JP2004103479A - ランプ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プロジェクタ装置の小型化や投影画像の高輝度化要求に対し、ランプの冷却効率を更に高め、ランプの小型化や高輝度化を実現する。
【解決手段】凹面リフレクタ2の前面は透光性材料からなる前面板4で覆われ、放電ランプ1の電極封着部11は、該凹面リフレクタ中央部の通風間隙2aを通して挿入され、該凹面リフレクタ2の中央後部で支持具3に接着材3b1で固定されている。放電ランプ1のシール部電極1aの前方の前面板4に吸気口4aを有し、該吸気口4aより導入された外気は通風間隙2a、支持具3に設けられた通気口3aを通して排出される。放電ランプ1の他方の電極封着部12のシール部電極1aは、円筒放熱板1cを有し、この円筒放熱板1c及び放電ランプ1が前記導入された外気によって冷却される。
【選択図】 図2
【解決手段】凹面リフレクタ2の前面は透光性材料からなる前面板4で覆われ、放電ランプ1の電極封着部11は、該凹面リフレクタ中央部の通風間隙2aを通して挿入され、該凹面リフレクタ2の中央後部で支持具3に接着材3b1で固定されている。放電ランプ1のシール部電極1aの前方の前面板4に吸気口4aを有し、該吸気口4aより導入された外気は通風間隙2a、支持具3に設けられた通気口3aを通して排出される。放電ランプ1の他方の電極封着部12のシール部電極1aは、円筒放熱板1cを有し、この円筒放熱板1c及び放電ランプ1が前記導入された外気によって冷却される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ランプ装置、より詳細には、プロジェクタ等の光源として使用に好適なランプ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクタ等に使用される光源装置には、光源ランプとして、メタルハライドランプや超高圧水銀ランプといった放電ランプが使用され、ほとんどの場合冷却装置を必要とする。これは、ランプ管球の温度が均一化されないと,管内に封入されたガスがランプ内壁において蒸着し白濁や黒化が誘発され、輝度低下が発生すること、フリッカーや破裂の原因でもあること、更には、ランプ先端シール部のモリブデンが、高温で酸化しやすいこと等によるもので、これらを抑制するために冷却を行い、信頼性を保つようにしている。
【0003】
また、このようなランプは、点灯時に、発光管内の圧力が20〜150気圧程度の高圧になるが、通常使用のランプ寿命内において、発光管が劣化してランプが破裂する危険性が考えられ、万一、ランプが破裂すると、ランプを構成する石英ガラスや透光性セラミックスの破片が投映機器内で散乱する。このとき、散乱したランプの破片は極めて高温であるために、投映機器内の配線コードや可燃性部材を損傷することがあり、ランプの破裂対策として、凹面反射鏡(リフレクタ)の前面開口をガラス板で覆って凹面反射鏡内部を閉空間にし、この閉空間内にランプを配置することが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
ランプの破裂対策として凹面反射鏡の前面開口をガラス板で覆い、且つ、ランプの冷却を効率的に行う方法も提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
図3は、特許文献2に記載のランプ冷却構造に関し、プロジェクタ用ランプ周辺における冷却構造の概略を示す側断面図で、図中、1は中央部に対をなす放電電極を有し、それぞれの電極が対称の反対方向に延長するよう封入された封着部11,12を有するランプバルブ、2は凹面リフレクタ(反射鏡)、3はランプ支持具、4は前面ガラス、5はランプケース、6はランプダクトを示し、1aは封着部12のシール部より延長する電極線接続部、3aは支持具の通気口、3b1,3b2は凹面リフレクタと放電ランプの封着部11とを支持具3に固定するための接着材、4aは前面ガラス4に設けられた空気取り入れ口である。図示のように、リフレクタ2の中央部の空隙2aにランプバルブ1の電極封着部11を通し、該電極封止部11と支持具3との接触部,及びリフレクタ2との接触部とを接着材3b1,3b2で固定する。リフレクタ2の前方には、前面ガラス4を配置し、これも、外周を接着材4bで接着する。これらからなるものをランプユニットと称する。
【0006】
前面ガラス4の中央には空気取り入れ口(導入部)4aがあり、また、リフレクタ2の後方に接着した支持具3には、前記空気取り入れ口4aを通して導入した外気を排出するための通気口3aが数個配置されている。更に、ランプユニットの後方には、ランプユニットを冷却する吸気ファンなどを配置する。吸気ファンによる空気の流れは、図3に示すように、ランプユニットを囲んだランプケース5とランプダクト6内の空気(熱)を排出すると同時に、前面ガラス4の空気取り入れ口4aから空気を取り入れ、シール部の電極線接続部1aやランプバルブ1部を冷却し、リフレクタ2の中央部の空隙を通し、次いで、支持具3の通気口3aから吸気ファンへ導かれる。このように、前面ガラス4の中央に空気取り入れ口4aを設け,外気との最短距離でシール部のモリブデン電極1aやランプバルブ1部を冷却することで効率よくランプバルブ1を保護し、ランプの白濁等に起因する輝度低下、フリッカー、破裂等が発生しない温度に抑制している。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−7841号公報
【特許文献2】
特開2001−23430号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の方法は、ランプの破裂対策として凹面反射鏡の前面開口をガラス板で覆い、且つ,ランプの冷却を効率的に行う方法として多数採用されているが、プロジェクタ装置の小型化や投影画像の高輝度化要求に対し、ランプの小型化や高輝度化を実現するためには、さらに冷却効率を高める方法が要求されている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述のような課題に対応するためになされたもので、本発明においては、凹面リフレクタと、該凹面リフレクタの前面を覆う透光性材料からなる前面板と、中央部に放電電極部を有し、かつ該中央部から対称方向に延長する電極を封止する電極封着部を有し、前記凹面リフレクタ中央部に配設された放電ランプと、前記凹面リフレクタの中央部を貫通して延長する前記放電ランプの一方の電極が封入された封着部を支持する支持部材とから成り、前記前面板は外気を導入するための吸気孔を、前記支持部材は前記導入された外気を流出させるための流出口を有し、前記吸気孔を通してと導入された外気を前記流出口を通して流出されるようにしたランプ装置において、前記封電ランプの他方の電極が封入された第2の封着部から延長するシール部電極または電極線接続部に放熱板を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1、図2は、それぞれ本発明の実施形態として、プロジェクタのランプ冷却方法を説明するための図で、図中、図3に示した従来のプロジェクタと同様の作用をする部分には同一の参照番号を付し、その説明は省略する。
図1は、本発明の第一の実施形態によるプロジェクタ用ランプの周辺構成図で、図1(A)は冷却構造天面断面図、図1(B)は平板放熱板正面図で、図1において、1bは平板放熱板、7は吸気ファンである。
【0011】
前述のように、プロジェクタで使用されるランプはほとんどが冷却を必要とする。それは、ランプバルブ1の温度が均一化されないと管内に封入されたガスがランプバルブ1の内壁に蒸着し、白濁や黒化が誘発され、輝度低下が発生するためである。さらに、フリッカーや破裂の原因でもあること、さらには、ランプ先端シール部のモリブデン電極1aは、高温で酸化しやすいため、これらを抑制するために冷却を行い、信頼性を保つ必要がある。尚、電極線接続部1aは、モリブデン電極に電極線接続部1aを一体で成形することも可能であるが、本実施形態では、モリブデン電極にモリブデンの電極線接続部1aを溶着し形成している。
【0012】
ここで、第一の実施形態におけるランプ冷却方法に関し、その構造と冷却方法を説明する。凹面リフレクタ2の中央部の空隙2aにランプバルブ1の電極封着部11を通し、該第1の電極封着部11と支持具3との接触部を接着材3b1にて、リフレクタ2との接触部と接着材3b2で固定する。
リフレクタ2の前方には、前面ガラス4を配置し、これも、外周を接着材4bで接着する。これらからなるものをランプユニットと称する。前面ガラス4の中央には吸気口4aがあり、また、リフレクタ2の後方で電極封着部11に接着した支持具3には空気を排出する通気口3aが数個設けられている。ランプユニットの後方には、ランプユニットを冷却する吸気ファン7が配置されている。
【0013】
吸気ファン7による空気の流れは、図1(A)に矢印にて示すように、ランプユニットを囲んだランプケース5とランプダクト6内の熱気を排出すると同時に、前面ガラス4の吸気口4aから空気を取り入れ、シール部の電極線接続部1aにカシメ接続された平板放熱板1bやランプバルブ1部を冷却しリフレクタ2の中央の空隙2aを通し、支持具3の通気口3aから吸気ファン7へ導かれる。このように、本発明によると、前面ガラス4中央部の空気取り入れ口4a側に平板放熱板1bを設けることで、シール部電極線接続部1aを更に効率よく冷却することで、ランプの小型化や高輝度化にも対応して輝度低下やフリッカー発生や破裂防止等を図ることが可能となる。
【0014】
図2は、本発明の第二の実施形態によるプロジェクタ用ランプの周辺構成図で、図2(A)は冷却構造天面断面図、図2(B)は円筒形状放熱板正面図で、図2において、1cは本発明による円筒形状放熱板、1dはセラミック接着材である。
【0015】
本発明の第二の実施形態では、第一の実施形態における平板放熱板1bを円筒形状放熱板1cに置換え、ランプバルブシール部の電極線接続部1aとの間をセラミック接着材1dにより接合させ冷却効率を更に改善したものである。
放熱板1cが円筒形状のため、放熱板1cの各部が発熱部であるランプバルブシール部の電極線接続部1aと近く、放熱性能が平板放熱板1bと比較して良好となっている。
【0016】
放熱性能を比較するために平板放熱板1bと円筒形状放熱板1cのサイズを仮定する。
平板(1b):7×10x0.5、シール部モリブデン電極1aとカシメで接合円筒(1c):φ4x7 t=0.5、シール部モリブデン電極1aとの接合は
セラミック接着材1dで接着
その他条件として
・シール部冷却風速 10[m/s]
とし、本条件下で熱伝達率を比較すると
平板放熱板(1b):hm≒122
円筒放熱板(1c):hm≒190
となる。
【0017】
詳細:
平板放熱板:hm=3.86×(V/L)^(1/2) (hm:熱伝達率、
V:風速、L:代表長さ)
V=10[m/s], L=10×10^(−3)[m]と仮定し
hm=122
円筒放熱板:Re=u・d/ν u=10[m/s],d=4×10^(−3)
[m],ν=2×10^(−5)m^2/s
Re=2500,Nu=0.373×Re^(1/2)+0.057
×Re^(2/3)=29.1
Nu=hm・d/λ →hm=189.5
(Re:レイノルズ数、u:風速、d:円筒直径、Nu:ヌセルト数、
hm:熱伝達率、λair:空気の熱伝導率(27℃)
として得られる。
【0018】
次に、フィン効率を比較すると、
平板放熱板(1b):0.85
円筒放熱板(1c):1.00
となる。
詳細:
平板:フィン効率η=tanh(md)/(md)→η=0.85
m=(hm/λ/Yb)^(1/2) d=0.005[m], λ=91[W/m/K], Yb=0.25×10^(−3)[m]
円筒:放熱板各点での温度勾配がほとんど存在しないため、フィン効率1.0とした
これらをまとめると、表1となる。
【0019】
【表1】
【0020】
表1のQより円筒放熱板1cは、平板放熱板1bよりも少ない表面積であるにもかかわらず、放出できるワット数が高いことがわかる。
【0021】
また、平板放熱板1bはカシメによる接合であるため接触面積が少ないが、円筒形状放熱板1cでは放熱部の全面を接触面積として使用できる点も有利といえる。
放熱部−放熱板最遠点温度差を、平板放熱板、円筒形状放熱板で比較すると
平板放熱板(1b):S=A/L A=3.5×10^(−6)[m^2],L=5×10^(−3)[m]より
S=0.0007
Q=λ・S・ΔTとQ=50/2=25[W],λ=91[W/
m/℃](Ni)より
ΔT=395℃
円筒放熱板(1c):便宜上、□1mm→φ1mmの熱源として取り扱う。
・熱源(モリブデン)→パイプ内壁のセラミック部
S=2πL/ln[ro/ri] where ro=1.75
[mm],ri=0.5[mm],L=7×10^(−3)[m]
S=0.0351 ΔT=40
・パイプ内壁→パイプ外壁
S=2πL/ln[ro/ri] where ro=2.00
[mm],ri=1.75[mm],L=7×10^(−3)[m]
S=0.3 ΔT=1.7
合計して ΔT=41.7℃
【0022】
平板放熱板1bの先端部では、熱源温度と比して温度低下が激しいのに対し、円筒放熱板1cは、その1/10のオーダーとなっていることがわかる。この点からも円筒放熱板1cの方がフィン効率の面で優れていることが示される。
【0023】
更に、放熱性能を強化する際、ランプ出射光を遮る方向に放熱板が伸びない構造のため光利用効率を犠牲にすることなく、冷却性能を改善することが可能となっている。
【0024】
また、放熱板表面をセラミック等の皮膜で覆うことにより、より熱伝導率の高い材料を使用することも可能となる。これは平板放熱板1bでも同じことが言えるが、そのコーティングという面で、円筒放熱板1cでは容易に実施することが可能となる。
【0025】
更に、冷却構造物がコンパクトに設計できることから、放熱板平均風速を容易に向上させることができる。平板放熱板1b使用では放熱板平均風速を向上させようとすると、放熱板全体に吹付ける風の流れを綿密にコントロールする必要があったが、円筒放熱板1cではシール部先端のごく限られた部分に風を集中させるだけで良く、平均風速増大を容易に行うことが可能となる。
【0026】
また、平均風速増大による乱流促進も平板放熱板1b使用と比較して大きいことから、熱伝達率の増大も可能となる。
【0027】
【発明の効果】
本発明においては、透光性部材からなる前面板を有し、該前面板の中央部に設けた吸気口から外気を導入し、該外気をランプに沿って凹面リフレクタの中央部に導き、該中央部を通して排気する冷却構造を有するランプ装置において、前面板中央部側に配置されるランプ電極部(シール部電極)または電極線接続部に放熱板を設け、該放熱板を前記前面板中央部に設けられた吸気口から導かれた外気によって冷却するようにしたので、ランプの冷却効率を格段に向上させ、プロジェクタ装置の小型化や高輝度化が可能となった。
【0028】
また、放熱板を円筒形状放熱板とすることで、熱源であるランプ電極部または電極線接続部との接触面積を増大でき、平板放熱板による冷却よりも更に高い冷却性能を得ることが可能となった。
【0029】
また、円筒形状放熱板は平板放熱板と比べ放熱板がコンパクトになることから、冷却風を局所的なものにでき、乱流促進による熱伝達率の向上および放熱板の平均風速向上が容易に行うことが可能となった。
【0030】
さらに、放熱板を円筒形状としたので、ランプ出射光を遮ることがなく光利用効率を悪化させることもない。
【0031】
また、従来、酸化等の影響で使用できなかった、例えば、Cuなど、より熱伝導率の高い材料を、セラミック皮膜等で覆うことで放熱板としての使用が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態におけるランプ冷却装置の側断面構成面図である。
【図2】本発明の第二の実施形態におけるランプ冷却装置の側断面構成図である。
【図3】従来技術におけるランプ冷却装置の側断面構成図である。
【符号の説明】
1…ランプバルブ、1a…シール部電極線接続部、1b…平板放熱板、1c…円筒放熱板、1d…接着材、2…凹面リフレクタ、3…ランプ支持具、3a…通気口(排気口)、3b1,3b2…接着材、4…前面ガラス板、4a…吸気口、4b…接着材、5…ランプケース、6…ランプダクト、7…吸気ファン。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ランプ装置、より詳細には、プロジェクタ等の光源として使用に好適なランプ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクタ等に使用される光源装置には、光源ランプとして、メタルハライドランプや超高圧水銀ランプといった放電ランプが使用され、ほとんどの場合冷却装置を必要とする。これは、ランプ管球の温度が均一化されないと,管内に封入されたガスがランプ内壁において蒸着し白濁や黒化が誘発され、輝度低下が発生すること、フリッカーや破裂の原因でもあること、更には、ランプ先端シール部のモリブデンが、高温で酸化しやすいこと等によるもので、これらを抑制するために冷却を行い、信頼性を保つようにしている。
【0003】
また、このようなランプは、点灯時に、発光管内の圧力が20〜150気圧程度の高圧になるが、通常使用のランプ寿命内において、発光管が劣化してランプが破裂する危険性が考えられ、万一、ランプが破裂すると、ランプを構成する石英ガラスや透光性セラミックスの破片が投映機器内で散乱する。このとき、散乱したランプの破片は極めて高温であるために、投映機器内の配線コードや可燃性部材を損傷することがあり、ランプの破裂対策として、凹面反射鏡(リフレクタ)の前面開口をガラス板で覆って凹面反射鏡内部を閉空間にし、この閉空間内にランプを配置することが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
ランプの破裂対策として凹面反射鏡の前面開口をガラス板で覆い、且つ、ランプの冷却を効率的に行う方法も提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
図3は、特許文献2に記載のランプ冷却構造に関し、プロジェクタ用ランプ周辺における冷却構造の概略を示す側断面図で、図中、1は中央部に対をなす放電電極を有し、それぞれの電極が対称の反対方向に延長するよう封入された封着部11,12を有するランプバルブ、2は凹面リフレクタ(反射鏡)、3はランプ支持具、4は前面ガラス、5はランプケース、6はランプダクトを示し、1aは封着部12のシール部より延長する電極線接続部、3aは支持具の通気口、3b1,3b2は凹面リフレクタと放電ランプの封着部11とを支持具3に固定するための接着材、4aは前面ガラス4に設けられた空気取り入れ口である。図示のように、リフレクタ2の中央部の空隙2aにランプバルブ1の電極封着部11を通し、該電極封止部11と支持具3との接触部,及びリフレクタ2との接触部とを接着材3b1,3b2で固定する。リフレクタ2の前方には、前面ガラス4を配置し、これも、外周を接着材4bで接着する。これらからなるものをランプユニットと称する。
【0006】
前面ガラス4の中央には空気取り入れ口(導入部)4aがあり、また、リフレクタ2の後方に接着した支持具3には、前記空気取り入れ口4aを通して導入した外気を排出するための通気口3aが数個配置されている。更に、ランプユニットの後方には、ランプユニットを冷却する吸気ファンなどを配置する。吸気ファンによる空気の流れは、図3に示すように、ランプユニットを囲んだランプケース5とランプダクト6内の空気(熱)を排出すると同時に、前面ガラス4の空気取り入れ口4aから空気を取り入れ、シール部の電極線接続部1aやランプバルブ1部を冷却し、リフレクタ2の中央部の空隙を通し、次いで、支持具3の通気口3aから吸気ファンへ導かれる。このように、前面ガラス4の中央に空気取り入れ口4aを設け,外気との最短距離でシール部のモリブデン電極1aやランプバルブ1部を冷却することで効率よくランプバルブ1を保護し、ランプの白濁等に起因する輝度低下、フリッカー、破裂等が発生しない温度に抑制している。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−7841号公報
【特許文献2】
特開2001−23430号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の方法は、ランプの破裂対策として凹面反射鏡の前面開口をガラス板で覆い、且つ,ランプの冷却を効率的に行う方法として多数採用されているが、プロジェクタ装置の小型化や投影画像の高輝度化要求に対し、ランプの小型化や高輝度化を実現するためには、さらに冷却効率を高める方法が要求されている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述のような課題に対応するためになされたもので、本発明においては、凹面リフレクタと、該凹面リフレクタの前面を覆う透光性材料からなる前面板と、中央部に放電電極部を有し、かつ該中央部から対称方向に延長する電極を封止する電極封着部を有し、前記凹面リフレクタ中央部に配設された放電ランプと、前記凹面リフレクタの中央部を貫通して延長する前記放電ランプの一方の電極が封入された封着部を支持する支持部材とから成り、前記前面板は外気を導入するための吸気孔を、前記支持部材は前記導入された外気を流出させるための流出口を有し、前記吸気孔を通してと導入された外気を前記流出口を通して流出されるようにしたランプ装置において、前記封電ランプの他方の電極が封入された第2の封着部から延長するシール部電極または電極線接続部に放熱板を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1、図2は、それぞれ本発明の実施形態として、プロジェクタのランプ冷却方法を説明するための図で、図中、図3に示した従来のプロジェクタと同様の作用をする部分には同一の参照番号を付し、その説明は省略する。
図1は、本発明の第一の実施形態によるプロジェクタ用ランプの周辺構成図で、図1(A)は冷却構造天面断面図、図1(B)は平板放熱板正面図で、図1において、1bは平板放熱板、7は吸気ファンである。
【0011】
前述のように、プロジェクタで使用されるランプはほとんどが冷却を必要とする。それは、ランプバルブ1の温度が均一化されないと管内に封入されたガスがランプバルブ1の内壁に蒸着し、白濁や黒化が誘発され、輝度低下が発生するためである。さらに、フリッカーや破裂の原因でもあること、さらには、ランプ先端シール部のモリブデン電極1aは、高温で酸化しやすいため、これらを抑制するために冷却を行い、信頼性を保つ必要がある。尚、電極線接続部1aは、モリブデン電極に電極線接続部1aを一体で成形することも可能であるが、本実施形態では、モリブデン電極にモリブデンの電極線接続部1aを溶着し形成している。
【0012】
ここで、第一の実施形態におけるランプ冷却方法に関し、その構造と冷却方法を説明する。凹面リフレクタ2の中央部の空隙2aにランプバルブ1の電極封着部11を通し、該第1の電極封着部11と支持具3との接触部を接着材3b1にて、リフレクタ2との接触部と接着材3b2で固定する。
リフレクタ2の前方には、前面ガラス4を配置し、これも、外周を接着材4bで接着する。これらからなるものをランプユニットと称する。前面ガラス4の中央には吸気口4aがあり、また、リフレクタ2の後方で電極封着部11に接着した支持具3には空気を排出する通気口3aが数個設けられている。ランプユニットの後方には、ランプユニットを冷却する吸気ファン7が配置されている。
【0013】
吸気ファン7による空気の流れは、図1(A)に矢印にて示すように、ランプユニットを囲んだランプケース5とランプダクト6内の熱気を排出すると同時に、前面ガラス4の吸気口4aから空気を取り入れ、シール部の電極線接続部1aにカシメ接続された平板放熱板1bやランプバルブ1部を冷却しリフレクタ2の中央の空隙2aを通し、支持具3の通気口3aから吸気ファン7へ導かれる。このように、本発明によると、前面ガラス4中央部の空気取り入れ口4a側に平板放熱板1bを設けることで、シール部電極線接続部1aを更に効率よく冷却することで、ランプの小型化や高輝度化にも対応して輝度低下やフリッカー発生や破裂防止等を図ることが可能となる。
【0014】
図2は、本発明の第二の実施形態によるプロジェクタ用ランプの周辺構成図で、図2(A)は冷却構造天面断面図、図2(B)は円筒形状放熱板正面図で、図2において、1cは本発明による円筒形状放熱板、1dはセラミック接着材である。
【0015】
本発明の第二の実施形態では、第一の実施形態における平板放熱板1bを円筒形状放熱板1cに置換え、ランプバルブシール部の電極線接続部1aとの間をセラミック接着材1dにより接合させ冷却効率を更に改善したものである。
放熱板1cが円筒形状のため、放熱板1cの各部が発熱部であるランプバルブシール部の電極線接続部1aと近く、放熱性能が平板放熱板1bと比較して良好となっている。
【0016】
放熱性能を比較するために平板放熱板1bと円筒形状放熱板1cのサイズを仮定する。
平板(1b):7×10x0.5、シール部モリブデン電極1aとカシメで接合円筒(1c):φ4x7 t=0.5、シール部モリブデン電極1aとの接合は
セラミック接着材1dで接着
その他条件として
・シール部冷却風速 10[m/s]
とし、本条件下で熱伝達率を比較すると
平板放熱板(1b):hm≒122
円筒放熱板(1c):hm≒190
となる。
【0017】
詳細:
平板放熱板:hm=3.86×(V/L)^(1/2) (hm:熱伝達率、
V:風速、L:代表長さ)
V=10[m/s], L=10×10^(−3)[m]と仮定し
hm=122
円筒放熱板:Re=u・d/ν u=10[m/s],d=4×10^(−3)
[m],ν=2×10^(−5)m^2/s
Re=2500,Nu=0.373×Re^(1/2)+0.057
×Re^(2/3)=29.1
Nu=hm・d/λ →hm=189.5
(Re:レイノルズ数、u:風速、d:円筒直径、Nu:ヌセルト数、
hm:熱伝達率、λair:空気の熱伝導率(27℃)
として得られる。
【0018】
次に、フィン効率を比較すると、
平板放熱板(1b):0.85
円筒放熱板(1c):1.00
となる。
詳細:
平板:フィン効率η=tanh(md)/(md)→η=0.85
m=(hm/λ/Yb)^(1/2) d=0.005[m], λ=91[W/m/K], Yb=0.25×10^(−3)[m]
円筒:放熱板各点での温度勾配がほとんど存在しないため、フィン効率1.0とした
これらをまとめると、表1となる。
【0019】
【表1】
【0020】
表1のQより円筒放熱板1cは、平板放熱板1bよりも少ない表面積であるにもかかわらず、放出できるワット数が高いことがわかる。
【0021】
また、平板放熱板1bはカシメによる接合であるため接触面積が少ないが、円筒形状放熱板1cでは放熱部の全面を接触面積として使用できる点も有利といえる。
放熱部−放熱板最遠点温度差を、平板放熱板、円筒形状放熱板で比較すると
平板放熱板(1b):S=A/L A=3.5×10^(−6)[m^2],L=5×10^(−3)[m]より
S=0.0007
Q=λ・S・ΔTとQ=50/2=25[W],λ=91[W/
m/℃](Ni)より
ΔT=395℃
円筒放熱板(1c):便宜上、□1mm→φ1mmの熱源として取り扱う。
・熱源(モリブデン)→パイプ内壁のセラミック部
S=2πL/ln[ro/ri] where ro=1.75
[mm],ri=0.5[mm],L=7×10^(−3)[m]
S=0.0351 ΔT=40
・パイプ内壁→パイプ外壁
S=2πL/ln[ro/ri] where ro=2.00
[mm],ri=1.75[mm],L=7×10^(−3)[m]
S=0.3 ΔT=1.7
合計して ΔT=41.7℃
【0022】
平板放熱板1bの先端部では、熱源温度と比して温度低下が激しいのに対し、円筒放熱板1cは、その1/10のオーダーとなっていることがわかる。この点からも円筒放熱板1cの方がフィン効率の面で優れていることが示される。
【0023】
更に、放熱性能を強化する際、ランプ出射光を遮る方向に放熱板が伸びない構造のため光利用効率を犠牲にすることなく、冷却性能を改善することが可能となっている。
【0024】
また、放熱板表面をセラミック等の皮膜で覆うことにより、より熱伝導率の高い材料を使用することも可能となる。これは平板放熱板1bでも同じことが言えるが、そのコーティングという面で、円筒放熱板1cでは容易に実施することが可能となる。
【0025】
更に、冷却構造物がコンパクトに設計できることから、放熱板平均風速を容易に向上させることができる。平板放熱板1b使用では放熱板平均風速を向上させようとすると、放熱板全体に吹付ける風の流れを綿密にコントロールする必要があったが、円筒放熱板1cではシール部先端のごく限られた部分に風を集中させるだけで良く、平均風速増大を容易に行うことが可能となる。
【0026】
また、平均風速増大による乱流促進も平板放熱板1b使用と比較して大きいことから、熱伝達率の増大も可能となる。
【0027】
【発明の効果】
本発明においては、透光性部材からなる前面板を有し、該前面板の中央部に設けた吸気口から外気を導入し、該外気をランプに沿って凹面リフレクタの中央部に導き、該中央部を通して排気する冷却構造を有するランプ装置において、前面板中央部側に配置されるランプ電極部(シール部電極)または電極線接続部に放熱板を設け、該放熱板を前記前面板中央部に設けられた吸気口から導かれた外気によって冷却するようにしたので、ランプの冷却効率を格段に向上させ、プロジェクタ装置の小型化や高輝度化が可能となった。
【0028】
また、放熱板を円筒形状放熱板とすることで、熱源であるランプ電極部または電極線接続部との接触面積を増大でき、平板放熱板による冷却よりも更に高い冷却性能を得ることが可能となった。
【0029】
また、円筒形状放熱板は平板放熱板と比べ放熱板がコンパクトになることから、冷却風を局所的なものにでき、乱流促進による熱伝達率の向上および放熱板の平均風速向上が容易に行うことが可能となった。
【0030】
さらに、放熱板を円筒形状としたので、ランプ出射光を遮ることがなく光利用効率を悪化させることもない。
【0031】
また、従来、酸化等の影響で使用できなかった、例えば、Cuなど、より熱伝導率の高い材料を、セラミック皮膜等で覆うことで放熱板としての使用が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態におけるランプ冷却装置の側断面構成面図である。
【図2】本発明の第二の実施形態におけるランプ冷却装置の側断面構成図である。
【図3】従来技術におけるランプ冷却装置の側断面構成図である。
【符号の説明】
1…ランプバルブ、1a…シール部電極線接続部、1b…平板放熱板、1c…円筒放熱板、1d…接着材、2…凹面リフレクタ、3…ランプ支持具、3a…通気口(排気口)、3b1,3b2…接着材、4…前面ガラス板、4a…吸気口、4b…接着材、5…ランプケース、6…ランプダクト、7…吸気ファン。
Claims (4)
- 凹面リフレクタと、該凹面リフレクタの前面を覆う透光性材料からなる前面板と、中央部に放電電極部を有し、かつ該中央部から対称方向に延長する電極を封止する電極封着部を有し、前記凹面リフレクタ中央部に配設された放電ランプと、前記凹面リフレクタの中央部を貫通して延長する前記放電ランプの一方の電極が封入された封着部を支持する支持部材とから成り、前記前面板は外気を導入するための吸気孔を、前記支持部材は前記導入された外気を流出させるための流出口を有し、前記吸気孔を通して導入された外気を前記流出口を通して流出されるようにしたランプ装置において、前記封電ランプの他方の電極が封入された第2の封着部から延長するシール部電極または電極線接続部に放熱板を設けたことを特徴とするランプ装置。
- 前記放熱板の表面はセラミック皮膜で覆われていることを特徴とする請求項1に記載のランプ装置。
- 前記放熱板は円筒型をなし、前記シール部電極または電極線接続部を包囲して設けられることを特徴とする請求項1または2に記載のランプ装置。
- 前記円筒型放熱板と前記シール部電極は、前記円筒型放熱板円筒部とセラミック接着材にて固定されたことを特徴とする請求項3に記載のランプ装置。
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JP2002266147A JP2004103479A (ja) | 2002-09-11 | 2002-09-11 | ランプ装置 |
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JP2002266147A Pending JP2004103479A (ja) | 2002-09-11 | 2002-09-11 | ランプ装置 |
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-
2002
- 2002-09-11 JP JP2002266147A patent/JP2004103479A/ja active Pending
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