JP2004101974A - 薄膜回路基板およびその製造方法 - Google Patents

薄膜回路基板およびその製造方法 Download PDF

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Yutaka Takizawa
瀧澤 裕
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Abstract

【課題】支持基板に対して均一な間隔で薄膜回路層が張り合わされ、温度変化により反りの発生を防止でき、かつ光の干渉を生じることのない薄膜回路基板、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】支持基板7、この支持基板7に対向配置された薄膜回路層3、これらの間に狭持されたスペーサ9、スペーサ9を狭持した支持基板7−薄膜回路層3間に充填された接着剤5を備えた薄膜回路基板。この薄膜回路基板は、製造基板上に薄膜回路層3を形成した後、薄膜回路層3に対して接着剤5およびスペーサ9を介して支持基板7を対向配置させ、支持基板7−薄膜回路層3間にスペーサ9を狭持させた状態で接着剤5を硬化させてこれらを貼り合わせることによって得られる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラットパネルディスプレイ等に用いられる薄膜回路基板に関し、特には、製造基板上に形成された薄膜回路層を所望の特性を有する支持基板上に転写してなる薄膜回路基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フラットパネルディスプレイは、薄型軽量であることを特徴として、携帯型の情報端末のみならず、狭隘なオフィス環境における事務所に電子化のための据え置き型溶の表示装置としても用いられている。このようなフラットパネルディスプレイとしては、構造的に薄型が容易な液晶ディスプレイ(LCD)の他、自発光タイプのデバイスとして有機EL素子を用いた有機ELディスプレイ等が提供されている。
【0003】
これらのフラットパネルディスプレイは、各画素を駆動させるための薄膜トランジスタが設けられた薄膜回路基板を備えている。このような薄膜回路基板は、半導体プロセスを適用して形成されることから、一般的には石英や低融点ガラスを基板として用いている。ところが、このような基板は、脆性が高いため落下衝撃などに弱く、また薄膜化の進行によって堅牢さが急激に低下する。このため、薄膜回路基板においては、石英や低融点ガラス等に変えて、薄型、軽量、堅牢化が可能な樹脂基板が用いられるようになってきている。ところが、樹脂基板は、石英や低融点ガラスと比較して、機械的強度が弱く、また耐薬品性に劣るため、半導体プロセスへの適用が困難である。
【0004】
そこで、樹脂基板を用いた薄膜回路基板を形成する場合には、先ず、図10(1)に示すように、半導体プロセスに対する適合性が高い石英や低融点ガラス等を製造基板1とし、この製造基板1上に半導体プロセスを適用して薄膜トランジスタや配線などの駆動回路を有する薄膜回路層3を形成する。次に、図10(2)に示すように、薄膜回路層3に対して接着剤5を介して樹脂などからなる支持基板7を貼り合わせる。その後、図10(3)に示すように、製造基板1を除去することで、薄膜回路層3を支持基板7上に転写する。これにより、所望の性質を有する支持基板7上に、接着剤5によって薄膜回路層3を貼り合わせてなる薄膜回路基板を得る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような製造方法によって得られた薄膜回路基板においては、薄膜回路層と支持基板との間の間隔は、接着層の粘性や支持基板の反り、または支持基板と薄膜回路層とを対向配置した状態におけるこれらの平行度によって決められる。このため、薄膜回路層と支持基板との間隔が、貼り合わせの面内においてばらつき、分布を生じる場合がある。
【0006】
このため、接着層の膜厚にも分布が生じてその硬化特性が基板面内においてばらつき、これに起因して基板の面内に残留応力が発生し易い。この残留応力は、周囲の温度変化などによって解放され、薄膜回路基板自体に反りを生じさせる要因になる。
【0007】
また、この薄膜回路基板を用いて構成された表示装置においては、薄膜回路層と支持基板との間隔の分布(すなわち接着剤の膜厚の分布)によって光の干渉が生じ、表示性能が損なわれると言った問題も生じる。
【0008】
そこで本発明は、支持基板に対して均一な間隔で薄膜回路層が張り合わされ、温度変化による反りの発生を防止でき、かつ光の干渉を生じることのなく表示装置への適用に適する薄膜回路基板、およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するための本発明の薄膜回路基板は、支持基板、この支持基板に対向配置された薄膜回路層、これらの支持基板と薄膜回路層との間に狭持されたスペーサ、およびこれらの支持基板と薄膜回路層との間に充填された接着剤を備えたことを特徴としている。
【0010】
このような構成の薄膜回路基板では、薄膜回路層と支持基板との間隔が、これらの間に狭持された接着層内のスペーサによって保持される。したがって、スペーサの高さを一定にすることで、薄膜回路層と支持基板との間隔、すなわち接着剤の膜厚を基板面内において一定に保つことができる。
【0011】
また本発明は、このような構成の薄膜回路基板の製造方法でもあり、次の手順で行うことを特徴としている。まず、製造基板上に薄膜回路層を形成する。次に、薄膜回路層に対して接着剤およびスペーサを介して支持基板を対向配置させると共に、薄膜回路層と支持基板との間にスペーサを狭持させた状態で接着剤を硬化させて当該薄膜回路層と支持基板とを貼り合わせる。
【0012】
このような製造方法では、薄膜回路層と支持基板とでスペーサを狭持させた状態で、これらの間に充填された状態となっている接着剤を硬化させているため、薄膜回路層と支持基板との間隔がスペーサによって保持された状態となる。したがって、支持基板と、この支持基板とは異なる製造基板上に形成された薄膜回路層との間隔(すなわち接着剤の膜厚)が、スペーサによって一定に保持された状態で、これらを貼り合わせてなる薄膜回路基板が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の薄膜回路基板およびその製造方法の実施の形態を説明する。尚、各実施の形態においては、例えば、液晶表示装置や有機EL表示装置のような表示装置(フラットパネルディスプレイ)の駆動用として好適に用いられる薄膜回路基板およびその製造方法を説明する。また、図10を用いて説明した従来例と同様の構成には同一の符号を付して説明を行うこととする。
【0014】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態の薄膜回路基板の断面構成図である。この図に示す薄膜回路基板と、図10(3)に示した従来の薄膜回路基板との異なるところは、接着剤5が充填されている支持基板7と薄膜回路層3との間に複数のスペーサ9が狭持されているところにある。尚、従来例を示す図10(3)と、本実施形態の図1とは、上下が反転した図になっている。
【0015】
ここで、薄膜回路層3は、表示装置を駆動させるための薄膜トランジスタや配線等の駆動回路が、絶縁膜に形成された層であることとする。また、この薄膜回路層3は、上述した駆動回路の他に、これらの駆動回路に接続された有機EL素子などの発光素子が形成されたものであっても良い。さらに、この薄膜回路層3は、駆動回路が形成された層と薄膜基板との間に液晶層を保持してなるものであっても良い。
【0016】
また、支持基板7は、所望の性質を有する樹脂材料などからなる基板であることとする。
【0017】
そして、上述したスペーサ9は、例えば一定の径で構成された略球形の粒体であって、支持基板7と薄膜回路層3との間に均等に分散されていることとする。また、各スペーサ9は、分散された各部分において支持基板7と薄膜回路層3との間に狭持されており、これによって支持基板7と薄膜回路層3との間隔が保持された構成となっている。
【0018】
このようなスペーサ9としては、ポリエチレン、酸化シリコン、さらには酸化チタン等、液晶表示装置における液晶層の厚み(セルギャップ)を保持するためのスペーサとして用いられるものを適用できる。
【0019】
そして特に、この図に示す薄膜回路基板が、表示装置の表示光の取り出し面側を構成するものである場合、または表示装置のバックライト側に設けられる場合には、スペーサ9および接着剤5は、光透過性材料で構成されることになる。そして、スペーサ9と接着剤5の屈折率差によって、表示装置の表示性能が損なわれることがないように、スペーサ9と接着剤5とは屈折率が略等しい材料で構成されていることが好ましい。またこの場合、この薄膜回路基板における光透過性を良好にするために、スペーサ9および接着剤5の屈折率が、支持基板7の屈折率と薄膜回路層3の大部分を構成する絶縁膜の屈折率との中間であることが好ましい。
【0020】
このような接着剤5とスペーサ9の材質の組み合わせとして、次のような一例が示される。
スペーサ9がポリエチレンまたはポリエステルからなる場合には、接着剤5としてポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートなどのアクリル系光硬化性樹脂が好ましく用いられる。
スペーサ9がガラス材料からなる場合には、接着剤5としてスチレン系またはエポキシフェノリック系材料が好ましく用いられる。
【0021】
また、薄膜回路層3および支持基板7部分のスペーサ9が当接される部分に集中して加わる応力を分散させるために、所定の圧力で加圧した場合に所定状態に変形するような弾性を有する材料でスペーサ9を構成することで、薄膜回路層3と支持基板7との間に所定の圧力でスペーサ9を狭持して所定形状に変形させ、薄膜回路層3および支持基板7に対してスペーサ9を面接触させても良い。
【0022】
次に、このような構成の薄膜回路基板の製造方法を、図2の断面工程図を用いて説明する。
【0023】
先ず、図2(a)に示すように、石英やガラス等の半導体プロセスに対して耐性を有する材料からなる製造基板1を用意する。この製造基板1は、樹脂などからなる基板の表面を、シリコン酸化膜やアルミニウム酸化膜等の無機膜や、マグネシウムフッ化物、亜鉛フッ化物、亜鉛硫化物、さらにはカルシウムフッ化物を含む無機膜で覆ってなるものであっても良い。
【0024】
そして、半導体プロセスを適用して、このような製造基板1上に、絶縁膜(層間絶縁膜)等および薄膜トランジスタや配線などからなる駆動回路を形成し、さらにこれらを絶縁膜で覆ってなる薄膜回路層3を形成する。尚、この薄膜回路層3は、表面および裏面が完全に絶縁膜で覆われていても良いし、薄膜トランジスタや配線の一部が表面や裏面から露出していても良い。
【0025】
次に、図2(b)に示すように、薄膜回路層3上に、上述した材料からなるスペーサ9を散布する。この際、例えば直径5μm程度のスペーサ9であれば、50個/mm程度の割合で薄膜回路層3上に均等にスペーサ9を散布する。
【0026】
その後、図2(c)に示すように、スペーサ9および薄膜回路層3を挟んで、製造基板1上に支持基板7を搭載し、薄膜回路層3と支持基板7との間にスペーサ9を狭持させる。
【0027】
尚、スペーサ9は、薄膜回路層3上ではなく、支持基板7側に散布しても良い。また、図2(c)の工程の前に、図3(1)の平面図および図3(2)の断面図に示すように、薄膜回路層3上または支持基板7上の周縁部に、ペースト状のシール剤11を土手状に形成しても良い。このシール材11は、例えば接着剤中にフィラー(スペーサ9と同様のもので良い)を分散させてなり、スクリーン印刷によって形成され、その一部が封入口11aとして開口していることとする。尚、図3(2)は、図3(1)のA−A’断面に相当する。
【0028】
このようなシール材11を設けた場合、図2(c)を用いて説明した工程では、薄膜回路層3と支持基板7とでスペーサ9を狭持させた後、シール材11を硬化させる工程を行うこととする。これにより、薄膜回路層3−支持基板7間にシール剤11で囲まれた空間部11bを形成する。
【0029】
次いで、以上のような状態でスペーサ9を介して支持基板7が搭載された製造基板1を、真空容器中に収納する。そして、この真空容器内において、図4(d)に示すように、薄膜回路層3と支持基板7との間に未硬化の接着剤5を供給するいわゆる真空注入を行い、薄膜回路層3−支持基板7間に未硬化の接着剤5を隙間なく充填する。
【0030】
尚、図3を用いて説明したように、薄膜回路層3−支持基板7間にシール材11を設けた場合、シール材11に設けた封入口11aから薄膜回路層3−支持基板7間の空間部11b内を真空状態にしておき、この封入口11aから真空状態の空間部11b内に接着剤(5)を真空注入する。
【0031】
その後、支持基板7の全面を薄膜回路層3側に押し圧することで、薄膜回路層3−支持基板7間に余分に充填された接着剤5を薄膜回路層3−支持基板7間から押し出すと共に、薄膜回路層3−支持基板7間にスペーサ9を狭持させる。この際、スペーサ9が、上述したように変形可能な材料からなるものであれば、薄膜回路層3側に対する支持基板7の押し圧力を調整することで、スペーサ9を所定形状に押し潰し、薄膜回路層3および支持基板7に当接する面を平面形状にする。
【0032】
そして、このような状態を保ちつつ、図4(e)に示すように、未硬化の接着剤5を硬化させ、接着剤5によって支持基板7を薄膜回路層3に対して貼り合わせる。この際、用いる接着剤5の材質によって適する処理を行うこととし、例えばエポキシ樹脂のような熱硬化性接着剤であれば熱処理を行い、光硬化性接着剤であれば支持基板7側または製造基板1側からの光照射を行う。
【0033】
以上の後、必要に応じて、図4(f)に示すように、薄膜回路層3側から製造基板1を除去し、支持基板7側に接着剤5およびスペーサ9を介して薄膜回路層3を転写する。この際、製造基板1がガラスや石英からなる場合には、例えばフッ酸溶液を用いたウェットエッチング処理を行うことで、製造基板1をエッチング除去する。
【0034】
以上のようにして、図1を用いて説明した構成の薄膜回路基板が得られる。
【0035】
以上説明した製造方法では、図4(d)および図4(e)を用いて説明したように、薄膜回路層3と支持基板7とでスペーサ7を狭持させた状態で、これらの間に充填された状態となっている接着剤5を硬化させているため、薄膜回路層3と支持基板7との間隔がスペーサ9によって保持された状態となる。したがって、薄膜回路層3と支持基板7との間隔(すなわち接着材5の膜厚)を、基板面内においてスペーサ9の高さと略同一の一定値に均一化することができる。
【0036】
この結果、薄膜回路層3と支持基板7との間に充填された接着剤5の膜厚が均一な状態で接着剤5の硬化を行うことができる。このため、硬化特性が分布を有すること、さらには薄膜回路層3や支持基板7が反り有したままで貼り合わせられること等による、貼り合わせ面内の残留応力の発生を防止できる。したがって、周囲の温度変化によって残留応力が解放され、薄膜回路基板自体に反りを生じさせることもなく、温度変化に対する耐性の高い薄膜回路基板を得ることが可能になる。そして、この薄膜回路基板を用いて構成された表示装置においても、温度変化による反り等の発生を防止することが可能になる。
【0037】
しかも、接着剤5の膜厚が均一に保たれるため、この接着剤5を通過する光の干渉を防止することが可能になる。このため、この薄膜回路基板が、表示装置の表示光の取り出し面側を構成するものである場合、または表示装置のバックライト側に設けられる場合であっても、接着剤5を通過する光に干渉が生じることを防止できるため、表示装置における表示性能の信頼性を確保することができる。
【0038】
また、上述した製造方法においては、真空注入によって薄膜回路層3と支持基板7との間に接着剤5を充填しているため、気泡などを含有させることなく接着剤5の充填を行うことが可能である。このため、この薄膜回路基板を用いた表示装置においては、接着剤5中に含有された気泡によって表示特性に影響が及ぼされることを防止できる。
【0039】
尚、上述した第1実施形態の製造方法においては、図2(c)、図3、および図4(d)を用いて説明したように、薄膜回路層3と支持基板7とでスペーサ9を狭持させた後、薄膜回路層3と支持基板7との間に接着剤5を充填する手順を説明した。しかし、均等に分散されたスペーサ9を狭持してなる薄膜回路層3と支持基板7との間に、隙間なく接着剤5が充填されれば、このような手順に限定されることはなく、例えば次の手順で行っても良い。
【0040】
先ず、薄膜回路層3または支持基板7上に、スペーサ9を散布すると共に接着剤5を塗布する。この際、スペーサ9の径よりも十分に厚い膜厚で接着剤5が塗布されれば、スペーサ9の散布と接着剤5の塗布とはどちらを先に行っても良い。また、スペーサ9を分散させた接着剤5を、薄膜回路層3または支持基板7上に塗布するようにしても良い。次いで、薄膜回路層3と支持基板7とを接着剤5およびスペーサ9を介して対向配置し、支持基板7の全面を薄膜回路層3側に押し圧して支持基板7と薄膜回路層3とでスペーサ9を狭持させると共に、余分な接着剤5を薄膜回路層3と支持基板7との間から押し出す。
【0041】
以上のような手順によっても、スペーサ9を狭持してなる薄膜回路層3と支持基板7との間に、隙間なく接着剤5を充填することが可能であり、図1を用いて説明したと同様の構成の薄膜回路基板を得ることができ、同様の効果を得ることができる。
【0042】
<第2実施形態>
図5は、本発明の第2実施形態の薄膜回路基板の断面構成図である。この図に示す薄膜回路基板と、図1を用いて説明した第1実施形態の薄膜回路基板との異なるところは、スペーサ9aが薄膜回路層3と一体に形状されているところにあり、他の構成は第1実施形態と同様であることとする。
【0043】
すなわち、本第2実施形態におけるスペーサ9aは、薄膜回路層3の一主面側の表面層をパターニングしてなるものである。
【0044】
この場合、薄膜回路層3のスペーサ9aが形成されている面は、無機または有機材料からなる絶縁膜で覆われており、この絶縁膜が所定高さの島状パターンとしてスペーサ9aが構成されていることとする。ここで、島状パターンからなるスペーサ9aは、上面を平面形状に構成することで、この上面の全面を支持基板7の一主面側に当接させ、支持基板7におけるスペーサ9aの当接部分に応力が集中することを防止している。
【0045】
次に、このような構成の薄膜回路基板の製造方法を、図6の断面工程図を用いて説明する。
【0046】
先ず、第1実施形態で図2(a)を用いて説明したと同様に行い、製造基板1上に薄膜回路層3を形成する。ただし、この薄膜回路層3の表面(すなわち製造基板1側と反対の面)は、絶縁膜で覆われていていることとする。
【0047】
その後、図6(a)に示すように、薄膜回路層3の表面を構成する絶縁膜をパターニングし、薄膜回路層3の表面側に島状パターンからなるスペーサ9aを形成する。このパターニングは、例えば通常のリソグラフィー技術で形成したレジストパターン(図示省略)をマスクに用いたエッチングによって行う。また、スペーサ9aは、第1実施形態で説明したスペーサと同程度の割合で薄膜回路層3上に均等に形成することとする。
【0048】
次に、図6(b)に示すように、スペーサ9a上に載置する状態で、薄膜回路層3を挟んで製造基板1上に支持基板7を搭載し、薄膜回路層3と支持基板7とでスペーサ9aを狭持させる。
【0049】
以上の後、第1実施形態において図4(d)〜図4(f)を用いて説明したと同様の工程を行うことで、図5に示したように、スペーサ9aを狭持する薄膜回路層3と支持基板7との間に充填された接着剤5を硬化させてなる薄膜回路基板を得る。この際、第1実施形態において図3を用いて説明したように、薄膜回路層3または支持基板7の周囲にシール材を設けても良い。
【0050】
以上説明した製造方法であっても、第1実施形態において図4(d)〜図4(f)を用いて説明したと同様に、薄膜回路層3と支持基板7とでスペーサ9aを狭持させた状態で、これらの間に充填された状態となっている接着剤5を硬化させているため、第1実施形態と同様に、薄膜回路層3と支持基板7との間隔(接着剤5の膜厚)が、スペーサ9aの高さと略同一の一定値に保たれた薄膜回路基板を得ることができる。
【0051】
この結果、第1実施形態と同様に、温度変化に対する耐性が高く、接着剤5を通過する光の干渉を防止することが可能な薄膜回路基板を得ることが可能になり、この薄膜回路基板を用いた表示装置の表示性能の信頼性を確保することができる。
【0052】
尚、本第2実施形態においては、スペーサ9aとして、薄膜回路層3を構成する絶縁膜をパターニングしてなる島状パターンを用いた場合を説明した。しかし、スペーサ9aは、薄膜回路層3上に成膜した絶縁膜をパターニングすることで、薄膜回路層3と一体に構成されたものであっても良い。
【0053】
<第3実施形態>
図7は、本発明の第3実施形態の薄膜回路基板の断面構成図である。この図に示す薄膜回路基板と、図1を用いて説明した第1実施形態の薄膜回路基板との異なるところは、スペーサ9bが布で構成されているところにあり、他の構成は第1実施形態と同様であることとする。
【0054】
すなわち、本第3実施形態においては、支持基板7と薄膜回路層3との間に、接着剤5を含浸させた布がスペーサ9bとして狭持されており、支持基板7と薄膜回路層3との間隔は、この布状のスペーサ9bによって保持されている。
【0055】
スペーサ9bとして用いられる布は、ポリエステル系ファイバー布、ポリエチレン系ファイバー布、さらにはグラスファイバー布が用いられる。
【0056】
そして特に、この図に示す薄膜回路基板が、表示装置の表示光の取り出し面側に設けられるものである場合、または表示装置のバックライト側に設けられる場合には、第1実施形態で説明したと同様に、スペーサ9bおよび接着剤5は、光透過性材料で構成され、かつ屈折率が略等しい材料で構成されていることが好ましく、さらにスペーサ9bおよび接着剤5の屈折率が、支持基板7の屈折率と薄膜回路層3の大部分を構成する絶縁膜の屈折率との中間であるこがが好ましい。
【0057】
また、このようなスペーサ9bと接着剤5との組み合わせの中でも特に、グラスファイバー布からなるスペーサ9bに、エポキシ−フェノリックからなる接着剤5の組み合わせが、プロセス中の熱履歴による温度変化が小さいため、好ましい。
【0058】
次に、このような構成の薄膜回路基板の製造方法を、図8の断面工程図を用いて説明する。
【0059】
先ず、第1実施形態で図2(a)を用いて説明したと同様に行い、製造基板1上に薄膜回路層3を形成する。
【0060】
その後、図8(a)に示すように、薄膜回路層3を挟んだ製造基板1上に、接着剤5を含浸させた布状のスペーサ9bと、支持基板7とをこの順に搭載し、薄膜回路層3と支持基板7とでスペーサ9bを狭持させる。この際、スペーサ9bに含浸させる接着剤として、熱硬化開始温度が軟化点以上である様な接着剤を選択すると良い。
【0061】
例えば図9に示すような特性を持つ接着剤が好適である。同図中、横軸は温度を、縦軸は複素粘性率(粘度)を示している。この接着剤は60℃近傍で室温よりも粘度が低下して流動性が増し、その後、更に温度を上げて130℃程度にすると熱硬化反応によって固化する性質を有していることが分かる。
【0062】
このような接着剤5を用いた場合、スペーサ9bに含浸させた接着剤5を加熱し60℃近傍に保って流動性を高めて粘度を低下させた状態で、スペーサ9bおよび接着剤5を介して薄膜回路層3と支持基板7との間に圧力を加える。これにより、スペーサ9bによって、支持基板7と薄膜回路層3との間隔を決定する。続いて図8(b)に示すように、温度を130℃程度にまで上昇させて接着剤5を硬化させ、支持基板7と薄膜回路層3とを貼り合わせる。また、製造基板1(または支持基板7)上に接着剤5を含浸させた布状のスペーサ9bを載置した状態で、接着剤5を加熱してその粘度を低下させた後、支持基板7(または製造基板1)をスペーサ9b上に載置して薄膜回路層3と支持基板7との間に圧力を加え、続いて接着剤5を硬化させるようにしても良い。
【0063】
尚、上述の例では、図9に示した特性を持つ接着剤を用いた場合の処理手順を示したが、支持基板7と薄膜回路基板3との貼り合わせは、このような手順に限るわけではなく、用いる接着剤の材質(特性)によって適する処理を行うこととする。
【0064】
以上の後、第1実施形態において図4(f)を用いて説明したと同様に、必要に応じて製造基板1の除去を行い、図7を用いて説明した構成の薄膜回路基板を得る。
【0065】
以上説明した製造方法であっても、図8(a),図8(b)を用いて説明したと同様に、薄膜回路層3と支持基板7とでスペーサ9bを狭持させた状態で、これらの間に充填された状態となっている接着剤5を硬化させているため、第1実施形態と同様に、薄膜回路層3と支持基板7との間隔が、スペーサ9bの高さ(接着剤5の膜厚)と略同一の一定値に保たれた薄膜回路基板を得ることができる。
【0066】
この結果、第1実施形態と同様に、温度変化に対する耐性が高く、接着剤5を通過する光の干渉を防止することが可能な薄膜回路基板を得ることが可能になり、この薄膜回路基板を用いた表示装置の表示性能の信頼性を確保することができる。
【0067】
尚、以上の第1〜第3実施形態においては、製造基板1上に形成された薄膜回路層3を支持基板7に貼り合わせて薄膜回路基板を製造する場合に、薄膜回路層3と支持基板7との間隔を一定に保つ場合を説明した。しかし、例えば、樹脂からなる製造基板上に、ガラスや石英からなる薄膜基板を貼り合わせた後、この薄膜基板表面に対して薄膜回路層を形成する薄膜回路基板の製造方法においても、製造基板と薄膜基板とを貼り合わせる場合に、製造基板と薄膜基板との間にスペーサを狭持させた状態でこの間に接着剤を充填させることで、製造基板と薄膜基板との間隔を一定に保持した薄膜回路基板の製造を行うことが可能である。
【0068】
【発明の効果】
以上説明した構成の薄膜回路基板およびその製造方法によれば、薄膜回路層と支持基板とでスペーサを狭持させた状態で、これらの間に充填された接着剤によって薄膜回路層と支持基板とを貼り合わせた構成を採用することで、薄膜回路層と支持基板との間の接着剤をスペーサの高さと略同一の均等な膜厚にすることができる。この結果、接着剤の膜厚の不均一に起因する残留応力がなく温度変化に対する耐性が高く、しかも接着剤を通過する光の干渉を防止することが可能な薄膜回路基板を得ることが可能になる。これにより、この薄膜回路基板を用いた表示装置の表示性能の信頼性を確保することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の薄膜回路基板の断面構成図である。
【図2】第1実施形態の薄膜回路基板の製造方法を示す断面工程図(その1)である。
【図3】第1実施形態の薄膜回路基板の製造工程の一部を示す構成図である。
【図4】第1実施形態の薄膜回路基板の製造方法を示す断面工程図(その2)である。
【図5】第2実施形態の薄膜回路基板の断面構成図である。
【図6】第2実施形態の薄膜回路基板の製造方法を示す断面工程図である。
【図7】第3実施形態の薄膜回路基板の断面構成図である。
【図8】第3実施形態の薄膜回路基板の製造方法を示す断面工程図である。
【図9】第3実施形態で用いる接着剤の複素粘性率の温度依存性を示すグラフである。
【図10】従来の薄膜回路基板の製造方法を示す断面工程図である。
【符号の説明】
1…製造基板、3…薄膜回路層、5…接着剤、7…支持基板、9,9a,9b…スペーサ

Claims (8)

  1. 支持基板と、
    前記支持基板に対向配置された薄膜回路層と、
    前記支持基板と薄膜回路層との間に狭持されたスペーサと、
    前記支持基板と薄膜回路層との間に充填された接着剤とを備えた
    ことを特徴とする薄膜回路基板。
  2. 請求項1記載の薄膜回路基板において、
    前記接着剤と前記スペーサとの屈折率が略等しいこと
    を特徴とする薄膜回路基板。
  3. 請求項1記載の薄膜回路基板において、
    前記スペーサは、前記薄膜回路層の表面層をパターニングしてなる
    ことを特徴とする薄膜回路基板。
  4. 請求項1記載の薄膜回路基板において、
    前記支持基板と薄膜回路層との間には、前記接着剤を含浸させた布が前記スペーサとして狭持されている
    ことを特徴とする薄膜回路基板。
  5. 製造基板上に薄膜回路層を形成する工程と、
    前記薄膜回路層に対して接着剤およびスペーサを介して支持基板を対向配置させると共に、前記薄膜回路層と支持基板とで前記スペーサを狭持させた状態で前記接着剤を硬化させて当該薄膜回路層と支持基板とを貼り合わせる工程とを行う
    ことを特徴とする薄膜回路基板の製造方法。
  6. 請求項5記載の薄膜回路基板の製造方法において、
    前記製造基板上に形成された薄膜回路層の表面層をパターニングすることで、
    当該薄膜回路層の表面に前記スペーサを形成する
    ことを特徴とする薄膜回路基板の製造方法。
  7. 請求項5記載の薄膜回路基板の製造方法において、
    前記薄膜回路層と支持基板とを貼り合わせる工程では、前記接着剤を含浸させた布を前記スペーサとして当該薄膜回路層と支持基板との間に狭持させた状態で、当該接着剤を硬化させる
    ことを特徴とする薄膜回路基板の製造方法。
  8. 請求項5記載の薄膜回路基板の製造方法において、
    前記薄膜回路層と支持基板とを貼り合わせる工程では、前記薄膜回路層と支持基板と間に前記スペーサを狭持させた後、減圧状態にした当該薄膜回路層と支持基板との間隔内に前記接着剤を真空注入する
    ことを特徴とする薄膜回路基板の製造方法。
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