JP7251420B2 - ショートアーク型放電ランプおよび光照射装置 - Google Patents
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Description
また、封止部を冷却するために、大きい流量の冷却風を吹き付けたときには、冷却風の一部が口金の外周面に当たった後に、発光管に向かって流れるため、発光管の温度が低下する結果、点灯に不具合が生じるおそれがある。
また、特許文献2に記載のショートアーク型放電ランプにおいては、流出用空気孔が口金の外周面部に形成されていることにより、流出用空気孔に排気口を接続することが困難である。そのため、封止部と口金とを接合する接着剤などによる汚染物が冷却風と共に流出用空気孔から流出する結果、ショートアーク型放電ランプが搭載される装置の内部が汚染されるという問題がある。
前記口金の外端面部と前記封止部の外端面との間には、内部空間が形成され、
前記口金の外端面部は、前記内部空間に冷却風を流入出させる通風口を有することを特徴とする。
前記流入用通風口の最大長さを画定する線分の長さが、前記口金の外端面部に対向して配置される送風口の最大長さを画定する線分の長さより小さいことが好ましい。
前記流出用通風口の最大長さを画定する線分の長さが、前記口金の外端面部に対向して配置され、前記流出用通風口に対応する排出口の最大長さを画定する線分の長さより小さいことが好ましい。
前記複数の通風口のうち少なくとも一つ以上が流入用通風口であり、
前記流入用通風口と重なる前記仮想円の円弧の長さの合計が、前記口金の外端面部に対向して配置される送風口と重なる前記仮想円の円弧の長さの合計より小さいことが好ましい。
前記流出用通風口と重なる前記仮想円の円弧の長さの合計が、前記口金の外端面部に対向して配置される排出口と重なる前記仮想円の円弧の長さの合計より小さいことが好ましい。
前記ショートアーク型放電ランプの前記口金を保持するランプ保持部と、
前記口金の前記外端面部の前記通風口を介して前記内部空間に冷却風を流入出させる送風機構とを備えることを特徴とする。
また、口金における平坦な外端面部に通風口が形成されていることにより、当該通風口に冷却風の送風口および排出口を接続することが可能である。そのため、冷却風によって発光管が冷却されることがない。
従って、発光管の温度を低下させることなしに封止部を高い効率で冷却することができ、これにより、封止部の温度上昇に起因する封止部の破損が抑制される結果、ショートアーク型放電ランプにおいて長い使用寿命が得られる。
また、通風口に冷却風の送風口および排出口が接続されることにより、接合層などによる汚染物によって、ショートアーク型放電ランプが搭載される装置の内部が汚染されることを防止することができる。
また、流入用通風口と重なる仮想円の円弧の長さの合計が、口金の外端面部に対向して配置される送風口と重なる仮想円の円弧の長さの合計より小さい構成によれば、ショートアーク型放電ランプを光照射装置に装着する際に、ショートアーク型放電ランプがその管軸を中心軸として回転する方向に僅かに位置ずれした場合でも、流入用通風口が送風口内に位置されるため、流入用通風口と送風口との接続を容易に達成することができる。
また、流出用通風口と重なる仮想円の円弧の長さの合計が、口金の外端面部に対向して配置される排出口と重なる仮想円の円弧の長さの合計より小さい構成によれば、ショートアーク型放電ランプを光照射装置に装着する際に、ショートアーク型放電ランプがその管軸を中心軸として回転する方向に僅かに位置ずれした場合でも、流出用通風口が排出口内に位置するため、流出用通風口と排出口との所要の接続が容易に達成される。
図1は、本発明のショートアーク型放電ランプの一例における構成を示す説明用断面図である。このショートアーク型放電ランプ(以下、単に「放電ランプ」ともいう。)10は、略球状の発光部12の両端に狭窄部13を介して連続して外方に伸びる封止部14が形成されてなる発光管11を有する。発光管11における発光部12の内部には発光空間S1が形成され、この発光空間S1には、陽極20および陰極21が互いに対向して配置されている。また、発光空間S1には、水銀などの発光物質やアルゴンガスなどの始動補助用バッファガスが封入されている。
また、陽極20を構成する材料としては、タングステンを用いることができ、陰極21を構成する材料としては、トリエーテッドタングステンを用いることができる。
また、発光空間S1に封入される発光物質例えば水銀の封入量は、2~6mg/cm3 であり、バッファガス例えばアルゴンガスの封入圧は、静圧で0.09~0.5MPaである。
内部リード22および外部リード23を構成する材料としては、タングステンを用いることができる。
そして、発光管11における封止部14の内面と封止用絶縁体15とが導電箔24を介して溶着されることによって、導電箔24が封止部14内に気密に埋設された箔シール構造が形成されている。
導電ディスク25および補助ディスク26を構成する材料としては、タンタル、ニオブ、タングステン、モリブデンなどの高融点金属を用いることができる。また、封止用絶縁体15の一端面に接する導電ディスク25の厚みは、例えば0.5~6mmであり、補助ディスク26の厚みは、例えば0.05~1mmである。
金属部材27を構成する材料としては、モリブデンなどを用いることができる。
接合層40を構成する接着剤としては、セラミック系接着剤に代表される無機系接着剤を用いることができる。また、接合層40の厚みは、0.5~5mmであることが好ましい。
流入用通風口33aに係る円弧C1の長さの合計と送風口52に係る円弧C2の長さの合計との比は、1:1.05~1:1.3であることが好ましく、より好ましくは1:1.1~1:1.2である。
流出用通風口33bに係る円弧C3の長さの合計と排出口53に係る円弧C4の長さの合計との比は、1:1.05~1:1.3であることが好ましく、より好ましくは1:1.1~1:1.2である。
図5に示すように、ランプ保持部50は、例えば金属よりなる矩形の板状体によって構成されている。ランプ保持部50には、それぞれ厚み方向に貫通する円形の端子接続用開口51、送風口52および排出口53が、放電ランプ10の口金30における端子部32および2つの通風口33に対応して形成されている。
ランプ保持部50の送風口52は、ランプハウス60の外部に設けられた送風機構65に、配管61によって接続されている。一方、ランプ保持部50の排出口53は、ランプハウス60の外部に設けられたフィルター63に、配管62によって接続されている。
また、口金30の通風口33に冷却風の送風口52および排出口53が接続されているため、冷却風によって発光管11が冷却されることがない。
従って、発光管11の温度を低下させることなしに封止部14を高い効率で冷却することができ、これにより、封止部14の温度上昇に起因する封止部14の破損が抑制される結果、放電ランプ10において長い使用寿命が得られる。
また、口金30の通風口33に冷却風の送風口52および排出口53が接続されているため、接合層40などによる汚染物によって、光照射装置の内部が汚染することを防止することができる。
図1および図2に示す構成に従い、下記の仕様の放電ランプを作製した。
[発光管(11)]
材質=石英ガラス,全長=90mm,
発光部(12):最大外径=62mm,最大内径=55mm,
封止部(13):外径=30mm
[陽極(20)]
材質=タングステン,外径=25mm
[陰極(21)]
材質=トリエーテッドタングステン,外径=12mm
[導電箔(24)]
材質=モリブデン
[口金(30)]
材質=真鍮,全長=70mm,内径=31.5mm,外径=33.5mm
通風口の数=2,通風口の径=7mm
[接合層(40)]
材質=セラミック系接着剤,厚み=0.75mm,
口金に通風口が形成されておらず、接合層が封止部の外端面と口金の底面との間に充填されるよう形成されていること以外は、実施例1と同様の仕様の放電ランプを作製した。 この放電ランプにおける口金の外周面から60mm離間した位置に、内径が25mmの吹き出し口を有する冷却風供給ノズルを配置した。この放電ランプを2.7kWのランプ入力(電流=25A,電圧=107V)で点灯させると共に、冷却風供給ノズルから口金の外周面に向かって冷却風を供給した。そして、導電箔における封止部の外端から約20mmの離れた位置の温度を測定し、当該導電箔の温度を350℃に維持するために必要な冷却風の流量を測定したところ、120L/minであった。
11 発光管
12 発光部
13 狭窄部
14 封止部
15 封止用絶縁体
16 内部リード支持部材
17 外部リード支持部材
20 陽極
21 陰極
22 内部リード
23 外部リード
24 導電箔
25 導電ディスク
26 補助ディスク
27 金属部材
30 口金
31 外端面部
32 端子部
33 通風口
33a 流入用通風口
33b 流出用通風口
34 位置決め部
40 接合層
50 ランプ保持部
51 端子接続用開口
52 送風口
53 排出口
54 固定部材
55 凹面反射鏡
60 ランプハウス
61,62 配管
63 フィルター
65 送風機構
C 仮想円
C1,C2,C3,C4 円弧
S1 発光空間
S2 内部空間
Claims (6)
- 発光部の一端に連続して封止部が形成されてなる発光管と、前記封止部が挿入されて固定された口金とを備え、前記封止部に箔シール構造が形成されたショートアーク型放電ランプであって、
前記口金の外端面部と前記封止部の外端面との間には、内部空間が形成され、
前記口金の外端面部は、前記内部空間に冷却風を流入出させる通風口を有し、
前記通風口は、前記口金の外端面部に複数形成され、
前記複数の通風口のうち少なくとも一つ以上が流入用通風口であり、
前記流入用通風口の最大長さを画定する線分の長さが、前記口金の外端面部に対向して配置される送風口の最大長さを画定する線分の長さより小さいことを特徴とするショートアーク型放電ランプ。 - 前記通風口は、前記口金の外端面部に複数形成されていること特徴とする請求項1に記載のショートアーク型放電ランプ。
- 発光部の一端に連続して封止部が形成されてなる発光管と、前記封止部が挿入されて固定された口金とを備え、前記封止部に箔シール構造が形成されたショートアーク型放電ランプであって、
前記口金の外端面部と前記封止部の外端面との間には、内部空間が形成され、
前記口金の外端面部は、前記内部空間に冷却風を流入出させる通風口を有し、
前記通風口は、前記口金の外端面部に複数形成され、
前記複数の通風口は、前記口金の外周面と同軸の仮想円に沿って配置されており、
前記複数の通風口のうち少なくとも一つ以上が流入用通風口であり、
前記流入用通風口と重なる前記仮想円の円弧の長さの合計が、前記口金の外端面部に対向して配置される送風口と重なる前記仮想円の円弧の長さの合計より小さいことを特徴とするショートアーク型放電ランプ。 - 前記複数の通風口のうち少なくとも一つ以上が流出用通風口であり、
前記流出用通風口と重なる前記仮想円の円弧の長さの合計が、前記口金の外端面部に対向して配置される排出口と重なる前記仮想円の円弧の長さの合計より小さいことを特徴とする請求項3に記載のショートアーク型放電ランプ。 - 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のショートアーク型放電ランプと、
前記ショートアーク型放電ランプの前記口金を保持するランプ保持部と、
前記口金の前記外端面部の前記通風口を介して前記内部空間に冷却風を流入出させる送風機構とを備えることを特徴とする光照射装置。 - 前記ランプ保持部は、それぞれ前記通風口に連通するよう配置された、冷却風を送風する送風口および冷却風を排出する排出口を有することを特徴とする請求項5に記載の光照射装置。
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