとして、今回サンプリングまでの需要側と供給側の電力量の誤差をαとすると、
α=(Pb×tb+Pn×tn)−(Prb×tb+Prn×tn)×(1−Loss/100) …(1)
となる。
【0031】
同時同量を実現する上では、この誤差を埋める必要があるので、誤差に相当する電力量を次回の区間に上乗せすることで誤差補正とする。この誤差αは、誤差補正部42によって算出される。
【0032】
一方、需要家受電電力が図3のPLに示すように変動(この図では増加傾向)していると前記の誤差補正だけでは必ず1サンプリングの遅れが発生するので需要家受電電力への追従性が不十分である。
【0033】
このため、前回サンプリング区間における電力量(Pb×tb)から今回サンプリング区間における電力量(Pn×tn)へ受電電力量が変動したと捉え、同じ変動が今回から次回のサンプリングの間でも生じると仮定して、変動分β=(Pn×tn)−(Pb×tb)を予測補正値とする。この予測補正値βは、受電電力量予測部43によって算出される。
【0034】
次回のサンプリング区間の予測値は、β+(Pn×tn)=2(Pn×tn)−(Pb×tb)となる。次回のサンプリング区間における必要送電電力量は、送電損失電力量を含めて、
((α+β+(Pn×tn))/(1−Loss/100))
となる。この必要送電電力量は、送電損失電力量加算部44によって算出される。
【0035】
図3中のPra*は、この必要送電電力量を次回サンプリング区間における送電電力指令に変換したもので、
Pra*=((α+β+(Pn×tn))/(1−Loss/100))/ta
となる。
【0036】
電力配分部45は、必要送電電力量を各発電所の各発電機に配分し、電力指令に配分するが、この時の発電所への電力指令の合計値がPra*と等しい関係になる。
【0037】
図3中に「サンプリングレートの切り替わり」と記しているタイミングでサンプリングレートを5分間から1分間に切り替えている。この「サンプリングレートの切り替わり」のタイミングに来たときに、上述の誤差αなる電力量を次回の区間となる1分の区間で埋めようとすると、電力指令として扱う際に5分の区間で埋める場合の5倍の値になる。行き過ぎた電力指令になることを図2のレートリミット部47にて抑制する。すなわち、レートリミット部47は、送電電力指令Pra*が所定の値以上になるのを防止する。
【0038】
したがって、本発明の実施の形態に係る発電電力制御装置によれば、電力託送用電力制御装置41にて発電機の発電電力指令を決定し、発電機の発電電力出力を制御するもので、制御のサンプリングレートを30分の時間区間の終了前に短いレートとすることで30分の時間区間の同時同量を達成しつつ、30分の時間区間の始まりからしばらくは長いレートによって制御信号を変更する回数を減らして発電機制御機構にかかるストレスの低減を図り、場合によっては通信にかかるコストの面でもメリットが得られ、発電機運転に際しての経済性の面でもメリットが得られる電力託送における発電電力制御装置を提供することができる。
【0039】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態に係る発電電力制御装置について説明する。本実施の形態の発電電力制御装置が用いられるシステムは、第1の実施の形態と同様であり、電力託送用制御装置の処理方法のみが異なる。
【0040】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る発電電力制御装置における電力託送用電力制御装置の機能ブロック図である。なお、図2と同一部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0041】
第1の実施の形態と異なる点は、図4に示すように、誤差補正部42に入力される需要家受電電力量合計値と、発電所送電電力量の合計から送電損失電力量を減じた値との誤差をサンプリング設定部48の入力信号にも用いている点にある。
【0042】
サンプリング設定部48におけるサンプリングレートは、上述の誤差によって変更可能としており、その機能を持たせることは、電力託送用電力制御装置41をマイクロコンピュータの演算機能を活用するなどしているので実現可能である。
【0043】
基本的なサンプリングレートの設定は、第1の実施の形態と同じであるが、誤差が所定値以上になると長いレートによる制御のままでは補正が遅れかねない場合を考え早いタイミングで補正をかけるために短いサンプリングレートに変更し、誤差が所定値未満になると元のサンプリングレートに戻すように行なわれる。
【0044】
したがって、本発明の第2の実施の形態に係る発電電力制御装置によれば、頻繁な制御信号の変更による発電機制御機構にかかるストレスを低減させることが可能となる。
【0045】
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態に係る発電電力制御装置について説明する。本実施の形態の発電電力制御装置が用いられるシステムは、第1の実施の形態と同様であり、電力託送用制御装置の処理方法のみが異なる。
【0046】
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る発電電力制御装置における電力託送用電力制御装置の機能ブロック図である。なお、図2と同一部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0047】
第1の実施の形態と異なる点は、図5に示すように、サンプリングパターンを記憶するパターン記憶部49を設け、サンプリング設定部48は、パターン記憶部49において記憶されたサンプリングパターンを使用して、サンプリングパターンを設定することにある。パターン記憶部49は、一日の内で30分の時間区間毎に個別のパターンを用いることができるように種々のサンプリングパターンを記憶している。
【0048】
したがって、本発明の実施の形態によれば、例えば、朝の負荷が立ち上がる時間帯のように30分の時間区間内で負荷が大きく変化する場合であるとか、負荷の変化が小さい場合とか、ほぼ負荷量が一定であるとかの一日の負荷(需要家受電電力)の30分毎の状態に応じたパターンを用いることで、同時同量を達成しつつ発電機制御機構にかかるストレスの低減も図ることも可能とするものである。
【0049】
<第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態に係る発電電力制御装置について説明する。本実施の形態の発電電力制御装置が用いられるシステムは、第1の実施の形態と同様であり、電力託送用制御装置の処理方法のみが異なる。
【0050】
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る発電電力制御装置における電力託送用電力制御装置の機能ブロック図である。なお、図5と同一部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0051】
本発明の実施の形態と、第3の実施の形態と異なる点は、サンプリング設定部48で設定されるサンプリングのパターンをパターン記憶部に記憶されているサンプリングパターンを用いる点では図5の構成と同一であるが、パターン記憶部49に30分間の電力量の誤差(同時同量の誤差)を入力するところが図5とは異なる構成である。
【0052】
パターン記憶部49では、誤差が所定の値を超えた場合にはその30分の時間区間で用いたサンプリングパターンが負荷(需要家受電電力)の状態に対して同時同量を達成する上で不十分であったと判定し、その30分の時間区間に用いるサンプリングパターンを変更する。
【0053】
したがって、本発明の実施の形態に係る電力制御システムによれば、翌日以降の同時刻正30分の時間区間の同時同量の精度をさらに改善することができる。
【0054】
また、逆潮流ありで系統連系している発電所が、電力系統を介して、需要家に対し、電力託送を行う場合に、需要家設置の電力量計と発電所設置の電力量計の値をもとに、30分単位時間での需要家の受電電力量に対して発電所からの供給電力量を追従させる電力量制御機能を提供しつつ、発電機制御機構にかかるストレスの低減を図り、特定規模電気事業者および発電所にとって有益な電力制御装置を提供することができる。
【0055】
なお、上述の実施の形態においては、時間区間を30分の単位時間として説明したが、単位時間を30分以外の時間としてもよいことはいうまでもない。また、図3においては、サンプリングレートの切り替え時点の前後において、前半のサンプリングレートを5分間、後半のサンプリングレートを1分間とした場合について説明したが、サンプリングレートはこれに限られるものではなく、前半のサンプリングレートが後半のサンプリングレートよりも長ければよい。
【0056】
なお、本願発明は、上記各実施形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わされた効果が得られる。さらに、上記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0057】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、送電電力量と需要家受電電力量とを一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の形態に係る発電電力制御装置を使用した電力託送システムを示す図である。
【図2】同形態における発電電力制御装置における電力託送用電力制御装置の機能ブロック図である。
【図3】同実施形態における誤差補正部及び受電電力予測部の動き、ならびにサンプリング設定部によるサンプリングタイミングを説明するための図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における発電電力制御システムにおける電力託送用電力制御装置の機能ブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における発電電力制御システムにおける電力託送用電力制御装置の機能ブロック図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態における発電電力制御システムにおける電力託送用電力制御装置の機能ブロック図である。
【図7】従来の発電電力制御装置による逆潮流運転を行う発電所を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…発電機、
2…原動機、
3…調速機、
4…発電コントローラ、
5…AVR、
6、7、9…発電所設置の遮断器、
8…発電所設置の負荷、
10…発電機保護装置、
11…系統連系保護装置、
12、13…電力計、
14…発電所設置の電力量計、
21…需要家設置の負荷、
22…需要家設置の遮断器、
23…需要家設置の電力量計、
41…電力託送用電力制御装置、
42…誤差補正部、
43…受電電力量予測部、
44…送電損失電力量加算部、
45…電力量配分部、
46…送電損失電力量減算部、
47…レートリミット部、
48…サンプリング設定部、
49…パターン記憶部、
101、102…発電所、
201、202…需要家、
300…電力系統、
400…管理センター。
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定規模電気事業者による発電所からの電力託送における発電電力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
規制緩和により電力小売部分自由化が始まり、電力系統に連系している自家発電設備の発電電力を電力会社の送電ネットワークを介して別の場所の需要家に供給する電力託送を行うことが可能となった。(現時点においては、特別高圧需要家との制限あり。)
この電力託送によって需要家に電力を供給する事業を特定規模電気事業と言い、この事業を行う者を特定規模電気事業者と言う。特定規模電気事業者は、契約した需要家が必要とする電力を発電あるいは調達することで供給する義務が生じ、託送電力量と需要家受電電力量を一致させることが求められている。
【0003】
具体的には30分間の電力量が一致していれば良いとされている。これを同時同量と言う。また、30分間の電力量の一致は、電力会社と契約する送電サービス電力の±3%相当電力量の範囲に入ることが目標値とされている。
【0004】
現在の系統連系する発電所の基本的な構成は図7に示すように、発電機1、原動機2、調速機3、発電コントローラ4、自動電圧調整装置(AVR)5から成り、これらは、遮断器6を介して構内系統に接続され、遮断器7を介して構内負荷8に電力供給し、さらに遮断器9を介して電力系統と連系されている。また、保護装置として発電機異常を保護する発電機保護装置10、電力系統との連系保護のための系統連系保護装置11が設置されている。
【0005】
この系統連系する発電所において発電機出力の制御は発電コントローラ4により行われる。電力計12および電力計13による電力計測値は、発電コントローラ4による発電機出力の制御に際してフィードバック信号として用いる。
【0006】
発電コントローラ4は、発電電力指令値に追従させるため調速機3を動作させ、発電機出力が制御される。ここで発電電力制御は、逆潮流あり連系の場合、発電所の稼働率を考え、発電効率の良いポイントにおける発電電力一定制御が行われることが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
電力系統へ電力を送り出す逆潮流ありの系統連系において、発電電力一定制御を行った場合、逆潮流となる電力(逆送電力)は構内負荷で消費した残りの電力であり、これは成り行き任せとなる。この逆送電力を託送することを考える場合、現状の成り行き任せでは特定規模電気事業者としての同時同量を満たすことは不可能である。ゆえに、発電コントロールを同時同量を満たすための制御に変更するか、そのための制御装置の追加設置が必要となる。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、託送電力量と需要家受電電力量とを一致させることができる発電電力制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
したがって、上記目的を達成するために、本発明は、電力系統に連系する複数の発電所の発電電力を電力系統を介して複数の需要家に供給する電力託送システムにおける発電電力制御装置において、所定の時間区間におけるサンプリングレートを設定する手段と、前記設定されたサンプリングレートによって区分される前記所定の時間区間の各サンプリング区間毎における前記発電所が電力系統に逆送した送電電力量と、前記需要家が受電した受電電力量と、前記送電電力量に対して定められる送電損失電力量とに基づいて、サンプリング毎に前記所定の時間区間の開始時間を起点とした今回サンプリングまでの受電電力量と、今回サンプリングまでの所定の送電損失電力量を除いた送電電力量との間の誤差を誤差補正値として算出する手段と、今回サンプリング区間における受電電力量と、前回サンプリング区間における受電電力量との差から次回サンプリング区間の受電電力量を予測する受電電力量予測手段と、前記誤差補正値と、前記受電電力量予測値とを加算し、この加算結果に対して定められる送電損失電力量を加算して、次回のサンプリング区間における必要送電電力量として出力する手段とを具備することを特徴とする発電電力制御装置、である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る発電電力制御装置について説明する。
【0011】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の形態に係る発電電力制御装置を使用した電力託送システムを示す図である。なお、図7と同一部分には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0012】
同図において、発電所A101および発電所B102から電力系統300に電力を逆送し、電力系統300を介して需要家A201および需要家B202に電力供給している。
【0013】
発電所A101において、図7の従来からの構成に加え、電力系統300へ送電する送電電力量を検出する電力量計14と、電力系統300から受電する需要家A201において受電電力量を検出する電力量計23を設置している。また、発電所B102は発電所A101と同様の構成要素(表記を省略)を有し、需要家B202は需要家A201と同様の構成要素(表記を省略)を有している。
【0014】
電力託送用電力制御装置41は、発電所A101および発電所B102から電力系統に送電した送電電力量と、需要家A201および需要家B202が受電した受電電力量に基づき、同時同量を満たすために必要とする制御信号を決定し、発電所A101および発電所B102の発電コントローラに対して制御信号(電力指令)を与える。
【0015】
電力託送用電力制御装置41は管理センター400内に設置されている。管理センター400、発電所A101、発電所B102、需要家A201、需要家B202、それぞれは基本的に離れた場所に立地している。
【0016】
なお、発電所Aの送電電力量の信号、発電所Bの送電電力量の信号、需要家Aの受電電力量の信号、需要家Bの受電電力量の信号、発電所Aへの制御信号、発電所Bへの制御信号、それぞれの伝達には、通信手段として電話回線などを活用することが考えられる。図中には通信手段となる構成要素、例えば通信端末となる装置や回線ケーブルの表記は省略している。
【0017】
さらに、図1は一例として記しているものであり、発電所は2ヶ所に限定するものではなく、一つの発電所内の発電機の台数も1台に限定するものではない。また、需要家も2ヶ所に限定するものではない。
【0018】
図2は、発電電力制御装置における電力託送用電力制御装置の機能ブロック図である。図1にも記載している需要家Aおよび需要家Bからの受電電力量の信号を取り込み加算して受電電力量の合計値を得る。
【0019】
同様に、図1にも記載している発電所Aおよび発電所Bからの送電電力量の信号を加算して送電電力量の合計値を得る。送電電力量合計値から所定の送電損失率に基づき送電損失電力量減算部46にて送電損失電力量を減ずる。
【0020】
送電損失率をLoss(%)とすると、送電損失電力量減算部46にゲイン(1−Loss/100)を設定すると送電損失電力量を減じたことになる。送電電力量の合計から送電損失電力量を減じた値を供給電力量とすると、受電電力量合計値と供給電力量を比較して誤差があれば、誤差補正部42にて誤差補正値を算出する。
【0021】
また、受電電力量合計値の変動から受電電力量予測部43にて受電電力量変動予測値を算出する。誤差補正部42からの誤差補正値と受電電力量予測部43からの受電電力量変動予測値の合計値(必要供給電力量)に送電損失電力量加算部44で送電損失電力量を加算することで必要送電電力量を得る。送電損失電力量加算部44は前述の送電損失電力量減算部46とは逆のゲイン1/(1−Loss/100)を設定することで、送電損失電力量を加算したことになる。
【0022】
電力量配分部45では、経済性を考慮する経済負荷配分の手法により、燃料消費量の合計が少なくなるように各発電所の各発電機に負荷配分を行う。配分された結果は、図1にも記載しているように各発電所に対する制御信号として伝送される。具体的には、電力量配分部45は、必要送電電力量を書く発電所の各発電機に配分し、各発電機の担当分電力量を次回サンプリング区間幅で出力しうる電力値に変換し、次回のサンプリング区間における各発電所の発電機への発電電力指令としている。
【0023】
レートリミット部47は、各発電所への負荷配分としての制御指令の急激な変更を抑制するために設けている。具体的には、レートリミット部47は、生成された次回サンプリング区間における各発電電力指令の今回サンプリング区間における各発電電力指令に対する増減量を所定の範囲に制限する。
【0024】
サンプリング設定部48は、図2の点線枠内のロジックの動作タイミングを司っている。サンプリング設定部48におけるサンプリングレートの設定値は、30分の時間区間を任意のレートで等間隔で区切ることや、レートを自由に変更できるものである。
【0025】
図2中の点線枠内のロジックの動作は、前述のようにサンプリング設定部48にて設定される30分の時間区間内のサンプリングのタイミングで行われており、サンプリングの設定例とサンプリング毎に行われる誤差補正部42、受電電力量予測部43による必要送電電力量の算出について図3を用いて説明する。
【0026】
30分間の同時同量を満たすため、図3のように30分の時間を例えば最初の20分間を5分間隔のレートとし、残りの10分間を1分間隔のレートとし、このサンプリングでもって制御を行なう。図3中のPLは需要家受電電力(需要家合計値)の推移を表している。
【0027】
今回のサンプリング区間がtn、前回のサンプリング区間がtb、次回のサンプリング区間がtaである。Pbは前回のサンプリング区間(tbの区間)におけるPLの推移から決まる需要家受電電力の平均値である。
【0028】
同様に、Pnは今回のサンプリング区間(tnの区間)における需要家受電電力の平均値を示す。サンプリング毎に電力量計23での計測値を取得すると、tbおよびtnにおける電力量は、Pb×tb、Pn×tnとして捉えることが出来る。
【0029】
発電所からの送電電力量(発電所合計値)についても、電力量計14の計測値に基づいて、tbおよびtnにおける送電電力量をPrb×tb、Prn×tnと表現できる。
【0030】
PrbおよびPrnは、tbおよびtnにおける送電電力の平均値を意味している。また、Pra*はtaにおける送電電力指令を意味している。送電電力量から送電損失電力量を差し引くため損失率Loss(%)とすると、需要家に供給した電力量は、それぞれPrb×tb×(1−Loss/100)、Prn×tn×(1−Loss/100)となる。30分の時間区間の最初のサンプリング区間がtbであったとして、今回サンプリングまでの需要側と供給側の電力量の誤差をαとすると、
α=(Pb×tb+Pn×tn)−(Prb×tb+Prn×tn)×(1−Loss/100) …(1)
となる。
【0031】
同時同量を実現する上では、この誤差を埋める必要があるので、誤差に相当する電力量を次回の区間に上乗せすることで誤差補正とする。この誤差αは、誤差補正部42によって算出される。
【0032】
一方、需要家受電電力が図3のPLに示すように変動(この図では増加傾向)していると前記の誤差補正だけでは必ず1サンプリングの遅れが発生するので需要家受電電力への追従性が不十分である。
【0033】
このため、前回サンプリング区間における電力量(Pb×tb)から今回サンプリング区間における電力量(Pn×tn)へ受電電力量が変動したと捉え、同じ変動が今回から次回のサンプリングの間でも生じると仮定して、変動分β=(Pn×tn)−(Pb×tb)を予測補正値とする。この予測補正値βは、受電電力量予測部43によって算出される。
【0034】
次回のサンプリング区間の予測値は、β+(Pn×tn)=2(Pn×tn)−(Pb×tb)となる。次回のサンプリング区間における必要送電電力量は、送電損失電力量を含めて、
((α+β+(Pn×tn))/(1−Loss/100))
となる。この必要送電電力量は、送電損失電力量加算部44によって算出される。
【0035】
図3中のPra*は、この必要送電電力量を次回サンプリング区間における送電電力指令に変換したもので、
Pra*=((α+β+(Pn×tn))/(1−Loss/100))/ta
となる。
【0036】
電力配分部45は、必要送電電力量を各発電所の各発電機に配分し、電力指令に配分するが、この時の発電所への電力指令の合計値がPra*と等しい関係になる。
【0037】
図3中に「サンプリングレートの切り替わり」と記しているタイミングでサンプリングレートを5分間から1分間に切り替えている。この「サンプリングレートの切り替わり」のタイミングに来たときに、上述の誤差αなる電力量を次回の区間となる1分の区間で埋めようとすると、電力指令として扱う際に5分の区間で埋める場合の5倍の値になる。行き過ぎた電力指令になることを図2のレートリミット部47にて抑制する。すなわち、レートリミット部47は、送電電力指令Pra*が所定の値以上になるのを防止する。
【0038】
したがって、本発明の実施の形態に係る発電電力制御装置によれば、電力託送用電力制御装置41にて発電機の発電電力指令を決定し、発電機の発電電力出力を制御するもので、制御のサンプリングレートを30分の時間区間の終了前に短いレートとすることで30分の時間区間の同時同量を達成しつつ、30分の時間区間の始まりからしばらくは長いレートによって制御信号を変更する回数を減らして発電機制御機構にかかるストレスの低減を図り、場合によっては通信にかかるコストの面でもメリットが得られ、発電機運転に際しての経済性の面でもメリットが得られる電力託送における発電電力制御装置を提供することができる。
【0039】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態に係る発電電力制御装置について説明する。本実施の形態の発電電力制御装置が用いられるシステムは、第1の実施の形態と同様であり、電力託送用制御装置の処理方法のみが異なる。
【0040】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る発電電力制御装置における電力託送用電力制御装置の機能ブロック図である。なお、図2と同一部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0041】
第1の実施の形態と異なる点は、図4に示すように、誤差補正部42に入力される需要家受電電力量合計値と、発電所送電電力量の合計から送電損失電力量を減じた値との誤差をサンプリング設定部48の入力信号にも用いている点にある。
【0042】
サンプリング設定部48におけるサンプリングレートは、上述の誤差によって変更可能としており、その機能を持たせることは、電力託送用電力制御装置41をマイクロコンピュータの演算機能を活用するなどしているので実現可能である。
【0043】
基本的なサンプリングレートの設定は、第1の実施の形態と同じであるが、誤差が所定値以上になると長いレートによる制御のままでは補正が遅れかねない場合を考え早いタイミングで補正をかけるために短いサンプリングレートに変更し、誤差が所定値未満になると元のサンプリングレートに戻すように行なわれる。
【0044】
したがって、本発明の第2の実施の形態に係る発電電力制御装置によれば、頻繁な制御信号の変更による発電機制御機構にかかるストレスを低減させることが可能となる。
【0045】
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態に係る発電電力制御装置について説明する。本実施の形態の発電電力制御装置が用いられるシステムは、第1の実施の形態と同様であり、電力託送用制御装置の処理方法のみが異なる。
【0046】
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る発電電力制御装置における電力託送用電力制御装置の機能ブロック図である。なお、図2と同一部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0047】
第1の実施の形態と異なる点は、図5に示すように、サンプリングパターンを記憶するパターン記憶部49を設け、サンプリング設定部48は、パターン記憶部49において記憶されたサンプリングパターンを使用して、サンプリングパターンを設定することにある。パターン記憶部49は、一日の内で30分の時間区間毎に個別のパターンを用いることができるように種々のサンプリングパターンを記憶している。
【0048】
したがって、本発明の実施の形態によれば、例えば、朝の負荷が立ち上がる時間帯のように30分の時間区間内で負荷が大きく変化する場合であるとか、負荷の変化が小さい場合とか、ほぼ負荷量が一定であるとかの一日の負荷(需要家受電電力)の30分毎の状態に応じたパターンを用いることで、同時同量を達成しつつ発電機制御機構にかかるストレスの低減も図ることも可能とするものである。
【0049】
<第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態に係る発電電力制御装置について説明する。本実施の形態の発電電力制御装置が用いられるシステムは、第1の実施の形態と同様であり、電力託送用制御装置の処理方法のみが異なる。
【0050】
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る発電電力制御装置における電力託送用電力制御装置の機能ブロック図である。なお、図5と同一部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0051】
本発明の実施の形態と、第3の実施の形態と異なる点は、サンプリング設定部48で設定されるサンプリングのパターンをパターン記憶部に記憶されているサンプリングパターンを用いる点では図5の構成と同一であるが、パターン記憶部49に30分間の電力量の誤差(同時同量の誤差)を入力するところが図5とは異なる構成である。
【0052】
パターン記憶部49では、誤差が所定の値を超えた場合にはその30分の時間区間で用いたサンプリングパターンが負荷(需要家受電電力)の状態に対して同時同量を達成する上で不十分であったと判定し、その30分の時間区間に用いるサンプリングパターンを変更する。
【0053】
したがって、本発明の実施の形態に係る電力制御システムによれば、翌日以降の同時刻正30分の時間区間の同時同量の精度をさらに改善することができる。
【0054】
また、逆潮流ありで系統連系している発電所が、電力系統を介して、需要家に対し、電力託送を行う場合に、需要家設置の電力量計と発電所設置の電力量計の値をもとに、30分単位時間での需要家の受電電力量に対して発電所からの供給電力量を追従させる電力量制御機能を提供しつつ、発電機制御機構にかかるストレスの低減を図り、特定規模電気事業者および発電所にとって有益な電力制御装置を提供することができる。
【0055】
なお、上述の実施の形態においては、時間区間を30分の単位時間として説明したが、単位時間を30分以外の時間としてもよいことはいうまでもない。また、図3においては、サンプリングレートの切り替え時点の前後において、前半のサンプリングレートを5分間、後半のサンプリングレートを1分間とした場合について説明したが、サンプリングレートはこれに限られるものではなく、前半のサンプリングレートが後半のサンプリングレートよりも長ければよい。
【0056】
なお、本願発明は、上記各実施形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わされた効果が得られる。さらに、上記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0057】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、送電電力量と需要家受電電力量とを一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の形態に係る発電電力制御装置を使用した電力託送システムを示す図である。
【図2】同形態における発電電力制御装置における電力託送用電力制御装置の機能ブロック図である。
【図3】同実施形態における誤差補正部及び受電電力予測部の動き、ならびにサンプリング設定部によるサンプリングタイミングを説明するための図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における発電電力制御システムにおける電力託送用電力制御装置の機能ブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における発電電力制御システムにおける電力託送用電力制御装置の機能ブロック図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態における発電電力制御システムにおける電力託送用電力制御装置の機能ブロック図である。
【図7】従来の発電電力制御装置による逆潮流運転を行う発電所を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…発電機、
2…原動機、
3…調速機、
4…発電コントローラ、
5…AVR、
6、7、9…発電所設置の遮断器、
8…発電所設置の負荷、
10…発電機保護装置、
11…系統連系保護装置、
12、13…電力計、
14…発電所設置の電力量計、
21…需要家設置の負荷、
22…需要家設置の遮断器、
23…需要家設置の電力量計、
41…電力託送用電力制御装置、
42…誤差補正部、
43…受電電力量予測部、
44…送電損失電力量加算部、
45…電力量配分部、
46…送電損失電力量減算部、
47…レートリミット部、
48…サンプリング設定部、
49…パターン記憶部、
101、102…発電所、
201、202…需要家、
300…電力系統、
400…管理センター。
Claims (8)
- 電力系統に連系する複数の発電所の発電電力を電力系統を介して複数の需要家に供給する電力託送システムにおける発電電力制御装置において、
所定の時間区間におけるサンプリングレートを設定する手段と、
前記設定されたサンプリングレートによって区分される前記所定の時間区間の各サンプリング区間毎における前記発電所が電力系統に逆送した送電電力量と、前記需要家が受電した受電電力量と、前記送電電力量に対して定められる送電損失電力量とに基づいて、サンプリング毎に前記所定の時間区間の開始時間を起点とした今回サンプリングまでの受電電力量と、今回サンプリングまでの所定の送電損失電力量を除いた送電電力量との間の誤差を誤差補正値として算出する手段と、
今回サンプリング区間における受電電力量と、前回サンプリング区間における受電電力量との差から次回サンプリング区間の受電電力量を予測する受電電力量予測手段と、
前記誤差補正値と、前記受電電力量予測値とを加算し、この加算結果に対して定められる送電損失電力量を加算して、次回のサンプリング区間における必要送電電力量として出力する手段と
を具備することを特徴とする発電電力制御装置。 - 前記所定の時間区間は、30分間であることを特徴とする請求項1記載の発電電力制御装置。
- 前記設定されるサンプリングレートは、前記所定の時間区間の始まりから所定のサンプリング区間までは第1のサンプリングレートに設定され、前記所定のサンプリング区間の次のサンプリング区間からは前記第1のサンプリングレートよりも短い第2のサンプリングレートに設定されることを特徴とする請求項1記載の発電電力制御装置。
- 前記出力された必要送電電力量を前記複数の発電所の発電機に対して経済負荷配分を行なう手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の発電電力制御装置。
- 前記配分された必要送電電力量を各発電所発電機の担当電力量として、次回サンプリング区間幅で出力しうる電力値に変換し、各発電所の発電機の発電電力指令を生成する手段と、
前記生成された次回サンプリング区間における各発電電力指令の今回サンプリング区間における各発電電力指令に対する増減量を所定の範囲に制限する手段とをさらに具備することを特徴とする請求項4記載の発電電力制御装置。 - 前記所定の時間区間の始まりから前記所定のサンプリング区間において、前記誤差が所定値以上になった場合、前記第1のサンプリングレートを前記第2のサンプリングレートに切り替え、前記誤差が所定値以下になった場合、前記第2のサンプリングレートを前記第1のサンプリングレートに切り替える手段をさらに具備することを特徴とする請求項3記載の発電電力制御装置。
- 複数のサンプリングパターンを記憶する手段をさらに具備し、前記サンプリングレートの設定は、前記複数のサンプリングパターンのうち、選択された1つのサンプリングパターンにしたがって設定されることを特徴とする請求項1記載の発電電力制御装置。
- 前記誤差が所定値以上であると判断された場合には、前記選択されたサンプリングパターンを他のサンプリングパターンに切り替えることを特徴とする請求項7記載の発電電力制御装置。
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JP2010226865A (ja) * | 2009-03-24 | 2010-10-07 | Hitachi Ltd | 複数発電軸の統括スケジュール計算システムおよび統括スケジュール計算方法 |
JP2011250526A (ja) * | 2010-05-25 | 2011-12-08 | Hitachi Ltd | 電力誤差積分方式同時同量制御方法 |
CN114655077A (zh) * | 2022-04-11 | 2022-06-24 | 东风悦享科技有限公司 | 一种无人驾驶车辆高压安全能量分配系统架构及控制方法 |
-
2002
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