JP2004101479A - ノズル分注装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、1個のモータの動力によってノズル分注、ノズルユニットのクランプ/アンクランプ及びチップの離脱を行い、構造の簡略化及び小型化を目的とする。
【解決手段】本発明によるノズル分注装置は、ケーシング(1)のモータ(2)により回転するネジ体(5)によってスライダ(6)を上下動させ、このスライダ(6)の動作に連動してノズル分注、ノズルユニット(30)のクランプ/アンクランプ及びチップ(75)の離脱を行う構成である。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノズル分注装置に関し、特に、1個のモータにより上下動されるスライダによって、分注動作、ノズルユニットのクランプ/アンクランプ、チップの離脱を行い、構造の簡略化及び小型化を達成するための新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、用いられていたこの種のノズル分注装置としては、図示していないが分注用、ノズル脱着用、チップ取外し用に対して各々独立したモータ、ソレノイド等が設けられていた。(例えば、特許文献1、2)
【0003】
【特許文献1】
特開平8−229414号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平9−281114号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のノズル分注機構は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、分注用、ノズル脱着用、チップ取外し用に各々独立してモータ、ソレノイド等の専用の駆動源を取付けているため、機構が大型化かつ複雑化し、簡略化かつ小型化の市場のニーズに沿うことは極めて困難であった。
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、1個のモータにより上下動されるスライダによって、分注動作、ノズルユニットのクランプ/アンクランプ、チップの離脱を行い、構造の簡略化及び小型化を達成するようにしたノズル分注装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によるノズル分注装置は、ケーシングに設けられたモータにより回転するネジ体により上下動するスライダと、前記ケーシングの下部にノズルホルダにより着脱自在に設けられ着脱自在なチップを有するノズルユニットと、前記スライダに設けられ前記ノズルユニットのピストンを押すための分注用ピストン軸と、前記スライダに係合でき前記ケーシングに上下動自在に設けられると共にカム部を有するカム板と、前記カム板を常時下方へ付勢するためのばね部材と、前記ノズルホルダに設けられ前記ノズルユニットをクランプ/アンクランプするための複数のカムと、前記カム部に係合するカムフォロワを有し前記各カムを回動させるためのカム回動体とを備え、前記スライダが上昇して前記カム板を上昇させると前記カム部及びカムフォロワを介してカム回動体が回転し、前記カム回動体によって前記各カムが回転して前記各カムによる前記ノズルユニットに対するクランプ状態が解除されるようにした構成であり、また、前記カム回動体に設けられた複数のピンが前記各カムに形成されたピン用孔に挿入され、前記各カムは前記ノズルホルダに回転自在に軸支されている構成であり、また、前記各カムは、円板の一部を切欠いた形状からなる三日月形をなしている構成であり、また、前記スライダとカム板の係合は、前記ピストンを押すための前記スライダの動作範囲以外で行われる構成であり、また、前記スライダに設けられた往復回動器と、前記往復回動器に接続されたスイングアームと、前記ノズルホルダに設けられ上下動自在なシャフトと、前記ノズルホルダに設けられ前記チップに係合するチップ取外し用アームとを備え、前記スライダの降下により前記スイングアームとシャフトを介して前記チップ取外し用アームによって前記チップを押下げることにより、前記ノズルユニットから前記チップを離脱させるようにした構成であり、また、前記往復回動器はロータリーソレノイドからなり、前記スイングアームは平面形状でT字型をなす構成である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明によるノズル分注装置の好適な実施の形態について説明する。
図1から図4において符号1で示されるものは全体形状が箱型をなすケーシングであり、このケーシング1の上部にはモータ2が設けられている。
前記ケーシング1内には、前記モータ1の回転軸3にカップリング4を介して接続された台形ネジ又はボールネジ等からなるネジ体5が回転自在に設けられている。
【0009】
前記ネジ体5にはスライダ6が矢印Eの方向に沿って上下動自在にネジ孔6bを介して螺合して設けられ、このスライダ6は図6で示されるようにケーシング1に設けられたリニアガイド7に摺動自在に接続され、回転することなく上下動するように構成されていると共に、下方に突出する分注用ピストン軸6Aを有している。
【0010】
前記ケーシング1の内面には、複数のガイド突起8、9を介して長手形状のカム板10が上下動自在に設けられ、このカム板10の下部位置には横方向に所定のリードを有する長手形状のカム溝又はカム孔の形状からなるカム部11が形成されている。
前記カム板10は、その上端12に一端が接続されたスプリング等のばね部材13の他端がケーシング1の係止部14に係止されていることにより、常時下方へ付勢されていると共に、矢印Eに沿って上下動自在に構成されている。
前記カム板10の前記上端12に対して一体に曲折して形成された取付片15には動作位置調整ネジ16が設けられ、この動作位置調整ネジ16の下端16aには前記スライダ6の上部6aが当接し、このスライダ6によってカム板10をばね部材13のばね力に抗して上方へ持ち上げることができるように構成されている。
【0011】
前記ケーシング1の下部1aには、中空状でかつフランジ20を有するノズルホルダ21が設けられており、このノズルホルダ21のフランジ20(図7)上には中空状の輪状取付台22が設けられている。
前記ノズルホルダ21及び輪状取付台22には貫通した孔23が形成され、この輪状取付台22の孔23の周囲にはクランプ爪の作用をなす3個(3個以外の数も可)のカム24が軸支部25を介して回転自在に設けられている。
【0012】
前記各カム24は、円板の一部を切欠いた形状の三日月形(三日月形に限らず、他の形状も可)をなしており、この切欠による切欠部26は前記孔23の形状すなわち後述のノズルユニット30のノズル頭部31の外周形状に沿っている。
【0013】
前記各カム24の前記軸支部25の近傍位置には、ピン用孔32が形成され、各ピン用孔32内には、この各カム24の上部の輪状をなすカム回動体35の下面に形成された各ピン36が挿入して係合されている。
前記カム回動体35の側部に設けられたローラ状のカムフォロワ37は、カム板10の長溝、長孔等からなるカムリードを有するカム部11に係合し、カム板10が上下動した時にカム回動体35が矢印Fの方向に回動し、図8のアンクランプ状態A及びクランプ状態Bを交互に繰り返すように構成されている。
【0014】
前記ノズルホルダ21の孔23には、下部方向からノズルユニット30を有する交換ノズルアタッチメント40が挿入して装着され、このノズルユニット30のノズル頭部31が孔23を貫通して各カム24の上部に位置し、図8のBのように各カム24を左方向に回転させることにより、各カム24が頭部31の下部のクランプ用溝41に係合し、クランプ状態Bとなる。
【0015】
前記スライダ6には、ロータリーソレノイド等からなる往復回動器50が設けられ、この往復回動器50の回転軸51にはギヤ52、53を介して平面形状でT字形をなすスイングアーム54が接続されていると共に、この往復回動器50の作動によってスイングアーム54は矢印Gの方向に沿って往復回動できるように構成されている。
【0016】
前記ノズルホルダ21の側部には、シャフト55を上下動自在に有するホルダ60が設けられ、このシャフト55の上端に設けられた止め輪61aとホルダ60の上面60aとの間にはスプリング61が介挿され、シャフト55はホルダ60に対して常時上方へ付勢されている。
【0017】
前記ノズル交換アタッチメント40の側部には、両端に第1、第2曲折部70a、70bを有するチップ取外し用アーム70が一対の取付部71、72を介して上下動自在に取付けられ、第1曲折部70aは前記シャフト55と当接可能で、第2曲折部70bは、図4のように、前記交換ノズルアタッチメント40の内側で前記ノズルユニット30の外側に位置して所定のストロークのみ上下動できる取外し用筒体73のフランジ73aに係合している。
【0018】
前記チップ取外し用アーム70が下方へ押下げられてノズルユニット30の下部に装着されたチップ75を前記取外し用筒体73が押下げると、チップ75はこのノズルユニット30から離脱する。
尚、前述の取外し用筒体73のストロークは、図4のように、交換ノズルアタッチメント40の内壁に形成された段部80によって規制されるように構成されている。
【0019】
次に、動作について説明する。まず、ノズルユニット30を有する交換ノズルアタッチメント40をノズルホルダ21に装着し、モータ2を回転させてネジ体5を回転させると、スライダ6と共に分注用ピストン軸6Aが降下してノズルユニット30内のピストン30a(図4)を押圧し、ノズルユニット30内の液状材料がチップ75から下方へ吐出される。
尚、前述のスライダ6のストロークの範囲では、前記カム板10は下方へばね部材13で付勢されて各カム24がクランプ状態であり、カム板10による各カム24の回動は行われないため、ノズルユニット30のアンクランプ動作は行われない。
【0020】
次に、ノズルホルダ21の下端に取付けられたチップ75を除去して他のチップ75と交換する場合、往復回動器50を作動させてスイングアーム54を図10のように回動させてシャフト55の上部55aと当接する位置関係に設定した後に、スライダ6を続けて降下させると、シャフト55がチップ取外し用アーム70を介して取外し用筒体73を押し下げるため、チップ75がノズルユニット30の下部から離脱して除去される。
【0021】
次に、ノズルユニット30をノズルホルダ21から除去し、例えば、交換する場合は、前述の状態でモータ2を回転させ、スライダ6を続けて上昇させると、スライダ6の上部6aにカム板10の動作位置調整ネジ16の下端16aが当接し、この状態でなおスライダ6を上昇させるとカム板10が上方へ押上げられ、カム部11の下部へカムフォロワ37が係合するため、カム回動体35が図7においてCCW方向へ回転し、図8のクランプ状態Bからアンクランプ状態Aに変わり、ノズルユニット30はノズルホルダ21から除去される。
【0022】
前述の状態で、新しいノズルホルダ21を交換ノズルアタッチメント40と共にノズルホルダ21に装着して、スライダ6を降下させると、カム板10は再びばね部材13で下方へ付勢されてカム回動体35がCW方向へ回動し、各カム24は図8のアンクランプ状態Aからクランプ状態Bへ戻し、ノズルユニット30がノズルホルダ21へクランプされる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によるノズル分注装置は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、ケーシングに設けた1個のモータからなる駆動源を用いてスライダを上下動させ、ノズルユニットの分注動作、このスライダに設けた往復回動器によるスイングアームを用いたシャフトとアームによるチップの離脱、及び、スライダによるカム板の強制押上げによるカムの回動によってノズルユニットのクランプ及びアンクランプを行うことができ、従来よりも大幅な構造の簡略化及び小型化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるノズル分注装置を示す正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図2のB−B断面図である。
【図4】図1のC−C断面図である。
【図5】図4のD−D断面図である。
【図6】図1の要部の分解斜視図である。
【図7】図1の要部の拡大分解斜視図である。
【図8】図7の各カムによるアンクランプ及びアンクランプ状態を示す動作説明図である。
【図9】図2のチップ離脱動作図である。
【図10】図9の要部を示す拡大分解斜視図である。
【符号の説明】
1  ケーシング
2  モータ
5  ネジ体
6  スライダ
6A  分注用ピストン軸
10  カム板
11  カム部
13  ばね部材
21  ノズルホルダ
24  カム
30  ノズルユニット
30a  ピストン
32  ピン用孔
35  カム回動体
36  ピン
37  カムフォロワ
50  往復回動器
54  スイングアーム
55  シャフト
70  取外し用アーム
75  チップ

Claims (6)

  1. ケーシング(1)に設けられたモータ(2)により回転するネジ体(5)により上下動するスライダ(6)と、前記ケーシング(1)の下部にノズルホルダ(21)により着脱自在に設けられ着脱自在なチップ(75)を有するノズルユニット(30)と、前記スライダ(6)に設けられ前記ノズルユニット(30)のピストン(30a)を押すための分注用ピストン軸(6A)と、前記スライダ(6)に係合でき前記ケーシング(1)に上下動自在に設けられると共にカム部(11)を有するカム板(10)と、前記カム板(10)を常時下方へ付勢するためのばね部材(13)と、前記ノズルホルダ(21)に設けられ前記ノズルユニット(30)をクランプ/アンクランプするための複数のカム(24)と、前記カム部(11)に係合するカムフォロワ(37)を有し前記各カム(24)を回動させるためのカム回動体(35)とを備え、
    前記スライダ(6)が上昇して前記カム板(10)を上昇させると前記カム部(11)及びカムフォロワ(37)を介してカム回動体(35)が回転し、前記カム回動体(35)によって前記各カム(24)が回転して前記各カム(24)による前記ノズルユニット(30)に対するクランプ状態が解除されるように構成したことを特徴とするノズル分注装置。
  2. 前記カム回動体(35)に設けられた複数のピン(36)が前記各カム(24)に形成されたピン用孔(32)に挿入され、前記各カム(24)は前記ノズルホルダ(21)に回転自在に軸支されていることを特徴とする請求項1記載のノズル分注装置。
  3. 前記各カム(24)は、円板の一部を切欠いた形状からなる三日月形をなしていることを特徴とする請求項1又は2記載のノズル分注装置。
  4. 前記スライダ(6)とカム板(10)の係合は、前記ピストン(30a)を押すための前記スライダ(6)の動作範囲以外で行われることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のノズル分注装置。
  5. 前記スライダ(6)に設けられた往復回動器(50)と、前記往復回動器(50)に接続されたスイングアーム(54)と、前記ノズルホルダ(21)に設けられ上下動自在なシャフト(55)と、前記ノズルホルダ(21)に設けられ前記チップ(75)に係合するチップ取外し用アーム(70)とを備え、前記スライダ(6)の降下により前記スイングアーム(54)とシャフト(55)を介して前記チップ取外し用アーム(70)によって前記チップ(75)を押下げることにより、前記ノズルユニット(30)から前記チップ(75)を離脱させるように構成したことを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載のノズル分注装置。
  6. 前記往復回動器(50)はロータリーソレノイドからなり、前記スイングアーム(54)は平面形状でT字型をなすことを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載のノズル分注装置。
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