JP2004103603A - 半導体装置の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明はタクトタイムの短縮化を図ることができるようにした半導体装置の製造方法を提供することにある。
【解決手段】基板にチップをボンディングして作られる半導体装置の製造方法において、
上記チップをピックアップ反転ツールによって所定の箇所から取り出す工程と、上記ピックアップ反転ツールによって上記チップの上下面を反転させる工程と、上記ピックアップ反転ツールにより上下面が反転された上記チップをボンディングツールに受け渡す工程と、ボンディングツールに受け渡されたチップを撮像する工程と、この撮像に基づく上記チップの上記基板に対するボンディング位置の算出を行なう間に、上記チップを上記基板の上方の予め教示された教示位置に移動させる工程と、教示位置に移動されたチップを上記撮像に基づいて算出されたボンディング位置に位置決めして上記基板にボンディングする工程と、を具備する。
【選択図】 図5
【解決手段】基板にチップをボンディングして作られる半導体装置の製造方法において、
上記チップをピックアップ反転ツールによって所定の箇所から取り出す工程と、上記ピックアップ反転ツールによって上記チップの上下面を反転させる工程と、上記ピックアップ反転ツールにより上下面が反転された上記チップをボンディングツールに受け渡す工程と、ボンディングツールに受け渡されたチップを撮像する工程と、この撮像に基づく上記チップの上記基板に対するボンディング位置の算出を行なう間に、上記チップを上記基板の上方の予め教示された教示位置に移動させる工程と、教示位置に移動されたチップを上記撮像に基づいて算出されたボンディング位置に位置決めして上記基板にボンディングする工程と、を具備する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は電子部品としてのチップを基板にボンディングして作られる半導体装置の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品としての半導体ウエハから作られたチップを基板にボンディングしてなる半導体装置を製造する製造装置としては、フリップチップボンダなどのボンディング装置が知られている。
【0003】
フリップチップボンダはウエハステージ上にダイシングされて供給された半導体ウエハをウエハ認識カメラで撮像し、その撮像結果からピックアップ位置を補正し、ピックアップ反転ツールによってピックアップする。
【0004】
ピックアップ反転ツールによってピックアップされたチップは、このピックアップ反転ツールによって上下面が反転されたのち、ボンディングヘッドのボンディングツールに受け渡される。ボンディングツールに受け渡されたチップは、チップ認識カメラで撮像され、その撮像結果によってチップの位置ずれ量が算出される。
【0005】
一方、チップがボンディングされる基板は基板認識カメラによって撮像され、その撮像結果から基板の位置ずれ量が求められる。そして、ボンディングツールに保持されたチップの位置ずれ量と、基板の位置ずれ量とから基板に対するボンディング位置が算出され、その算出位置に基づいて上記チップが位置決めされて上記基板にボンディングされる。
【0006】
従来、ボンディングヘッドは、ボンディングツールに保持されたチップをチップ認識カメラで撮像し、このチップの位置ずれ量に基づく補正位置が算出されてから、その算出されたボンディング位置に移動させるようにしていた。
【0007】
また、チップ認識カメラによるチップの撮像は、チップがピックアップ反転ツールからボンディングツールに受け渡された後、このボンディングツールをチップ認識カメラの上方へ移動させ、その位置で移動を停止してから行なうようにしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
チップ認識カメラの撮像に基づき、チップの補正位置を算出してからボンディングヘッドを基板上に移動させるようにすると、チップ認識カメラがチップを撮像してから、その撮像信号を画像処理してボンディングヘッドの補正位置を算出する間は、ボンディングヘッドの移動が停止することになる。
【0009】
したがって、ボンディングヘッドが移動を停止することで、チップをピックアップしてからボンディングするまでのタクトタイムが長くなるため、生産性の低下を招くということがあった。
【0010】
また、チップ認識カメラによるチップの撮像を、チップがピックアップ反転ツールからボンディングツールに受け渡された後、このボンディングツールをチップ認識カメラの上方へ移動させて停止してから行なっていた。そのため、このときにも、ボンディングツールの移動を停止するため、チップの撮像に時間が掛かり、タクトタイムが長くなるということがあった。
【0011】
この発明は、電子部品を所定の箇所から取り出して基板にボンディングするまでのタクトタイムを短縮することができるようにした半導体装置の製造方法及び製造装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この請求項1の発明によれば、基板に電子部品をボンディングして作られる半導体装置の製造方法において、
上記電子部品をピックアップ反転ツールによって所定の箇所から取り出す工程と、
上記ピックアップ反転ツールによって上記電子部品の上下面を反転させる工程と、
上記ピックアップ反転ツールにより上下面が反転された上記電子部品をボンディングツールに受け渡す工程と、
ボンディングツールに受け渡された電子部品を撮像する工程と、
この撮像に基づく上記電子部品の上記基板に対するボンディング位置の算出を行なう間に、上記電子部品を上記基板の上方の予め教示された教示位置に移動を開始させる工程と、
教示位置に移動された電子部品を上記撮像に基づいて算出されたボンディング位置に位置決めして上記基板にボンディングする工程と、
を具備したことを特徴とする半導体装置の製造方法を提供することができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、基板に電子部品をボンディングして作られる半導体装置の製造方法において、
上記電子部品をピックアップ反転ツールによって所定の箇所から取り出す工程と、
上記ピックアップ反転ツールによって上記電子部品の上下面を反転させる工程と、
上記ピックアップ反転ツールにより上下面が反転された上記電子部品をボンディングツールに受け渡す工程と、
上記電子部品が上記ピックアップ反転ツールから離脱すると同時にこの電子部品を撮像する工程と、
この撮像に基づいて算出されたボンディング位置に上記電子部品を位置決めして上記基板にボンディングする工程と、
を具備したことを特徴とする半導体装置の製造方法を提供することができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、電子部品の撮像に基づく上記基板へのボンディング位置の算出を行なう間に、上記電子部品を上記基板の上方の予め教示された教示位置に移動させる工程を備えていることを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法を提供することができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、基板に電子部品をボンディングして作られる半導体装置の製造装置において、
上記電子部品を所定の箇所から取り出すピックアップ反転ツールと、
このピックアップ反転ツールによって取り出されて上下面が反転された電子部品を受け取って上記基板にボンディングするボンディングツールと、
上記ボンディングツールが上記ピックアップ反転ツールから上記電子部品を受け取る受け渡し位置の斜め下方に配置され上記電子部品が上記ピックアップ反転ツールから離脱したときにこの電子部品を撮像する撮像手段と、
を具備したことを特徴とする半導体装置の製造装置を提供することができる。
【0016】
請求項5の発明によれば、基板に電子部品をボンディングして作られる半導体装置の製造装置において、
上記電子部品を所定の箇所から取り出すピックアップ反転ツールと、
このピックアップ反転ツールによって取り出されて上下面が反転された電子部品を受け取って上記基板にボンディングするボンディングヘッドと、
上記ピックアップ反転ツールから上記ボンディングヘッドに受け渡された電子部品を撮像し、その撮像に基づいて上記電子部品を上記基板に対して位置決めする撮像手段とを具備し、
上記ボンディングヘッドは、ヘッド本体と、このヘッド本体に揺動可能に設けられた超音波ホーンと、この超音波ホーンに設けられ上記電子部品を上記ピックアップ反転ツールから受け取り上記超音波ホーンからの超音波振動によって上記基板にボンディングするボンディングツールと、
を具備したことを特徴とする半導体装置の製造装置を提供することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の一実施の形態を説明する。
【0018】
図1はこの発明の半導体装置の製造装置を示し、この製造装置は電子部品の供給部としてのウエハステージ1を備えている。このウエハステージ1はベース2a上に順次設けられたXYテーブル2及びθテーブル3を有し、θテーブル3上には電子部品としての多数のチップ4に分割され図示しないシートに貼着された半導体ウエハ5が載置される。
【0019】
上記チップ4はピックアップ反転ユニット7によって取り出される。このピックアップ反転ユニット7はL字状のピックアップ反転ツール8を有する。このピックアップ反転ツール8は、先端部にチップ4を真空吸着するノズル9を有し、基端部はZテーブル11に設けられた取付け部12に同図に実線で示す状態から鎖線で示す状態、つまり水平方向に180度の範囲で回転駆動されるよう取付けられている。上記Zテーブル11はZガイド13に沿ってZ方向に駆動されるようになっている。
【0020】
上記半導体ウエハ5はウエハステージ1の上方に配置されたウエハ認識カメラ14によって撮像される。このウエハ認識カメラ14の撮像信号に基づいて上記ピックアップ反転ツール8によってピックアップされるチップ4の位置決めが行われる。つまり、θテーブル3のX、Y及びθ方向の位置決めが行われるようになっている。
【0021】
θテーブル3からチップ4を吸着して図1に実線で示す状態に反転したピックアップ反転ツール8は受け渡し認識カメラ15によって撮像される。この受け渡し認識カメラ15によって撮像されたチップ4は、受け渡し認識カメラ15の撮像結果に基づいて後述するボンディング機構20のボンディングヘッド16に設けられたボンディングツール17に受け渡される。
【0022】
なお、上記ボンディングツール17の外径寸法は、ボンディングツール17によりチップ4を安定した状態で吸着保持できるよう、チップ4を吸着する部分は上記チップ4の外径寸法と同等あるいはわずかに大小をつけて設定されている。この実施の形態ではわずかに大きく設定されている。
【0023】
上記ボンディング機構20はベース18を有する。このベース18上には図1に矢印で示すようにXテーブル19がX方向に沿って駆動可能に設けられている。このXテーブル19にはYテーブル21がY方向に沿って駆動可能に設けられている。このYテーブル21にはZテーブル22がZ方向に駆動可能に設けられている。このZテーブル22には上記ボンディングツール17を有する上記ボンディングヘッド16が設けられている。
【0024】
上記ボンディングヘッド16は図3に示すようにZテーブル22の上面に設けられたθ調整機構31を有する。上記Zテーブル22の下面には上記θ調整機構31によってθ方向の位置決め調整可能な一対の板状部材(一方のみ図示)からなるヘッド本体32が設けられている。上記θ方向は、上記X方向とY方向とがなす平面に直交する軸線を中心にした回転方向である。
【0025】
上記ヘッド本体32には支軸33が設けられ、この支軸33には揺動部材34の中途部が揺動可能に取付けられている。この揺動部材34の先端には超音波ホーン35の基端が取付けられ、この超音波ホーン35の先端部には上記ボンディングツール17が設けられている。
【0026】
揺動部材34の後端には駆動部材36の後端が取付け固定されている。この駆動部材36の先端部は上記ボンディングツール17と平行に延出され、その先端部の上面には荷重センサ37が取付けられている。上記ヘッド本体32には上記荷重センサ37の上方に対向位置する加圧アクチュエータ38が設けられている。この加圧アクチュエータ38の作動子39は上記荷重センサ37の上面に接触している。
【0027】
上記加圧アクチュエータ38が作動してその作動子39によって上記荷重センサ37が押圧されると、駆動部材36を介して揺動部材34が図3に矢印Aで示す反時計方向に揺動する。それによって、超音波ホーン35の先端部に設けられたボンディングツール17が下降するから、その先端鎖線で示すように吸着保持されるチップ4を後述する基板25に超音波振動によってボンディングできるようになっている。
【0028】
ボンディング時の加圧力は上記荷重センサ37によって検出制御される。上記ヘッド本体32には、上記揺動部材34の後端部に設けられた検知部41との間隔を検出する高さ検出機構としてのギャップセンサ42が設けられている。
【0029】
上記Zテーブル22が下降してボンディングツール17の先端がチップ4を介して基板25に当接し、揺動部材34が時計方向に回動すると、そのことが上記ギャップセンサ42によって検出される。ギャップセンサ42の検出信号によってボンディングツール17が基板25に接触したことが検出されると、加圧アクチュエータ38が作動してボンディングツール17を反時計方向に揺動させる。それによって、ボンディングツール17の先端に吸着されたチップ4を基板25に所定の圧力で加圧し、超音波振動によってボンディングする。
【0030】
このような構成によれば、Zテーブル22が下降してボンディングツール17に保持されたチップ4が基板25に当たると、揺動部材34が揺動してチップ4に加わる衝撃を吸収する。そのため、ボンディングツール17の下降速度を速くできるから、タクトタイムの短縮化を図ることが可能となる。
【0031】
上記ピックアップ反転ツール8からボンディングツール17に受け渡されたチップ4は図1に示す部品認識カメラ24によって撮像される。さらに、ボンディングツール17に吸着されたチップ4が実装される基板25は基板認識カメラ26によって撮像される。
【0032】
図4(a)に示すように、上記部品認識カメラ24はチップ4をピックアップ反転ツール8からボンディングツール17に受け渡す位置の斜め下方に配置されている。
【0033】
それによって、ボンディングヘッド16が下降して図4(b)に示すようにボンディングツール17がピックアップ反転ツール8に保持されたチップ4に接触した後、図4(c)に示すようにチップ4がピックアップ反転ツール8から離脱し、上記ボンディングツール17とともに上昇した直後に、このチップ4を上記部品認識カメラ24によって撮像、認識することができる。
【0034】
そのため、ボンディングヘッド16の動作を停止させずに、ボンディングツール17に保持されたチップ4を撮像、認識することができるから、ボンディングツール17に保持されたチップ4を認識するために要する時間を短縮することが可能となる。
【0035】
図1に示すように、上記基板25はX方向に駆動可能なボンディングステージ27上に載置されている。上記基板認識カメラ26は、ガイド28にY方向に沿って設けられたYテーブル29に、Z方向に沿って駆動可能に設けられている。したがって、上記基板認識カメラ26は、ボンディングステージ27上の基板25に対して相対的にX、Y、Z方向に駆動可能になっている。
【0036】
図2は制御系のブロック図で、同図中51はメインコントローラである。このメインコントローラ51には画像認識制御部52を介して上記ウエハ認識カメラ14、受け渡し認識カメラ15、部品認識カメラ24及び基板認識カメラ26が接続されている。各カメラからの撮像信号は上記画像認識制御部52で処理されて上記メインコントローラ51に入力されるようになっている。
【0037】
さらに、上記メインコントローラ51には、ウエハステージ1の駆動を制御するウエハステージ制御部53、ピックアップ反転ユニット7の駆動を制御するピックアップ制御部54、ボンディングステージ27の駆動を制御するボンディングステージ制御部55、基板認識カメラ26の駆動を制御するカメラ移動制御部56及びボンディングヘッド16の駆動を制御するボンディングヘッド制御部57が接続されている。
【0038】
上記部品認識カメラ24によって撮像されたチップ4の撮像信号と、上記基板認識カメラ26によって撮像された基板25の撮像信号は上記画像認識制御部52で処理される。それによって、基板25上におけるチップ4のボンディング位置が決定され、その決定に基づいて上記ボンディングヘッド16、つまりチップ4が位置決めされる。
【0039】
上記ボンディングヘッド16は、上記画像認識制御部52によってボンディング位置が決定される前に、上記ボンディングヘッド制御部57によって基板25上の、上記メインコントローラ51によって予め教示された位置に向かって駆動される。
【0040】
ボンディングヘッド16が上記教示位置に到達した後、このボンディングヘッド16は上記画像認識制御部52によって求められたボンディング位置に位置決めされて下降し、チップ4を基板25にボンディングすることになる。
【0041】
図5にチップ4を部品認識カメラ24で撮像、認識してから基板25にボンディングするまでのフローチャートを示す。同図において、S1では部品認識カメラ24によってチップ4が撮像認識される。
【0042】
S2では部品認識カメラ24と基板認識カメラ26との撮像信号によってチップ4のボンディング位置が算出される。このS2と平行してS3ではボンディングヘッド16がメインコントローラ51によって設定された基板25の上方の教示位置まで駆動される。
【0043】
ボンディングヘッド16が教示位置に移動している間、或いは移動した後、S2によってチップ4のボンディング位置が算出される。S4では教示位置に移動したボンディングヘッド16が目標位置、つまりボンディング位置に位置決めされる。
【0044】
S4と平行してS5の動作が行なわれる。S5は、ボンディングヘッド16が教示位置からボンディング位置に位置決めされる間に、ボンディングヘッド16を高速下降させる。
【0045】
S5での高速下降は、ボンディングヘッド16のボンディングツール17がヘッド本体32に揺動部材34を介して揺動可能に設けられているから、上記ボンディングツール17に保持されたチップ4を基板25に当たる位置まで下降させても、衝突時の衝撃が上記揺動部材34の揺動によって吸収されるため、チップ4を損傷させる虞がない。そのため、チップ4を高速下降させる距離を大きくとることができるから、ボンディング時のタクトタイムが短縮される。
【0046】
S6ではチップ4が所定の位置まで高速下降した後、このチップ4を緩やかな速度で下降させるサーチ下降が行なわれてチップ4を基板25のボンディング位置に所定の圧力で押圧する。S7ではチップ4が基板25に超音波ホーン35からの超音波振動によってボンディングされる。
【0047】
このように、この発明によれば、チップ4をピックアップ反転ツール8からボンディングツール17に受け渡す、受け渡し位置の斜め下方に部品認識カメラ24を配置した。
【0048】
そして、チップ4がピックアップ反転ツール8から離脱し、ボンディングツール17とともに上昇する過程で、このチップ4を上記部品認識カメラ24によって撮像、認識するようにした。
【0049】
そのため、ボンディングヘッド16に受け渡されたチップ4の部品認識カメラ24による撮像、認識を、上記ボンディングヘッド16の動きを停止させることなく行なえるから、チップ4のボンディングに要するタクトタイムを短縮することができる。
【0050】
チップ4の基板25に対するボンディング位置は、部品認識カメラ24と基板認識カメラ26との撮像信号を処理して決定され、その決定に基づいてボンディングツール17がボンディング位置に位置決めされる。
【0051】
しかしながら、上記部品認識カメラ24と基板認識カメラ26との撮像信号を処理してボンディング位置が決定される前に、ボンディングツール17を予め設定された基板25上の教示位置に移動させるようにした。
【0052】
そのため、チップ4が部品認識カメラ24によって撮像、認識されてからボンディング位置が決定されるまでの間、ボンディングヘッド16の動作をほとんど停止させずにすむから、そのことによってもボンディングのタクトタイムを短縮することができる。
【0053】
チップ4を吸着保持したボンディングツール17は、ボンディングヘッド16のヘッド本体32に揺動部材34を介して揺動可能に設けられている。そのため、教示位置からボンディング位置に位置決めしながらボンディングヘッド16を下降させてチップ4を基板25にボンディングする際、チップ4が基板25に当たっても、揺動部材34が揺動することで、チップ4が受ける衝撃を吸収することができる。
【0054】
そのため、チップ4を基板25にボンディングする際、チップ4が基板25に当たるまで高速下降させることが可能となるから、そのことによってもボンディングのタクトタイムを短縮することができる。しかも、チップ4を教示位置からボンディング位置に移動させると同時に、このチップ4を下降させるため、そのことによってもタクトタイムを短縮することができる。
【0055】
この発明は上記一実施の形態に限定されず、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。たとえば、チップがピックアップ反転ツールからボンディングヘッドに受け渡される際、その受け渡し位置の斜め下方に部品認識カメラを配置し、上記チップがピックアップ反転ツールから離脱すると同時に撮像するようにした。その場合、チップが斜め方向から撮像されることになるため、部分的に焦点ずれが生じる虞がある。
【0056】
したがって、上記受け渡し位置の斜め下方に複数の部品認識カメラを配置し、これらカメラからの画像を同時に取り込んで処理するようにすれば、焦点ずれの発生を防止することが可能となる。
【0057】
また、ボンデッィングヘッドの作動子を加圧するためソレノイドなどの加圧アクチュエータを用い、ボンディング時の加圧力を荷重センサによって検出する構成としたが、加圧アクチュエータにボイスコイルを用いてもよい。ボイスコイルを用いれば、電流を制御することで加圧力を制御できるから、荷重センサを用いて加圧力を制御せずにすむばかりか、任意の加圧力でボンディングすることが可能となる。
【0058】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、ボンディングツールの動きを止めることなく、電子部品の撮像や位置決めを行なえるため、ボンディングに要するタクトタイムを短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係る製造装置の概略的構成図。
【図2】上記製造装置の制御系統を示すブロック図。
【図3】ボンディングヘッドの側面図。
【図4】チップをピックアップ反転ツールからボンディングツールへ受け渡す際の動作を示す説明図。
【図5】ボンディングツールに受け渡されたチップを基板にボンディングする際のフローチャート。
【符号の説明】
4…チップ(電子部品)
8…ピックアップ反転ツール
16…ボンディングヘッド
17…ボンディングツール
24…部品認識カメラ
25…基板
26…基板認識カメラ
32…ヘッド本体
33…支軸
34…揺動部材
35…超音波ホーン
【発明の属する技術分野】
この発明は電子部品としてのチップを基板にボンディングして作られる半導体装置の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品としての半導体ウエハから作られたチップを基板にボンディングしてなる半導体装置を製造する製造装置としては、フリップチップボンダなどのボンディング装置が知られている。
【0003】
フリップチップボンダはウエハステージ上にダイシングされて供給された半導体ウエハをウエハ認識カメラで撮像し、その撮像結果からピックアップ位置を補正し、ピックアップ反転ツールによってピックアップする。
【0004】
ピックアップ反転ツールによってピックアップされたチップは、このピックアップ反転ツールによって上下面が反転されたのち、ボンディングヘッドのボンディングツールに受け渡される。ボンディングツールに受け渡されたチップは、チップ認識カメラで撮像され、その撮像結果によってチップの位置ずれ量が算出される。
【0005】
一方、チップがボンディングされる基板は基板認識カメラによって撮像され、その撮像結果から基板の位置ずれ量が求められる。そして、ボンディングツールに保持されたチップの位置ずれ量と、基板の位置ずれ量とから基板に対するボンディング位置が算出され、その算出位置に基づいて上記チップが位置決めされて上記基板にボンディングされる。
【0006】
従来、ボンディングヘッドは、ボンディングツールに保持されたチップをチップ認識カメラで撮像し、このチップの位置ずれ量に基づく補正位置が算出されてから、その算出されたボンディング位置に移動させるようにしていた。
【0007】
また、チップ認識カメラによるチップの撮像は、チップがピックアップ反転ツールからボンディングツールに受け渡された後、このボンディングツールをチップ認識カメラの上方へ移動させ、その位置で移動を停止してから行なうようにしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
チップ認識カメラの撮像に基づき、チップの補正位置を算出してからボンディングヘッドを基板上に移動させるようにすると、チップ認識カメラがチップを撮像してから、その撮像信号を画像処理してボンディングヘッドの補正位置を算出する間は、ボンディングヘッドの移動が停止することになる。
【0009】
したがって、ボンディングヘッドが移動を停止することで、チップをピックアップしてからボンディングするまでのタクトタイムが長くなるため、生産性の低下を招くということがあった。
【0010】
また、チップ認識カメラによるチップの撮像を、チップがピックアップ反転ツールからボンディングツールに受け渡された後、このボンディングツールをチップ認識カメラの上方へ移動させて停止してから行なっていた。そのため、このときにも、ボンディングツールの移動を停止するため、チップの撮像に時間が掛かり、タクトタイムが長くなるということがあった。
【0011】
この発明は、電子部品を所定の箇所から取り出して基板にボンディングするまでのタクトタイムを短縮することができるようにした半導体装置の製造方法及び製造装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この請求項1の発明によれば、基板に電子部品をボンディングして作られる半導体装置の製造方法において、
上記電子部品をピックアップ反転ツールによって所定の箇所から取り出す工程と、
上記ピックアップ反転ツールによって上記電子部品の上下面を反転させる工程と、
上記ピックアップ反転ツールにより上下面が反転された上記電子部品をボンディングツールに受け渡す工程と、
ボンディングツールに受け渡された電子部品を撮像する工程と、
この撮像に基づく上記電子部品の上記基板に対するボンディング位置の算出を行なう間に、上記電子部品を上記基板の上方の予め教示された教示位置に移動を開始させる工程と、
教示位置に移動された電子部品を上記撮像に基づいて算出されたボンディング位置に位置決めして上記基板にボンディングする工程と、
を具備したことを特徴とする半導体装置の製造方法を提供することができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、基板に電子部品をボンディングして作られる半導体装置の製造方法において、
上記電子部品をピックアップ反転ツールによって所定の箇所から取り出す工程と、
上記ピックアップ反転ツールによって上記電子部品の上下面を反転させる工程と、
上記ピックアップ反転ツールにより上下面が反転された上記電子部品をボンディングツールに受け渡す工程と、
上記電子部品が上記ピックアップ反転ツールから離脱すると同時にこの電子部品を撮像する工程と、
この撮像に基づいて算出されたボンディング位置に上記電子部品を位置決めして上記基板にボンディングする工程と、
を具備したことを特徴とする半導体装置の製造方法を提供することができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、電子部品の撮像に基づく上記基板へのボンディング位置の算出を行なう間に、上記電子部品を上記基板の上方の予め教示された教示位置に移動させる工程を備えていることを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法を提供することができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、基板に電子部品をボンディングして作られる半導体装置の製造装置において、
上記電子部品を所定の箇所から取り出すピックアップ反転ツールと、
このピックアップ反転ツールによって取り出されて上下面が反転された電子部品を受け取って上記基板にボンディングするボンディングツールと、
上記ボンディングツールが上記ピックアップ反転ツールから上記電子部品を受け取る受け渡し位置の斜め下方に配置され上記電子部品が上記ピックアップ反転ツールから離脱したときにこの電子部品を撮像する撮像手段と、
を具備したことを特徴とする半導体装置の製造装置を提供することができる。
【0016】
請求項5の発明によれば、基板に電子部品をボンディングして作られる半導体装置の製造装置において、
上記電子部品を所定の箇所から取り出すピックアップ反転ツールと、
このピックアップ反転ツールによって取り出されて上下面が反転された電子部品を受け取って上記基板にボンディングするボンディングヘッドと、
上記ピックアップ反転ツールから上記ボンディングヘッドに受け渡された電子部品を撮像し、その撮像に基づいて上記電子部品を上記基板に対して位置決めする撮像手段とを具備し、
上記ボンディングヘッドは、ヘッド本体と、このヘッド本体に揺動可能に設けられた超音波ホーンと、この超音波ホーンに設けられ上記電子部品を上記ピックアップ反転ツールから受け取り上記超音波ホーンからの超音波振動によって上記基板にボンディングするボンディングツールと、
を具備したことを特徴とする半導体装置の製造装置を提供することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の一実施の形態を説明する。
【0018】
図1はこの発明の半導体装置の製造装置を示し、この製造装置は電子部品の供給部としてのウエハステージ1を備えている。このウエハステージ1はベース2a上に順次設けられたXYテーブル2及びθテーブル3を有し、θテーブル3上には電子部品としての多数のチップ4に分割され図示しないシートに貼着された半導体ウエハ5が載置される。
【0019】
上記チップ4はピックアップ反転ユニット7によって取り出される。このピックアップ反転ユニット7はL字状のピックアップ反転ツール8を有する。このピックアップ反転ツール8は、先端部にチップ4を真空吸着するノズル9を有し、基端部はZテーブル11に設けられた取付け部12に同図に実線で示す状態から鎖線で示す状態、つまり水平方向に180度の範囲で回転駆動されるよう取付けられている。上記Zテーブル11はZガイド13に沿ってZ方向に駆動されるようになっている。
【0020】
上記半導体ウエハ5はウエハステージ1の上方に配置されたウエハ認識カメラ14によって撮像される。このウエハ認識カメラ14の撮像信号に基づいて上記ピックアップ反転ツール8によってピックアップされるチップ4の位置決めが行われる。つまり、θテーブル3のX、Y及びθ方向の位置決めが行われるようになっている。
【0021】
θテーブル3からチップ4を吸着して図1に実線で示す状態に反転したピックアップ反転ツール8は受け渡し認識カメラ15によって撮像される。この受け渡し認識カメラ15によって撮像されたチップ4は、受け渡し認識カメラ15の撮像結果に基づいて後述するボンディング機構20のボンディングヘッド16に設けられたボンディングツール17に受け渡される。
【0022】
なお、上記ボンディングツール17の外径寸法は、ボンディングツール17によりチップ4を安定した状態で吸着保持できるよう、チップ4を吸着する部分は上記チップ4の外径寸法と同等あるいはわずかに大小をつけて設定されている。この実施の形態ではわずかに大きく設定されている。
【0023】
上記ボンディング機構20はベース18を有する。このベース18上には図1に矢印で示すようにXテーブル19がX方向に沿って駆動可能に設けられている。このXテーブル19にはYテーブル21がY方向に沿って駆動可能に設けられている。このYテーブル21にはZテーブル22がZ方向に駆動可能に設けられている。このZテーブル22には上記ボンディングツール17を有する上記ボンディングヘッド16が設けられている。
【0024】
上記ボンディングヘッド16は図3に示すようにZテーブル22の上面に設けられたθ調整機構31を有する。上記Zテーブル22の下面には上記θ調整機構31によってθ方向の位置決め調整可能な一対の板状部材(一方のみ図示)からなるヘッド本体32が設けられている。上記θ方向は、上記X方向とY方向とがなす平面に直交する軸線を中心にした回転方向である。
【0025】
上記ヘッド本体32には支軸33が設けられ、この支軸33には揺動部材34の中途部が揺動可能に取付けられている。この揺動部材34の先端には超音波ホーン35の基端が取付けられ、この超音波ホーン35の先端部には上記ボンディングツール17が設けられている。
【0026】
揺動部材34の後端には駆動部材36の後端が取付け固定されている。この駆動部材36の先端部は上記ボンディングツール17と平行に延出され、その先端部の上面には荷重センサ37が取付けられている。上記ヘッド本体32には上記荷重センサ37の上方に対向位置する加圧アクチュエータ38が設けられている。この加圧アクチュエータ38の作動子39は上記荷重センサ37の上面に接触している。
【0027】
上記加圧アクチュエータ38が作動してその作動子39によって上記荷重センサ37が押圧されると、駆動部材36を介して揺動部材34が図3に矢印Aで示す反時計方向に揺動する。それによって、超音波ホーン35の先端部に設けられたボンディングツール17が下降するから、その先端鎖線で示すように吸着保持されるチップ4を後述する基板25に超音波振動によってボンディングできるようになっている。
【0028】
ボンディング時の加圧力は上記荷重センサ37によって検出制御される。上記ヘッド本体32には、上記揺動部材34の後端部に設けられた検知部41との間隔を検出する高さ検出機構としてのギャップセンサ42が設けられている。
【0029】
上記Zテーブル22が下降してボンディングツール17の先端がチップ4を介して基板25に当接し、揺動部材34が時計方向に回動すると、そのことが上記ギャップセンサ42によって検出される。ギャップセンサ42の検出信号によってボンディングツール17が基板25に接触したことが検出されると、加圧アクチュエータ38が作動してボンディングツール17を反時計方向に揺動させる。それによって、ボンディングツール17の先端に吸着されたチップ4を基板25に所定の圧力で加圧し、超音波振動によってボンディングする。
【0030】
このような構成によれば、Zテーブル22が下降してボンディングツール17に保持されたチップ4が基板25に当たると、揺動部材34が揺動してチップ4に加わる衝撃を吸収する。そのため、ボンディングツール17の下降速度を速くできるから、タクトタイムの短縮化を図ることが可能となる。
【0031】
上記ピックアップ反転ツール8からボンディングツール17に受け渡されたチップ4は図1に示す部品認識カメラ24によって撮像される。さらに、ボンディングツール17に吸着されたチップ4が実装される基板25は基板認識カメラ26によって撮像される。
【0032】
図4(a)に示すように、上記部品認識カメラ24はチップ4をピックアップ反転ツール8からボンディングツール17に受け渡す位置の斜め下方に配置されている。
【0033】
それによって、ボンディングヘッド16が下降して図4(b)に示すようにボンディングツール17がピックアップ反転ツール8に保持されたチップ4に接触した後、図4(c)に示すようにチップ4がピックアップ反転ツール8から離脱し、上記ボンディングツール17とともに上昇した直後に、このチップ4を上記部品認識カメラ24によって撮像、認識することができる。
【0034】
そのため、ボンディングヘッド16の動作を停止させずに、ボンディングツール17に保持されたチップ4を撮像、認識することができるから、ボンディングツール17に保持されたチップ4を認識するために要する時間を短縮することが可能となる。
【0035】
図1に示すように、上記基板25はX方向に駆動可能なボンディングステージ27上に載置されている。上記基板認識カメラ26は、ガイド28にY方向に沿って設けられたYテーブル29に、Z方向に沿って駆動可能に設けられている。したがって、上記基板認識カメラ26は、ボンディングステージ27上の基板25に対して相対的にX、Y、Z方向に駆動可能になっている。
【0036】
図2は制御系のブロック図で、同図中51はメインコントローラである。このメインコントローラ51には画像認識制御部52を介して上記ウエハ認識カメラ14、受け渡し認識カメラ15、部品認識カメラ24及び基板認識カメラ26が接続されている。各カメラからの撮像信号は上記画像認識制御部52で処理されて上記メインコントローラ51に入力されるようになっている。
【0037】
さらに、上記メインコントローラ51には、ウエハステージ1の駆動を制御するウエハステージ制御部53、ピックアップ反転ユニット7の駆動を制御するピックアップ制御部54、ボンディングステージ27の駆動を制御するボンディングステージ制御部55、基板認識カメラ26の駆動を制御するカメラ移動制御部56及びボンディングヘッド16の駆動を制御するボンディングヘッド制御部57が接続されている。
【0038】
上記部品認識カメラ24によって撮像されたチップ4の撮像信号と、上記基板認識カメラ26によって撮像された基板25の撮像信号は上記画像認識制御部52で処理される。それによって、基板25上におけるチップ4のボンディング位置が決定され、その決定に基づいて上記ボンディングヘッド16、つまりチップ4が位置決めされる。
【0039】
上記ボンディングヘッド16は、上記画像認識制御部52によってボンディング位置が決定される前に、上記ボンディングヘッド制御部57によって基板25上の、上記メインコントローラ51によって予め教示された位置に向かって駆動される。
【0040】
ボンディングヘッド16が上記教示位置に到達した後、このボンディングヘッド16は上記画像認識制御部52によって求められたボンディング位置に位置決めされて下降し、チップ4を基板25にボンディングすることになる。
【0041】
図5にチップ4を部品認識カメラ24で撮像、認識してから基板25にボンディングするまでのフローチャートを示す。同図において、S1では部品認識カメラ24によってチップ4が撮像認識される。
【0042】
S2では部品認識カメラ24と基板認識カメラ26との撮像信号によってチップ4のボンディング位置が算出される。このS2と平行してS3ではボンディングヘッド16がメインコントローラ51によって設定された基板25の上方の教示位置まで駆動される。
【0043】
ボンディングヘッド16が教示位置に移動している間、或いは移動した後、S2によってチップ4のボンディング位置が算出される。S4では教示位置に移動したボンディングヘッド16が目標位置、つまりボンディング位置に位置決めされる。
【0044】
S4と平行してS5の動作が行なわれる。S5は、ボンディングヘッド16が教示位置からボンディング位置に位置決めされる間に、ボンディングヘッド16を高速下降させる。
【0045】
S5での高速下降は、ボンディングヘッド16のボンディングツール17がヘッド本体32に揺動部材34を介して揺動可能に設けられているから、上記ボンディングツール17に保持されたチップ4を基板25に当たる位置まで下降させても、衝突時の衝撃が上記揺動部材34の揺動によって吸収されるため、チップ4を損傷させる虞がない。そのため、チップ4を高速下降させる距離を大きくとることができるから、ボンディング時のタクトタイムが短縮される。
【0046】
S6ではチップ4が所定の位置まで高速下降した後、このチップ4を緩やかな速度で下降させるサーチ下降が行なわれてチップ4を基板25のボンディング位置に所定の圧力で押圧する。S7ではチップ4が基板25に超音波ホーン35からの超音波振動によってボンディングされる。
【0047】
このように、この発明によれば、チップ4をピックアップ反転ツール8からボンディングツール17に受け渡す、受け渡し位置の斜め下方に部品認識カメラ24を配置した。
【0048】
そして、チップ4がピックアップ反転ツール8から離脱し、ボンディングツール17とともに上昇する過程で、このチップ4を上記部品認識カメラ24によって撮像、認識するようにした。
【0049】
そのため、ボンディングヘッド16に受け渡されたチップ4の部品認識カメラ24による撮像、認識を、上記ボンディングヘッド16の動きを停止させることなく行なえるから、チップ4のボンディングに要するタクトタイムを短縮することができる。
【0050】
チップ4の基板25に対するボンディング位置は、部品認識カメラ24と基板認識カメラ26との撮像信号を処理して決定され、その決定に基づいてボンディングツール17がボンディング位置に位置決めされる。
【0051】
しかしながら、上記部品認識カメラ24と基板認識カメラ26との撮像信号を処理してボンディング位置が決定される前に、ボンディングツール17を予め設定された基板25上の教示位置に移動させるようにした。
【0052】
そのため、チップ4が部品認識カメラ24によって撮像、認識されてからボンディング位置が決定されるまでの間、ボンディングヘッド16の動作をほとんど停止させずにすむから、そのことによってもボンディングのタクトタイムを短縮することができる。
【0053】
チップ4を吸着保持したボンディングツール17は、ボンディングヘッド16のヘッド本体32に揺動部材34を介して揺動可能に設けられている。そのため、教示位置からボンディング位置に位置決めしながらボンディングヘッド16を下降させてチップ4を基板25にボンディングする際、チップ4が基板25に当たっても、揺動部材34が揺動することで、チップ4が受ける衝撃を吸収することができる。
【0054】
そのため、チップ4を基板25にボンディングする際、チップ4が基板25に当たるまで高速下降させることが可能となるから、そのことによってもボンディングのタクトタイムを短縮することができる。しかも、チップ4を教示位置からボンディング位置に移動させると同時に、このチップ4を下降させるため、そのことによってもタクトタイムを短縮することができる。
【0055】
この発明は上記一実施の形態に限定されず、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。たとえば、チップがピックアップ反転ツールからボンディングヘッドに受け渡される際、その受け渡し位置の斜め下方に部品認識カメラを配置し、上記チップがピックアップ反転ツールから離脱すると同時に撮像するようにした。その場合、チップが斜め方向から撮像されることになるため、部分的に焦点ずれが生じる虞がある。
【0056】
したがって、上記受け渡し位置の斜め下方に複数の部品認識カメラを配置し、これらカメラからの画像を同時に取り込んで処理するようにすれば、焦点ずれの発生を防止することが可能となる。
【0057】
また、ボンデッィングヘッドの作動子を加圧するためソレノイドなどの加圧アクチュエータを用い、ボンディング時の加圧力を荷重センサによって検出する構成としたが、加圧アクチュエータにボイスコイルを用いてもよい。ボイスコイルを用いれば、電流を制御することで加圧力を制御できるから、荷重センサを用いて加圧力を制御せずにすむばかりか、任意の加圧力でボンディングすることが可能となる。
【0058】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、ボンディングツールの動きを止めることなく、電子部品の撮像や位置決めを行なえるため、ボンディングに要するタクトタイムを短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係る製造装置の概略的構成図。
【図2】上記製造装置の制御系統を示すブロック図。
【図3】ボンディングヘッドの側面図。
【図4】チップをピックアップ反転ツールからボンディングツールへ受け渡す際の動作を示す説明図。
【図5】ボンディングツールに受け渡されたチップを基板にボンディングする際のフローチャート。
【符号の説明】
4…チップ(電子部品)
8…ピックアップ反転ツール
16…ボンディングヘッド
17…ボンディングツール
24…部品認識カメラ
25…基板
26…基板認識カメラ
32…ヘッド本体
33…支軸
34…揺動部材
35…超音波ホーン
Claims (5)
- 基板に電子部品をボンディングして作られる半導体装置の製造方法において、
上記電子部品をピックアップ反転ツールによって所定の箇所から取り出す工程と、
上記ピックアップ反転ツールによって上記電子部品の上下面を反転させる工程と、
上記ピックアップ反転ツールにより上下面が反転された上記電子部品をボンディングツールに受け渡す工程と、
ボンディングツールに受け渡された電子部品を撮像する工程と、
この撮像に基づく上記電子部品の上記基板に対するボンディング位置の算出を行なう間に、上記電子部品を上記基板の上方の予め教示された教示位置に移動を開始させる工程と、
教示位置に移動された電子部品を上記撮像に基づいて算出されたボンディング位置に位置決めして上記基板にボンディングする工程と、
を具備したことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 基板に電子部品をボンディングして作られる半導体装置の製造方法において、
上記電子部品をピックアップ反転ツールによって所定の箇所から取り出す工程と、
上記ピックアップ反転ツールによって上記電子部品の上下面を反転させる工程と、
上記ピックアップ反転ツールにより上下面が反転された上記電子部品をボンディングツールに受け渡す工程と、
上記電子部品が上記ピックアップ反転ツールから離脱すると同時にこの電子部品を撮像する工程と、
この撮像に基づいて算出されたボンディング位置に上記電子部品を位置決めして上記基板にボンディングする工程と、
を具備したことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 電子部品の撮像に基づく上記基板へのボンディング位置の算出を行なう間に、上記電子部品を上記基板の上方の予め教示された教示位置に移動させる工程を備えていることを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
- 基板に電子部品をボンディングして作られる半導体装置の製造装置において、
上記電子部品を所定の箇所から取り出すピックアップ反転ツールと、
このピックアップ反転ツールによって取り出されて上下面が反転された電子部品を受け取って上記基板にボンディングするボンディングツールと、
上記ボンディングツールが上記ピックアップ反転ツールから上記電子部品を受け取る受け渡し位置の斜め下方に配置され上記電子部品が上記ピックアップ反転ツールから離脱したときにこの電子部品を撮像する撮像手段と、
を具備したことを特徴とする半導体装置の製造装置。 - 基板に電子部品をボンディングして作られる半導体装置の製造装置において、
上記電子部品を所定の箇所から取り出すピックアップ反転ツールと、
このピックアップ反転ツールによって取り出されて上下面が反転された電子部品を受け取って上記基板にボンディングするボンディングヘッドと、
上記ピックアップ反転ツールから上記ボンディングヘッドに受け渡された電子部品を撮像し、その撮像に基づいて上記電子部品を上記基板に対して位置決めする撮像手段とを具備し、
上記ボンディングヘッドは、ヘッド本体と、このヘッド本体に揺動可能に設けられた超音波ホーンと、この超音波ホーンに設けられ上記電子部品を上記ピックアップ反転ツールから受け取り上記超音波ホーンからの超音波振動によって上記基板にボンディングするボンディングツールと、
を具備したことを特徴とする半導体装置の製造装置。
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JP2002258999A JP2004103603A (ja) | 2002-09-04 | 2002-09-04 | 半導体装置の製造方法及び製造装置 |
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CN100416786C (zh) * | 2004-11-19 | 2008-09-03 | 株式会社东芝 | 半导体装置的制造装置以及制造方法 |
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-
2002
- 2002-09-04 JP JP2002258999A patent/JP2004103603A/ja active Pending
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