JP2004104861A - 電圧形pwmインバータ装置 - Google Patents

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▲高▼田 茂生
Shigeo Takada
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Abstract

【課題】負荷側に蓄積されたエネルギーの無駄な消費を抑制しつつ、簡易かつ安全に動作させることができ、更に、PWMインバータで一般的に存在するキャリア周波数成分の騒音の低減をも図ることができる電圧型PWMインバータ装置を提供する。
【解決手段】整流手段2と、整流された直流電圧を平滑する直流電圧平滑手段4と、スイッチング素子7およびダイオード8を逆並列接続したスイッチング手段を2個直列接続し、一方を上アームU1、V1、W1、他方を下アームU2、V2、W2とするアームを複数個並列接続して構成され、各アームに平滑された直流電圧が印加されると共に、各アームの上アームと下アームとの接続部が負荷6に接続された逆変換手段5とを備え、上記逆変換手段は、上記各アームのスイッチング素子を全てOFFとする回生モードを有する構成とする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電圧形PWMインバータ装置、例えば家庭用および産業用モータの駆動用としての電圧形PWMインバータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は、例えば電気学会発行の「半導体電力変換回路」のP93に開示された3相電圧型インバータ装置の一般的な回路構成を示すものである。
この図において、1は交流電源、2は交流電源1の電圧を直流電圧に変換する整流手段、3は直流リアクトル、4は直流リアクトル3と共に整流された直流電圧を平滑する直流電圧平滑手段、5は平滑された直流電圧を所望の大きさと周波数の交流出力電圧に変換し、負荷であるモータ6に供給する逆変換手段で、以下に述べるような構成とされている。即ち、U、V、Wは直流電圧平滑手段4に対して並列接続された3相分のアームで、U相のアームは、スイッチング素子7とダイオード8とを逆並列接続した上アームU1と、同じくスイッチング素子7とダイオード8とを逆並列接続した下アームU2とを直列接続して構成され、上アームU1と下アームU2との接続部が負荷6に接続されている。
V相アームVとW相アームWもU相アームUと同様に構成されている。
【0003】
インバータ動作は、各相アームU、V、Wの上アームU1、V1、W1と下アームU2、V2、W2のスイッチング素子7が互いに相補的にON、OFFして負荷6に所望の大きさ、周波数の交流出力電圧を供給する。また、各スイッチング素子7は、三角波キャリア波形と各相の比較波形との比較にもとづいてPWMパターンを生成し、このPWMパターンにもとづいてON、OFF制御が行なわれる。ここで、負荷6の電流挙動に着目すると、上下アームの短絡防止期間中の電流極性による出力電流歪が効率・振動特性等に影響するが、これに対しては、例えば特許第2756049号公報に示されているように、負荷電流の極性に応じて各相の上下アームの一方を休止させ、上下短絡を回避して上下アームの短絡防止期間を不要とする手法がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電圧形PWMインバータ装置は、上記のように構成されていたので、以下に述べるような問題点があった。即ち、各相の全上アームまたは全下アームをONとする、いわゆるゼロベクトルを適用し出力電圧が低いほどその適用量が増大する方式となっているが、ゼロベクトルは負荷を短絡するモードであり、負荷にエネルギー蓄積要素があれば、それを消費しつつ制動をかけることになる。即ち、せっかく蓄えたエネルギーを無駄に消費することになる。
ここで、エネルギー蓄積要素とは、負荷がモータである場合には、機械的な慣性運動エネルギーや、電気回路的なリアクトル成分およびコンデンサ成分の蓄積エネルギーである。
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、負荷側に蓄積されたエネルギーの無駄な消費を抑制しつつ、簡易かつ安全に動作させることができ、更に、PWMインバータで一般的に存在するキャリア周波数成分の騒音の低減をも図ることができる電圧形PWMインバータ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電圧形PWMインバータ装置は、交流電源の電圧を直流電圧に変換する整流手段と、整流された直流電圧を平滑する直流電圧平滑手段と、スイッチング素子およびダイオードを逆並列接続したスイッチング手段を2個直列接続し、一方を上アーム、他方を下アームとするアームを複数個並列接続して構成され、各アームに平滑された直流電圧が印加されると共に、各アームの上アームと下アームとの接続部が負荷に接続された逆変換手段とを備え、上記逆変換手段は、上記各アームのスイッチング素子を全てOFFとすることにより上記負荷に蓄積されたエネルギーを上記直流電圧平滑手段に還流させる回生モードを有するものである。
【0006】
この発明に係る電圧形PWMインバータ装置は、また、上記負荷に流通する電流を計測する出力電流計測手段を備え、上記出力電流計測手段による計測値の極性にもとづいて上記逆変換手段の各アームの上アームまたは下アームいずれかのスイッチング素子をOFFにするようにしたものである。
【0007】
この発明に係る電圧形PWMインバータ装置は、また、上記逆変換手段の各スイッチング素子の開閉制御が、全スイッチング素子のOFF状態から、上アーム1つがON、下アーム1つがONの状態を経て順次、上アームまたは下アームのON数を増加させ、全アーム動作後は、1アームずつ順次OFFさせ、上アーム1つがON、下アーム1つがONの状態を経て、全スイッチング素子のOFF状態に至るパターンで行なわれるものである。
【0008】
この発明に係る電圧形PWMインバータ装置は、また、上記各スイッチング素子を開閉制御し、所望の出力電圧を得るためのPWMパターンが、キャリア波形と比較波形とにもとづいて生成されたPWMパターンのON幅を、上記スイッチング素子の動作遅れにもとづく特性影響分について補正することにより形成されたものである。
【0009】
この発明に係る電圧形PWMインバータ装置は、また、上記負荷を3相とし、上記各スイッチング素子を開閉制御するPWMパターンを、比較波形と三角波キャリア波形との波高値比較により求めるようにしたものにおいて、出力電流の1周期を各相出力電流の極性の組み合わせによる6つのステージに分割し、各ステージ毎に出力電流極性が唯一異なる相の比較波形が三角波キャリア波形の端点の一定波高値となるように、全相の比較波形を同一方向に同一量変位し、かつ一定値となる相の出力電流極性が正の場合には、他の相の下アームのON期間を上記三角波キャリア波形との比較で求め、一定値となる相の上アームのON期間を他の相の下アームのON期間のいずれか一方と同一にすると共に、一定値となる相の出力電流極性が負の場合には、他の相の上アームのON期間を上記三角波キャリア波形との比較で求め、一定値となる相の下アームのON期間を他の相の上アームのON期間のいずれか一方と同一にするものである。
【0010】
この発明に係る電圧形PWMインバータ装置は、また、上記出力電流の極性の判定に際し、上記出力電流計測手段による計測値に対して、絶対値で所定値以下の範囲を不感帯とし、この不感帯においては不感帯に入る直前の極性から反転させた極性とするものである。
【0011】
この発明に係る電圧形PWMインバータ装置は、また、上記出力電流の極性の判定に際し、2相以上の出力電流の計測値が不感帯に位置する場合には、不感帯に位置する各相の出力相電圧基本波の極性と同じにするものである。
【0012】
この発明に係る電圧形PWMインバータ装置は、また、上記逆変換手段の起動時に、各相の出力電流の極性判定を、出力相電圧基本波の極性と同じにするものである。
【0013】
この発明に係る電圧形PWMインバータ装置は、また、上記出力相電圧基本波の極性の切り替わり時点と、上記出力電流計測手段の計測値にもとづく出力電流極性の切り替わり時点とが出力1周期の30°以上遅れた場合には、ステージを強制的に進めるものである。
【0014】
この発明に係る電圧形PWMインバータ装置は、また、ステージ切り替わり時点で各アーム毎に上アームのONと下アームのONとの間のOFF期間が所定時間以上となるように次段のON開始タイミングに制限を設けたものである。
【0015】
この発明に係る電圧形PWMインバータ装置は、また、キャリアの周期をT、各アームのON期間のうち短いON期間をT1、長いON期間をT2としたとき、T2のONタイミングをキャリアの起点から0〜(T−T2)の間で選定し、T1のONタイミングを、T2のONから0〜(T2−T1)経過の間で選定するようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図にもとづいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態1の構成を示す制御ブロック図、図2は、実施の形態1の制御説明図であり、PWMパターンを三角波比較方式で生成する際の、出力電流極性から比較電圧波形を生成する部分を示す。図3は、同じく実施の形態1の制御説明図であり、PWMパターンを三角波比較方式で生成する際の、比較電圧波形(原型)に対応した各ステージで選択されるスイッチング手段のON、OFFパターンを示す。図4は、実施の形態1のPWMパターンの生成手法の説明図であり、PWMパターンを三角波比較方式で生成する際の、各スイッチング手段のON、OFFタイミングの決定方法を示す。
【0017】
図1において、1は交流電源、2は交流電源1の電圧を直流電圧に変換する整流手段、3は直流リアクトル、4は直流リアクトル3と共に整流された直流電圧を平滑する直流電圧平滑手段、5は平滑された直流電圧を所望の大きさと周波数の交流出力電圧に変換し、負荷であるモータ6に供給する逆変換手段で、以下に述べるような構成とされている。即ち、U、V、Wは直流電圧平滑手段4に対して並列接続された3相分のアームで、U相のアームは、スイッチング素子7とダイオード8とを逆並列接続した上アームU1と、同じくスイッチング素子7とダイオード8とを逆並列接続した下アームU2とを直列接続して構成され、上アームU1と下アームU2との接続部が負荷6に接続されている。V相アームVとW相アームWもU相アームUと同様に構成されている。
【0018】
また、10はU相の出力電流測定手段、11はW相の出力電流測定手段であり後述する制御ブロックの作用により任意の大きさと周波数の出力電圧を得る。
即ち、12はU相出力電流測定手段10およびW相出力電流測定手段11からV相出力電流を演算するV相電流演算手段、13は3相電流の各々の電流極性を判定する電流極性判定手段、14は電流極性判定手段13の判定値および後述する出力電圧位相角設定手段15の出力にもとづいて後述するステージを判定するステージ判定手段、15は出力電圧位相角設定手段、16はゲイン設定手段、17はゲイン設定手段16および出力電圧位相角設定手段15の設定値並びにステージ判定手段14からのステージ情報にもとづいて比較波形を生成する比較波形生成手段、18はキャリア周波数設定手段、19はキャリア周波数設定手段18およびステージ判定手段14の設定値にもとづいて三角波キャリアを生成する三角波キャリア生成手段、20は比較波形生成手段17からの比較波形および三角波キャリア生成手段19からの三角波キャリアにもとづいてPWMパターンを生成するPWM生成手段、21はPWMパターンを補正する補正手段で、詳細については後述する。
【0019】
22は補正されたPWMパターンにもとづいて逆変換手段5のスイッチング素子7のON、OFFを制御する駆動回路で、各相アームの上アームU1、V1、W1および下アームU2、V2、W2に対する制御信号を発生する。
図2は、電流極性判定手段13およびステージ判定手段14による判定結果と、ゲイン設定手段16および出力電圧位相角設定手段15の設定値により比較波形を生成する比較波形生成手段17の波形生成方法を説明するための説明図で、(a)は負荷電流の波形図であり、Zは絶対値で所定値以下の範囲に設定された不感帯を示す。(b)は電流極性判定手段13による極性判定と、ステージ判定手段14による判定結果を示す図、(c)はゲイン設定手段16によるゲインgの設定と、比較波形生成手段17によって生成された比較波形の原型を示す。
(d)は比較波形の原型に重畳される重畳波形、(e)は比較波形の原型に重畳波形を重畳して生成された比較波形を示す。
【0020】
電流極性判定手段13では、負荷に流れ込む方向を+として電流の極性を判定する。また、出力電流の絶対値が不感帯に位置する場合には極性不定とし、次段のステージ判定手段14に最終判定を委ねる。ステージ判定手段14では、出力電流の極性の組み合わせにより、以下に示す6通りのステージI〜VIを設定する。
【表1】
Figure 2004104861
【0021】
ここで、出力電流の極性が1相不定(電流極性判定手段13において1相の電流値が不感帯に位置する)の場合には、その相が前回判定時の極性から切り替わったと判断してステージを決定する。これは、有効電流を流しやすくするためである。また、2相以上不定(電流極性判定手段13において2相以上の電流値が不感帯に位置する)の場合には、出力電圧位相角設定手段15の設定に対して力率1の同位相としてステージを決定する。即ち、出力相電圧基本波の極性と同じと判定する。これは、力行成分を多くして出力電流を増加するという意味である。
インバータの始動時も出力電圧と同位相、即ち、出力相電圧基本波の極性と同じとするが、その位相角はU相の比較電圧波形の原型の正弦波が0VでステージI開始ポイントとする。これは、始動時は力行成分を多くする必要があると共に、ステージの切り替わりを抑制するためには今決めた力率1という位相においてステージが切り替わるポイントからの始動が望ましいからである。
【0022】
また、出力電圧と出力電流の位相が30度以上ずれた場合、即ち、出力相電圧基本波の極性の切り替わり時点と、出力電流測定手段10、11の計測値にもとづく出力電流極性の切り替わり時点とが出力1周期の30度以上遅れた場合には、ステージは強制的に次のステージに切替える。これは、±30度を越えると、固定したい相が比較波形中の絶対値で最大の相ではなくなるため、PWM演算がこの実施の形態ではできなくなるためである。従って、30度以上ずれた場合には強制的にステージを切替えるようにしている。しかし、負荷としてDC−BLM(リラクタンスDCモータ)を適用した場合には一般に負荷の力率は1に近くなるので問題にはならない。このように予め不確定要素を排除した仕組みつくりをしておくことで安定した動作を可能とする。比較波形生成手段17では、図2(b)に示すステージ情報と、図2(c)に示す比較波形の原型の正弦波のゲインと位相角の情報から図2(c)のハッチング部、即ち、図2(d)に示す重畳波形を決定し、図2(e)に示す比較波形を生成する。
なお、図2(d)に示す重畳波形は定常状態では比較波形(原型)の3n次調波成分であり、比較波形は相電圧相当であるため、相間電圧とした場合には、相殺されて相間電圧には現れない成分である。
【0023】
図3は、ステージ別の各スイッチング素子に適用されるON、OFFパターンを示すものであるが、ガイドとして図2(c)の比較波形(原型)を付している。
ON、OFFパターンの表示は、括弧内に順にU相、V相、W相の各アームのスイッチング素子の状態を示しており、1は上アームがON、0は下アームがON、×は上下アーム共にOFFの状態を示す。また、各ステージ毎に比較波形の上下関係でさらに(a)(b)の2つに分けて示している。いずれのタイミングにおいても3通りのパターンから構成されている。
従来装置においても、上2つのパターンである1、0の意味付けによるPWM制御は実施されていたが、×モードはなかった。そして、選択されるパターンとしては2=8の8通りであった。
【0024】
この実施の形態では、新たに×モードが加わったことにより、単純には3 =27の27通りが考えられるが、実使用上有効なパターンは図3に示した13通りのパターンである。これらは、全てのアームが上下ともOFFのパターン(×××)と、どれか1つの上アームがONで、他の1つの下アームがONの組み合わせの6通り(×01)(10×)(1×0)(×10)(01×)(0×1)と、どれか1つの上アームがONで、残り2つの下アームがONの組み合わせの3通り(100)(010)(001)と、どれか1つの下アームがONで、残り2つの上アームがONの組み合わせの3通り(101)(110)(011)とからなる。
【0025】
具体的なON、OFFの選定は図4に示すような方法で行なう。
図4では、(a)はステージI、(b)はステージIIを例示しているが、他のステージの場合も同様である。比較波形U、V、Wは上述のように生成し、1相が上限または下限で一定値となるが、一定になる方向によって異なるキャリア三角波を設定する。即ち、(a)に示すステージIのように下限で一定(V相)の場合は下に凸、(b)に示すステージIIのように上限で一定(U相)の場合は上に凸のキャリア三角波を用いる。
以下、1キャリア周期内のキャリア三角波と比較波形U、V、Wとの比較にもとづく各スイッチング手段に対するPWMパターンの生成について説明する。
これらを組み合わせることによりPWM波形で比較波形を模擬することができる。キャリア周期Tが比較波形周期(出力電圧周期)に対して十分短いものとして、1キャリア周期内での比較波形のレベルを一定として示している。
また、1相が上限または下限で一定値となるように、全相の比較波形を同一方向に同一量変位させた状態を示している
【0026】
図4(a)のステージIでは、下に凸の三角波と比較波形との比較により、比較波形の方が大きい場合にその相(U相、W相)の上アームをONとし、図示のようなPWMパターンを生成する。下アームは、下限に張り付いた相(ステージIではV相)の下アームを、上アームがONしている他の相のいずれか一方のONタイミングで図示のようにONさせる。
図4(b)のステージIIでは、上に凸の三角波と比較波形との比較により、比較波形の方が小さい場合にその相(V相、W相)の下アームをONとし、図示のようなPWMパターンを生成する。上アームは、上限に張り付いた相(ステージIIではU相)の上アームを、下アームがONしている他の相のいずれか一方のONタイミングで図示のようにONさせる。
このようにすることで、キャリア1周期中のPWMパターンは、全OFF→2相ON→3相ともON→2相ON→全OFF、と推移する形となり、不要なスイッチング動作を抑制しつつPWM波形で比較波形を模擬することができる。
【0027】
実施の形態1は以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。すべてのアームで上下アームともOFFのパターンは、動作としては負荷に流れる電流の流路がスイッチング手段のダイオード8になり、エネルギーが平滑コンデンサ4に還流する、いわゆる回生モードになる。実施の形態1においては、従来のゼロベクトルに相当する部分に上下アームともOFFのモードを挿入することを特徴とする。ゼロベクトルは(0,0,0)または(1,1,1)で表されるスイッチングの組み合わせであり、負荷短絡に相当するが、負荷短絡では負荷に蓄積されたエネルギーは短絡電流により熱となって消費される。
この実施の形態における回生モードでは、平滑コンデンサ4に負荷6の持っていたエネルギーを移動して蓄え、次の力行時にそのエネルギーを活用することができる。
【0028】
また、上述した先行文献にも示されているように、電流極性+の場合の下アームONおよび電流極性−の場合の上アームONは、ON時にも並列接続のダイオードに通流するだけなので、出力波形に影響を与えることがなく無駄な動作であるが、実施の形態1のようにPWMパターンを生成すれば、その無駄な動作を削減することができる。このことにより、上下アームのON、OFF切り替え時の短絡防止のための制御が不要となり、比較波形のPWMによる再現性が良く歪を少なくすることができる。なお、上述した実施の形態1では、出力電流測定手段10、11の測定結果にもとづいて、出力電流の極性を判定するようにしているが、これに限られるものではなく、上下アーム共OFF時の相電圧値により、下アームのスイッチング素子間電圧が直流電圧値の場合は−、0Vの場合は+と判定するようにしても同様に実施することができる。
【0029】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2を図にもとづいて説明する。この実施の形態は、実施の形態1の基本的な機能に補正機能を付加することにより、実施の形態1の機能を増強しようとするものである。
図5は、実施の形態2の機能を説明するための説明図である。補正機能は図1における補正手段21によるもので、上述したPWMパターンに対してスイッチング手段の動作遅れに対する時間補償を行なうものである。(a)(b)はそれぞれ異なる実施例を示している。ステージとしては、(a)(b)ともステージIを例示しているが、いずれのステージでも同様である。スイッチング手段の動作遅れとしては、OFF→ONの遅れTonと、ON→OFFの遅れToffを考慮する。
(a)では、△Tとして△T=Toff−Tonを求め、個々のPWMスイッチングに対して、ON→OFFのタイミングを図示のように、△Tだけ早めるようにしたものである。
また、(b)では、個々のPWMスイッチングに対して、OFF→ONのタイミングを図示のように、Tonだけ早め、ON→OFFのタイミングをToffだけ早めるようにしたものである。
このようにすることで、スイッチング手段の動作遅れによる出力電圧歪を抑制することができる。
【0030】
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3を図にもとづいて説明する。この実施の形態も、実施の形態1の基本的な機能に補正機能を付加することにより、実施の形態1の機能を増強しようとするものである。
図6は、実施の形態3の機能を説明するための説明図である。この実施の形態は、PWMパターンの生成においてステージ切り替え時に、制御上、同一相の上下アームのONを短時間で切り替えるタイミングが発生した際の危険回避を図るためのものである。図6において、(a)は一例としてステージIを示すものであり、(b)はステージIIを示すものであるが、他のステージ間の切り替えについても同様である。これら各ステージにおけるPWMパターンは、図4で詳述した手法にもとづいて生成されるが、図6の場合、(a)(b)間で同一相の上下アームのONが最も短時間で切り替わるのはW相である。
【0031】
ステージIでW相の上アームがON→OFFに切り替わった後、W相の下アームがOFF→ONとなる時点は、図4で説明したPWMパターンの生成手法によれば、図6(b)のtであるが、その間隔が上下アームの短絡防止のために必要な時間として予め設定されている所定時間Tdより小さい場合には、図6(b)に示すように、△tだけ下アームのONタイミングを遅らせて、W相上アームのONと下アームのONとの間のOFF期間が所定時間Tdとなるように補正し、保護を図っている。この場合、ステージIIにおいて上限に張り付いているU相上アームのONタイミングも図示のように、△tだけ遅れることになる。
なお、上下アームのON切り替え時間がTd以上になる相については補正は行なわない。
実施の形態3は上述のように、ステージ切り替え時に出力電流極性が反転した相に対しては所定時間Td以上のON禁止区間を設け、PWM演算において所定時間Td以下の短期間での切り替えと演算された場合でも、所定時間Td以上のOFF期間を確保するようにしている。
このようにすることで、上下アームのON切り替え時における短絡モードの発生を抑制することができる。
【0032】
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4を図にもとづいて説明する。この実施の形態も、実施の形態1の基本的な機能に補正機能を付加することにより、実施の形態1の機能を増強しようとするものである。
図7は、実施の形態4の機能を説明するための説明図である。
この発明においては、PWMパターンの生成において、キャリア周期を三角波で前後バランスした形で比較し、PWM生成するので、キャリア周波数成分の出力電圧歪が集中的に発生し、負荷から発生する磁気音がキャリア周波数の倍数の集中的な音になることがあるため、実施の形態4はこれを回避しようとするものである。図7において、(a)は図4の手法によって求められたPWMパターンを示しており、Tはキャリア周期を、T1は短い方のON幅を、T2は長い方のON幅をそれぞれ示している。また、(b)は補正後のPWMパターンを示す。いずれもステージIを例示するものであるが、他のステージにおいても同様に実施することができる。
【0033】
補正制御としては、上記T1およびT2をT期間内でランダムなタイミングで発生させるようにする。まず、T2に対してそのONタイミングを変動させる。T2のONタイミングとしては、キャリアの起点から0〜(T−T2)の間でランダムに選定し、図7(b)に示すようにする。また、T1のONタイミングとしては、T2のONタイミング確定後、T2のONを起点として0〜(T2−T1)経過の間でランダムに選定し、図7(b)に示すようにする。
このように、T1,T2の開始タイミングを所定の制約条件の下ではあるがランダムに変動させることで、キャリア周波数成分を分散させることができ、集中的な音の発生を抑制することができる。
【0034】
【発明の効果】
この発明に係る電圧型PWMインバータ装置は、交流電源の電圧を直流電圧に変換する整流手段と、整流された直流電圧を平滑する直流電圧平滑手段と、スイッチング素子およびダイオードを逆並列接続したスイッチング手段を2個直列接続し、一方を上アーム、他方を下アームとするアームを複数個並列接続して構成され、各アームに平滑された直流電圧が印加されると共に、各アームの上アームと下アームとの接続部が負荷に接続された逆変換手段とを備え、上記逆変換手段は、上記各アームのスイッチング素子を全てOFFとすることにより上記負荷に蓄積されたエネルギーを上記直流電圧平滑手段に還流させる回生モードを有するものであるため、平滑コンデンサに負荷の持っていたエネルギーを移動して蓄え、次の力行時にそのエネルギーを活用することができる。また、上下アームのON、OFF切り替え時における短絡防止のための制御が不要となり、比較波形のPWMによる再現性が良く歪を少なくすることができる。
【0035】
この発明に係る電圧形PWMインバータ装置は、また、上記各スイッチング素子を開閉制御し、所望の出力電圧を得るためのPWMパターンが、キャリア波形と比較波形とにもとづいて生成されたPWMパターンのON幅を、上記スイッチング素子の動作遅れにもとづく特性影響分について補正することにより形成されたものであるため、スイッチング手段の動作遅れによる出力電圧歪を抑制することができる。
【0036】
この発明に係る電圧形PWMインバータ装置は、また、ステージ切り替わり時点で各アーム毎に上アームのONと下アームのONとの間のOFF期間が所定時間以上となるように次段のON開始タイミングに制限を設けたものであるため、上下アームのON切り替え時における短絡モードの発生を抑制することができる。
【0037】
この発明に係る電圧形PWMインバータ装置は、また、キャリアの周期をT、各アームのON期間のうち短いON期間をT1、長いON期間をT2としたとき、T2のONタイミングをキャリアの起点から0〜(T−T2)の間で選定し、T1のONタイミングを、T2のONから0〜(T2−T1)経過の間で選定するようにしたため、PWMパターンにおけるON開始タイミングを所定の制約条件の下ではあるが、ランダムに変動させることにより、キャリア周波数成分を分散させることができ、集中的な音の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の構成を示す制御ブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1の制御説明図である。
【図3】この発明の実施の形態1の別の制御説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1のPWMパターンの生成手法の説明図である。
【図5】この発明の実施の形態2の機能を説明するための制御説明図である。
【図6】この発明の実施の形態3の機能を説明するための制御説明図である。
【図7】この発明の実施の形態4の機能を説明するための説明図である。
【図8】一般的な3相電圧型インバータ装置の回路構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 交流電源、   2 整流手段、   4 直流電圧平滑手段、
5 逆変換手段、   6 負荷、   7 スイッチング素子、
8 ダイオード、   U1、V1、W1 上アーム、
U2、V2、W2 下アーム、   10、11 出力電流測定手段、
12 V相電流演算手段、   13 電流極性判定手段、
14 ステージ判定手段、   15 出力電圧位相角設定手段、
16 ゲイン設定手段、   17 比較波形生成手段、
18 キャリア周波数設定手段、   19 三角波キャリア生成手段、
20 PWM生成手段、   21 補正手段、   22 駆動回路。

Claims (11)

  1. 交流電源の電圧を直流電圧に変換する整流手段と、整流された直流電圧を平滑する直流電圧平滑手段と、スイッチング素子およびダイオードを逆並列接続したスイッチング手段を2個直列接続し、一方を上アーム、他方を下アームとするアームを複数個並列接続して構成され、各アームに平滑された直流電圧が印加されると共に、各アームの上アームと下アームとの接続部が負荷に接続された逆変換手段とを備え、上記逆変換手段は、上記各アームのスイッチング素子を全てOFFとすることにより上記負荷に蓄積されたエネルギーを上記直流電圧平滑手段に還流させる回生モードを有することを特徴とする電圧形PWMインバータ装置。
  2. 上記負荷に流通する電流を計測する出力電流計測手段を備え、上記出力電流計測手段による計測値の極性にもとづいて上記逆変換手段の各アームの上アームまたは下アームいずれかのスイッチング素子をOFFにするようにしたことを特徴とする請求項1記載の電圧形PWMインバータ装置。
  3. 上記逆変換手段の各スイッチング素子の開閉制御は、全スイッチング素子のOFF状態から、上アーム1つがON、下アーム1つがONの状態を経て順次、上アームまたは下アームのON数を増加させ、全アーム動作後は、1アームずつ順次OFFさせ、上アーム1つがON、下アーム1つがONの状態を経て、全スイッチング素子のOFF状態に至るパターンで行なわれることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電圧形PWMインバータ装置。
  4. 上記各スイッチング素子を開閉制御し、所望の出力電圧を得るためのPWMパターンは、キャリア波形と比較波形とにもとづいて生成されたPWMパターンのON幅を、上記スイッチング素子の動作遅れにもとづく特性影響分について補正することにより形成されたものであることを特徴とする請求項3記載の電圧形PWMインバータ装置。
  5. 上記負荷を3相とし、上記各スイッチング素子を開閉制御するPWMパターンを、比較波形と三角波キャリア波形との波高値比較により求めるようにしたものにおいて、出力電流の1周期を各相出力電流の極性の組み合わせによる6つのステージに分割し、各ステージ毎に出力電流極性が唯一異なる相の比較波形が三角波キャリア波形の端点の一定波高値となるように、全相の比較波形を同一方向に同一量変位し、かつ一定値となる相の出力電流極性が正の場合には、他の相の下アームのON期間を上記三角波キャリア波形との比較で求め、一定値となる相の上アームのON期間を他の相の下アームのON期間のいずれか一方と同一にすると共に、一定値となる相の出力電流極性が負の場合には、他の相の上アームのON期間を上記三角波キャリア波形との比較で求め、一定値となる相の下アームのON期間を他の相の上アームのON期間のいずれか一方と同一にすることを特徴とする請求項3記載の電圧形PWMインバータ装置。
  6. 上記出力電流の極性の判定は、上記出力電流計測手段による計測値に対し、絶対値で所定値以下の範囲を不感帯とし、この不感帯においては不感帯に入る直前の極性から反転させた極性とすることを特徴とする請求項5記載の電圧形PWMインバータ装置。
  7. 上記出力電流の極性の判定は、2相以上の出力電流の計測値が不感帯に位置する場合には、不感帯に位置する各相の出力相電圧基本波の極性と同じにすることを特徴とする請求項5記載の電圧形PWMインバータ装置。
  8. 上記逆変換手段の起動時は、各相の出力電流の極性判定を、出力相電圧基本波の極性と同じにすることを特徴とする請求項5記載の電圧形PWMインバータ装置。
  9. 上記出力相電圧基本波の極性の切り替わり時点と、上記出力電流計測手段の計測値にもとづく出力電流極性の切り替わり時点とが出力1周期の30°以上遅れた場合には、ステージを強制的に進めることを特徴とする請求項5記載の電圧形PWMインバータ装置。
  10. ステージ切り替わり時点で各アーム毎に上アームのONと下アームのONとの間のOFF期間が所定時間以上となるように次段のON開始タイミングに制限を設けたことを特徴とする請求項5記載の電圧形PWMインバータ装置。
  11. キャリアの周期をT、各アームのON期間のうち短いON期間をT1、長いON期間をT2としたとき、T2のONタイミングをキャリアの起点から0〜(T−T2)の間で選定し、T1のONタイミングを、T2のONから0〜(T2−T1)経過の間で選定するようにしたことを特徴とする請求項5記載の電圧形PWMインバータ装置。
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