JP2004103756A - コイル部品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高いQ値が得られると共に、狭公差の特性が得られ、さらに導体長や断面積の制限が緩和されたコイル部品とその製造方法を提供する。
【解決手段】表裏面に複数の帯状導体とその帯状導体を覆う絶縁層を形成したコア基板をチップ状に切断することにより作製する。前記コア基板を素材とする直方体状の絶縁体1の左右両側面に前記帯状導体からなる複数の側部導体2aを有する。またその側部導体2aを覆う絶縁層3を有する。前記側部導体2aとこれらの間を絶縁体1の上下面でそれぞれ接続する橋架導体2b、2cとにより、矩形ヘリカルコイル2を形成する。橋架導体形成面に絶縁層4、5を施す。
【選択図】図1
【解決手段】表裏面に複数の帯状導体とその帯状導体を覆う絶縁層を形成したコア基板をチップ状に切断することにより作製する。前記コア基板を素材とする直方体状の絶縁体1の左右両側面に前記帯状導体からなる複数の側部導体2aを有する。またその側部導体2aを覆う絶縁層3を有する。前記側部導体2aとこれらの間を絶縁体1の上下面でそれぞれ接続する橋架導体2b、2cとにより、矩形ヘリカルコイル2を形成する。橋架導体形成面に絶縁層4、5を施す。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、積層構造のインダクタンス素子やコモンモードチョークコイルまたはトランスとして使用されるコイル部品とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のインダクタンス素子の一例として、機能材料粉末と樹脂とを混合した複合材料または樹脂からなるコア基板の表裏面にフォトリソ工法を用いてスパイラル状にコイルを形成したものがある(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
また、他の従来例として、積層チップインダクタに代表されるように、1/2〜3/4ターン巻きの導体パターンを多層積層することにより、積層方向にヘリカル状のコイルを巻上げたものがある(例えば特許文献2参照。)。
【0004】
また、この種のインダクタンス素子として、絶縁基体にフェライト粉末と樹脂からなる複合材料を用いたものがある(例えば特許文献3、4参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−251142号公報(第5頁、図1、図2)
【特許文献2】
特公昭57−39521号公報(第2頁、第1図−第12図)
【特許文献3】
特開平10−270255号公報(第3−5頁、図1、図2)
【特許文献4】
特開平11−154611号公報(第4−6頁、図1、図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のインダクタンス素子のうち、スパイラル状にコイルを形成したものは、フォトリソ工法を用いているので、パターン精度が高くとれ、インダクタンス値の狭公差化は図れるものの、コイル形状がスパイラル状をなすことから、自己共振周波数とQ値が低いという問題点がある。
【0007】
一方、前記のように導体パターンを積層方向に多層積層してヘリカル状のコイルを形成したものは、Q値は比較的高くとれるが、多層構造であるため、各層間の導体パターンの位置合わせを高精度に行うことが困難であるため、狭公差化が図れないという問題点がある。
【0008】
このような問題点を解決するため、本発明者等は、特願2001−392940において、機能材料粉末と樹脂とを混合した複合材料または樹脂でなる第1の層に2列に形成されたスルーホールを形成し、前記第1の層の上下面において異なる列のスルーホール間を連絡する導体とによりヘリカル状のコイルを構成するコイル部品を提案した。
【0009】
このような構成とすれば、導体パターンはフォトリソ工法等のようにパターン精度の高い形成工程によって実現できる上、第1の層(コア基板)の平坦部に導体パターンが形成されるので、導体パターンの位置精度が高められ、多層積層による場合のパターンのずれによる特性のばらつきが少ないため、電気的特性の狭公差化が達成できる。また、積層工程でヘリカルコイルを構成するのではなく、平面的導体パターンの形成によってコイルを構成するので、コイルを短時間で構成できる上、電気的特性の狭公差化により、特性調整のためのトリミングが不要となるので、コストダウンが図れる。
【0010】
しかしこの先願のコイル部品は、コア基板にレーザ等によりスルーホールを開ける必要があり、この孔が例えば、約0.3mm以上の深さになると、直径が約0.02mmのスルーホール形成が困難になる上、スルーホールの貫通方向に均一な断面のスルーホールや導体を充填形成することが困難になるという問題点がある。また、形状の揃ったスルーホールを形成することが困難であるという問題点もある。
【0011】
本発明は、前記した先行技術の問題点に鑑み、高いQ値が得られると共に、狭公差の特性が得られかつスルーホールによる場合の導体長の制限等の問題点が解決できるコイル部品とその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】(1)本発明のコイル部品は、表裏面に複数の帯状導体とその帯状導体を覆う絶縁層を形成したコア基板を用いて作製され、
前記コア基板を素材とする直方体状の絶縁体の左右両側部に前記帯状導体により縦に形成された複数の側部導体と、前記側部導体を覆う前記絶縁層と、前記コア基板を前記帯状導体を切断する方向に切断した切断面に形成され、左右の側部導体の上端間、下端間をそれぞれ接続するようにパターニングにより形成された橋架導体と、前記橋架導体を覆うように前記切断面に形成された絶縁層とを有し、
前記側部導体と前記橋架導体とにより、矩形ヘリカルコイルを形成したことを特徴とする。
【0013】
このように、本発明のコイル部品は、側部導体をコア基板上の同一平面上に一度に形成するため、コイルパターンの位置精度が高められると共に、積層によるパターンのずれを回避でき、電気的特性の狭公差化が図れる。また、側部導体をコア基板の同一平面上に一度に形成するため、導体長や断面積の制限が緩和され、細かい導体パターンを形成でき、製造が容易で低価格でコイル部品を提供することができる。またコイルがヘリカル状に形成されるため、Q値を高くすることができる。
【0014】
また、構造上、製法に自由度があり、使用材料に有機材料や無機材料または有機および無機材料の複合材料を使用することができ、用途に応じた最適な電気的特性の高性能化が図れる。
【0015】
(2)また、本発明のコイル部品は、前記橋架導体により、左右の側部導体の上端間、下端間のいずれか一方について1つ跳びに接続することにより、2組の矩形ヘリカルコイルを形成したことを特徴とする。
【0016】
このように2組のヘリカルコイルを構成しかつそれぞれのヘリカルコイルに対応する端子電極を設けることにより、前記特徴を有するチョークコイルやトランスを構成することができる。
【0017】
(3)本発明のコイル部品においては、前記絶縁体となるコア基板としてセラミック等を用いることができるが、前記絶縁体および絶縁層が、樹脂または樹脂に機能材料粉末を混合した複合材料を使用すれば、低誘電率の基体が構成されるため、高周波において使用可能な高い自己共振周波数のものが得られ、加工が容易となる。また、機能材料粉末を選択することにより、目的に応じた特性のコイル部品が得られる。
【0018】
(4)本発明のコイル部品において、前記側部導体や橋架導体がフォトリソ工法により形成されたものでなることが好ましい。このような導体によってヘリカルコイルを構成することにより、低い比抵抗で高いQ値のコイル部品が提供可能となる。
【0019】
(5)本発明によるコイル部品の製造方法は、コア基板の表裏面に、複数のヘリカルコイルの側部導体に相当する複数の帯状導体を形成し、
前記帯状導体を形成したコア基板の表裏面に前記帯状導体を覆う絶縁層を形成し、
前記コア基板を、前記帯状導体を切断するようにスティック状の素材に切断し、
前記切断により切断面に露出した前記帯状導体の端部どうしを、パターニングによって形成された橋架導体によって接続することにより、ヘリカルコイルを形成し、
前記橋架導体形成面に絶縁層を形成し、
前記素材を個々のチップに切断してコイル部品を得ることを特徴とする。
【0020】
このように、側部導体をコア基板上の同一平面上に一度に形成するため、前述のように、電気的特性の狭公差化、導体長や導体断面積制限の緩和、製造価格の削減、Q特性の向上、用途に応じた特性の取得を図ることができる。
【0021】
(6)また、本発明のコイル部品の製造方法は、複数のヘリカルコイルの側部導体に相当する複数の帯状導体を形成し、
前記帯状導体を形成したコア基板の表裏面に前記帯状導体を覆う絶縁層を形成し、
前記コア基板を、前記帯状導体を切断するようにスティック状の素材に切断し、
該複数本のスティック状の素材どうしを、切断面が露出した面が同面をなすように集合または相互に固着させて集合素材を形成し、
前記集合素材の前記切断面に露出した前記帯状導体の端部どうしを、パターニングによって形成された橋架導体によって接続することにより、ヘリカルコイルを形成し、
前記橋架導体形成面に絶縁層を形成し、
前記集合素材を個々のチップに切断してコイル部品を得ることを特徴とする。
【0022】
このように、スティック状の素材をまとめてパターニングすることにより、能率良くパターニングを行うことができ、製造価格をさらに削減することができる。
(7)また、本発明のコイル部品の製造方法は、コア基板の表裏面に、複数のヘリカルコイルの側部導体に相当する複数の帯状導体を形成し、
前記帯状導体を形成したコア基板を、絶縁層を介して複数枚重ねて一体化して積層コア基板を作製し、
前記積層コア基板を、前記帯状導体を切断するように板状の素材に切断して集合素材とし、
前記集合素材の切断面に露出した前記帯状導体の端部どうしを、パターニングによって形成された橋架導体によって接続することにより、ヘリカルコイルを形成し、
前記橋架導体形成面に絶縁層を形成し、
前記集合素材を個々のチップに切断してコイル部品を得ることを特徴とする。
【0023】
このように、複数枚のコア基板を重ねて切断してスティック状ではなく板状の素材を得、これにパターニングすることにより、さらに製造工程を削減して能率良くコイル部品を製造することができ、製造価格を削減することができる。
【0024】
(8)本発明のコイル部品の製造方法は、前記ヘリカルコイルを形成する場合、1つのチップ当り2個のヘリカルコイルを形成する方法としても実施することができる。このように、2個のヘリカルコイルを得ることにより、チョークコイルやトランスを得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1(A)は本発明によるコイル部品の一実施の形態を示す透視斜視図、図1(B)はそのコイルの構成を示す断面図、図1(C)はその端子電極構造を示す部分断面図である。
【0026】
図1において、1は絶縁体、2は矩形ヘリカル状に構成されたコイル、3はチップ側面の絶縁層、4、5はそれぞれチップ上下面の絶縁層、6は電極パッド、7は端子電極であり、該端子電極7は下地層7aと半田付け用金属層7bとからなる。
【0027】
前記ヘリカルコイル2は、左右の側部導体2aと、上下面の橋架導体2b、2cとにより構成される。前記側部導体2aは左右にそれぞれ複数本ずつ間隔を有し整列して配設される。上面橋架導体2bおよび下面橋架導体2cはそれぞれ前記左右の側部導体2a、2aの上端間、下端間を橋架状に接続するためにフォトリソ工法を用いたパターニング導体により形成される。
【0028】
前記絶縁体1の素材には、セラミック基板や、樹脂または樹脂に機能材料粉末を混合した複合材料からなるコア基板が用いられる。また、前記絶縁層3〜5には、樹脂または樹脂に機能材料粉末を混合した複合材料が用いられる。
【0029】
前記絶縁体1を樹脂または複合材料により構成する場合の樹脂、および絶縁層3〜5を構成する樹脂としては、ビスフェノールA、シリコン等の熱硬化性樹脂、またはポリオレフィン、液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを混合した変性樹脂等が用いられる。
【0030】
また、用途によってこれらの樹脂に粉末状で混合する誘電体材料としては、溶融シリカ、ブラックカーボン、チタン酸バリウムを主成分とした誘電体混合粉末等が用いられる。また、これらの樹脂や誘電体粉末に低誘電率のものを用いることにより、高周波特性に優れたものを得ることができる。さらに樹脂に磁性体材料を混合した複合材料も用いることができ、この場合の磁性体材料としては、酸化鉄あるいは金属鉄を主成分としたフェライト混合粉末等が用いられる。勿論、前記絶縁体1、絶縁層3〜5を構成する樹脂、誘電体材料および磁性体材料は前記のものに限定されない。
【0031】
図2ないし図5は図1に示したコイル部品の製造方法の一実施の形態を示す図である。図2において、1Aはコア基板であり、該コア基板はアルミナ基板等のセラミック基板または樹脂基板あるいは樹脂に機能材料粉末を混合した複合材料でなる基板によりなる。
【0032】
本実施の形態においては、以下の工程により、前記コア基板1Aの表裏面にフォトリソ工法を用いて帯状導体を形成する。まず図2(A)に示すコア基板1Aに対し、図2(B)に示すように、無電解メッキにより前記コア基板1Aの全面に銅の下地膜9を形成する。次に図2(C)、(D)に示すように、表裏面および周囲にレジスト10を塗布し、露光およびレジスト除去により、帯状導体形成のための複数の溝状のレジスト除去部分11を形成する。これらのレジスト除去部分11は実際には数十組以上形成され、これらのレジスト除去部分11の長さも数十以上のチップ分の長さに形成されるが、説明の便宜上少ない組数および長さに描いてある。
【0033】
次に図3(A)に示すように電解メッキにより前記レジスト除去部分11の部分に銅による本メッキ層12を形成する。その後図3(B)に示すようにレジスト10および銅の下地膜9を除去して残部により前記側部導体2aとなる帯状導体13を形成する。
【0034】
次に帯状導体13を形成したコア基板1Aの両面に、図3(C)に示すように樹脂または樹脂に機能材料粉末を混合した複合材料でなる絶縁層3を、印刷、スピンコートまたはシートの圧着あるいは接着により設ける。
【0035】
その後、図4(A)に示すように、切断線14に沿って切断し、スティック状の素材15を得る。該素材15を図4(B)に示すように90度回したときの高さは、1個のチップの高さに大略相当する高さである。
【0036】
このようにして得た素材15に前述と同様に全面に銅の下地膜を無電解メッキによって形成した後、図4(C)の底面図に示すように、レジスト塗布、パターニング露光、レジストの非露光部除去により、橋架導体2b、2cを形成すべき部分に溝状のレジスト除去部分16、17を形成する。同時に、素材15の下面には、前記電極パッド6を形成する箇所にレジスト除去部分19を形成する。
【0037】
次に前記レジスト除去部分16、17、19に銅を電解メッキにより形成した後、レジストや下地膜を除去することにより、図4(D)に示すように前記橋架導体2b、2cと電極パッド6を形成する。これにより1つの素材15に複数個のヘリカルコイル2が形成される。
【0038】
次に図5(A)に上下反転して示すように、前記橋架導体2b、2cを形成した上下面を前記絶縁層4、5で覆う。これらの絶縁層4、5の形成は、樹脂シートまたは前記複合材料でなるシートの熱圧着または接着、あるいはこれらの材料でなる絶縁ペーストの塗布により行う。
【0039】
図5(B)〜(G)は端子電極7の形成工程を示しており、図5(B)に示すように前記電極パッド6上の絶縁層5aをレーザにより除去し、図5(C)に示すように絶縁層5の表面5bをサンドブラストまたは溶剤による溶解によって粗面化し、メッキによる付着強度を上げる。そして図5(D)に示すように端子電極7となる下地層7aを電解メッキにより形成する。その後、図5(E)に示すように、このコイル部品を基板に半田付けするためのニッケル、錫等の金属層7bを電解メッキにより形成する。
【0040】
図5(F)、(G)は端子電極7の形成方法の他の例であり、前記絶縁層5の除去部分に導体ペースト7cを印刷等により充填し、その上に半田付けのためのニッケル、錫等の金属層7dを電解メッキにより形成する。
【0041】
その後、この素材15を図5(H)の切断線20に相当する部分で切断することにより個々のチップを得る。
【0042】
本実施の形態においては、コア基板1A上に帯状導体13を形成するためにフォトリソ工法としてアディティブ工法を採用したが、金属箔のパターンエッチングにより帯状導体13を形成してもよく、また金属膜の形成にはスパッタリングや蒸着法も採用可能である。また、橋架導体2b、2cの形成にも同様の工法が採用できる。
【0043】
このコイル部品は、側部導体2aをコア基板1A上の同一平面上に一度に形成するため、コイルパターンの位置精度が高められると共に、積層によるパターンのずれを回避でき、電気的特性の狭公差化が図れる。また、側部導体2aをコア基板1Aの同一平面上に一度に形成するため、スルーホールの場合のような導体長や導体断面積の制限を受けることがなく、またむらのない断面積の導体を形成でき、製造が容易で低価格でコイル部品を提供することができる。またコイルがヘリカル状に形成されるため、Q特性を高くすることができる。
【0044】
また、構造上、製法に自由度があり、使用材料に有機材料や無機材料または有機および無機材料の複合材料を使用することができ、用途に応じた最適な電気的特性の高性能化が図れる。
【0045】
また、前記絶縁体1および絶縁層3〜5として、樹脂または樹脂に機能材料粉末を混合した複合材料からなるものを用いて低誘電率の基体が構成すれば、高い自己共振周波数のものが得られ、加工の容易となる。また、機能材料粉末を選択することにより、目的に応じた特性のコイル部品が得られる。
【0046】
また、側部導体2aを金属箔のエッチングあるいはフォトリソ工法により形成すると共に、前記橋架導体2b、2cをフォトリソ工法により形成することにより、低い比抵抗でより高いQ値のコイル部品が提供可能となる。
【0047】
図6は本発明のコイル部品の製造方法の他の実施の形態を示すもので、前記素材15を複数本まとめて1つの集合素材として構成する例を示す。まず、図6(A)に示すように、ガラス基板のように剛性を持った基板21に接着シート22を貼り、その上に整列させて図4(A)、(B)の工程で得た前記素材15を固定する。次に図6(B)に示すように、接着シート22上における前記素材15間に、素材15の上下面(橋架導体2b、2c形成面)を覆わないように印刷などによりUV硬化性樹脂23を塗布する。
【0048】
次に、図6(C)に示すように、前記素材15を埋設した樹脂23上に樹脂23および素材15を挟むように固定板24を載せ、図6(D)に示すように、基板21と固定板24の少なくとも対向する2辺をコ字形断面のガイド25により挟んで固定しておき、UV線26の照射により前記樹脂23を硬化させる。次にガイド25、前記接着シート22や基板21および固定板24を樹脂23や素材15から外すことにより、図6(E)に示すように、素材15が樹脂23により固められた板状の素材27が得られる。
【0049】
このような素材27は、前記橋架導体2b、2cのフォトリソ工法による形成や絶縁層4、5の形成、端子電極7の形成をまとめて行うことができるから、より能率よく製造でき、製造コストを削減できる。
【0050】
図7(A)、(B)は本発明の製造方法の他の実施の形態であり、前記素材15の集合素材化の他の例である。本実施の形態は、前記素材15を嵌め込む複数の貫通溝28aを有するセット板28を準備しておき、該貫通溝28aに素材15の上下面が上下に露出するように嵌め込んでセットし、集合素材29として取り扱うことを可能にしたものである。
【0051】
本実施の形態においても、前記と同様に橋架導体2b、2cのフォトリソ工法による形成や絶縁層4、5の形成、端子電極7の形成をまとめて行うことができるから、より能率よく製造でき、製造コストを削減できる。
【0052】
図8(A)、(B)は本発明の製造方法の他の実施の形態であり、本実施の形態は、前記コア基板1Aの両面に帯状導体13および絶縁層3を形成した複数枚の板状素材30を、接着性を有する絶縁層31を介して積層し、このようにして得た積層コア基板32をチップの高さに大略相当する幅ごとに切断線33に沿って切断し、これにより図8(B)に示すように、素材15が絶縁層30を介して接着された板状集合素材34としたものである。このように構成することにより、図6、図7の実施の形態と同様の効果をあげることができる。
【0053】
図9(A)〜(C)は端子電極の他の構造例であり、図9(A)のものは絶縁層5の端子電極形成部を除去してその部分に端子電極7Aを設けることにより、コイル部品の底面と端子電極7Aとを同面としたものである。
【0054】
図9(B)、(C)は端子電極7B、7Cとして基板に半田付けした場合の半田溜め用凹部(フィレット)37、39を設けることにより、半田付けが確実強固に行えるようにしたものである。
【0055】
図10(A)は本発明のコイル部品の他の実施の形態であり、チョークコイルやトランスとして構成されたコイル部品について示す。本実施の形態においては、左右の対応する側部導体2aに対し、上面導体は前記1つのヘリカルコイルを形成する場合と同様に橋架導体2bにより接続し、底面は1つ跳びに接続する橋架導体2c1、2c2に分けることにより、2組の矩形ヘリカルコイルを形成したものである。6a、6bは2つのヘリカルコイルのうちの1つの両端に接続される電極パッド、6c、6dは他の2つのヘリカルコイルの両端に接続される電極パッド、71〜74はそれぞれこれらの電極パッド6a〜6d上に形成される端子電極である。このように、側部導体2a、2a間の橋架導体による接続構造を変えることにより、2つのヘリカルコイルを形成することが可能である。
【0056】
また、図10(B)に示すように、コイル部品の単品40を絶縁層31を介して接着することにより、コイル部品アレイとして構成したものである。このようなアレイは、図8に示した集合素材からではなく、図6や図7に示した集合素材における橋架導体形成、切り出しによっても作製することができる。
【0057】
【実施例】
図1の構造のコイル部品であって、平面の縦横幅が1mm×0.5mm、厚みが0.5mmのものを下記のような工程により得た。コア基板1Aとして、ビニルベンジル樹脂にシリカ粉末を混合した複合材料でなる低誘電率基板(ε=2.9)を用いた。このコア基板1Aの厚みは0.4mmとし、その両面にフォトリソ工法を用いて帯状導体13として導体幅0.05mm、間隔0.02mm、厚み0.02mmのものを形成した。そしてこの帯状導体13上に前記シリカ粉末混合のビニルベンジル樹脂でなる複合材料により絶縁層3を形成し、その厚みを0.05mmとした。次に0.4mmの厚みにスティック状に切断して前記素材15とし、これを90度回転させ、上下面に橋架導体2b、2cをフォトリソ工法を用いて形成した。そしてこれらの橋架導体2b、2cを形成した面に、前記絶縁層4、5として、前記シリカ粉末混合のビニルベンジル樹脂でなる複合材料を0.05mmの厚みに塗布して形成した。そしてこの素材を個々のチップに切断した。
【0058】
このようにして得たコイル部品はインダクタンス値が15nH、Q値が60(1GHz)であった。一方、同じサイズで従来の薄膜によるスパイラル構造のコイルを形成したものは、Q値が約20であり、セラミック積層体による場合にはQ値が約30であるから、本発明によりQ値の大幅な向上が達成できることが確認できた。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、高いQ値が得られると共に、狭公差の特性のコイル部品が得られる。また、スルーホールによる場合のような導体長の制限や導体断面積の制限なく作製でき、より容易かつ廉価にコイル部品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明によるコイル部品の一実施の形態を示す透視斜視図、(B)はそのコイルの構成を示す断面図、(C)はその電極構造を示す部分断面図である。
【図2】(A)は本発明のコイル部品の製造方法に用いるコア基板の一例を示す斜視図、(B)はその無電解メッキにより下地層を形成したコア基板の側面図、(C)はレジストパターンを形成したコア基板の平面図、(D)はその部分断面図である。
【図3】(A)は図2(D)のレジスト除去部分に銅をメッキにより形成した状態を示す断面図、(B)は(A)のレジストを除去した状態を示す断面図、(C)は(B)のコア基板の両面に絶縁層を形成した状態を示す断面図である。
【図4】(A)は本実施の形態のコア基板の切断部を示す斜視図、(B)は切断により得た素材を90度回転させた状態を示す斜視図、(C)はその素材にレジストパターンを施した状態を示す底面図、(D)はそのレジストパターンを用いて橋架導体および電極パッドを形成した状態を示す底面図である。
【図5】(A)は図4(D)の素材の上下面に絶縁層を形成した状態を示す断面図、(B)〜(G)は電極形成工程を示す断面図である。
【図6】(A)〜(E)は本発明による製造方法の一実施の形態としての集合素材の形成工程の一例を示す斜視図である。
【図7】(A)は本発明による製造方法の一実施の形態において用いる集合素材を示す斜視図、(B)はその断面図である。
【図8】(A)は本発明による製造方法の一実施の形態を示す積層コア基板の斜視図、(B)はその積層コア基板の切断により得た集合素材の斜視図である。
【図9】(A)〜(D)は本発明によるコイル部品の端子電極構造例をそれぞれ示す斜視図である。
【図10】(A)、(B)はそれぞれ本発明によるコイル部品の他の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:絶縁体、1A:コア基板、2:スパイラルコイル、2a:側部導体、2b、2c、2c1、2c2:橋架導体、3〜5:絶縁層、6、6a〜6d:電極パッド、7、7A〜7C、71〜74:端子電極、7a:下地層、7b、7d:半田付け用金属層、7c:導体ペースト、9:下地膜、10:レジスト、12:本メッキ層、13:帯状導体、14:切断線、15:素材、20:切断線、21:基板、22:接着シート、23:UV硬化性樹脂、24:固定板、25:ガイド、26:UV線、27:素材、28:セット板、28a:貫通溝、29:集合素材、30:板状素材、31:絶縁層、32:積層コア基板、33:切断線、34:集合素材、37、39:半田溜め用凹部、40:コイル部品の単品
【発明が属する技術分野】
本発明は、積層構造のインダクタンス素子やコモンモードチョークコイルまたはトランスとして使用されるコイル部品とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のインダクタンス素子の一例として、機能材料粉末と樹脂とを混合した複合材料または樹脂からなるコア基板の表裏面にフォトリソ工法を用いてスパイラル状にコイルを形成したものがある(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
また、他の従来例として、積層チップインダクタに代表されるように、1/2〜3/4ターン巻きの導体パターンを多層積層することにより、積層方向にヘリカル状のコイルを巻上げたものがある(例えば特許文献2参照。)。
【0004】
また、この種のインダクタンス素子として、絶縁基体にフェライト粉末と樹脂からなる複合材料を用いたものがある(例えば特許文献3、4参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−251142号公報(第5頁、図1、図2)
【特許文献2】
特公昭57−39521号公報(第2頁、第1図−第12図)
【特許文献3】
特開平10−270255号公報(第3−5頁、図1、図2)
【特許文献4】
特開平11−154611号公報(第4−6頁、図1、図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のインダクタンス素子のうち、スパイラル状にコイルを形成したものは、フォトリソ工法を用いているので、パターン精度が高くとれ、インダクタンス値の狭公差化は図れるものの、コイル形状がスパイラル状をなすことから、自己共振周波数とQ値が低いという問題点がある。
【0007】
一方、前記のように導体パターンを積層方向に多層積層してヘリカル状のコイルを形成したものは、Q値は比較的高くとれるが、多層構造であるため、各層間の導体パターンの位置合わせを高精度に行うことが困難であるため、狭公差化が図れないという問題点がある。
【0008】
このような問題点を解決するため、本発明者等は、特願2001−392940において、機能材料粉末と樹脂とを混合した複合材料または樹脂でなる第1の層に2列に形成されたスルーホールを形成し、前記第1の層の上下面において異なる列のスルーホール間を連絡する導体とによりヘリカル状のコイルを構成するコイル部品を提案した。
【0009】
このような構成とすれば、導体パターンはフォトリソ工法等のようにパターン精度の高い形成工程によって実現できる上、第1の層(コア基板)の平坦部に導体パターンが形成されるので、導体パターンの位置精度が高められ、多層積層による場合のパターンのずれによる特性のばらつきが少ないため、電気的特性の狭公差化が達成できる。また、積層工程でヘリカルコイルを構成するのではなく、平面的導体パターンの形成によってコイルを構成するので、コイルを短時間で構成できる上、電気的特性の狭公差化により、特性調整のためのトリミングが不要となるので、コストダウンが図れる。
【0010】
しかしこの先願のコイル部品は、コア基板にレーザ等によりスルーホールを開ける必要があり、この孔が例えば、約0.3mm以上の深さになると、直径が約0.02mmのスルーホール形成が困難になる上、スルーホールの貫通方向に均一な断面のスルーホールや導体を充填形成することが困難になるという問題点がある。また、形状の揃ったスルーホールを形成することが困難であるという問題点もある。
【0011】
本発明は、前記した先行技術の問題点に鑑み、高いQ値が得られると共に、狭公差の特性が得られかつスルーホールによる場合の導体長の制限等の問題点が解決できるコイル部品とその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】(1)本発明のコイル部品は、表裏面に複数の帯状導体とその帯状導体を覆う絶縁層を形成したコア基板を用いて作製され、
前記コア基板を素材とする直方体状の絶縁体の左右両側部に前記帯状導体により縦に形成された複数の側部導体と、前記側部導体を覆う前記絶縁層と、前記コア基板を前記帯状導体を切断する方向に切断した切断面に形成され、左右の側部導体の上端間、下端間をそれぞれ接続するようにパターニングにより形成された橋架導体と、前記橋架導体を覆うように前記切断面に形成された絶縁層とを有し、
前記側部導体と前記橋架導体とにより、矩形ヘリカルコイルを形成したことを特徴とする。
【0013】
このように、本発明のコイル部品は、側部導体をコア基板上の同一平面上に一度に形成するため、コイルパターンの位置精度が高められると共に、積層によるパターンのずれを回避でき、電気的特性の狭公差化が図れる。また、側部導体をコア基板の同一平面上に一度に形成するため、導体長や断面積の制限が緩和され、細かい導体パターンを形成でき、製造が容易で低価格でコイル部品を提供することができる。またコイルがヘリカル状に形成されるため、Q値を高くすることができる。
【0014】
また、構造上、製法に自由度があり、使用材料に有機材料や無機材料または有機および無機材料の複合材料を使用することができ、用途に応じた最適な電気的特性の高性能化が図れる。
【0015】
(2)また、本発明のコイル部品は、前記橋架導体により、左右の側部導体の上端間、下端間のいずれか一方について1つ跳びに接続することにより、2組の矩形ヘリカルコイルを形成したことを特徴とする。
【0016】
このように2組のヘリカルコイルを構成しかつそれぞれのヘリカルコイルに対応する端子電極を設けることにより、前記特徴を有するチョークコイルやトランスを構成することができる。
【0017】
(3)本発明のコイル部品においては、前記絶縁体となるコア基板としてセラミック等を用いることができるが、前記絶縁体および絶縁層が、樹脂または樹脂に機能材料粉末を混合した複合材料を使用すれば、低誘電率の基体が構成されるため、高周波において使用可能な高い自己共振周波数のものが得られ、加工が容易となる。また、機能材料粉末を選択することにより、目的に応じた特性のコイル部品が得られる。
【0018】
(4)本発明のコイル部品において、前記側部導体や橋架導体がフォトリソ工法により形成されたものでなることが好ましい。このような導体によってヘリカルコイルを構成することにより、低い比抵抗で高いQ値のコイル部品が提供可能となる。
【0019】
(5)本発明によるコイル部品の製造方法は、コア基板の表裏面に、複数のヘリカルコイルの側部導体に相当する複数の帯状導体を形成し、
前記帯状導体を形成したコア基板の表裏面に前記帯状導体を覆う絶縁層を形成し、
前記コア基板を、前記帯状導体を切断するようにスティック状の素材に切断し、
前記切断により切断面に露出した前記帯状導体の端部どうしを、パターニングによって形成された橋架導体によって接続することにより、ヘリカルコイルを形成し、
前記橋架導体形成面に絶縁層を形成し、
前記素材を個々のチップに切断してコイル部品を得ることを特徴とする。
【0020】
このように、側部導体をコア基板上の同一平面上に一度に形成するため、前述のように、電気的特性の狭公差化、導体長や導体断面積制限の緩和、製造価格の削減、Q特性の向上、用途に応じた特性の取得を図ることができる。
【0021】
(6)また、本発明のコイル部品の製造方法は、複数のヘリカルコイルの側部導体に相当する複数の帯状導体を形成し、
前記帯状導体を形成したコア基板の表裏面に前記帯状導体を覆う絶縁層を形成し、
前記コア基板を、前記帯状導体を切断するようにスティック状の素材に切断し、
該複数本のスティック状の素材どうしを、切断面が露出した面が同面をなすように集合または相互に固着させて集合素材を形成し、
前記集合素材の前記切断面に露出した前記帯状導体の端部どうしを、パターニングによって形成された橋架導体によって接続することにより、ヘリカルコイルを形成し、
前記橋架導体形成面に絶縁層を形成し、
前記集合素材を個々のチップに切断してコイル部品を得ることを特徴とする。
【0022】
このように、スティック状の素材をまとめてパターニングすることにより、能率良くパターニングを行うことができ、製造価格をさらに削減することができる。
(7)また、本発明のコイル部品の製造方法は、コア基板の表裏面に、複数のヘリカルコイルの側部導体に相当する複数の帯状導体を形成し、
前記帯状導体を形成したコア基板を、絶縁層を介して複数枚重ねて一体化して積層コア基板を作製し、
前記積層コア基板を、前記帯状導体を切断するように板状の素材に切断して集合素材とし、
前記集合素材の切断面に露出した前記帯状導体の端部どうしを、パターニングによって形成された橋架導体によって接続することにより、ヘリカルコイルを形成し、
前記橋架導体形成面に絶縁層を形成し、
前記集合素材を個々のチップに切断してコイル部品を得ることを特徴とする。
【0023】
このように、複数枚のコア基板を重ねて切断してスティック状ではなく板状の素材を得、これにパターニングすることにより、さらに製造工程を削減して能率良くコイル部品を製造することができ、製造価格を削減することができる。
【0024】
(8)本発明のコイル部品の製造方法は、前記ヘリカルコイルを形成する場合、1つのチップ当り2個のヘリカルコイルを形成する方法としても実施することができる。このように、2個のヘリカルコイルを得ることにより、チョークコイルやトランスを得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1(A)は本発明によるコイル部品の一実施の形態を示す透視斜視図、図1(B)はそのコイルの構成を示す断面図、図1(C)はその端子電極構造を示す部分断面図である。
【0026】
図1において、1は絶縁体、2は矩形ヘリカル状に構成されたコイル、3はチップ側面の絶縁層、4、5はそれぞれチップ上下面の絶縁層、6は電極パッド、7は端子電極であり、該端子電極7は下地層7aと半田付け用金属層7bとからなる。
【0027】
前記ヘリカルコイル2は、左右の側部導体2aと、上下面の橋架導体2b、2cとにより構成される。前記側部導体2aは左右にそれぞれ複数本ずつ間隔を有し整列して配設される。上面橋架導体2bおよび下面橋架導体2cはそれぞれ前記左右の側部導体2a、2aの上端間、下端間を橋架状に接続するためにフォトリソ工法を用いたパターニング導体により形成される。
【0028】
前記絶縁体1の素材には、セラミック基板や、樹脂または樹脂に機能材料粉末を混合した複合材料からなるコア基板が用いられる。また、前記絶縁層3〜5には、樹脂または樹脂に機能材料粉末を混合した複合材料が用いられる。
【0029】
前記絶縁体1を樹脂または複合材料により構成する場合の樹脂、および絶縁層3〜5を構成する樹脂としては、ビスフェノールA、シリコン等の熱硬化性樹脂、またはポリオレフィン、液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを混合した変性樹脂等が用いられる。
【0030】
また、用途によってこれらの樹脂に粉末状で混合する誘電体材料としては、溶融シリカ、ブラックカーボン、チタン酸バリウムを主成分とした誘電体混合粉末等が用いられる。また、これらの樹脂や誘電体粉末に低誘電率のものを用いることにより、高周波特性に優れたものを得ることができる。さらに樹脂に磁性体材料を混合した複合材料も用いることができ、この場合の磁性体材料としては、酸化鉄あるいは金属鉄を主成分としたフェライト混合粉末等が用いられる。勿論、前記絶縁体1、絶縁層3〜5を構成する樹脂、誘電体材料および磁性体材料は前記のものに限定されない。
【0031】
図2ないし図5は図1に示したコイル部品の製造方法の一実施の形態を示す図である。図2において、1Aはコア基板であり、該コア基板はアルミナ基板等のセラミック基板または樹脂基板あるいは樹脂に機能材料粉末を混合した複合材料でなる基板によりなる。
【0032】
本実施の形態においては、以下の工程により、前記コア基板1Aの表裏面にフォトリソ工法を用いて帯状導体を形成する。まず図2(A)に示すコア基板1Aに対し、図2(B)に示すように、無電解メッキにより前記コア基板1Aの全面に銅の下地膜9を形成する。次に図2(C)、(D)に示すように、表裏面および周囲にレジスト10を塗布し、露光およびレジスト除去により、帯状導体形成のための複数の溝状のレジスト除去部分11を形成する。これらのレジスト除去部分11は実際には数十組以上形成され、これらのレジスト除去部分11の長さも数十以上のチップ分の長さに形成されるが、説明の便宜上少ない組数および長さに描いてある。
【0033】
次に図3(A)に示すように電解メッキにより前記レジスト除去部分11の部分に銅による本メッキ層12を形成する。その後図3(B)に示すようにレジスト10および銅の下地膜9を除去して残部により前記側部導体2aとなる帯状導体13を形成する。
【0034】
次に帯状導体13を形成したコア基板1Aの両面に、図3(C)に示すように樹脂または樹脂に機能材料粉末を混合した複合材料でなる絶縁層3を、印刷、スピンコートまたはシートの圧着あるいは接着により設ける。
【0035】
その後、図4(A)に示すように、切断線14に沿って切断し、スティック状の素材15を得る。該素材15を図4(B)に示すように90度回したときの高さは、1個のチップの高さに大略相当する高さである。
【0036】
このようにして得た素材15に前述と同様に全面に銅の下地膜を無電解メッキによって形成した後、図4(C)の底面図に示すように、レジスト塗布、パターニング露光、レジストの非露光部除去により、橋架導体2b、2cを形成すべき部分に溝状のレジスト除去部分16、17を形成する。同時に、素材15の下面には、前記電極パッド6を形成する箇所にレジスト除去部分19を形成する。
【0037】
次に前記レジスト除去部分16、17、19に銅を電解メッキにより形成した後、レジストや下地膜を除去することにより、図4(D)に示すように前記橋架導体2b、2cと電極パッド6を形成する。これにより1つの素材15に複数個のヘリカルコイル2が形成される。
【0038】
次に図5(A)に上下反転して示すように、前記橋架導体2b、2cを形成した上下面を前記絶縁層4、5で覆う。これらの絶縁層4、5の形成は、樹脂シートまたは前記複合材料でなるシートの熱圧着または接着、あるいはこれらの材料でなる絶縁ペーストの塗布により行う。
【0039】
図5(B)〜(G)は端子電極7の形成工程を示しており、図5(B)に示すように前記電極パッド6上の絶縁層5aをレーザにより除去し、図5(C)に示すように絶縁層5の表面5bをサンドブラストまたは溶剤による溶解によって粗面化し、メッキによる付着強度を上げる。そして図5(D)に示すように端子電極7となる下地層7aを電解メッキにより形成する。その後、図5(E)に示すように、このコイル部品を基板に半田付けするためのニッケル、錫等の金属層7bを電解メッキにより形成する。
【0040】
図5(F)、(G)は端子電極7の形成方法の他の例であり、前記絶縁層5の除去部分に導体ペースト7cを印刷等により充填し、その上に半田付けのためのニッケル、錫等の金属層7dを電解メッキにより形成する。
【0041】
その後、この素材15を図5(H)の切断線20に相当する部分で切断することにより個々のチップを得る。
【0042】
本実施の形態においては、コア基板1A上に帯状導体13を形成するためにフォトリソ工法としてアディティブ工法を採用したが、金属箔のパターンエッチングにより帯状導体13を形成してもよく、また金属膜の形成にはスパッタリングや蒸着法も採用可能である。また、橋架導体2b、2cの形成にも同様の工法が採用できる。
【0043】
このコイル部品は、側部導体2aをコア基板1A上の同一平面上に一度に形成するため、コイルパターンの位置精度が高められると共に、積層によるパターンのずれを回避でき、電気的特性の狭公差化が図れる。また、側部導体2aをコア基板1Aの同一平面上に一度に形成するため、スルーホールの場合のような導体長や導体断面積の制限を受けることがなく、またむらのない断面積の導体を形成でき、製造が容易で低価格でコイル部品を提供することができる。またコイルがヘリカル状に形成されるため、Q特性を高くすることができる。
【0044】
また、構造上、製法に自由度があり、使用材料に有機材料や無機材料または有機および無機材料の複合材料を使用することができ、用途に応じた最適な電気的特性の高性能化が図れる。
【0045】
また、前記絶縁体1および絶縁層3〜5として、樹脂または樹脂に機能材料粉末を混合した複合材料からなるものを用いて低誘電率の基体が構成すれば、高い自己共振周波数のものが得られ、加工の容易となる。また、機能材料粉末を選択することにより、目的に応じた特性のコイル部品が得られる。
【0046】
また、側部導体2aを金属箔のエッチングあるいはフォトリソ工法により形成すると共に、前記橋架導体2b、2cをフォトリソ工法により形成することにより、低い比抵抗でより高いQ値のコイル部品が提供可能となる。
【0047】
図6は本発明のコイル部品の製造方法の他の実施の形態を示すもので、前記素材15を複数本まとめて1つの集合素材として構成する例を示す。まず、図6(A)に示すように、ガラス基板のように剛性を持った基板21に接着シート22を貼り、その上に整列させて図4(A)、(B)の工程で得た前記素材15を固定する。次に図6(B)に示すように、接着シート22上における前記素材15間に、素材15の上下面(橋架導体2b、2c形成面)を覆わないように印刷などによりUV硬化性樹脂23を塗布する。
【0048】
次に、図6(C)に示すように、前記素材15を埋設した樹脂23上に樹脂23および素材15を挟むように固定板24を載せ、図6(D)に示すように、基板21と固定板24の少なくとも対向する2辺をコ字形断面のガイド25により挟んで固定しておき、UV線26の照射により前記樹脂23を硬化させる。次にガイド25、前記接着シート22や基板21および固定板24を樹脂23や素材15から外すことにより、図6(E)に示すように、素材15が樹脂23により固められた板状の素材27が得られる。
【0049】
このような素材27は、前記橋架導体2b、2cのフォトリソ工法による形成や絶縁層4、5の形成、端子電極7の形成をまとめて行うことができるから、より能率よく製造でき、製造コストを削減できる。
【0050】
図7(A)、(B)は本発明の製造方法の他の実施の形態であり、前記素材15の集合素材化の他の例である。本実施の形態は、前記素材15を嵌め込む複数の貫通溝28aを有するセット板28を準備しておき、該貫通溝28aに素材15の上下面が上下に露出するように嵌め込んでセットし、集合素材29として取り扱うことを可能にしたものである。
【0051】
本実施の形態においても、前記と同様に橋架導体2b、2cのフォトリソ工法による形成や絶縁層4、5の形成、端子電極7の形成をまとめて行うことができるから、より能率よく製造でき、製造コストを削減できる。
【0052】
図8(A)、(B)は本発明の製造方法の他の実施の形態であり、本実施の形態は、前記コア基板1Aの両面に帯状導体13および絶縁層3を形成した複数枚の板状素材30を、接着性を有する絶縁層31を介して積層し、このようにして得た積層コア基板32をチップの高さに大略相当する幅ごとに切断線33に沿って切断し、これにより図8(B)に示すように、素材15が絶縁層30を介して接着された板状集合素材34としたものである。このように構成することにより、図6、図7の実施の形態と同様の効果をあげることができる。
【0053】
図9(A)〜(C)は端子電極の他の構造例であり、図9(A)のものは絶縁層5の端子電極形成部を除去してその部分に端子電極7Aを設けることにより、コイル部品の底面と端子電極7Aとを同面としたものである。
【0054】
図9(B)、(C)は端子電極7B、7Cとして基板に半田付けした場合の半田溜め用凹部(フィレット)37、39を設けることにより、半田付けが確実強固に行えるようにしたものである。
【0055】
図10(A)は本発明のコイル部品の他の実施の形態であり、チョークコイルやトランスとして構成されたコイル部品について示す。本実施の形態においては、左右の対応する側部導体2aに対し、上面導体は前記1つのヘリカルコイルを形成する場合と同様に橋架導体2bにより接続し、底面は1つ跳びに接続する橋架導体2c1、2c2に分けることにより、2組の矩形ヘリカルコイルを形成したものである。6a、6bは2つのヘリカルコイルのうちの1つの両端に接続される電極パッド、6c、6dは他の2つのヘリカルコイルの両端に接続される電極パッド、71〜74はそれぞれこれらの電極パッド6a〜6d上に形成される端子電極である。このように、側部導体2a、2a間の橋架導体による接続構造を変えることにより、2つのヘリカルコイルを形成することが可能である。
【0056】
また、図10(B)に示すように、コイル部品の単品40を絶縁層31を介して接着することにより、コイル部品アレイとして構成したものである。このようなアレイは、図8に示した集合素材からではなく、図6や図7に示した集合素材における橋架導体形成、切り出しによっても作製することができる。
【0057】
【実施例】
図1の構造のコイル部品であって、平面の縦横幅が1mm×0.5mm、厚みが0.5mmのものを下記のような工程により得た。コア基板1Aとして、ビニルベンジル樹脂にシリカ粉末を混合した複合材料でなる低誘電率基板(ε=2.9)を用いた。このコア基板1Aの厚みは0.4mmとし、その両面にフォトリソ工法を用いて帯状導体13として導体幅0.05mm、間隔0.02mm、厚み0.02mmのものを形成した。そしてこの帯状導体13上に前記シリカ粉末混合のビニルベンジル樹脂でなる複合材料により絶縁層3を形成し、その厚みを0.05mmとした。次に0.4mmの厚みにスティック状に切断して前記素材15とし、これを90度回転させ、上下面に橋架導体2b、2cをフォトリソ工法を用いて形成した。そしてこれらの橋架導体2b、2cを形成した面に、前記絶縁層4、5として、前記シリカ粉末混合のビニルベンジル樹脂でなる複合材料を0.05mmの厚みに塗布して形成した。そしてこの素材を個々のチップに切断した。
【0058】
このようにして得たコイル部品はインダクタンス値が15nH、Q値が60(1GHz)であった。一方、同じサイズで従来の薄膜によるスパイラル構造のコイルを形成したものは、Q値が約20であり、セラミック積層体による場合にはQ値が約30であるから、本発明によりQ値の大幅な向上が達成できることが確認できた。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、高いQ値が得られると共に、狭公差の特性のコイル部品が得られる。また、スルーホールによる場合のような導体長の制限や導体断面積の制限なく作製でき、より容易かつ廉価にコイル部品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明によるコイル部品の一実施の形態を示す透視斜視図、(B)はそのコイルの構成を示す断面図、(C)はその電極構造を示す部分断面図である。
【図2】(A)は本発明のコイル部品の製造方法に用いるコア基板の一例を示す斜視図、(B)はその無電解メッキにより下地層を形成したコア基板の側面図、(C)はレジストパターンを形成したコア基板の平面図、(D)はその部分断面図である。
【図3】(A)は図2(D)のレジスト除去部分に銅をメッキにより形成した状態を示す断面図、(B)は(A)のレジストを除去した状態を示す断面図、(C)は(B)のコア基板の両面に絶縁層を形成した状態を示す断面図である。
【図4】(A)は本実施の形態のコア基板の切断部を示す斜視図、(B)は切断により得た素材を90度回転させた状態を示す斜視図、(C)はその素材にレジストパターンを施した状態を示す底面図、(D)はそのレジストパターンを用いて橋架導体および電極パッドを形成した状態を示す底面図である。
【図5】(A)は図4(D)の素材の上下面に絶縁層を形成した状態を示す断面図、(B)〜(G)は電極形成工程を示す断面図である。
【図6】(A)〜(E)は本発明による製造方法の一実施の形態としての集合素材の形成工程の一例を示す斜視図である。
【図7】(A)は本発明による製造方法の一実施の形態において用いる集合素材を示す斜視図、(B)はその断面図である。
【図8】(A)は本発明による製造方法の一実施の形態を示す積層コア基板の斜視図、(B)はその積層コア基板の切断により得た集合素材の斜視図である。
【図9】(A)〜(D)は本発明によるコイル部品の端子電極構造例をそれぞれ示す斜視図である。
【図10】(A)、(B)はそれぞれ本発明によるコイル部品の他の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:絶縁体、1A:コア基板、2:スパイラルコイル、2a:側部導体、2b、2c、2c1、2c2:橋架導体、3〜5:絶縁層、6、6a〜6d:電極パッド、7、7A〜7C、71〜74:端子電極、7a:下地層、7b、7d:半田付け用金属層、7c:導体ペースト、9:下地膜、10:レジスト、12:本メッキ層、13:帯状導体、14:切断線、15:素材、20:切断線、21:基板、22:接着シート、23:UV硬化性樹脂、24:固定板、25:ガイド、26:UV線、27:素材、28:セット板、28a:貫通溝、29:集合素材、30:板状素材、31:絶縁層、32:積層コア基板、33:切断線、34:集合素材、37、39:半田溜め用凹部、40:コイル部品の単品
Claims (8)
- 表裏面に複数の帯状導体とその帯状導体を覆う絶縁層を形成したコア基板を用いて作製され、
前記コア基板を素材とする直方体状の絶縁体の左右両側部に前記帯状導体により縦に形成された複数の側部導体と、前記側部導体を覆う前記絶縁層と、前記コア基板を前記帯状導体を切断する方向に切断した切断面に形成され、左右の側部導体の上端間、下端間をそれぞれ接続するようにパターニングにより形成された橋架導体と、前記橋架導体を覆うように前記切断面に形成された絶縁層とを有し、
前記側部導体と前記橋架導体とにより、矩形ヘリカルコイルを形成したことを特徴とするコイル部品。 - 請求項1に記載のコイル部品において、
前記橋架導体により、左右の側部導体の上端間、下端間のいずれか一方について1つ跳びに接続することにより、2組の矩形ヘリカルコイルを形成したことを特徴とするコイル部品。 - 請求項1または2に記載のコイル部品において、
前記絶縁体および絶縁層が、樹脂または樹脂に機能材料粉末を混合した複合材料からなることを特徴とするコイル部品。 - 請求項1から3までのいずれかに記載のコイル部品において、
前記側部導体および前記橋架導体がフォトリソ工法により形成されたものでなることを特徴とするコイル部品。 - コア基板の表裏面に、複数のヘリカルコイルの側部導体に相当する複数の帯状導体を形成し、
前記帯状導体を形成したコア基板の表裏面に前記帯状導体を覆う絶縁層を形成し、
前記コア基板を、前記帯状導体を切断するようにスティック状の素材に切断し、
前記切断により切断面に露出した前記帯状導体の端部どうしを、パターニングによって形成された橋架導体によって接続することにより、ヘリカルコイルを形成し、
前記橋架導体形成面に絶縁層を形成し、
前記素材を個々のチップに切断してコイル部品を得ることを特徴とするコイル部品の製造方法。 - コア基板の表裏面に、複数のヘリカルコイルの側部導体に相当する複数の帯状導体を形成し、
前記帯状導体を形成したコア基板の表裏面に前記帯状導体を覆う絶縁層を形成し、
前記コア基板を、前記帯状導体を切断するようにスティック状の素材に切断し、
該複数本のスティック状の素材どうしを、切断面が露出した面が同面をなすように集合または相互に固着させて集合素材を形成し、
前記集合素材の前記切断面に露出した前記帯状導体の端部どうしを、パターニングによって形成された橋架導体によって接続することにより、ヘリカルコイルを形成し、
前記橋架導体形成面に絶縁層を形成し、
前記集合素材を個々のチップに切断してコイル部品を得ることを特徴とするコイル部品の製造方法。 - コア基板の表裏面に、複数のヘリカルコイルの側部導体に相当する複数の帯状導体を形成し、
前記帯状導体を形成したコア基板を、絶縁層を介して複数枚重ねて一体化して積層コア基板を作製し、
前記積層コア基板を、前記帯状導体を切断するように板状の素材に切断して集合素材とし、
前記集合素材の切断面に露出した前記帯状導体の端部どうしを、パターニングによって形成された橋架導体によって接続することにより、ヘリカルコイルを形成し、
前記橋架導体形成面に絶縁層を形成し、
前記集合素材を個々のチップに切断してコイル部品を得ることを特徴とするコイル部品の製造方法。 - 請求項5から7までのいずれかに記載のコイル部品の製造方法において、
前記ヘリカルコイルを形成する場合、1つのチップ当り2個のヘリカルコイルを形成することを特徴とするコイル部品の製造方法。
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JP2002262372A JP2004103756A (ja) | 2002-09-09 | 2002-09-09 | コイル部品およびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015179867A (ja) * | 2010-03-25 | 2015-10-08 | クアルコム,インコーポレイテッド | ガラス技術の3次元インダクタおよび変圧器設計方法 |
CN112652445A (zh) * | 2019-10-09 | 2021-04-13 | 株式会社村田制作所 | 电感器部件 |
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2002
- 2002-09-09 JP JP2002262372A patent/JP2004103756A/ja not_active Withdrawn
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