JP2004104401A - 歪補償増幅装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】入力信号を分配する分配器1と、分配器1の第1の出力を遅延させる第1の遅延回路2と、補正回路11からの補正値に従って第1の遅延回路2の出力を補正するプリディストーション回路3と、プリディストーション回路3の出力を増幅する主増幅器4と、残留歪を検知する歪検知回路6と、プリディストーション回路3に予歪を与える補正回路11と、補正回路11の入力と出力の少なくとも一方を遅延させる第2の遅延回路と、第1の遅延回路2の出力と補正回路11の出力とのタイミングを合わせるために、第2の遅延回路の遅延量の制御を行う遅延変動補償回路20を備えた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、増幅器が信号を増幅する際に発生する歪を補償するプリディストーション方式を用いた歪補償増幅装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
W(Wideband)−CDMA(Code Division Multiple Access)の信号やマルチキャリアの信号等を用いる通信装置では、増幅器が信号を増幅する際に発生する歪が問題となる。この問題を解決するために歪補償増幅装置が用いられる。
【0003】
ここで、従来の歪補償増幅装置のうち、フィードフォワード方式を用いた歪補償増幅装置について図5を用いて説明する(例えば、特許文献1参照)。図5に示すように、この歪補償増幅装置は、分配器51と主増幅器52と遅延線53と減算器54と歪増幅器55と遅延線56と減算器57から構成される。分配器51と減算器54と減算器57は、例えば方向性結合器で構成される。
【0004】
次に、図5に示すフィードフォワード方式を用いた歪補償増幅装置の動作について説明する。まず、入力信号は分配器51で分配される。分配器51の出力の一方は主増幅器52で増幅され、減算器54へ出力される。主増幅器52の出力は、主増幅器52で入力信号を増幅する際に発生する歪成分を含んでいる。分配器51の出力のもう一方は、遅延線53を介して減算器54へ出力される。減算器54は、主増幅器52の出力から遅延線53の出力を減算することにより歪成分を抽出し、歪増幅器55へ出力するとともに、主増幅器52の出力を増幅信号として遅延線56へ出力する。歪増幅器55は歪成分を増幅し、減算器57へ出力する。一方、増幅信号は、遅延線56で遅延され減算器57へ出力される。減算器57は、遅延線56の出力から歪増幅器55の出力を減算することにより増幅信号の歪成分を除去し、外部へ出力する。以上の動作により、主増幅器52において発生する歪が補償される。
【0005】
しかしながら、上述したフィードフォワード方式を用いた歪補償増幅装置では、主増幅器52から出力される増幅信号が減算器54や遅延線56や減算器57を通ることによって損失が生じる。そのため、歪補償増幅装置に要求される出力レベルに対して主増幅器52の出力レベルを増加させなければならなくなり、主増幅器52の効率が低下するという問題が生じる。
【0006】
上述したフィードフォワード方式を用いた歪補償増幅装置の問題を解決するための従来の歪補償増幅装置として、プリディストーション方式を用いた歪補償増幅装置がある。以下、プリディストーション方式を用いた歪補償増幅装置の概略について図6を用いて説明する。図6に示すように、この歪補償増幅装置は、プリディストーション(PD)回路61と主増幅器62から構成される。
【0007】
プリディストーション回路61は、主増幅器62で発生する歪に対して位相が180度異なり且つ振幅が同一である歪を予歪として入力信号へ与え、主増幅器62へ出力する。結果として、プリディストーション回路61が与えた予歪と主増幅器62で発生した歪とが打ち消し合い、主増幅器62からは歪のない増幅信号が出力される。このようにプリディストーション方式を用いた歪補償増幅装置では、例えば主増幅器62の後段に回路が付加されないため増幅された信号の損失がなく、高効率の増幅を実現することができる。
【0008】
しかしながら、プリディストーション方式を用いた歪補償増幅装置において、プリディストーション回路61で与えられる予歪と主増幅器62で発生する歪とは、信号の入力変動や歪の周波数特性に関して常に一致していることが必要となる。
【0009】
ここで、増幅器の出力における歪について説明する。増幅器の出力における歪は、AM(Amplitude Modulation)−AM変換や、AM−PM(Phase Modulation)変換が生じるためであると解されている。図7(a)は、一般的な増幅器におけるAM−AM変換の特性例を示す図である。ここで、横軸は増幅器の入力レベルを示し、縦軸は増幅器のゲインを示す。図7(a)において、G1は理想的なゲイン特性を示し、G2は増幅器のゲイン特性を示す。すなわち、プリディストーション回路のゲイン特性と増幅器のゲイン特性G2とを合成した結果が理想的なゲイン特性G1となるように、プリディストーション回路を設定することが必要となる。
【0010】
また、図7(b)は、一般的な増幅器におけるAM−PM変換の特性例を示す図である。ここで、横軸は増幅器の入力レベルを示し、縦軸は増幅器の出力位相を示す。図7(b)において、P1は理想的な位相特性を示し、P2は増幅器の位相特性を示す。すなわち、プリディストーション回路の位相特性と増幅器の位相特性P2とを合成した結果が理想的な位相特性P1となるように、プリディストーション回路を設定することが必要となる。
【0011】
図7(a)や図7(b)に示されるようなAM−AM変換やAM−PM変換の特性は非常に複雑なものであるため、理想的な特性を実現して歪のない増幅信号を出力する歪補償増幅装置を実現するにはプリディストーション回路の特性が極めて複雑な関数型となり、アナログ方式や計算による特性曲線の係数を求める方式による実現は現実的に困難となる。
【0012】
そこで、プリディストーション方式を用いた歪補償増幅装置の具体例として、図8に示すような装置がある(例えば、特許文献2参照)。以下、図8に示すプリディストーション方式を用いた歪補償増幅装置について説明する。図8に示すように、この歪補償増幅装置は、分配器1と遅延回路201と補正回路200とプリディストーション回路3と主増幅器4と分配器5と歪検知回路6とテーブル更新回路7から構成される。プリディストーション回路3は、減衰器31と移相器32から構成される。また、補正回路200は、電力検出器101とA/D変換器103と振幅補正テーブル105aとD/A変換器107aとLPF(Low Pass Filter)108aと位相補正テーブル105bとD/A変換器107bとLPF108bとから構成される。
【0013】
次に、図8に示すプリディストーション方式を用いた歪補償増幅装置の動作について説明する。まず、入力信号は分配器1で分配され、分配器1の出力の一方は遅延回路201へ出力され、分配器1の出力のもう一方は補正回路200へ出力される。
【0014】
補正回路200において、電力検出器101は、例えば分配器1の出力の包絡線検波を行い、瞬時振幅レベルを検出する。検出された瞬時振幅レベルは、A/D変換器103でアナログ信号からデジタル信号へ変換され、振幅補正テーブル105aと位相補正テーブル105bへ出力される。
【0015】
振幅補正テーブル105aは、振幅を補正するための振幅補正データを瞬時振幅レベルに対応づけてメモリに記憶しており、メモリを参照することにより、入力された瞬時振幅レベルに対応した振幅補正データを読み出し、D/A変換器107aへ出力する。振幅補正データは、D/A変換器107aでデジタル信号からアナログ信号へ変換され、LPF108aで周波数領域における折り返し成分が除去され、プリディストーション回路3における減衰器31へ出力される。
【0016】
同様に、位相補正テーブル105bは、位相を補正するための位相補正データを瞬時振幅レベルに対応づけてメモリに記憶しており、メモリを参照することにより、入力された瞬時振幅レベルに対応した位相補正データを読み出し、D/A変換器107bへ出力する。位相補正データは、D/A変換器107bでデジタル信号からアナログ信号へ変換され、LPF108aで周波数領域における折り返し成分が除去され、プリディストーション回路3における移相器32へ出力される。
【0017】
一方、遅延回路201は、補正回路200が分配器1の出力に与える遅延にあわせた遅延量を持ち、分配器1の出力の一方をその遅延量だけ遅延してプリディストーション回路3へ出力する。従って、遅延回路201の出力と、補正回路200の出力である振幅補正データと位相補正データは、タイミングが同期してプリディストーション回路3へ入力される。
【0018】
プリディストーション回路3において、減衰器31は、振幅補正データに従う振幅歪を遅延回路201の出力に与え、移相器32へ出力する。移相器32は、位相補正データに従う位相歪を減衰器31の出力に与え、主増幅器4へ出力する。移相器32の出力を増幅する際に主増幅器4で発生する振幅歪及び位相歪と、プリディストーション回路3で与えられた振幅歪及び位相歪とが打ち消し合い、主増幅器4からは歪のない増幅信号が分配器5を介して外部へ出力される。
【0019】
減衰器31で与えられる振幅歪や移相器32で与えられる位相歪は、図7(a)や図7(b)で示したように、入力レベルに応じて主増幅器4のAM−AM変換やAM−PM変換が生じるのに対して、これらの逆特性を与えることができるような振幅補正データ及び位相補正データが振幅補正テーブル105aと位相補正テーブル105bに設定されており、これにより理想的な特性を実現し、歪のない増幅信号を出力する歪補償増幅装置を実現することができる。
【0020】
一方、分配器5で分配された増幅信号の一部は歪検知回路6へ出力される。歪検知回路6は、歪補償後の増幅信号の一部に含まれる残留歪成分を検出し、テーブル更新回路7へ出力する。テーブル更新回路7は、残留歪成分が例えば最小となるような振幅補正データ及び位相補正データを計算し、その計算結果を振幅補正テーブル105aと位相補正テーブル105bへ出力する。次に、振幅補正テーブル105aと位相補正テーブル105bに記憶される振幅補正データ及び位相補正データは最適値に書き換えられる。このようなフィードバック系を用いて振幅補正データ及び位相補正データの更新を行うことにより、常に有効に動作することが可能な歪補償増幅装置が実現される。
【0021】
【特許文献1】
特公平7−60977号公報(第2−3頁、図1)
【特許文献2】
特開2001−217792号公報(第5−8頁、図1)
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した遅延回路201の出力は補正回路200の出力のタイミングに合わせるために補正回路200の遅延量と等しい遅延量を持つことが必要となり、遅延量に伴い回路規模が大きくなるため、歪補償増幅装置が大型化または重量化する問題が生じる。そこで、遅延回路201の回路規模が大きくなるという、前者の問題に対して、本出願人は既に、図9に示すようなプリディストーション方式を用いた歪補償増幅装置を提案している(特願2002−072055号)。図9に示すように、この歪補償増幅装置は、図8に示す遅延回路201の代わりに、遅延回路201と比べて損失と回路規模が小さく遅延量が大きいSAW(Surface Acoustic Wave:表面弾性波)素子を用いた遅延回路202を備え、遅延回路202の遅延量に補正回路の遅延量をあわせるため、補正回路200における電力検出器101とA/D変換器103との間にアナログ遅延回路102を備え、A/D変換器103と振幅補正テーブル105a及び位相補正テーブル105bとの間にデジタル遅延回路104を備え、振幅補正テーブル105aとD/A変換器107aとの間にデジタル遅延回路106aを備え、位相補正テーブル105bとD/A変換器107bとの間にデジタル遅延回路106bを備え、LPF108aと減衰器31との間にアナログ遅延回路109aを備え、LPF108bと移相器32との間にアナログ遅延回路109bを備えた補正回路10を備えている。
【0023】
しかしながら、ここで問題となるのが温度変化や経年変化等による遅延回路の遅延量の変動である。上述したように遅延回路の出力と補正回路の出力とのタイミングを同期させるために、遅延回路と補正回路は等しい遅延量を持つことが必要となる。遅延回路として、例えば上述したようなSAW素子等を用いる場合、特に、周囲温度変化によってその遅延量が変動してしまうため、その場合、遅延回路の出力と補正回路の出力のタイミングが同期できなくなり、歪補償の性能が大きく劣化するという問題が生じる。また、プリディストーション回路の後段に付加される増幅器等の種類やその状態によって、遅延回路の出力と補正回路の出力とのタイミングの同期は微妙な差が生じるため、歪補償の性能が劣化するという問題が生じる。
【0024】
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、温度変化や経年変化等による遅延回路の遅延量の変動、また、プリディストーション回路の後段に付加される回路の状態やその他の条件に応じて遅延量を最適化する歪補償増幅装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明は、プリディストーション方式を用いて増幅器で発生する歪を補償する歪補償増幅装置において、入力信号を分岐する分岐手段と、前記分岐手段の第1の出力を遅延させる第1遅延手段と、外部から与えられる補正値に従って、前記第1遅延手段の出力を補正するプリディストーション回路と、前記プリディストーション回路の出力を増幅する増幅手段と、前記増幅手段の出力における残留歪を検知する歪検知手段と、前記分岐手段の第2の出力及び前記残留歪に基づいて、前記プリディストーション回路における振幅と位相の補正値を算出する補正値算出手段と、前記補正値算出手段の入力と出力の少なくとも一方を遅延させる第2遅延手段と、前記第1遅延手段の出力と前記補正値算出手段の出力とのタイミングを合わせるために、前記第2遅延手段の遅延量の制御を行う遅延補償手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0026】
このような構成によれば、遅延補償手段が、温度変化や経年変化等による遅延回路の遅延量の変動、また、プリディストーション回路の後段に付加される回路の状態やその他の条件に応じて第2遅延手段の遅延量を制御することにより、歪補償の性能の劣化を防ぐことができる。
【0027】
また、本発明に係る歪補償増幅装置において、前記遅延補償手段は、前記残留歪に基づいて前記第2遅延手段の遅延量の制御を行うことを特徴とするものである。
【0028】
このような構成によれば、遅延補償手段が、温度変化や経年変化等による遅延回路の遅延量の変動、また、プリディストーション回路の後段に付加される回路の状態やその他の条件に応じて第2遅延手段の遅延量を制御することにより、歪補償の性能の劣化を防ぐことができる。
【0029】
また、本発明に係る歪補償増幅装置において、前記遅延補償手段は、温度を計測し、温度に対して予め設定された遅延量を用いて、前記第2遅延手段の遅延量の制御を行うことを特徴とするものである。
【0030】
このような構成によれば、遅延補償手段が、温度変化による遅延回路の遅延量の変動に応じて第2遅延手段の遅延量を制御することにより、歪補償の性能の劣化を防ぐことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る歪補償増幅装置を示すブロック図である。図1において、図9と同一符号は図9に示された対象と同一又は相当物を示しており、ここでの説明を省略する。本実施の形態では、図9に示した歪補償増幅装置に新たに遅延変動補償回路20を備える。また、補正回路10の代わりに補正回路11を備える。補正回路11の構成は補正回路10の構成と同様であるが、遅延変動補償回路20が、補正回路11内のアナログ遅延回路102,109a,109bとデジタル遅延回路104,106a,106bの遅延量を制御する点が異なる。また、本実施の形態では、遅延回路202の代わりに遅延回路2を備える。遅延回路2は、温度変化や経年変化等によって遅延量が変動するような遅延回路、例えばSAW素子を用いた遅延回路である。
【0032】
なお、本実施の形態における分岐手段とは分配器1のことであり、第1遅延手段とは遅延回路2のことであり、増幅手段とは主増幅器4のことであり、歪検知手段とは歪検知回路6のことであり、補正値算出手段とはテーブル更新回路7及び振幅補正テーブル105a及び位相補正テーブル105bのことであり、第2遅延手段とはアナログ遅延回路102,109a,109bとデジタル遅延回路104,106a,106bのことであり、遅延補償手段とは遅延変動補償回路20のことである。
【0033】
以下、本発明の特徴である遅延変動補償回路20について詳細に説明する。上述したように、遅延回路の出力と補正回路の出力が、タイミングを同期せずにプリディストーション回路へ入力されると歪補償の性能が大きく劣化することになる。これを改善するために、遅延変動補償回路20は、歪検知回路6で検出された歪補償後の増幅信号の一部に含まれる残留歪成分が例えば最小となるような遅延補償量の算出を行い、補正回路11内のアナログ遅延回路102,109a,109bとデジタル遅延回路104,106a,106bに対して制御信号を出力する。アナログ遅延回路102,109a,109bとデジタル遅延回路104,106a,106bは、遅延変動補償回路20からの制御信号に従って、入力信号をそれぞれ遅延させて出力する。以上のように、遅延変動補償回路20がそれぞれの遅延回路の遅延量を制御し最適に変化させることで、遅延回路2の出力と補正回路11の出力のタイミングを同期させる。
【0034】
遅延変動補償回路20が行う遅延補償量の算出の動作は、テーブル更新回路7が、振幅補正テーブル105aと位相補正テーブル105bに記憶される振幅補正データ及び位相補正データを最適値に書き換える動作と同時に行っても良いし、別々に行っても良い。遅延変動補償も含めたフィードバック系を用いて振幅補正データ及び位相補正データの更新を行うことにより、例えば温度変化や経年変化等による遅延回路2の遅延量の変動、また、プリディストーション回路3の後段に付加される回路の状態等の影響に関わらず、有効に動作することが可能な歪補償増幅装置を実現することができる。
【0035】
また、遅延変動補償回路20における最適な遅延補償量の算出は、必ずしも上述したような適応的動作である必要はない。即ち、図1における歪検知回路6の出力を遅延変動補償回路20へ入力しなくとも良い。例えば、遅延変動補償回路20は、温度に対応した最適な遅延補償量を初期データとして持ち、温度を測定し、補正回路11内のアナログ遅延回路102,109a,109bやデジタル遅延回路104,106a,106bに対して、測定した温度に対応するそれぞれの遅延補償量を与え、タイミングを同期させた遅延回路2の出力と補正回路11の出力をプリディストーション回路3へ入力するようにしても良い。
【0036】
なお、遅延変動補償回路20は、必ずしもアナログ遅延回路102,109a,109bとデジタル遅延回路104,106a,106bの全てを制御する必要はなく、少なくともどれか1つを最適な遅延量に変化させるように制御できれば良い。また、アナログ遅延回路109a,109bはそれぞれD/A変換器107aと減衰器31の間、D/A変換器107bと移相器32の間に備えれば良く、必ずしもそれぞれLPF108a,108bの出力側に備える必要はない。また、アナログ遅延回路102,109a,109bとデジタル遅延回路104,106a,106bは、その全てが必要ではなく、そのいずれかを削除しても良い。
【0037】
実施の形態2.
本実施の形態においては、入力されたIF(Intermediate Frequency)信号をRF(Radio Frequency)信号へ変換し、RF信号に予歪を与え、RF信号を増幅し、RF信号を出力する歪補償増幅装置について説明する。図2は実施の形態2に係る歪補償増幅装置を示すブロック図である。図2において、図1と同一符号は図1に示された対象と同一又は相当物を示しており、ここでの説明を省略する。本実施の形態は、図1に示す遅延回路2の代わりに周波数変換部8を備える。周波数変換部8は、入力されたIF信号をRF信号に周波数変換するとともに遅延させ、RF信号をプリディストーション回路3へ出力する。
【0038】
本実施の形態では、実施の形態1と同様にして、遅延変動補償回路20が、プリディストーション回路3へ入力される周波数変換部8の出力と補正回路11の出力のタイミングが同期するように、アナログ遅延回路102,109a,109bとデジタル遅延回路104,106a,106b,110の遅延量を最適に制御することにより、実施の形態1に示した歪補償増幅装置と同様の機能を実現する。従って、本実施の形態に係る歪補償増幅装置は、IF信号をRF信号へ変換するとともに、RF信号を増幅することができる。
【0039】
実施の形態3.
本実施の形態においては、入力されたベースバンド信号をRF信号に変換し、RF信号に予歪を与え、RF信号を増幅し、RF信号を出力する歪補償増幅装置について説明する。図3は実施の形態3に係る歪補償増幅装置を示すブロック図である。図3において、図2と同一符号は図2に示された対象と同一又は相当物を示しており、ここでの説明を省略する。本実施の形態は、図2に示す補正回路11の代わりに補正回路12を備える。補正回路12は、補正回路11におけるアナログ遅延回路102とA/D変換器103を削除し、デジタル遅延回路110を追加したものである。なお、本実施の形態における第2遅延手段とはデジタル遅延回路104,106a,106b,110とアナログ遅延回路109a,109bのことである。
【0040】
まず、入力されたベースバンド信号は分配器1で分配され、分配器1の出力の一方は補正回路12におけるデジタル遅延回路110へ出力され、分配器1の出力のもう一方は補正回路12における電力検出器101へ出力される。補正回路12において、電力検出器101は、検出した瞬時振幅レベルをデジタル遅延回路104へ出力する。一方、補正回路12において、デジタル遅延回路110は、遅延変動補償回路20からの制御信号に従って分配器1からのベースバンド信号を遅延させ、周波数変換部8へ出力する。周波数変換部8は、入力されたベースバンド信号をRF信号へ周波数変換するとともに遅延させ、RF信号をプリディストーション回路3へ出力する。
【0041】
本実施の形態では、実施の形態1と同様にして、遅延変動補償回路20が、プリディストーション回路3へ入力される周波数変換部8の出力と補正回路11の出力のタイミングが同期するように、アナログ遅延回路109a,109bとデジタル遅延回路104,106a,106b,110の遅延量を最適に制御することにより、実施の形態1に示した歪補償増幅装置と同様の機能を実現する。従って、本実施の形態に係る歪補償増幅装置は、ベースバンド信号をRF信号へ変換するとともに、RF信号を増幅することができる。
【0042】
実施の形態4.
本実施の形態においては、入力されたベースバンド信号に予歪を与え、ベースバンド信号をRF信号に変換し、RF信号を増幅し、RF信号を出力する歪補償増幅装置について説明する。図4は実施の形態4に係る歪補償増幅装置を示すブロック図である。図4において、図3と同一符号は図3に示された対象と同一又は相当物を示しており、ここでの説明を省略する。本実施の形態は、図3に示す補正回路12の代わりに補正回路13を備える。また、図3に示す周波数変換部8を削除し、プリディストーション回路3と増幅器4の間に周波数変換部9を備える。補正回路13は、補正回路12におけるD/A変換器107a,107bとLPF108a,108bとアナログ遅延回路109a,109bを削除したものである。なお、本実施の形態における第2遅延手段とはデジタル遅延回路104,106a,106b,110のことである。
【0043】
まず、入力されたベースバンド信号は分配器1で分配され、分配器1の出力の一方は補正回路13におけるデジタル遅延回路110へ出力され、分配器1の出力のもう一方は補正回路12における電力検出器101へ出力される。補正回路12において、電力検出器101は、検出した瞬時振幅レベルをデジタル遅延回路104へ出力する。一方、補正回路13において、デジタル遅延回路110は、遅延変動補償回路20からの制御信号に従って分配器1からのベースバンド信号を遅延させ、プリディストーション回路3へ出力する。また、デジタル遅延回路106aは、振幅補正データを一定時間遅延させ、プリディストーション回路3における減衰器31へ出力し、デジタル遅延回路106bは、位相補正データを一定時間遅延させ、プリディストーション回路3における移相器32へ出力する。プリディストーション回路3は、デジタル遅延回路110からのベースバンド信号に予歪を与え、周波数変換部9へ出力する。周波数変換部9は、ベースバンド信号をRF信号へ周波数変換し、主増幅器4へ出力する。
【0044】
本実施の形態では、実施の形態1と同様にして、遅延変動補償回路20が、プリディストーション回路3へ入力されるデジタル遅延回路110の出力と補正回路13の出力のタイミングが同期するように、デジタル遅延回路104,106a,106b,110の遅延量を最適に制御することにより、実施の形態1に示した歪補償増幅装置と同様の機能を実現する。従って、本実施の形態に係る歪補償増幅装置は、ベースバンドをRF信号へ変換するとともに、RF信号を増幅することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上に詳述したように本発明によれば、温度変化や経年変化等による遅延回路の遅延量の変動、また、プリディストーション回路の後段に付加される回路の状態やその他の条件に応じて遅延量を最適化する歪補償増幅装置を提供するという効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る歪補償増幅器を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係る歪補償増幅器を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態3に係る歪補償増幅器を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態4に係る歪補償増幅器を示すブロック図である。
【図5】フィードフォワード方式を用いた従来の歪補償増幅装置を示すブロック図である。
【図6】プリディストーション方式を用いた従来の歪補償増幅装置の概略を示すブロック図である。
【図7】一般的な増幅器におけるAM−AM変換及びAM−PM変換の特性例を示す図である。
【図8】プリディストーション方式を用いた歪補償増幅装置の具体例を示すブロック図である。
【図9】プリディストーション方式を用いた歪補償増幅装置の他の具体例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 分配器、2 遅延回路、3 プリディストーション回路、31 減衰器、32 移相器、4 主増幅器、5 分配器、6 歪検知回路、7 テーブル更新回路、11,12,13 補正回路、101 電力検出器、102,109a,109b アナログ遅延回路、103 A/D変換器、104,106a,106b,110 デジタル遅延回路、105a 振幅補正テーブル、105b 位相補正テーブル、106a,106b D/A変換器、107a,107b LPF、20 遅延変動補償回路、8,9 周波数変換部。
Claims (3)
- プリディストーション方式を用いて増幅器で発生する歪を補償する歪補償増幅装置において、
入力信号を分岐する分岐手段と、
前記分岐手段の第1の出力を遅延させる第1遅延手段と、
外部から与えられる補正値に従って、前記第1遅延手段の出力を補正するプリディストーション回路と、
前記プリディストーション回路の出力を増幅する増幅手段と、
前記増幅手段の出力における残留歪を検知する歪検知手段と、
前記分岐手段の第2の出力及び前記残留歪に基づいて、前記プリディストーション回路における振幅と位相の補正値を算出する補正値算出手段と、
前記補正値算出手段の入力と出力の少なくとも一方を遅延させる第2遅延手段と、
前記第1遅延手段の出力と前記補正値算出手段の出力とのタイミングを合わせるために、前記第2遅延手段の遅延量の制御を行う遅延補償手段とを備えたことを特徴とする歪補償増幅装置。 - 請求項1に記載の歪補償増幅装置において、
前記遅延補償手段は、前記残留歪に基づいて前記第2遅延手段の遅延量の制御を行うことを特徴とする歪補償増幅装置。 - 請求項1に記載の歪補償増幅装置において、
前記遅延補償手段は、温度を計測し、温度に対して予め設定された遅延量を用いて、前記第2遅延手段の遅延量の制御を行うことを特徴とする歪補償増幅装置。
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-
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