JP2002309027A - 熱可塑性樹脂発泡シート及び発泡成形体 - Google Patents
熱可塑性樹脂発泡シート及び発泡成形体Info
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- JP2002309027A JP2002309027A JP2001119225A JP2001119225A JP2002309027A JP 2002309027 A JP2002309027 A JP 2002309027A JP 2001119225 A JP2001119225 A JP 2001119225A JP 2001119225 A JP2001119225 A JP 2001119225A JP 2002309027 A JP2002309027 A JP 2002309027A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 表面平滑性の高い熱可塑性樹脂発泡シート及
び、そのシートを熱成形した、寸法精度が良好な発泡成
形体を提供する。 【構成】 熱可塑性樹脂発泡シート、ことにポリプロピ
レン系樹脂発泡シートの、25℃での損失弾性率を4.
0×106〜6.0×106N/m2範囲に調整し、厚み
範囲を適切に設定することにより、優れた緩衝性を有
し、寸法精度及び表面平滑性が良好で、電子部品や精密
機械部品等の保管及び輸送中の衝撃からの保護に好適な
発泡成形体が得られる。
び、そのシートを熱成形した、寸法精度が良好な発泡成
形体を提供する。 【構成】 熱可塑性樹脂発泡シート、ことにポリプロピ
レン系樹脂発泡シートの、25℃での損失弾性率を4.
0×106〜6.0×106N/m2範囲に調整し、厚み
範囲を適切に設定することにより、優れた緩衝性を有
し、寸法精度及び表面平滑性が良好で、電子部品や精密
機械部品等の保管及び輸送中の衝撃からの保護に好適な
発泡成形体が得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝撃に対する吸収
や緩和を必要とする用途に適用でき、特に電子部品の包
装材料として好適な、緩衝性に優れ、且つ寸法精度が良
好であり、表面平滑性の高い熱可塑性樹脂発泡シート及
び該シートを熱成形してなる熱可塑性樹脂発泡成形体に
関する。
や緩和を必要とする用途に適用でき、特に電子部品の包
装材料として好適な、緩衝性に優れ、且つ寸法精度が良
好であり、表面平滑性の高い熱可塑性樹脂発泡シート及
び該シートを熱成形してなる熱可塑性樹脂発泡成形体に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内容物や堆積物等を衝撃などから
保護する緩衝用素材としては、断熱性、保温性、緩衝性
等に優れ、且つ軽量である熱可塑性樹脂発泡シート(以
下単に「発泡シート」と略す)を、特定の形状に熱成形
した容器等の熱可塑性樹脂発泡成形体(以下「発泡成形
体」と略す)が多用されている。前記の特性に優れた発
泡シートの具体例として、ポリプロピレン系樹脂発泡シ
ートは、耐熱性において優れた性能を有しており、その
特性を生かし、自動車内装材、家庭用品、食品包装材
料、電子包装材料等の分野で様々な用途開発がなされつ
つある素材である。
保護する緩衝用素材としては、断熱性、保温性、緩衝性
等に優れ、且つ軽量である熱可塑性樹脂発泡シート(以
下単に「発泡シート」と略す)を、特定の形状に熱成形
した容器等の熱可塑性樹脂発泡成形体(以下「発泡成形
体」と略す)が多用されている。前記の特性に優れた発
泡シートの具体例として、ポリプロピレン系樹脂発泡シ
ートは、耐熱性において優れた性能を有しており、その
特性を生かし、自動車内装材、家庭用品、食品包装材
料、電子包装材料等の分野で様々な用途開発がなされつ
つある素材である。
【0003】これら用途の中で、特に電子部品の包装材
料や、精密機械部品等の包装材料においては、移送や保
管の際の衝撃から内容物を保護するために、優れた緩衝
性能を有すると共に、発泡シートを熱成形して得られる
発泡成形体が、高い寸法精度を有すること、更に表面破
泡等による凹凸がなく、表面平滑性が高く外観に優れる
ことが要求される。即ち、内容物をしっかりと固定し、
輸送中の振動等の衝撃から内容物を保護すると同時に、
該発泡成形体と内容物がこすれて、発泡成形体から微細
な摩耗粉が発生するのを最小限に押さえることが必要で
ある。
料や、精密機械部品等の包装材料においては、移送や保
管の際の衝撃から内容物を保護するために、優れた緩衝
性能を有すると共に、発泡シートを熱成形して得られる
発泡成形体が、高い寸法精度を有すること、更に表面破
泡等による凹凸がなく、表面平滑性が高く外観に優れる
ことが要求される。即ち、内容物をしっかりと固定し、
輸送中の振動等の衝撃から内容物を保護すると同時に、
該発泡成形体と内容物がこすれて、発泡成形体から微細
な摩耗粉が発生するのを最小限に押さえることが必要で
ある。
【0004】一方で、熱可塑性樹脂発泡シートを高い緩
衝特性を有する素材とするためには、発泡成形体の見掛
け密度(比重)を低くし高発泡成形体とすることや、発
泡シートの厚みを増す方法が挙げられる。しかし、この
方法では、例えば、内容物を収納する発泡成形体として
発泡シートを熱成形する際に、発泡シートの賦形性が悪
く、所望の形状を有する発泡成形体を得ることが困難と
なり、高い寸法精度が要求される用途には適用すること
ができない。又、移送、保管等の為に緩衝用発泡シート
を複数枚重ねておくことが多々あり、この様な場合に、
高発泡で厚肉の素材は嵩張るため、多数の内容物を収納
するに十分なスペースを確保できない等の問題点が挙げ
られる。
衝特性を有する素材とするためには、発泡成形体の見掛
け密度(比重)を低くし高発泡成形体とすることや、発
泡シートの厚みを増す方法が挙げられる。しかし、この
方法では、例えば、内容物を収納する発泡成形体として
発泡シートを熱成形する際に、発泡シートの賦形性が悪
く、所望の形状を有する発泡成形体を得ることが困難と
なり、高い寸法精度が要求される用途には適用すること
ができない。又、移送、保管等の為に緩衝用発泡シート
を複数枚重ねておくことが多々あり、この様な場合に、
高発泡で厚肉の素材は嵩張るため、多数の内容物を収納
するに十分なスペースを確保できない等の問題点が挙げ
られる。
【0005】又、特開平11−198971には果実等
の緩衝用発泡成形体についての記載がなされている。上
記公報によれば、高い緩衝性を付与する方法として、熱
可塑性樹脂発泡シートの少なくとも一面に、エンボス状
の凹凸加工を施すものが挙げられるが、このシート表面
の凹凸は、シートを熱成形すると潰れてしまい緩衝性が
低下する上に、この発泡成形体は高発泡であるため、熱
成形性に劣り、本願発明の目的である「特定の形状で、
寸法精度の高い発泡成形体」の用途には適さない。
の緩衝用発泡成形体についての記載がなされている。上
記公報によれば、高い緩衝性を付与する方法として、熱
可塑性樹脂発泡シートの少なくとも一面に、エンボス状
の凹凸加工を施すものが挙げられるが、このシート表面
の凹凸は、シートを熱成形すると潰れてしまい緩衝性が
低下する上に、この発泡成形体は高発泡であるため、熱
成形性に劣り、本願発明の目的である「特定の形状で、
寸法精度の高い発泡成形体」の用途には適さない。
【0006】高い寸法精度を有する発泡成形体を得る方
法としては、例えば、特開平2−175778に記載さ
れているように、特定の倍率に発泡、延伸させて厚さ5
0〜1000μmの発泡成形体を得る方法が知られてい
る。しかし、この方法では寸法精度を向上させるために
薄肉とする必要があり、該公報中に記載されているよう
に剥離紙といった特定の用途に限定されてしまうため、
緩衝用途としては適用できない。
法としては、例えば、特開平2−175778に記載さ
れているように、特定の倍率に発泡、延伸させて厚さ5
0〜1000μmの発泡成形体を得る方法が知られてい
る。しかし、この方法では寸法精度を向上させるために
薄肉とする必要があり、該公報中に記載されているよう
に剥離紙といった特定の用途に限定されてしまうため、
緩衝用途としては適用できない。
【0007】以上のように、高発泡倍率(通常発泡倍率
10倍以上のものを指す)の発泡シートでは、緩衝性能
としては優れたものが得られるものの、該シートを熱成
形した後の寸法精度は十分でなく、又、一方で発泡倍率
の低い発泡シートでは、寸法精度は比較的良好である
が、緩衝性能が十分でない場合が多く、電子部品等の包
装用途では、その熱成形した発泡成形体が、高い緩衝性
能と良好な寸法精度を合わせ持つ発泡シートが求められ
ていた。
10倍以上のものを指す)の発泡シートでは、緩衝性能
としては優れたものが得られるものの、該シートを熱成
形した後の寸法精度は十分でなく、又、一方で発泡倍率
の低い発泡シートでは、寸法精度は比較的良好である
が、緩衝性能が十分でない場合が多く、電子部品等の包
装用途では、その熱成形した発泡成形体が、高い緩衝性
能と良好な寸法精度を合わせ持つ発泡シートが求められ
ていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、十分な緩衝
機能を有し、かつ熱成形により寸法精度の良好な発泡成
形体を、厚肉化又は特殊な加工を施すことなく得ること
のできる、電子部品や精密機械部品の包装用に適した、
表面平滑性の高い発泡シートを提供することを課題とす
る。
機能を有し、かつ熱成形により寸法精度の良好な発泡成
形体を、厚肉化又は特殊な加工を施すことなく得ること
のできる、電子部品や精密機械部品の包装用に適した、
表面平滑性の高い発泡シートを提供することを課題とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、発泡シー
ト、特にポリプロピレン系樹脂発泡シートの動的粘弾性
測定で得られる損失弾性率を特定の領域となるように調
整することにより、高発泡成形体、若しくは厚肉シート
とせずとも発泡成形体として十分な緩衝性を有し、且つ
寸法精度表面平滑性の高い発泡シートが得られることを
見出し、本発明に至った。即ち、熱可塑性樹脂からなる
発泡シートであって、測定周波数10Hz、昇温速度1
0℃/分の圧縮法による動的粘弾性測定で、25℃にお
ける損失弾性率(E”)が4.0×106〜6.0×1
06N/m2あり、厚みが0.8〜1.8mmであること
を特徴とする発泡シートである。熱可塑性樹脂として
は、ポリプロピレン系樹脂が好適である。ポリプロピレ
ン系樹脂としては、発泡シートの密度が300kgm-3
を超え、500kgm-3以下であり、独立気泡率が40
%以上であり、又、200℃における溶融張力が3.0
〜5.0cNであり、230℃におけるMFRが2.0
〜5.0g/10分であるものを用いることが好まし
い。更に、本発明は、該発泡シートを熱成形してなる発
泡成形体である。尚、前記の各特性値の評価方法及び評
価条件については後述する。
ト、特にポリプロピレン系樹脂発泡シートの動的粘弾性
測定で得られる損失弾性率を特定の領域となるように調
整することにより、高発泡成形体、若しくは厚肉シート
とせずとも発泡成形体として十分な緩衝性を有し、且つ
寸法精度表面平滑性の高い発泡シートが得られることを
見出し、本発明に至った。即ち、熱可塑性樹脂からなる
発泡シートであって、測定周波数10Hz、昇温速度1
0℃/分の圧縮法による動的粘弾性測定で、25℃にお
ける損失弾性率(E”)が4.0×106〜6.0×1
06N/m2あり、厚みが0.8〜1.8mmであること
を特徴とする発泡シートである。熱可塑性樹脂として
は、ポリプロピレン系樹脂が好適である。ポリプロピレ
ン系樹脂としては、発泡シートの密度が300kgm-3
を超え、500kgm-3以下であり、独立気泡率が40
%以上であり、又、200℃における溶融張力が3.0
〜5.0cNであり、230℃におけるMFRが2.0
〜5.0g/10分であるものを用いることが好まし
い。更に、本発明は、該発泡シートを熱成形してなる発
泡成形体である。尚、前記の各特性値の評価方法及び評
価条件については後述する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細について説明
する。
する。
【0011】本発明の発泡シートは、熱可塑性樹脂から
なる発泡シートであって、測定周波数10Hz、昇温速
度10℃/分の圧縮法による動的粘弾性測定で、25℃
における損失弾性率(E”)が4.0×106〜6.0
×106N/m2であることを特徴とするものである。損
失弾性率の値が4.0×106N/m2より小さくなる
と、発泡成形体として十分な緩衝性が得られず、6.0
×106N/m2より大きくなると、該発泡シートを所望
の形状に熱成形する際に加熱時の伸びが悪くなるため深
絞り成形に適さず、又寸法精度が悪くなるといった問題
が生じる。
なる発泡シートであって、測定周波数10Hz、昇温速
度10℃/分の圧縮法による動的粘弾性測定で、25℃
における損失弾性率(E”)が4.0×106〜6.0
×106N/m2であることを特徴とするものである。損
失弾性率の値が4.0×106N/m2より小さくなる
と、発泡成形体として十分な緩衝性が得られず、6.0
×106N/m2より大きくなると、該発泡シートを所望
の形状に熱成形する際に加熱時の伸びが悪くなるため深
絞り成形に適さず、又寸法精度が悪くなるといった問題
が生じる。
【0012】本発明において、損失弾性率を規定したの
は次ぎの理由による。一般に発泡成形体では、その押出
発泡性、熱成形性、緩衝性等の指標としてゲル分率を用
いており、ゲル分率が大きな値となると押出安定性、熱
成形性が低下するといった傾向が確認されている。しか
し、ゲル分率のみでは発泡成形体の特性を正確に捉える
ことができないため、成形性や他の樹脂との関連付けが
困難となる。本発明者らは、発泡シートの損失弾性率を
指標とすることで、該発泡成形体の緩衝性能及び、熱成
形時の成形性を把握することができることを見いだし
た。
は次ぎの理由による。一般に発泡成形体では、その押出
発泡性、熱成形性、緩衝性等の指標としてゲル分率を用
いており、ゲル分率が大きな値となると押出安定性、熱
成形性が低下するといった傾向が確認されている。しか
し、ゲル分率のみでは発泡成形体の特性を正確に捉える
ことができないため、成形性や他の樹脂との関連付けが
困難となる。本発明者らは、発泡シートの損失弾性率を
指標とすることで、該発泡成形体の緩衝性能及び、熱成
形時の成形性を把握することができることを見いだし
た。
【0013】本発明において、熱変形温度未満(本発明
においては25℃)、周波数10Hzで測定した発泡シ
ートの損失弾性率は、該発泡シートの通常使用時の振動
や衝撃によるエネルギーの吸収や損失などをよく反映
し、損失弾性率の値が小さければ、発泡シートの機械的
変形に対して元に戻ろうとする反発性が大きいために緩
衝性が小さく、又逆に損失弾性率の値が大きければ、発
泡シートの機械的変形に対して変形した状態を維持し、
緩衝性が大きくなる。
においては25℃)、周波数10Hzで測定した発泡シ
ートの損失弾性率は、該発泡シートの通常使用時の振動
や衝撃によるエネルギーの吸収や損失などをよく反映
し、損失弾性率の値が小さければ、発泡シートの機械的
変形に対して元に戻ろうとする反発性が大きいために緩
衝性が小さく、又逆に損失弾性率の値が大きければ、発
泡シートの機械的変形に対して変形した状態を維持し、
緩衝性が大きくなる。
【0014】本発明は、発泡シートの原料樹脂として、
ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹
脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリプロピレ
ン系樹脂などの熱可塑性樹脂を用いる事ができるが、特
に他の樹脂と比較して高い損失弾性率を有し、動的粘弾
性特性に優れる、ポリプロピレン系樹脂を用いるのが好
ましい。
ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹
脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリプロピレ
ン系樹脂などの熱可塑性樹脂を用いる事ができるが、特
に他の樹脂と比較して高い損失弾性率を有し、動的粘弾
性特性に優れる、ポリプロピレン系樹脂を用いるのが好
ましい。
【0015】上記熱可塑性樹脂を発泡剤を用いて発泡さ
せるには、熱分解型の化学発泡剤もしくは物理発泡剤を
用いることができ、化学発泡剤としては、主に重曹とク
エン酸の混合物により代表されるものであるが、これに
限定されない。その添加量は、発泡剤の分散性、分解性
等、更には要求される特性を満たす発泡倍率を維持する
ことを考慮し、前記熱可塑性樹脂100部に対し該発泡
剤を0.1から5.0部、好ましくは1.0から4.0
部添加するとよい。化学発泡剤の添加方法としては特に
限定するものではないが、熱可塑性樹脂にドライブレン
ドする方法や、押出機のホッパー中で定量フィーダーを
使用して添加する方法、基材となる樹脂をベースとする
マスターバッチを作成し添加する方法のいずれであって
も良い。尚、本発明における樹脂及び発泡剤の添加量に
ついては、特に規定しない限り質量基準とする。
せるには、熱分解型の化学発泡剤もしくは物理発泡剤を
用いることができ、化学発泡剤としては、主に重曹とク
エン酸の混合物により代表されるものであるが、これに
限定されない。その添加量は、発泡剤の分散性、分解性
等、更には要求される特性を満たす発泡倍率を維持する
ことを考慮し、前記熱可塑性樹脂100部に対し該発泡
剤を0.1から5.0部、好ましくは1.0から4.0
部添加するとよい。化学発泡剤の添加方法としては特に
限定するものではないが、熱可塑性樹脂にドライブレン
ドする方法や、押出機のホッパー中で定量フィーダーを
使用して添加する方法、基材となる樹脂をベースとする
マスターバッチを作成し添加する方法のいずれであって
も良い。尚、本発明における樹脂及び発泡剤の添加量に
ついては、特に規定しない限り質量基準とする。
【0016】一方、物理発泡剤としては炭酸ガス、若し
くはブタンガスが挙げられるが、安全性を考慮して炭酸
ガスを用いることが好ましい。その注入方法は押出機内
において溶融樹脂の圧力を低くするべく設定された位置
より直接ガスを注入する方法、もしくはタンデム押出機
で、1段目押出機の同じく樹脂圧力の低下した位置より
注入する方法のいずれでもよい。又、該発泡シートの気
泡径を適宜の大きさにコントロールするために、必要に
応じて、重曹とクエン酸の混合物又はタルクなどの発泡
核剤を併用してもよい。
くはブタンガスが挙げられるが、安全性を考慮して炭酸
ガスを用いることが好ましい。その注入方法は押出機内
において溶融樹脂の圧力を低くするべく設定された位置
より直接ガスを注入する方法、もしくはタンデム押出機
で、1段目押出機の同じく樹脂圧力の低下した位置より
注入する方法のいずれでもよい。又、該発泡シートの気
泡径を適宜の大きさにコントロールするために、必要に
応じて、重曹とクエン酸の混合物又はタルクなどの発泡
核剤を併用してもよい。
【0017】これらの発泡性樹脂混合物を押出発泡させ
シート状物を得る方法としては、特に限定するものでは
ないが、単軸押出機、多軸押出機、タンデム押出機など
の押出機内にて溶融軟化された樹脂を直線状の金口を有
したダイス(T型ダイス)から押出し、次いで内部に冷
却媒体を流通させた金属製の冷却ロールに接触させ冷却
する方法、若しくは環状の押出機金口より押出した後に
円筒環状の冷却装置に接触させ冷却し、ある一定のライ
ンにて切り開きシート状物とする方法が挙げられるが、
特にこれに限定されない。又、本発明の発泡シートを製
造する際に、更に発泡シートの物性を阻害しない程度
に、適宜の気泡調整剤、架橋剤、樹脂溶融特性調整剤、
発泡助剤、充填剤、安定剤、酸化防止剤、顔料等を混合
してもよい。更に、本発明の発泡シートの片面もしくは
両面に、フィルムラミといった一般的な方法で、非発泡
層を積層した積層シートとして用いても良い。
シート状物を得る方法としては、特に限定するものでは
ないが、単軸押出機、多軸押出機、タンデム押出機など
の押出機内にて溶融軟化された樹脂を直線状の金口を有
したダイス(T型ダイス)から押出し、次いで内部に冷
却媒体を流通させた金属製の冷却ロールに接触させ冷却
する方法、若しくは環状の押出機金口より押出した後に
円筒環状の冷却装置に接触させ冷却し、ある一定のライ
ンにて切り開きシート状物とする方法が挙げられるが、
特にこれに限定されない。又、本発明の発泡シートを製
造する際に、更に発泡シートの物性を阻害しない程度
に、適宜の気泡調整剤、架橋剤、樹脂溶融特性調整剤、
発泡助剤、充填剤、安定剤、酸化防止剤、顔料等を混合
してもよい。更に、本発明の発泡シートの片面もしくは
両面に、フィルムラミといった一般的な方法で、非発泡
層を積層した積層シートとして用いても良い。
【0018】押出発泡して得られた発泡シートの厚みは
0.8〜1.8mmである。シートの厚みが0.8mm
より小さいと発泡成形体として十分な緩衝性を維持でき
ず、又、1.8mmより大きいと緩衝性は向上するが、
成形性が低下すると共に、熱成形した成形品の寸法精度
が不十分となる。
0.8〜1.8mmである。シートの厚みが0.8mm
より小さいと発泡成形体として十分な緩衝性を維持でき
ず、又、1.8mmより大きいと緩衝性は向上するが、
成形性が低下すると共に、熱成形した成形品の寸法精度
が不十分となる。
【0019】ポリプロピレン系樹脂を基材とした発泡シ
ートの密度は300kgm-3を超え、500kgm-3以
下であることが好ましく、独立気泡率は40%以上であ
る。シート密度が300kgm-3より小さいと、緩衝性
は向上するが、機械的強度が低下し、又、成形性が低下
するため好ましくない。一方で500kgm-3を超える
と所望の緩衝性が得られない場合があり好ましくない。
又、独立気泡率においては40%以上であることが好ま
しい。独立気泡率が低いと熱成形のシート加熱時に垂下
りが大きくなり、成形性が低下すると共に、表面破泡が
起きやすくなり、成形品の外観が低下する傾向がある。
ートの密度は300kgm-3を超え、500kgm-3以
下であることが好ましく、独立気泡率は40%以上であ
る。シート密度が300kgm-3より小さいと、緩衝性
は向上するが、機械的強度が低下し、又、成形性が低下
するため好ましくない。一方で500kgm-3を超える
と所望の緩衝性が得られない場合があり好ましくない。
又、独立気泡率においては40%以上であることが好ま
しい。独立気泡率が低いと熱成形のシート加熱時に垂下
りが大きくなり、成形性が低下すると共に、表面破泡が
起きやすくなり、成形品の外観が低下する傾向がある。
【0020】ポリプロピレン系樹脂を基材とした発泡シ
ートにおいては、200℃における溶融張力が3.0〜
5.0cNであるポリプロピレン系樹脂を用いることが
好ましい。溶融張力が3.0cNより小さいと、押出発
泡の際にシート内に気泡を維持することが困難となり、
表面平滑性の高い良好な発泡シートが得られず、又、熱
成形のシート加熱時に表面破泡が起きやすくなり、表面
に凹凸が生じ成形後の発泡成形体の外観が低下する傾向
がある。又、5.0cNより大きいと過度の張力により
押出の際に安定した製膜が困難となり好ましくない。
又、230℃におけるMFRは2.0〜5.0g/10
分であるポリプロピレン系樹脂を用いることが好まし
く、2.0g/10分より小さいと、流動性が低下する
影響により、押出性が不安定となり、又、5.0g/1
0分より大きくなると、押出性は安定するが、粘度が低
くなる影響により気泡を均一に形成させることが困難と
なり、又気泡の成長を抑制できず気泡壁が破れやすくな
り、シート表面に凹凸が発生し、表面外観が低下するた
め好ましくない。
ートにおいては、200℃における溶融張力が3.0〜
5.0cNであるポリプロピレン系樹脂を用いることが
好ましい。溶融張力が3.0cNより小さいと、押出発
泡の際にシート内に気泡を維持することが困難となり、
表面平滑性の高い良好な発泡シートが得られず、又、熱
成形のシート加熱時に表面破泡が起きやすくなり、表面
に凹凸が生じ成形後の発泡成形体の外観が低下する傾向
がある。又、5.0cNより大きいと過度の張力により
押出の際に安定した製膜が困難となり好ましくない。
又、230℃におけるMFRは2.0〜5.0g/10
分であるポリプロピレン系樹脂を用いることが好まし
く、2.0g/10分より小さいと、流動性が低下する
影響により、押出性が不安定となり、又、5.0g/1
0分より大きくなると、押出性は安定するが、粘度が低
くなる影響により気泡を均一に形成させることが困難と
なり、又気泡の成長を抑制できず気泡壁が破れやすくな
り、シート表面に凹凸が発生し、表面外観が低下するた
め好ましくない。
【0021】本発明の発泡シートは、その表面での帯電
による静電気の発生を抑止するために、表面に一般的に
用いられる酸化チタン等の帯電防止剤を塗布すること
や、表面に導電性の印刷を行って用いることもできる。
一方で、発泡シートの表面保護や装飾の目的で、ポリプ
ロピレン系樹脂やポリスチレン系樹脂等のフィルムを表
面に積層して用いることもできる。
による静電気の発生を抑止するために、表面に一般的に
用いられる酸化チタン等の帯電防止剤を塗布すること
や、表面に導電性の印刷を行って用いることもできる。
一方で、発泡シートの表面保護や装飾の目的で、ポリプ
ロピレン系樹脂やポリスチレン系樹脂等のフィルムを表
面に積層して用いることもできる。
【0022】本発明の発泡シートの熱成形としては、一
般的な真空成形、圧空成形やこれらの応用として、シー
トの片面をプラグに接触させて成形を行うプラグアシス
ト法、シートの両面に一対をなす雌雄型を接触させて成
形を行う、いわゆるマッチモールド成形と称される方法
等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
又、成形前にシートを加熱軟化させる方法として非接触
加熱である赤外線ヒーター等による輻射加熱等、公知の
シート加熱方法を適応することができる。
般的な真空成形、圧空成形やこれらの応用として、シー
トの片面をプラグに接触させて成形を行うプラグアシス
ト法、シートの両面に一対をなす雌雄型を接触させて成
形を行う、いわゆるマッチモールド成形と称される方法
等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
又、成形前にシートを加熱軟化させる方法として非接触
加熱である赤外線ヒーター等による輻射加熱等、公知の
シート加熱方法を適応することができる。
【0023】
【実施例】以下に本発明について実施例を挙げてさらに
詳しく説明する。
詳しく説明する。
【0024】(実施例1)200℃における溶融張力が
4.3cNであり、230℃におけるMFRの値が4.
0g/10分であるポリプロピレン系樹脂(チッソ社
製、FH3400:ホモポリプロピレン)を100部と
化学発泡剤(クラリアント社製、CF40E)を1.5
部とを攪拌混合し、スクリュー径90mmの単軸押出機
(ノンベント)を用いてシリンダー温度230℃にて溶
融軟化し、190℃に設定した環状の押出機金口より押
出した後に円筒環状の冷却装置に接触させ冷却し、一定
のラインにて切り開き、厚みが1.5mmのシート状物
とした。このようにして得られた発泡シートの密度は4
50kgm-3、独立気泡率は45%であった。
4.3cNであり、230℃におけるMFRの値が4.
0g/10分であるポリプロピレン系樹脂(チッソ社
製、FH3400:ホモポリプロピレン)を100部と
化学発泡剤(クラリアント社製、CF40E)を1.5
部とを攪拌混合し、スクリュー径90mmの単軸押出機
(ノンベント)を用いてシリンダー温度230℃にて溶
融軟化し、190℃に設定した環状の押出機金口より押
出した後に円筒環状の冷却装置に接触させ冷却し、一定
のラインにて切り開き、厚みが1.5mmのシート状物
とした。このようにして得られた発泡シートの密度は4
50kgm-3、独立気泡率は45%であった。
【0025】(実施例2)実施例1に記載のポリプロピ
レン系系樹脂を100部と、化学発泡剤(クラリアント
社製、CF40E)を3.0部とを攪拌混合し、スクリ
ュー径90mmの単軸押出機(ノンベント)を用いてシ
リンダー温度230℃にて溶融軟化し、190℃に設定
した環状の押出機金口より押出した後に円筒環状の冷却
装置に接触させ冷却し、一定のラインにて切り開き、厚
みが1.2mmのシート状物とした。このようにして得
られた発泡シートの密度は360kgm-3、独立気泡率
は49%であった。
レン系系樹脂を100部と、化学発泡剤(クラリアント
社製、CF40E)を3.0部とを攪拌混合し、スクリ
ュー径90mmの単軸押出機(ノンベント)を用いてシ
リンダー温度230℃にて溶融軟化し、190℃に設定
した環状の押出機金口より押出した後に円筒環状の冷却
装置に接触させ冷却し、一定のラインにて切り開き、厚
みが1.2mmのシート状物とした。このようにして得
られた発泡シートの密度は360kgm-3、独立気泡率
は49%であった。
【0026】(実施例3)実施例1に記載のポリプロピ
レン系樹脂を100部と発泡核剤として化学発泡剤(ク
ラリアント社製、CF40E)を1.0部とを攪拌混合
したものをスクリュー径90mmの単軸押出機(ノンベ
ント)を用いて加熱溶融し、樹脂圧力を低くするべく設
定された位置より物理発泡剤として炭酸ガスを2.0部
注入した後に、環状の押出機金口より押出された溶融樹
脂を円筒環状の冷却装置により冷却して得られた円筒環
状シートの一部を切り開いて、厚みが1.5mmのシー
ト状物とした。このようにして得られた発泡シートの密
度は300kgm-3、独立気泡率は52%であった。
レン系樹脂を100部と発泡核剤として化学発泡剤(ク
ラリアント社製、CF40E)を1.0部とを攪拌混合
したものをスクリュー径90mmの単軸押出機(ノンベ
ント)を用いて加熱溶融し、樹脂圧力を低くするべく設
定された位置より物理発泡剤として炭酸ガスを2.0部
注入した後に、環状の押出機金口より押出された溶融樹
脂を円筒環状の冷却装置により冷却して得られた円筒環
状シートの一部を切り開いて、厚みが1.5mmのシー
ト状物とした。このようにして得られた発泡シートの密
度は300kgm-3、独立気泡率は52%であった。
【0027】(比較例1)実施例1に記載のポリプロピ
レン系樹脂を100部と発泡核剤として化学発泡剤(ク
ラリアント社製、CF40E)を1.0部とを攪拌混合
し、日立造船社製同方向二軸押出機(スクリュー径=φ
57mm、L/D=40)に供給し、シリンダー温度1
90℃で可塑化混合したのち、発泡剤として炭酸ガスを
ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して2.5部の
量を注入し、サーキュラーダイス(φ150mm×0.
7mmt、設定温度180℃)より発泡押出を行い、厚
みが2.0mmのシート状物を得た。このようにして得
られた発泡シートの密度は250kgm-3、独立気泡率
は65%であった。
レン系樹脂を100部と発泡核剤として化学発泡剤(ク
ラリアント社製、CF40E)を1.0部とを攪拌混合
し、日立造船社製同方向二軸押出機(スクリュー径=φ
57mm、L/D=40)に供給し、シリンダー温度1
90℃で可塑化混合したのち、発泡剤として炭酸ガスを
ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して2.5部の
量を注入し、サーキュラーダイス(φ150mm×0.
7mmt、設定温度180℃)より発泡押出を行い、厚
みが2.0mmのシート状物を得た。このようにして得
られた発泡シートの密度は250kgm-3、独立気泡率
は65%であった。
【0028】(比較例2)実施例1に記載のポリプロピ
レン系樹脂を100部と化学発泡剤(永和化成社製、D
EM2)を0.8部とを攪拌混合し、スクリュー径90
mmの単軸押出機(ノンベント)を用いてシリンダー温
度210℃にて溶融軟化し、190℃に設定した130
0mm巾の単層T型ダイスより押出し、厚みが1.0m
mのシート状物を得た。このようにして得られた発泡シ
ートの密度は750kgm-3、独立気泡率は43%であ
った。
レン系樹脂を100部と化学発泡剤(永和化成社製、D
EM2)を0.8部とを攪拌混合し、スクリュー径90
mmの単軸押出機(ノンベント)を用いてシリンダー温
度210℃にて溶融軟化し、190℃に設定した130
0mm巾の単層T型ダイスより押出し、厚みが1.0m
mのシート状物を得た。このようにして得られた発泡シ
ートの密度は750kgm-3、独立気泡率は43%であ
った。
【0029】(比較例3)ポリスチレン系樹脂(電気化
学工業社製、HRM−2)を80部とブタンガスを含浸
させた発泡性ビーズを20部、発泡核剤としてタルクを
0.5部、化学発泡剤を1.0部とを攪拌混合し、スク
リュー径120mmの単軸押出機(ノンベント)を用い
てシリンダー温度200℃にて溶融軟化し、130℃に
設定した環状の押出機金口より押出した後に円筒環状の
冷却装置に接触させ冷却し、一定のラインにて切り開
き、厚みが1.5mmのシート状物を得た。このように
して得られた発泡シートの密度は170kgm-3、独立
気泡率は53%であった。
学工業社製、HRM−2)を80部とブタンガスを含浸
させた発泡性ビーズを20部、発泡核剤としてタルクを
0.5部、化学発泡剤を1.0部とを攪拌混合し、スク
リュー径120mmの単軸押出機(ノンベント)を用い
てシリンダー温度200℃にて溶融軟化し、130℃に
設定した環状の押出機金口より押出した後に円筒環状の
冷却装置に接触させ冷却し、一定のラインにて切り開
き、厚みが1.5mmのシート状物を得た。このように
して得られた発泡シートの密度は170kgm-3、独立
気泡率は53%であった。
【0030】(比較例4)特開平7−33053と類似
したな方法により、ポリエチレンテレフタレート系樹脂
発泡シートを製造した。ポリエチレンテレフタレートの
ペレット(帝人社製、TR8580)を100部とタル
ク微粉末を0.6部、無水ピロメリット酸を0.4部、
炭酸ナトリウムを0.1部とを攪拌混合したものを、ス
クリュー径120mmの単軸押出機(ノンベント)を用
いて加熱溶融し、樹脂圧力を低くするべく設定された位
置より物理発泡剤として炭酸ガスを0.75部注入した
後に、環状の押出機金口より押出された溶融樹脂を円筒
環状の冷却装置により冷却して得られた円筒環状シート
の一部を切り開き、厚みが2.0mmのシート状物を得
た。このようにして得られた発泡シートの密度は190
kgm-3、独立気泡率は85%であった。
したな方法により、ポリエチレンテレフタレート系樹脂
発泡シートを製造した。ポリエチレンテレフタレートの
ペレット(帝人社製、TR8580)を100部とタル
ク微粉末を0.6部、無水ピロメリット酸を0.4部、
炭酸ナトリウムを0.1部とを攪拌混合したものを、ス
クリュー径120mmの単軸押出機(ノンベント)を用
いて加熱溶融し、樹脂圧力を低くするべく設定された位
置より物理発泡剤として炭酸ガスを0.75部注入した
後に、環状の押出機金口より押出された溶融樹脂を円筒
環状の冷却装置により冷却して得られた円筒環状シート
の一部を切り開き、厚みが2.0mmのシート状物を得
た。このようにして得られた発泡シートの密度は190
kgm-3、独立気泡率は85%であった。
【0031】実施例および比較例において得られた発泡
シートの損失弾性率の測定、及び外観評価を行った結果
を表1に記す。
シートの損失弾性率の測定、及び外観評価を行った結果
を表1に記す。
【0032】
【表1】
【0033】表1におけるシートの評価については下記
のように実施した。 (損失弾性率)本発明における発泡シートの損失弾性率
(N/m2)は、下記のようにして求めたものである。
まず、発泡シートから直径5mmの試験片を切り出し、
粘弾性測定装置SOLIDS ANALYZER RS
A2(レオメトリックサイエンティフィック社製)の直
径5mmの圧縮測定用冶具の間に試験片を固定した後、
付加荷重のない状態に調整し、オーブンを閉め昇温速度
10℃/分で加熱し、10Hz(62.8rad/se
c)の周波数にて、前記試験片の25℃での損失弾性率
を求めた。 (シート密度)ミラージュ貿易社製電子比重計(MD−
200S)にて測定した。 (独立気泡率)東京サイエンス社製空気比較式比重計を
用い、ASTM:D−2856に準拠して測定した。 (溶融張力)溶融張力の測定は、(株)東洋精機製作所
製キャピログラフを用いて、装置内にてポリプロピレン
系樹脂を200℃に加熱したバレル内で樹脂を5分間保
持した後、溶融状態の樹脂を口径2.095mm、長さ
8mmのキャピラリーから15mm/分の速度で23℃
の大気中へ押し出してストランドとし、このストランド
を2m/分の速度で引き取る際の糸状樹脂の張力を測定
した。 (MFR)(株)東洋精機製作所製キャピログラフを用
い、JIS K7210に準拠して測定した。 (シート外観) シートの外観は下記に従って評価した。 目視にて表面平滑性が高く、外観が良好 :○ 目視にて表面平滑性が悪く、表面凹凸が見られる :×
のように実施した。 (損失弾性率)本発明における発泡シートの損失弾性率
(N/m2)は、下記のようにして求めたものである。
まず、発泡シートから直径5mmの試験片を切り出し、
粘弾性測定装置SOLIDS ANALYZER RS
A2(レオメトリックサイエンティフィック社製)の直
径5mmの圧縮測定用冶具の間に試験片を固定した後、
付加荷重のない状態に調整し、オーブンを閉め昇温速度
10℃/分で加熱し、10Hz(62.8rad/se
c)の周波数にて、前記試験片の25℃での損失弾性率
を求めた。 (シート密度)ミラージュ貿易社製電子比重計(MD−
200S)にて測定した。 (独立気泡率)東京サイエンス社製空気比較式比重計を
用い、ASTM:D−2856に準拠して測定した。 (溶融張力)溶融張力の測定は、(株)東洋精機製作所
製キャピログラフを用いて、装置内にてポリプロピレン
系樹脂を200℃に加熱したバレル内で樹脂を5分間保
持した後、溶融状態の樹脂を口径2.095mm、長さ
8mmのキャピラリーから15mm/分の速度で23℃
の大気中へ押し出してストランドとし、このストランド
を2m/分の速度で引き取る際の糸状樹脂の張力を測定
した。 (MFR)(株)東洋精機製作所製キャピログラフを用
い、JIS K7210に準拠して測定した。 (シート外観) シートの外観は下記に従って評価した。 目視にて表面平滑性が高く、外観が良好 :○ 目視にて表面平滑性が悪く、表面凹凸が見られる :×
【0034】実施例および比較例において得られた発泡
シートを上下から遠赤外線セラミックヒーターにて加熱
し、サーモラベル(朝日物産(株)社製)をシートの上
側の表面に貼りつけて測定したシートの表面温度が基材
となる樹脂の軟化点+5℃となった時点で、形状が縦1
90mm、横160mm、深さ30mm、底部のコーナ
ー部のR値が5.0である成形型を用いて真空成形を行
った。尚、成形を行う際、成形後の発泡成形体の厚みと
密度とが、発泡シートに対して±5%以下となるように
調整して成形を行った。
シートを上下から遠赤外線セラミックヒーターにて加熱
し、サーモラベル(朝日物産(株)社製)をシートの上
側の表面に貼りつけて測定したシートの表面温度が基材
となる樹脂の軟化点+5℃となった時点で、形状が縦1
90mm、横160mm、深さ30mm、底部のコーナ
ー部のR値が5.0である成形型を用いて真空成形を行
った。尚、成形を行う際、成形後の発泡成形体の厚みと
密度とが、発泡シートに対して±5%以下となるように
調整して成形を行った。
【0035】熱成形して得られた発泡成形体について外
観評価、寸法精度、緩衝性の評価を行った。 (外観) 容器の外観は下記に従って評価した。 目視にて表面平滑性が良く、外観に優れる :○ 目視にて表面凹凸が発生し、外観が悪い :× (寸法精度)成形型底部のコーナー部のR値と、得られ
た発泡容器の成形型に接触した面にて求めた同一箇所で
のコーナー部のR値を用いて、下記の式により算出した
値を寸法精度の指標とした。 寸法精度=金型のR値(:5.0)−発泡容器のR値 評価方法 寸法精度が±0.5以下 ; 寸法精度良好 ○ 寸法精度が±0.5より大きい ; 寸法精度不良 × (緩衝性)各発泡シートを熱成形して得られた発泡成形
体内部にガラス片(厚み1.2mm)を入れ、その上に
もう一度同じ形状の発泡成形体を重ねた。さらにその上
に100gのおもりを入れ、その状態にてコンクリート
床への落下試験(5cm毎、測定回数=3)を行い、ガ
ラス片の破壊する高さを求めた。このようにして求めた
破壊高さの値が120cmより小さい場合、発泡素材の
上、若しくは熱成形した発泡成形体においてはその内部
に内容物を載せて移送する際に、発泡成形体として十分
な緩衝性を示さず、外部からの衝撃により内容物が破
損、破壊する。
観評価、寸法精度、緩衝性の評価を行った。 (外観) 容器の外観は下記に従って評価した。 目視にて表面平滑性が良く、外観に優れる :○ 目視にて表面凹凸が発生し、外観が悪い :× (寸法精度)成形型底部のコーナー部のR値と、得られ
た発泡容器の成形型に接触した面にて求めた同一箇所で
のコーナー部のR値を用いて、下記の式により算出した
値を寸法精度の指標とした。 寸法精度=金型のR値(:5.0)−発泡容器のR値 評価方法 寸法精度が±0.5以下 ; 寸法精度良好 ○ 寸法精度が±0.5より大きい ; 寸法精度不良 × (緩衝性)各発泡シートを熱成形して得られた発泡成形
体内部にガラス片(厚み1.2mm)を入れ、その上に
もう一度同じ形状の発泡成形体を重ねた。さらにその上
に100gのおもりを入れ、その状態にてコンクリート
床への落下試験(5cm毎、測定回数=3)を行い、ガ
ラス片の破壊する高さを求めた。このようにして求めた
破壊高さの値が120cmより小さい場合、発泡素材の
上、若しくは熱成形した発泡成形体においてはその内部
に内容物を載せて移送する際に、発泡成形体として十分
な緩衝性を示さず、外部からの衝撃により内容物が破
損、破壊する。
【0036】上記測定により得られた測定結果を表2に
示す。
示す。
【0037】実施例および比較例のシートを熱成形して
得られた発泡成形体について緩衝性の評価を行ったとこ
ろ、実施例のシートより得られた発泡成形体について
は、緩衝性に優れ、且つ高い寸法精度が示されたのに対
し、比較例のシートより得られた発泡成形体では、十分
な緩衝性を有し、且つ寸法精度に優れたものは得られな
かった。
得られた発泡成形体について緩衝性の評価を行ったとこ
ろ、実施例のシートより得られた発泡成形体について
は、緩衝性に優れ、且つ高い寸法精度が示されたのに対
し、比較例のシートより得られた発泡成形体では、十分
な緩衝性を有し、且つ寸法精度に優れたものは得られな
かった。
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】熱可塑性樹脂発泡シートの損失弾性率を
特定の範囲に調整し、厚み範囲及び該発泡シートの密度
を適切な範囲に設定することにより、優れた緩衝性を有
した発泡シートで、且つその発泡シートを熱成形して得
られた発泡成形体は、寸法精度及び表面平滑性が良好
で、電子部品や精密機械部品等の保管及び輸送用に好適
な発泡シートが得られる。
特定の範囲に調整し、厚み範囲及び該発泡シートの密度
を適切な範囲に設定することにより、優れた緩衝性を有
した発泡シートで、且つその発泡シートを熱成形して得
られた発泡成形体は、寸法精度及び表面平滑性が良好
で、電子部品や精密機械部品等の保管及び輸送用に好適
な発泡シートが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 23:00 B29K 105:04 105:04 B29L 7:00 B29L 7:00 31:58 31:58 C08L 23:10 C08L 23:10 B65D 81/14 B Fターム(参考) 3E066 AA21 CA01 DA01 NA43 3E086 AB01 BA16 4F074 AA24 AB02 AB05 BA07 BA32 CA22 CC04Y CC05Z DA02 DA12 DA23 DA24 DA33 4F207 AA11 AB02 AG01 AG08 AG20 KA01 KA11 KA19 KW23
Claims (5)
- 【請求項1】熱可塑性樹脂からなる発泡シートであっ
て、測定周波数10Hz、昇温速度10℃/分の圧縮法
による動的粘弾性測定で、25℃における損失弾性率
(E”)が4.0×106〜6.0×106N/m2あ
り、厚みが0.8〜1.8mmであることを特徴とする
熱可塑性樹脂発泡シート。 - 【請求項2】熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン系樹脂で
ある、請求項1に記載の熱可塑性樹脂発泡シート。 - 【請求項3】ポリプロピレン系樹脂発泡シートの密度が
300kgm-3を超え、500kgm-3以下であり、独
立気泡率が40%以上であることを特徴とする、請求項
2に記載の熱可塑性樹脂発泡シート。 - 【請求項4】200℃における溶融張力が3.0〜5.
0cNであり、230℃におけるMFRが2.0〜5.
0g/10分であるポリプロピレン系樹脂を用いてなる
請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂発泡
シート。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡
シートを熱成形してなる熱可塑性樹脂発泡成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001119225A JP2002309027A (ja) | 2001-04-18 | 2001-04-18 | 熱可塑性樹脂発泡シート及び発泡成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001119225A JP2002309027A (ja) | 2001-04-18 | 2001-04-18 | 熱可塑性樹脂発泡シート及び発泡成形体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002309027A true JP2002309027A (ja) | 2002-10-23 |
Family
ID=18969478
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001119225A Pending JP2002309027A (ja) | 2001-04-18 | 2001-04-18 | 熱可塑性樹脂発泡シート及び発泡成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002309027A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006130881A (ja) * | 2004-11-09 | 2006-05-25 | Kaneka Corp | 深絞り成形に優れるポリスチレン系樹脂積層発泡シート |
JP2015186855A (ja) * | 2014-03-26 | 2015-10-29 | 大日本印刷株式会社 | 積層シート及び発泡積層シート |
JP2020128223A (ja) * | 2019-02-07 | 2020-08-27 | デンカ株式会社 | 積層発泡シート及び成形体 |
-
2001
- 2001-04-18 JP JP2001119225A patent/JP2002309027A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006130881A (ja) * | 2004-11-09 | 2006-05-25 | Kaneka Corp | 深絞り成形に優れるポリスチレン系樹脂積層発泡シート |
JP4709533B2 (ja) * | 2004-11-09 | 2011-06-22 | 積水化成品工業株式会社 | 深絞り成形に優れるポリスチレン系樹脂積層発泡シート |
JP2015186855A (ja) * | 2014-03-26 | 2015-10-29 | 大日本印刷株式会社 | 積層シート及び発泡積層シート |
JP2020128223A (ja) * | 2019-02-07 | 2020-08-27 | デンカ株式会社 | 積層発泡シート及び成形体 |
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