JP2006091200A - 光変調装置用パネルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は外力によって基板間の距離が容易に変化しないパネルの好適な製造方法を提供し、そしてその結果表示装置並びに光変調装置として用いるのに好適なパネルを提供する事を目的とする。
【解決手段】一対の基板間に、基板間の距離を規定するためのスペーサーを設けた光変調装置用パネルの製造方法であって、一対の基板のうち、一方の基板1上に有機高分子材料を含む樹脂スペーサー3を配置する工程と、樹脂スペーサー3上に、スペーサーを構成する有機高分子材料を含む樹脂膜4を配設する工程と、樹脂膜上に他方の基板2を配設し、樹脂膜4を硬化させる工程とを有することを特徴とする光変調装置用パネルの製造方法。
【選択図】 図3

Description

本発明は少なくとも2枚の基板を用いるパネルとその製造方法に関する。特に、表示装置などの光変調装置に用いるパネルとその製造方法に関する。
エレクトロニクスを利用した表示装置や光変調装置が近年多くの分野で用いられている。表示装置については最近特に薄型化が図られ、冷陰極管(CRT)を用いた表示装置からプラズマ表示パネル(PDP)や液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどの薄型表示装置(FPD)への移行が進みつつある。また、入射光を所望の状態へと変調する光変調装置に関しては、表示装置以外にも、例えばプリンターヘッドや光記録ディスク用収差補正素子、光スイッチなど様々な電子機器や通信機器の構成要素としての利用が広がっている。中でも液晶性物質を用いた光変調装置の普及には目覚しいものがあり、様々な分野での応用が見られる。
これら表示装置及び光変調装置では、例えばガラスやプラスチック等の板に透明電極や絶縁膜等々の各種の機能を有する層を設けた基板が用いられている。そして、中でもこの様な基板2枚を対向させて所定の距離だけ離して配置した構造のパネルが今日広く用いられている。
この様なパネルでは、基板と基板との間に光学的に変調する物質を挟む事から、基板と基板との間に間隔を設ける事が必要とされる。そして、その間の距離を装置として用いるのに適した大きさにする事が必要である。また、その基板と基板との間の距離には最適な値があるが、その最適値は様々な条件によって決まるため、装置ごとに条件に合わせて最適な基板間距離を選択する事が必要である。
以上の様な理由から、この様なパネルを製造する際には、基板間の距離を精度良く希望通りの大きさとする事が出来る事が非常に重要となっている。また、同様の理由から、パネル内のどの箇所でも基板間の距離が同じになっている事が同じく重要となっている。
例えば、複屈折モードを用いる液晶装置では、基板間距離の少しの違いによって光の色が変化する事から、この様な基板間の距離の精度が非常に重要とされている。また、同じ理由から、場所によって両基板間の間隔が異なる場合には、パネル内の場所によって色が異なる色むらが生じてしまうため、基板間距離の面内での均一性が得られる事が非常に重要になっている。
また、より一般的な話として、両基板に透明電極が設けられている場合には、基板間の距離が変わると、これら電極に電圧を印加した際の印加電圧に対する基板間の電界強度も変わる事となる。その結果、両電極間に設けられた光学的な作用を及ぼす物質の閾値電圧(Vth)や応答速度も変わる事となり、また、これらについてのパネル内でのむらも発生する事となる。このため、この様な理由からも基板間距離の精度や均一性が重要となっている。
基板間の距離を制御する方法としては、基板と基板との間にスペーサーと接着剤とを設ける方法が一般的に用いられている。
スペーサーはいわば基板と基板とが接触する事を妨げる障害物であり、基板と基板との間に挟む事によって、基板同士を一定の距離よりも近づけない様にする役割を果たす。一
方で、接着剤は基板同士を極力近づける様に作用し、基板同士が離れていってしまうのを防ぐ。このため、このスペーサーと接着剤との組み合わせによって、基板と基板とを一定の距離だけ(すなわちスペーサーの大きさの分だけ)離れている状態に保つ事が出来る。
接着剤に関しては、パネルの外周付近に設ける事により、パネルの外壁としての機能も持たせる方法が広く用いられている。接着剤をパネルの外周付近に設け、それに両基板を接着させる事により、パネルの内部と外部とを隔てる外壁としての機能も持たせる事が出来る。この場合、接着剤の外壁によってパネル内が密閉される事から、接着剤はシールやシール材等と呼ばれている。
この様なスペーサーと接着剤とを用いたパネルを作る際には、接着剤の高さの方がスペーサーの高さよりも高くなる様に接着剤を塗布しておき、両基板を重ね合わせた後、外側から圧力をかけて、接着剤をいわば押し潰す事によって、接着剤の高さをスペーサーの高さに合わせると言う様な方法が採られる。しかし、接着剤を例えば数μm程度の様に非常に薄く塗布する事が困難なため、接着剤の高さの方がスペーサーの高さに比べてかなり高くなってしまう事が多い。そして、接着剤の粘性が高い事等の理由から、両基板を重ね合わせる際には、例えば数百gf/cm〜数kgf/cm(300mm×300mmの基板の場合で数百kgf程度)と言う様な強い圧力が必要とされる場合がある。
一方で、強い圧力をかけても接着剤を押し潰し切る事が出来ず、スペーサーの高さにまで両基板を近づける事が困難な場合もある。この様な場合には、接着剤付近の基板間距離が大きくなるため、パネル全域で均一な基板間距離を得る事が出来なくなり、その結果パネル製造上の問題となる事も多い。
また、以上の様な理由により、スペーサー自体に両基板を接着する能力が備わっていない場合には、スペーサーと基板との間に隙間が生じやすく、基板間の距離をスペーサーの大きさに完全に一致させる事が難しいため、基板間距離の精度や均一性の低下が問題となる。
スペーサーに関しては、今日ボールスペーサー(或いはビーズスペーサー)と呼ばれるものが広く用いられている。ボールスペーサーはプラスチックやシリカを材質とした細かな球状のスペーサーで、希望する基板間距離に合った直径のものを選択して用いる。
図11及び図12にこの様なボールスペーサーとシール材を用いた従来技術のパネルの例を示す。図11はボールスペーサーを用いたパネルを模式的に描いた断面図、図12は図11を模式的に描いた平面図である。図11に示す通り、従来例では、第1の基板1と第2の基板2との間にボールスペーサー6及びシール材5が挟まれており、シール材5は第1の基板1と第2の基板2とに接着している。また、図12に示す通り、シール材5はパネルの外周付近に設けられ外壁の役割を果たしていて、ボールスペーサー6は第1の基板1と第2の基板2との間にランダムに散らばっている。
この様なボールスペーサーを用いるパネルは、例えば次の様な工程を用いて作られる。例えば一方の基板にはボールスペーサーを散布し、他方の基板には熱硬化型や紫外線硬化型の接着剤をシール材として塗布する。その後、一方の基板のスペーサーを散布した面ともう一方の基板のシール材を塗布した面とを対向させて重ね合わせた上で、両基板に対し外側から圧力をかけて両基板間の距離がスペーサーの径と等しくなる様にする。その状態でシール材を硬化させ、所望の(すなわちスペーサーの直径程度の)基板間距離を持つパネルが完成する。
スペーサーには、ボールスペーサーの様に球形をした物の他、円筒形の物も用いられる
。この様な円筒形のスペーサーをファイバースペーサーと呼ぶ事とする。
ボールスペーサーやファイバースペーサーは共に粒子として基板間に設けられる事から、粒子状のスペーサーとしてまとめられる。
一方で、この様な粒子状のスペーサーとは異なり、フォトリソグラフィーの工法によって基板上に形成される事を特徴としたスペーサーも今日では使われる様になってきた。粒子状スペーサーと区別するため、フォトリソグラフィーの工法を用いて設けられるスペーサーの事をフォトスペーサーと呼ぶ事とする。
フォトスペーサーを形成する方法としては例えば次の様な工法が用いられている。一方の基板上にフォトスペーサーとなる材料の膜を希望する基板間距離と同じ厚さとなる様に設け、この上にフォトレジストを塗布する。設計したフォトマスクを用いてフォトレジストの露光を行なった後、現像処理を行なってフォトレジストにパターンを形成する。この様な露光並びに現像処理の結果、スペーサーとしたい部分の上部にだけフォトレジストが残るため、フォトスペーサーとなる材料の膜に対しエッチングを行なうと、スペーサーとならない部分は除去され、スペーサーとなる部分だけが残る。最後にフォトレジストを剥離する事により、フォトスペーサーが形成される。
この様な工法を用いて所定の高さのフォトスペーサーを形成した後は、先述の粒子状スペーサーの場合と同様に、シール材を用いて2枚の基板を貼り合わせる方法によりパネルを完成させる事が出来る。
フォトスペーサーの材料としては、各種の有機高分子材料(例えばポリイミドやフォトレジスト)、無機(例えばガラス)の材料を用いる方法が提案されている。
一方で、感光性の材料をフォトスペーサーの材料として用いる事により、露光及び現像によってパターンを形成し、それをそのままスペーサーとする方法も提案されている。この場合には、露光と現像によってスペーサーが形成されるため、エッチングや剥離の作業が不要である。中でも、スペーサーの材料としてフォトレジストを用いる方法が近年特に採用される様になってきた。この様なフォトレジストを材料とするフォトスペーサーの事を特にレジストスペーサーと呼ぶ事とする。また、レジストスペーサーを含め、合成樹脂を材料とするスペーサーの事を樹脂スペーサーと呼ぶ事とする。
図13及び図14にこの様なフォトスペーサーとシール材を用いた従来技術のパネルの例を示す。図13はフォトスペーサーを用いたパネルを模式的に描いた断面図、図14はフォトスペーサーを用いた従来例を模式的に描いた平面図である。図13に示す通り、フォトスペーサーを用いたパネルの従来例では、第1の基板1と第2の基板2との間にフォトスペーサー7及びシール材5が挟まれており、シール材5は第1の基板1と第2の基板2とに接着している。図14に示す通り、シール材5はパネルの外周付近に設けられ外壁の役割を果たしている。また、フォトスペーサー7は第1の基板1と第2の基板2との間に均等な間隔で規則的に設けられている。
図11および図12で図示した粒子状スペーサーを用いたパネルに関しては、次の様な問題点が指摘されてきた。粒子状スペーサーは散布によって基板上にランダムに配置されるため、希望する所定の位置に選択的に設ける事が出来ない。コントラストの低下を避けるためには、スペーサーを極力電極のある画素領域には配置せず、電極パターンの無い非画素領域に配置する事が望ましいが、粒子状スペーサーを用いる場合にはこの様に特定の場所だけに選択的に配置させる事が難しい事から、コントラストの低下が問題となる。
また、粒子状スペーサーの場合には、大量に散布しようとするとスペーサー同士の凝集が問題となる。パネルの基板間距離の均一性を高めるためには、なるべく多くのスペーサーを基板間に設ける事が望ましいが、この凝集の問題とコントラストの低下の問題から、粒子状スペーサーの場合には設ける事の出来る量に限界がある。また、この様な理由から、粒子状スペーサーを用いてパネルを作る際には、問題が発生しない範囲で極力均一な基板間距離が得られる様にスペーサーの散布量についての最適化を行なう事が必要とされる。
フォトスペーサーの場合には、フォトマスクを使いスペーサーを形成する場所を自由に決める事が出来る。また、粒子状のスペーサーを用いる場合に問題となる凝集も起こらない。このため、フォトスペーサーを用いる事により粒子状スペーサーを用いる場合の問題を解決する事が出来る。また、フォトスペーサーの場合には、フォトマスクの設計を変える事により、配置場所だけでなく、ガラスを通して見た場合の(即ち平面図上での)スペーサーの大きさや形状についても希望通りとする事が出来る。このため、ドット状だけでなくライン状等他の形状でフォトスペーサーを設ける方法も提案されている。
上記の様な粒子状スペーサーを用いたパネルやフォトスペーサーを用いたパネルは現在広く用いられているものである。しかし、この様な従来技術のパネルでは、外力に対する機械的強度の面で問題が生じる場合がある事がこれまでに多数指摘されてきた。
パネルに対して外力が加わった際に、パネルの機械的強度が不十分な場合には、基板間の距離に変化が生じる。両基板の面に均一な力が加われば、パネルの全体で基板間距離が一定量だけ変化する事も考えられるが、通常はパネル内の一部において局所的に基板間距離の変化が起こる事が多い。例えば基板を指で押した場合などは、基板が変形してその押した箇所周辺の基板間距離が短くなる。
例えば表示装置の場合には、一方の基板が露出していて指などで押される事も多い。タッチパネルの様に表示装置と入力装置とが一体となって使用される場合には、入力操作のため特にその様な機会が頻繁となる。また、湾曲可能でフレキシブルな素材の基板を用いるフレキシブルディスプレイでは、曲げられる事がその特徴となっている事から、タッチパネルと共に、パネルに外力が加わる事が前提となっていると言える。
光変調装置が機器類の構成部品として用いられる場合においても、例えば搬送時や携行時、使用時等に振動や衝撃等の外力が加わる事が想定される。また、製造工程においても、例えばスクライブ及びブレイクの工程や偏向板を基板に貼り付ける工程、実装工程等パネルに対して外力が加わる工程が多い。このため、製造工程においてもパネルに対しての配慮が必要とされている。この様にパネルに対し外力が加わる状況は非常に多い。
この様な外力により生じる基板間距離の変化は、装置を利用する上で様々な障害の要因となる。例えば表示装置においては表示が乱れてしまう。また、その他光変調装置では、出射光の状態が本来のものとは異なる事となり装置の機能が阻害される。また、例えば強誘電性液晶やコレステリック液晶(カイラルネマティック液晶)を用いた液晶装置においては、基板間の距離が大きく変化すると液晶の配向が壊れてしまい、基板間の距離が元に戻っても配向が回復しなくなる。コレステリック液晶の場合には電圧の印加によって配向が回復する事が知られているが、強誘電性液晶の場合には例えば加熱して一旦等方性液体にした後再度液晶相に戻すと言う作業が必要とされる。この様に、基板間距離の変化は様々な問題の要因となる事から、外力が加わった際にも極力基板間距離が変化しない、機械的強度の高いパネルが望まれてきた。
また、基板にフレキシブルな例えばプラスチックの様な素材を用いて作るパネルの場合には、基板に例えばガラスやシリコンなどの剛性の高い素材を用いる場合に比べ、パネル
全体に渡って均一な基板間距離を得る事が特に難しく、また、外力によって基板間距離の特に大きく変化しやすい。このため、特に機械的強度の高いパネルが求められる。
以上の様な理由から、外力が加わっても基板間距離が変化しない様な機械的強度の高いパネルの開発が強く求められてきた。また、先述した様に、基板間の距離の精度や均一性についても、より優れた性能を極力容易に実現する方法の開発が強く望まれてきた。そして、この様な要望に応えるためにこれまでにも様々な提案がなされてきている。
中でも、パネルの外周周辺だけで両基板を接着するのではなく、使用領域を含むその他多くの箇所でも両基板を接着する事によって、基板間距離の精度や均一性、そしてパネルの機械的強度を向上させる方法が多く提案されている。
先述した通り、パネルの基板間の距離を一定に保つためには、基板同士を一定の距離よりも近づけない様に作用するスペーサーと、絶えず基板同士を近づける様な力を働かせる接着剤との組み合わせが必要である。
先述の従来のパネルでは、パネルの外周周辺だけに接着剤がシール材として設けられており、その他の箇所には両基板を接着する手段が設けられていない。このため、接着剤の設けられた外周周辺から離れるに従って、基板同士を引きつける様に働く力が弱くなる。特に、パネルが大きくなればなる程、接着剤と接着剤との間隔も長くなるため、この様な傾向が顕著となる。
この問題を解決するためには、パネル内のより多くの箇所に両基板を接着する手段を設け、両基板を接着する箇所の間の間隔をより短くすると言う方法が考えられる。例えば使用領域内に両基板を接着する何らかの手段を設ける事が出来れば、基板間距離を保つために必要なスペーサーと接着手段との組み合わせをより細かな間隔でパネル内に設ける事が可能となる。この様な方法により、基板同士を絶えず引きつける様に働く力をより細かな間隔で加える事が可能となるため、基板間の距離をより強固に固定する事が出来るものと考えられる。そして、実際この様な手法によって上記性能の向上が得られるとの報告がこれまでになされている。
例えば、エポキシ樹脂等の接着性を有する材料を用いて作られた細かな接着粒子を使い、この接着粒子によって両基板を接着する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、通常の粒子状スペーサーと共にこの接着粒子を基板間に多数設ける事により、外周周辺だけでなく使用領域内を含む様々な箇所で接着粒子を介して両基板を接着する事が可能である。また、この様なスペーサーと接着粒子との組み合わせを用いる方法については、様々な案が提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
一見すると、スペーサーと接着粒子の両方を設ける代わりに、例えば接着性スペーサー等と呼ばれる、接着剤が被覆された粒子状スペーサーを基板間に設ける事によっても同様の事が可能な様にも思われる。しかし、接着性スペーサーの場合には基板との接触の仕方が基本的に点的であり、このため両基板を離そうとする引っ張りの力に対しては点で支える事となるため、両基板を接着するのに十分な接着力を一般的には持たない。両基板への接着が有効であるためには、ある程度以上の接着面積が必要とされるためである。但し、接着性スペーサーはスペーサーのパネル内での移動を抑える手段として有効とされている(例えば、特許文献4参照)。
一方で、レジストスペーサーと基板との密着力に着目し、レジストスペーサーを一方の基板にだけでなく両基板に対して接着させる方法が提案されている(例えば、特許文献5
参照)。この方法では、例えば一方の基板にレジストスペーサーを仮硬化の状態で形成した後、この仮硬化のレジストスペーサーをもう一方の対向する基板に接触させながら本硬化させる事によって、両基板とレジストスペーサーとを接着させると言う手法を用いる。この方法によれば、接着粒子を用いなくても、スペーサーの機能と接着剤の機能との両方をレジストスペーサーだけで実現する事が可能である。
レジストスペーサーの場合には、接着性ボールスペーサーの場合とは異なり基板との接着面積を大きく取る事が可能である。また、フォトリソグラフィーの工程を用いてレジストスペーサーの形成を行なうため、特定の場所にだけ選択的にスペーサーを設ける事も可能である。このため、このレジストスペーサーを両基板に接着させる方法は、パネルの性能の向上を実現するための一つの有力な方法として考えられる。
しかし、この方法には実際に実施する上で困難な要素も含まれている。この方法を実施するためには、レジストスペーサーが十分な接着力を有している事が必要である。ところが、レジストスペーサーには硬化の進行に伴って接着力が失われる特性がある。このため、この方法を有効に実施するためには、レジストスペーサーに十分な接着力が残る様に、貼り合わせの工程までレジストスペーサーの硬化の進行を抑えておかなければならない。しかし、逆にレジストスペーサーの硬化が不十分だと、貼り合わせ工程で加わる圧力に耐えるだけの強度が得られなくなってしまう。つまり、接着力の面からはレジストスペーサーの硬化が極力進んでいない事が望ましいが、貼り合わせ工程で必要なスペーサーの強度の面からはレジストスペーサーの硬化が十分に進んでいる事が望ましいと言う、相反する要求を満たす条件が必要となる。
また、熱硬化型の樹脂の中には同時に光によっても硬化が進むものがある。このため、例えばネガ型のレジストを用いる場合には、露光の工程によっても光架橋反応や光重合反応が進む事により接着力が失われてしまう。一方で、露光量を減らすとスペーサーの形成が十分に行なわれなくなり、例えばテーバーが著しくなる等の問題が発生する。このため、熱の場合と同様に、光に関しても、接着力の面からはレジストの光による反応が極力進んでいない事が望ましいが、レジストスペーサーの形成の面からはこれらの反応が十分に進んでいる事が望ましいと言う、相反する要求を満たす条件が必要となる。
基本的にレジストスペーサー形成のプロセスは光及び熱によって進展していくため、レジストスペーサーの形成のためには十分な光と熱が与えられる事が望ましい。しかし、レジストスペーサーを仮硬化の状態に留め、基板への接着力を維持するためには、その様な光及び熱による反応を抑えるため、用いる光と熱の量を極力減らす事が望ましい事となる。このため、この方法を実施するには、その様な相反する要求を満足する製造工程上の条件を見つける事が必要である。
この様な問題を解決するために、例えばレジストスペーサーと一緒にボールスペーサーを用いる方法も提案されている(例えば、特許文献6参照)。この方法では、レジストスペーサーとボールスペーサーとを併用し、ボールスペーサーが貼り合わせ工程での圧力に耐えるスペーサーの役割を果たす。レジストスペーサーについては圧力に耐えるための強度が必要でなくなるため、極力硬化の進んでいない状態にする事が可能となる。
また、融点の異なる2種類の樹脂スペーサーを用いる方法も提案されている(例えば、特許文献7参照)。この方法では、両基板を貼り合わせる工程で、低融点の樹脂スペーサーの融点よりも高く、高融点の樹脂スペーサーの融点よりも低い温度で熱をかけながら加圧を行なう事により、低融点の樹脂スペーサーを若干溶かして両基板を接着させると言う工法を用いる。その結果、高融点の樹脂スペーサーが貼り合わせ工程での圧力に耐える役割を果たす事となるため、両基板を接着する役割を果たす低融点の樹脂スペーサーについ
ては圧力に耐えるための強度が必要とされなくなる。
また、硬化の進んだレジストスペーサーの上に接着剤の層を設け、その接着剤を介してレジストスペーサーと基板とを接着させる方法も提案されている(例えば、特許文献8参照)。この方法では、接着剤を一旦転写用基板に塗布し、それをレジストスペーサーに押し当てた後離す事により、レジストスペーサーに接着剤の層を設ける。その後、貼り合わせの工程を行ないパネルを完成させる。この方法によれば、両基板をレジストスペーサーと接着剤を介して接着させる事が出来る。しかし、この方法を実施するのに適した接着剤の材料や製造工程上の諸条件については明らかとなっていない。
特開昭62−174726号公報 特開2002−40441号公報 特許第2514993号公報 特許第2573322号公報 特開平7−318912号公報 特許第3196744号公報 特許第2939836号公報 特開平11−2822号公報
上記の通り、一方の基板に形成したレジストスペーサーの上に接着剤の層を転写し、その接着剤の層によってレジストスペーサーともう一方の基板とを接着する方法がこれまでに提案されているが、その場合の接着剤としてどの様なものをどの様な条件で用いる事が適切かと言う事については明らかでなかった。レジストスペーサーと基板を接着するための接着剤は、その両方に対して親和性が良く十分な接着力を有している事が必要である。このため、接着剤にどの様な材料を選択して用いるかと言う事は重要な問題であるが、これまでその点が明らかでないと言う課題があった。
本発明は上記課題の解決を目指してなされたものであり、本発明は機械的強度や基板間距離の精度と均一性に優れたパネルを製造するための好適な方法を提供する事を目的とする。また、本発明は外力によって基板間の距離が容易に変化しないパネルの好適な製造方法を提供する事を目的とする。そしてその結果表示装置並びに光変調装置として用いるのに好適なパネルを提供する事を目的とする。
上記目的の達成のため、本発明は下記記載の特徴を備える製造方法を採用する。
本発明は、一対の基板間に基板間の距離を規定するためのスペーサーを設けた光変調装置用パネルの製造方法であって、一対の基板のうち、一方の基板上に有機高分子材料を含むスペーサーを配置する工程と、スペーサー上に同じ有機高分子材料を含む樹脂膜を配設する工程と、樹脂膜上に他方の基板を配設し、樹脂膜を硬化させる工程とを有することを特徴とする。
有機高分子材料は感光性樹脂であることが望ましく、特に感光性樹脂として、アクリル系感光性樹脂であることが望ましい。また、有機高分子材料は熱硬化型樹脂であってもよい。
また、一対の基板間には液晶層が挟持されていることを特徴とする。また、樹脂膜を配設する工程では、転写用基台に樹脂膜を塗布し、この転写用基台に塗布された樹脂膜を上
記スペーサー上に転写することにより行われることを特徴とする。
本発明によれば、樹脂スペーサーについては十分に硬化の進んだ状態のものを用いつつ、逆に両基板を接着するための接着手段については全く硬化の進んでいない状態の未硬化の樹脂を用いる事が可能となる。このため、本発明を用いる事により、樹脂スペーサーをスペーサーとして用いる事と接着手段として用いる事との両立が容易に実現出来る事となる。また、本発明では、樹脂スペーサーを形成するために光や熱を十分に用いる事が出来、このため、樹脂スペーサーの形成とその接着力の確保とを両立させるための製造工程上の条件を見つける必要性が無い。
本発明で用いる樹脂膜は樹脂スペーサーを構成する有機高分子材料と同じ材料を主に用いたものであるため、樹脂スペーサーと基板との両方に対する親和性に優れおり、このため、両者との接着に用いるのに適している。
本発明によれば、樹脂スペーサーと樹脂膜とが、基板同士を一定の距離よりも近づけない機能と、更には基板同士がその距離から離れない様にする機能を果たす事から、基板間の距離を強固に固定する事が出来る。このため、本発明により、外力が加わった際にも基板間の距離が変化しにくい機械的強度に優れたパネルや、基板間の距離を高い精度で規定したパネルを提供する事が可能となる。そして、この様なスペーサーをパネル内の様々な箇所に多数設ける事により、基板間距離の均一性を大きく高めたパネルを提供する事が可能となる。そして、例えば表示装置や光変調装置に用いるのに好適なパネルの提供が実現できる。
以下、本発明の実施の形態について図1〜図3を参照しながら説明する。図1〜図3は本発明の実施の形態を模式的に示した断面図である。
図1に示す通り、最初に従来のフォトスペーサーを形成する方法と同様の方法を用いて第1の基板1に有機高分子材料を含む樹脂スペーサー3を設ける。次に、図2に示す通り、樹脂スペーサー3の上(第1の基板と接する面の反対側に位置する面)に樹脂スペーサー3に用いたものと同じ有機高分子材料を含む樹脂膜4を設ける。その後、図示しないが第1の基板1或いは第2の基板2に図3に示すシール材5をパネルの外壁となる様にパネルの外周周辺に設ける。その後、図3に示す通り、樹脂膜4に接する様に第2の基板2を設けた上で、樹脂膜4を硬化させる。また、シール材5も硬化させる。
図1に示す樹脂スペーサー3を設ける工程では、従来のフォトスペーサーやレジストスペーサーを設ける方法をそのまま用いる事が出来る。また、本発明の場合には、樹脂スペーサー3を仮硬化の状態に留める操作が必要ないので、樹脂スペーサー3を形成する際に十分な熱及び光を加える事が可能である。
また、基板を通して見た時の(即ち、平面図で見た場合の)樹脂スペーサー3の形状については、正方形だけでなく他の形状にしても良い。また、ドット状にではなくライン状に設けても良い。例えば樹脂スペーサー3をライン状に設けた場合には、パネル内におけるスペーサーの割合を高くする事が出来、また、樹脂スペーサー3と両基板との接着面積を増やす事が出来る。
なお、例えばフォトレジストを材料として用いる場合には、例えば次の様な方法を用いる事により樹脂スペーサーの形成を行なう事が出来る。スピンナーを使い第1の基板に樹脂スペーサーとなる感光性樹脂のフォトレジストを塗布する。プリベークの後、露光機と
フォトマスクを使いフォトレジストの露光をする。その後、現像によりスペーサーのパターンを形成した後、ポストベークを行なって樹脂スペーサーを硬化させる。
図2に示す樹脂スペーサー3に樹脂膜4を設ける工程では、例えば転写用基台の板やフィルム、ローラー等に樹脂を塗布し、それを樹脂スペーサー3の表面に押し当てた後離す事により、樹脂スペーサー3に樹脂膜4を設ける事が出来る。転写用の板やフィルム、ローラー等に樹脂を塗布する際には、例えばスピンコート法、ロールコート法、スプレイコート法、スリットコート法などの各種の塗布方法を用いる事が出来る。この工程により、硬化樹脂の樹脂スペーサー3の上に未硬化樹脂の樹脂膜4が設けられる。
樹脂膜4については、その量を所定の範囲内となる様にする事が重要である。特に、樹脂膜4の量が多い場合には、樹脂スペーサー3の面積や両基板を貼り合わせる時に加える圧力等の諸条件にもよるが、両基板を貼り合わせる際に樹脂膜4が押し潰されて樹脂スペーサー3の上部から横に広がってしまう可能性が高い。そして、例えば画素領域にまで樹脂膜4が及んでしまい装置の品質低下等の問題につながる。一方で、樹脂膜4の量が少ない場合には、樹脂スペーサー3と第2の基板2との接着強度が弱くなると言う問題が生じる。このため、樹脂膜4については、樹脂スペーサー3と第2の基板2との接着の機能は十分に果たしつつ、両基板の貼り合わせの工程で樹脂膜4が横に広がる事による問題が生じない様に、適切な量を設ける事が重要である。
そのために、転写用基台の板やフィルム、ローラー等に樹脂を塗布する際に、樹脂に溶媒を加えて粘性を調整する事により、塗布量の制御を行なうと良い。この様に、樹脂に溶媒を加えて粘性を調整し、樹脂の塗布量の制御を行なう事により、適切な量の樹脂膜4を設ける事が可能となる。
シール材5については、例えばスクリーン印刷版を用いる方法やディスペンサーを用いる方法等の公知の方法を用いる事により、第1の基板1或いは第2の基板2に設ける事が出来る。また、シール材5を硬化させる際には、第1の基板1と第2の基板2とを貼り合わせた後、両基板に外側から圧力をかけてその間の距離がスペーサーの高さにほぼ一致している状態にして、シール材5に熱や紫外線を加え硬化させる。
樹脂膜4を硬化させる工程では、樹脂膜4と第2の基板2との接着を確実にするために、パネルの外側から圧力を加えながら樹脂膜4の硬化を進めると良い。加圧にはエアバッグ、大気圧プレス、ばねによるプレス等の公知の方法を用いる事が出来る。
本発明の場合には、樹脂スペーサー3は既に本硬化の状態にあるため、通常の樹脂スペーサーの場合と同様の圧力を加える事が出来る。一方で樹脂膜4は完全に未硬化のままの状態で設けられているので、第1の基板1に設けた際の樹脂スペーサー3と同じ位の基板に対する接着力を持っている。このため、通常の場合と同程度の圧力を使って第2の基板2を樹脂膜4に押し当てながら、未硬化の樹脂膜4を硬化させる事により、樹脂スペーサー3と第2の基板2とを強固に接着させる事が出来る。
2枚の基板を貼り合わせた後は、必要に応じて基板をカットし、例えばパネルの部分を切り出したり電圧を印加するための透明電極を露出させたりする事によりパネルを完成させる事が出来る。
特に限定しないが例えば発光物質や液晶、着色された粒子や液体などの光変調する物質をパネルの基板間に設ける事により、完成したパネルを表示装置や光変調装置に用いる事が可能となる。
その際には、公知技術の真空注入法などによりパネル完成後にその様な物質を設けても良いし、または、例えば最近普及が進んでいる液晶滴下法(ODF法、One Drop
Fill 法)や最近提案がなされているロール・ツー・ロール工法等の様に、図3に示す第2の基板2を設ける工程の前にその様な物質をいずれかの基板に設けた上で両基板を貼り合わせても良い。
基板に関しては、例えばガラスやプラスチック等を素材とした主要部分となる層に加えて、必要に応じて透明電極やアクティブ素子、絶縁膜、ブラックマトリクス等の各種の機能を有する層を設けたものを用いる事が出来る。また、例えば透明電極等のパターンを形成し、パネル内に画素領域と非画素領域とを設ける場合には、コントラストの低下を避けるため特に樹脂スペーサーを非画素領域に設けると良い。
以下、本発明の実施例について図4〜図10を参照しながら説明する。図4〜図10は本発明の実施例を模式的に示した断面図である。
最初に、図4に示す通り、透明電極12の設けられた無アルカリガラス11に対し蒸着装置を用いてSiO(Silicon Oxide)の斜方蒸着を行なって透明電極12上に配向膜13を設け、無アルカリガラス11と透明電極12と配向膜13とからなる第1の基板1を用意した。無アルカリガラス11には厚さが0.5mm程度のものを、透明電極12にはシート抵抗値が10Ω程度のものを用いた。
次に、図5に示す通り、第1の基板1上に、スピンナーを用いて膜厚1.7μm程度の第1のフォトレジストの膜21を設けた。フォトレジストにはアクリル系材料のチッソ株式会社製PMA−182P−001を用いた。
図6に示す通り、下記のフォトリソグラフィーの方法を用いて第1のフォトレジストの膜21を加工し、第1の基板1上に樹脂スペーサー3を設けた。第1のフォトレジストの膜21の加工は、第1の基板1を90℃のホットプレートの上に3分間置いてプリベークを行なった後、露光装置と樹脂スペーサー3形成用のパターンの描かれたフォトマスクとを用いて、i線換算100mJ/cmの条件で第1のフォトレジストの膜21を露光する事により行なった。フォトマスクには、樹脂スペーサー形成用パターンとしてパネルの使用領域の位置に40000μm×20μmの設計値のスペーサーを200μm間隔で描いたものを用いた。露光後、基板を現像液の中に1分間浸して現像処理を行なった後、純水を用いて1分間洗浄した。現像液にはチッソ株式会社製のDEVELOPER CFP−D−102を用いた。以上のフォトリソグラフィーの工程を行なった結果、図6に示す通り、第1の基板1上に樹脂スペーサー3のパターンが形成された。
その後、樹脂スペーサー3の設けられた第1の基板1を炉の中に投入し、220℃の雰囲気の中に40分間置いて樹脂スペーサー3を硬化させた。
続いて、図示しないが、下記の方法を用いてガラス板に樹脂膜となる第2のフォトレジストの膜を設けた。第1のフォトレジストの膜21を設ける際に用いたものと同じフォトレジスト(チッソ株式会社製のPMA−182P−001)に同量の溶媒を混ぜた後撹拌し、第1のフォトレジストの膜21に用いたフォトレジストよりも粘性の低い溶液を作成した。溶媒にはチッソ株式会社製のSolvent PGMEA−Xを用いた。この様に溶媒を加えてフォトレジスト溶液の粘性を低くする事により、非常に薄い樹脂膜を設ける事が可能となる。この様にして作成した溶液をスピンナーにて転写用基台であるガラス板に塗布し、ガラス板上に0.2μm程度の膜厚の第2のフォトレジスト膜を設けた。
その後、図7に示す通り、上記の方法によってガラス板14に設けられた第2のフォトレジスト膜22を第1の基板1に形成された樹脂スペーサー3の上に配置した後、ローラー15を使ってガラス板14を押す事により、第2のフォトレジストの膜22を樹脂スペーサー3に転写させた。
そして、図8に示す通り、第1の基板1と第2のフォトレジストの膜22が設けられたガラス板14とを離れさせる事により、第1の基板1の樹脂スペーサー3上に未硬化のフォトレジストの溶液からなる樹脂膜4を設けた。
次に、図9に示す通り、シール材5が設けられた無アルカリガラス11と透明電極12と配向膜13とからなる第2の基板2を用意し、それを樹脂スペーサー3と樹脂膜4とが設けられた第1の基板1と重ね合わせた。その際、第1の基板1における配向膜13が設けられた面と第2の基板2の配向膜13が設けられた面とが向き合う様に様に配置した。第2の基板2は第1の基板1と同様もので、0.5mm程度の厚さの無アルカリガラス11にシート抵抗値が10Ω程度の透明電極12が設けられており、それに蒸着装置を用いてSiOの斜方蒸着を行なって透明電極12上に配向膜13を設けている。シール材5については、スクリーン印刷機と印刷版とを用いて、注入口となる部分を除いてパネルの外壁となる様に第2の基板2の配向膜13上に設けた。
その後、図10に示す通り、重ね合わせた第1の基板1と第2の基板2をエアバッグの中に設置し、第1の基板1と第2の基板2とが近づく様に1kgf/cm程度の圧力をかけた。その結果、樹脂スペーサー3がスペーサーの役割を果たすため、第1の基板1と第2の基板2との間の距離は樹脂スペーサー3の高さとほぼ同程度となる。また、第1の基板1と第2の基板2とがシール材5を介して接着され、第1の基板に設けられた樹脂スペーサー3と第2の基板2とが樹脂膜4を介して接着される。
この状態でエアバッグを炉に投入し、150℃の雰囲気の中で3時間の焼成を行なった。この焼成により、シール材5が硬化し、また樹脂膜4についてもその中に含まれる溶媒が揮発すると共に硬化が進む。その結果、第1の基板1と第2の基板2との間が樹脂スペーサー3の高さとほぼ同じ距離で固定される。
その後、貼り合わされた第1の基板と第2の基板をエアバッグから取り出し、炉の中に入れて220℃の雰囲気に40分間入れて樹脂膜を更に硬化させた。
最後に、図示しないが、パネルが適当な大きさとなる様に、また電圧印加用の端子が露出するように、スクライブ及びブレイクの工法を用いてパネルを切り出し、パネルとして完成させた。
完成したパネルを指で押して観察を行なった所、従来のパネルでは押圧した箇所の近辺で干渉縞の発生や、或いは干渉縞の移動が観察されていたが、本実施例のパネルではその様な現象が起こらなかった。
製作したパネルに強誘電性を示す液晶のクラリアントジャパン株式会社製FELIX−501を真空注入法によりパネル内に注入し、最後に封口用の接着剤を用いて注入口を封口した。パネルを炉の中に入れ100℃の雰囲気の中で30分加熱し、液晶を一旦等方性液体の相にした後、炉から取り出して液晶をスメクチック相に戻した。その後、観察をしやすくするため、パネルに電圧をかけて液晶分子が同じ方向を向いている状態にした。
完成した液晶パネルについて偏向板を通して観察を行なった所、指やペンで普通に押す程度(数百gf)では液晶の配向の破壊(乱れ)が起こらなかった。また、ペンで強く押した場合(1kgf〜2kgf程度)では、配向の破壊が起きたが、直径1mmにも満た
ない程の小さなもので、目視では識別が困難であった。また、その後電圧を印加した所、その箇所の配向が回復した。顕微鏡を使って観察を行なった所、配向回復後その箇所に跡の様なものが残っていたが、目視では全く確認できなかった。フォトスペーサーを用いた従来のパネルでは、指やペンで軽く押した程度でも配向の破壊が起きていた。また、その範囲も直径1cm程度の広がりがあった。
なお、上記実施例の説明では省略したが、基板を清浄な状態に保つため、パネルの製作にあたっては、適宜洗浄剤や純水、超音波を用いて基板の洗浄を行なった。また、本実施例では透明電極のパターニングを行なわなかったが、必要に応じて透明電極のパターニングを行ない、パネル内に画素領域と非画素領域を設ける事も出来る。また、薄膜トランジスタ等のアクティブ素子を設けても良い。
また、上記実施例の説明では、配向膜を設けた基板上に樹脂スペーサーを設ける場合について述べたが、樹脂スペーサーを設けた後に蒸着を行なって配向膜を設けた場合でも同様にパネルを作る事が可能である。また、配向膜については無機膜だけでなく例えばポリイミド膜等の有機膜を用いても良い。
本発明の実施の形態を示す断面図である。 本発明の実施の形態を示す断面図である。 本発明の実施の形態を示す断面図である。 本発明の実施例を示す断面図である。 本発明の実施例を示す断面図である。 本発明の実施例を示す断面図である。 本発明の実施例を示す断面図である。 本発明の実施例を示す断面図である。 本発明の実施例を示す断面図である。 本発明の実施例を示す断面図である。 ボールスペーサーを用いる従来技術のパネルを示す断面図である。 ボールスペーサーを用いる従来技術のパネルを示す平面図である。 フォトスペーサーを用いる従来技術のパネルを示す断面図である。 フォトスペーサーを用いる従来技術のパネルを示す平面図である。
符号の説明
1 第1の基板
2 第2の基板
3 樹脂スペーサー
4 樹脂膜
5 シール材
6 ボールスペーサー
7 フォトスペーサー
11 無アルカリガラス
12 透明電極
13 配向膜
14 ガラス板
15 ローラー
21 第1のフォトレジストの膜
22 第2のフォトレジストの膜

Claims (6)

  1. 一対の基板間に、該基板間の距離を規定するためのスペーサーを設けた光変調装置用のパネルの製造方法であって、
    前記一対の基板のうち、一方の基板上に有機高分子材料を含むスペーサーを配置する工程と、
    前記スペーサー上に、前記有機高分子材料を含む樹脂膜を配設する工程と、
    前記樹脂膜上に他方の基板を配設し、前記樹脂膜を硬化させる工程と
    を有することを特徴とする光変調装置用パネルの製造方法。
  2. 前記有機高分子材料は感光性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の光変調装置用パネルの製造方法。
  3. 前記感光性樹脂はアクリル系感光性樹脂であることを特徴とする請求項2に記載のパネルの製造方法。
  4. 前記有機高分子材料は熱硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の光変調装置用パネルの製造方法。
  5. 前記一対の基板間には液晶層が挟持され光変調装置に用いられることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の光変調装置用パネルの製造方法。
  6. 前記樹脂膜を配設する工程では、転写用基台に樹脂膜を塗布し、前記スペーサー上に前記転写用基台上の樹脂膜を転写することにより行われることを特徴とする請求項1から5いずれか一つに記載の光変調装置用パネルの製造方法。
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