JP2004099885A - 紫外線硬化性組成物及び該樹脂組成物により被覆された樹脂成型品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 環状オレフィン系樹脂からなる樹脂成型品を被覆する保護膜形成用の材料として、膜硬度・耐擦傷性・接着性・透明性などの特性では優れた特性を保持しながら、耐光性においても優れる紫外線硬化性組成物を提供する。また、その組成物を保護膜とした環状オレフィン系樹脂成型品を提供する。
【解決手段】 光重合性化合物と下記一般式(I)
【化1】
式(I)
(式中、Rは各々独立的に、水素原子、又は三級水素原子を有しない炭素数1〜20のアルキル基を表し、Xは、エーテル結合及び三級水素原子を有しない炭素数2〜20の脂肪族多価アルコール残基、又はエーテル結合及び三級水素原子を有しない炭素数2〜20の脂肪族系のポリエステルポリオール残基を表し、nは2以上の整数を表す。)
で表される光重合開始剤を含有する紫外線硬化性組成物を用いる。
【選択図】 なし
【解決手段】 光重合性化合物と下記一般式(I)
【化1】
式(I)
(式中、Rは各々独立的に、水素原子、又は三級水素原子を有しない炭素数1〜20のアルキル基を表し、Xは、エーテル結合及び三級水素原子を有しない炭素数2〜20の脂肪族多価アルコール残基、又はエーテル結合及び三級水素原子を有しない炭素数2〜20の脂肪族系のポリエステルポリオール残基を表し、nは2以上の整数を表す。)
で表される光重合開始剤を含有する紫外線硬化性組成物を用いる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、紫外線硬化性組成物及びこれを保護膜として使用する成型品の技術に関し、特に、環状オレフィン系樹脂の表面被覆に適した紫外線硬化性組成物及びこれを保護膜とした環状オレフィン系樹脂成型品の技術に関する。
従来、光学用透明プラスチック成型材料としては、ポリカーボネート(PC)及びポリメチルメタクリレート(PMMA)が広く使用されている。しかしながら、それらをプロジェクター用のレンズ材料、光ディスクのピックアップ用のレンズ材料や基板材料、フラットディスプレイ用の基板材料等へ適用しようとする場合、PCは複屈折が大きい、また、PMMAは吸水性が大きく耐熱性も不十分であるなどの問題点が在った。
最近、これらの問題点を解消する成型材料として、環状オレフィン系樹脂が上市されるようになった。例えば、日本ゼオン社からは、ノルボルネン誘導体をモノマーとした環状オレフィン系樹脂が、主に射出成型の基板向けで商品名「ゼオネックス」として、また、押し出し成型のフイルム向けとして商品名「ゼオノア」が上市されている。また、ジェイエスアール社からは、分子内に極性基を有するノルボルネン構造の環状オレフィン系樹脂が商品名「アートン」として、更に、三井化学社からは、環状オレフィンコポリマーが商品名「アペル」として上市されている。
上記各樹脂は、低複屈折性・低吸湿性・高透明性・高耐熱性を有していて、光学材料をはじめ、様々な分野で利用されるようになってきている。
しかしながら、これら環状オレフィン系樹脂からなる成型品は、用途によっては、表面に傷がつき易いという欠点があり、耐擦傷性の改善が必要である。
しかしながら、これら環状オレフィン系樹脂からなる成型品は、用途によっては、表面に傷がつき易いという欠点があり、耐擦傷性の改善が必要である。
一般に、合成樹脂成型品の傷つきを防止する方法としては、樹脂成型品表面に保護膜(ハードコート層とも呼ばれる)を設ける方法がある。このような保護膜を設けるのに用いる保護コート剤としては、シリコーン系または有機合成樹脂系コート剤が一般的である。
このうち、シリコーン系コート剤は、表面硬度に優れた保護膜を形成することができるものの、樹脂成形品の表面に対する接着性が悪いために、成形品から保護膜が剥離し易いという欠点がある。
これに対し、有機合成樹脂系コート剤は種類が多く、接着性に関しても選択の余地が大きいことから、汎用性に富んでいる。
このうち、シリコーン系コート剤は、表面硬度に優れた保護膜を形成することができるものの、樹脂成形品の表面に対する接着性が悪いために、成形品から保護膜が剥離し易いという欠点がある。
これに対し、有機合成樹脂系コート剤は種類が多く、接着性に関しても選択の余地が大きいことから、汎用性に富んでいる。
有機合成樹脂系コート剤としては、メラミン系、アルキッド系、ウレタン系、及び(メタ)アクリレート系の熱硬化型樹脂や多官能(メタ)アクリレート系の紫外線硬化型樹脂が知られていて、各樹脂を保護コート剤としての塗料形態にして塗布し、それを硬化膜とすることにより保護膜を形成することができる。
ここで、前者の熱硬化型樹脂は、取り扱いが容易であるとの利点を有するものの、保護膜の硬度や耐候性が劣る。また、硬化のために加熱を必要とし、その際、樹脂成型品の変形や劣化を引き起こすという問題点を持っている。
それに対して、後者の多官能(メタ)アクリレート系紫外線硬化型樹脂は、保護膜としての硬度や生産性に優れ、さらには、紫外線による常温硬化であるために、樹脂成型品に対する温度加熱の悪影響がないという特徴点を持つ。
ここで、前者の熱硬化型樹脂は、取り扱いが容易であるとの利点を有するものの、保護膜の硬度や耐候性が劣る。また、硬化のために加熱を必要とし、その際、樹脂成型品の変形や劣化を引き起こすという問題点を持っている。
それに対して、後者の多官能(メタ)アクリレート系紫外線硬化型樹脂は、保護膜としての硬度や生産性に優れ、さらには、紫外線による常温硬化であるために、樹脂成型品に対する温度加熱の悪影響がないという特徴点を持つ。
これらのことから、環状オレフィン系樹脂成型品に使用する保護膜に関しても、その保護コート剤としては、熱硬化型樹脂製よりも、多官能(メタ)アクリレート系紫外線硬化型樹脂が適していると考えられ、種々の紫外線硬化性組成物が提案されてきた。
しかしながら、従来提案された多官能(メタ)アクリレート系紫外線硬化型樹脂からなる保護コート剤にあっては、それを用いて環状オレフィン系樹脂の成型品に保護膜を形成した場合、その保護膜と該樹脂成型品表面との接着性が実用レベル以下であって、硬化後の保護膜が樹脂成型品から容易に剥がれてしまうという接着不良(耐層間剥離性・小)の問題を抱えているのが実情であった。
ところで、この保護膜と樹脂成型品との間の接着性を改善する手段は、次の3法に大別することができる。すなわち、
(1)樹脂成型品の樹脂材料自体を改質する方法
(2)樹脂成型品の表面にプライマー(下塗り)層を形成する方法
(3)紫外線硬化型保護コート剤を改良する方法
である。
(1)に関しては、樹脂に3価以上の多価アルコールの部分エーテル化物を配合する提案(例えば、特許文献1参照。)等がある。しかし、この方法は、環状オレフィン系樹脂の特性である低吸湿性を損なうと共に、高透明性・高耐熱性の保持をも不充分にするものであった。
(2)に関しては、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂をトルエン等の溶剤に溶解したもので下塗りする提案(例えば、特許文献2参照。)、ハロゲン化プロピレン重合体の溶液で下塗りをする提案(例えば、特許文献3参照。)等が挙げられる。しかし、これらは保護膜との接着性は改善するものの、製造工程上のプロセスを増加させ、製品欠陥の発生や製造のコストアップなどを惹起するという問題点を有していた。
(3)に関しては、紫外線硬化型樹脂塗料(紫外線硬化性組成物ともいう)にビニル系モノマーの単独重合体または共重合体の塗料用樹脂を含有させる提案(例えば、特許文献4参照。)、ポリスチレン系ブロック共重合体等のエラストマー成分を含有させる提案(例えば、特許文献5参照。)がある。しかし、これらの方法は、紫外線硬化における樹脂の架橋密度を下げ、保護膜の耐擦傷性を低下させるものであった。また、光重合性化合物である脂環式(メタ)アクリル化合物を配合する提案(例えば、特許文献6及び特許文献7参照。)が有るが、これは硬化塗膜の内部収縮を小さくするのには効果があるが、用途によっては耐擦傷性及び接着性を不足させる場合があり、より耐擦傷性と接着性に優れた紫外線硬化性組成物の開発が求められていた。
(1)樹脂成型品の樹脂材料自体を改質する方法
(2)樹脂成型品の表面にプライマー(下塗り)層を形成する方法
(3)紫外線硬化型保護コート剤を改良する方法
である。
(1)に関しては、樹脂に3価以上の多価アルコールの部分エーテル化物を配合する提案(例えば、特許文献1参照。)等がある。しかし、この方法は、環状オレフィン系樹脂の特性である低吸湿性を損なうと共に、高透明性・高耐熱性の保持をも不充分にするものであった。
(2)に関しては、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂をトルエン等の溶剤に溶解したもので下塗りする提案(例えば、特許文献2参照。)、ハロゲン化プロピレン重合体の溶液で下塗りをする提案(例えば、特許文献3参照。)等が挙げられる。しかし、これらは保護膜との接着性は改善するものの、製造工程上のプロセスを増加させ、製品欠陥の発生や製造のコストアップなどを惹起するという問題点を有していた。
(3)に関しては、紫外線硬化型樹脂塗料(紫外線硬化性組成物ともいう)にビニル系モノマーの単独重合体または共重合体の塗料用樹脂を含有させる提案(例えば、特許文献4参照。)、ポリスチレン系ブロック共重合体等のエラストマー成分を含有させる提案(例えば、特許文献5参照。)がある。しかし、これらの方法は、紫外線硬化における樹脂の架橋密度を下げ、保護膜の耐擦傷性を低下させるものであった。また、光重合性化合物である脂環式(メタ)アクリル化合物を配合する提案(例えば、特許文献6及び特許文献7参照。)が有るが、これは硬化塗膜の内部収縮を小さくするのには効果があるが、用途によっては耐擦傷性及び接着性を不足させる場合があり、より耐擦傷性と接着性に優れた紫外線硬化性組成物の開発が求められていた。
そこで、本発明者らは、環状オレフィン系樹脂の保護膜形成用の材料として好適な多官能(メタ)アクリレート系紫外線硬化性組成物を提案した(特許文献8参照)。そのものは、光重合開始剤として、分子内にベンゾフェノン構造と紫外線を照射することにより開裂してラジカルを生ずる構造とが同時に存する化合物を含有させることとした、紫外線硬化性組成物である。
しかしながら、本発明者らの提案である上記紫外線硬化性組成物は、膜硬度・耐擦傷性・接着性・透明性などには優れるものの、保護膜である硬化塗膜の耐光性において若干の難点があった。
特開平5−39403号公報
特開平5−225613号公報
特開平5−247241号公報
特開平8−12787号公報
特開平6−340849号公報
特開平5−51542号公報
特開平5−306378号公報
特開2002−275392号公報
したがって、本発明の目的は、樹脂成型品の保護膜として耐光性に優れる紫外線硬化性組成物を提供することである。特に、本発明の目的は、環状オレフィン系樹脂の成型品を被覆する保護膜形成用の材料として優れた耐光性を有する紫外線硬化性組成物を提供することである。また、本発明の他の目的は、上記課題を解決し、更に、膜硬度、耐擦傷性、接着性、透明性に優れる紫外線硬化性組成物を提供することである。更に、本発明の他の目的は、耐光性の優れた保護膜を有する環状オレフィン系樹脂成型品を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、構成成分である光重合開始剤を特定構造の化合物とすることにより、膜硬度、耐擦傷性、接着性、透明性などの特性を保持しながら、耐光性に優れた樹脂成型品用の保護膜形成用保護コート剤が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、光重合性化合物と下記一般式(I)
すなわち、本発明は、光重合性化合物と下記一般式(I)
本発明によれば、樹脂成型品の表面保護膜用材料として好適であって、膜硬度、耐擦傷性、接着性、透明性などが良好でかつ耐光性に優れた紫外線硬化性組成物が提供できる。特に、本発明の紫外線硬化性組成物は環状オレフィン系樹脂成型品の表面保護膜用材料として好適である。環状オレフィン系樹脂は、紫外線硬化性組成物の硬化に必要な波長200−400nmの光透過性が良好である。このため、環状オレフィン系樹脂成型品・フイルムを通しての紫外線照射でも本発明の紫外線硬化性組成物は容易に硬化する。これらの特徴を利用することにより、本発明の組成物は、環状オレフィン系樹脂の成型品あるいはフイルム同士の接着剤としても有用である。
本発明の紫外線硬化性組成物は、次に示した(A)成分及び(C)成分を含有して成る。また、更に(B)成分を含有することが好ましく、必要に応じて、その他の成分(D)を含有しても良い。
それらの成分とは、
(A):光重合開始剤(前記一般式(Ι)で表される化合物)
(B):光重合開始助剤(脂肪族第三アミン又はN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド)
(C):光重合性化合物
(D):その他の成分
である。
それらの成分とは、
(A):光重合開始剤(前記一般式(Ι)で表される化合物)
(B):光重合開始助剤(脂肪族第三アミン又はN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド)
(C):光重合性化合物
(D):その他の成分
である。
(A):光重合開始剤
工業的な紫外線硬化性組成物に使用されるラジカル重合系光重合開始剤は、(1)開裂型と(2)水素引き抜き型に大別することが出来る。この光重合開始剤の面から、紫外線硬化性組成物を硬化した際の環状オレフィン系樹脂成型品への保護膜の接着性について検討した結果、光重合開始剤として、一分子中に少なくとも1つのベンゾフェノン構造を持つものを使用することが必須であるとの知見を得た。しかし、光重合開始剤として、一分子中に一つのベンゾフェノン構造を持つベンゾフェノン系化合物を単独で使用した場合は、光硬化反応を起こす光重合性化合物の種類によっては、硬化時に皺ができる等、正常な硬化塗膜が得られない場合もあることが判った。
一方、一分子中に二以上のベンゾフェノン構造を持つ本発明で用いる光重合開始剤は、単独で使用しても、上記の硬化時の皺の問題は発生しないで、正常な塗膜が得られ、かつ、一分子中に一つのベンゾフェノン構造を持つベンゾフェノン系化合物を使用した場合に比較し、塗膜強度が大きくなることが判った。
工業的な紫外線硬化性組成物に使用されるラジカル重合系光重合開始剤は、(1)開裂型と(2)水素引き抜き型に大別することが出来る。この光重合開始剤の面から、紫外線硬化性組成物を硬化した際の環状オレフィン系樹脂成型品への保護膜の接着性について検討した結果、光重合開始剤として、一分子中に少なくとも1つのベンゾフェノン構造を持つものを使用することが必須であるとの知見を得た。しかし、光重合開始剤として、一分子中に一つのベンゾフェノン構造を持つベンゾフェノン系化合物を単独で使用した場合は、光硬化反応を起こす光重合性化合物の種類によっては、硬化時に皺ができる等、正常な硬化塗膜が得られない場合もあることが判った。
一方、一分子中に二以上のベンゾフェノン構造を持つ本発明で用いる光重合開始剤は、単独で使用しても、上記の硬化時の皺の問題は発生しないで、正常な塗膜が得られ、かつ、一分子中に一つのベンゾフェノン構造を持つベンゾフェノン系化合物を使用した場合に比較し、塗膜強度が大きくなることが判った。
本発明で使用する(A)光重合開始剤は、(i)o−ベンゾイルベンゾイックアシッド、o−ベンゾイルベンゾイックアシッドメチルエステル又はその誘導体等の一分子中にベンゾフェノン構造を持つ化合物と(ii)エーテル結合及び三級水素原子を有しない炭素数2〜20の脂肪族多価アルコール、又はエーテル結合及び三級水素原子を有しない炭素数2〜20の脂肪族系のポリエステルポリオールとのエステル化反応又はエステル交換反応により合成されるポリベンゾフェノン化合物である。ここで、炭素数が多くなると、一分子中の有効なベンゾフェノン構造の濃度が小さくなる為、最大の炭素数は、20以下である。なお、ベンゾイルベンゾイックアシッド、ベンゾイルベンゾイックアシッドメチルエステル又はその誘導体における、ベンゾイル基の置換する位置はオルソ位(o−ベンゾイル)に限定されるものではなく、メタ位(m−ベンゾイル)であってもパラ位(p−ベンゾイル)であっても良い。
また、別法として、(iii)一分子中にベンゾフェノン構造を持つカルボン酸の酸ハロゲン化物又はその誘導体と(iv)エーテル結合及び三級水素原子を有しない炭素数2〜20の脂肪族多価アルコール、又はエーテル結合及び三級水素原子を有しない炭素数2〜20の脂肪族系のポリエステルポリオールとの脱ハロゲン化水素反応を行っても良い。あるいは、(v)一分子中にベンゾフェノン構造を持つカルボン酸又はその誘導体と(vi)一分子中にエーテル結合及び三級水素原子を有しない炭素数2〜20の、脂肪族エポキシ化合物との開環付加反応をさせたものでも良い。なお、三級水素原子とは、三級炭素原子に結合した水素原子を意味し、「有機化学(上)」(モリソン、ボイド著、東京化学同人社、第1版、第126頁)に定義されている用語である。
前記一般式(I)におけるRとしては、水素原子、又は三級水素原子を有しない炭素数1〜20のアルキル基であれば特に限定されるものではない。具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、オクチル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、等がある。中でも、水素原子、又は三級水素原子を有しない炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、水素原子、又は三級水素原子を有しない炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。具体的には、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基、tert−ブチル基、等が好ましく、中でも水素原子、又はメチル基が特に好ましい。最も好ましい例は、一般式(I)中のRがすべて水素原子である例である。
また、前記一般式(I)におけるXは、n価(nは2以上の整数を表す)の基であり、下記のエーテル結合及び三級水素原子を有しない炭素数2〜20の脂肪族多価アルコール、又はエーテル結合及び三級水素原子を有しない炭素数2〜20の脂肪族系のポリエステルポリオールが反応した残基を表す。
エーテル結合及び三級水素原子を有しない炭素数2〜20の脂肪族多価アルコールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3,3―ビス(ヒドロキシメチル)ヘプタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
エーテル結合、三級水素構造を持たないエーテル結合及び三級水素原子を有しない炭素数2〜20のポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,9−ノナンジオール等のポリオールとアジピン酸、コハク酸、セバチン酸等の脂肪族二塩基酸と縮合反応することによって得られるポリエステルポリオールが挙げられる。これらの他にも、ε−カプロラクトンの開環重合によって得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
(B):光重合開始助剤
一般的にベンゾフェノン系化合物を光重合開始剤として使用する場合、単独で使用する場合と、光重合開始助剤として第三アミン化合物の様な水素供与体を併用する場合の2通りがある。第三アミン化合物には、脂肪族系の第三アミン化合物と芳香族系の第三アミン化合物がある。
本発明においては、光重合開始剤として上記ポリベンゾフェノン系化合物を単独に使用することのみで、環状オレフィン系樹脂成型品に対する接着性・硬化性・透明性・耐擦傷性などが良好で、かつ耐光性に優れた紫外線硬化性組成物の保護膜を形成することが出来る。
しかしながら、硬化性および表面耐擦傷性をより一層向上させる為には、脂肪族第三アミン又はN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドを併用することが有効である。
一般的にベンゾフェノン系化合物を光重合開始剤として使用する場合、単独で使用する場合と、光重合開始助剤として第三アミン化合物の様な水素供与体を併用する場合の2通りがある。第三アミン化合物には、脂肪族系の第三アミン化合物と芳香族系の第三アミン化合物がある。
本発明においては、光重合開始剤として上記ポリベンゾフェノン系化合物を単独に使用することのみで、環状オレフィン系樹脂成型品に対する接着性・硬化性・透明性・耐擦傷性などが良好で、かつ耐光性に優れた紫外線硬化性組成物の保護膜を形成することが出来る。
しかしながら、硬化性および表面耐擦傷性をより一層向上させる為には、脂肪族第三アミン又はN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドを併用することが有効である。
これに対して、上記脂肪族第三アミン化合物の代わりに芳香族第三アミン化合物を併用した場合には、それとポリベンゾフェノン系化合物とが励起体を造り易いことにより、ポリベンゾフェノン系化合物による環状オレフィン系樹脂成型品への接着効果を減殺する。そのため、環状オレフィン系樹脂成型品と紫外線硬化性組成物保護膜との間における接着性を、実用レベルで確保することはできないばかりか、硬化塗膜は着色し易く、透明性も劣る傾向にある。
光重合開始助剤成分(B)の例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、メチルエチル−n−プロピルアミン等のトリアルキルアミン化合物、2−ジエチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン化合物、N,N−ジメチルアリルアミン、メチルジアリルアミン、トリアリルアミン等のアリルアミン化合物、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン等のジアミン化合物、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’,N’−ペンタメチルジプロピレントリアミン等のトリアミン化合物、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン等のピペリジン化合物、ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン;(メタ)アクリレート化合物との重合性反応基を持つ脂肪族第三アミン又はN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、N,N−ジメチルアミノ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリルアミド化合物、アクリロイルモルホリン、モルホリノエチルアクリレート等が挙げられる。このうち、硬化塗膜からの抽出物が少ないという観点から、(メタ)アクリレート化合物との重合反応性基を持つ脂肪族系第三アミンが、特に好ましい。なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートのことであり、これらの誘導体についても、同様の表現を用いることがある。また、アクリロイル基又はメタクリロイル基或いはその誘導体等も同様に(メタ)アクリロイル基と記載することもある。
上記光重合開始剤及び光重合開始助剤以外で、前記(1)と(2)に属する光重合開始剤を硬化膜の透明性、環状オレフィン系樹脂への接着性を損なわない範囲で、少量併用使用しても良い。この場合の使用量は、(A)+(B)の25質量%以下に限定される。
そのような光重合開始剤のうち、(1)の開裂型光重合開始剤の例としては、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド等を挙げることができる。これらの中では、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンが、透明性、硬化性の観点から、特に好ましい。
また、(2)の光重合開始剤の例としては、2,4−ジエチルキサンソン、イソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系の光重合開始剤が挙げられる。しかし、硬化塗膜に着色が生じるため、併用は、極く少量に限られる。
そのような光重合開始剤のうち、(1)の開裂型光重合開始剤の例としては、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド等を挙げることができる。これらの中では、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンが、透明性、硬化性の観点から、特に好ましい。
また、(2)の光重合開始剤の例としては、2,4−ジエチルキサンソン、イソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系の光重合開始剤が挙げられる。しかし、硬化塗膜に着色が生じるため、併用は、極く少量に限られる。
硬化膜に要求される耐光性、黄色度に依っては、光重合開始剤として、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイドを若干併用しても良い。上記のポリベンゾフェノン化合物は、300nm以上でのモル吸光係数が小さく、紫外線硬化装置の種類によっては、単独使用で、硬化性が確保できない状況もある。それに比較し、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイドは、300nm以上でのモル吸光係数が大きく、硬化性に優れる。
紫外線硬化性組成物における(A)+(B)成分の組成割合は、(A)〜(D)成分の固形分合計量を100としたとき、0.1〜15質量%、好ましくは1〜13質量%、より好ましくは2〜10質量%である。(A)+(B)成分がこの組成範囲より少ない場合は保護膜の硬化が不十分となり、逆に、多い場合は保護膜の耐光性が低下する。
更に、(A)+(B)の中で、(A)成分は20〜100質量%、(B)成分は80〜0質量%である。
更に、(A)+(B)の中で、(A)成分は20〜100質量%、(B)成分は80〜0質量%である。
ここで、本発明の紫外線硬化性組成物からなる保護膜が、環状オレフィン系樹脂成型品に対して接着性・膜硬度・耐擦傷性・透明性などを保持しながら耐光性に優れるという理由は、一分子内に二以上のエステル構造を介するベンゾフェノン構造が存在することに基づく「水素引き抜き作用」と、一分子内に二以上のエステル構造が存在することに基づく「極性効果」によるものと推測する。
また、併用する脂肪族第三アミン化合物は、光重合開始剤の助剤として、光硬化速度は向上させるが環状オレフィン系樹脂への接着性は阻害しないという点で重要な併用可能化合物である。
また、併用する脂肪族第三アミン化合物は、光重合開始剤の助剤として、光硬化速度は向上させるが環状オレフィン系樹脂への接着性は阻害しないという点で重要な併用可能化合物である。
(C):光重合性化合物成分
本発明の光重合性化合物の成分は、次の(C−1)〜(C−3)の三成分であって、(C−1):1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能オリゴマー、(C−2):1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマー、および(C−3):1分子中に1〜2個の(メタ)アクリロイル基を有する1〜2官能モノマーである。
本発明の光重合性化合物の成分は、次の(C−1)〜(C−3)の三成分であって、(C−1):1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能オリゴマー、(C−2):1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマー、および(C−3):1分子中に1〜2個の(メタ)アクリロイル基を有する1〜2官能モノマーである。
(C−1)成分の例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。本発明の紫外線硬化性組成物中に含有するオリゴマー成分として、構造中にエーテル結合を持つものの使用は、あまり好ましくない。光重合開始剤の配合量やオリゴマー中のエーテル結合濃度等によっては、エーテル結合を持つオリゴマーを配合することも可能ではあるが、少量配合に限定される。
これは、環状オレフィン系樹脂への接着付与が水素引き抜き作用によるものと推測できることによる。すなわち、エーテル結合が存在すると、用いた光重合開始剤の水素引き抜き作用がそのエーテル結合部分に働き、環状オレフィン系樹脂と保護膜との接着性が劣化すると考えられるからである。また、保護膜としての耐擦傷性の劣化も起こる。
これは、環状オレフィン系樹脂への接着付与が水素引き抜き作用によるものと推測できることによる。すなわち、エーテル結合が存在すると、用いた光重合開始剤の水素引き抜き作用がそのエーテル結合部分に働き、環状オレフィン系樹脂と保護膜との接着性が劣化すると考えられるからである。また、保護膜としての耐擦傷性の劣化も起こる。
保護膜の耐擦傷性、強靭性等の観点からオリゴマー成分としては、ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートは、a.ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートと分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物とのウレタン反応生成物や、b.分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物にポリオール、ポリエステル又はポリアミド系のジオールを反応させて付加体を合成し、その後、残ったイソシアネート基にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートを付加させる反応生成物などが挙げられる。そして、保護膜の強靱性や可撓性の観点からは後者b.が、耐擦傷性の観点からは前者a.のウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
ポリオールの中心部分には、エーテル結合の存在が好ましくないのは、前述した通りである。
ウレタン(メタ)アクリレートは、a.ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートと分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物とのウレタン反応生成物や、b.分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物にポリオール、ポリエステル又はポリアミド系のジオールを反応させて付加体を合成し、その後、残ったイソシアネート基にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートを付加させる反応生成物などが挙げられる。そして、保護膜の強靱性や可撓性の観点からは後者b.が、耐擦傷性の観点からは前者a.のウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
ポリオールの中心部分には、エーテル結合の存在が好ましくないのは、前述した通りである。
a.に使用するヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジグリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
a.の市販品の例としては、新中村化学社製NKオリゴU−4HA、U−6HA、U−324A、U−15HA、大日本インキ化学工業社製ユニディック17−806、根上工業社製アートレジンUN−3320シリーズ等がある。
a.の市販品の例としては、新中村化学社製NKオリゴU−4HA、U−6HA、U−324A、U−15HA、大日本インキ化学工業社製ユニディック17−806、根上工業社製アートレジンUN−3320シリーズ等がある。
分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリシクロデカンジイソシアネート等が挙げられ、硬化塗膜の耐光性の観点からは、いわゆる無黄変タイプのヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリシクロデカンジイソシアネート等を用いることが好ましい。
(C−2)成分の例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、耐擦傷性、耐薬品性、耐熱性の点で、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましく、硬化収縮が小さく、成型品の変形、フイルムのカール防止の観点からは、環状構造を持つトリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレートが特に好ましい。これらの多官能モノマーは、それぞれ単独、或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(C−3)成分の例としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、等の1官能(メタ)アクリレートモノマー;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ビス−(2−メタアクリロイルオキシエチル)フタレート等の2官能(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
しかし、上記(C−3):1分子中に1〜2個の(メタ)アクリロイル基を有する1〜2官能モノマーは、保護膜の耐擦傷性の観点から紫外線硬化性組成物中に配合できる範囲は限定されると共に、成型品の変形、フイルムのカール、要求される塗膜物性などの観点から配合量が決定される。上記したモノマーの中では、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の環状構造を持つモノマーの配合が好ましい。
これらの1〜2官能モノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
しかし、上記(C−3):1分子中に1〜2個の(メタ)アクリロイル基を有する1〜2官能モノマーは、保護膜の耐擦傷性の観点から紫外線硬化性組成物中に配合できる範囲は限定されると共に、成型品の変形、フイルムのカール、要求される塗膜物性などの観点から配合量が決定される。上記したモノマーの中では、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の環状構造を持つモノマーの配合が好ましい。
これらの1〜2官能モノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(C)成分中における(C−1)、(C−2)、(C−3)の各成分の組成比率は、求められる保護膜の物性により変化する。一般的には、(C−1)成分は10〜70質量%、(C−2)成分は90〜30質量%、(C−3)成分は0〜30質量%の範囲で配合されるのが好ましい。
(D):その他成分
本発明で用いる紫外線硬化性組成物は、そのままで用いることもできるが、フイルム等の厚みが薄い基板の上に保護膜を着ける場合には、紫外線硬化性組成物中に、高分子量のオリゴマー成分が必須となる。その場合、紫外線硬化性組成物としての塗料粘度が大きくなり、塗布作業における操作性が悪化する。その緩和のために有機溶剤の稀釈による低粘度化が必要となる。ここで、使用する有機溶剤は、使用する紫外線硬化性組成物や溶剤の乾燥条件等によって若干異なるが、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤;イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶剤、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤;n−ブチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、或いは、セロソルブ系溶剤、クロル系溶剤などが使用出来る。
しかし、紫外線硬化性組成物を塗布する基材(環状オレフィン系樹脂)を浸食する溶剤の使用は、光学的用途には好ましくなく、アルコール系溶剤及びエステル系溶剤の単独又は混合使用が好ましい。有機溶剤は、通常、(A)+(B)+(C)+(D)全体量の5〜80質量%の範囲で使用される。
本発明で用いる紫外線硬化性組成物は、そのままで用いることもできるが、フイルム等の厚みが薄い基板の上に保護膜を着ける場合には、紫外線硬化性組成物中に、高分子量のオリゴマー成分が必須となる。その場合、紫外線硬化性組成物としての塗料粘度が大きくなり、塗布作業における操作性が悪化する。その緩和のために有機溶剤の稀釈による低粘度化が必要となる。ここで、使用する有機溶剤は、使用する紫外線硬化性組成物や溶剤の乾燥条件等によって若干異なるが、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤;イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶剤、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤;n−ブチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、或いは、セロソルブ系溶剤、クロル系溶剤などが使用出来る。
しかし、紫外線硬化性組成物を塗布する基材(環状オレフィン系樹脂)を浸食する溶剤の使用は、光学的用途には好ましくなく、アルコール系溶剤及びエステル系溶剤の単独又は混合使用が好ましい。有機溶剤は、通常、(A)+(B)+(C)+(D)全体量の5〜80質量%の範囲で使用される。
また、紫外線硬化性組成物を環状オレフィン系樹脂の様な低エネルギー表面を持つものに塗布する場合には、良好な塗布品質の保護膜を得るために、界面活性剤、塗料添加剤の添加が必要である。例えば、フッ素系ノニオン界面活性剤、変性シリコーン系界面活性剤、ビニル系またはアクリル系重合体塗料添加剤等を紫外線硬化性組成物に単独或いは混合して添加することにより、環状オレフィン系樹脂基板・フイルム等の成型品との濡れや硬化後の表面平滑性を改良する。帯電防止剤を添加すると、ホコリの吸着を抑制できる。
更に、金属との接着性増強剤として、例えば、エチレンオキシド変性コハク酸(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性フタル酸(メタ)アクリレート等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート、また、エチレンオキシド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性リン酸基ジ(メタ)アクリレート等のリン酸基を分子内に有する(メタ)アクリレートを添加することも出来る。この場合、多くの脂肪族第三アミン化合物は、接着性増強剤の酸性基を中和して、金属との接着性を阻害する傾向がある。但し、脂肪族第三アミン化合物が、モルホリノ基を有するもの、例えば、アクリロイルモルホリン、モルホリノエチルアクリレート等であれば、塩基性度がそれ程大きくなく、金属との接着性を確保することができ、環状オレフィン系樹脂の一部に金属膜を有する基板(例えば、ホログラムカード、光ディスク、光カード等)でも良好な接着性を確保できる。
更にまた、紫外線吸収剤、光安定剤および酸化防止剤などの各種耐久性向上剤、紫外線硬化性組成物の塗布適性を変えたり或いは保護膜表面の凸凹形成等のために無機系又は有機系フィラー類、着色のためには着色剤などを、それぞれ添加することが出来る。
本発明の紫外線硬化性組成物を環状オレフィン系樹脂の基板・フイルム等の成型品に塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、スプレー、浸漬、スピンコート、ロールコーター等が採用できる。
紫外線硬化性組成物中の有機溶剤を除去するのに必要な熱乾燥温度と時間は、使用する溶剤の種類と添加量、塗布量、塗布面の成型品の形状によっても異なるが、環状オレフィン系樹脂成型品・フイルムの熱変形が起こらないように、100℃以下で、かつ、十分に除去できるように条件を決定すればよい。具体的には、60〜100℃で、3〜30分間程度放置しておくのが適当である。
高温で有機溶剤成分を除去した後は、成型品・フイルムの変形が起こらない範囲で、高温下で紫外線照射するのが好ましい。これは、低温では、保護膜−樹脂表面での水素引き抜き作用によると思われる接着性の確保が、反応効率・樹脂架橋点のミクロブラウン運動の減少等から充分には起こらないためである。
高温で有機溶剤成分を除去した後は、成型品・フイルムの変形が起こらない範囲で、高温下で紫外線照射するのが好ましい。これは、低温では、保護膜−樹脂表面での水素引き抜き作用によると思われる接着性の確保が、反応効率・樹脂架橋点のミクロブラウン運動の減少等から充分には起こらないためである。
塗布後の紫外線硬化性組成物からなる保護層の厚さは、2〜30μmであることが好ましい。有機溶剤を用いた場合は、乾燥後にこの厚さになるようにする。保護層の厚さが薄い場合には、酸素阻害による硬化阻害が起こりやすく、塗膜強度も不十分となり、十分な表面硬度や接着性が得られない。保護層の厚さが厚い場合には、紫外線硬化性組成物の硬化による内部応力が大きくなり、成型品・フイルムの変形が大きくなり、また硬化塗膜の接着性の確保が難しくなる。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
≪合成例1≫(ポリベンゾフェノン化合物Aの合成)
冷却器を付けた四つ口フラスコに、o−ベンゾイルベンゾイックアシッドメチルエステル(24g、0.1mol)、1,6−ヘキサンジオール(5.9g、0.05mol)、反応触媒として、メチルトリスタノキサンClSn(CH3)2−O−Sn(CH3)2−O−(CH3)2SnCl(0.27g、0.5mmol)を加え、約3000Paの減圧下、反応温度155℃、反応時間6時間で、淡黄色粘稠液体を得た。この反応物をトルエン溶剤に溶解し、一日放置後、使用触媒量の50倍量の10質量%苛性ソーダ水溶液にて脱触媒し、純水洗浄、脱溶剤後にポリベンゾフェノン化合物Aを得た。GPCにより、純度を確認すると、ジエステル77%、モノエステル7%、残留o−ベンゾイルベンゾイックアシッドメチルエステル16%より成る混合物であった。
≪合成例1≫(ポリベンゾフェノン化合物Aの合成)
冷却器を付けた四つ口フラスコに、o−ベンゾイルベンゾイックアシッドメチルエステル(24g、0.1mol)、1,6−ヘキサンジオール(5.9g、0.05mol)、反応触媒として、メチルトリスタノキサンClSn(CH3)2−O−Sn(CH3)2−O−(CH3)2SnCl(0.27g、0.5mmol)を加え、約3000Paの減圧下、反応温度155℃、反応時間6時間で、淡黄色粘稠液体を得た。この反応物をトルエン溶剤に溶解し、一日放置後、使用触媒量の50倍量の10質量%苛性ソーダ水溶液にて脱触媒し、純水洗浄、脱溶剤後にポリベンゾフェノン化合物Aを得た。GPCにより、純度を確認すると、ジエステル77%、モノエステル7%、残留o−ベンゾイルベンゾイックアシッドメチルエステル16%より成る混合物であった。
≪合成例2≫(ポリベンゾフェノン化合物Bの合成)
冷却器を付けた四つ口フラスコに、o−ベンゾイルベンゾイックアシッドメチルエステル(24g、0.1mol)、3−メチル-1,5−ペンタンジオール(5.9g、0.05mol)、反応触媒として、メチルトリスタノキサン(0.27g、0.5mmol)を加え、約3000Paの減圧下、反応温度150℃、反応時間6時間で、淡黄色粘稠液体を得た。この反応物をトルエン溶剤に溶解し、一日放置後、使用触媒量の50倍量の10質量%苛性ソーダ水溶液にて脱触媒し、純水洗浄、脱溶剤後にポリベンゾフェノン化合物Bを得た。GPCにより、純度を確認すると、ジエステル76%、モノエステル14%、残留o−ベンゾイルベンゾイックアシッドメチルエステル10%より成る混合物であった。
冷却器を付けた四つ口フラスコに、o−ベンゾイルベンゾイックアシッドメチルエステル(24g、0.1mol)、3−メチル-1,5−ペンタンジオール(5.9g、0.05mol)、反応触媒として、メチルトリスタノキサン(0.27g、0.5mmol)を加え、約3000Paの減圧下、反応温度150℃、反応時間6時間で、淡黄色粘稠液体を得た。この反応物をトルエン溶剤に溶解し、一日放置後、使用触媒量の50倍量の10質量%苛性ソーダ水溶液にて脱触媒し、純水洗浄、脱溶剤後にポリベンゾフェノン化合物Bを得た。GPCにより、純度を確認すると、ジエステル76%、モノエステル14%、残留o−ベンゾイルベンゾイックアシッドメチルエステル10%より成る混合物であった。
(実施例1)
表1に示す組成からなる無溶剤系紫外線硬化性組成物を作製した。
表1に示す組成からなる無溶剤系紫外線硬化性組成物を作製した。
ここで、配合中の略号はそれぞれ以下の化合物を表わす。
TMP3A:トリメチロールプロパントリアクリレート
化合物A:上記合成例1中のポリベンゾフェノン化合物A
BP:ベンゾフェノン
FZ−2188:日本ユニカー社製ポリエーテル変性シリコーンオイル
TMP3A:トリメチロールプロパントリアクリレート
化合物A:上記合成例1中のポリベンゾフェノン化合物A
BP:ベンゾフェノン
FZ−2188:日本ユニカー社製ポリエーテル変性シリコーンオイル
(硬化膜作成条件と硬化性の評価)
表1の塗料を基板上に膜厚が約10μmとなる様に塗布し、コンベア式紫外線硬化装置(アイグラフィックス社製集光型コールドミラー+高圧水銀灯H03−L31;入力電力120W/cm)にて、1パス0.5J/cm2(アイグラフィックス社製紫外線光量計UVPF−36にて計測)となる様にコンベアスピードを調節し、3パスで塗膜を硬化した。硬化膜表面を観察後、表面をメタノールで含浸したキムワイプで擦り、表面の白化の有無で、塗膜の硬化を確認した。表中、OKは、硬化膜表面が溶剤に侵されず、白化を生じない場合を表し、NGは、白化が見られた場合を表す。
表1の塗料を基板上に膜厚が約10μmとなる様に塗布し、コンベア式紫外線硬化装置(アイグラフィックス社製集光型コールドミラー+高圧水銀灯H03−L31;入力電力120W/cm)にて、1パス0.5J/cm2(アイグラフィックス社製紫外線光量計UVPF−36にて計測)となる様にコンベアスピードを調節し、3パスで塗膜を硬化した。硬化膜表面を観察後、表面をメタノールで含浸したキムワイプで擦り、表面の白化の有無で、塗膜の硬化を確認した。表中、OKは、硬化膜表面が溶剤に侵されず、白化を生じない場合を表し、NGは、白化が見られた場合を表す。
(ジェイエスアール社製・環状オレフィンフイルムへの接着性評価)
ジェイエスアール社製「アートンG」フイルム(188μm厚み)上に紫外線硬化性組成物を塗布して硬化させ、硬化膜の接着性を評価した。接着性の評価は、JIS K−5400に従い、クロスカット−セロテープ剥離試験方法により行った。表中、OKは、硬化塗膜のフイルムからの剥離が見られなかった場合を表し、NGは剥離が見られた場合を表す。
ジェイエスアール社製「アートンG」フイルム(188μm厚み)上に紫外線硬化性組成物を塗布して硬化させ、硬化膜の接着性を評価した。接着性の評価は、JIS K−5400に従い、クロスカット−セロテープ剥離試験方法により行った。表中、OKは、硬化塗膜のフイルムからの剥離が見られなかった場合を表し、NGは剥離が見られた場合を表す。
(日本ゼオン社製・環状オレフィンフイルムへの接着性評価)
日本ゼオン社製「ゼオノアZF14」フイルム(100μm厚み)上に紫外線硬化性組成物を塗布して硬化させ、硬化膜の接着性を上記と同様に、クロスカット−セロテープ剥離法により評価した。
日本ゼオン社製「ゼオノアZF14」フイルム(100μm厚み)上に紫外線硬化性組成物を塗布して硬化させ、硬化膜の接着性を上記と同様に、クロスカット−セロテープ剥離法により評価した。
塗料A、Bの硬化膜の外観、硬化性、フイルム(アートン、ゼオノア)への接着性の評価結果を、以下の表2に示す。
次に、有機溶剤を含有する表3に示す溶剤系紫外線硬化性組成物についても評価を行った。評価項目としては上記項目に追加して、下記の鉛筆硬度(硬化膜の膜硬度)評価と耐光性評価(黄色度の変化)を行った。但し、溶剤を除去するために60℃の熱風乾燥機中で塗布基板を10分間保管し、その後、前記紫外線硬化装置にて、0.5J/cm2の条件で硬化し、硬化膜を調製した。
(鉛筆硬度評価)
透明ガラス基板上に硬化塗膜を調製し、JIS K−5400に従い、すり傷にて、膜硬度を評価した
(耐光性評価)
上記鉛筆硬度評価サンプルと同様に、硬化塗膜を調製し、(株)ダイプラ製メタルウエザー試験機を使用し、ブラックパネル温度45℃、紫外線強度50mW/cm2下で硬化塗膜を48時間曝露した。この時の、曝露試験前後での塗膜の黄色度を、日本電色工業社製測色計Σ80を使用して測定し、その黄色度の変化より、耐光性を評価した。
(鉛筆硬度評価)
透明ガラス基板上に硬化塗膜を調製し、JIS K−5400に従い、すり傷にて、膜硬度を評価した
(耐光性評価)
上記鉛筆硬度評価サンプルと同様に、硬化塗膜を調製し、(株)ダイプラ製メタルウエザー試験機を使用し、ブラックパネル温度45℃、紫外線強度50mW/cm2下で硬化塗膜を48時間曝露した。この時の、曝露試験前後での塗膜の黄色度を、日本電色工業社製測色計Σ80を使用して測定し、その黄色度の変化より、耐光性を評価した。
ここで、配合中の略号は、それぞれ以下の化合物を表わす(既述物は除外)。
17−806:大日本インキ化学工業社製ウレタンアクリレート
M−315:トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート
DEAE:2−ジエチルアミノエタノール
DMAEA:N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド
ACMO:アクリロイルモルホリン
TnPA:トリ−n−プロピルアミン
IPA:イソプロピルアルコール
17−806:大日本インキ化学工業社製ウレタンアクリレート
M−315:トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート
DEAE:2−ジエチルアミノエタノール
DMAEA:N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド
ACMO:アクリロイルモルホリン
TnPA:トリ−n−プロピルアミン
IPA:イソプロピルアルコール
表3の結果より、実施例2から実施例6の塗料は、「アートンG」「ゼオノアZF14」フイルムへの接着性、鉛筆硬度が良好、初期の黄色度も小で、耐光試験による黄色度の変化が少なく耐光性は良好であることが判る。
これらに対し、光重合開始剤としてベンゾフェノン単独の比較例2では、接着性・耐光性等は良好であるが、硬化塗膜の鉛筆硬度が、実施例に比較して二段階以上劣る。また、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイドとベンゾフェノンとの併用である比較例3の場合(塗料H)は、硬化性、接着性、硬度は良好で初期の黄色度も比較的良好ではあるが、耐光試験後に黄色度が大きくなり変化が大である。
また、光重合開始剤として、一分子中にベンゾフェノン構造は二つ存在するものの、中心のポリオール部分に三級水素原子が存在する化合物であるポリベンゾフェノン化合物Bを使用した比較例4では、環状オレフィン系樹脂への接着性が劣る傾向が有り、「アートンG」へは良好な接着性を示すが、「ゼオノアZF14」フイルムへは接着しないことが判る。
これらに対し、光重合開始剤としてベンゾフェノン単独の比較例2では、接着性・耐光性等は良好であるが、硬化塗膜の鉛筆硬度が、実施例に比較して二段階以上劣る。また、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイドとベンゾフェノンとの併用である比較例3の場合(塗料H)は、硬化性、接着性、硬度は良好で初期の黄色度も比較的良好ではあるが、耐光試験後に黄色度が大きくなり変化が大である。
また、光重合開始剤として、一分子中にベンゾフェノン構造は二つ存在するものの、中心のポリオール部分に三級水素原子が存在する化合物であるポリベンゾフェノン化合物Bを使用した比較例4では、環状オレフィン系樹脂への接着性が劣る傾向が有り、「アートンG」へは良好な接着性を示すが、「ゼオノアZF14」フイルムへは接着しないことが判る。
Claims (8)
- 更に、光重合開始助剤として脂肪族第三アミンを含有する請求項1記載の紫外線硬化性組成物。
- 前記脂肪族第三アミンが、トリアルキルアミン、トリアルカノールアミン、モノアルキルジアルカノールアミン、ジアルキルモノアルカノールアミン、及びアクリロイルモルホリンからなる群より選ばれる1種以上の化合物である請求項2記載の紫外線硬化性組成物。
- 更に、光重合開始助剤としてN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドを含有する請求項1記載の紫外線硬化性組成物。
- 前記光重合性化合物が、分子内に環状構造を有する多官能(メタ)アクリレートである請求項1、2、3又は4のいずれかに記載の紫外線硬化性組成物。
- 前記光重合性化合物が、分子内にエーテル結合を有しない多官能(メタ)アクリレートである請求項1、2、3、4又は5のいずれかに記載の紫外線硬化性組成物。
- 環状オレフィン系樹脂を用いた成型品の被覆剤として使用する請求項1、2、3、4、5又は6のいずれかに記載の紫外線硬化性組成物。
- 表面に保護膜を有する環状オレフィン系樹脂の成型品であって、前記保護膜が請求項1、2、3、4、5又は6のいずれかに記載の紫外線硬化性組成物の硬化膜であることを特徴とする環状オレフィン系樹脂成型品。
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2003
- 2003-08-20 JP JP2003296200A patent/JP2004099885A/ja active Pending
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