JP2004099701A - 氷で作られたように見える発泡成形体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題解決手段】透明性を有する樹脂中に0.01mm〜2.5mm径の発泡セルが100〜500個/cm2の割合で散在し、かつ、全発泡セルの平均径が0.3mm〜1.5mmの範囲に入り、かつ厚さ0.2mm〜2.0mmでASTM D2856で規定される連続気泡率が0〜15%(好ましくは0〜12%、その中でも好ましくは0〜5%)となるように氷で作られたように見える発泡成形体を構成した。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、氷で作られたように見え、しかも水を入れると内面に気泡が付着しているように見える発泡成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
あたかも氷で作られたように見える食品用容器(例えばトレー容器)を提供することができれば、清涼感を与えることができるから夏場の食品の売り上げ増大や食欲増進などに寄与することができる。更に、水を入れると炭酸水を入れた時のように容器内面に気泡が付着しているように見えれば、より一層清涼感を与えることができ、例えば麺類やそのつゆ入れ容器などとして夏場に最適な容器を提供することができる。
【0003】
ところで、お刺し身用のトレー等として現在使用されている白い発泡容器は、ポリプロピレン中にフィラーとしてのケイ酸マグネシウム、白色顔料としてのチタン酸ホワイト、並びに発泡剤としての炭酸水素ナトリウムが配合されていることが多いが、この配合において単に白色顔料を抜いて容器を成形しても、氷で作られたようにはとても見えない。
【0004】
特許文献1記載の発明は、発泡成形体の構成において、各発泡セルの大きさを大きくし、かつ樹脂中の発泡セルの数を減らすことによって、氷で作られたように見え、しかも水を入れると内面に気泡が付着しているように見える発泡成形体を製造することに成功した。具体的には、透明性を有する樹脂中に0.01mm〜2.5mm径の発泡セルが100〜500個/cm2の割合で散在し、かつ、これら発泡セルの平均径が0.3mm〜1.5mmの範囲に入り、好ましくは0.2mm径未満の発泡セルの割合が15%未満となるように構成するというものであり、当該発明はまた、これの製造方法として、発泡核剤を配合せず、透明性を有する樹脂に0.01〜10重量%の重曹を混練し、これを成形機に供給し、160〜220℃に加熱した押出口から押出して発泡シートを成形する発泡成形体の製造方法を開示している。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−103893号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的もまた、あたかも氷で作られたように見え、しかも水を入れると内面に気泡が付着しているように見える発泡成形体を提供することにあるが、本発明は、従来のものよりもより一層、水漏れ等の原因となる穴あきの発生を確実に無くすことができる発泡成形体及びその製造方法を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、透明性を有する樹脂中に0.01mm〜2.5mm径の発泡セルが100〜500個/cm2の割合で散在し、かつ、全発泡セルの平均径が0.3mm〜1.5mmの範囲に入り、かつ厚さ0.2mm〜2.0mmでASTM D2856で規定される連続気泡率が0〜15%(好ましくは0〜12%、その中でも好ましくは0〜5%)である構成を備えた氷で作られたように見える発泡成形体を提案する。
【0008】
一般に市販されている発泡成形体は、0.01mm〜0.3mm径(平均約0.15mm)の発泡セルを極めて多数(当然に1cm2当たり500個を越える数)含んでいる。これに比較すると、本発明の発泡成形体は、各発泡セルの大きさが顕著に大きく、数においては顕著に少ないという特徴を有しており、外観において樹脂の透明性が発泡セルによって阻害されず各発泡セルを肉眼で確認でき、あたかも氷で作られたように見える。
ただし、このような構成を採用すると、通常は水漏れ等の原因となる穴あきが非常に発生し易くなるのであるが、本発明の場合には、ASTM D2856で規定される連続気泡率が15%以下となるように発泡成形体を形成することによって穴あきの発生を確実に無くすことができることを確かめている。また、発泡成形体の厚さを大きくすれば比較的容易に穴あきの発生を抑えることができるが、本発明の場合には厚さ0.2mm〜2.0mmという薄いシート体であっても連続気泡率を15%以下とすることによって穴あきの発生を確実に無くすことができることを確かめている。
【0009】
本発明の発泡成形体は、0.01mm〜2.5mm径の発泡セルが100〜500個/cm2の割合で散在するように設定しているが、これは100個/cm2より少なくとも、500個/cm2より多くとも氷で作られたように見えずらくなり、また、発泡セルの径を2.5mmより大きくすると穴あきなどの製造上の問題が生じてくるからである。
また、樹脂中の発泡セルの平均径を0.3mm〜1.5mmの範囲に入るように設定しているのは、平均径が0.3mmより小さくなると氷で作られたようには見えずらくなる一方、平均径が1.5mmを越えると穴あきなどの製造上の問題が生じてくるからである。
【0010】
上記構成の発泡成形体において、発泡セルの混在割合は、0.01mm〜0.1mm径の発泡セルが1〜10%、1.0mm〜2.5mm径の発泡セルが30〜70%、残りが0.1mm〜1.0mmとなるように設定することができる。すなわち1.0mm〜2.5mm径の比較的大きな発泡セルが散在し、かつこれら大きな発泡セルの間に小さな発泡セルが混在する割合に設定することによりより確実に氷で作られたように見せることができ、更に、70%以上が0.1〜0.5mm径の発泡セルとなるように成形できれば、より一層氷で作られたように見せることができる。
【0011】
なお、厚さ0.2mm〜2.0mmの深絞容器においては、上記の構成ではASTM D2856で規定される連続気泡率を15%以下に抑えることが難しくなるため、このような深絞容器においては、透明性を有する樹脂中に0.2mm〜2.5mm径の発泡セルが100〜500個/cm2 好ましくは100〜300個/cm2、中でも特に好ましくは100〜175個/cm2の割合で散在し、かつ、全発泡セルの平均径が0.3mm〜1.0mm好ましくは0.3mm〜0.8mmの範囲に入るように、更に好ましくは、樹脂中に存在する発泡セルの大きさが全て0.2mm〜1.0mm径の範囲に入り、しかも0.2mm〜0.5mm径のものが0.5mm〜1.0mm径のものよりも多い、好ましくは0.2mm〜0.5mm径のもの70〜90%に対し0.5mm〜1.0mm径のものが30〜10%となるように発泡成形体を形成するのが好ましい。
ただし、いくら深絞り容器の成形に適していると言っても、例えば50mm以上の深絞り容器を形成する場合には、底面の立ち上がり、すなわち底面と側面との交差部には若干でもアールを付けるのが好ましい。当該交差部が尖っている場合にはどうしても穴あきが発生する可能性を否定できないからである。
【0012】
ここで、本発明における「透明性を有する樹脂」とは、透明性を有する樹脂であれば特に限定するものではなく、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂や、ポリビニルアルコールなどのポリビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、L−ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂などを挙げることができ、これらはそれぞれ単独で使用することもできるが、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明において「ASTM D2856で規定される連続気泡率」は、エアピクノメーター(空気比較式比重計)を用いてASTM D 2856に準じて算出することができる連続気泡率の意である。
また、本発明では、発泡セルの密度(存在割合)を単位面積当たりの個数で示しているが、この個数は、例えば発泡成形体を単位面積で区画した場合に、その区画容積内に存在する発泡セルの数であって、区画した発泡成形体表面に存在する発泡セルの数ではない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の「氷で作られたように見える発泡成形体」の製造方法について説明するが、あくまでも一例であって本発明の発泡成形体の製造方法が以下に説明する製造方法に制限される訳ではない。
【0014】
本発明の構成を備えた「氷で作られたように見える発泡成形体」(以下「本発泡成形体」という。)は、230℃における溶融張力が4〜12cNであるポリプロピレン樹脂40〜60重量部、及び230℃における溶融張力が1〜3cNであるポリプロピレン樹脂30〜50重量部を含有する樹脂組成物と、発泡剤乃至発泡核剤とを混合し、樹脂温度が200℃〜240℃(好ましくは210〜230℃)になるように加熱混練し、厚さ0.2〜2.0mmに押出すことによって製造することができる。
【0015】
上記配合組成において「230℃における溶融張力が4〜12cNであるポリプロピレン樹脂」としては、230℃における溶融張力が4〜8cN、特に230℃における溶融張力が6cN前後であるのがより好ましい。
また、「230℃における溶融張力が1〜3cNであるポリプロピレン樹脂」は、230℃における溶融張力が1〜2cN、特に1cN前後であるのがより好ましい。
230℃における溶融張力が4〜12cNという高溶融張力ポリプロピレン樹脂を40〜60重量部配合することによって発泡セルが膨張した際の破裂を防ぐことができ、連続気泡率を低下させることができるが、高溶融張力ポリプロピレン樹脂ばかりを配合すると、微細セルが多く発生するため、230℃における溶融張力が1〜3cNであるポリプロピレン樹脂を適宜量加えることによって微細セルの発生を抑え、より一層氷で作られたように見せることができる。
【0016】
残りの樹脂組成物成分としては、ポリエチレン樹脂を約10重量部程度配合するのが好ましい。ポリエチレンを配合することによって成形性を高めることができる。
【0017】
発泡剤乃至発泡核剤は、樹脂組成物に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜2重量%配合するのが好ましい。
発泡剤としては、重曹、クエン酸塩、グルタミン酸塩、その他発泡剤となり得る物質のいずれか或いはそれらの二種類以上を組合わせて使用することができる。
発泡核剤としては、一般的なタルクその他、発泡核剤となり得る物質を用いることができる。
また、発泡剤乃至発泡核剤をポリエチレンなどの熱可塑性樹脂に配合して発泡剤ペレットとしたものを用いることもできる。
【0018】
上記発泡成形体には、樹脂組成物全量に対して0.01〜5重量%の着色剤を配合することもできる。合成樹脂用の着色剤として使用されている公知の顔料であれば、発泡の核となることもない。中でもブルーイング剤を0.1〜3重量%を配合するとより一層の清涼感を与えることができる。
その他、本発泡成形体の構成を阻害しない範囲で、気泡調整剤、架橋剤、樹脂溶融特性調整剤、充填剤、安定剤、酸化防止剤等を混合することも可能である。
【0019】
樹脂組成物と発泡剤乃至発泡核剤とを混合する方法としては、特に限定するものではなく、現在公知の方法を適宜採用可能である。
押出機としても現在公知の押出機、例えば単軸押出機、多軸押出機、タンデム押出機などを適宜採用することができる。
押出方法も特に限定するものではなく、樹脂温度が200℃〜240℃(好ましくは210〜230℃)になるように加熱混練し、適宜方法に押出すことができる。例えば、樹脂組成物及び発泡剤乃至発泡核剤の混合物を押出機内にて溶融軟化し、高温高圧下で発泡剤と混練して形成した発泡性組成物を押出機先端に設けられた直線状の金口を有したダイス(T−ダイス)を通して押出機内よりも低圧下に押出し、次いで内部に冷却媒体を流通させた金属製の冷却ロールに接触させ冷却させるようにする方法、環状の押出機金口より押出して円筒に発泡させ、この円筒発泡体を円筒環状の冷却装置に接触させ冷却し、押出方向に沿ってある一定のラインにて切り開いてシート状物とする方法、その他の方法を採用することができる。
【0020】
なお、樹脂組成物と発泡剤乃至発泡核剤とを混合し、樹脂温度が200℃〜240℃(好ましくは210〜230℃)になるように加熱混練するためには、押出機の押出口の温度を180〜220℃(好ましくは180〜200℃)に設定し、Tダイの温度を180〜220℃(好ましくは190〜210℃)に設定するのが好ましい。
なお、ポリプロピレン樹脂は、発泡性溶融混練物を押出機から押出す際の温度に僅かな変化が生じると、溶融混練物の粘度が大きく変化する。すなわち、押出温度の僅かな上昇によって溶融混練物の粘度が著しく低下し、この結果、溶融混練物中の発泡剤の逃散が激しくなり発泡体が連続気泡構造となったり発泡倍率低下をきたし易くなる。また逆に、押出温度の僅かな低下によって溶融混練物の粘度が急激に高くなり、十分且つ均一に発泡しなくなり、発泡シートの表面に凹凸が発生し易い等の問題があると言われている(例えば特開2002−212327号の段落[0003]参照)。
【0021】
発泡シートの厚さは、容器成形用としては0.4mm〜1.5mmが一般的であり、適宜設定可能であるが、本発明の場合には発泡成形体の厚さを約0.2mm〜2.0mmに設定しても発泡シートの連続気泡率を15%以下に抑えることができる。
【0022】
得られた発泡シートは、金型を用いて熱成形し、各種形状の発泡成形体(例えば成形容器)とすることができる。この際の熱成形法としては、一般的な真空成形、圧空成形、シートの片面をプラグに接触させて成形を行うプラグアシスト法、シートの両面に一対をなす雌雄型を接触させて成形を行うマッチモールド成形法等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。また成形前にシートを加熱軟化させる方法として非接触加熱である赤外線ヒーター等による輻射加熱等、公知のシート加熱方法を適応することもできる。
【0023】
特開平12−103893号記載の発明は、タルクなどの発泡核剤を配合しないことによってセルサイズを不均一にし、氷で作られたように見える発泡成形体としているのに対し、本発明は、溶融温度すなわち発泡成形温度を通常の温度(175〜180℃)よりも高くすることによって、発泡セルの大きさを大きくし、かつ、230℃における溶融張力が4〜12cNという高溶融張力ポリプロピレン樹脂を40〜60重量部も配合することによって発泡セルが膨張した際に破裂しにくくし、更に230℃における溶融張力が1〜3cNであるポリプロピレン樹脂を30〜50重量部配合することによって微細セルの発生を抑制し、これによって氷で作られたように見える発泡成形体(若しくは発泡シート)としている。
【0024】
(実施例1)
ポリプロピレン−1(チッソ石油化学社製FH3400)と、ポリプロピレン−2(チッソ石油化学社製XP1800)と、ポリエチレン(東ソー社製LD127)と、発泡剤(永和化成工業社製EE385)とを以下の配合でよく混合して原料を調製した。
次に、調製した原料を混合機で攪拌混合し、この攪拌混合した原料を押出機のホッパーに投入し、220℃で加熱混練させながらスクリューで混練させながら前進させ、溶融した混合物をTダイから押出して厚さ7mmのシート成形体を成形した。この時、押出成形機の押出口温度は約190℃、Tダイの温度は約200℃に設定した。その後、得られたシート成形体を真空成形してトレイ型食品容器を得た。
【0025】
▲1▼ポリプロピレン−1 ・・・・・・・・・ 50重量%
▲2▼ポリプロピレン−2 ・・・・・・・・・ 40重量%
▲3▼ポリエチレン ・・・・・・・・・ 10重量%(合計100重量%)
▲4▼発泡剤 ▲1▼〜▲3▼の樹脂組成物全量に対して1重量%
【0026】
ポリプロピレン−1の物性は、密度0.9g/cm3(JIS K 6758)、メルトフローレート4g/10min(JIS K 6758、230℃/21.2N)、引張強度39MPa(JIS K 6758、50mm/min)、伸度50%(JIS K 6758、50mm/min)、曲げ弾性率1600MPa(JIS K 6758、1.5mm/min)、曲げ強度47MPa(JIS K 6758、1.5mm/min)、硬度105Rスケール(JIS K 6758、ロックウェル)、アイゾット衝撃強度2kJ/m2(JIS K 6758、ノッチ付き23℃)、光沢度90%(JIS Z 8741、L60°)、熱変形温度135℃(JIS K 7207、0.45MPa)、溶融張力6cN(下記測定方法)。
【0027】
ポリプロピレン−2の物性は、密度0.9g/cm3(JIS K 6758)、メルトフローレート1.9g/10min(JIS K 6758、230℃/21.2N)、引張強度27.5MPa(JIS K 6758、50mm/min)、伸度%>800(JIS K 6758、50mm/min)、曲げ弾性率814MPa(JIS K 6758、1.5mm/min)、曲げ強度26.5MPa(JIS K 6758、1.5mm/min)、硬度82Rスケール(JIS K 6758、ロックウェル)、アイゾット衝撃強度7.8kJ/m2(JIS K 6758、ノッチ付き23℃)、光沢度90%(JIS Z 8741、L60°)、熱変形温度92℃(JIS K 7207、0.45MPa)、溶融張力1cN(下記測定方法)。
【0028】
上記の溶融張力は、(株)東洋精機製作所製メルトテンションII型を用い、230℃に加熱混練した樹脂組成物を、直径2.095mm、長さ40mmのオリフィスから20mm/分の速度で押出してストランドとし、このストランドを3.14mm/分の速度で引き取る時の張力を溶融張力とした(単位:cN)。
【0029】
発泡剤(永和化成工業社製EE385)は、乳白色ペレットであり、LDPE62重量%、発泡剤及び発泡核剤38重量%からなり、発泡剤としてはいずれもメジアン径として5〜30μmの重曹及びクエン酸塩からなるものを使用しており、発泡核剤の主成分はタルクである。
【0030】
(実施例2)
シート成形体の厚みを0.7mmとした以外は、実施例1と同様にシート成形体を真空成形してトレイ型食品容器を得た。
【0031】
(実施例3)
実施例2の配合に更に樹脂組成物全量に対して2重量%のブルーインク剤を加え、その他の条件は、実施例2と同様にシート成形体を真空成形しトレイ型食品容器を得た。
【0032】
(比較例1)
押出用成形用に調整されたポリプロピレン−1(商品名:E−105GM、出光石油化学社)と、メタロセン触媒で予め処理したポリプロピレン−2(商品名:MD−632、モンテルJPO社)と、重曹とを以下の配合でよく混合して原料を調製した。
【0033】
▲1▼ポリプロピレン−1 ・・・・・・・・・ 85重量%
▲2▼ポリプロピレン−2 ・・・・・・・・・ 15重量% (合計100重量% )
▲3▼重曹 ・・・▲1▼及び▲2▼に対して 3重量%
【0034】
次に、調整した原料を混合機で攪拌混合し、この攪拌混合した原料を押出機のホッパーに投入し、加熱溶融させながらスクリューで混練させながら前進させ、溶融した混合物をTダイから押出してシート成形体を成形した。この時、押出成形機の温度は約220℃、Tダイの温度は約200℃に設定した。その後、得られたシート成形体を真空成形してトレイ型食品容器を得た。
【0035】
実施例1〜3及び比較例1で得られた食品容器の発泡倍率、連続気泡率などの物性値を下記表1に示す。
なお、連続気泡率は、エアピクノメーター(空気比較式比重計)を使用してASTM D−2856−87に準じて算出した。
【0036】
【表1】
【0037】
実施例1〜3及び比較例1で得られたいずれの食品容器も、0.01mm〜2.5mm径の発泡セルが約300個/cm2の割合で散在し、かつ、これら発泡セルの混在割合は、0.01mm〜0.1mm径の発泡セルが5%、0.1mm〜1.0mm径の発泡セルが45%、1.0mm〜2.5mm径の発泡セル50%であり、発泡セルの平均径は約1.0mmであり、あたかも氷で作られたように見えた。また、容器内に水を満たすと内面に気泡が付着しているように見えた。
しかし、実施例1〜3の容器は、連続気泡率が12%以下(特に実施例2及び3に至っては3%以下)であり、いずれの容器も穴あきは見られなかったが、比較例1の容器は、連続気泡率が30%であり、穴あきが見られた。
なお、その後上記食品容器における発泡セルの混在割合を更に詳しく調べたところ、0.01mm〜0.1mm径の発泡セルが5%、0.1mm〜0.2mm径の発泡セルが5%、0.2mm〜0.5mm径の発泡セルが30%、0.5mm〜1.0mm径の発泡セルが10%、1.0mm〜2.5mm径の発泡セルが50%の割合で含まれていた。
ほとんどの発泡セルは楕円形状を呈していたため、発泡セルの径は、以下の式によって算出した。
発泡セルの径=(長径+短径)/2
Claims (4)
- 透明性を有する樹脂中に0.01mm〜2.5mm径の発泡セルが100〜500個/cm2の割合で散在し、かつ全発泡セルの平均径が0.3mm〜1.5mmの範囲に入り、かつ厚さ0.2mm〜2.0mmでASTM D2856で規定される連続気泡率が0〜15%である構成を備えた氷で作られたように見える発泡成形体。
- 発泡セルの混在割合が、0.01mm〜0.1mm径の発泡セルが1〜10%、1.0mm〜2.5mm径の発泡セルが30〜70%、残りが0.1mm〜1.0mmである構成を備えた請求項1に記載の氷で作られたように見える発泡成形体。
- 透明性を有する樹脂中に0.2mm〜2.5mm径の発泡セルが100〜300個/cm2の割合で散在し、かつ、全発泡セルの平均径が0.3mm〜1.0mmの範囲に入り、かつ厚さ0.2mm〜2.0mmでASTM D2856で規定される連続気泡率が0〜15%である、厚み0.2mm〜2.0mmの構成を備えた氷で作られたように見える発泡成形体。
- 230℃における溶融張力が4〜12cNであるポリプロピレン樹脂40〜60重量部、及び230℃における溶融張力が1〜3cNであるポリプロピレン樹脂30〜50重量部を含有する樹脂組成物と、発泡剤乃至発泡核剤とを混合し、樹脂温度が200℃〜240℃になるように加熱混練し、厚さ0.2〜2.0mmに押出してASTM D2856で規定される連続気泡率が0〜15%の発泡シートを成形する工程を備えた氷で作られたように見える発泡成形体の製造方法。
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