JP2004101267A - ステアリングホイールの中立位置検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステアリングホイールの中立位置(絶対中立位置)を、車両の標準装備であるセンサ類を利用して簡単かつ確実に検出できるようにする。
【解決手段】ステアリングホイールの軸に付設され、該軸の回転情報を検出する軸回転検出手段として原点出力付きロータリエンコーダ10を備える。このロータリエンコーダは、該軸の回転角度および回転方向を検出するための第1および第2のセンサ11,12を有するとともに、前記軸の回転方向における中立点を検出するための第3のセンサ13を有する。これら第1および第2のセンサからの出力信号をカウントするカウンタ手段2を設けるとともに、このカウンタ手段を、第3のセンサによる中立点検出時または所定速度以上の車速での車両走行時にカウンタリセットするように構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】ステアリングホイールの軸に付設され、該軸の回転情報を検出する軸回転検出手段として原点出力付きロータリエンコーダ10を備える。このロータリエンコーダは、該軸の回転角度および回転方向を検出するための第1および第2のセンサ11,12を有するとともに、前記軸の回転方向における中立点を検出するための第3のセンサ13を有する。これら第1および第2のセンサからの出力信号をカウントするカウンタ手段2を設けるとともに、このカウンタ手段を、第3のセンサによる中立点検出時または所定速度以上の車速での車両走行時にカウンタリセットするように構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステアリングホイールの絶対的な中立位置(以下、絶対中立位置という)を検出するために用いられるステアリングホイールの中立位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば自動車を後進させて車庫入れなどを行う際に、運転者の操縦を支援するシステムとして、ビットマップスーパーインポーズ方式を応用した車両進路予想線表示装置が知られている。当該装置は、運転者の死角となる自動車の後方視界とと共に車両の進路予想線をモニタ表示するものであり、運転者はこの車両後進時の予想進路を確認しながら自動車を操縦できるから、障害物回避等を容易に行える等、有用性は大きい。
【0003】
ところで、この種の車両進路予想線表示装置では、自動車のステアリングホイールの操舵角や車速を正確に検出することが必要である。これは、ステアリングホイールがどこまで切られているか否か、さらには車速がどの程度であるかが、車両の進路予想にあたって必要な情報であるからである。
そのうち、ステアリングホイールは、左、右にそれぞれ2回転半づつ回転操作されることから、その操舵角を検出するには、ステアリングホイールの絶対中立位置を知ることが特に重要となっている。
【0004】
この種のステアリングホイールの中立位置を検出するにあたって従来一般には、角速度センサ(ヨーレートセンサ)をステアリングホイールの軸に設け、この角速度センサを用いることで、自動車が直線走行していることを検出し、その結果としてステアリングホイールの中立位置を求めていた(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−107147号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来装置では、ステアリングホイールの角速度を検出するためのヨーレートセンサを、ステアリングシャフトに追加して設けることが必要であり、部品点数が増え、コスト高となるばかりでなく、検出精度面でも問題であった。
すなわち、この種の自動車には、車速センサを始めとして種々のセンサ類が標準装備されているが、上述したようなステアリングホイールの角速度を検出するヨーレートセンサは搭載されておらず、これを自動車内でステアリングホイールの軸回りに組み込むには、組み込みスペースを確保することも必要で、煩雑さは避けられないものであった。
【0007】
また、ステアリングホイールの角速度をヨーレートセンサで検出することによって中立位置を求める方法では、その検出方法が原因となって必然的に中立点位置の補正を常時に行うことが必要であり、面倒かつ煩雑な補正制御が必要で、しかも精度のよい中立位置の検出を正確に行ううえで問題をもつものであった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、車両に標準装備されているセンサ類を利用することにより、特別なセンサを追加することなく、ステアリングホイールの絶対中立位置を精度よく正確に検出することができるステアリングホイールの中立位置検出装置を得ることを目的とする。
【0009】
また、本発明は、ステアリングホイールの絶対中立位置を得るにあたっての補正を簡単に行えるようにしたステアリングホイールの中立位置検出装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的に応えるために本発明(請求項1記載の発明)に係るステアリングホイールの中立位置検出装置は、ステアリングホイールの軸に付設され、該軸の回転情報を検出する軸回転検出手段を備えており、この軸回転検出手段は、該軸の回転角度および回転方向を検出するための第1および第2のセンサを有するとともに、前記軸の回転方向における中立点を検出するための第3のセンサを有し、前記第1および第2のセンサからの出力信号をカウントするカウンタ手段を設けるとともに、このカウンタ手段を、前記第3のセンサによる中立点検出時または所定速度以上の車速での車両走行時にカウンタリセットするように構成したことを特徴とする。
【0011】
本発明(請求項2記載の発明)に係るステアリングホイールの中立位置検出装置は、請求項1において、中立位置ズレ補正を行う補正スイッチを備えており、この補正スイッチをオンするとともに所定速度以上の車速で車両を直線走行させたときに、前記カウンタ手段をカウンタリセットし、次で車両を停止してステアリングホイールを左、右に所定角度宛回転操作したときに前記回転角度を検出するセンサからの信号をカウントすることにより、ステアリングホイールの中立位置の補正値を得るように構成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明(請求項3記載の発明)に係るステアリングホイールの中立位置検出装置は、請求項1または請求項2において、軸回転検出手段は、原点出力付きロータリエンコーダであることを特徴とする。ここで、このロータリーエンコーダの2相のパルス出力が第1、第2のセンサ(SEN1,SEN2)であり、原点が第3のセンサ(SEN3)である。
【0013】
本発明によれば、車両に標準装備されているセンサ類、たとえば原点出力付きロータリーエンコーダによる舵角情報を巧みに利用することにより、ステアリングホイールの絶対中立位置(つまり操舵輪が真っ直ぐで直線走行可能な位置)を精度よく正確に検出することが可能となる。
【0014】
また、本発明によれば、車速が所定速度以上(たとえば30Km/h以上)であって、その信号が有効であると判断したときに、中立位置検出装置を構成する舵角カウンタをカウンタリセットするとともに、車両の停止時にステアリングホイールを適宜回転することで中立位置ずれ補正を行うように構成しているから、簡単でしかも適切な方法により、ステアリングホイールの中立位置検出精度を向上させることが簡単に行える。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1ないし図9は本発明に係るステアリングホイールの中立位置検出装置の一つの実施の形態を示すものであり、この実施の形態では、本発明装置を、車両進路予想線表示装置に適用した場合を例として説明する。
【0016】
図1において、本発明に係るステアリングホイールの中立位置検出装置の概略構成を以下に説明する。
図1中、符号1は、車両進路予測表示装置を構成するマイクロコンピュータ1を示すものであり、その内部には、アップダウンカウンタである舵角カウンタ2が設けられ、この舵角カウンタ2でカウントされた値が、カウンタ値バックアップ用のEEPROM3に記憶されたり、読み出されたりするように構成されている。
【0017】
4はアドレス演算回路、5は複数のパターンが記憶されているフラッシュメモリであり、ここで選択された進路予測パターンがゲート部20を介してスーパーインポーズ表示されるようになっている。なお、この実施の形態では、車両の進路予想線表示にあたっての具体的な手法についての詳細な説明は省略する。
【0018】
6は車速検知部6であり、車両に標準装備されている車速センサからの車速パルス14が車速情報として入力され、たとえば30Km/h以上であるときに信号を出力するようになっている。
【0019】
10は車両に標準装備されている原点出力付きロータリーエンコーダであり、このロータリーエンコーダ10は、図示しないステアリングホイールのステアリング軸(ハンドル軸)にギヤで連結することで付設されている。このロータリエンコーダ10の2相のパルス出力が、第1および第2のセンサ11,12(以下、SEN1,SEN2という)であり、原点が第3のセンサ13(以下、SEN3という)である。ここで、SEN1,SEN2はパルス幅が小さく、これに比べてSEN3のパルス幅は長くなっている。
【0020】
前記SEN1,SEN2の出力信号は、舵角情報(角度情報と回転方向情報)として前記舵角カウンタ2に送られ、ここでステアリングホイールが左、右のいずれの方向の回転であるか、どの位の回転角度であるかが、入力されてカウントされる。
【0021】
ここで、回転角度は、SEN1またはSEN2のパルスの数を数えることで得られる。なお、1パルスの分解能は2°である。
また、回転方向は、図2に示すように、SEN1のパルスの立上りエッジを検出して、そのときのSEN2のレベルを見ることで決定する。LOWの時は右回転、HIの時は左回転である。
【0022】
これらの角度情報、回転方向情報は、マイクロコンピュータ1の内部の舵角カウンタ2に入力される。この舵角カウンタ2は、アップダウンカウンタであるから、右回転で1パルス入力すれば“1”をインクリメントし、左回転で1パルス入力すれば“1”をデクリメントするように構成されている。
【0023】
ここで、このままでは絶対角度が得られないので、中立位置を示す信号が必要となり、この信号で舵角カウンタ2をリセットすることが必要となる。すなわち、このように舵角カウンタ2をステアリングホイールが中立位置にあるときに一旦リセットすれば、絶対角度が得られることになる。そして、車両進路予想線表示装置では、このカウンタ値から対応するパターンを選択することで、所望の表示を行えることになる。
【0024】
前記マイクロコンピュータ1には、ロータリエンコーダ10の原点を検出するSEN3から中立位置検出用パルスが入力されている。
しかし、このパルスは、ステアリングホイール1回転につき中点が1回出力されるものである。通常、ステアリングホールは左、右に2回転半づつ回転可能で、たとえば左から右の末切りを行うと5回転するから、中立信号が5回出ることになる。つまり、真の中立点のみを選択する工夫が必要となる。具体的には、SEN3を検出したら舵角カウンタを見て0に近い値だったら、真の中立点とみなし、大きく外れた値だったら偽信号とみなす。真の中立点と偽の中立点の間はパルス数で180程度離れているので十分区別がつく。
【0025】
図3にステアリングホイールの位置と絶対回転角、パルス数の関係を示す。この図3において、ステアリングホイールは、中立点をセンターとして左、右2.5回転する。この時、最大回転角度は±900°であり、SEN1(あるいはSEN2)の最大パルス数は±450個である。つまり、このパルス数を計数すればステアリングホイールの絶対角度が得られることになる。
そして、このパルス数に進路予測パターンを割り振っておけば、容易に所望の表示パターンを選択できるのである。
【0026】
なお、図1中、7,8はアンドゲート、9はオアゲートであり、上述したようにSEN3での中立位置検出用パルスと中立位置検出が有効であるとの判断がなされるか、あるいは車速検出部6で車速が30Km/h以上であって、車速検知が有効であると判断されたときに、舵角センサ2がカウンタリセットされるようになっている。
【0027】
上述した説明から明らかなように、本発明に係るステアリングホイールの中立位置検出装置では、車両に標準装備されている原点出力付きロータリーエンコーダ10を用い、その2つの検出出力であるSEN1とSEN2とを舵角カウンタ2でカウントするとともに、原点検出を行うSEN3からの中立位置検出用パルスとその中立位置検出が有効であるとの判断、さらに車速センサからの車速パルス14により車速が30Km/h以上であるとの判断とその車速検知が有効であるとの判断を利用し、前記舵角カウンタ2をカウンタリセットすることにより、ステアリングホイールの絶対的な中立位置を正確に検出することができるのである。
【0028】
ここで、上述した構成による中立位置検出装置によれば、ステアリングホイールの中立位置のズレ補正を行うことが必要となる。すなわち、中立位置検出用信号としてSEN3を使用するが、センサの取り付け誤差、タイヤの交換等で真の中立位置と異なる場合が考えられる。そのために、そのズレを補正する必要があり、その手法を以下に述べる。
図4はその中立位置のズレ補正を行うフローチャートである。この補正は、機器、タイヤの取り付け時、変更時のみに行うことを前提としているので、ここでは、この補正を行うための補正SWを準備することとする。
【0029】
図4中、ステップ(以下、単に「S」を付す)101において、補正SWをONした後、真の中立点を求めるために、S102において時速30km/h以上で直線走行する。S103において車速センサからの車速パルス14が時速30km/h以上であることを確認したら、この時点でマイコンが舵角カウンタ2をリセットする。そして、直線走行しているステアリングホイールの位置を真の中立点(絶対中立位置)とするのである。
【0030】
次に、S104で車を停止して、S105においてステアリングホイールを左に1/4回転回してから、S106において右側に1/2回転回す(確実にSEN3を検出するための操作)。
この操作で、SEN3の立ち上がりエッジを検出するので、その時点のカウンタ値をマイコンが記録し、補正値として保持する。実際には、図5のようにSEN3の信号パルス幅が広いため、正確な中点を求めるのにSEN1を使う。具体的には、SEN3の立上りエッジを検出したら、更にSEN1の立上りを5回数えた時点でSEN3の中点として、この時点の舵角カウンタ2の値を補正値として記憶する(S107)。
【0031】
ここで、図5において、SEN3のパルス幅は角度で20°、SEN1のパルス幅は角度で2°に相当するため、SEN1を5個数えるとSEN3信号パルスのほぼ中心付近になる。なお、SEN1を5個数える代わりにSEN3の立上りエッジでカウンタ値を+5あるいは−5とすることで代用することもできる。たとえば右回転でSEN3の立上りエッジを検出した場合は+5で、左回転の時は−5となる。
【0032】
ところで、上述した構成において、舵角カウンタ2は、進路予想線表示を行わない場合にも常に動作しており、ステアリングホイールの位置(角度情報)を常に把握している必要がある。
図6は通常走行時における舵角カウンタ2の動作を示すフローチャートである。まず、S201においてエンジンを始動したら、S202においてEEPROM3に保存してあるデータを舵角カウンタ2にロードし、現状のステアリングホイールの位置と舵角カウンタ2の値を合わせる。
【0033】
ただし、エンジン停止状態でステアリングホイールを回した場合には、実際のステアリングホイールの位置と舵角カウンタ2の値が異なる事が考えられる。そこで、エンジン始動直後は、舵角カウンタの値が正しいかチェック操作が必要となる。そして、このチェック操作が終了するまでは、後進走行時の車両の進路予想線表示は行わないこととする。すなわち、S203において、進路予想線表示を無効にする。
【0034】
チェックは、次のように行う。まず、S204において車を発進し、S205で時速30km/h以上で直線走行してていることを確認する。次で、S206において、この時の舵角カウンタ2の値が補正値と等しい事を確認する。
等しければ、S207に進み、進路予想線表示を有効にする。もし、等しくなければ、S208に進み、直線走行中に舵角カウンタ2をリセットする。つまり、舵角カウンタを真の中点でリセットするのである。
【0035】
次に、S209において、運転中にステアリングホイールを回してSEN3の立上りエッジを検出したら、S210において、SEN1の立上りエッジを5回数えて舵角カウンタをリセットする。そして、上述したS207に進み、進路予想線表示を有効にする。
【0036】
ここで、最初に真の中点でリセットするのは、真の中立位置信号(SEN3)を見いだすためである。なお、この一連のチェック動作は、運転者に意識して行ってもらうのではなく、通常の運転中に自動的に行われるものである。
【0037】
また、上述したような通常走行時において、舵角カウンタ2のカウントアップ、ダウンは、SEN1の立上りエッジで割り込みをかけて行う。図7にこの舵角カウント2の割り込み処理のフローチャートを示す。
すなわち、S301においてSEN1の立上りエッジを検知したら、S302においてSEN2のレベルがLOWであるか否かを判断する。そうであれば、右回転と判断してS303に進み、舵角カウンタ2を+1とし、そうでなければ左回転と判断してS304に進み、舵角カウンタ2を−1とし、いずれかの値をS305においてEEPROM3に記録する。
【0038】
さらに、中立位置信号(SEN3)による舵角カウンタ2のリセットも割込処理で行う。図8にこの中立位置リセットのフローチャートを示す。
まず、S401において、SEN3の立ち上がりエッジを検知したら、S402に進み、舵角カウンタ値を読んで、ほぼ”0”なら、そのままS403に進んでSEN1の立上りエッジを5回数えて舵角カウンタをリセットする。もし、舵角カウンタ値が”0”からかけ離れている場合には、偽の中立信号として無視する。
【0039】
図9は、上述した構成において、進路予測軌跡表示をリバースギヤ信号が入ってきた時に行うフローチャートを示す。
まず、S501においてリバースギヤ信号を検知したら、S502において進路予測線表示が有効かを確認する。これは、前述した図6においての“通常走行時の舵角カウンタの動作”で示した“ステアリングホイールの位置と舵角カウンタの値の”チェック“が済んでいるかの確認である。
【0040】
有効を確認したら、S503、S504に進み、舵角カウンタ値を読んで補正値を加減し、次でS505においてこの値を基に表示パターンを選択し、S506でパターンアドレスを指定してから、S501に戻る。ここで、選択手段は、簡単な演算による方法、あらかじめ変換テーブルを準備しておく方法等が考えられる。
【0041】
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造等には限定されず、各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。
たとえば上述した実施の形態では、本発明に係る中立位置検出装置を、車両の後進時における車両進路予想線表示装置に適用した場合を例として説明したが、これに限定されないことは言うまでもない。要は、ステアリングホイールの絶対中立位置を正確に検出することにより、種々の用途に利用するとよい。
【0042】
また、上述した実施の形態では、ステアリングホイールの回転角度と回転方向、さらに原点位置を検出するために、原点出力付きロータリーエンコーダを用いた場合を例として説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、ステアリングホイールの回転角度と回転方向とを検出できる軸回転検出手段を設けるとともに、別に設けたステアリングホイールの回転方向での中立点を検出できる検出手段を設け、これらの手段によって、ステアリングホイールの中立位置検出装置を構成してもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るステアリングホイールの中立位置検出装置によれば、車両に標準装備されているセンサ類、たとえば原点出力付きロータリーエンコーダによる舵角情報を巧みに利用することにより、ステアリングホイールの絶対中立位置を正確に検出することができる。したがって、たとえば車両の後進時において車両進路予想線表示を行う際に適切かつ確実な表示を行える。
【0044】
また、本発明によれば、車速が所定速度以上(たとえば30Km/h以上)であって、その信号が有効であると判断したときに、中立位置検出装置を構成する舵角カウンタをカウンタリセットするとともに、車両の停止時にステアリングホイールを適宜回転することで中立位置ずれ補正を行うように構成しているから、簡単でしかも適切な方法により、ステアリングホイールの中立位置検出精度を向上させることが簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るステアリングホイールの中立位置検出装置の一つの実施の形態を示し、本発明を適用した車両進路予想線表示装置の概要を説明するためのブロック図である。
【図2】ステアリングホイールの回転方向を検出する手法を説明するための概略説明図である。
【図3】ステアリングホイールの位置、絶対回転角、パルス数の関係を示す概略説明図である。
【図4】本発明に係るステアリングホイールの中立位置検出装置において、中立位置ズレ補正を行う際のフローチャートである。
【図5】ステアリングホイールの中立位置信号を得るSEN3の信号を示す概略説明図である。
【図6】車両の通常走行時において、舵角カウンタの動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】舵角カウンタの割り込み処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】中立位置リセットの割り込み処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】進路予測線表示を行う際のフローチャートである。
【符号の説明】
1…車両進路予想線表示装置用のマイクロコンピュータ
2…舵角カウンタ(カウンタ手段)
3…カウンタ値バックアップ用EEPROM
4…アドレス演算回路(orテーブル)
5…フラッシュメモリ
6…車速検知部
10…原点出力付きロータリーエンコーダ(軸回転検出手段)
11…第1のセンサ(SEN1)
12…第2のセンサ(SEN2)
13…第3のセンサ(SEN3)
14…車速パルス(車速センサ)
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステアリングホイールの絶対的な中立位置(以下、絶対中立位置という)を検出するために用いられるステアリングホイールの中立位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば自動車を後進させて車庫入れなどを行う際に、運転者の操縦を支援するシステムとして、ビットマップスーパーインポーズ方式を応用した車両進路予想線表示装置が知られている。当該装置は、運転者の死角となる自動車の後方視界とと共に車両の進路予想線をモニタ表示するものであり、運転者はこの車両後進時の予想進路を確認しながら自動車を操縦できるから、障害物回避等を容易に行える等、有用性は大きい。
【0003】
ところで、この種の車両進路予想線表示装置では、自動車のステアリングホイールの操舵角や車速を正確に検出することが必要である。これは、ステアリングホイールがどこまで切られているか否か、さらには車速がどの程度であるかが、車両の進路予想にあたって必要な情報であるからである。
そのうち、ステアリングホイールは、左、右にそれぞれ2回転半づつ回転操作されることから、その操舵角を検出するには、ステアリングホイールの絶対中立位置を知ることが特に重要となっている。
【0004】
この種のステアリングホイールの中立位置を検出するにあたって従来一般には、角速度センサ(ヨーレートセンサ)をステアリングホイールの軸に設け、この角速度センサを用いることで、自動車が直線走行していることを検出し、その結果としてステアリングホイールの中立位置を求めていた(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−107147号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来装置では、ステアリングホイールの角速度を検出するためのヨーレートセンサを、ステアリングシャフトに追加して設けることが必要であり、部品点数が増え、コスト高となるばかりでなく、検出精度面でも問題であった。
すなわち、この種の自動車には、車速センサを始めとして種々のセンサ類が標準装備されているが、上述したようなステアリングホイールの角速度を検出するヨーレートセンサは搭載されておらず、これを自動車内でステアリングホイールの軸回りに組み込むには、組み込みスペースを確保することも必要で、煩雑さは避けられないものであった。
【0007】
また、ステアリングホイールの角速度をヨーレートセンサで検出することによって中立位置を求める方法では、その検出方法が原因となって必然的に中立点位置の補正を常時に行うことが必要であり、面倒かつ煩雑な補正制御が必要で、しかも精度のよい中立位置の検出を正確に行ううえで問題をもつものであった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、車両に標準装備されているセンサ類を利用することにより、特別なセンサを追加することなく、ステアリングホイールの絶対中立位置を精度よく正確に検出することができるステアリングホイールの中立位置検出装置を得ることを目的とする。
【0009】
また、本発明は、ステアリングホイールの絶対中立位置を得るにあたっての補正を簡単に行えるようにしたステアリングホイールの中立位置検出装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的に応えるために本発明(請求項1記載の発明)に係るステアリングホイールの中立位置検出装置は、ステアリングホイールの軸に付設され、該軸の回転情報を検出する軸回転検出手段を備えており、この軸回転検出手段は、該軸の回転角度および回転方向を検出するための第1および第2のセンサを有するとともに、前記軸の回転方向における中立点を検出するための第3のセンサを有し、前記第1および第2のセンサからの出力信号をカウントするカウンタ手段を設けるとともに、このカウンタ手段を、前記第3のセンサによる中立点検出時または所定速度以上の車速での車両走行時にカウンタリセットするように構成したことを特徴とする。
【0011】
本発明(請求項2記載の発明)に係るステアリングホイールの中立位置検出装置は、請求項1において、中立位置ズレ補正を行う補正スイッチを備えており、この補正スイッチをオンするとともに所定速度以上の車速で車両を直線走行させたときに、前記カウンタ手段をカウンタリセットし、次で車両を停止してステアリングホイールを左、右に所定角度宛回転操作したときに前記回転角度を検出するセンサからの信号をカウントすることにより、ステアリングホイールの中立位置の補正値を得るように構成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明(請求項3記載の発明)に係るステアリングホイールの中立位置検出装置は、請求項1または請求項2において、軸回転検出手段は、原点出力付きロータリエンコーダであることを特徴とする。ここで、このロータリーエンコーダの2相のパルス出力が第1、第2のセンサ(SEN1,SEN2)であり、原点が第3のセンサ(SEN3)である。
【0013】
本発明によれば、車両に標準装備されているセンサ類、たとえば原点出力付きロータリーエンコーダによる舵角情報を巧みに利用することにより、ステアリングホイールの絶対中立位置(つまり操舵輪が真っ直ぐで直線走行可能な位置)を精度よく正確に検出することが可能となる。
【0014】
また、本発明によれば、車速が所定速度以上(たとえば30Km/h以上)であって、その信号が有効であると判断したときに、中立位置検出装置を構成する舵角カウンタをカウンタリセットするとともに、車両の停止時にステアリングホイールを適宜回転することで中立位置ずれ補正を行うように構成しているから、簡単でしかも適切な方法により、ステアリングホイールの中立位置検出精度を向上させることが簡単に行える。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1ないし図9は本発明に係るステアリングホイールの中立位置検出装置の一つの実施の形態を示すものであり、この実施の形態では、本発明装置を、車両進路予想線表示装置に適用した場合を例として説明する。
【0016】
図1において、本発明に係るステアリングホイールの中立位置検出装置の概略構成を以下に説明する。
図1中、符号1は、車両進路予測表示装置を構成するマイクロコンピュータ1を示すものであり、その内部には、アップダウンカウンタである舵角カウンタ2が設けられ、この舵角カウンタ2でカウントされた値が、カウンタ値バックアップ用のEEPROM3に記憶されたり、読み出されたりするように構成されている。
【0017】
4はアドレス演算回路、5は複数のパターンが記憶されているフラッシュメモリであり、ここで選択された進路予測パターンがゲート部20を介してスーパーインポーズ表示されるようになっている。なお、この実施の形態では、車両の進路予想線表示にあたっての具体的な手法についての詳細な説明は省略する。
【0018】
6は車速検知部6であり、車両に標準装備されている車速センサからの車速パルス14が車速情報として入力され、たとえば30Km/h以上であるときに信号を出力するようになっている。
【0019】
10は車両に標準装備されている原点出力付きロータリーエンコーダであり、このロータリーエンコーダ10は、図示しないステアリングホイールのステアリング軸(ハンドル軸)にギヤで連結することで付設されている。このロータリエンコーダ10の2相のパルス出力が、第1および第2のセンサ11,12(以下、SEN1,SEN2という)であり、原点が第3のセンサ13(以下、SEN3という)である。ここで、SEN1,SEN2はパルス幅が小さく、これに比べてSEN3のパルス幅は長くなっている。
【0020】
前記SEN1,SEN2の出力信号は、舵角情報(角度情報と回転方向情報)として前記舵角カウンタ2に送られ、ここでステアリングホイールが左、右のいずれの方向の回転であるか、どの位の回転角度であるかが、入力されてカウントされる。
【0021】
ここで、回転角度は、SEN1またはSEN2のパルスの数を数えることで得られる。なお、1パルスの分解能は2°である。
また、回転方向は、図2に示すように、SEN1のパルスの立上りエッジを検出して、そのときのSEN2のレベルを見ることで決定する。LOWの時は右回転、HIの時は左回転である。
【0022】
これらの角度情報、回転方向情報は、マイクロコンピュータ1の内部の舵角カウンタ2に入力される。この舵角カウンタ2は、アップダウンカウンタであるから、右回転で1パルス入力すれば“1”をインクリメントし、左回転で1パルス入力すれば“1”をデクリメントするように構成されている。
【0023】
ここで、このままでは絶対角度が得られないので、中立位置を示す信号が必要となり、この信号で舵角カウンタ2をリセットすることが必要となる。すなわち、このように舵角カウンタ2をステアリングホイールが中立位置にあるときに一旦リセットすれば、絶対角度が得られることになる。そして、車両進路予想線表示装置では、このカウンタ値から対応するパターンを選択することで、所望の表示を行えることになる。
【0024】
前記マイクロコンピュータ1には、ロータリエンコーダ10の原点を検出するSEN3から中立位置検出用パルスが入力されている。
しかし、このパルスは、ステアリングホイール1回転につき中点が1回出力されるものである。通常、ステアリングホールは左、右に2回転半づつ回転可能で、たとえば左から右の末切りを行うと5回転するから、中立信号が5回出ることになる。つまり、真の中立点のみを選択する工夫が必要となる。具体的には、SEN3を検出したら舵角カウンタを見て0に近い値だったら、真の中立点とみなし、大きく外れた値だったら偽信号とみなす。真の中立点と偽の中立点の間はパルス数で180程度離れているので十分区別がつく。
【0025】
図3にステアリングホイールの位置と絶対回転角、パルス数の関係を示す。この図3において、ステアリングホイールは、中立点をセンターとして左、右2.5回転する。この時、最大回転角度は±900°であり、SEN1(あるいはSEN2)の最大パルス数は±450個である。つまり、このパルス数を計数すればステアリングホイールの絶対角度が得られることになる。
そして、このパルス数に進路予測パターンを割り振っておけば、容易に所望の表示パターンを選択できるのである。
【0026】
なお、図1中、7,8はアンドゲート、9はオアゲートであり、上述したようにSEN3での中立位置検出用パルスと中立位置検出が有効であるとの判断がなされるか、あるいは車速検出部6で車速が30Km/h以上であって、車速検知が有効であると判断されたときに、舵角センサ2がカウンタリセットされるようになっている。
【0027】
上述した説明から明らかなように、本発明に係るステアリングホイールの中立位置検出装置では、車両に標準装備されている原点出力付きロータリーエンコーダ10を用い、その2つの検出出力であるSEN1とSEN2とを舵角カウンタ2でカウントするとともに、原点検出を行うSEN3からの中立位置検出用パルスとその中立位置検出が有効であるとの判断、さらに車速センサからの車速パルス14により車速が30Km/h以上であるとの判断とその車速検知が有効であるとの判断を利用し、前記舵角カウンタ2をカウンタリセットすることにより、ステアリングホイールの絶対的な中立位置を正確に検出することができるのである。
【0028】
ここで、上述した構成による中立位置検出装置によれば、ステアリングホイールの中立位置のズレ補正を行うことが必要となる。すなわち、中立位置検出用信号としてSEN3を使用するが、センサの取り付け誤差、タイヤの交換等で真の中立位置と異なる場合が考えられる。そのために、そのズレを補正する必要があり、その手法を以下に述べる。
図4はその中立位置のズレ補正を行うフローチャートである。この補正は、機器、タイヤの取り付け時、変更時のみに行うことを前提としているので、ここでは、この補正を行うための補正SWを準備することとする。
【0029】
図4中、ステップ(以下、単に「S」を付す)101において、補正SWをONした後、真の中立点を求めるために、S102において時速30km/h以上で直線走行する。S103において車速センサからの車速パルス14が時速30km/h以上であることを確認したら、この時点でマイコンが舵角カウンタ2をリセットする。そして、直線走行しているステアリングホイールの位置を真の中立点(絶対中立位置)とするのである。
【0030】
次に、S104で車を停止して、S105においてステアリングホイールを左に1/4回転回してから、S106において右側に1/2回転回す(確実にSEN3を検出するための操作)。
この操作で、SEN3の立ち上がりエッジを検出するので、その時点のカウンタ値をマイコンが記録し、補正値として保持する。実際には、図5のようにSEN3の信号パルス幅が広いため、正確な中点を求めるのにSEN1を使う。具体的には、SEN3の立上りエッジを検出したら、更にSEN1の立上りを5回数えた時点でSEN3の中点として、この時点の舵角カウンタ2の値を補正値として記憶する(S107)。
【0031】
ここで、図5において、SEN3のパルス幅は角度で20°、SEN1のパルス幅は角度で2°に相当するため、SEN1を5個数えるとSEN3信号パルスのほぼ中心付近になる。なお、SEN1を5個数える代わりにSEN3の立上りエッジでカウンタ値を+5あるいは−5とすることで代用することもできる。たとえば右回転でSEN3の立上りエッジを検出した場合は+5で、左回転の時は−5となる。
【0032】
ところで、上述した構成において、舵角カウンタ2は、進路予想線表示を行わない場合にも常に動作しており、ステアリングホイールの位置(角度情報)を常に把握している必要がある。
図6は通常走行時における舵角カウンタ2の動作を示すフローチャートである。まず、S201においてエンジンを始動したら、S202においてEEPROM3に保存してあるデータを舵角カウンタ2にロードし、現状のステアリングホイールの位置と舵角カウンタ2の値を合わせる。
【0033】
ただし、エンジン停止状態でステアリングホイールを回した場合には、実際のステアリングホイールの位置と舵角カウンタ2の値が異なる事が考えられる。そこで、エンジン始動直後は、舵角カウンタの値が正しいかチェック操作が必要となる。そして、このチェック操作が終了するまでは、後進走行時の車両の進路予想線表示は行わないこととする。すなわち、S203において、進路予想線表示を無効にする。
【0034】
チェックは、次のように行う。まず、S204において車を発進し、S205で時速30km/h以上で直線走行してていることを確認する。次で、S206において、この時の舵角カウンタ2の値が補正値と等しい事を確認する。
等しければ、S207に進み、進路予想線表示を有効にする。もし、等しくなければ、S208に進み、直線走行中に舵角カウンタ2をリセットする。つまり、舵角カウンタを真の中点でリセットするのである。
【0035】
次に、S209において、運転中にステアリングホイールを回してSEN3の立上りエッジを検出したら、S210において、SEN1の立上りエッジを5回数えて舵角カウンタをリセットする。そして、上述したS207に進み、進路予想線表示を有効にする。
【0036】
ここで、最初に真の中点でリセットするのは、真の中立位置信号(SEN3)を見いだすためである。なお、この一連のチェック動作は、運転者に意識して行ってもらうのではなく、通常の運転中に自動的に行われるものである。
【0037】
また、上述したような通常走行時において、舵角カウンタ2のカウントアップ、ダウンは、SEN1の立上りエッジで割り込みをかけて行う。図7にこの舵角カウント2の割り込み処理のフローチャートを示す。
すなわち、S301においてSEN1の立上りエッジを検知したら、S302においてSEN2のレベルがLOWであるか否かを判断する。そうであれば、右回転と判断してS303に進み、舵角カウンタ2を+1とし、そうでなければ左回転と判断してS304に進み、舵角カウンタ2を−1とし、いずれかの値をS305においてEEPROM3に記録する。
【0038】
さらに、中立位置信号(SEN3)による舵角カウンタ2のリセットも割込処理で行う。図8にこの中立位置リセットのフローチャートを示す。
まず、S401において、SEN3の立ち上がりエッジを検知したら、S402に進み、舵角カウンタ値を読んで、ほぼ”0”なら、そのままS403に進んでSEN1の立上りエッジを5回数えて舵角カウンタをリセットする。もし、舵角カウンタ値が”0”からかけ離れている場合には、偽の中立信号として無視する。
【0039】
図9は、上述した構成において、進路予測軌跡表示をリバースギヤ信号が入ってきた時に行うフローチャートを示す。
まず、S501においてリバースギヤ信号を検知したら、S502において進路予測線表示が有効かを確認する。これは、前述した図6においての“通常走行時の舵角カウンタの動作”で示した“ステアリングホイールの位置と舵角カウンタの値の”チェック“が済んでいるかの確認である。
【0040】
有効を確認したら、S503、S504に進み、舵角カウンタ値を読んで補正値を加減し、次でS505においてこの値を基に表示パターンを選択し、S506でパターンアドレスを指定してから、S501に戻る。ここで、選択手段は、簡単な演算による方法、あらかじめ変換テーブルを準備しておく方法等が考えられる。
【0041】
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造等には限定されず、各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。
たとえば上述した実施の形態では、本発明に係る中立位置検出装置を、車両の後進時における車両進路予想線表示装置に適用した場合を例として説明したが、これに限定されないことは言うまでもない。要は、ステアリングホイールの絶対中立位置を正確に検出することにより、種々の用途に利用するとよい。
【0042】
また、上述した実施の形態では、ステアリングホイールの回転角度と回転方向、さらに原点位置を検出するために、原点出力付きロータリーエンコーダを用いた場合を例として説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、ステアリングホイールの回転角度と回転方向とを検出できる軸回転検出手段を設けるとともに、別に設けたステアリングホイールの回転方向での中立点を検出できる検出手段を設け、これらの手段によって、ステアリングホイールの中立位置検出装置を構成してもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るステアリングホイールの中立位置検出装置によれば、車両に標準装備されているセンサ類、たとえば原点出力付きロータリーエンコーダによる舵角情報を巧みに利用することにより、ステアリングホイールの絶対中立位置を正確に検出することができる。したがって、たとえば車両の後進時において車両進路予想線表示を行う際に適切かつ確実な表示を行える。
【0044】
また、本発明によれば、車速が所定速度以上(たとえば30Km/h以上)であって、その信号が有効であると判断したときに、中立位置検出装置を構成する舵角カウンタをカウンタリセットするとともに、車両の停止時にステアリングホイールを適宜回転することで中立位置ずれ補正を行うように構成しているから、簡単でしかも適切な方法により、ステアリングホイールの中立位置検出精度を向上させることが簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るステアリングホイールの中立位置検出装置の一つの実施の形態を示し、本発明を適用した車両進路予想線表示装置の概要を説明するためのブロック図である。
【図2】ステアリングホイールの回転方向を検出する手法を説明するための概略説明図である。
【図3】ステアリングホイールの位置、絶対回転角、パルス数の関係を示す概略説明図である。
【図4】本発明に係るステアリングホイールの中立位置検出装置において、中立位置ズレ補正を行う際のフローチャートである。
【図5】ステアリングホイールの中立位置信号を得るSEN3の信号を示す概略説明図である。
【図6】車両の通常走行時において、舵角カウンタの動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】舵角カウンタの割り込み処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】中立位置リセットの割り込み処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】進路予測線表示を行う際のフローチャートである。
【符号の説明】
1…車両進路予想線表示装置用のマイクロコンピュータ
2…舵角カウンタ(カウンタ手段)
3…カウンタ値バックアップ用EEPROM
4…アドレス演算回路(orテーブル)
5…フラッシュメモリ
6…車速検知部
10…原点出力付きロータリーエンコーダ(軸回転検出手段)
11…第1のセンサ(SEN1)
12…第2のセンサ(SEN2)
13…第3のセンサ(SEN3)
14…車速パルス(車速センサ)
Claims (3)
- ステアリングホイールの軸に付設され、該軸の回転情報を検出する軸回転検出手段を備えており、
この軸回転検出手段は、該軸の回転角度および回転方向を検出するための第1および第2のセンサを有するとともに、前記軸の回転方向における中立点を検出するための第3のセンサを有し、
前記第1および第2のセンサからの出力信号をカウントするカウンタ手段を設けるとともに、このカウンタ手段を、前記第3のセンサによる中立点検出時または所定速度以上の車速での車両走行時にカウンタリセットするように構成したことを特徴とするステアリングホイールの中立位置検出装置。 - 請求項1記載のステアリングホイールの中立位置検出装置において、
中立位置ズレ補正を行う補正スイッチを備えており、
この補正スイッチをオンするとともに所定速度以上の車速で車両を直線走行させたときに、前記カウンタ手段をカウンタリセットし、次で車両を停止してステアリングホイールを左、右に所定角度宛回転操作したときに前記回転角度を検出するセンサからの信号をカウントすることにより、ステアリングホイールの中立位置の補正値を得るように構成されていることを特徴とするステアリングホイールの中立位置検出装置。 - 請求項1または請求項2記載のステアリングホイールの中立位置検出装置において、
前記軸回転検出手段は、原点出力付きロータリエンコーダであることを特徴とするステアリングホイールの中立位置検出装置。
Priority Applications (1)
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JP2002261137A JP2004101267A (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | ステアリングホイールの中立位置検出装置 |
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JP2010060369A (ja) * | 2008-09-02 | 2010-03-18 | Honda Motor Co Ltd | 操舵角検出装置 |
-
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- 2002-09-06 JP JP2002261137A patent/JP2004101267A/ja active Pending
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