JP2004102299A - 透過型スクリーンおよびその製造方法 - Google Patents

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三谷 勝昭
Noboru Amatsuya
安松谷 昇
Ichiro Matsuzaki
松崎 一朗
Hiroshi Kuwata
桑田 広志
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Abstract

  【課題】 光拡散材を含有した熱可塑性樹脂を押し出し成形して得られるレンチキュラーレンズシートであっても、スクリーン面の外光の乱反射を防ぎ、実用視野角内での外光によるコントラスト低下を防ぎ、さらに写り込みを防ぐことが可能なレンチキュラーレンズシートを用いた透過型スクリーンを提供する。
  【解決手段】 押し出し成形機のエクストルーダー41より押し出されたレンチキュラーレンズシート基材42から、入射光側レンチキュラーレンズ面を形成する入射光側成形ロール43と、ブラックストライプとレンチキュラーレンズ面を形成する出射光側成形ロール44により、レンチキュラーレンズシート1を形成する。この時、出射光側成形ロール44のブラックストライプ形成面3a−aとレンチキュラーレンズ形成面2a−aは、微細凹凸を形成せず、鏡面仕上げ状態とする。
【選択図】  図6

Description

 本発明は、透過型プロジェクションテレビに用いて有効な透過型スクリーン用レンチキュラーレンズシートおよびその製造法に関し、特に出射光側の表面または表面層に鏡面部を設けてなる透過型スクリーンおよびその製造方法に関するものである。
 従来、透過型スクリーンの構成としては図8に示すように、フレネルレンズ45を有したフレネルレンズシート26の前面にレンチキュラーレンズシート1を重ねて配置した構成の物が用いられている。
 このレンチキュラーレンズシート1は、スクリーン基材の中にガラスや高分子材よりなる光拡散材4が混入され、両面にシリンドリカル状のレンチキュラーレンズ2,5を配設している。さらに、出射光側レンチキュラーレンズ2の非集光部に突起状のブラックストライプ(外光吸収層)3を所定ピッチの縞状に形成し、外光によるコントラストの低下を防いでいる。
 しかしながら、上記のような従来の構成のレンチキュラーレンズシート1においては、画像を結合させるためや、垂直視野角の拡大のためにガラスビーズやポリマービーズ等の光拡散材4が混入されており、この光拡散材4の一部がレンチキュラーレンズシート1のシリンドリカル状のレンチキュラーレンズ2や縞状で非集光部突起状のブラックストライプ3の表面に突出しているのが一般的である。
 また、周囲の物体の写り込みを防ぐために、観察者に、最も近い面を形成するための金型に微細な凹凸を形成し、成形時に転写させて、乱反射面としている。このために、レンチキュラーレンズシートの出射光側表面に外光が照射されたときに乱反射が起こりスクリーン面が白っぽくなり、コントラストの劣化が生じるという問題がある。
 外光によるコントラストの低下を改善するために、スクリーンの前面に光の透過率を落としたガラスや、透明プラスチック製鏡面板を取りつける方法があるが、これは鏡面板の外光(蛍光灯、電灯、周囲の人や物、等)の写り込みが極端に大きいため画面が見にくいという問題がある。
 本発明は上記問題に鑑み、光拡散材を含有した熱可塑性樹脂を押し出し成形して得られるレンチキュラーレンズシートであっても、スクリーン面の外光の乱反射を防ぎ、実用視野角内での外光によるコントラスト低下を防ぎ、さらに写り込みを防ぐことが可能なレンチキュラーレンズシートを用いた透過型スクリーンを提供することを目的とするものである。
 上記課題を解決するために、本発明は、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートからなる2枚構成であり、かつ入射光側に設けたレンチキュラーレンズの非集光部に、ブラックストライプを等ピッチで垂直方向を長手方向として配設してなる透過型スクリーンにおいて、前記レンチキュラーレンズシートが、光拡散材を含有した熱可塑性樹脂を、入射光側レンチキュラーレンズ面を形成する入射光形成ロールと、ブラックストライプとレンチキュラーレンズ面を形成する出射光側成形ロールを用いて押し出し成形することにより得られるものであって、観察者に最も近い面のうち前記レンチキュラーレンズ面部と前記ブラックストライプ部の全面、あるいは前記レンチキュラーレンズ面部のみを、正反射が主であり、入射角と反射角とが等しい鏡面にしたものであり、外光の乱反射を減少させると共に、実用視野角内に外光が届かないようにし、観察者にコントラストの向上した写り込みの少ない画像を提供できるようにしたものである。
 また、レンチキュラーレンズシート内に可視光線を吸収する材料を混入し、可視光線波長領域における光路収率を増加させることにより更に対外光コントラストを改善させる。この際、可視光線を吸収する材料としては、熱可塑性樹脂と相溶性のある色素,顔料,カーボン,金属塩等を用いることができる。もちろん可視光線を吸収する材料は光拡散材中に混入してもよい。
 更に、可視光線を吸収する材料の吸収スペクトルは必ずしも平坦である必要はなく、投写型テレビジョン受像機で使用される三色のCRTの強度比や、色純度向上の目的等により、波長特性やピークがあってもよい。
 また本発明の透過型スクリーン用レンチキュラーレンズシートの製造方法は、押し出し成形機のエクストルーダーより押し出されたレンチキュラーレンズシート基材の入射光側レンチキュラーレンズ面を形成する入射光側成形ロールと、ブラックストライプとレンチキュラーレンズ面を形成する出射光側成形ロールにより、レンチキュラーレンズシートが形成される。この時、出射光側成形ロールのブラックストライプ形成面とレンチキュラーレンズ形成面には、微細凹凸を形成しないでおく。成形時に各成形ロールの鏡面を完全に転写し、レンチキュラーレンズシートのブラックストライプ表面とレンチキュラーレンズ表面が、正反射が主であり、入射角と反射角とが等しい鏡面となるように成形するようにしたものである。但し、押し出し成形の際、樹脂に混入した光拡散材がブラックストライプ表面及びレンチキュラーレンズ表面にわずかに露出するが、成形ロールにより押圧加工されコントラストの悪化はわずかであり、実質的には鏡面と見なすことができる。
 本発明は上記した構成によって、光拡散材を含有した熱可塑性樹脂を押し出し成形して得られるレンチキュラーレンズシートであっても、観察者に最も近い面を鏡面にしたことにより、外光の乱反射を減少させることができ、かつ、このように鏡面にしても、観察者側のレンチキュラーレンズ面により写り込む像が水平方向に広がり、実用視野角内に外光が届かないようになるため、観察者にコントラストの向上した写り込みの少ない画像を提供することができる。したがって、簡単な構成で低コストの透過型スクリーン用レンチキュラーレンズシートとなる。
 以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、光拡散材を含有した熱可塑性樹脂を押し出し成形して得られるレンチキュラーレンズシートであっても、観察者に最も近い面のうちレンチキュラーレンズーシートにおける出射光側のブラックストライプ部とレンチキュラーレンズ面の全面、あるいはレンチキュラーレンズ面のみを、正反射が主であり、入射角と反射角とが等しい鏡面にしたことにより、外光の乱反射を減少させることができ、かつ、このように鏡面にしても、レンチキュラーレンズ面により写り込む像が水平方向に広がり、実用視野角内に外光が届かないようになるため、観察者にコントラストの向上した写り込みの少ない画像を提供することができ、鏡面板のような写り込みのない、鮮明な画像を得ることができる。
 請求項2に係る発明によれば、可視光線を吸収する材料を含有することにより、観察者側の表面において、可視光線吸収の範囲で反射を抑制することができ、コントラストをさらに改善することができる。
 請求項3および4に係る発明によれば、一律に可視光線を吸収するのではなく、本透過型スクリーンを使用する機器における発光特性に合わせて可視光線吸収を行うことによって、輝度の高いスクリーンにすることが可能になる。
 請求項5〜7に係る発明によれば、上記の透過型スクリーンを得ることができる。
 以下本発明の第1の実施例について、図1〜図6および図8に示す図面とともに説明する。図1(A),(B),(C)はそれぞれ本発明の第1の実施例の透過型スクリーン用レンチキュラーレンズシートの上断面図と正面図および側面の断面図を示したものである。図1において、レンチキュラーレンズシート1は、まず、スクリーン基材の、両主平面に出射光側および入射光側レンチキューレンズ2,5を形成している。次に、入射光側に設けたレンチキュラーレンズの非集光部に縞状のブラックストライプ3を、図8に示すように、等ピッチで垂直方向を長手方向として配設している。さらに、出射光側レンチキュラーレンズ2およびブラックストライプ3の表面は外光の乱反射が起こらないよう艶のある鏡面2a,3aに構成されている。
 反射には、通常の正規反射(以下正反射という)と乱反射があり、表面が鏡面の場合には正反射が主となり、表面に微細凸凹があれば乱反射が主となる。本発明の、レンチキュラーレンズシート1は出射光側表面が鏡面であるため、正反射が主となり、入射角と反射角は等しく、外光6の入射光6a,6bは反射光7a,7b,7a′,7b′となる。それに対し、図8に示すごとく従来のように表面に微細凸凹があれば乱反射が起こり、光の入射した場所の表面形状により、入射角が異なりそれと同じ角度の反射角で反射光が発生するため、外光46の入射光46a,46bは反射光47a,47bとなり、乱反射が実用視野角(後述する)に入りコントラストの低下をもたらす。
 次に実際に透過型プロジェクションテレビを室内に設置した場合を例にとってコントラスに差がある理由を定性的に説明する。
 透過型プロジェクションテレビは、図2のように設置されることが多く、その場合、人がテレビを観察するときの位置は2m前後離れた位置で、寝転んだときの床,立っているときの人の高さまでが実用視野範囲12となる。このとき天井灯8,9,10,11の光はスクリーン表面が鏡面の場合は正反射をして、床13,14,15,16に届くようになるため、実用視野範囲12に届くのは乱反射光のみとなる。投写型テレビジョン受信機17のスクリーン18のセンターの高さHは、通常1m前後であり、人の観察距離を2mとすると、実用視野範囲12に届く正反射光は外光の入射角αが数1の式により26.5°前後となる。
Figure 2004102299
 入射角と反射角は等しい。この26.5°前後の入射角においては、寝転んでテレビジョン受信機を観察するときのみコントラストの低下が感じられるだけであり、座ったときや立った状態では観察者に外光に届かずコントラストの低下は感じられない。また一般的に天井灯あるいは天井から吊り下げられた蛍光灯や白熱灯の光源からのスクリーンへの入射角は余程のことがない限り26.5°以下にはならない。
 また、屋外外光は窓からの採光となりテレビジョン受信機の設置場所により異なるが、平行光のみではなくどちらかといえば斜光であり、窓際でスクリーン面に直接太陽光が入射しなければ問題にはならない。なお、外光は規則的なものではなく光源の位置によって種々な角度で入光するのが一般的である。
 次に、従来のレンチキュラーレンズシートと本発明のレンチキュラーレンズシートの光拡散反射特性とコントラストデータを示し、その効果を説明する。
 図3は反射光測定方法の平面図を示す。図3のように真っ暗な部屋で、測定スクリーン19の裏面に黒紙20を張り付け、スライドプロジェクター21を光源として、輝度計24のスクリーン上でも測光角25より少し大きめの光束23となるように、φ5mmのピンホール22から光をスクリーンへ投射し、スクリーンへの入射角を順次変えて輝度計24で正反射光と乱反射光を測定した結果、図5の結果が得られた。但し、0°の反射光は光源と測定器が重なるため測定できなかったので3°の角度の入射光を測定した。
 図5はスクリーン出射面の各仕上げ状態と反射光との関係を3種類、それぞれ入射光角度毎にプロットした図を示す。この結果3°の入射光はテレビの観察者には図5の光源の角度3°のc,dのような反射光となり、正反射の多い鏡面34になると強い輝度の反射光cが届くが、鏡面でなく微細凸凹面32の場合、正反射光に近い角度でありながら微細凸凹面によって入射光が分散され殆ど乱反射に近くなり弱い輝度の反射光dとなって届く。
 また、実際にはこのような角度の反射光はほとんどなく、あっても極くわずかで実際のテレビジョン受信機の観察者に届く反射光は、環境によって異なるが、15°以上の入射光の場合に反射光がコントラストとして影響をおよぼす。従って入射光が15°〜60°の範囲においては、入射光による反射光の強さは上記3°の入射光の反射輝度が逆転し、鏡面34の反射光f,h,j,lの方が微細凸凹面32の反射光e,g,i,kより弱い反射輝度となり、その分対外光コントラスト比が改善される。
 つぎに、本発明の鏡面によるコントラストの改善効果を述べる。図4において陰極線管(以下CRTという)からの出力光27はフレネルレンズシート26とレンチキュラーレンズシート1で構成されたスクリーンを透過して透過光31となる。この透過光31の白色光の強さをW,黒色光の強さをBとする。外光の入射光28は、レンチキュラーレンズ2およびブラックストライプ3の表面で反射され反射光Δxは正反射光29が最も強く、乱反射光30は弱い反射光となる。
 コントラスト比C(n)は、数2の式で表すことができ、白色光Wの方が黒色光Bより強いので、数3の式の関係が成り立つ。
Figure 2004102299
Figure 2004102299
 また、対外光コントラスト比C(g)は、数4の式で表すことができる。
Figure 2004102299
 ここで実用視野範囲12の範囲内のある位置(例えば31)での外光コントラスト比は、本発明のレンチキュラーレンズシートの出射光側表面が鏡面の場合、反射光Δxは図5の表面が全面鏡面34の曲線(c,f,h,j,l)のΔxであり、従来の表面凹凸面の場合反射光Δxは、図5の表面が凹凸面32の曲線(d,e,g,i,k)のΔxであり、数5の式,数6の式の関係が成り立つ。
Figure 2004102299
Figure 2004102299
 従って、本発明の対外光コントラスト比をC(γ)とし、従来の対外光コントラスト比をC(δ)とすると、数3の式と数4の式の関係より数5の式の関係のときにコントラスト比はC(γ)<C(δ)となり、数6の式の関係のときにはC(γ)>C(δ)となる。
 以上のように本発明と従来とでは、反射光の強さが逆転する交点35は、入射角15°以下にあり、透過型プロジェクションテレビ17を観察する場合、実用視野範囲12は、前記数1の式で算出したように26.5°以下であるため、強い反射光は殆ど観察者に届くことはなく、数5の式のような3°の反射光Δx(c),Δx(d)も殆ど観察者に届かず、数6の式の反射光が主体となる。
 以上により本発明のレンチキュラーレンズシートの出射光側表面が鏡面の場合、反射光が殆ど観察者に届かないことにより、対外光コントラスト比が改善されることが証明された。そして、実際に図2のように、天井からの光が外光としてスクリーンに入射したときの対外光コントラスト比を測定してみると表1のようになり、暗室でのコントラスト比はほぼ同じなのに、スクリーンの垂直面の照度が500Luxの時、1%黒ウインドウパターンで表面が従来の凹凸面ではコントラスト比(Ca)1:12.92に対し、表面が全面鏡面の場合コントラスト比(Cb)1:14.48となり12%改善された。
Figure 2004102299
 また、スクリーンの前面にガラス板や透明プラスチック製鏡面板を設置した場合は、コントラストは良くなるが、スクリーンの周囲にある物(蛍光灯,電灯,家具,イス,テーブル,テレビを見ている人等)の写り込みがあるため画面が見にくい。これに対し、本発明のレンチキュラーレンズシート1の出射光側表面を鏡面にした物は、スクリーンに写り込んだ物がレンチキュラーレンズにより水平方向に広げられるため、写り込みの形が横長となると同時にブラックストライプにより切れ目ができて連続した形での写り込みがなくなる。従って、コントラストの良い、写り込みの少ない鮮明度の高い良質の画面となる。
 次に、本発明のレンチキュラーレンズシート1の出射光側表面を全面鏡面化する方法を述べる。図6において、押し出し成形機のエクストルーダー41より押し出されたレンチキュラーレンズシート基材42が、入射光側レンチキュラーレンズ面を形成する入射光側成形ロール43と、ブラックストライプとレンチキュラーレンズ面を形成する出射光側成形ロール44により、レンチキュラーレンズシート1が形成される。この時、出射光側成形ロール44のブラックストライプ形成面3a−aとレンチキュラーレンズ形成面2a−aは、微細凹凸を形成せず、鏡面仕上げ状態としておく。成形時に成形ロールの鏡面をレンチキュラーレンズシート基材42へ完全に転写し、レンチキュラーレンズシート1のブラックストライプ表面とレンチキュラーレンズ表面が鏡面となるように成形する。但し、押し出し成形の場合、樹脂に混入した光拡散材4がブラックストライプ表面およびレンチキュラーレンズ表面にわずかに露出するが、このためのコントラストの悪化はわずかであり、実質的には鏡面と見なすことができる。
 次に、鏡面を成形する方法として、上記の他に、後処理による鏡面化方法の事例をいくつか述べる。成形されたレンチキュラーレンズシート1の出射光側表面にMgF,SiO,その他の金属及び金属酸化物を蒸着あるいはスパッタリング等の方法で表面に薄膜として処理をする手段、または透明材料のコーティング,印刷,塗装,等の後処理によっても本発明のレンチキュラーレンズシート1の出射光側表面を全面にわたって鏡面にすることが可能となる。これらの手段を用いた場合にもコントラストの向上と写り込みのない画質のきれいなスクリーンとなることは言うまでもない。
 レンチキュラーレンズシート1の出射光側表面のブラックストライプ3を鏡面とするには例えば次の手段を実施すればよい。すなわち、できるだけ黒いカーボンを選択し光拡散性粒子を混入させずにブラックストライプの印刷材料を作る。この印刷材料を使用して、スクリーン印刷,ロール印刷その他の印刷法によりレンチキュラーレンズシートの突出したブラックストライプ表面に印刷する。また、艶のある黒色材料を転写フィルムに印刷しておき、ホットスタンプあるいは加熱ローラー等でレンチキュラーレンズシートの突出したストライプ表面に転写する方法でも、本発明のレンチキュラーレンズシートの出射光側表面のブラックストライプを鏡面にすることが可能であり、コントラスト向上の目的を達成できることは言うまでもない。
 次に本発明の第2の実施例について、図7に示す図面とともに説明する。第2の実施例は、上記第1の実施例に可視光線を吸収する材料を混入し、コントラストをさらに改善する方法である。
 図7のように従来の透過型スクリーンの透過率を100とし、可視光線を吸収する材料を可視光線帯域53内(すなわち波長400nmから700nmの範囲)で一様な波長透過となる可視光線吸収材料を30%混入したレンチキュラーシートの波長特性48の外光コントラスト比(Cc)は、実測値が表1のようになる。表面が凸凹面の従来構成のコントラスト比(Ca)が1:12.92に対し、第2の実施例においては1:16.04となり1.24倍のコントラスト改善効果が得られた。またコントラストの改善効果は可視光線吸収材料の混入比率により変化し、混入比率が高くなればコントラストの改善効果は高くなる。但し、透過率が低くなるため陰極線管(CRT)からの透過光量も吸収されるため輝度が低くなるという問題も発生する。従って、実際には商品に必要な輝度を保ってしかもコントラストが改善される透過率を選ぶのが望ましい。
 できるだけ輝度を低下させずにコントラストの改善効果を上げるためには、第2の実施例の可視光線吸収材料混入と第1の実施例とを組み合わせて使用することが望ましい。例えば、また、一様な波長透過となる可視光線吸収材料を30%混入したレンチキュラーシートの波長特性48と第1の実施例とを組み合わせた場合、対外光コントラスト比(Ce)は1:17.9となり、従来の表面が凸凹面のコントラスト比(Ca)の1:12.92の1.39倍のコントラスト改善効果が得られた。
 以上のように輝度低下をできるだけ少なくし、対外光コントラスト比を高くするには、可視光線の吸収と外光が反射して観察者に直接届かないようにレンチキュラーレンズシートの観察者側表面の鏡面化の組合せが重要である。また、図7の選択波長光吸収材混入のレンチキュラーシートの波長特性49は、投写型テレビジョン受信機の陰極線管(CRT)の蛍光体の発光スペクトラムを有効に利用するための透過率を選択した1例である。投写型テレビジョン受信機は、スクリーン上に白色を設定するために、発光効率の悪い青色CRTの電流比を最大使用して、発光効率の高い緑色の赤色のCRTの電流比が低い設定となっている。従ってスクリーンを前記選択波長光吸収材混入のレンチキュラーシートの波長特性49とすれば490nm以下の青色CRT50の発光スペクトラムの領域の透過率が83%と高く、490nm以上の緑色CRT51および赤色CRT52の発光スペクトラム領域の透過率が63%前後となっており、平均70%の透過率である。この場合スクリーン上に白色を設定するためには、緑色CRT51および赤色CRT52の電流比を青色CRT50との透過率の差20%(83%−63%)だけ、パワーアップしなければならない。発光効率の高い緑色と赤色のCRTをパワーアップするため、結果的に一様な波長透過となる可視光線吸収材料混入レンチキュラーシートの波長特性48と同じ外光コントラスト比が得られた上に輝度の高い明るいスクリーンとなることが判明した。
 本発明は、透過型プロジェクションテレビに用いて有効な透過型スクリーン用レンチキュラーレンズシートおよびその製造法に適用され、特に外光の乱反射を減少させることができ、観察者にコントラストの向上した写り込みの少ない画像を提供することができ、しかも、写り込みのない、鮮明な画像を得ることが要求される透過型スクリーンに実施して有効である。
本発明の第1の実施例におけるレンチキュラーレンズシートの上断面図,正面断面図,側面の断面図と鏡面部および外光の入射と反射光路を示す図である。 実際の投写型テレビジョン受信機の設置例と外光の入射位置,反射位置と実用視野範囲を示す概略側面図である。 各外光の入射角度による反射光の強さの測定方法を示す概略平面図である。 本発明の第1の実施例におけるスクリーン構成とコントラスト比および外光コントラスト比の関係の原理説明のための要部上断面図,要部正面および要部側面の断面図である。 各外光の入射角度による反射光の強さの測定結果を本発明と従来構成で比較した曲線である。 本発明のレンチキュラーレンズシート1を鏡面にして製造する1方法の概略正面図である。 本発明の第2の実施例における可視光線吸収材を混入した場合の外光コントラスト比改善の波長特性図である。 従来のスクリーン構成の立体図および外光の入射と反射光路を示す要部側面の断面図である。
符号の説明
1 レンチキュラーレンズシート
2 出射光側レンチキュラーレンズ
2a 出射光側レンチキュラーレンズの鏡面
3 出射光側ブラックストライプ
3a 出射光側ブラックストライプの鏡面
4 拡散材
5 入射光側レンチキュラーレンズ
6a,6b 入射光
7a,7b 反射光
8,9,10,11 天井灯
12 実用視野範囲
L 人の観察距離
H スクリーンセンターの高さ
17 投写型テレビジョン受信機
18 スクリーン
19 測定スクリーン
20 黒紙
21 スライドプロジェクター
22 φ5mmピンホール
23 スライドプロジェクターからの光束
24 輝度計
25 輝度計の測光角
26 フレネルレンズシート
27 陰極線管(CRT)からの出力光
28 外光の入射光
29 正反射光
30 鏡面からの乱反射光
31 スクリーンを透過した透過光
41 エクストルーダー
42 レンチキュラーシートの基材
43 入射光側成形ロール
44 出射光側成形ロール
2a−a レンチキュラーレンズ形成面
3a−a ブラックストライプ形成面
45 フレネルレンズ
46a,46b 外光の入射光
47a,47b 従来の凹凸面での反射光

Claims (7)

  1.  フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートからなる2枚構成であり、かつ入射光側に設けたレンチキュラーレンズの非集光部にブラックストライプを等ピッチで垂直方向を長手方向として配設してなる透過型スクリーンにおいて、
     前記レンチキュラーレンズシートが、光拡散材を含有した熱可塑性樹脂を、入射光側レンチキュラーレンズ面を形成する入射光側成形ロールと、ブラックストライプとレンチキュラーレンズ面を形成する出射光側成形ロールを用いて押し出し成形することにより得られるものであって、
     観察者に最も近い面のうち前記レンチキュラーレンズ面部と前記ブラックストライプ部の全面、あるいは前記レンチキュラーレンズ面部のみを、正反射が主であり、入射角と反射角とが等しい実質的に鏡面とすることを特徴とする透過型スクリーン。
  2.  前記2枚構成の透過型スクリーンのレンチキュラーレンズシートを構成する透明な熱可塑性樹脂および光拡散性材のうち少なくとも一方が可視光線を吸収する材料を含むことを特徴とする請求項1記載の透過型スクリーン。
  3.  可視光線を吸収する材料の吸収スペクトルが、可視波長領域において、実質的に平坦でないことを特徴とする請求項2記載の透過型スクリーン。
  4.  可視光線を吸収する材料の光吸収率が、400〜490nmの波長領域で平均35%以下、490〜700nmの波長領域で平均30〜80%であることを特徴とする請求項3記載の透過型スクリーン。
  5.  フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートからなる2枚構成であり、かつ入射光側に設けたレンチキュラーレンズの非集光部にブラックストライプを等ピッチで垂直方向を長手方向として配設してなる透過型スクリーンにおいて、
     観察者に最も近い面のうち前記レンチキュラーレンズ面部と前記ブラックストライプ部の全面、あるいは前記レンチキュラーレンズ面部のみを、正反射が主であり、入射角と反射角とが等しい実質的に鏡面とすることを特徴とする透過型スクリーンの製造方法であって、
     前記レンチキュラーレンズシートが、光拡散材を含有した熱可塑性樹脂を、入射光側レンチキュラーレンズ面を形成する入射光側成形ロールと、ブラックストライプとレンチキュラーレンズ面を形成する実質的に微細凸凹形状が形成されていない出射光側成形ロールを用いて押し出し成形して、透過型スクリーンの観察者に最も近い面にレンチキュラーレンズおよびブラックストライプ形状を形成することを特徴とする透過型スクリーンの製造方法。
  6.  フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートからなる2枚構成であり、かつ入射光側に設けたレンチキュラーレンズの非集光部にブラックストライプを等ピッチで垂直方向を長手方向として配設してなる透過型スクリーンにおいて、
     観察者に最も近い面のうち前記レンチキュラーレンズ面部と前記ブラックストライプ部の全面を、正反射が主であり、入射角と反射角とが等しい実質的に鏡面とすることを特徴とする透過型スクリーンの製造方法であって、
     前記レンチキュラーレンズシートが、光拡散材を含有した熱可塑性樹脂を、入射光側レンチキュラーレンズ面を形成する入射光側成形ロールと、ブラックストライプとレンチキュラーレンズ面を形成する実質的に微細凸凹形状が形成されていない出射光側成形ロールを用いて押し出し成形して、透過型スクリーンの観察者に最も近い面にレンチキュラーレンズおよびブラックストライプ形状を形成し、
     光拡散材を含まない印刷材料を使用することにより、透過型スクリーンの観察者の最も近い面にブラックストライプを形成することを特徴とする透過型スクリーンの製造方法。
  7.  フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートからなる2枚構成であり、かつ入射光側に設けたレンチキュラーレンズの非集光部にブラックストライプを等ピッチで垂直方向を長手方向として配設してなる透過型スクリーンにおいて、
     観察者に最も近い面のうち前記レンチキュラーレンズ面部と前記ブラックストライプ部の全面を、正反射が主であり、入射角と反射角とが等しい実質的に鏡面とすることを特徴とする透過型スクリーンの製造方法であって、
     前記レンチキュラーレンズシートが、光拡散材を含有した熱可塑性樹脂を、入射光側レンチキュラーレンズ面を形成する入射光側成形ロールと、ブラックストライプとレンチキュラーレンズ面を形成する実質的に微細凸凹形状が形成されていない出射光側成形ロールを用いて押し出し成形して、透過型スクリーンの観察者に最も近い面にレンチキュラーレンズおよびブラックストライプ形状を形成し、
     黒色材料を転写フィルムに印刷しておき、ホットスタンプまたは加熱ローラ等でレンチキュラーレンズシートの突出したブラックストライプ形状表面に転写してブラックストライプを形成することを特徴とする透過型スクリーンの製造方法。

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