JP2004101484A - ゴム摩耗試験機 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリカのような導電性の低い配合物を含有するゴムであっても、高い精度で摩耗減量の測定を行うことが可能なゴム摩耗試験機を提供する。
【解決手段】回転する円盤状の砥石4の外周面に円盤状のゴム試験片Gを回転させながら押し当てることによりゴム試験片Gを摩耗させるようにしたゴム摩耗試験機において、ゴム試験片Gに対して静電気を除去する静電気除去装置29を設置する。
【選択図】図1
【解決手段】回転する円盤状の砥石4の外周面に円盤状のゴム試験片Gを回転させながら押し当てることによりゴム試験片Gを摩耗させるようにしたゴム摩耗試験機において、ゴム試験片Gに対して静電気を除去する静電気除去装置29を設置する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム摩耗試験機に関し、更に詳しくは、高い精度で摩耗試験を行うことができるゴム摩耗試験機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、タイヤトレッドゴム等に使用されるゴムの摩耗性能をシュミレートする装置として、多くのゴム摩耗試験機が提案されており、代表的な試験機としてJIS K 6264で規定されているランボーン試験機が周知である。
【0003】
従来、このようなゴム摩耗試験機として、例えば、回転する円盤状の砥石の外周面に円盤状のゴム試験片を回転させながら押し当てることにより該ゴム試験片を摩耗させるようにした試験機がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−145866号公報(第1頁、図4,5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、タイヤトレッドゴムとして、従来の導電性が高いカーボンブラックを含有するゴムに代えて、ウェット時の制動性及び転動抵抗低減による燃費の向上のため、導電性の低いシリカを含有するゴムが使用されるようになってきた。
【0006】
このように導電性の低いシリカを含有するゴムの試験片を回転させながら、回転する砥石に押し付けて摩耗させると、砥石と擦れ合う際に生じた静電気がゴム試験片に帯電し、ゴム試験片と砥石との摩耗により発生したゴムの摩耗粉がゴム試験片の摩耗面に付着してしまい、それが精度の高い摩耗減量の測定を行う妨げになっていた。
【0007】
本発明の目的は、シリカのような導電性の低い配合物を含有するゴムであっても、高い精度で摩耗減量の測定を行うことが可能なゴム摩耗試験機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、回転する円盤状の砥石の外周面に円盤状のゴム試験片を回転させながら押し当てることにより該ゴム試験片を摩耗させるようにしたゴム摩耗試験機において、前記ゴム試験片に対して静電気を除去する静電気除去装置を設置したことを特徴とする。
【0009】
上述した本発明によれば、砥石と擦れ合う際に生じた静電気がゴム試験片に帯電しても、静電気除去装置によりゴム試験片を除電することができるので、静電気によるゴム試験片に対するゴム摩耗粉の付着を抑制することができ、その結果、シリカのような導電性の低い配合物を含有するゴムであっても、静電気の影響を抑えて高い精度で摩耗減量を測定することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明のゴム摩耗試験機の一例を示し、このゴム摩耗試験機は、架台1上に設置された恒温槽2を有し、この恒温槽2内に恒温槽2外側後方から水平に延在する第1回転軸3の先端部に円盤状の砥石4が取り付けられている。第1回転軸3の後端には架台1上に設置された第1駆動モータ5が連結され、この第1駆動モータ5の作動により第1回転軸3が回転し、それにより砥石4が回転するようになっている。
【0012】
架台1上には第1回転軸3と平行に第2回転軸6が配設され、この第2回転軸6も第1回転軸3と同様に恒温槽2外側後方から恒温槽2内に延在し、その先端部に円盤状のゴム試験片Gを取り付ける試験片取付部7が設けられている。第2回転軸6は第1回転軸部6a、第2回転軸部6b、及び第3回転軸部6cから構成され、先端側の第1回転軸部6aに上記試験片取付部7が取り付けられている。
【0013】
第1回転軸部6aにユニバーサルジョイント6dを介して第2回転軸部6bが連結され、この第2回転軸部6bに第3回転軸部6cが連結してある。第3回転軸部6cは、その端部が第2回転軸部6b内に軸方向にのみ摺動自在に挿入された状態で連結されている。
【0014】
第3回転軸部6cにユニバーサルジョイント8、トルクメータ9を介して、架台1上に設置された第2駆動モータ10に連結され、この第2駆動モータ10の作動により第2回転軸6が回転し、それにより試験片取付部7に砥石4の外周面に対面するようにして取り付けたゴム試験片Gが砥石4と同じ回転方向に回転するようにしてある。
【0015】
第1回転軸部6aの恒温槽2内の軸部分外周に回転自在に配設した筒状の軸受体19には、回転する円盤状の砥石4の外周面にゴム試験片Gを押し当てるための押圧手段11が連結されている。この押圧手段11は、恒温槽2の側方の架台1上に設置した載置台30上に配置したシリンダーユニット12を有している。
【0016】
シリンダーユニット12の左右水平方向に延在するシリンダーロッド13が恒温槽2内まで延設され、その先端が連結部材14を介して軸受体19に固定されている。シリンダーロッド13の上側に、シリンダーユニット12から恒温槽2内に伸縮自在に延在する支持ロッド15が配設され、その先端が連結部材14に固設してある。
【0017】
シリンダーロッド13の伸長により試験片取付部7を前進させてゴム試験片Gを所定の圧力で砥石4の外周面に押し当て、またシリンダーロッド13の伸縮により試験片取付部7を後退させてゴム試験片Gを砥石4の外周面から離間させる。シリンダーユニット12にはロードセル16が取り付けられ、このロードセル16によりゴム試験片Gを砥石4の外周面に押し付けた際の押圧力が検出できるようになっている。
【0018】
恒温槽2上には砂などの摩耗用粒子を収容する容器17が設置され、この容器17に接続されたノズル18が恒温槽2内の砥石4とゴム試験片Gの接触部の上方となる位置に配設されている。試験時にノズル18から砥石4とゴム試験片Gとの接触部分に摩耗用粒子を落下供給することでゴム試験片Gを摩耗させるようにしている。
【0019】
ゴム試験片Gの近傍には、ゴム試験片Gの静電気を除去する静電気除去装置20が設けられている。この静電気除去装置20は、シリンダーロッド13に固定した連結部材14の連結部分14aに取り付けたイオン発生装置21と、このイオン発生装置21で発生したイオンをゴム試験片Gに吹き付ける吹付け手段22を備えている。
【0020】
イオン発生装置21は、プラスとマイナスのイオンを同時に等量発生するように構成されている。吹付け手段22は、恒温槽2上に設置した送風ユニット23と、この送風ユニット23とイオン発生装置21とを接続する配管24を有し、送風ユニット23で取り入れた空気を配管24を介してイオン発生装置21に送り、イオン発生装置21で発生したイオンをこの空気によりゴム試験片1Gに吹き付けできるようになっている。
【0021】
架台1内には、試験機の作動を制御する制御装置25が設置されている。制御装置25からの制御信号により、駆動モータ5,10が回転し、シリンダーユニット12のシリンダーロッド13が伸縮し、イオン発生装置21がイオンを発生させ、送風ユニット23が空気をイオン発生装置21に送り、またノズル18から摩耗用粒子を落下させるようにしている。
【0022】
なお、図中26はノズル18から落下させた摩耗用粒子を回収する回収装置、27は負荷ウェイト、28はバランスウェイトである。
【0023】
上述したゴム摩耗試験機では、ゴム試験片Gを試験片取付部7に取り付け、シリンダーユニット12を作動させてゴム試験片Gを所定の圧力で砥石4の外周面に押し当てた後、駆動モータ5,10が回転して砥石4とゴム試験片Gを回転させる。それと同時にノズル18から砂などの摩耗用粒子が落下し、ゴム試験片Gの摩耗試験が開始されるが、本発明では、その試験中、送風ユニット23から送られた空気により、イオン発生装置21で発生したイオンがゴム試験片Gに常に吹き付けられる。
【0024】
そのため、砥石4と擦れ合う際に生じた静電気がゴム試験片Gに帯電しても、イオン発生装置21からのイオンによりゴム試験片Gを除電することができるので、静電気によるゴム試験片Gに対するゴム摩耗粉の付着を抑制することができる。従って、シリカのような導電性の低い配合物を含有するために帯電し易いゴムの試験片であっても、摩耗粉の付着を抑えて高い精度で摩耗減量の測定を行うことが可能になる。
【0025】
本発明において、静電気除去装置20は、上述したようにイオン発生装置21を用いて構成するのが、ゴム試験片Gから静電気を効果的に取り除く上で好ましいが、それに限定されず、例えば、電気抵抗の低い金属材料から構成したアースブラシをゴム試験片Gに接触させることにより除電するようにしてもよい。
【0026】
イオン発生装置21は、上記のようにプラスとマイナスの両イオンを同時に発生させるようにするのが、ゴム試験片Gがプラスとマイナスのいずれに帯電しても除電できるため好ましいが、配合材料によりいずれに帯電するか判明しているゴム試験片であれば、それと反対のイオンのみを発生させる構成であってもよい。
【0027】
【実施例】
ゴム100重量部に対してカーボンブラック60重量部を配合してなるゴム試験片Aと、ゴム100重量部に対してカーボンブラック40重量部、シリカ20重量部を配合してなるゴム試験片B、及びゴム100重量部に対してシリカ60重量部を配合してなるゴム試験片Cをそれぞれ18個作製した。
【0028】
これら各ゴム試験片を、以下に示す試験条件により、ゴム試験片の摩耗量の変動係数を調べたところ、表1に示す結果を得た。
摩耗量の変動係数
静電気除去装置を設けた図1に示す構成の本発明のゴム摩耗試験機(本発明試験機)により、各々3個のゴム試験片A,B,Cの摩耗試験を試験日を変えて3回実施し、その時測定されたゴム試験片の摩耗量から摩耗量の変動係数CV(%)を下記の式により求めた。
【0029】
CV(%)=a/x×100
但し、aは標準偏差(摩耗量の各測定値から平均値xを引いた値を2乗して平均した値の平方根で表される値)、xは平均値(9個の同種ゴム試験片の平均摩耗量)である。
【0030】
また、静電気除去装置を設けていない従来のゴム摩耗試験機(従来試験機)により、各3個のゴム試験片A,B,Cの摩耗試験を上記と同様に行い、その時のゴム試験片の摩耗量の変動係数を求めた。
【0031】
この変動係数は測定データのバラツキの尺度になるものであり、この値が小さい程バラツキが小さく、データの再現性が良く、ゴム試験片の摩耗減量をより精度良く測定できることを意味する。
【0032】
【表1】
表1の結果から、従来のゴム摩耗試験機ではシリカ含有量が増す程、変動係数が大きくなり、試験精度が低下しているのに対し、本発明により除電を行った場合は変動係数は小さくなっていることがわかる。
【0033】
即ち、表1から、本発明のゴム摩耗試験機は、ゴム試験片を除電してゴム試験片の摩耗減量を従来より高い精度で測定できることがわかる。
【0034】
【発明の効果】
上述したように本発明のゴム摩耗試験機は、ゴム試験片の静電気を除去する静電気除去装置を設けたので、シリカのような導電性の低い配合物を含有するゴムであっても、高い精度で摩耗減量の測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴム摩耗試験機の一例を一部を切欠いて示す正面図である。
【図2】図1の要部を一部断面にして示す平面図である。
【符号の説明】
1 架台 2 恒温槽
3 第1回転軸 4 砥石
5 第1駆動モータ 6 第2回転軸
7 試験片取付部7 10 第2駆動モータ
11 押圧手段 12 シリンダーユニット
12a シリンダーロッド 14 連結部材
14a 連結部分 18 ノズル
20 静電気除去装置 21 イオン発生装置
22 吹付け手段 25 制御装置
G ゴム試験片
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム摩耗試験機に関し、更に詳しくは、高い精度で摩耗試験を行うことができるゴム摩耗試験機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、タイヤトレッドゴム等に使用されるゴムの摩耗性能をシュミレートする装置として、多くのゴム摩耗試験機が提案されており、代表的な試験機としてJIS K 6264で規定されているランボーン試験機が周知である。
【0003】
従来、このようなゴム摩耗試験機として、例えば、回転する円盤状の砥石の外周面に円盤状のゴム試験片を回転させながら押し当てることにより該ゴム試験片を摩耗させるようにした試験機がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−145866号公報(第1頁、図4,5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、タイヤトレッドゴムとして、従来の導電性が高いカーボンブラックを含有するゴムに代えて、ウェット時の制動性及び転動抵抗低減による燃費の向上のため、導電性の低いシリカを含有するゴムが使用されるようになってきた。
【0006】
このように導電性の低いシリカを含有するゴムの試験片を回転させながら、回転する砥石に押し付けて摩耗させると、砥石と擦れ合う際に生じた静電気がゴム試験片に帯電し、ゴム試験片と砥石との摩耗により発生したゴムの摩耗粉がゴム試験片の摩耗面に付着してしまい、それが精度の高い摩耗減量の測定を行う妨げになっていた。
【0007】
本発明の目的は、シリカのような導電性の低い配合物を含有するゴムであっても、高い精度で摩耗減量の測定を行うことが可能なゴム摩耗試験機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、回転する円盤状の砥石の外周面に円盤状のゴム試験片を回転させながら押し当てることにより該ゴム試験片を摩耗させるようにしたゴム摩耗試験機において、前記ゴム試験片に対して静電気を除去する静電気除去装置を設置したことを特徴とする。
【0009】
上述した本発明によれば、砥石と擦れ合う際に生じた静電気がゴム試験片に帯電しても、静電気除去装置によりゴム試験片を除電することができるので、静電気によるゴム試験片に対するゴム摩耗粉の付着を抑制することができ、その結果、シリカのような導電性の低い配合物を含有するゴムであっても、静電気の影響を抑えて高い精度で摩耗減量を測定することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明のゴム摩耗試験機の一例を示し、このゴム摩耗試験機は、架台1上に設置された恒温槽2を有し、この恒温槽2内に恒温槽2外側後方から水平に延在する第1回転軸3の先端部に円盤状の砥石4が取り付けられている。第1回転軸3の後端には架台1上に設置された第1駆動モータ5が連結され、この第1駆動モータ5の作動により第1回転軸3が回転し、それにより砥石4が回転するようになっている。
【0012】
架台1上には第1回転軸3と平行に第2回転軸6が配設され、この第2回転軸6も第1回転軸3と同様に恒温槽2外側後方から恒温槽2内に延在し、その先端部に円盤状のゴム試験片Gを取り付ける試験片取付部7が設けられている。第2回転軸6は第1回転軸部6a、第2回転軸部6b、及び第3回転軸部6cから構成され、先端側の第1回転軸部6aに上記試験片取付部7が取り付けられている。
【0013】
第1回転軸部6aにユニバーサルジョイント6dを介して第2回転軸部6bが連結され、この第2回転軸部6bに第3回転軸部6cが連結してある。第3回転軸部6cは、その端部が第2回転軸部6b内に軸方向にのみ摺動自在に挿入された状態で連結されている。
【0014】
第3回転軸部6cにユニバーサルジョイント8、トルクメータ9を介して、架台1上に設置された第2駆動モータ10に連結され、この第2駆動モータ10の作動により第2回転軸6が回転し、それにより試験片取付部7に砥石4の外周面に対面するようにして取り付けたゴム試験片Gが砥石4と同じ回転方向に回転するようにしてある。
【0015】
第1回転軸部6aの恒温槽2内の軸部分外周に回転自在に配設した筒状の軸受体19には、回転する円盤状の砥石4の外周面にゴム試験片Gを押し当てるための押圧手段11が連結されている。この押圧手段11は、恒温槽2の側方の架台1上に設置した載置台30上に配置したシリンダーユニット12を有している。
【0016】
シリンダーユニット12の左右水平方向に延在するシリンダーロッド13が恒温槽2内まで延設され、その先端が連結部材14を介して軸受体19に固定されている。シリンダーロッド13の上側に、シリンダーユニット12から恒温槽2内に伸縮自在に延在する支持ロッド15が配設され、その先端が連結部材14に固設してある。
【0017】
シリンダーロッド13の伸長により試験片取付部7を前進させてゴム試験片Gを所定の圧力で砥石4の外周面に押し当て、またシリンダーロッド13の伸縮により試験片取付部7を後退させてゴム試験片Gを砥石4の外周面から離間させる。シリンダーユニット12にはロードセル16が取り付けられ、このロードセル16によりゴム試験片Gを砥石4の外周面に押し付けた際の押圧力が検出できるようになっている。
【0018】
恒温槽2上には砂などの摩耗用粒子を収容する容器17が設置され、この容器17に接続されたノズル18が恒温槽2内の砥石4とゴム試験片Gの接触部の上方となる位置に配設されている。試験時にノズル18から砥石4とゴム試験片Gとの接触部分に摩耗用粒子を落下供給することでゴム試験片Gを摩耗させるようにしている。
【0019】
ゴム試験片Gの近傍には、ゴム試験片Gの静電気を除去する静電気除去装置20が設けられている。この静電気除去装置20は、シリンダーロッド13に固定した連結部材14の連結部分14aに取り付けたイオン発生装置21と、このイオン発生装置21で発生したイオンをゴム試験片Gに吹き付ける吹付け手段22を備えている。
【0020】
イオン発生装置21は、プラスとマイナスのイオンを同時に等量発生するように構成されている。吹付け手段22は、恒温槽2上に設置した送風ユニット23と、この送風ユニット23とイオン発生装置21とを接続する配管24を有し、送風ユニット23で取り入れた空気を配管24を介してイオン発生装置21に送り、イオン発生装置21で発生したイオンをこの空気によりゴム試験片1Gに吹き付けできるようになっている。
【0021】
架台1内には、試験機の作動を制御する制御装置25が設置されている。制御装置25からの制御信号により、駆動モータ5,10が回転し、シリンダーユニット12のシリンダーロッド13が伸縮し、イオン発生装置21がイオンを発生させ、送風ユニット23が空気をイオン発生装置21に送り、またノズル18から摩耗用粒子を落下させるようにしている。
【0022】
なお、図中26はノズル18から落下させた摩耗用粒子を回収する回収装置、27は負荷ウェイト、28はバランスウェイトである。
【0023】
上述したゴム摩耗試験機では、ゴム試験片Gを試験片取付部7に取り付け、シリンダーユニット12を作動させてゴム試験片Gを所定の圧力で砥石4の外周面に押し当てた後、駆動モータ5,10が回転して砥石4とゴム試験片Gを回転させる。それと同時にノズル18から砂などの摩耗用粒子が落下し、ゴム試験片Gの摩耗試験が開始されるが、本発明では、その試験中、送風ユニット23から送られた空気により、イオン発生装置21で発生したイオンがゴム試験片Gに常に吹き付けられる。
【0024】
そのため、砥石4と擦れ合う際に生じた静電気がゴム試験片Gに帯電しても、イオン発生装置21からのイオンによりゴム試験片Gを除電することができるので、静電気によるゴム試験片Gに対するゴム摩耗粉の付着を抑制することができる。従って、シリカのような導電性の低い配合物を含有するために帯電し易いゴムの試験片であっても、摩耗粉の付着を抑えて高い精度で摩耗減量の測定を行うことが可能になる。
【0025】
本発明において、静電気除去装置20は、上述したようにイオン発生装置21を用いて構成するのが、ゴム試験片Gから静電気を効果的に取り除く上で好ましいが、それに限定されず、例えば、電気抵抗の低い金属材料から構成したアースブラシをゴム試験片Gに接触させることにより除電するようにしてもよい。
【0026】
イオン発生装置21は、上記のようにプラスとマイナスの両イオンを同時に発生させるようにするのが、ゴム試験片Gがプラスとマイナスのいずれに帯電しても除電できるため好ましいが、配合材料によりいずれに帯電するか判明しているゴム試験片であれば、それと反対のイオンのみを発生させる構成であってもよい。
【0027】
【実施例】
ゴム100重量部に対してカーボンブラック60重量部を配合してなるゴム試験片Aと、ゴム100重量部に対してカーボンブラック40重量部、シリカ20重量部を配合してなるゴム試験片B、及びゴム100重量部に対してシリカ60重量部を配合してなるゴム試験片Cをそれぞれ18個作製した。
【0028】
これら各ゴム試験片を、以下に示す試験条件により、ゴム試験片の摩耗量の変動係数を調べたところ、表1に示す結果を得た。
摩耗量の変動係数
静電気除去装置を設けた図1に示す構成の本発明のゴム摩耗試験機(本発明試験機)により、各々3個のゴム試験片A,B,Cの摩耗試験を試験日を変えて3回実施し、その時測定されたゴム試験片の摩耗量から摩耗量の変動係数CV(%)を下記の式により求めた。
【0029】
CV(%)=a/x×100
但し、aは標準偏差(摩耗量の各測定値から平均値xを引いた値を2乗して平均した値の平方根で表される値)、xは平均値(9個の同種ゴム試験片の平均摩耗量)である。
【0030】
また、静電気除去装置を設けていない従来のゴム摩耗試験機(従来試験機)により、各3個のゴム試験片A,B,Cの摩耗試験を上記と同様に行い、その時のゴム試験片の摩耗量の変動係数を求めた。
【0031】
この変動係数は測定データのバラツキの尺度になるものであり、この値が小さい程バラツキが小さく、データの再現性が良く、ゴム試験片の摩耗減量をより精度良く測定できることを意味する。
【0032】
【表1】
表1の結果から、従来のゴム摩耗試験機ではシリカ含有量が増す程、変動係数が大きくなり、試験精度が低下しているのに対し、本発明により除電を行った場合は変動係数は小さくなっていることがわかる。
【0033】
即ち、表1から、本発明のゴム摩耗試験機は、ゴム試験片を除電してゴム試験片の摩耗減量を従来より高い精度で測定できることがわかる。
【0034】
【発明の効果】
上述したように本発明のゴム摩耗試験機は、ゴム試験片の静電気を除去する静電気除去装置を設けたので、シリカのような導電性の低い配合物を含有するゴムであっても、高い精度で摩耗減量の測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴム摩耗試験機の一例を一部を切欠いて示す正面図である。
【図2】図1の要部を一部断面にして示す平面図である。
【符号の説明】
1 架台 2 恒温槽
3 第1回転軸 4 砥石
5 第1駆動モータ 6 第2回転軸
7 試験片取付部7 10 第2駆動モータ
11 押圧手段 12 シリンダーユニット
12a シリンダーロッド 14 連結部材
14a 連結部分 18 ノズル
20 静電気除去装置 21 イオン発生装置
22 吹付け手段 25 制御装置
G ゴム試験片
Claims (4)
- 回転する円盤状の砥石の外周面に円盤状のゴム試験片を回転させながら押し当てることにより該ゴム試験片を摩耗させるようにしたゴム摩耗試験機において、前記ゴム試験片に対して静電気を除去する静電気除去装置を設置したゴム摩耗試験機。
- 前記静電気除去装置はイオン発生装置を有し、該イオン発生装置を、発生させたイオンを前記ゴム試験片に吹き付け可能に構成した請求項1に記載のゴム摩耗試験機。
- 前記イオン発生装置がプラスとマイナスのイオンを同時に発生させる請求項1または2に記載のゴム摩耗試験機。
- 前記イオン発生装置がプラスとマイナスのイオンを等量発生させる請求項3に記載のゴム摩耗試験機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002267099A JP2004101484A (ja) | 2002-09-12 | 2002-09-12 | ゴム摩耗試験機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002267099A JP2004101484A (ja) | 2002-09-12 | 2002-09-12 | ゴム摩耗試験機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004101484A true JP2004101484A (ja) | 2004-04-02 |
Family
ID=32265721
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002267099A Pending JP2004101484A (ja) | 2002-09-12 | 2002-09-12 | ゴム摩耗試験機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004101484A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006038555A (ja) * | 2004-07-26 | 2006-02-09 | Bridgestone Corp | 加硫ゴムの摩耗試験方法 |
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