JP2004100995A - 灯油気化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼を安定させるとともに、燃焼部の温度、燃焼を検知するフレーム電流等を安定させ、安全性の高い燃焼装置の灯油気化装置を提供する。
【解決手段】運転開始時、制御部61により気化器ヒータ48へ全波電源と半波電源のどちらかで通電を開始し、又、その後、気化器27の温度が所定値になると、それを温度検知器60が検知し、その後、さらに、制御部61により半波電源を周期的にON−OFFする電源に切り替えて気化器27の温度を制御する。
【選択図】 図4
【解決手段】運転開始時、制御部61により気化器ヒータ48へ全波電源と半波電源のどちらかで通電を開始し、又、その後、気化器27の温度が所定値になると、それを温度検知器60が検知し、その後、さらに、制御部61により半波電源を周期的にON−OFFする電源に切り替えて気化器27の温度を制御する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気化器内で気化した灯油をノズルから噴出させて燃焼させる気化ブンゼン式燃焼装置の灯油気化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種燃焼装置として、特開2000−329310号公報及び特開2000−329311号公報に示すようなものがあり、また、灯油気化制御装置として特開平10−132266号公報及び特開平11−248152号公報に示すものがある。
【0003】
この従来例を本発明と共通の図1、図2、図3及び図5を用いて説明する。このうち、図5は従来例のみの構造を説明するためのものである。
【0004】
図において、1は本体ケース、2はこの本体ケース1の底部に配置された油受けタンク、3はこの油受けタンク2へ灯油を供給するためのカートリッジタンクであり、油受けタンク2の上部に着脱自在に設置されるものである。
【0005】
4は油受けタンク2から灯油を汲み出すポンプ、27はこのポンプ4から供給される灯油を加熱して気化させる気化器、33はこの気化器27とポンプ4を接続する灯油供給管である。
【0006】
7は気化器27で気化した燃料ガスを燃焼させるバーナ部で、金網からなる炎孔42を備えている。8はこのバーナ部7を覆う燃焼筒、9はこの燃焼筒8の前面上部に設けた燃焼ガス排出口、10は燃焼筒8の背面に設置した送風ファン、11は燃焼ガス排出口9から排出される高温の燃焼ガスと送風ファン10から送風される空気とが混合して生じる温風を吐き出す為の吐出口で、本体ケース1の前面下部に設けられている。
【0007】
27は前記した気化器で、黄銅材の鍛造物を適宜切削加工して作られている。13はポンプ4から送り込まれてくる燃料を気化させる中空円筒状の気化室で、気化器27の中に設けられている。29はこの気化室13内に設置された気化促進用のウィックで、熱伝導率の良好な金属網状体、金属綿状体、多孔質金属体多孔質セラミック等で作られ、真中が中空部30となっている。24は受熱フィンで気化器27と一体に鍛造成形されており、その先端はバーナ部7の炎孔42に臨んでいる。
【0008】
32は気化器27の一端側で、ウィック29の挿入側を塞ぐキャップで、熱伝導率の比較的悪いステンレス材で作られたものであり、両者はロー付けにより気密に接続されている。
【0009】
33は気化室13内に液体の灯油を供給するための灯油供給管で、上述したキャップ32の小径絞り部32aに接続されている。
【0010】
48は気化器27を加熱する気化器ヒータで、シーズヒータよりなり、図示するようにUターン形に折り曲げられてその平行部分が気化器27の両脇に沿って取り付けられたものであり、キャップ32と反対側のノズル34側のUターン部分については気化器27の加熱にそれ程寄与しないことから、その部分の発熱量が控えめとなるように抵抗発熱体57のコイルピッチを他の部分より疎にしている。
【0011】
49、50は気化器27の両脇において気化器ヒータ48の平行部分を嵌め込むための上閉じ形のヒータ溝、51、52はそれらヒータ溝49、50の下部開口縁部の加締め代である。気化器ヒータ48はヒータ溝49、50に嵌め込まれたあと、これら加締め代51、52の加締め加工を経て気化器27に強固に固定されるものである。
【0012】
60は気化器27に取り付けられた温度検知器で、気化器27の温度が設定温度になるように気化器ヒータ48を制御するものである。
【0013】
61は気化器ヒータ48の制御部で、気化器ヒータ48に全波電源と半波電源を供給できるようにしている。
【0014】
このように構成された従来の燃焼装置において、気化器ヒータ48に制御部61を介して全波電源と半波電源のどちらかが通電され、気化器27が灯油の気化温度に達する。
【0015】
気化器27が灯油の気化温度に達すると、油受けタンク2の灯油は電磁ポンプ4によって気化器27に供給され、気化器ヒータ48の加熱によって気化され、気化した灯油ガスがノズル34からバーナ部7内に噴出する。このとき、その噴出ガスのエゼクター作用により一次空気がバーナ部7内に吸引され、灯油ガスと一次空気はバーナ部7の混合管内で混合された後、炎孔42から噴出し、ここで点火装置(図示せず)により点火されて燃焼炎となる。そしてフレームロットからの信号を受けるフレームセンサー(図示せず)によって炎の有無状態を確認し、炎有りの場合は継続して燃焼する。
【0016】
燃焼炎が形成された後は、受熱フィン24が燃焼炎にさらされる為、気化器ヒータ48の助けを借りる事なく気化器27の温度を灯油の気化温度に保つことが可能となるが、周囲の条件によってはさらに温度検知器60の温度検知により、制御部61を介して気化器ヒータ48に半波電源で通電が行われ、気化器27は所定の温度を維持して灯油の気化を十分に行い、燃焼が良好に継続される。
【0017】
そして、この時に生じた燃焼ガスは、バーナ部7の周囲を覆うように配設された燃焼筒8内で上方に導かれ、燃焼筒8の出口で送風ファン10からの空気と混合し、温風となって吐出口11から排出されて暖房に利用される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の燃焼装置は、気化室13内の灯油を気化温度に加熱する為の熱源部、すなわち気化器ヒータ48と受熱フィン24のいずれもが気化器27の外側に設けられているため、これらの熱源部から供給される熱が温度検知器60に伝わるまでに時間的遅れがあり、温度検知器60の温度が上がり、OFF温度になったときには熱源部ではそれ以上の高い温度になってしまう。このため、温度検知器60でOFF温度になった後でも熱源部から気化器27に高い温度が伝わり、温度検知器60がその熱で加熱されるため、オーバーシュートにより制御幅が大きく変化するという性質が見られる。
【0019】
そして、このオーバーシュートにより気化器27の制御温度が高いときは気化器27内のガス圧が高くなり、ガスの噴出力が増え、燃焼用一次空気が増加し、また、逆に、制御温度が低い時は、気化器内のガス圧が低くなり、ガスの噴出力が減り、燃焼用一次空気が低下するといった繰り返しの制御のため、燃焼が不安定になるだけでなく、燃焼部の温度、燃焼を検知するフレーム電流等が不安定になるといった問題があった。
【0020】
本発明は、上記の問題を解決するものであり、燃焼を安定させるとともに、燃焼部の温度、燃焼を検知するフレーム電流等を安定させ、安全性の高い燃焼装置の灯油気化装置を提供するものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の具体的解決手段は、気化器と、この気化器内に形成された中空円筒状の気化室と、気化室内に設置されたウィックと、前記気化室の長手方向の一端側に設けられたノズルと、このノズルから噴出する燃料ガスを燃焼させるバーナ部と、前記気化室の他端側に接続された灯油供給管と、前記気化器に設けられてバーナ部からの燃焼熱を回収する受熱フィンと、そして気化器の外側に取り付けられた気化器ヒータとで構成されるものにおいて、前記気化器ヒータに全波電源と半波電源のどちらに加えて半波電源を周期的にON−OFFする電源を供給する制御部を接続したものである。
【0022】
上記の構成によって、半波電源使用時は通常の半波電源と周期的にON−OFFを繰り返す半波電源を切り替えて使用できるものであり、この半波電源を周期的にON−OFFする電源とした場合には、気化器ヒータに供給するワット数を更に低く抑えることができ、熱源部から供給される熱をゆっくり気化器の温度検知器に伝えることができるため、温度検知器でOFF温度になった時でも熱源部との高い温度差はなく、また、逆に温度検知器でON温度になった時でも熱源部からの熱がゆっくり伝わるので、温度検知器との温度差が少なく、オーバーシュートにより温度幅が大きくなるということはなくなる。
【0023】
これによって、燃焼を安定させるとともに、燃焼部の温度、燃焼を検知するフレーム電流等を安定させ、安全性の高い燃焼装置の灯油気化装置を提供できるものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施例を図1から図4を用いて上記従来例との相違点のみ説明する。
【0025】
図において、60は気化器27に取り付けた温度検知器であり、気化器ヒータ48及び受熱フィン24によって加熱される気化器27の温度を検知するものである。61は制御部で、温度検知器60と気化器ヒータ48とを電気的に接続し、かつ、電源に連ねたもので、気化器ヒータ48に全波電源と半波電源のどちらかに加えて、半波電源を周期的にON−OFFするする電源も供給できるようにしたものである。
【0026】
本発明の実施例は、上記のように構成されたものであり、次にその作用を説明する。
【0027】
運転開始操作がなされると、図4(c)(b)に示すように、制御部61が気化器ヒータ48へ全波電源と半波電源のどちらかで通電を開始する。
【0028】
すると気化器ヒータ48により平行部の54の発熱量がUターン部55のそれより多い為、消費される電力が効率よく気化器27の両脇を加熱し、気化器27を灯油の気化温度に素早く上昇させる。
【0029】
そして気化器27の温度が所定値になると、それを温度検知器60が検知し、その後、さらに、図4(a)に示すように、制御部61により半波電源を周期的にON−OFFする電源に切り替えて気化器27の温度を制御する。
【0030】
又、制御部61はポンプ4及びノズル34を開閉させるソレノイド(図示せず)をも作動させ、ノズル34から気化ガスをバーナ部7の混合管内に向けて噴射する。また、同時に点火装置(図示せず)を作動させる。
【0031】
ノズル34から気化ガスが混合管に向けて噴出すると、エゼクター作用が生じて一次空気吸引口を通して一次空気の吸引が始まり、混合管内でその一次空気との混合が開始される。そして、均一な混合ガスとなって炎孔42からバーナ部7外へ吐き出され、上述の点火装置によって点火されることにより、燃焼運転が開始されることになる。
【0032】
運転開始後は、気化室13内に設置されているウィック29が、熱伝導率の優れた銅の金網体により形成されているので、気化器ヒータ48から供給される熱がウィック29の中心部へ直線的に伝わり、ウィック29の外周部のみならず中心部の灯油も極めて効率よく加熱する。
【0033】
それゆえに、中心部においても気化が旺盛に行われることになり、ウィック29の外周部で気化した灯油の気化ガスがノズル34へ向かう間にウィック29の中心部の中空部30を通過しても冷却されることがなく、正常な燃焼を行わせるのに十分なガス温度でノズル34から噴射し、燃焼を継続する。
【0034】
上記の説明から明らかなように、本発明は、運転が開始されると、制御部61が気化器ヒータ48へ全波電源と半波電源のどちらかで通電を開始し、又、その後、気化器27の温度が所定値になると、それを温度検知器60が検知し、その後、さらに、制御部61により半波電源を周期的にON−OFFする電源に切り替えて温度検知器60により気化器27の温度を制御するようにしたものであり、これによって、気化器ヒータ48に供給されるワット数を更に低く抑えることができ、また、熱源部から供給される熱がゆっくり気化器27の温度検知器60に伝わるため、温度検知器60でOFF温度になった時でも熱源部との高い温度差はなく、また、逆に温度検知器60でON温度になった時でも熱源部からの熱がゆっくり伝わるので、温度検知器60との温度差が少なく、オーバーシュートにより温度幅が大きくなるということはなくなる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば気化器ヒータに全波電源と半波電源のどちらに加えて半波電源を周期的にON−OFFする電源を供給する制御部を接続したものである。
【0036】
これによって、半波電源使用時は通常の半波電源と周期的にON−OFFを繰り返す半波電源を切り替えて使用できるものであり、この半波電源を周期的にON−OFFする電源とした場合には、気化器ヒータに供給するワット数を更に低く抑えることができ、熱源部から供給される熱をゆっくり気化器の温度検知器に伝えることができるため、温度検知器でOFF温度になった時でも熱源部との高い温度差はなく、また、逆に温度検知器でON温度になった時でも熱源部からの熱がゆっくり伝わるので、温度検知器との温度差が少なく、オーバーシュートにより温度幅が大きくなるということはなくなる。
【0037】
これによって、燃焼を安定させるとともに、燃焼部の温度、燃焼を検知するフレーム電流等を安定させ、安全性の高い燃焼装置の灯油気化装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明及び従来例の灯油気化装置の一部縦断面図である。
【図2】同斜視図である。
【図3】同横断面図である。
【図4】本発明の気化器ヒータへの通電状態の説明図である。
【図5】従来例の灯油燃焼装置の縦断面図である。
【符号の説明】
7 バーナ部
13 気化室
24 受熱フィン
27 気化器
48 気化器ヒータ
60 温度検知器
61 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、気化器内で気化した灯油をノズルから噴出させて燃焼させる気化ブンゼン式燃焼装置の灯油気化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種燃焼装置として、特開2000−329310号公報及び特開2000−329311号公報に示すようなものがあり、また、灯油気化制御装置として特開平10−132266号公報及び特開平11−248152号公報に示すものがある。
【0003】
この従来例を本発明と共通の図1、図2、図3及び図5を用いて説明する。このうち、図5は従来例のみの構造を説明するためのものである。
【0004】
図において、1は本体ケース、2はこの本体ケース1の底部に配置された油受けタンク、3はこの油受けタンク2へ灯油を供給するためのカートリッジタンクであり、油受けタンク2の上部に着脱自在に設置されるものである。
【0005】
4は油受けタンク2から灯油を汲み出すポンプ、27はこのポンプ4から供給される灯油を加熱して気化させる気化器、33はこの気化器27とポンプ4を接続する灯油供給管である。
【0006】
7は気化器27で気化した燃料ガスを燃焼させるバーナ部で、金網からなる炎孔42を備えている。8はこのバーナ部7を覆う燃焼筒、9はこの燃焼筒8の前面上部に設けた燃焼ガス排出口、10は燃焼筒8の背面に設置した送風ファン、11は燃焼ガス排出口9から排出される高温の燃焼ガスと送風ファン10から送風される空気とが混合して生じる温風を吐き出す為の吐出口で、本体ケース1の前面下部に設けられている。
【0007】
27は前記した気化器で、黄銅材の鍛造物を適宜切削加工して作られている。13はポンプ4から送り込まれてくる燃料を気化させる中空円筒状の気化室で、気化器27の中に設けられている。29はこの気化室13内に設置された気化促進用のウィックで、熱伝導率の良好な金属網状体、金属綿状体、多孔質金属体多孔質セラミック等で作られ、真中が中空部30となっている。24は受熱フィンで気化器27と一体に鍛造成形されており、その先端はバーナ部7の炎孔42に臨んでいる。
【0008】
32は気化器27の一端側で、ウィック29の挿入側を塞ぐキャップで、熱伝導率の比較的悪いステンレス材で作られたものであり、両者はロー付けにより気密に接続されている。
【0009】
33は気化室13内に液体の灯油を供給するための灯油供給管で、上述したキャップ32の小径絞り部32aに接続されている。
【0010】
48は気化器27を加熱する気化器ヒータで、シーズヒータよりなり、図示するようにUターン形に折り曲げられてその平行部分が気化器27の両脇に沿って取り付けられたものであり、キャップ32と反対側のノズル34側のUターン部分については気化器27の加熱にそれ程寄与しないことから、その部分の発熱量が控えめとなるように抵抗発熱体57のコイルピッチを他の部分より疎にしている。
【0011】
49、50は気化器27の両脇において気化器ヒータ48の平行部分を嵌め込むための上閉じ形のヒータ溝、51、52はそれらヒータ溝49、50の下部開口縁部の加締め代である。気化器ヒータ48はヒータ溝49、50に嵌め込まれたあと、これら加締め代51、52の加締め加工を経て気化器27に強固に固定されるものである。
【0012】
60は気化器27に取り付けられた温度検知器で、気化器27の温度が設定温度になるように気化器ヒータ48を制御するものである。
【0013】
61は気化器ヒータ48の制御部で、気化器ヒータ48に全波電源と半波電源を供給できるようにしている。
【0014】
このように構成された従来の燃焼装置において、気化器ヒータ48に制御部61を介して全波電源と半波電源のどちらかが通電され、気化器27が灯油の気化温度に達する。
【0015】
気化器27が灯油の気化温度に達すると、油受けタンク2の灯油は電磁ポンプ4によって気化器27に供給され、気化器ヒータ48の加熱によって気化され、気化した灯油ガスがノズル34からバーナ部7内に噴出する。このとき、その噴出ガスのエゼクター作用により一次空気がバーナ部7内に吸引され、灯油ガスと一次空気はバーナ部7の混合管内で混合された後、炎孔42から噴出し、ここで点火装置(図示せず)により点火されて燃焼炎となる。そしてフレームロットからの信号を受けるフレームセンサー(図示せず)によって炎の有無状態を確認し、炎有りの場合は継続して燃焼する。
【0016】
燃焼炎が形成された後は、受熱フィン24が燃焼炎にさらされる為、気化器ヒータ48の助けを借りる事なく気化器27の温度を灯油の気化温度に保つことが可能となるが、周囲の条件によってはさらに温度検知器60の温度検知により、制御部61を介して気化器ヒータ48に半波電源で通電が行われ、気化器27は所定の温度を維持して灯油の気化を十分に行い、燃焼が良好に継続される。
【0017】
そして、この時に生じた燃焼ガスは、バーナ部7の周囲を覆うように配設された燃焼筒8内で上方に導かれ、燃焼筒8の出口で送風ファン10からの空気と混合し、温風となって吐出口11から排出されて暖房に利用される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の燃焼装置は、気化室13内の灯油を気化温度に加熱する為の熱源部、すなわち気化器ヒータ48と受熱フィン24のいずれもが気化器27の外側に設けられているため、これらの熱源部から供給される熱が温度検知器60に伝わるまでに時間的遅れがあり、温度検知器60の温度が上がり、OFF温度になったときには熱源部ではそれ以上の高い温度になってしまう。このため、温度検知器60でOFF温度になった後でも熱源部から気化器27に高い温度が伝わり、温度検知器60がその熱で加熱されるため、オーバーシュートにより制御幅が大きく変化するという性質が見られる。
【0019】
そして、このオーバーシュートにより気化器27の制御温度が高いときは気化器27内のガス圧が高くなり、ガスの噴出力が増え、燃焼用一次空気が増加し、また、逆に、制御温度が低い時は、気化器内のガス圧が低くなり、ガスの噴出力が減り、燃焼用一次空気が低下するといった繰り返しの制御のため、燃焼が不安定になるだけでなく、燃焼部の温度、燃焼を検知するフレーム電流等が不安定になるといった問題があった。
【0020】
本発明は、上記の問題を解決するものであり、燃焼を安定させるとともに、燃焼部の温度、燃焼を検知するフレーム電流等を安定させ、安全性の高い燃焼装置の灯油気化装置を提供するものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の具体的解決手段は、気化器と、この気化器内に形成された中空円筒状の気化室と、気化室内に設置されたウィックと、前記気化室の長手方向の一端側に設けられたノズルと、このノズルから噴出する燃料ガスを燃焼させるバーナ部と、前記気化室の他端側に接続された灯油供給管と、前記気化器に設けられてバーナ部からの燃焼熱を回収する受熱フィンと、そして気化器の外側に取り付けられた気化器ヒータとで構成されるものにおいて、前記気化器ヒータに全波電源と半波電源のどちらに加えて半波電源を周期的にON−OFFする電源を供給する制御部を接続したものである。
【0022】
上記の構成によって、半波電源使用時は通常の半波電源と周期的にON−OFFを繰り返す半波電源を切り替えて使用できるものであり、この半波電源を周期的にON−OFFする電源とした場合には、気化器ヒータに供給するワット数を更に低く抑えることができ、熱源部から供給される熱をゆっくり気化器の温度検知器に伝えることができるため、温度検知器でOFF温度になった時でも熱源部との高い温度差はなく、また、逆に温度検知器でON温度になった時でも熱源部からの熱がゆっくり伝わるので、温度検知器との温度差が少なく、オーバーシュートにより温度幅が大きくなるということはなくなる。
【0023】
これによって、燃焼を安定させるとともに、燃焼部の温度、燃焼を検知するフレーム電流等を安定させ、安全性の高い燃焼装置の灯油気化装置を提供できるものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施例を図1から図4を用いて上記従来例との相違点のみ説明する。
【0025】
図において、60は気化器27に取り付けた温度検知器であり、気化器ヒータ48及び受熱フィン24によって加熱される気化器27の温度を検知するものである。61は制御部で、温度検知器60と気化器ヒータ48とを電気的に接続し、かつ、電源に連ねたもので、気化器ヒータ48に全波電源と半波電源のどちらかに加えて、半波電源を周期的にON−OFFするする電源も供給できるようにしたものである。
【0026】
本発明の実施例は、上記のように構成されたものであり、次にその作用を説明する。
【0027】
運転開始操作がなされると、図4(c)(b)に示すように、制御部61が気化器ヒータ48へ全波電源と半波電源のどちらかで通電を開始する。
【0028】
すると気化器ヒータ48により平行部の54の発熱量がUターン部55のそれより多い為、消費される電力が効率よく気化器27の両脇を加熱し、気化器27を灯油の気化温度に素早く上昇させる。
【0029】
そして気化器27の温度が所定値になると、それを温度検知器60が検知し、その後、さらに、図4(a)に示すように、制御部61により半波電源を周期的にON−OFFする電源に切り替えて気化器27の温度を制御する。
【0030】
又、制御部61はポンプ4及びノズル34を開閉させるソレノイド(図示せず)をも作動させ、ノズル34から気化ガスをバーナ部7の混合管内に向けて噴射する。また、同時に点火装置(図示せず)を作動させる。
【0031】
ノズル34から気化ガスが混合管に向けて噴出すると、エゼクター作用が生じて一次空気吸引口を通して一次空気の吸引が始まり、混合管内でその一次空気との混合が開始される。そして、均一な混合ガスとなって炎孔42からバーナ部7外へ吐き出され、上述の点火装置によって点火されることにより、燃焼運転が開始されることになる。
【0032】
運転開始後は、気化室13内に設置されているウィック29が、熱伝導率の優れた銅の金網体により形成されているので、気化器ヒータ48から供給される熱がウィック29の中心部へ直線的に伝わり、ウィック29の外周部のみならず中心部の灯油も極めて効率よく加熱する。
【0033】
それゆえに、中心部においても気化が旺盛に行われることになり、ウィック29の外周部で気化した灯油の気化ガスがノズル34へ向かう間にウィック29の中心部の中空部30を通過しても冷却されることがなく、正常な燃焼を行わせるのに十分なガス温度でノズル34から噴射し、燃焼を継続する。
【0034】
上記の説明から明らかなように、本発明は、運転が開始されると、制御部61が気化器ヒータ48へ全波電源と半波電源のどちらかで通電を開始し、又、その後、気化器27の温度が所定値になると、それを温度検知器60が検知し、その後、さらに、制御部61により半波電源を周期的にON−OFFする電源に切り替えて温度検知器60により気化器27の温度を制御するようにしたものであり、これによって、気化器ヒータ48に供給されるワット数を更に低く抑えることができ、また、熱源部から供給される熱がゆっくり気化器27の温度検知器60に伝わるため、温度検知器60でOFF温度になった時でも熱源部との高い温度差はなく、また、逆に温度検知器60でON温度になった時でも熱源部からの熱がゆっくり伝わるので、温度検知器60との温度差が少なく、オーバーシュートにより温度幅が大きくなるということはなくなる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば気化器ヒータに全波電源と半波電源のどちらに加えて半波電源を周期的にON−OFFする電源を供給する制御部を接続したものである。
【0036】
これによって、半波電源使用時は通常の半波電源と周期的にON−OFFを繰り返す半波電源を切り替えて使用できるものであり、この半波電源を周期的にON−OFFする電源とした場合には、気化器ヒータに供給するワット数を更に低く抑えることができ、熱源部から供給される熱をゆっくり気化器の温度検知器に伝えることができるため、温度検知器でOFF温度になった時でも熱源部との高い温度差はなく、また、逆に温度検知器でON温度になった時でも熱源部からの熱がゆっくり伝わるので、温度検知器との温度差が少なく、オーバーシュートにより温度幅が大きくなるということはなくなる。
【0037】
これによって、燃焼を安定させるとともに、燃焼部の温度、燃焼を検知するフレーム電流等を安定させ、安全性の高い燃焼装置の灯油気化装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明及び従来例の灯油気化装置の一部縦断面図である。
【図2】同斜視図である。
【図3】同横断面図である。
【図4】本発明の気化器ヒータへの通電状態の説明図である。
【図5】従来例の灯油燃焼装置の縦断面図である。
【符号の説明】
7 バーナ部
13 気化室
24 受熱フィン
27 気化器
48 気化器ヒータ
60 温度検知器
61 制御部
Claims (1)
- 気化器(27)と、この気化器(27)内に形成された中空円筒状の気化室(13)と、気化室(13)内に設置されたウィック(29)と、前記気化室(13)の長手方向の一端側に設けられたノズル(34)と、このノズル(34)から噴出する燃料ガスを燃焼させるバーナ部(7)と、前記気化室(13)の他端側に接続された灯油供給管(33)と、前記気化器(27)に設けられてバーナ部(7)からの燃焼熱を回収する受熱フィン(24)と、そして気化器(27)の外側に取り付けられた気化器ヒータ(48)とで構成されるものにおいて、前記気化器ヒータ(48)に全波電源と半波電源のどちらに加えて半波電源を周期的にON−OFFする電源を供給する制御部(61)を接続したことを特徴とする灯油気化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002260699A JP2004100995A (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | 灯油気化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002260699A JP2004100995A (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | 灯油気化装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004100995A true JP2004100995A (ja) | 2004-04-02 |
Family
ID=32261271
Family Applications (1)
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JP2002260699A Pending JP2004100995A (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | 灯油気化装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004100995A (ja) |
-
2002
- 2002-09-06 JP JP2002260699A patent/JP2004100995A/ja active Pending
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