JP2014155269A - 保安電源システム、およびその制御方法 - Google Patents

保安電源システム、およびその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】交流接続方式の保安電源を備え、停電時にも太陽電池を稼働できる保安電源システムを提供すること。
【解決手段】保安電源システム1は、系統100と接続される交流電路17と、系統停電時における逆送電を防止する逆送電防止装置と、太陽光発電装置130および蓄電装置(電源装置)120を有する保安電源Eと、保安電源Eにより給電される保安設備14と、系統100の停電時に、保安設備14による需要電力と、保安電源Eによる給電電力とを調整する保安電源制御装置18と、を備える。系統100の停電時に、蓄電装置120は自立運転し、太陽光発電装置130は蓄電装置120に連系運転される。系統100が停電したときに、連系運転する太陽電池13等のパワーコンディショナー13Pは通常、単独運転を検知し発電を停止するが、それをマスク(無効化)しているので太陽電池13が発電を継続できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電路・接続方式が交流方式の発電システムを系統の停電時にも稼働させる技術に関する。
太陽電池と蓄電池とを組み合わせたシステムが集合住宅・戸建住宅、商業施設、事業所、工場等に設置されている。そのシステムは、交流電路によって商用電力系統に接続されている。当該システムにおける太陽電池と蓄電池とは、典型的には、各々の直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナーを介して交流接続される。太陽電池および蓄電池の各々のパワーコンディショナーは、商用電力系統との連系の下、並列運転される。なお、燃料電池を組み合わせたシステムもあり、その燃料電池のパワーコンディショナーも、同様に商用電力系統との連系の下、並列運転される。
一方、特許文献1や非特許文献1のシステムのように直流で接続される場合もある。特許文献1のシステムでは、太陽電池と蓄電池とが集電箱および制御盤を介して直流で接続され、蓄電池と設備とが制御盤およびパワーコンディショナーを介して交流で接続される。このシステムでは、太陽電池で発電された直流電力によって蓄電池に必要な充電量が確保されてから、制御盤を介して、蓄電池からの直流電力がパワーコンディショナーで交流電力に変換される。
この特許文献1のシステムでは、地震や台風災害等で商用電力系統が使用できない場合(停電時)であっても、設備に電力を供給可能とする目的に基づき、停電時に商用電力系統に代わる交流電力の供給手段としての自家発電機能を備えている。
その自家発電機能は、系統停電に伴う停電検知、またはパワーコンディショナーの単独運転を検出したことを示す指令に基づいて、電磁開閉器を開路するとともに、パワーコンディショナーを停止させてシステムを系統から解列させ、その直後に自立運転で起動するように制御をしている。
ところで、その受電端が商用電力系統に接続されるシステムは当該系統と連系運転されるが、系統が送電停止し、単独運転の状態となったときに、交流電路を通じて、受電端から外部へと逆送電されるのを防止するための保護機能を万全とすることが要求される。逆送電防止のため、太陽電池および蓄電池のパワーコンディショナーが、単独運転を検出すると発電動作や放電動作を自動的に停止する。それにより、太陽電池パネルは発電していても、設備への給電が停止してしまうので、給水ポンプやエレベータ等、ライフラインに直結する装置も使用できなくなる。
ここで、太陽電池や蓄電池に自立運転(スタンドアローン)モードが設けられていれば、このモードは単独運転が前提であるので、単独運転保護機能は動作しない。停電発生時には自立運転に手動で切り換え、設備に給電することはできる。そのとき使える自立運転運転回路や自立運転専用コンセントは、逆送電防止のために、商用電力系統に接続された配線とは縁が切られた専用配線に接続されており、給水ポンプ等の平常時に使用される配線は逆送電防止措置がとられていないので使用できない。
特開2010−178611号公報
株式会社GSユアサ 製品カタログ「蓄電池充放電制御対 ラインバックΣIII」
太陽電池と蓄電池とが直流で接続される非特許文献1では、停電に伴う自立運転の下、設備への給電を実現しており、設備側の需要電力を蓄電装置と太陽電池とで按分して供給している。つまり、太陽電池の発電量の不足分を蓄電池から給電するが、給電量は電圧の関数のため、そのバランスをとるのが難しい。このような直流接続方式では、太陽電池と蓄電池とを合わせる必要上、同メーカーによるセット販売品、別メーカーでは特注品に限られており、普及していない。したがって、機器の入手が容易で安価な汎用品である交流接続方式の太陽電池および蓄電池を保安電源として、停電時にも稼働する保安電源システムを実現したい。
しかし、商用電力系統に接続されるシステムは、その保護機能により、停電時には稼働を停止してしまう。そのため、近年の震災の経験を通じて、水の確保や物資運搬を行うために、停電時の給水ポンプやエレベータ使用のニーズが高まっているにもかかわらず、系統停電時に太陽電池と蓄電池とを交流電路で接続する交流接続方式の発電システムを稼働させることを試みた例すら無い。
以上のような課題に基づいて、本発明は、交流接続方式の保安電源を備え、停電時にも稼働できる保安電源システム、およびその制御方法を提供することを目的とする。
本件発明者らは、その汎用性に優れる交流接続のシステムにより、停電時の給電を実現したいと考え、それを検証するために、系統から解列された状態でシステムを稼働させる実験を計画した。
その実験では、商用電力系統に接続される受電設備、蓄電池および蓄電池の双方向パワーコンディショナー、太陽電池および太陽電池パワーコンディショナー、および保安設備(給水ポンプやエレベータ等)によってシステムを構成した。
そして、鋭意検討の末、太陽電池および蓄電池の各々のパワーコンディショナーが、単独運転を検出してもその動作を停止しないようにし、蓄電池パワーコンディショナーは系統停電を検出した時に連系運転から自動的に自立運転に切り替わるようにする一方で、逆送電防止措置を講じて系統側の感電防止や不具合回避を担保することによって、実験にこぎつけた。
その実験では、系統が停電すると、商用電力系統から解列されるために、電力を発電・給電する装置として太陽電池および蓄電池のみを含むこととなったシステムは蓄電池パワーコンディショナーが連系運転から自立運転に切り替わり、その蓄電池パワーコンディショナーに対して太陽電池パワーコンディショナーは連系運転をして保安設備の需要に合わせ給電を始めた。太陽電池の発電量が保安設備の消費電力より大きくなった場合に、余剰電力で蓄電池の充電を始めた。つまり、系統から解列された状態では、蓄電池パワーコンディショナーは系統解列を検出して自立運転に切り替わり放電状態になり、太陽電池パワーコンディショナーは連系運転のままとなる。
その保安設備の消費電力(kW)よりも太陽電池の出力(kW)が小さければ、蓄電池パワーコンディショナーから不足分電力を放電し、太陽電池の出力が大きければ、蓄電池パワーコンディショナーが充電運転になり余剰電力を吸収し、瞬時電力(kW)の需給バランスを自動的にコントロールできる。
運用制御としては、後述する実施形態でも述べるように、蓄電池の蓄電量が蓄電池容量の90%になると過充電防止のため太陽電池の発電を停止させ、蓄電池パワーコンディショナーのみから保安設備に給電を継続し、蓄電量が蓄電池容量の80%になったら太陽電池の発電を再開し、余剰電力で蓄電池を充電する。蓄電池パワーコンディショナー容量(kW)は、最大余剰電力が蓄電池の充電容量の1/2程度となるようにしておき、充電電力過大による過負荷停止を防止する。
ところで、停電時に商用電力系統に代わる電圧源として、発電機をシステムに付加すれば、パワーコンディショナーを並列運転させることはできるが、太陽電池の余剰電力が発電機に流れ込むので、その不具合を懸念して使用されていない。
系統停電時に発電機を電圧源にして、蓄電池や太陽電池のパワーコンディショナーと連系運転により並列運転するには、発電機容量をパワーコンディショナー容量の例えば5から10倍といった十分に大きいものにすれば、パワーコンディショナーの単独運転検出器が動作しないので、発電や放電を継続できる。しかし、発電機容量が小さくて、太陽電池や蓄電池のパワーコンディショナーが単独運転を検知するとパワーコンディショナーは運転停止(停電)してしまい、保安電源の機能を発揮できない。
このため、保安設備の最大需要電力以上の過大な発電機容量が必要となり、経済的負担が大きくなってしまう。
次に、電圧源を付加しなくても、蓄電池のパワーコンディショナー容量が太陽電池のパワーコンディショナー容量よりも圧倒的に大きく、商用電力系統に代われる程の大きな電気エネルギーを有するものであれば(大容量の発電機を用いる上記の場合と同様に、蓄電池パワーコンディショナーの容量が太陽電池パワーコンディショナー容量に対して十分に大きいとき)、電圧源として機能する蓄電池パワーコンディショナーに連系する太陽電池パワーコンディショナーの単独運転検出器が動作しない。このため、太陽電池のパワーコンディショナーは発電を続け、蓄電池パワーコンディショナーは放電を継続する。したがって、商用電力系統から解列されても並列運転できる。ただし、頻度の少ない系統停電時の電源確保のために高価な大容量の蓄電池とパワーコンディショナーを設置することは経済的でない。
上記実験で用いたシステムが、停電時用の発電機や大容量の蓄電池を備えていないにもかわらず、停電時に稼働できたのは、単独運転を検出しても、太陽電池パワーコンディショナーの動作を停止しないようにした上で、系統停電時に連系運転から自立運転に切り替える方式にしたためである。その要件を以下に挙げる。
(1)蓄電池パワーコンディショナーが系統停電を検出して連系運転から自立運転に切り替わり、電圧源として下流側に電圧を供給し続けた。
(2)蓄電池パワーコンディショナーが連系運転から自立運転に切り替わる時に約0.1秒の停電が生じ、この停電により太陽電池パワーコンディショナーは単独運転を検出するが、単独運転検知による発電停止が無効とされていると、連系運転中に電圧源がない状態で発電を継続する。
上記(2)は、再現実験で確かめられた。太陽光発電装置の発電は、寸断することなく、約100%〜50%の電圧を周期的に変動し、周波数は約120Hzであった。
つまり、蓄電池パワーコンディショナーの連系運転から自立運転に切り替わる数サイクルの間も交流電路の電圧が維持され、無停電で保安設備への給電を継続した。
したがって、停電時にシステムを稼働させるのに必要と考えられていたところのシステムとは別の大容量の電圧源装置は必要ない。停電時に電圧源となる電源装置の容量は、太陽電池の容量よりも小さくても足りる。
さらに、従来は、蓄電池パワーコンディショナーが自立運転し、電圧源であるとき、その蓄電池に他の電源から充電することはできないと考えられていた。つまり、電圧源は電圧を供給する。通常の電力回路において、電圧源は電流も流れ出ていることがほとんどであり、電圧源に電流を流入(=充電)させると電圧源としての機能が失われる、電圧源と充電可能なパワーコンディショナーは別々に設置して機能分担することが必要と思われていた。
しかしながら、上記実験において、双方向コンバータ(DC/AC変換兼用型)の蓄電池パワーコンディショナーを使用したところ、設備への給電に留まらず、太陽電池により発電された電力で蓄電池を充電することも実現できたのである。
ここで、太陽電池パワーコンディショナーの連系運転時は日射による発電量の全量を連系系統に押し出す特性(回転型の発電機の回転数制御のガバナー特性に相当し、発電能力の目一杯を発電する)のために、太陽電池による発電電力が大きくて、設備の需要電力を上回ると、その余剰電力が、蓄電池側に流れ込んで充電される。一方、太陽電池の発電量を全量使っても保安設備の需要を賄えなければ、太陽電池パワーコンディショナーの押し出す力が蓄電池に働かず、成り行きで蓄電池から不足分が放電となる。
上記に示したような本発明者らの実験およびその考察に基づいてなされた本発明の保安電源システムは、その受電側が系統と接続される交流電路と、系統の停電時における交流電路を通じた逆送電を防止する逆送電防止装置と、交流電路において、自然エネルギーにより発電する自然エネルギー発電装置、およびそれよりも上流に位置する電源装置を有するとともに、系統に連系運転される保安電源と、を備えている。そして、本発明は、系統の停電時、電源装置が自立運転し、自然エネルギー発電装置が電源装置に交流にて連系運転され、保安電源よりも下流に位置する保安設備に給電することを特徴とする。
本発明の保安電源システムは、系統が停電しても、例えば受電設備側で逆送電防止措置がとられつつ、自立運転する電源装置が交流の電圧源に置き換わるとともに、その電源装置に対して自然エネルギー発電装置を並列運転させることができる。これにより、系統の停電時にも自然エネルギー発電装置のパワーコンディショナーが稼働し、保安設備に給電できる。このような本発明によれば、その汎用性に魅力のある交流接続方式を採用しながら、停電時であっても、保安設備には平常時に使用されるのと同じ配線を通じて給電され、稼働できる。
ここで、電圧源の置き換えは瞬時に行われるので、停電発生前後に亘って保安設備の停電を伴わないで連続使用できる。
その上、電源装置と自然エネルギー発電装置とが並列運転されることで、電源装置と自然エネルギー発電装置とが結合した大容量の保安電源を実現できる。
このため、保安設備の最大需要電力が電源装置あるいは自然エネルギー発電装置の単機容量以下となるように、保安設備に含まれる複数の機器を分割してグルーピングしなくても済むので、複数回線の配線作業、それに伴うコスト増加を避けられる。このように分割グルーピングされることなく、保安設備に含まれる各機器が並列接続されることで、設備容量に対する最大需要電力の比率として表される需要率に基づいて、保安電源の総容量を小さく抑えられる。
本発明における自然エネルギー発電装置としては、太陽光を始めとする自然エネルギーを用いる発電装置を広く利用できる。
本発明における自然エネルギーとは、絶えず補充され、あるいは利用される以上の速度で再生されるために枯渇することのない、自然環境から取り出せるエネルギーをいうものとする。これは再生可能エネルギーと呼ばれることもあり、例えば、風力、水力、潮力、波力、地熱などをいう。
また、本発明における「電源装置」としては、蓄電池を含む装置(システムを含む。以下同じ)、燃料電池を含む装置や、エンジン発電機を含む装置などを例示できる。
ここで、本発明における「電源装置」は、次の2つの要件を備えているものを言う。
(1)系統停電時に電圧源となり得ること。
(2)系統停電時に、発電するあるいは放電するエネルギー源を貯蔵、もしくは継続的に供給することが担保されている。
電源装置の実例としては、蓄電池と自立型直流交流変換器を有するものや、燃料タンクを有するか系統停電時にも燃料供給が確保されている燃料電池やエンジン発電機等が挙げられる。
本発明の保安電源システムでは、自然エネルギー発電装置のうち、連系運転するものが系統の停電発生により単独運転が検出された際に停止する機能を有するとき、その機能が無効化されている。
上述したように、自然エネルギー発電装置のパワーコンディショナーの容量に対して、停電時に電圧源となる電源装置のパワーコンディショナーの容量を十分に大きくすれば、保安電源が停電時にも放電あるいは発電することができるものの、電源装置のパワーコンディショナーの容量が過大となる。
これに対して、系統停電時の逆送電防止手段を別途設けた上で、単独運転検出時の停止機能(保護機能)を無効化し、単独運転検出器の不要動作を回避させる措置をとることにより、電源装置のパワーコンディショナーの容量を保安設備の最大電流以下の小容量にできるので、交流接続方式の保安電源システムを停電時にも容易に稼働することができる。
本発明の保安電源システムにおいては、電源装置は、直流電力を蓄える蓄電池、および直流電力と交流電力とを双方向に変換する直流交流変換装置を有する蓄電装置とされることが好ましい。
この発明によれば、系統の停電時、保安設備への給電とともに、自然エネルギー発電装置から蓄電池への充電も行える。
したがって、自然エネルギー発電装置の出力が高いときは余剰電力を蓄電池に充電するとともに、出力が低いときは不足電力分を蓄電池から放電して保安設備に給電するというように、充放電を繰り返すことによって、災害等のために停電が長期に亘っても、保安設備への給電を維持することができる。
ここで、蓄電装置が有する双方向の「直流交流変換装置」は、自立運転でき、交流電力と直流電力とを双方向(充電/放電)に変換する機能を備えている限り、具体的な機器構成を問わずに任意に構成できる。例えば、交流電力を直流電力に変換するAC/DC変換器(パワーコンディショナも含む)と、直流電力から交流電力に変換するDC/AC変換器(パワーコンディショナも含む)とを組み合わせて構成することもできる。勿論、双方向に変換可能な一つの機器で構成することもできる。
なお、自然エネルギー発電装置は、発電した直流電力を交流電力に変換する変換装置を有していれば足りる。
本発明の保安電源システムは、燃料をタンク等に貯め、蓄電池と同様に系統停電時に自立運転で給電できる双方向性のパワーコンディショナーが接続された燃料電池あるいはエンジン発電機を備えて構成することもできる。
本発明の保安電源システムにおいて、逆送電防止装置は、系統への逆送電状態、あるいはその恐れがあることを検出する逆送電状態検出装置と、逆送電検出装置による検出結果に基づいて、逆送電を防止するために保安電源の上流で交流電路を開路するためのスイッチと、を有するように構成する。
そうすると、逆送電状態検出装置により検出される不足電力や逆潮流等の逆送電状態に基づいて逆送電防止スイッチを開放することで、系統から発電(放電)機能を持つ保安電源を切り離せるので、逆送電防止措置をより確実に行える。
なお、「逆送電状態」は、系統が停電したときに、太陽電池や蓄電池等から系統に電力が流れ出す状態あるいは流れ出すおそれがある状態を言う。
本発明の保安電源システムでは、蓄電池等の電源装置、および自然エネルギー発電装置の直流交流変換装置の単独運転検出時の停止機能は無効としておく。このようにすると、系統停電時に、蓄電池、太陽電池等の保安電源より保安設備に給電することができる。
また、保安電源にエンジン発電機を含む場合は、そのエンジン発電機は、系統の停電発生時に始動される。始動完了後、エンジン発電機を交流電圧源とすることができる。
そうすると、停電発生からエンジン発電機の始動完了までは蓄電池等の電源装置の自立運転によって自然エネルギー発電装置の発電量の不足分を給電し、エンジン始動完了後は、エンジン発電機によって給電することができる。これにより、停電発生時からエンジン発電機始動完了までの給電停止を回避しながら、設備費が安価で高出力が得られ長時間運転に適するエンジン発電機を保安電源として活用できる。
小型エンジン発電機は、同期投入機能や連系運転機能を持たないため、電源装置の上流側に位置し、電圧源として、蓄電池等をエンジン発電機に並列連系運転させる。
蓄電装置を電圧源とし、自立運転させる場合、その蓄電装置に対しては外部信号により充放電および充放電量の制御を行うことができない。しかし、エンジン発電機をシステムに導入して電圧源とすれば、それに蓄電装置を連系運転させることができるので、制御装置の制御信号により、蓄電池の充放電および充放電量の制御が可能となる。外部制御信号により蓄電池の充放電をより効率的に、長時間放電できるように制御することが可能となる。
本発明の保安電源システムは、保安電源よりも上流に一般設備を備え、逆送電状態検出装置は、受電端と一般設備との間に設けられるとともに逆電力継電器および不足電力継電器を有し、逆送電防止装置のスイッチは、一般設備と保安電源との間に設けられることが好ましい。
このようにすれば、停電時に開放されるスイッチの上流に一般設備が位置するため、系統の復電時に一般設備による電力消費が再開されるのに伴って受電状態検出装置(逆送電状態検出装置)の不足電力継電器が確実に復帰し、これに基づいて逆送電防止装置のスイッチをオンとすることができる。これにより、電源装置および自然エネルギー発電装置が系統に連系する平常時の運転に自動的に復帰することができる。
本発明の保安電源システムの制御方法においては、電源装置は、蓄電池を有する蓄電装置とされ、自然エネルギー発電装置は、太陽光により発電する太陽電池を有する太陽光発電装置とされ、系統の停電時において、蓄電池の残量が所定量よりも少ないとき、あるいは、予め決められた夕方時刻になると、保安設備の一部または全部への給電を停止する給電停止ステップと、太陽電池の発電電力が所定量を超えるとき、あるいは、太陽電池の発電電力に基づいて決められる朝方時刻になると、保安設備への給電を再開する給電再開ステップと、を含むことが好ましい。
このようにすると、日の出後、保安電源への給電が再開される前に、太陽電池による発電電力の全量が蓄電池に充電されるので、蓄電池の蓄電量をより早期に確保できる。
本発明の保安電源システムの制御方法においては、保安電源には、交流電圧源として、系統の停電時には自立運転する親の蓄電装置と、親の蓄電装置よりも下流に位置するとともに、系統の停電時には親の蓄電装置に連系運転する子の蓄電装置と、が含まれ、保安電源から保安設備を切り離すことで保安電源を無負荷とするとき、あるいは保安設備のエレベータ等が深夜で休止し、消費電力が減少するときなどの保安電源の負荷減少時には、電源保持を優先し、子の蓄電装置の動作を停止させることが好ましい。
このように、大電力供給時には複数の蓄電装置に保安設備の消費電力を分担させた上で、負荷減少時には親の蓄電池容量のみで給電可能な場合には子の蓄電装置の動作を停止させることにより、蓄電装置の自己消費を抑制することができる。保安設備のエレベータや空調機器等は、無負荷休止や、軽負荷運転の時間が長い。蓄電池の冷却ファンやパワーコンディショナーの絶縁変圧器等の無負荷損が定常的に消費する電力量が相対的に大きい。そのため、子の蓄電装置を停止することにより、自己消費電力を減少させることができるためである。
以上により、複数の蓄電装置の合計の自己消費電力は、1つの蓄電装置で必要容量を構成した場合に比べその蓄電装置の自己消費電力よりも抑えられる。これにより、蓄電池残量を温存することができる。
ところで、系統停電時において電圧源が連系運転から自立運転に切り替わる間に、保安設備への給電が停止する時間(約1秒間)がある。その瞬間的な停電を回避するため、保安電源システムは、前記電圧源に並列運転する単独運転保護を無効とした太陽電池装置および燃料電池装置の少なくとも一方を備えることが好ましい。
このように単独運転を無効とした太陽光発電装置が接続してあると、系統電源が停電して、電圧源が消失しても、太陽電池が連系運転を継続する。その結果、瞬間停電が発生しない無停電切替を実現できる。
本発明の保安電源システムおよびその制御方法は、交流で接続される自然エネルギー発電装置と電源装置とを並列運転させることで、それらを保安電源として停電時にも稼働できる。
第1実施形態に係る保安電源システムの概略構成図である。 第1実施形態に係る保安電源システムの結線図である。 停電時の制御手順を示す図である。 停電時の日中の需給調整の手順を示す図である。 第2実施形態に係る保安電源システムの結線図である。 停電時の制御手順を示す図である。 第3実施形態に係る保安電源システムの結線図である。 停電時の制御手順を示す図である。 第4実施形態に係る保安電源システムの結線図である。 第5実施形態に係る保安電源システムの結線図である。
以下、添付図面に示す実施形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
以降の説明において、既に説明した構成と同様の構成については、同じ符号を付し、その説明を省略または簡略する。
〔第1実施形態〕
マンション、スーパーマーケット、オフィスビルディング、工場等に設置される保安電源システム1は、図1および図2に示すように、商用電力系統100の高電圧配電線に接続される受電設備11と、蓄電池12を有する蓄電装置120と、太陽電池13を有する太陽光発電装置130と、受電設備11を受電端として、そこから各々の装置および設備に交流電力を給電する交流電路17とを備え、停電時にも給電を維持させたい保安設備14と、その他の一般設備15に接続されている。
この保安電源システム1は、蓄電装置120および太陽光発電装置130を保安電源Eとして、平常時および停電時に後述するように動作する。保安電源システム1は、保安設備14の需要電力に合わせて、蓄電装置120および太陽光発電装置130からの電力運用を制御する保安電源制御装置18も備えている。
なお、以下の説明において、保安電源システム1のことを単にシステム、商用電力系統のことを単に系統と言うことがある。保安電源システム1は、図1における商用電力系統100以外の全体に相当し、図2では一点鎖線で囲んだ範囲に相当する。第2実施形態以降でも同様である。
受電設備11は、断路器、遮断器、変圧器、測定機器、コンデンサ、および保護継電器等を備えており、連系する商用電力系統100の電圧階級(低圧、高圧、特別高圧)等によって回路・機器の構成が異なる。
本実施形態の受電設備11の前段には、電力会社との取引用計器としての電力需給用計器用変成器(Voltage Current Transformers;VCT)111と、その下流に配置される断路器(Disconnecting Switch;DS)112が設けられ、それ以降が受電設備である。
受電設備11は、保護継電器として、過電流継電器(Over Current Relay;OCR)115、逆潮流継電器(Reverse Power Re1ay;RPR)116、不足電力継電器(Under Power Relay;UPR)117、交流不足電圧継電器(Undervoltage Relays;UVR)118、および自動力率調整器(Automatic Power Factor Controller;APFC)119を備えている。113は、真空遮断器(Vacuum Circuit Breaker;VCB)である。
蓄電装置120は、蓄電池12と、蓄電池12の充放電のため、直流電力と交流電力とを双方向に変換する蓄電池パワーコンディショナー12Pとを備えている。
蓄電池12は、本実施形態ではリチウム・イオン蓄電池とされているが、鉛蓄電池等も用いることができる。蓄電池12は、図示を省略するが、残蓄電量を測定するセンサを内蔵しており、その測定値に基づいて、定格蓄電容量に対する残蓄電量の比率を示すSOC(State Of Charge)の値を保安電源制御装置18に送信する。
蓄電池パワーコンディショナー12Pは、双方向インバータ、絶縁変圧器等を内蔵しており、電磁接触器MCb12を介して交流電路17の交流電路(低圧)17Aに接続される。蓄電池パワーコンディショナー12Pの交流電路17Aへの接続点の前段には、電磁接触器MCb11が設けられている。蓄電池パワーコンディショナー12Pの平常時の制御用電源は商用電力系統100である。停電時には蓄電池パワーコンディショナー12Pによる変換後の交流電源がバックアップ電源となる。
この蓄電池パワーコンディショナー12Pは、蓄電池12から取り出された直流電力を交流電力に変換して放電する、あるいは、商用電力系統100や太陽光発電装置130から受け取った交流電力を直流電力に変換して蓄電池12に充電する。
商用電力系統100との連系運転時、蓄電池パワーコンディショナー12Pは、保安電源制御装置18により発せられる指令に応じて蓄電池12の充放電、および充放電量を制御する。
ここで、蓄電池パワーコンディショナー12Pは、連系運転時、商用電力系統100の停電に伴う単独運転を検出すると単独運転検出信号を生成する。しかし、その単独運転検出信号がマスクされるために、単独運転検出信号が生成されたときに動作を停止する標準機能が無効化されている。
単独運転検出信号に基づいて、あるいは保安電源制御装置18のRPR116、UPR117、UVR118の動作信号により、蓄電池パワーコンディショナー12Pは自動的に連系運転から自立運転に切り替わる。それと同時に、逆送電防止のため、電磁接触器MC3およびMC4を開放する。太陽電池パワーコンディショナー13Pと蓄電池パワーコンディショナー12Pとが並列接続されていると、相互干渉により単独運転を検知しない場合がある。このため、受電設備11側にUPR117、RPR116等の保護継電器を設けることにより、逆送電を検出するとともに、逆送電防止のため電磁接触器MC3,MC4を開放している。これは、停電に伴って連系電圧が「0」となることにより、交流電路17を通じた逆送電が生じうるので、感電や、隣接需要家への所定電圧よりも低い電圧での給電を防止するため、蓄電池パワーコンディショナー12Pの動作を停止させる、あるいは電磁接触器MC3,MC4を開放することで逆送電防止を図っている。これによって、商用電力系統100側の安全性を確保している。
また、蓄電池パワーコンディショナー12Pは、自立運転モードを有している。蓄電池パワーコンディショナー12Pは,系統100の停電を交流電路17Aの停電で検出すると、内蔵する制御機能によって運転モードが連系運転から自立運転に自動的に切り替わるとともに、商用電力系統100の復電時には、交流電路17Aの復電を検知すると運転モードが自立運転から連系運転に切り替わるように構成されている。
なお、単独運転検出は、いくつか知られている公知の手法により行える。例えば、インバータの出力電圧の周波数を周期的に変化させ、その結果、周波数の変動が有れば、それに基づいて単独運転を検出できる。交流電路17の周波数は、例えば蓄電装置120の一次側にて検出する。商用電力系統100のエネルギーは非常に大きいため、インバータが商用電力系統100に連系されているときは、周波数を変化させても周波数は同じままで変化しないが、停電により単独運転となると、インバータの出力周波数の変動に対応した周波数変化が発生する。したがって、その周波数の周期的変化を監視することにより単独運転を検出できる。
蓄電装置120の蓄電池12の出力(W)および容量(Wh)は、保安設備14の最大需要電力と、太陽電池13の出力とに基づいて適切に設計されている。保安設備14が電動機を含む場合の最大需要電力の想定は、起動電流が定格電流の2〜6倍になることを考慮する。蓄電池12の容量は、少なくとも、保安設備14の夜間使用電力量以上を確保することが望ましい。
本実施形態では、蓄電池12の容量が60kWh、蓄電池パワーコンディショナー12Pの定格出力が30kWとされている。これらの容量、出力は、停電時に給電する保安設備14の最大電力、稼働率などに応じて、適宜設計して決められる。
太陽光発電装置130は、太陽電池13と、太陽電池13により発電された直流電力を交流電力に変換するとともに、系統100あるいは蓄電池パワーコンディショナー12Pに並列接続される太陽電池パワーコンディショナー13Pとを備えている。
太陽電池13は、多数の発電セルを有している。太陽電池13としては、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型、非晶質シリコン型、および化合物型(例えば、銅、インジウム、セレン、およびガリウム)等、種々のものを用いることができる。
太陽電池パワーコンディショナー13Pは、太陽電池13に接続される接続箱、インバータ等を有しており、電磁接触器MCpおよび配線用遮断器(Molded Case Circuit Breaker;MCCB)を介して交流電路17A(低圧)および交流電路17(高圧)に接続される。太陽電池パワーコンディショナー13Pの制御用電源は太陽電池13および商用電力系統100である。
電磁接触器MCpの前段には電力計Wpが設けられている。この電力計Wpによって太陽光発電装置130による発電量が測定される。以下の説明では、電力計Wpにより測定される値をWpと称することがある。電力計W5,W6についても同様である。
この太陽電池パワーコンディショナー13Pは、系統100あるいは蓄電池パワーコンディショナー12Pと並列接続されている。交流電路17の交流電路17Aにおける太陽電池パワーコンディショナー13Pの接続点は、蓄電池パワーコンディショナー12Pよりも下流に設けられている。
このような太陽電池パワーコンディショナー13Pも、蓄電池パワーコンディショナー12Pと同様に、単独運転を検出すると単独運転検出信号を発生し、その単独運転検出信号に基づいて自動的に発電を停止する機能を標準装備としているが、この単独運転検出信号をマスクする処理等が施されることにより、単独運転検出による自動停止機能は無効化されている。
本実施形態では、太陽電池13の出力が40kW、太陽電池パワーコンディショナー13Pの定格出力が40kWとされている。これらは、設置可能面積および採算性などに応じて適宜決められる。非停電である平常時、蓄電装置120の出力の需給調整は、保安電源制御装置18が蓄電池のSOCと太陽光による発電量などから適宜判断してアナログ制御信号を蓄電装置120に出し、パワーコンディショナー12Pが制御されることで行われる。
保安設備14は、上記の蓄電装置120および太陽光発電装置130よりも下流に設けられており、停電時に、蓄電装置120や太陽光発電装置130から給電される。
この保安設備14は、保安電源システム1が設置される施設において、停電時に動作させる必要性が一般設備15よりも高い設備とされている。マンションの例で言えば、保安設備14は、エレベータ、給水加圧ポンプ、集会室の照明・コンセント等である。スーパーマーケットでは冷蔵庫・冷凍庫、ショーケース、レジスター等であり、オフィスビルティングではパーソナルコンピュータのサーバーの電源装置やエレベータ等である。
このような保安設備14は、保安動力設備141および保安電灯設備142の2つに区分されている。ここでは、保安動力設備141は、電動機を内蔵するエレベータおよび給水加圧ポンプ等の動力設備とされている。そして、保安電灯設備142は、エレベータ篭内照明、セキュリティ装置の電源、集会室の電灯・コンセントとされている。
そして、保安動力設備141の前段に設けられる電磁接触器MC5と、保安電灯設備142の前段に設けられる電磁接触器MC6とのオンオフに応じて、給電対象が、保安動力設備141および保安電灯設備142のいずれか一方、または両方に切り替えられる。このように、停電時の稼働の必要性、重要性により、保安設備14を二段階に区分して、限りある蓄電エネルギーを有効に活用する。
電磁接触器MC5の前段には電力計W5が設けられている。
また、電磁接触器MC6の前段には電力計W6が設けられている。保安設備14全体の需要電力は、これらの電力計W5,W6が示す値の合計となる。後述するように、電磁接触器MC5,MC6は、蓄電池12のSOCが低下したときに保安電源制御装置18により選択的に開閉される(給電停止ステップS21)。
上記の保安設備14以外の設備が、停電時には給電されない一般設備15とされている。一般設備15は、蓄電装置120よりも上流に設けられる。停電時に給電する対象が稼働の必要性の高い保安設備14に絞られることにより、停電時の給電可能時間が長くなる。
本実施形態では、一般設備15も、一般動力設備151および一般電灯設備152の2つに区分されている。マンションの例で言えば、一般動力設備151は、湧水排水ポンプや空調機器等に用いられる共用部動力装置等であり、一般電灯設備152は、各戸や共用部の電灯・コンセント等である。なお、エレベータが複数ある場合には、それらの一部を保安動力設備141とし、残りを一般動力設備151とすることもできる。
これら設備の必要性、重要性は、建物使用者(需要家)の使用目的で変化する。このため、保安設備14の設計時に、停電順位(重要性が低いものほど上位とし、早い時期に給電を打ち切る)に基づいてプログラム化することが望ましい。
交流電路17に接続される負荷の力率が小さいとき、同一の使用電力に対して電流が増大するので電力損失が増加する。この電力損失を抑制するために、交流電路17には力率を改善する2つの進相コンデンサ171が設けられている。進相コンデンサ171の数は任意である。
保安電源制御装置18(図1)は、平常時および停電時に、蓄電装置120の充放電制御、太陽光発電装置130の動作制御、および保安設備14への給電制御を担う。図示しない自動力率調整装置による制御により、受電端の力率が1.0(100%)に近づくように、進相コンデンサ171を自動で入り切りしている。
この保安電源制御装置18は、プログラマブルコントローラ(Programmable Logic Controller;PLC、シーケンサ)またはマイクロコンピュータと、入出力カード、アナログカード、電力計カード等が組み合わせられて構成されている。
保安電源制御装置18の平常時の制御用電源は交流電路17Aを通じて商用電力系統100である。停電時には蓄電装置120の交流出力(保安設備14への給電側)がバックアップ電源となる。
このような保安電源制御装置18は、独立した装置である必要はなく、同じ機能を受電設備11、蓄電池パワーコンディショナー12P、および太陽電池パワーコンディショナー13Pなどに組み込み、省スペース化、コスト削減をすることもできる。
また、保安電源制御装置18は、交流電路17を通じた逆送電を防止する逆送電防止装置の制御部も兼ねている。
その逆送電防止装置は、受電設備11のRPR116、UPR117、およびUVR118により構成される逆送電状態検出装置19と、系統100の停電と系統100側への送電(=逆送電)の検出状態に基づいて開閉される電磁接触器MC3,MC4を有している。
逆送電状態検出装置19は、系統100の停電検出のために実用的に設けられるUVR118に加えて、上述したようにRPR116およびUPR117をも含んでいる。
ここで、RPR116は、逆送電(=逆潮流)が生じると動作する。UPR117は、逆送電が発生する直前に受電電力が減少しゼロに近づいたときに動作する。このため、RPR116が故障した場合のバックアップ用としてUPR117を設定している。また、UVR118は、買電電圧が基準値に不足すると動作する。
なお、UPR117およびUVR118は、普段生じうる若干の送電量変動は許容するように各々の基準値が設定されている。
電磁接触器MC3,MC4は、一般設備15と蓄電装置120との間に設けられており、その開閉に応じて交流電路17Aが開路、閉路される。
これらの電磁接触器MC3,MC4は、後述するように、商用電力系統100の停電時に交流電路17Aを開路して、蓄電池12や太陽電池13から商用電力系統100側への逆送電を防止するのに用いられる。このとき、一方が故障しても他方が動作することで開路を確実に行えるように、2つの電磁接触器MC3,MC4が直列で設けられている。
商用電力系統100が停電したときの直前の条件が、蓄電池12の放電量と太陽電池13の発電量よりも保安設備14と一般設備15の使用電力量が小さい場合は、受電設備11の電圧は、電圧の下がり方が小さく、UVR118は動作しない場合がある。一方、蓄電池12の放電量と太陽電池13の発電量よりも保安設備14と一般設備15の使用電力量が大きい場合は受電設備11の電圧が下がり、UVR118は動作する。
保安電源制御装置18は、RPR116、UPR117およびUVR118により系統停電または逆送電が検出されると、電磁接触器MC3,MC4を開放(オフ)する。電磁接触器MC3,MC4が開放されると、電磁接触器MC3,MC4よりも下流に位置する蓄電装置120および太陽光発電装置130は、商用電力系統100から切り離される。
本実施形態によれば、3つの保護継電器(RPR116、UPR117、およびUVR118)を備えるために、そのうち例えばUVR118が動作しなくても、他の保護継電器によって逆送電を検知し、それによって電磁接触器MC3,MC4を開放することで交流電路17を開路できるので、商用電力系統100への逆送電防止を万全にできる。
電磁接触器MC3,MC4が開放されると、保安電源システム1は、蓄電装置120から保安設備14までの範囲で稼働する。つまり、保安電源システム1は、蓄電装置120および太陽光発電装置130によって構成される保安電源Eから保安設備14に給電し、電磁接触器MC3,MC4よりも上流の一般設備15には給電しない。
本実施形態では、上記のように逆送電防止装置の制御の一部が保安電源制御装置18に統合されているが、逆送電防止装置は保安電源制御装置18とは独立して設けられていてもよいし、あるいは、受電設備11、蓄電池パワーコンディショナー12P、および太陽電池パワーコンディショナー13Pなどに組み込むこともできる。
パワーコンディショナー12P(あるいは13P)に逆送電防止装置を組み込む場合、上述のようにRPR116、UPR117、およびUVR118により系統の停電あるいは事故の恐れを検出する代わりに、パワーコンディショナー12P(あるいは13P)による単独運転検出信号の生成に基づいて電磁接触器MC3,MC4を開放することもできる。
つまり、逆送電防止装置は、RPR116、UPR117、およびUVR118を必須の構成とはしておらず、任意に構成できる。
但し、太陽光発電装置130の発電力を売電する場合には、RPR116、UPR117で、逆送電と売電を区別できないので、単独運転検出による停止機能を用いる。
以上説明した構成の保安電源システム1の作用について説明する。
〔平常時〕
商用電力系統100による送電が停止していない平常時には、保安電源システム1は、商用電力系統100と連系しており、商用電力系統100を電源として、システムの各部が動作することにより、システム全体が稼働している。
このとき、電磁接触器MC3,MC4はいずれも閉じていて(オン)、交流電路17Aは受電設備11から、一般設備15,蓄電装置120、太陽光発電装置130を経て保安設備14まで繋がっている。
また、電磁接触器MC5,MC6も閉じているので、平常時には、保安設備14および一般設備15の全てが交流電路17に接続されている。それらの需要電力、および太陽光発電装置130による発電電力に基づいて、商用電力系統100が需給調整を行う。
本実施形態では、平常時、後述する実施形態で述べるのと同様に買電電力のピークカットおよびピークシフトを行うため、蓄電装置120から放電することにより一般設備15および保安設備14への給電を行う。さらに、停電に備えて、商用電力系統100から蓄電池12を充電しておく。なお、平常時、ピークカットやピークシフトを行わない場合は、蓄電装置120から一般設備15および保安設備14への給電を行わなくても良い。
蓄電池12の残量は、需要電力ピーク時に蓄電装置120から放電する電力や蓄電装置120の自己消費(蓄電池容量に依存)によって次第に低下するので、その分を補充するために、保安電源制御装置18による指令に基づいて蓄電池12に充電される。この補充電は、電気料金の安い夜間に行うことが好ましい。この充電の際、保安電源制御装置18はSOCを監視し、SOCが90%以上になると、蓄電装置120に充電停止(充電電力0のアナログ指令)を出す。
日中に太陽電池の余剰電力や逆潮流防止のために太陽電池から充電している場合は安全のため電磁接触器MCb12またはMCpを開放することによって過充電を防止する。なお、商用電力系統100の停電時は、電圧源を維持するため、後述するように、太陽電池の電磁接触器MCpを開放する。保安電源制御装置18による指令により、蓄電池12の残量は、SOCが40〜90%の範囲で充放電制御される。
また、太陽電池パワーコンディショナー13Pは、太陽電池13を効率良く動作させるために、太陽電池13または太陽電池パワーコンディショナー13Pの出力を監視し、最大電力点追従制御(Maximum Power Point Tracking;MPPT)を行う。太陽光が減少し、監視している出力が所定以下になると、自己判断して太陽光発電装置130を停止させる。
〔停電発生時〕
商用電力系統100による送電が停止すると(図3のS1)、受電状態を検出する逆送電状態検出装置19のUPR117、UVR118、およびRPR116のいずれか一つ、あるいは複数が動作する。例えば、商用電力系統100から送電される電力が不足するとUPR117が動作するのに続いて、商用電力系統100への逆潮流発生によりRPR116が動作する。ここで、停電発生時の一般設備15と保安設備14の消費電力が小さいときには、UVR118は動作しない場合があるが、その場合でも、上記のようにUPR117、RPR116の少なくともいずれかが動作するのに基づいて、保安電源制御装置18は、系統に停電が発生したと判断できる。系統100が停電の状態でシステムをそのまま稼働させると、交流電路17を通じた逆送電が生じうるし、RPR116が動作したときは現に逆送電が生じている。そのため、保安電源制御装置18は、安全のため、即刻、電磁接触器MC3,MC4を開放してシステムを商用電力系統100から切り離すことで(解列)、逆送電防止の措置をとる(図3のS2)。このとき、一般設備15と蓄電装置120との間で切り離されるので、保安電源システム1において、受電設備11,および一般設備15を除いた蓄電装置120、太陽光発電装置130が停電体制に切り換わり、保安設備14に給電される。
電磁接触器MC3,MC4が開放されると、蓄電池パワーコンディショナー12Pの一次側(上流側)が停電となるので、蓄電池パワーコンディショナー12Pは停電を検出し、自立運転に自動で切り替わる(図3のS3)。この切り替わりのときに約0.1秒の瞬間的な停電が生じる。この停電によって太陽光発電装置130は単独運転を検出するが、太陽電池パワーコンディショナー13Pの単独運転検知による発電停止が無効とされているために、太陽光発電装置130は、電圧源不在の状態でも動作を停止することなく、発電を継続する。
つまり、蓄電池パワーコンディショナー12Pが連系運転から自立運転に切り替わる数サイクルの間も、太陽光発電装置130の発電によって電圧が維持されるので、瞬間停電を生じること無く無停電で、保安設備14への給電が継続される。
蓄電池パワーコンディショナー12Pが自立運転に切り替わると、解列により交流電路17Aにおいて最上流となった蓄電池パワーコンディショナーから下流に向けて給電され、蓄電池パワーコンディショナーは、商用電力系統100に代わり電圧源(交流電圧源)となる。そして、太陽電池パワーコンディショナー13Pは、蓄電池パワーコンディショナー12Pに対して連系運転する。
以上により、太陽光発電装置130が発電を継続するから、従来は利用できなかった停電中における太陽電池13の発電電力を保安電源として有効に利用できる。
このような蓄電装置120および太陽光発電装置130を停電時の保安電源として、保安電源システム1は、上記のように無停電で給電を継続するので、保安設備14への給電は途切れない。したがって、運転中のエレベータは途中階で停止せずに目的階に到着し、給水加圧ポンプも連続運転できる。また、レジスターやコンピュータ等がシャットダウンしないので、編集中等、アクセス中のデータを失わない。
〔停電中〕
保安電源制御装置18は、逆送電状態検出装置19による検出を通じて、停電が継続していることを検知する。
商用電力系統100の停電中における制御について、図3に示す例に基づいて説明する。
朝から夕方前の日中は、保安設備14の需要電力と太陽電池13の発電電力との過不足が、蓄電池12の充放電によって調整される(S10)。具体的には、図4に示すように、太陽電池13の発電電力が保安設備14の需要電力よりも多ければ(S11でY)、余剰電力が蓄電池12に充電される(S12)。逆に、太陽電池13の発電電力が保安設備14の需要電力よりも少なければ(S11でN)、不足分が蓄電池12から放電される(S13)。
さらに、需給調整S10は、SOCを監視しながら行われる。
保安電源制御装置18は蓄電池12のSOCが90%を超えたら(S14でY)、過充電による蓄電池12の性能劣化を避けるために、電磁接触器MCpをオフとすることで太陽光発電装置130を停止させる(S15)。すると、蓄電装置120は充電から放電に切り替わり、このとき唯一の電源である蓄電装置120が放電する電力が保安設備14に供給される(S16)。
それによってSOCが80%を下回れば(S17でY)、電磁接触器MCpを再投入(オン)して太陽光発電装置130を起動する(S18)。これにより、太陽電池13による発電電力を保安設備14に供給しながら、余剰の発電電力が生じれば蓄電池12に充電する。
図3に戻り、説明を続ける。太陽電池13の発電電力は昼をピークに下降線を描く。夕刻になり、太陽電池13の発電電力が所定出力を下回ると、電磁接触器MCpを開放し、太陽光発電装置130を停止させる(S20)。
その後、蓄電装置120からの放電が続き、SOCが次第に低下する。太陽電池13の発電量が少ない雨天や曇天時には、相対的に蓄電池12の放電量が多くなり、SOCの低下が加速される。
ここで、蓄電池12が十分に充電されていれば、蓄電池12の放電によって夜間の需要電力を賄うことができ、また、充電された電力を翌日に繰り越すこともできる。
しかし、雨天や曇天であったり、晴天でも大きな需要電力が要求されるときには、蓄電池12の残量が少ないため、蓄電池12からの放電電力によって夜間の需要電力を賄うサイクルを続けることが難しくなる。
このように残量の少ない状態を放置し、保安設備14への給電と、蓄電装置120の自己消費により、蓄電池12の残量を使い果たしたとする。そうすると、システムは電圧源を失って稼働を停止し、太陽電池13からの給電も断たれてしまう。このように系統停電中にシステムに停電が生じると、何らかの電圧源(自立運転)から給電しない限り、システムを復旧させることは困難である。停電時に、太陽電池パワーコンディショナー13Pを自立運転に切り替えて、その発電出力を蓄電池パワーコンディショナー12Pの1次側に給電して、蓄電装置120を復旧させることが可能であるが、それは日中の晴天時に限られる。
電圧源が無ければ、蓄電装置120と太陽光発電装置130とを各々自立運転させることはできたとしても、それらがいずれも電圧波形の位相調整機能を備えていない以上、システムとして、それらを並列運転するための同期投入装置を備えていないために、蓄電装置120と太陽光発電装置130とを並列運転させることができない。したがって、システムが一旦停止してしまえば、太陽電池13による発電電力の余剰分を蓄電池12に充電することはできないから、その後に到来しうる晴天時に蓄電池12の残量を挽回することも望めないのである。つまり、システムの運転を停止させないことこそ重要である。
そこで、本実施形態では、蓄電池12の残量(SOC)が所定出力(ここでは定格出力の40%)を下回ったときには、電磁接触器MC5,MC6の開閉により、保安動力設備141および保安電灯設備142の一方あるいは両方を選択的に蓄電装置120から切り離す(給電停止ステップS21)。このように電力消費量を減らした状態で蓄電装置120の自立運転を継続させた上で、蓄電池12の残量を翌朝まで温存する。
なお、保安電源制御装置18により電力計W5,W6の計測値とその推移に基づいて蓄電池12のSOC予測を行い、SOCが下限に近づいたときに余裕を持たせ電磁接触器MC5,MC6を開閉することもできる。
さらに、SOCにかかわらず、需要電力の少ない深夜になると(ここでは22時)には、保安動力設備141および保安電灯設備142の両方を切り離す(給電停止ステップS22)。深夜には、保安設備14の利用は貧少となるが、保安設備14の待機電力および蓄電装置120の自己消費を考慮し、このように無負荷とすることでSOC低下を遅らせる。
その後、日の出が到来すると、太陽光発電が開始される。日射量は時間を追って次第に増加する。ここで、保安電源制御装置18は、太陽電池13の出力が所定の出力(ここでは定格出力の10%の出力)にほぼ比例する太陽電池13の直流電圧が250Vになると、電磁接触器MCpを投入して太陽光発電装置130を起動する(S23)。このとき、すべての設備が切り離されているので、太陽電池13により発電された電力の全量(自己消費分を除く)が蓄電池12に充電される。
なお、太陽光発電装置130を起動する条件として、太陽電池13の出力が所定の出力(例えば定格出力の20%)となる朝方の時刻が到来することとしてもよい。その場合、保安電源制御装置18は、その朝方時刻を暦(カレンダー)の月毎に保持している。その月毎のデータに基づいて、当月において出力が所定出力以上となる時刻(例えば、早朝5時30分)が到来すると、電磁接触器MCpを投入して太陽光発電装置130を起動する(S23)。
その後、SOCが所定の値(ここでは、定格蓄電量の55%)を超えると、電磁接触器MC5,MC6をオンとし、保安設備14への給電を再開する(給電再開ステップS24)。
それ以降は、ステップS10に戻り、需給調整を行う。
以上のような制御により、災害等で停電が長期に亘っても、蓄電装置120を繰り返し充放電できるので、日中の保安設備14への給電を少なくとも3日間、天候に恵まれればそれ以上の長期に亘って維持することができる。
〔復電〕
商用電力系統100が復電すると、一般設備15が起動し、電力消費を始める。これに伴って受電設備11および、受電状態を検出する逆送電状態検出装置19の動作が復帰し、受電設備11が内蔵する復電タイマーがカウントを始める。復電タイマーによって、電力会社から要求される復電時の使用禁止時間である150秒がカウントされると、保安電源制御装置18は電磁接触器MC3,MC4をオンとする。
このように交流電路17が受電設備11から保安設備14まで繋がると、商用電力系統100が蓄電池等の電圧源に取って代わるので、蓄電装置120および太陽光発電装置130を連系させることができる。このとき蓄電装置120の自立運転から連系運転への切替えは、蓄電装置120が系統の復電を検知し、実質的に無停電で行われる。したがって、停電発生時のみならず、停電からの復帰時にも、エレベータや給水加圧ポンプを連続運転させることができる。
復電すると、停電時のように蓄電池12および太陽電池13のみによって電源をやりくりする必要がない。保安電源制御装置18は、保安動力設備141および保安電灯設備142が切り離されていればMC5,MC6を閉じる。また、蓄電池12の過充電を避けるために太陽光発電装置130を停止していたのなら、電磁接触器MCpをオンにする。
その後、保安電源システム1は平常時の運転に復帰する。
ところで、停電時にシステムを稼働させるのに必要な電源の交流回路での並列運転の条件は次のとおりである。
(1)複数の発電源および放電源(以下、電源装置と言う)は、電圧が互いにほぼ等しく、周波数が互いに等しい。(電圧差 0.5%以下、周波数の差 0.03Hz以下が望ましい。)
(2)並列同期運転のための開閉器の投入条件は、(1)の条件に加え、電圧波形の位相がほぼ等しい。(電圧波形の位相差 5度以下が望ましい。)
(3)有効電力の負荷分担は、周波数を調整して行う。(周波数を他機より速くすると分担する負荷が増加する。)
<並列運転の関連事項>
・複数台の電源装置が自立運転運転している場合の電圧の周波数と位相は一致しないため並列運転はできない。しかし、その差異が小さい場合に、電源装置の片方の電圧と位相を調整する位相調整器と電圧と位相が一致するタイミングを予測し、開閉器の投入信号を出す同期検定・投入装置を用いることにより並列運転が可能になる。
しかし、直流交流変換装置(パワーコンディショナー)を連系運転にすると、他から給電された電源装置の周波数と位相に合わせて発電するので、同期検定・投入装置を使わなくて、並列運転が可能である。
・複数台の電源装置がある場合は、1基を電圧源にし、他を連系運転にすることにより、同期投入装置なしで並列運転が可能となる。しかし、電源装置から電力会社側への逆送電防止の担保のため、連系運転のパワーコンディショナーは単独運転を検知すると送電を停止させる必要がある。この単独運転検知の稼働停止を回避するには、当該電源装置のパワーコンディショナー容量の例えば5から10倍の容量といった過大な容量の電圧源(自立運転の電源装置)のパワーコンディショナーが必要と言われている。
さらに、実運用上からは、下記の課題がある。
(ア)ほとんどの太陽電池や蓄電池のパワーコンディショナーには位相調整器と同期投入装置は装備されていないため、自立運転のパワーコンディショナー同士では並列運転ができない。
(イ)単独運転保護による発電停止を回避するために、電圧源の容量を連系運転する他のパワーコンディショナーの最大容量の5倍から10倍とするのは、過大設備になり、利用率が小さく、経済的に不利である。
保安電源システム1では、上記の要件をすべて満たすとともに課題もすべて解決するため下記の対応をとる。
(a)電源装置から電力会社側への逆送電の検知、防止のために、受電設備側に逆電力継電器(RPR)等を設け、かつ逆送電防止措置を講じる。
(b)連系運転するパワーコンディショナーの単独運転検知を無効にする。
これらの対応により、複数台のパワーコンディショナー12P,13Pの並列運転が可能となる。
したがって、商用電力系統100が停電しても、逆送電防止措置がとられた上で、自立運転に移行する蓄電装置120に対して太陽光発電装置130が連系運転するので、停電時にも、蓄電装置120、太陽光発電装置130、および保安設備14が交流電路17Aにより接続された状態で稼働できる。
停電時、蓄電装置120は瞬時に電圧源に置き換わるので、停電発生前後に亘り保安電源システム1を無停電で稼働させることができる。また、停電に伴う運転切替は、人手を介さずに自動で行われる。さらに、保安設備14への給電は、停電時の独立の専用配線ではなく、平常時にも使われる配線である交流電路17Aを介して行われるので、専用配線のコンセントにプラグを差し替える手間を要しない。
そして、保安設備14を実質的に無停電で連続使用できるので、エレベータやポンプなどの電動機を内蔵する機器を使用する上で、停電による電動機停止、および停止からの再起動が生じない。このため、起動時の大電流による電力消費を避けられる。
このように、無停電稼働による再起動回避によって得られる上記利点がある他、蓄電装置120と太陽光発電装置130とが並列運転されることで、それらを合わせた大出力の保安電源Eを実現できる。パワーコンディショナー12P,13Pに使われるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体スイッチング素子の過負荷耐量は一般に小さいので、蓄電装置120あるいは太陽光発電装置130の単体利用では、短時間最大出力に限界があるが、蓄電装置120と太陽光発電装置130との結合により、あるいは、複数の蓄電装置120、複数の太陽光発電装置130の結合により、電動機内蔵の機器を複数含む保安設備14の電動機起動電流を考慮した最大需要電力に足りる容量が得られる。
このため、最大需要電力が蓄電装置120あるいは太陽光発電装置130の単機容量以下となるように、保安設備に含まれる複数の機器を分割し、グループに振り分ける必要がない。そうすると、その分割グルーピングに付随する複数回路の配線作業、それに伴うコスト増加を避けられる。このように分割してグルーピングされることなく、保安設備14に含まれる各機器が並列接続されることで、設備容量に対する最大需要電力の比率として表される需要率に基づいて、保安電源Eの総容量を小さく抑えられる。
さらに、電源装置の冗長化による大容量化により、保安設備14への給電を長期に亘り維持できる。
保安電源Eの大容量化の観点から、太陽光発電装置130を並列接続により2つ以上設けることも有効である。
保安電源システム1によれば、停電時における保安設備14への給電に留まらず、充電もできることに、より大きな意義を有する。上述したように、日中に充電しておいた蓄電池12の蓄電電力で日没後の需要電力を賄い、翌日の日射により太陽電池13で発電して蓄電池12を充電し、蓄電量を増加することができるので、停電発生時における蓄電池12の残量のみに頼るのとは異なり、停電が長期に亘っても保安電源Eによる給電能力を維持することができる。
さらに、保安電源Eの延命のため、本実施形態では、深夜、あるいはSOCが所定値以下となったら保安設備14の一部または全部への給電を停止することによって蓄電池12の残量を温存するので、蓄電池12の活用によって保安電源Eをより長時間持たせることができる。蓄電池12の性能を良い状態に維持するために、SOCに基づいて蓄電池12の過放電および過充電を防止していることにより、蓄電池を長寿命化することができる。
また、保安設備14が保安動力設備141および保安電灯設備142に分けられており、これらのいずれかを給電対象とすることができるので、より必要度の高い設備への給電を維持しつつ、蓄電池12残量の温存のために節電を図ることができる。
そして、本実施形態では、日の出後、保安設備14への給電が再開される前に、太陽電池13による発電電力の全量が蓄電池12に充電される全量充電時間が設けられているので、蓄電池12の蓄電量をより早期に確保できる。
本実施形態では、停電時に開放される電磁接触器MC3およびMC4の上流に一般設備15が位置するため、復電時に一般設備15による電力消費が再開されるのに伴って受電設備11の逆送電状態検出装置19のUPR117の動作が復帰し、これに基づいて保安電源制御装置18によって電磁接触器MC3,MC4がオンとされる。これにより、蓄電装置120および太陽光発電装置130が商用電力系統100に連系する平常時の運転に自動的に復帰することができる。
なお、保安電源システム1は、平常時に、商用電力系統100へと逆潮流させることで売電できるように構成することもできる。売電のときは逆送電状態になるが単独運転ではなく、安全上問題はないので、逆送電防止装置は働かせないようにする必要がある。しかし、売電は商用電力系統100との連系あってのもので、単独運転は許されない。よって、保安電源制御装置18の制御指令により、売電時には、各パワーコンディショナー12P,13Pの単独運転検出による自動停止機能を有効化することで、安全を担保する。系統停電時には、上述のように、保安電源制御装置18の制御指令により、連系運転とするパワーコンディショナー13Pの単独運転検出自動停止機能を無効化させる。また、系統復電時には、保安電源制御装置18の制御指令で系統連系するパワーコンディショナーの単独運転検出自動停止機能を有効化させる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について図5および図6を参照して説明する。
第2実施形態の保安電源システム2は、停電時に用いる保安電源Eとして、エンジンを動力源とするエンジン発電機21を有するエンジン発電装置20を備えている。それ以外は、保安電源システム2は第1実施形態の保安電源システム1と同様に構成されている。
エンジン発電機21は、電磁接触器MC3,MC4と、蓄電装置120の電磁接触器MCb11との間で、電磁接触器MCgおよびMCCBを介して交流電路17に接続されている。エンジン発電機21の定格出力は本実施形態では30kWであるが、任意である。
保安電源システム2の制御手順について図6を参照して説明する。
商用電力系統100に停電が発生すると(図6のS1)、第1実施形態と同様に、逆送電状態検出装置19のUPR117、UVR118、およびRPR116のいずれか一つ、あるいは複数が動作することにより、保安電源制御装置18は、系統に停電が発生したと判断し、電磁接触器MC3,MC4を開放してシステムを商用電力系統100から切り離すことで(解列)、逆送電防止の措置をとる(図6のS2)。これによって蓄電池パワーコンディショナー12Pは停電を検出し、自立運転に切り替わる(図6のS3)。
保安電源制御装置18は、電磁接触器MC3,MC4の開放に続いて、エンジン発電機21のエンジンを始動する(S31)。このとき、保安電源システム2は、自動的に自立運転に移行する蓄電装置120を電圧源として稼働を継続するので、蓄電装置120からの給電により保安設備14が実質的に無停電で動作する。エンジン発電機21のエンジンの始動が完了するまでに約10〜50秒を要し、その間は、蓄電装置120および太陽光発電装置130を電源としてシステムが稼働する。
エンジン発電機21のエンジン始動が完了したら、保安電源制御装置18は、電磁接触器MCgを投入することで、エンジン発電機21を蓄電装置120と並列運転させる。(S32)。すると、太陽電池13および蓄電池12に次ぐ、停電時における第3の電源としてエンジン発電機21が使用可能となる。このとき、最上流のエンジン発電機21が電圧源に自動的に置き換わり、蓄電装置120は自立運転からエンジン発電機21に対する連系運転に切り替わる。太陽光発電装置130は、依然連系運転のままであるが、その電圧源が蓄電装置120からエンジン発電機21に置き換わる。
そして、保安電源制御装置18は、需要電力と太陽電池13の発電電力を測定し、演算することで発電電力の過不足を蓄電装置120の充放電制御信号で調整し、それでも不足する場合はエンジン発電機21から給電する制御を行う(S33)。
なお、エンジン発電機21の停止時には電圧源が蓄電装置120となり、さらにエンジン発電機21の再始動時にはエンジン発電機21が電圧源となってエンジン発電機21に対して蓄電装置120および太陽光発電装置130が連系運転する。
蓄電装置120がエンジン発電機21に対して連系運転されるときは、蓄電装置120を外部からの指令により制御できる。したがって、保安電源制御装置18から蓄電装置120に送信される指令により、蓄電池12の充放電量などを制御することができる。
ここで、エンジン発電機21は、蓄電池12に比べて安価であり、しかも蓄電池12に比べて長時間(例えば、数日程度)の連続使用が可能である。燃料油の補給による使用時間の延長も容易である。
また、エンジン発電機21は、蓄電装置120に比べ、過負荷耐量が大きく、寿命も長い。
以上のようなエンジン発電機21の特性に基づいて、保安電源制御装置18は電源装置の給電順位を、太陽電池、次にエンジン発電機、最後に蓄電池からとする制御を行う。保安設備の使用量が少ない夜間で、エンジン発電機の騒音を回避したい場合は蓄電池からの給電を優先するように、制御指令を出す。
そのような制御の一例を図6に基づいて説明する。
朝、夕方・夜間など、高負荷が続く時には(朝や夕・夜間)、太陽電池13により発電される電力の不足分をエンジン発電機21から保安設備14に給電する(S34およびS36)。このとき、電磁接触器MCb12をオフとして、エンジン発電機21による発電電力の全量を保安設備14に給電する。
そして、日中の高負荷時を除く中負荷時には、太陽電池13とエンジン発電機21から保安設備14に給電するとともに、蓄電池12の電磁接触器MCb12をオンにして蓄電池12に充電する(S35)。天候がよい場合は、太陽電池13の発電量が大きいため余剰電力が発生するので、この電力で蓄電池12を充電する。天候が悪くて太陽電池13の発電量が小さいときは、エンジン発電機21から充電する。この制御は、保安電源制御装置18が太陽電池の発電量(Wp)と保安設備14の需要電力(W5,W6)のデータより演算して蓄電池12の充放電量を制御することにより行われる。
そして、深夜などの低負荷時には、電磁接触器MCgをオフにし、エンジン発電機21を停止するとともに、蓄電池12から保安設備14に給電する(S37)。これは、深夜にエンジン駆動音が発生するのを避けるのと、低負荷が続き、一時的に高負荷となりうる深夜には可変出力の蓄電池12が適するためである。
上記のように、エンジン発電機21を運転することにより、天候に左右されずに、蓄電池の充電ができ、蓄電池をより有効に活用でき、蓄電池の利用率が高まる。
以上のように、天候や時刻、需要電力に応じて給電源を切り替え、負荷に応じてエネルギー変換効率の良い運転を行うことによって、より長期に亘りシステムを稼働できる。
なお、以上説明した制御の他にも、第1実施形態で述べた蓄電池12の過充電および過放電を防止するための制御や、早朝の無負荷状態での太陽電池13の全発電量充電の制御などを必要に応じて行うことができるのは言うまでもない。
復電時には、上述と同様、一般設備15による電力消費開始に伴って受電設備11および逆送電状態検出装置19の動作が復帰する。このとき、保安電源制御装置18によってエンジン発電機21の電磁接触器MCgをオフ(開放)するとともに、保安電源制御装置18によって電磁接触器MC3,MC4がオンとされる。これにより、商用電力系統100に対して蓄電装置120および太陽光発電装置130が連系する平常時運転に復帰する。
本実施形態のように蓄電装置120とエンジン発電装置20とが併用されることにより、停電発生からエンジン発電機21の始動完了までは、停電発生の直後に電圧源に置き換わる蓄電装置120によって太陽電池13の発電量の不足分を給電し、エンジン始動完了後は、エンジン発電機21から給電することができる。これにより、停電発生時からエンジン発電機21の電圧確立するまでのエンジン発電機21の単体使用では生じうる給電停止を回避しながら、安価に高出力が得られ長時間運転に適するエンジン発電機21を保安電源Eに活用できる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について図7および図8を参照して説明する。
本実施形態の保安電源システム3は、上記の各実施形態の保安電源システム1,2とは異なり、蓄電装置と、太陽光発電装置とを2つずつ備えている。それ以外は、第1実施形態の保安電源システム1と同様に構成されている。
電磁接触器MC3,MC4よりも下流に配置される第1蓄電装置121(親の蓄電装置)は、蓄電池12aおよび蓄電池パワーコンディショナー12Paを有している。第1蓄電装置121よりも下流に配置される第2蓄電装置122(子の蓄電装置)も、蓄電池12bおよび蓄電池パワーコンディショナー12Pbを有している。蓄電池パワーコンディショナー12Pa,12Pbは並列接続されている。
第1蓄電装置121の一次側には一次側電力計Wb11が設けられている。また、第2蓄電装置122の二次側には二次側電力計Wb22が設けられている。
そして、第1蓄電装置121の充電電力を測定する電力計Wb12が設けられているとともに、第2蓄電装置122の充電電力を測定する電力計Wb21も設けられている。
本実施形態では、蓄電装置に必要な容量を1つの蓄電装置で持たずに2つ以上の蓄電装置121,122に分担させている。第1蓄電装置121および第2蓄電装置122の各々の容量は任意である。これらの第1蓄電装置121および第2蓄電装置122に実際蓄えられている電力量である実蓄電量は、第1蓄電装置121および第2蓄電装置122の各々の定格蓄電容量とSOCの積から求められる。
第2蓄電装置122よりも下流に配置される第1太陽光発電装置131は、太陽電池13aおよび太陽電池パワーコンディショナー13Paを有している。また、第1太陽光発電装置131よりも下流に配置される第2太陽光発電装置132も、太陽電池13bおよび太陽電池パワーコンディショナー13Pbを有している。太陽電池パワーコンディショナーは並列接続されている。また、第1太陽光発電装置131のパワーコンディショナー13Paの前段には、電磁接触器MCp1が設けられており、第2太陽光発電装置132のパワーコンディショナー13Pbの前段には、電磁接触器MCp2が設けられている。
平常時、保安電源システム3は、第1蓄電装置121、第2蓄電装置122、第1太陽光発電装置131、および第2太陽光発電装置132のいずれも商用電力系統100に連系した状態で稼働している。
その状態から商用電力系統100に停電が生じると、上述したように、RPR116、UPR117、およびUVR118の少なくともいずれかが動作することにより、電磁接触器MC3,MC4がオフとされる。
すると、一次側が停電となる第1蓄電装置121のパワーコンディショナー12Pは、動作を停止することなく自立運転に切り替わるとともに、電圧源に瞬時に置き換わる。
このように電圧源が商用電力系統100から第1蓄電装置121に引き継がれることにより、第2蓄電装置122のパワーコンディショナー12Pb、第1太陽光発電装置131および第2太陽光発電装置132のパワーコンディショナー13Pa,13Pbは、停電発生前と同様に、第1蓄電装置121のパワーコンディショナー12Paに対して連系運転を継続する。それらのパワーコンディショナー12Pb,13Pa,13Pbはいずれも、単独運転検出信号がマスク等されているので、系統停電時にも動作を停止しない。
以上により、停電時は、最上流の第1蓄電装置121を電圧源である親機として、親機との連系の下、それよりも下流で並列接続された他の蓄電装置122、太陽光発電装置131,132等の子機がいずれも連系運転する。このような第1蓄電装置121、第2蓄電装置122、第1太陽光発電装置131、および第2太陽光発電装置132を保安電源Eとして、保安電源システム3を無停電で稼働させることができる。
停電時における保安電源システム3の制御について、一例に基づいて説明する。以下で示すSOCの値は例示に過ぎない。
上述のように自立運転する第1蓄電装置121に対して第2蓄電装置122が連系する停電時においては、下記のように充放電量を制御する。
二次側電力計Wb22により、保安設備14の需要電力(電力計W5,W6が示す合計値)から、第1太陽光発電装置131および第2太陽光発電装置132の合計の発電電力(電力計Wp1,Wp2が示す合計値)を差し引いた総放電電力が測定される。需要電力に対して発電電力が不足するときには総放電電力は正の値となり、需要電力に対して発電電力が余るときには総放電電力は負の値となる。
保安電源制御装置18は、二次側電力計Wb22により測定された総放電電力を2台の蓄電装置121,122が各々蓄えている実蓄電量で按分して各々が受け持つ放電電力を算出する。そして、第2蓄電装置122のパワーコンディショナー12Pに対して、当該放電電力の充放電を指示する指令を出す。第1蓄電装置121の充放電量は成り行きであり、その充放電量は、各電力計の値で示すと、Wb12=(W5+W6)−(Wp1+Wp2)−Wb21となる。
蓄電池パワーコンディショナー12Pbに対する充放電指令としては、放電電力が正のときには放電を指示する放電指令が出され、放電電力が負のときには充電を指示する充電指令が出される。また、後述するように過充電防止のために、充放電を行わないゼロ指令が出される。蓄電装置122への充放電指令は、保安電源制御装置18が演算生成した信号を直流電流や電圧に変換して出力される。
ここで、第2蓄電装置122は、保安電源制御装置18から受ける充放電指令に応じて動作するが、第1蓄電装置121は電圧源として自立運転するため、保安電源制御装置18からの指令を受け付けない(第1蓄電装置121に対しては、充放電指令を送らなくてもよい。)。したがって、上記のように総放電電力が実蓄電量で按分された放電電力を蓄電装置122について算出し、その算出値を直流信号の電圧等に換算する。その放電電力信号に基づいてパワーコンディショナー12Pbが充放電する。
蓄電池12a,12bの各々のSOCの瞬時値をSOC1,SOC2とし、パワーコンディショナー12Pa,12Pbの各々の定格出力をPa[kW],Pb[kW]とすると、パワーコンディショナー12Pbの出力指令信号Po[kW]は、次式により表される。

Figure 2014155269
第1蓄電装置121のパワーコンディショナー12Paは、総放電電力から第2蓄電装置122の放電電力が差し引かれた電力を成り行きで充放電し、その結果として、実蓄電量と定格出力とで按分された充放電量となる。この按分計算は、保安電源制御装置18内のPLCの制御周期(0.1秒以下)毎に行われるので、その周期毎に按分制御誤差が修正される。
第2蓄電装置122のSOCが90%を超えたら、過充電防止のため、保安電源制御装置18は第2蓄電装置122のパワーコンディショナー12Pに、充放電を行わないゼロ指令を出す。
一方、第1蓄電装置121のSOCが90%を超えたら、過充電防止のため、電磁接触器MCp1,MCp2をオフとして第1太陽光発電装置131および第2太陽光発電装置132を停止させる。すると、第1蓄電装置121と、第2蓄電装置122とは充電から放電に切り替わり、保安設備14に給電する。
それによって第1蓄電装置121のSOCが80%を下回れば、第1、第2太陽光発電装置131,132の電磁接触器MCp1,MCp2をオンとし、第1、第2太陽光発電装置131,132による発電電力で第1、第2蓄電装置121,122の各々の蓄電池12a,12bを充電する。
図8を参照して説明を続ける。
第1太陽光発電装置131および第2太陽光発電装置132の発電電力による充電が期待できる日中は、上記のようにSOCが80%〜90%の間で運転されることを想定している(S41)。
その後、夕刻になり、太陽電池13の発電電力が所定出力を下回ると、電磁接触器MCp1,MCp2を開放して第1、第2太陽光発電装置131,132を停止させる(S42)。
さらに、第1蓄電装置121のSOCが50%を下回るか、あるいは深夜になったら、保安電源制御装置18は、電磁接触器MC5,MC6をオフとして保安動力設備141および保安電灯設備142を停電させる(S43)。この結果、蓄電装置121、122から給電されるのは、蓄電装置自身の制御と付帯設備(冷却ファン、ヒータ)、保安電源制御装置18,セキュリティ設備・保安灯22等である。このように最小負荷とした状態で第1蓄電装置121の自立運転を継続させつつ、保安設備14の待機電力によるSOC低下を抑制している。
しかし、第1蓄電装置121および第2蓄電装置122の各々のパワーコンディショナー12Pa,12Pbが内蔵するインバータと絶縁変圧器による損失(自己消費)によって、SOCは次第に低下する。自己消費は、蓄電池12の絶縁変圧器容量に依存し、容量の2〜4%にも達する場合もある。
そこで、本実施形態では、上記のように必要容量を2つの蓄電装置121,122に分担させた上で、無負荷時には、電圧源ではない第2蓄電装置122の動作を停止させることで第2蓄電装置122の自己消費を抑制する措置を講じる(S44)。こうすると、第1蓄電装置121と、第2蓄電装置122との合計の自己消費電力は、必要容量を1つの蓄電装置で構成した場合のその蓄電装置の自己消費電力よりも抑えられる。なお、第1蓄電装置121は電圧源であるため、その動作を停止させることはできない。
上記の自己消費抑制の措置として、本実施形態では、第2蓄電装置122のパワーコンディショナー12Pbが内蔵する絶縁変圧器の蓄電池12b側に電磁接触器を設ける。この電磁接触器が無負荷時に開放されることで絶縁変圧器による電力消費を断つことができる。
加えて、無負荷としたとき、保安電源制御装置18から第2蓄電装置122のパワーコンディショナー12Pに対して停止指令を送り、そのパワーコンディショナー12Pを停止させる。これにより、内蔵のIGBTの電力消費を断つことができる。
その後、蓄電池12a,12bのSOCが20%を切った場合は、休止中の第2蓄電装置122に、保安電源制御装置18から起動指令を出し、第1蓄電装置121に連系運転させる。その時まで第1蓄電装置121が給電していた電力(Wb12で測定)を第2蓄電装置122が給電するように、放電電力量の指令信号を出し、第1蓄電装置121のSOCの低下を抑制する。
以上により、第1蓄電装置121および第2蓄電装置122の蓄電池12の残量を翌朝まで温存することが可能となる。
翌朝、日の出到来により太陽光発電が開始されると、保安電源制御装置18は、夕刻にオフとされていた電磁接触器MCp1,MCp2をオンにしてパワーコンディショナー13Pa,13Pbに給電することで、第1太陽光発電装置131および第2太陽光発電装置132を起動する(S45)。
第1蓄電装置121のSOCが例えば50%以上になったら、電磁接触器MC5,MC6をオンとして保安設備14への給電を再開する(S46)。
そして、第2蓄電装置122のパワーコンディショナー12Pbが内蔵する絶縁変圧器の蓄電池側の電磁接触器を復帰させる。さらに、このパワーコンディショナー12Pbに対して保安電源制御装置18が起動指令を送ることで、パワーコンディショナー12Pbを起動する。
なお、蓄電池残量に余裕があれば、太陽光発電装置131,132の運転再開と同時に保安設備14への給電を再開することもできる。
商用電力系統100の復電時には、保安電源システム3は第1実施形態の保安電源システム1と同様に動作する。保安電源システム3における電圧源は、商用電力系統100に戻るので、この商用電力系統100に対して、第1蓄電装置121、第2蓄電装置122、第1太陽光発電装置131,および第2太陽光発電装置132が連系運転する。
以上説明した本実施形態の保安電源システム3によれば、蓄電装置および太陽光発電装置が複数設けられているために、保安電源を構成する電源の数が第1実施形態の保安電源システム1よりも多い。このため、より大容量の保安電源を実現できる。この観点からは、蓄電装置、太陽光発電装置のいずれか一方のみが複数設けられていれば足りる。蓄電装置、太陽光発電装置の各々の個数は、1つ以上であればよい。
上記の第2蓄電装置122よりも下流に、第3蓄電装置、第4蓄電装置というように蓄電装置を増やすこともできる。その場合、二次側電力計Wb22は、最下流の蓄電装置よりも下流に設ける。
本実施形態では、蓄電装置に必要な容量を1つの蓄電装置で持たずに2つ以上の蓄電装置121,122に分担させた上で、停電中の使用電力が少ない深夜等は第2蓄電装置122を停止させ、自己消費抑制措置を講じている。これにより、蓄電池残量をより十分に確保できるので、保安設備14への給電をより一層長期に亘って行うことができる。
〔第4実施形態〕
ところで、本発明は、保安電源に燃料電池が用いられた構成をも包含する。以下、燃料電池を備える2種類の保安電源システムについて説明する。
図9に示す本実施形態の保安電源システム4は、停電時の電圧源として、蓄電装置120の代わりに燃料電池装置30を備えている。
燃料電池装置30は、燃料電池31と、燃料電池31により発電された直流電力を交流電力に変換するとともに、太陽電池パワーコンディショナー13Pに並列接続される燃料電池パワーコンディショナー30Pとを備えている。この燃料電池装置30は、電磁接触器MC3および電磁接触器MC4と、太陽光発電装置130との間で交流電路17に接続されている。但し、燃料電池装置30および太陽光発電装置130の位置を交換することもできる。
燃料電池31は、固体高分子形(PEFC)、りん酸形(PAFC)、溶融炭酸塩形(MCFC)、固体酸化物形(SOFC)等、その種類は任意である。図示を省略するが、燃料電池31は、発電すると共に熱を発生するので、給湯機器や暖房機器を構成する熱交換器等の熱負荷に接続されている。
燃料電池31の運転モードは、熱設備への熱供給を優先し、商用電力系統100に連系して、保安設備14および一般設備15に給電する熱優先モードと、保安設備14および一般設備15の需要電力(上限は燃料電池の最大出力)への給電を優先し、発生する熱は給湯タンクに貯めることにより、熱の需給調整を図る電気優先モードとがある。これらのモードの切替えは、燃料電池装置30の切替スイッチ、または保安電源制御装置18の信号により切替えることができる。
燃料電池31の燃料は、図示しない商用ガス系統から、あるいは液化ガスを封入した容器から供給される。災害時に備えて、専用のガス供給ラインを確保したり、燃料容器を備蓄することにより、系統の停電時に長時間に亘って保安設備14に給電できる。
燃料電池装置30は、平常時は熱供給が主、給電が従の熱優先モードで運転され、熱需要がある場合に熱を作ると同時に発電する。発電した電力は商用電力系統100に対して連系運転し、自家消費し、余剰電力が発生すれば売電する。熱需要がない場合は運転を停止し、発電も熱の発生もしない。系統停電が発生すると、燃料電池装置30は自立運転、電気優先モードに切り替わり、燃料電池パワーコンディショナー30Pが商用電力系統100に代わって交流電圧源となる。
燃料電池装置30のパワーコンディショナー30Pは、自立運転、電気優先モードのため、熱需要の有無に関わらず、連続して運転させ、発電を継続させる。このとき燃料電池31から取り出される熱により、貯湯タンク内の水を沸き上げて湯を作る。
燃料電池装置30は自立運転し、電気優先モードで運転するので、熱需要が少なく、貯湯タンクの湯が満量に近づく場合には貯湯タンクの放出弁を開きお湯を放出し、さらに貯湯タンクに水を補給して熱吸収を可能とし、発電を継続させる。
保安電源として蓄電装置120を含む図10の例では、燃料電池装置10は、平常時は商用電力系統100に対して連系運転し、電気優先モードで稼働するが、停電が発生すると、蓄電装置120について上述したのと同様に、蓄電装置120が自立運転に切り替わって電圧源となり、燃料電池装置30は連系運転で電気優先モードのまま、蓄電装置120と太陽光発電装置130と並列運転となり保安設備14に給電する。これらの保安電源の発電量や充放電量は、保安電源制御装置18が状況に応じて制御信号を出し、制御する。
この場合の燃料電池パワーコンディショナー30Pは、上述の子機である蓄電池パワーコンディショナー12Pbおよび太陽電池パワーコンディショナー13Pa,13Pbと同様に、単独運転検出により自動停止する機能が無効化されている。
なお、図9にて複数の燃料電池装置30を設けることもできる。その場合は、各々の燃料電池装置30を交流電路17Aに沿って順次に配置するとともに、各々のパワーコンディショナー30P同士を並列接続する。停電時に、最上流の燃料電池装置30は自立運転させ、他の燃料電池装置30は単独運転検出信号をマスク等して連系運転させる。
なお、複数の燃料電池装置30を設けるときは、保安電源制御装置18は、需要電力に対する太陽光発電装置130の発電電力の不足分を各燃料電池装置30の発電能力で按分した発電電力を各燃料電池装置30に指示する。
以上のように、発電装置として燃料電池装置30を備えていれば、供給可能な電力が潤沢な平常時は、発電に伴って熱が得られる燃料電池31の特性を生かした効率的な運転ができるとともに、停電時には燃料電池装置30を保安電源Eとして利用できるので、より長期に亘って保安電源Eを確保できる。
図9の保安電源システム4は、燃料電池装置30と太陽光発電装置130を保安電源Eとして備えているので、燃料電池装置30を単独で備えている場合よりも燃料電池31の燃料を節約しながら、燃料電池装置30を継続して運転させる限り、保安電源システムを稼働し、保安設備14への給電を続けることができる。
つまり、夜間には貯湯して電圧源として維持し、日中は太陽電池13で補完しながら、停電時の日中、夜間を通じてシステムを稼働できる。
図9に示したのは、蓄電装置120の代わりに燃料電池装置30を備えるシステムであったが、図10に示す保安電源システム5のように、燃料電池装置30および蓄電装置120を併設していてもよい。図10の例では、最上流の蓄電装置120のみが停電時に自立運転して電圧源となり、燃料電池装置30、太陽光発電装置130は連系運転される。
保安電源システム5は、燃料電池装置30よりも上流に蓄電装置120を備えているが、逆に、燃料電池装置30よりも下流に蓄電装置120を備えていてもよい。いずれにしても、系統100の停電時に、燃料電池装置30および蓄電装置120のいずれか一方を自立運転させて電圧源とし、他は連系運転とし、単独運転を検出しても、その信号をマスクして、太陽電池13には発電を、蓄電池12には放電を継続させる。
〔第5実施形態〕
一般設備15および保安設備14の消費電力よりも太陽電池13の発電量が多くなると、商用電力系統100に向けて逆潮流が生じる。この場合、売電することができるが、売電用積算電力量計や計器用変成器などの設置費用が嵩むため、売電による収入との比較衡量により、売電しないこともある。
売電しない場合、逆送電の検出と逆潮流の防止措置を担保する必要がある。逆潮流が発生する場合に、停電対策用の蓄電装置120を充電し、自家消費電力を増大させることで、逆潮流を防止することができる。以下、その方法について述べる。
第5実施形態では、受電電力を測定するとともに、「0」を含む目標の買電電力を設定する。そして、保安電源制御装置18は、受電電力が目標値以上となるように蓄電池12への充電電力を制御する。
逆潮流防止のためには、蓄電装置120の1次側電力でなく、受電電力を測定し、瞬時電力が売電の状態とならないようにする必要がある。
蓄電装置120の充放電力の指令値:P(蓄電池については充電をプラスに、放電をマイナスと表示する。)、受電電力:W、(以下、すべて瞬時値とする)、目標受電電力:WMIN(例:8kW)、蓄電池充放電電力:W、蓄電装置120の充電係数KBC(充電効率を見込み1.0より大、(例1.15))とすると、以下のようになる。
=((W+W)−WMIN)/KBC
なお、PとWは充電であればプラス値、Pの計算結果がプラス値のときは充電し、受電電力を増やす。一方、Pがマイナスのときは受電電力が目標値WMIN以上のため『ゼロ指令』とし、蓄電池を充電しない。
このように、逆潮流の恐れがある時間に、蓄電池12に充電することで、受電電力が一定(例:8kW)以上に保たれる。つまり、逆潮流が発生しないので、逆送電状態検出装置を構成するRPR116やUPR117が動作し、電磁接触器MC3,MC4が開放し、系統から保安電源Eへの給電停止とそれに伴う蓄電池12からの放電動作といった不要動作(誤作動)を回避できる。
また、逆潮流現象を抑制、予防するために太陽電池13の発電量を抑制あるいは停止する必要がなくなり、蓄電池12の充放電に伴う損失を除けば、太陽電池13の可能発電量すべてを有効に利用できる。
〔第6実施形態〕
第6実施形態では、蓄電装置120の放電による受電電力のピークカットおよびピークシフトを行い、受電電力を削減し、電気基本料金を削減する。
ピークシフトの制御として、蓄電池12からの放電量および放電時間帯を指定する方法がある。しかし、電力消費は季節、時刻、電気使用量等により刻々変動するため、実際の電力消費パターンが予測したパターンから外れた場合には、受電電力が目標値以下であっても定められた時刻になると放電するので、最大電力の削減に寄与しない無効な放電となる。この方式では消費電力パターンの変動を見込むと過大な蓄電容量が必要となる。試算例によれば、時間指定方式に比べ、瞬時カット方式や積算カット方式は1/4から1/5倍の放電量となった。つまり、蓄電池からの放電量の85%以上を受電電力のピークシフトに有効に利用できる。
本実施形態では、保安電源制御装置18が受電電力と目標最大電力を1周期(0.05秒)以下で比較し、目標電力を超える分を蓄電装置120に放電指令を出す瞬時カット方式を採用している。これにより、デマンド電力を高効率で目標電力以下にすることができる。
積算カット方式は受電電力と目標最大電力を各々1秒毎に積算する。受電電力積算値Prと目標最大電力積算値Pmとの差を演算して、それを放電電力量として、蓄電装置120に指令を出す。この方法により、蓄電装置120の放電量の100%がピークシフトに使われ、蓄電量とSOC減少を最小限に抑えられるので、蓄電池12の蓄電量を最小容量で最大のデマンド削減効果を得られる。
なお、電気基本料金の根拠となるデマンド電力とは、検針日から次の検針日までの、正時から30分間と次の30分間の電力使用量の最大値(1時間値に換算)を言い、瞬間的なピーク電力のことではない。
この計量方式の特徴を活用した、瞬時カット方式と積算カット方式により、1日のうちの数時間のピーク時間に蓄電装置120から効率的に放電することにより、デマンド電力の最大値を削減し、電気料金を削減することができる。
例えば、朝方、昼食時、夕方・夜間の時間帯に各々、需要電力のピーク(極大点)があるとする。これらのピーク時間帯の前に蓄電池12を充電しておき、ピーク時間帯に蓄電池12から一般設備15および保安設備14に向けて放電する。
保安電源制御装置18は、大まかな放電時間を設定し、蓄電装置120の放電量を次のように演算して、指令を出す。
受電電力積算値:Pr、目標最大電力積算値:Pm(例:契約最大電力×0.95の積算値)、蓄電装置120の放電係数KBD(放電効率を見込み、1.0よりも小、例:0.90)とすれば、そのときの蓄電装置120の放電電力の指令値:Pは、P=(Pr−Pm)/KBD となる。なお、Pがマイナス値のときは『0(ゼロ)』とし放電しない。計算結果がマイナスのときは受電電力が目標値以下のため『0(ゼロ)』指令とし、蓄電池12への放電指令は『0(ゼロ)』とする。
以上では、太陽光により発電する発電装置を示したが、本発明は、その他の自然エネルギーを用いる自然エネルギー発電装置にも適用できる。そのために、上記の各実施形態における太陽電池13を風力、水力、潮力、波力、地熱等の自然エネルギーを取込む自然エネルギー取込装置に置換することができる。
自然エネルギー発電装置は、自然環境からエネルギーを調達して動作するため、自然環境の変化に応じて出力が周期的あるいはランダムに変動するとともに、出力停止もありうる。そのため、自然エネルギー発電装置をシステムの電圧源とするのは難しいが、停電時に電圧源として発電、あるいは放電により維持できる蓄電池、燃料電池等の電源装置を備えていれば、停電時、自然エネルギー発電装置の出力が低下、停止したときにもシステムを連続して稼働できる。自然エネルギー発電装置の出力が低下、停止したときの需要電力は蓄電装置120や燃料電池装置30などの電源装置によって賄い、その後自然エネルギー発電装置の出力が増加したときは自然エネルギー発電装置から保安設備14に給電し、また余剰電力で蓄電装置120を充電することにより、システムを長期に亘って稼働させることができる。
一方、蓄電装置120をシステムの主体として考えると、蓄電装置120に太陽光発電装置130が組み合わせられるのは、系統停電時に蓄電装置120への充電と需要電力が大きいために充電にまで至らないときは、太陽光発電装置130によって発電される電力は、設備への給電の助けとなる。蓄電装置120および太陽光発電装置130の相乗により、需要電力を刻々確保しながら、停電時にもシステムを長期に亘り稼働させることができる。
なお、燃料電池装置30についても同様のことが言える。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
1,2,3,4,5 保安電源システム
11 受電設備(受電端)
12,12a,12b 蓄電池
12P,12Pa,12Pb 蓄電池パワーコンディショナー
13,13a,13b 太陽電池
13P,13Pa,13Pb 太陽電池パワーコンディショナー
14 保安設備
15 一般設備
17 交流電路(高圧)
17A 交流電路(低圧)
18 保安電源制御装置(逆送電防止装置)
19 逆送電状態検出装置
20 エンジン発電装置
21 エンジン発電機
22 セキュリティ設備、保安灯
30 燃料電池装置
30P 燃料電池パワーコンディショナー
31 燃料電池
100 商用電力系統(系統)
116 RPR
117 UPR
118 UVR
120 蓄電装置(電源装置)
121 第1蓄電装置(親の蓄電装置)
122 第2蓄電装置(子の蓄電装置)
130 太陽光発電装置(自然エネルギー発電装置)
131 第1太陽光発電装置
132 第2太陽光発電装置
141 保安動力設備
142 保安電灯設備
151 一般動力設備
152 一般電灯設備
171 進相コンデンサ
E 保安電源
MC3,MC4 電磁接触器
MC5,MC6 電磁接触器
MCb11,MCb12 電磁接触器
MCg 電磁接触器
MCp 電磁接触器
MCp1,MCp2 電磁接触器
S21 給電停止ステップ
S22 給電停止ステップ
S24 給電再開ステップ
W,W5,W6 電力計
Wb11,Wb12,Wb21,Wb22 電力計
Wp,Wp1,Wp2 太陽電池関連電力計

Claims (8)

  1. その受電側が系統と接続される交流電路と、
    前記系統の停電時における前記交流電路を通じた逆送電を防止する逆送電防止装置と、
    前記交流電路において、自然エネルギーにより発電する自然エネルギー発電装置、およびそれよりも上流に位置する電源装置を有するとともに、前記系統に連系運転される保安電源と、を備え、
    前記系統の停電時に、
    前記電源装置は、自立運転し、
    前記自然エネルギー発電装置は、前記電源装置に交流にて連系運転され、
    前記保安電源よりも下流に位置する保安設備に給電する、
    ことを特徴とする保安電源システム。
  2. 前記自然エネルギー発電装置のうち、連系運転するものは、
    前記系統の停電時に、前記系統の停電発生により単独運転が検出された際に停止する機能が無効化されている、
    請求項1に記載の保安電源システム。
  3. 前記電源装置は、直流電力を蓄える蓄電池、および直流電力と交流電力とを双方向に変換する直流交流変換装置を有する蓄電装置とされる、
    請求項1または2に記載の保安電源システム。
  4. 前記逆送電防止装置は、
    前記系統への逆送電状態、あるいはその恐れがあることを検出する逆送電状態検出装置と、
    前記逆送電状態検出装置による検出結果に基づいて、逆送電を防止するために前記保安電源の上流で前記交流電路を開路するためのスイッチと、を有する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の保安電源システム。
  5. 前記電源装置としてのエンジン発電機と、
    前記エンジン発電機に連系運転可能な蓄電池と、を備える、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の保安電源システム。
  6. 前記保安電源よりも上流に位置する一般設備に接続され、
    前記逆送電状態検出装置は、前記受電端と前記一般設備との間に設けられるとともに逆電力継電器および不足電力継電器を有し、
    前記スイッチは、前記一般設備と前記保安電源との間に設けられる、
    請求項4または5に記載の保安電源システム。
  7. 前記電源装置は、蓄電池を有する蓄電装置とされ、
    前記自然エネルギー発電装置は、太陽光により発電する太陽電池を有する太陽光発電装置とされ、
    前記系統の停電時において、
    前記蓄電池の残量が所定量よりも少ないとき、あるいは、予め決められた夕方時刻になると、前記保安設備の一部または全部への給電を停止する給電停止ステップと、
    前記太陽電池の発電電力が所定量を超えるとき、あるいは、前記太陽電池の発電電力に基づいて決められる朝方時刻になると、前記保安設備への給電を再開する給電再開ステップと、を含む、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の保安電源システムの制御方法。
  8. 前記保安電源には、前記交流電圧源として、前記系統の停電時には自立運転する親の蓄電装置と、前記親の蓄電装置よりも下流に位置するとともに、前記系統の停電時には前記親の蓄電装置に連系運転する子の蓄電装置と、が含まれ、
    前記保安電源の負荷減少時には、
    前記子の蓄電装置の動作を停止させる、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の保安電源システムの制御方法。
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