JP2004097281A - 遊技システム - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の遊技システムにおいては、メダルをスロットマシンの受け皿まで運んだり、メダルをメダル投入口に投入すること自体が遊技者にとって面倒であった。また、メダルを床に落とすこともあり、遊技を開始するまでに時間がかかったりしてなにかと不便であった。
【解決手段】遊技者がスロットマシン遊技を行う際、メダル貸出機55の現金投入口56に千円札を投入すると、メダル貸出機55は、右側面の赤外線発受光部57からスロットマシン1に向けて信号を送信する。スロットマシン1の左側面の赤外線発受光部58でこの信号を受信すると、クレジットカウンタがこの貸出数だけクレジット数を増加してその数を貯留枚数表示部16に表示する。遊技者は貯留枚数表示部16を見てクレジット数が増加し、クレジット遊技が出来る状態になったのを確認してからスロットマシン遊技を開始する。
【選択図】 図2
【解決手段】遊技者がスロットマシン遊技を行う際、メダル貸出機55の現金投入口56に千円札を投入すると、メダル貸出機55は、右側面の赤外線発受光部57からスロットマシン1に向けて信号を送信する。スロットマシン1の左側面の赤外線発受光部58でこの信号を受信すると、クレジットカウンタがこの貸出数だけクレジット数を増加してその数を貯留枚数表示部16に表示する。遊技者は貯留枚数表示部16を見てクレジット数が増加し、クレジット遊技が出来る状態になったのを確認してからスロットマシン遊技を開始する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機と、遊技者に遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機とから構成される遊技システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の遊技システムを構成する遊技媒体貸出機としては、例えば、図1(a)に示すメダル貸出機51aがある。このメダル貸出機51aの上部には紙幣挿入口52aが設けられており、下部にはメダルが払い出される払出口53aが設けられている。遊技者が紙幣挿入口52aに紙幣、例えば千円札を1枚挿入すると、払出口53aから50枚のメダルが払い出される。遊技者は、払出口53aから払い出されるこれらのメダルを手で受け取り、メダル貸出機51aに併設されたスロットマシンの受け皿まで運び、受け皿に貯留する。そして、貯留したメダルをスロットマシンのメダル投入口に投入してスロットマシン遊技を行う。
【0003】
また、同図(b)に示すメダル貸出機51bは、その横に併設されたスロットマシンの受け皿に直接メダルが払い出されるように形成されたシュート53bを備えている。遊技者が紙幣をメダル貸出機51bの紙幣挿入口52bに挿入すると、遊技者は直接手を触れずにメダルを受け皿に貯留することが出来る。遊技者は、このようにして受け皿に貯留されたメダルをスロットマシンのメダル投入口に投入してスロットマシン遊技を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のメダル貸出機51aを備えた遊技システムにおいては、払出口53aからメダルを手で受け取ってスロットマシンの受け皿まで運び、メダルをスロットマシンのメダル投入口に投入すること自体が遊技者にとって面倒であった。また、メダルを受け皿まで手で運ぶ途中に床に落としたりして、何かと不便であった。
【0005】
また、スロットマシンの受け皿に直接メダルが払い出されるメダル貸出機51bを備えた遊技システムにおいても、遊技を開始するためには手でメダルをスロットマシンのメダル投入口に投入する必要があり、遊技を開始するまでに時間がかかり、面倒であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、現金が投入される現金投入口、及びこの現金投入口に現金が投入されると遊技者に貸し出す遊技媒体の貸出数を送信する送信部(例えば、赤外線で信号を送信する赤外線発光部)を備えた遊技媒体貸出機と、送信部から送信される遊技媒体の貸出数を受信する受信部(例えば、赤外線発光部から送信される赤外線を受信する赤外線受光部)を備えた遊技機とから遊技システムを構成した。
【0007】
この構成によれば、遊技媒体の貸出数が遊技媒体貸出機の送信部から遊技機の受信部へ伝えられ、遊技者は直接遊技媒体に触れることなく遊技機に遊技媒体を投入することが出来る。
【0008】
また、本発明は、遊技機が、投入された遊技媒体を計数する計数機を備え、この計数機で計数された遊技媒体を使って遊技を行い、計数機が、送信部から送信される遊技媒体の貸出数が受信部で受信されると、この遊技媒体の貸出数だけ計数を増加することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、遊技媒体の貸出数が遊技媒体貸出機の送信部から遊技機の受信部へ伝えられ、遊技機の計数機がこの貸出数だけ計数を増加する。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による遊技システムをスロットマシン遊技システムに適用した一実施形態について説明する。
【0011】
図2は本実施形態によるスロットマシン遊技システム54を構成している、スロットマシン1及びメダル貸出機55を示している。
【0012】
メダル貸出機55は、正面上部に千円札が投入される現金投入口56を備えており、右側面には、現金投入口56に千円札が投入されると遊技者に貸し出すメダルの貸出数を赤外線で送信する赤外線発受光部57を送信部として備えている。この赤外線発受光部57には赤外線LED(発光ダイオード)及びPD(フォトダイオード)が設けられており、この赤外線LEDが発光制御されて赤外線が送信される。
【0013】
また、スロットマシン1は、その左側面に、赤外線発受光部57から送信された赤外線を受信する赤外線発受光部58を受信部として備えている。赤外線発受光部58にも、赤外線LED及びPDが設けられており、赤外線発受光部57に設けられた赤外線LEDから送信される赤外線信号をこのPDで受信する。
【0014】
図3は本実施形態によるスロットマシン1とメダル貸出機55とが併設されたスロットマシン遊技システム54の外観を示す正面図である。遊技店内においては、同図に示すように、メダル貸出機55とスロットマシン1とが併設され、スロットマシン1の赤外線発受光部58とメダル貸出機55の右側面に備えられた赤外線発受光部57とがお互い向かい合わされる。
【0015】
また、スロットマシン1の本体中央部には、3個のリール2,3,4が回転自在に設けられている。各リール2,3,4の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列が描かれている。これらシンボルはスロットマシン1の正面の表示窓5,6,7を通してそれぞれ3個ずつ観察される。この表示窓5,6,7には、横3本と斜め2本の計5本の入賞ラインが設けられている。また、表示窓5〜7の下方右側には、遊技者が遊技に賭ける遊技媒体であるメダルが投入されるメダル投入口8が設けられている。
【0016】
ゲーム開始に先立って、遊技者がメダル投入口8から1枚のメダルを投入したときは、中央の横1本の入賞ラインが有効化される。また、2枚投入したときは、これに上下の横2本の入賞ラインが加わって横3本の入賞ラインが有効化される。また、3枚投入したときは、これに斜め2本の入賞ラインが加わって5本の入賞ライン全てが有効化される。
【0017】
また、表示窓5〜7の左方には、上部から、4個のチャンスLED(発光ダイオード)9〜12、3個の遊技動作表示ランプ13〜15、貯留枚数表示部16、およびスタートランプ17が設けられている。チャンスLED9〜12および遊技動作表示ランプ13〜15は遊技状態に応じて点灯制御され、その時の遊技状態が遊技者に知らされる。また、スロットマシン1は、メダル投入口8に投入されたメダルの数をクレジット数として計数するクレジットカウンタを備えており、3桁の7セグメントLEDからなる貯留枚数表示部16は、現在クレジットカウンタで計数されているメダル数を表示する。スタートランプ17は各リール2〜4が作動可能な時に点滅する。
【0018】
また、表示窓5〜7の右方には、上部から、ボーナスカウント表示部18、WINランプ19、配当枚数表示部20、およびインサートランプ21が設けられている。ボーナスカウント表示部18は、3桁の7セグメントLEDからなり、ボーナスゲーム入賞時に、RBゲームおよびジャックゲームの残り入賞可能回数をデジタル表示する。WINランプ19は有効化入賞ラインに入賞組み合わせのシンボルが揃った時に点灯する。配当枚数表示部20は、3桁の7セグメントLEDからなり、入賞によるメダル払い出し枚数を表示する。インサートランプ21はメダル投入口8にメダルの投入が受付可能な時に点灯する。
【0019】
また、表示窓5〜7の直ぐ下方には、液晶表示装置22が設けられている。液晶表示装置22の左側には十字キー23、「○」ボタン24、「×」ボタン25、1貯留メダル投入スイッチ26、2貯留メダル投入スイッチ27、および3貯留メダル投入スイッチ28が設けられている。十字キー23は、上下左右の4方向のスイッチ操作を検出して、液晶表示装置22に表示される情報項目を選択する際に使用される。「○」ボタン24は液晶表示装置22に表示される指定情報を了承する決定ボタンであり、「×」ボタン25は液晶表示装置22に表示される指定情報をキャンセルするキャンセルボタンである。また、貯留メダル投入スイッチ26〜28は、貯留枚数表示部16にメダル数が表示されてクレジットされている際に、メダル投入口8へのメダル投入に代えて1回のゲームに1〜3枚のメダルを賭ける際に使用される。
【0020】
また、液晶表示装置22の下方には、左側から、貯留メダル精算スイッチ29、スタートレバー30、およびストップボタン31,32,33が設けられている。貯留メダル精算スイッチ29は、クレジット遊技を行う際、または、クレジットされたメダルを精算する際に使用される。遊技者は、貯留枚数表示部16に表示されているクレジット数が零でなければ、貯留メダル精算スイッチ29を操作することにより、スロットマシン1内部に投入されているクレジットされたメダルによって、メダル投入口8にメダルを投入しなくても遊技が出来るクレジット遊技を行うことが出来る。また、スタートレバー30の操作により各リール2〜4の回転が一斉に開始する。ストップボタン31〜33は、各リール2〜4に対応して配置されており、これら各リール2〜4の回転が一定速度に達したときに操作が有効化され、遊技者の操作に応じて各リール2〜4の回転を停止する。
【0021】
また、スロットマシン1の正面下部にはメダル受皿37が設けられている。このメダル受皿37はメダル払出口38から払い出されるメダルを貯めるものである。また、スロットマシン1の正面上部には、入賞に対してどれだけのメダルが払い出されるかを示す配当表示部39が設けられており、この配当表示部39の左右には一対のスピーカ96,96が設けられている。
【0022】
図4および図5は、上述したスロットマシン1の遊技処理動作を制御するメイン制御基板61およびサブ制御基板62に構成された回路構成を示している。
【0023】
図4に示すメイン制御基板61における制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)63を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン63は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うメインCPU(中央演算処理装置)64と、プログラム記憶手段であるプログラムROM(リード・オンリ・メモリ)65およびバックアップ機能付き制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)66とを含んで構成されている。
【0024】
メインCPU64には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路67および分周器68と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器69および発生した乱数の1つを特定する乱数サンプリング回路70とが接続されている。さらに、後述する周辺装置(アクチュエータ)との間で信号を授受するI/Oポート(入出力ポート)71が接続されている。プログラムROM65は、確率抽選テーブル、シンボルテーブル、入賞シンボル組合せテーブル、およびシーケンスプログラム等を格納するように記憶部が区分されている。
【0025】
図6はプログラムROM65内に格納された一般遊技中に使用される確率抽選テーブルを概念的に示している。この確率抽選テーブルは、一般遊技中にサンプリング回路70で抽出された乱数を各入賞態様に区分けするために使用され、乱数発生器69で発生する一定範囲の乱数を各入賞態様に区画するデータを記憶している。同図におけるa1〜a3,b1〜b3,c1〜c3,d1〜d3,e1〜e3,f1〜f3,g1〜g3は予め設定された数値データであり、サンプリング回路70で抽出された乱数を各入賞態様に区画する際に用いられる。このデータは、投入メダル枚数が1枚の場合には「a1〜g1」、2枚の場合には「a2〜g2」、3枚の場合には「a3〜g3」の各数値の組合せが用いられる。
【0026】
これら数値は通常「a<b<c<d<e<f<g」の大小関係に設定され、抽出された乱数値がd未満であれば小当たり入賞(小ヒット)となり、この場合、a未満の場合には「角チェリー」当たり要求フラグが立ち、a以上b未満の場合には「中チェリー」当たり要求フラグ、b以上c未満の場合には「プラム」当たり要求フラグ、c以上d未満の場合には「スイカ」当たり要求フラグが立つ。また、抽出された乱数値がd以上e未満であれば「再遊技」当たり要求フラグが立つ。また、抽出された乱数値がe以上f未満であれば中当たり入賞(中ヒット)となって「RB」当たり要求フラグが立ち、抽出された乱数値がf以上g未満であれば大当たり入賞(大ヒット)となって「BB」当たり要求フラグが立つ。また、g以上であれば入賞なしの「はずれ」になる。つまり、入賞態様は、サンプリングされた1つの乱数値がこのどの数値範囲に属するかによって決定され、当たり要求フラグによって表される。
【0027】
「BB」または「RB」のボーナス当たり要求フラグは、フラグが立てられた以降の遊技に持ち越され、「BB」または「RB」のシンボル組み合わせが有効化入賞ラインに停止表示されてボーナス入賞が実際に発生すると、ボーナス当たり要求フラグはクリアされる。また、ボーナス当たり要求フラグ以外のフラグは、フラグが立てられた遊技においてのみ有効であり、その遊技終了時にはクリアされて次遊技以降には持ち越されない。
【0028】
また、上記のプログラムROM65内に格納された図示しないシンボルテーブルは、各リール2〜4の回転位置とシンボルとを対応づけるものであり、シンボル列を記号で表したものである。このシンボルテーブルには、リセットパルスが発生する回転位置を基準として各リールの一定の回転ピッチ毎に順次付与されたコードナンバと、それぞれのコードナンバ毎に対応して設けられたシンボルを示すシンボルコードとが記憶されている。
【0029】
また、上記のプログラムROM65内には図示しない入賞シンボル組合せテーブルが格納されている。この入賞シンボル組合せテーブルには、配当表に示される各入賞シンボル組合せのシンボルコードや、「リーチ目」を構成するシンボル組合せのシンボルコード、各入賞を表す入賞判定コード、入賞メダル配当枚数等が記憶されている。ここで、リーチ目とは、B・B当たり要求フラグセット済み状態のときに、遊技者にB・Bゲームの発生が近い状態になっていることを示唆するシンボル組合せである。この入賞シンボル組合せテーブルは、第1リール2,第2リール3、第3リール4の停止制御時、および全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。さらに、プログラムROM65内には、このスロットマシン1でゲームを実行するためのシーケンスプログラムが格納されている。
【0030】
マイコン63からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各リール2,3,4を回転駆動するステッピングモータ45、各種ランプ(遊技動作表示ランプ13〜15、スタートランプ17、WINランプ19、インサートランプ21)、各種表示部(チャンスLED9〜12、貯留枚数表示部16、ボーナスカウント表示部18、入賞配当枚数表示部20)、およびメダルを収納するホッパー72がある。これらはそれぞれモータ駆動回路73、各ランプ駆動回路74、各表示部駆動回路75、およびホッパー駆動回路76によって駆動される。これら駆動回路73〜76は、マイコン63のI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。
【0031】
また、マイコン63が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、メダル投入口8から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ8S、スタートレバー30の操作を検出するスタートスイッチ30S、前述した貯留メダル投入スイッチ26〜28、貯留メダル精算スイッチ29、及び赤外線発受光部58がある。さらに、ホトセンサからの出力パルス信号を受けて各リール2,3,4の回転位置を検出するリール位置検出回路77がある。ホトセンサは各リール2〜4の駆動機構に含まれており、同図では示されていない。
【0032】
リール位置検出回路77は、リール2〜4の回転が開始された後、ステッピングモータ45の各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値を制御RAM66の所定エリアに書き込む。従って、制御RAM66内には、各リール2〜4について、1回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されている。また、ホトセンサは各リール2〜4が1回転する毎にリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路77を介してメインCPU64に与えられ、制御RAM66で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ45の回転との間に生じるずれが、1回転毎に解消されている。
【0033】
さらに、上記の入力信号発生手段としては、ストップボタン31,32,33が押された時に対応するリールを停止させる信号を発生するリール停止信号回路78、ホッパー72から払い出されるメダル数を計数するメダル検出部72S、および図示しない払出完了信号発生回路がある。これらもI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。払出完了信号発生回路は、メダル検出部72Sから入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が、表示部駆動回路75から入力した計数信号で表される配当枚数データに達した時に、メダル払い出しの完了を検知する信号を発生する。
【0034】
また、I/Oポート71にはサブ制御部通信ポート79が接続されており、マイコン63はこのサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62へ信号を送出する。図5に示すサブ制御基板62には、この信号を受信するメイン制御部通信ポート88が設けられている。サブ制御部通信ポート79およびメイン制御部通信ポート88間の通信は、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ向かう一方向についてだけ行われる。本実施形態では、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ送出される信号は、7ビット長でその制御種別が表されるコマンド種別と、最大24ビット長でそのコマンドの内容が表されるパラメータとで構成されている。
【0035】
サブ制御基板62における制御部はマイコン81を主な構成要素として構成されている。マイコン81も、メイン制御基板61におけるマイコン63と同様、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うサブCPU82と、プログラム記憶手段であるプログラムROM83およびバックアップ機能付き制御RAM84とを含んで構成されている。サブCPU82にも、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路85および分周器86が接続されており、さらに、上記のメイン制御部通信ポート88や後述するアクチュエータとの間で信号を授受するI/Oポート87が接続されている。
【0036】
マイコン81からの制御信号により動作が制御されるアクチュエータとして、各リール2〜4に内蔵されたリールバックランプ47a,47b,47cがある。これらバックランプ47a〜47cの点灯は、I/Oポート87に接続されたランプ駆動回路89からの駆動信号によって制御される。また、マイコン81が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する入力信号発生手段として、前述した十字キー23、「○」ボタン24および「×」ボタン25がある。
【0037】
また、I/Oポート87には画像制御IC(高集積化回路)90および音源IC91が接続されている。画像制御IC90には、キャラクタ・データが記憶されたキャラクタROM92およびカラーディスプレイ表示用メモリであるビデオRAM93が接続されている。画像制御IC90は、マイコン81の制御の下、液晶表示装置22に画像表示を行う。マイコン81は、その時の遊技状態および当選フラグの種類といった情報をメイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から取り込み、取り込んだ遊技状態および当選フラグに基づいて表示する演出画像を選択する。そして、画像制御IC90を制御して選択した演出画像を液晶表示装置22に表示させる。
【0038】
また、音源IC91にはサウンド・データが記憶されたサウンドROM94が接続されており、音源IC91は、マイコン81の制御の下、パワーアンプ95を介してスピーカ96,96からサウンドを放音させる。マイコン81は、メイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から入力される指示に従い、音源IC91およびパワー・アンプ95を制御し、メダル投入音,スタートレバー操作音,停止ボタン操作音,ボーナスゲーム中の遊技音といった効果音をスピーカ96,96から出力させる。また、メイン制御基板61から取り込んだ遊技状態および当選フラグに基づいて選択した演出態様に基づく出音パターンで、スピーカ96,96から出音させる。
【0039】
次に、上述した制御回路によって制御されるスロットマシン1の動作について説明する。
【0040】
図7〜図9はメイン制御基板61のメインCPU64によって制御される遊技処理の概略を示すフローチャートである。
【0041】
まず、始めに、遊技開始時の初期化処理が行われる(図7,ステップ101参照)。この初期化処理では、制御RAM66の所定領域がクリアされ、また、メイン制御基板61およびサブ制御基板62間における通信データが初期化される。次に、メインCPU64により、前回遊技終了時に制御RAM66に記憶されていたデータを消す遊技終了時のRAMクリア処理が行われる(ステップ102)。次に、このステップ102でクリアされた制御RAM66に、遊技待機中を示す待機中フラグ「1」が書き込まれれる(ステップ103)。続いて、前回のゲーム終了後から30秒経過しているか否かが判別され(ステップ104)、30秒経過している場合には、サブ制御部通信ポート79からサブ制御基板62へ液晶表示装置22に待機画面を表示させるための待機画面コマンドが送信される(ステップ105)。つまり、待機画面コマンドは、非遊技状態が30秒間続くと送信される。
【0042】
続いて、前回遊技の結果、再遊技(リプレイ)が生じてメダルの自動投入要求があるか否かがCPU64によって判別される(ステップ106)。この自動投入要求がある場合には、次に、投入要求分の遊技メダルが自動投入される(ステップ107)。一方、自動投入要求がない場合には、次に、遊技者によってメダル投入口8にメダルが投入されて投入メダルセンサ8Sから検出信号が入力されるか、貯留メダル投入スイッチ26〜28の操作によって投入信号が入力されるのを待つ(ステップ108)。一般遊技中は最大3枚までのメダルを投入することが出来、BBゲームやRBゲーム中のボーナスゲームでは1枚のメダルを投入することが出来る。メダル投入口8にメダルが投入されるか、貯留メダル投入スイッチ26〜28が操作されると、次に、ステップ103で制御RAM66に書き込まれた待機中フラグ「1」がクリアされ、代わりに、遊技中を示す遊技中フラグ「0」が書き込まれる(ステップ109)。すなわち、前述のステップ103からこのステップ109までの間、スロットマシン1は待機中になっている。
【0043】
次に、スタートレバー30の操作により、スタートスイッチ30Sからのスタート信号入力があったか否かが判別される(ステップ110)。この判別が“Yes”の場合、次に、前回の遊技から4.1秒を経過しているか否かが判別される(ステップ111)。4.1秒を経過していない場合は、ウエイト機能が働いて4.1秒が経過するまでの遊技開始待ち時間が消化される(ステップ112)。スタートレバー30の操作がこの4.1秒経過前に行われると、スピーカ96,96からリール回転不可音が出音され、ウエイト機能が働いたことが遊技者に対して報知される。
【0044】
前回遊技から4.1秒を経過すると、次に、乱数発生器69で発生した抽選用の乱数がサンプリング回路70によって抽出され(ステップ113)、その後、上記の4.1秒をカウントするための1遊技監視用タイマがセットされる(ステップ114)。次に、ステップ113で抽出された乱数に基づき、確率抽選処理が行われる(図8,ステップ115参照)。この確率抽選処理は、サンプリング回路70によって特定された1つの乱数値が、確率抽選テーブル(図6参照)においてどの入賞グループに属する値になっているか判断されることによって行われる。この際、機械に投入されたメダル枚数に応じて、図6の確率抽選テーブルの各段に示された確率抽選データa1〜g1、a2〜g2、またはa3〜g3が用いられる。
【0045】
確率抽選処理が終了すると、次に、リール回転処理が行われ(ステップ116)、続いて、スタートコマンド送信処理が行われる(ステップ117)。リール回転処理では、まず、リール2〜4の各回転位置が書き込まれる制御RAM66の所定領域が、メインCPU64によってリール回転の開始に際して初期化され、引き続いて各リール2〜4がステッピングモータ45によって回転駆動される。スタートコマンド送信処理では、スタートスイッチ30SからメインCPU64へ入力されたスタート信号に基づき、スタートコマンドがサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信される。このスタートコマンドは、内部当選役および遊技状態を表す16ビットのパラメータを含んで構成されている。
【0046】
次に、何れかのストップボタン31〜33がオン操作されたか否かが判別される(ステップ118)。オン操作されていない場合には、自動停止タイマーが0になったか否かが判別される(ステップ119)。この自動停止タイマーは、ストップボタン31〜33が所定時間操作されない場合に、各リール2〜4を所定時間経過後に自動的に停止させるためのものである。
【0047】
何れかのストップボタン31〜33がオン操作されたか、または、自動停止タイマーが0になると、次に、有効化入賞ライン上に引き込まれるシンボルのコマ数、つまり滑りコマ数が決定される(ステップ120)。この滑りコマ数は、遊技状態,当選要求,制御コマ数,シンボル位置等から定められ、有効化入賞ラインから当選シンボルまでのコマ数が制御コマ数の範囲内にあれば滑りコマ数として決定される。次に、この滑りコマ数が制御RAM66の所定領域に格納される。その後、第1停止リールの停止要求フラグがセットされ、この停止要求フラグがセットされるのに応じ、決定された滑りコマ数分だけ第1停止リールが回転させられるリール引き込み制御が行われ、1個のリールの回転が停止させられる(ステップ121)。次に、全てのリール2〜4が停止したか否かが判別される(ステップ122)。第2停止リールおよび第3停止リールが未だ停止していない場合には、処理はステップ118に戻り、以上の処理が繰り返して行われる。
【0048】
全てのリール2〜4が停止すると、次に、メインCPU64によって入賞検索処理が行われる(図9,ステップ123参照)。この入賞検索処理では、有効化入賞ライン上に実際に揃っているシンボルの組合せを示す入賞フラグの種類と、確率抽選処理によって決定された内部当選役の種類との一致がとられる。そして、次にこの入賞フラグが正常か否かが判別される(ステップ124)。この判別結果が正常でない場合、例えば、プラムのシンボル組合せが有効化入賞ライン上に揃っているのに、内部当選役に対応する当たり要求フラグが中チェリーのフラグである場合には、配当枚数表示部20および液晶表示装置22にイリーガルエラーが表示される(ステップ125)。入賞フラグが正常の場合には、続いて、入賞コマンドがサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信される(ステップ126)。この入賞コマンドは、入賞役、遊技状態および入賞ラインを表す24ビットのパラメータを含んで構成されている。
【0049】
次に、その時の状態によって遊技メダルの貯留、または払い出し処理が行われる(ステップ127)。つまり、クレジットで遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得したメダル数分、貯留枚数表示部16に表示される貯留枚数が増加され、また、メダル投入口8へのメダル投入で遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得した枚数のメダルがメダル受皿37へ払い出される。メダルの貯留または払い出しが行われると、WINランプ19が点灯され、入賞発生が遊技者に知らされる(ステップ128)。
【0050】
次に、メインCPU64によって現在の遊技状態がBBゲームまたはRBゲームの作動中であるか否かが判別される(ステップ129)。BBゲームまたはRBゲームの作動中でない場合には、メインCPU64による遊技処理はステップ102に戻り、次の新たな遊技が開始される。また、BBゲームまたはRBゲームの作動中である場合には、次に、BBゲームまたはRBゲームの遊技数がメインCPU64によってチェックされる(ステップ130)。続いて、メインCPU64によって現在の遊技状態がBBゲームの終了時か否かが判別される(ステップ131)。BBゲーム終了時であれば、BB終了コマンドがサブ制御基板62へ送信される(ステップ132)。このBB終了コマンドは、終了動作を表す3ビットのパラメータを含んで構成されている。BB終了コマンドが送信されると、続いて、BBゲーム終了時のRAMクリア処理が制御RAM66に対して行われ(ステップ133)、その後、遊技処理はステップ102に戻って次の新たな遊技が開始される。また、ステップ131の判別でBBゲーム終了時でなければ、遊技処理はそのままステップ102に戻って次の新たな遊技が開始される。
【0051】
次に、上述したスロットマシン1とメダル貸出機55とから構成されるスロットマシン遊技システム54の動作について説明する。
【0052】
図10はメダル貸出機55で行われる赤外線発光処理の概略を示すフローチャートである。この赤外線発光処理では、まず始めに、遊技者によってメダル貸出機55の現金投入口56に千円札が投入されたか否かが判別される(図10,ステップ201)。千円札が投入されると、メダル貸出機55の右側面の赤外線発受光部57から、お札投入信号が赤外線にてスロットマシン1のメイン基板61の赤外線発受光部58に向けて送信される(ステップ202)。
【0053】
図11はスロットマシン1のメイン制御基板61で割込処理として行われる赤外線受光処理の概略を示すフローチャートである。この赤外線受光処理では、まず始めに、お札投入信号がスロットマシン1のメイン基板61の赤外線発受光部58で受信されたか否かが判別される(図11,ステップ301)。お札投入信号が赤外線発受光部58において受信されると、続いて、制御RAM66に記憶された待機中フラグが「1」でONになっているか否かの判別が行われる(ステップ302)。この判別が“No”の場合、メインCPU64の制御によって赤外線発受光部58からメダル貸出機55の赤外線発受光部57に向けてお札返却信号が送信され、現金投入口56に投入された千円札はそのまま現金投入口56から返却される(ステップ303)。一方、スロットマシン1が図7に示すステップ103からステップ109の間の待機中の状態にあり、ステップ302における判別が“Yes”の場合、続いて、スロットマシン1内部にメダルのクレジットがあるか否かが判別される(ステップ304)。クレジットがない場合、クレジットカウンタが投入された千円分のメダル50枚を追加してそのクレジット数を貯留枚数表示部16に表示する(ステップ305)。一方、クレジットがある場合、現在のクレジット枚数をチェックし、クレジット上限の50枚からチェックしたクレジット数分を減算したメダル数だけクレジット数を増加し、投入された千円分の残りのメダルはメダル払出口38からメダル受皿37へ払い出される(ステップ306)。
【0054】
このようにして遊技者は、クレジット数が減ったとき、再度メダル貸出機55に千円札を投入してクレジット数を増加することで、スロットマシン遊技を続けることが出来る。また、クレジット数はメダル投入口8にメダルを投入することでも増加するので、遊技者は、クレジット数が少なくなってきたらメダル投入口8から直接メダルを投入してもよい。クレジット遊技を終える際、遊技者は、貯留メダル精算スイッチ29を操作することにより、スロットマシン1内部にクレジットされているメダルを受け皿37に払い出す。
【0055】
このような本実施形態によるスロットマシン遊技システム54によれば、メダル貸出の際、上述したように、メダルの貸出数がメダル貸出機55の赤外線発受光部57からスロットマシン1の赤外線発受光部58へ伝えられるので、遊技者は直接メダルに触れることなくスロットマシン1にメダルを投入することが出来る。
【0056】
このため、遊技者は、メダル貸出機55からメダルを手で受け取ってスロットマシン1の受け皿37まで運んだり、運んだメダルをスロットマシン1のメダル投入口8に投入する煩わしさがなくなる。また、メダルをメダル貸出機55からスロットマシン1の受け皿37まで運ばなくなるので、メダルを床に落とすこともなくなる。さらに、遊技者は、メダル貸出機55の現金投入口56に千円札を投入すると、手でメダルをスロットマシン1に投入することなく直ちにスロットマシン遊技を開始することが出来るので、手間がかからず、また、スロットマシン遊技を開始するまでの時間も節約出来る。
【0057】
また、本実施形態のスロットマシン1は、投入されたメダルの枚数をカウントするクレジットカウンタを備え、このクレジットカウンタでカウントされたメダルを使って遊技を行い、クレジットカウンタは、赤外線発受光部57から送信されるメダルの貸出数が赤外線発受光部58で受信されると、このメダルの貸出数だけクレジット数を増加する。このため、遊技者は、メダル貸出機55の現金投入口56に千円札を投入するだけで、直ちにクレジット遊技を行うことが出来、手間及び時間を節約できる。
【0058】
なお、本実施形態では、赤外線発受光部57及び赤外線発受光部58は、それぞれメダル貸出機の右側面、及びスロットマシンの左側面に設けられているが、赤外線による送受信が確実に行われる位置であれば必ずしも側面である必要はない。また、メダル貸出機55の送信部とスロットマシン1の受信部との間の通信手段に赤外線を用いているが、この通信手段は赤外線に限られるものではない。例えば、赤外線以外の周波数帯の電波を利用したり、または、有線によって通信手段を構成しても、上述した実施形態の場合と同様の作用効果が奏される。
【0059】
また、本実施形態では、遊技機がスロットマシンである場合を説明したが、本発明における遊技システムを構成する遊技機はスロットマシンに限られるものではなく、例えば、メダルやメダル以外の遊技媒体を使うアミューズメントマシンであっても上述した実施形態の場合と同様の作用効果が奏される。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による遊技システムによれば、遊技媒体の貸出数が遊技媒体貸出機の送信部から遊技機の受信部へ伝えられ、遊技者は直接遊技媒体に触れることなく遊技機に遊技媒体を投入することが出来る。
【0061】
このため、遊技者は、遊技媒体貸出機から遊技媒体を手で受け取って遊技機まで運んだり、運んだ遊技媒体を遊技機に投入する煩わしさがなくなる。また、遊技媒体貸出機から遊技機まで遊技媒体を運ばなくなるので、遊技媒体を床に落とすこともなくなる。さらに、遊技者は、遊技媒体貸出機の現金投入口に現金を投入すると、手で遊技媒体を遊技機に投入することなく直ちに遊技を開始することが出来るので、手間がかからず、また、遊技を開始するまでの時間も節約出来る。
【0062】
また、遊技機が、投入された遊技媒体を計数する計数機を備え、この計数機で計数された遊技媒体を使って遊技を行い、計数機が、送信部から送信される遊技媒体の貸出数が受信部で受信されると、この遊技媒体の貸出数だけ計数を増加する構成の場合、遊技媒体の貸出数が遊技媒体貸出機の送信部から遊技機の受信部へ伝えられ、遊技機の計数機がこの貸出数だけ計数を増加する。このため、遊技者は、遊技媒体貸出機の現金投入口に現金を投入するだけで、直ちにクレジット遊技を行うことが出来、手間及び時間を節約できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のメダル貸出機を示す斜視図であり、(a)は払出口でメダルを手で受け取る構造のメダル貸出機、(b)は受け皿にメダルを導くシュートが設けられている構造のメダル貸出機である。
【図2】本発明の一実施形態による遊技システムを構成するメダル貸出機及びスロットマシンを示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態による遊技システムを示す正面図である。
【図4】本発明の一実施形態によるスロットマシンのメイン制御基板の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態によるスロットマシンのサブ制御基板の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態によるスロットマシンのメイン制御基板のプログラムROM内に格納された一般遊技中に使用される確率抽選テーブルを示す概念図である。
【図7】本発明の一実施形態によるメイン制御基板のメインCPUによって制御される遊技処理の概略を示す第1のフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態によるメイン制御基板のメインCPUによって制御される遊技処理の概略を示す第2のフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態によるメイン制御基板のメインCPUによって制御される遊技処理の概略を示す第3のフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態によるメダル貸出機で行われる赤外線発光処理の概略を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態によるスロットマシンで行われる赤外線受光処理の概略を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…スロットマシン
8…メダル投入口
29…貯留メダル精算スイッチ
37…メダル受皿
38…メダル払出口
54…スロットマシン遊技システム
55…メダル貸出機
56…現金投入口
57、58…赤外線発受光部
61…メイン制御基板
62…サブ制御基板
64…メインCPU
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機と、遊技者に遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機とから構成される遊技システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の遊技システムを構成する遊技媒体貸出機としては、例えば、図1(a)に示すメダル貸出機51aがある。このメダル貸出機51aの上部には紙幣挿入口52aが設けられており、下部にはメダルが払い出される払出口53aが設けられている。遊技者が紙幣挿入口52aに紙幣、例えば千円札を1枚挿入すると、払出口53aから50枚のメダルが払い出される。遊技者は、払出口53aから払い出されるこれらのメダルを手で受け取り、メダル貸出機51aに併設されたスロットマシンの受け皿まで運び、受け皿に貯留する。そして、貯留したメダルをスロットマシンのメダル投入口に投入してスロットマシン遊技を行う。
【0003】
また、同図(b)に示すメダル貸出機51bは、その横に併設されたスロットマシンの受け皿に直接メダルが払い出されるように形成されたシュート53bを備えている。遊技者が紙幣をメダル貸出機51bの紙幣挿入口52bに挿入すると、遊技者は直接手を触れずにメダルを受け皿に貯留することが出来る。遊技者は、このようにして受け皿に貯留されたメダルをスロットマシンのメダル投入口に投入してスロットマシン遊技を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のメダル貸出機51aを備えた遊技システムにおいては、払出口53aからメダルを手で受け取ってスロットマシンの受け皿まで運び、メダルをスロットマシンのメダル投入口に投入すること自体が遊技者にとって面倒であった。また、メダルを受け皿まで手で運ぶ途中に床に落としたりして、何かと不便であった。
【0005】
また、スロットマシンの受け皿に直接メダルが払い出されるメダル貸出機51bを備えた遊技システムにおいても、遊技を開始するためには手でメダルをスロットマシンのメダル投入口に投入する必要があり、遊技を開始するまでに時間がかかり、面倒であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、現金が投入される現金投入口、及びこの現金投入口に現金が投入されると遊技者に貸し出す遊技媒体の貸出数を送信する送信部(例えば、赤外線で信号を送信する赤外線発光部)を備えた遊技媒体貸出機と、送信部から送信される遊技媒体の貸出数を受信する受信部(例えば、赤外線発光部から送信される赤外線を受信する赤外線受光部)を備えた遊技機とから遊技システムを構成した。
【0007】
この構成によれば、遊技媒体の貸出数が遊技媒体貸出機の送信部から遊技機の受信部へ伝えられ、遊技者は直接遊技媒体に触れることなく遊技機に遊技媒体を投入することが出来る。
【0008】
また、本発明は、遊技機が、投入された遊技媒体を計数する計数機を備え、この計数機で計数された遊技媒体を使って遊技を行い、計数機が、送信部から送信される遊技媒体の貸出数が受信部で受信されると、この遊技媒体の貸出数だけ計数を増加することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、遊技媒体の貸出数が遊技媒体貸出機の送信部から遊技機の受信部へ伝えられ、遊技機の計数機がこの貸出数だけ計数を増加する。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による遊技システムをスロットマシン遊技システムに適用した一実施形態について説明する。
【0011】
図2は本実施形態によるスロットマシン遊技システム54を構成している、スロットマシン1及びメダル貸出機55を示している。
【0012】
メダル貸出機55は、正面上部に千円札が投入される現金投入口56を備えており、右側面には、現金投入口56に千円札が投入されると遊技者に貸し出すメダルの貸出数を赤外線で送信する赤外線発受光部57を送信部として備えている。この赤外線発受光部57には赤外線LED(発光ダイオード)及びPD(フォトダイオード)が設けられており、この赤外線LEDが発光制御されて赤外線が送信される。
【0013】
また、スロットマシン1は、その左側面に、赤外線発受光部57から送信された赤外線を受信する赤外線発受光部58を受信部として備えている。赤外線発受光部58にも、赤外線LED及びPDが設けられており、赤外線発受光部57に設けられた赤外線LEDから送信される赤外線信号をこのPDで受信する。
【0014】
図3は本実施形態によるスロットマシン1とメダル貸出機55とが併設されたスロットマシン遊技システム54の外観を示す正面図である。遊技店内においては、同図に示すように、メダル貸出機55とスロットマシン1とが併設され、スロットマシン1の赤外線発受光部58とメダル貸出機55の右側面に備えられた赤外線発受光部57とがお互い向かい合わされる。
【0015】
また、スロットマシン1の本体中央部には、3個のリール2,3,4が回転自在に設けられている。各リール2,3,4の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列が描かれている。これらシンボルはスロットマシン1の正面の表示窓5,6,7を通してそれぞれ3個ずつ観察される。この表示窓5,6,7には、横3本と斜め2本の計5本の入賞ラインが設けられている。また、表示窓5〜7の下方右側には、遊技者が遊技に賭ける遊技媒体であるメダルが投入されるメダル投入口8が設けられている。
【0016】
ゲーム開始に先立って、遊技者がメダル投入口8から1枚のメダルを投入したときは、中央の横1本の入賞ラインが有効化される。また、2枚投入したときは、これに上下の横2本の入賞ラインが加わって横3本の入賞ラインが有効化される。また、3枚投入したときは、これに斜め2本の入賞ラインが加わって5本の入賞ライン全てが有効化される。
【0017】
また、表示窓5〜7の左方には、上部から、4個のチャンスLED(発光ダイオード)9〜12、3個の遊技動作表示ランプ13〜15、貯留枚数表示部16、およびスタートランプ17が設けられている。チャンスLED9〜12および遊技動作表示ランプ13〜15は遊技状態に応じて点灯制御され、その時の遊技状態が遊技者に知らされる。また、スロットマシン1は、メダル投入口8に投入されたメダルの数をクレジット数として計数するクレジットカウンタを備えており、3桁の7セグメントLEDからなる貯留枚数表示部16は、現在クレジットカウンタで計数されているメダル数を表示する。スタートランプ17は各リール2〜4が作動可能な時に点滅する。
【0018】
また、表示窓5〜7の右方には、上部から、ボーナスカウント表示部18、WINランプ19、配当枚数表示部20、およびインサートランプ21が設けられている。ボーナスカウント表示部18は、3桁の7セグメントLEDからなり、ボーナスゲーム入賞時に、RBゲームおよびジャックゲームの残り入賞可能回数をデジタル表示する。WINランプ19は有効化入賞ラインに入賞組み合わせのシンボルが揃った時に点灯する。配当枚数表示部20は、3桁の7セグメントLEDからなり、入賞によるメダル払い出し枚数を表示する。インサートランプ21はメダル投入口8にメダルの投入が受付可能な時に点灯する。
【0019】
また、表示窓5〜7の直ぐ下方には、液晶表示装置22が設けられている。液晶表示装置22の左側には十字キー23、「○」ボタン24、「×」ボタン25、1貯留メダル投入スイッチ26、2貯留メダル投入スイッチ27、および3貯留メダル投入スイッチ28が設けられている。十字キー23は、上下左右の4方向のスイッチ操作を検出して、液晶表示装置22に表示される情報項目を選択する際に使用される。「○」ボタン24は液晶表示装置22に表示される指定情報を了承する決定ボタンであり、「×」ボタン25は液晶表示装置22に表示される指定情報をキャンセルするキャンセルボタンである。また、貯留メダル投入スイッチ26〜28は、貯留枚数表示部16にメダル数が表示されてクレジットされている際に、メダル投入口8へのメダル投入に代えて1回のゲームに1〜3枚のメダルを賭ける際に使用される。
【0020】
また、液晶表示装置22の下方には、左側から、貯留メダル精算スイッチ29、スタートレバー30、およびストップボタン31,32,33が設けられている。貯留メダル精算スイッチ29は、クレジット遊技を行う際、または、クレジットされたメダルを精算する際に使用される。遊技者は、貯留枚数表示部16に表示されているクレジット数が零でなければ、貯留メダル精算スイッチ29を操作することにより、スロットマシン1内部に投入されているクレジットされたメダルによって、メダル投入口8にメダルを投入しなくても遊技が出来るクレジット遊技を行うことが出来る。また、スタートレバー30の操作により各リール2〜4の回転が一斉に開始する。ストップボタン31〜33は、各リール2〜4に対応して配置されており、これら各リール2〜4の回転が一定速度に達したときに操作が有効化され、遊技者の操作に応じて各リール2〜4の回転を停止する。
【0021】
また、スロットマシン1の正面下部にはメダル受皿37が設けられている。このメダル受皿37はメダル払出口38から払い出されるメダルを貯めるものである。また、スロットマシン1の正面上部には、入賞に対してどれだけのメダルが払い出されるかを示す配当表示部39が設けられており、この配当表示部39の左右には一対のスピーカ96,96が設けられている。
【0022】
図4および図5は、上述したスロットマシン1の遊技処理動作を制御するメイン制御基板61およびサブ制御基板62に構成された回路構成を示している。
【0023】
図4に示すメイン制御基板61における制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)63を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン63は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うメインCPU(中央演算処理装置)64と、プログラム記憶手段であるプログラムROM(リード・オンリ・メモリ)65およびバックアップ機能付き制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)66とを含んで構成されている。
【0024】
メインCPU64には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路67および分周器68と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器69および発生した乱数の1つを特定する乱数サンプリング回路70とが接続されている。さらに、後述する周辺装置(アクチュエータ)との間で信号を授受するI/Oポート(入出力ポート)71が接続されている。プログラムROM65は、確率抽選テーブル、シンボルテーブル、入賞シンボル組合せテーブル、およびシーケンスプログラム等を格納するように記憶部が区分されている。
【0025】
図6はプログラムROM65内に格納された一般遊技中に使用される確率抽選テーブルを概念的に示している。この確率抽選テーブルは、一般遊技中にサンプリング回路70で抽出された乱数を各入賞態様に区分けするために使用され、乱数発生器69で発生する一定範囲の乱数を各入賞態様に区画するデータを記憶している。同図におけるa1〜a3,b1〜b3,c1〜c3,d1〜d3,e1〜e3,f1〜f3,g1〜g3は予め設定された数値データであり、サンプリング回路70で抽出された乱数を各入賞態様に区画する際に用いられる。このデータは、投入メダル枚数が1枚の場合には「a1〜g1」、2枚の場合には「a2〜g2」、3枚の場合には「a3〜g3」の各数値の組合せが用いられる。
【0026】
これら数値は通常「a<b<c<d<e<f<g」の大小関係に設定され、抽出された乱数値がd未満であれば小当たり入賞(小ヒット)となり、この場合、a未満の場合には「角チェリー」当たり要求フラグが立ち、a以上b未満の場合には「中チェリー」当たり要求フラグ、b以上c未満の場合には「プラム」当たり要求フラグ、c以上d未満の場合には「スイカ」当たり要求フラグが立つ。また、抽出された乱数値がd以上e未満であれば「再遊技」当たり要求フラグが立つ。また、抽出された乱数値がe以上f未満であれば中当たり入賞(中ヒット)となって「RB」当たり要求フラグが立ち、抽出された乱数値がf以上g未満であれば大当たり入賞(大ヒット)となって「BB」当たり要求フラグが立つ。また、g以上であれば入賞なしの「はずれ」になる。つまり、入賞態様は、サンプリングされた1つの乱数値がこのどの数値範囲に属するかによって決定され、当たり要求フラグによって表される。
【0027】
「BB」または「RB」のボーナス当たり要求フラグは、フラグが立てられた以降の遊技に持ち越され、「BB」または「RB」のシンボル組み合わせが有効化入賞ラインに停止表示されてボーナス入賞が実際に発生すると、ボーナス当たり要求フラグはクリアされる。また、ボーナス当たり要求フラグ以外のフラグは、フラグが立てられた遊技においてのみ有効であり、その遊技終了時にはクリアされて次遊技以降には持ち越されない。
【0028】
また、上記のプログラムROM65内に格納された図示しないシンボルテーブルは、各リール2〜4の回転位置とシンボルとを対応づけるものであり、シンボル列を記号で表したものである。このシンボルテーブルには、リセットパルスが発生する回転位置を基準として各リールの一定の回転ピッチ毎に順次付与されたコードナンバと、それぞれのコードナンバ毎に対応して設けられたシンボルを示すシンボルコードとが記憶されている。
【0029】
また、上記のプログラムROM65内には図示しない入賞シンボル組合せテーブルが格納されている。この入賞シンボル組合せテーブルには、配当表に示される各入賞シンボル組合せのシンボルコードや、「リーチ目」を構成するシンボル組合せのシンボルコード、各入賞を表す入賞判定コード、入賞メダル配当枚数等が記憶されている。ここで、リーチ目とは、B・B当たり要求フラグセット済み状態のときに、遊技者にB・Bゲームの発生が近い状態になっていることを示唆するシンボル組合せである。この入賞シンボル組合せテーブルは、第1リール2,第2リール3、第3リール4の停止制御時、および全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。さらに、プログラムROM65内には、このスロットマシン1でゲームを実行するためのシーケンスプログラムが格納されている。
【0030】
マイコン63からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各リール2,3,4を回転駆動するステッピングモータ45、各種ランプ(遊技動作表示ランプ13〜15、スタートランプ17、WINランプ19、インサートランプ21)、各種表示部(チャンスLED9〜12、貯留枚数表示部16、ボーナスカウント表示部18、入賞配当枚数表示部20)、およびメダルを収納するホッパー72がある。これらはそれぞれモータ駆動回路73、各ランプ駆動回路74、各表示部駆動回路75、およびホッパー駆動回路76によって駆動される。これら駆動回路73〜76は、マイコン63のI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。
【0031】
また、マイコン63が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、メダル投入口8から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ8S、スタートレバー30の操作を検出するスタートスイッチ30S、前述した貯留メダル投入スイッチ26〜28、貯留メダル精算スイッチ29、及び赤外線発受光部58がある。さらに、ホトセンサからの出力パルス信号を受けて各リール2,3,4の回転位置を検出するリール位置検出回路77がある。ホトセンサは各リール2〜4の駆動機構に含まれており、同図では示されていない。
【0032】
リール位置検出回路77は、リール2〜4の回転が開始された後、ステッピングモータ45の各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値を制御RAM66の所定エリアに書き込む。従って、制御RAM66内には、各リール2〜4について、1回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されている。また、ホトセンサは各リール2〜4が1回転する毎にリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路77を介してメインCPU64に与えられ、制御RAM66で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ45の回転との間に生じるずれが、1回転毎に解消されている。
【0033】
さらに、上記の入力信号発生手段としては、ストップボタン31,32,33が押された時に対応するリールを停止させる信号を発生するリール停止信号回路78、ホッパー72から払い出されるメダル数を計数するメダル検出部72S、および図示しない払出完了信号発生回路がある。これらもI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。払出完了信号発生回路は、メダル検出部72Sから入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が、表示部駆動回路75から入力した計数信号で表される配当枚数データに達した時に、メダル払い出しの完了を検知する信号を発生する。
【0034】
また、I/Oポート71にはサブ制御部通信ポート79が接続されており、マイコン63はこのサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62へ信号を送出する。図5に示すサブ制御基板62には、この信号を受信するメイン制御部通信ポート88が設けられている。サブ制御部通信ポート79およびメイン制御部通信ポート88間の通信は、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ向かう一方向についてだけ行われる。本実施形態では、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ送出される信号は、7ビット長でその制御種別が表されるコマンド種別と、最大24ビット長でそのコマンドの内容が表されるパラメータとで構成されている。
【0035】
サブ制御基板62における制御部はマイコン81を主な構成要素として構成されている。マイコン81も、メイン制御基板61におけるマイコン63と同様、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うサブCPU82と、プログラム記憶手段であるプログラムROM83およびバックアップ機能付き制御RAM84とを含んで構成されている。サブCPU82にも、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路85および分周器86が接続されており、さらに、上記のメイン制御部通信ポート88や後述するアクチュエータとの間で信号を授受するI/Oポート87が接続されている。
【0036】
マイコン81からの制御信号により動作が制御されるアクチュエータとして、各リール2〜4に内蔵されたリールバックランプ47a,47b,47cがある。これらバックランプ47a〜47cの点灯は、I/Oポート87に接続されたランプ駆動回路89からの駆動信号によって制御される。また、マイコン81が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する入力信号発生手段として、前述した十字キー23、「○」ボタン24および「×」ボタン25がある。
【0037】
また、I/Oポート87には画像制御IC(高集積化回路)90および音源IC91が接続されている。画像制御IC90には、キャラクタ・データが記憶されたキャラクタROM92およびカラーディスプレイ表示用メモリであるビデオRAM93が接続されている。画像制御IC90は、マイコン81の制御の下、液晶表示装置22に画像表示を行う。マイコン81は、その時の遊技状態および当選フラグの種類といった情報をメイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から取り込み、取り込んだ遊技状態および当選フラグに基づいて表示する演出画像を選択する。そして、画像制御IC90を制御して選択した演出画像を液晶表示装置22に表示させる。
【0038】
また、音源IC91にはサウンド・データが記憶されたサウンドROM94が接続されており、音源IC91は、マイコン81の制御の下、パワーアンプ95を介してスピーカ96,96からサウンドを放音させる。マイコン81は、メイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から入力される指示に従い、音源IC91およびパワー・アンプ95を制御し、メダル投入音,スタートレバー操作音,停止ボタン操作音,ボーナスゲーム中の遊技音といった効果音をスピーカ96,96から出力させる。また、メイン制御基板61から取り込んだ遊技状態および当選フラグに基づいて選択した演出態様に基づく出音パターンで、スピーカ96,96から出音させる。
【0039】
次に、上述した制御回路によって制御されるスロットマシン1の動作について説明する。
【0040】
図7〜図9はメイン制御基板61のメインCPU64によって制御される遊技処理の概略を示すフローチャートである。
【0041】
まず、始めに、遊技開始時の初期化処理が行われる(図7,ステップ101参照)。この初期化処理では、制御RAM66の所定領域がクリアされ、また、メイン制御基板61およびサブ制御基板62間における通信データが初期化される。次に、メインCPU64により、前回遊技終了時に制御RAM66に記憶されていたデータを消す遊技終了時のRAMクリア処理が行われる(ステップ102)。次に、このステップ102でクリアされた制御RAM66に、遊技待機中を示す待機中フラグ「1」が書き込まれれる(ステップ103)。続いて、前回のゲーム終了後から30秒経過しているか否かが判別され(ステップ104)、30秒経過している場合には、サブ制御部通信ポート79からサブ制御基板62へ液晶表示装置22に待機画面を表示させるための待機画面コマンドが送信される(ステップ105)。つまり、待機画面コマンドは、非遊技状態が30秒間続くと送信される。
【0042】
続いて、前回遊技の結果、再遊技(リプレイ)が生じてメダルの自動投入要求があるか否かがCPU64によって判別される(ステップ106)。この自動投入要求がある場合には、次に、投入要求分の遊技メダルが自動投入される(ステップ107)。一方、自動投入要求がない場合には、次に、遊技者によってメダル投入口8にメダルが投入されて投入メダルセンサ8Sから検出信号が入力されるか、貯留メダル投入スイッチ26〜28の操作によって投入信号が入力されるのを待つ(ステップ108)。一般遊技中は最大3枚までのメダルを投入することが出来、BBゲームやRBゲーム中のボーナスゲームでは1枚のメダルを投入することが出来る。メダル投入口8にメダルが投入されるか、貯留メダル投入スイッチ26〜28が操作されると、次に、ステップ103で制御RAM66に書き込まれた待機中フラグ「1」がクリアされ、代わりに、遊技中を示す遊技中フラグ「0」が書き込まれる(ステップ109)。すなわち、前述のステップ103からこのステップ109までの間、スロットマシン1は待機中になっている。
【0043】
次に、スタートレバー30の操作により、スタートスイッチ30Sからのスタート信号入力があったか否かが判別される(ステップ110)。この判別が“Yes”の場合、次に、前回の遊技から4.1秒を経過しているか否かが判別される(ステップ111)。4.1秒を経過していない場合は、ウエイト機能が働いて4.1秒が経過するまでの遊技開始待ち時間が消化される(ステップ112)。スタートレバー30の操作がこの4.1秒経過前に行われると、スピーカ96,96からリール回転不可音が出音され、ウエイト機能が働いたことが遊技者に対して報知される。
【0044】
前回遊技から4.1秒を経過すると、次に、乱数発生器69で発生した抽選用の乱数がサンプリング回路70によって抽出され(ステップ113)、その後、上記の4.1秒をカウントするための1遊技監視用タイマがセットされる(ステップ114)。次に、ステップ113で抽出された乱数に基づき、確率抽選処理が行われる(図8,ステップ115参照)。この確率抽選処理は、サンプリング回路70によって特定された1つの乱数値が、確率抽選テーブル(図6参照)においてどの入賞グループに属する値になっているか判断されることによって行われる。この際、機械に投入されたメダル枚数に応じて、図6の確率抽選テーブルの各段に示された確率抽選データa1〜g1、a2〜g2、またはa3〜g3が用いられる。
【0045】
確率抽選処理が終了すると、次に、リール回転処理が行われ(ステップ116)、続いて、スタートコマンド送信処理が行われる(ステップ117)。リール回転処理では、まず、リール2〜4の各回転位置が書き込まれる制御RAM66の所定領域が、メインCPU64によってリール回転の開始に際して初期化され、引き続いて各リール2〜4がステッピングモータ45によって回転駆動される。スタートコマンド送信処理では、スタートスイッチ30SからメインCPU64へ入力されたスタート信号に基づき、スタートコマンドがサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信される。このスタートコマンドは、内部当選役および遊技状態を表す16ビットのパラメータを含んで構成されている。
【0046】
次に、何れかのストップボタン31〜33がオン操作されたか否かが判別される(ステップ118)。オン操作されていない場合には、自動停止タイマーが0になったか否かが判別される(ステップ119)。この自動停止タイマーは、ストップボタン31〜33が所定時間操作されない場合に、各リール2〜4を所定時間経過後に自動的に停止させるためのものである。
【0047】
何れかのストップボタン31〜33がオン操作されたか、または、自動停止タイマーが0になると、次に、有効化入賞ライン上に引き込まれるシンボルのコマ数、つまり滑りコマ数が決定される(ステップ120)。この滑りコマ数は、遊技状態,当選要求,制御コマ数,シンボル位置等から定められ、有効化入賞ラインから当選シンボルまでのコマ数が制御コマ数の範囲内にあれば滑りコマ数として決定される。次に、この滑りコマ数が制御RAM66の所定領域に格納される。その後、第1停止リールの停止要求フラグがセットされ、この停止要求フラグがセットされるのに応じ、決定された滑りコマ数分だけ第1停止リールが回転させられるリール引き込み制御が行われ、1個のリールの回転が停止させられる(ステップ121)。次に、全てのリール2〜4が停止したか否かが判別される(ステップ122)。第2停止リールおよび第3停止リールが未だ停止していない場合には、処理はステップ118に戻り、以上の処理が繰り返して行われる。
【0048】
全てのリール2〜4が停止すると、次に、メインCPU64によって入賞検索処理が行われる(図9,ステップ123参照)。この入賞検索処理では、有効化入賞ライン上に実際に揃っているシンボルの組合せを示す入賞フラグの種類と、確率抽選処理によって決定された内部当選役の種類との一致がとられる。そして、次にこの入賞フラグが正常か否かが判別される(ステップ124)。この判別結果が正常でない場合、例えば、プラムのシンボル組合せが有効化入賞ライン上に揃っているのに、内部当選役に対応する当たり要求フラグが中チェリーのフラグである場合には、配当枚数表示部20および液晶表示装置22にイリーガルエラーが表示される(ステップ125)。入賞フラグが正常の場合には、続いて、入賞コマンドがサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信される(ステップ126)。この入賞コマンドは、入賞役、遊技状態および入賞ラインを表す24ビットのパラメータを含んで構成されている。
【0049】
次に、その時の状態によって遊技メダルの貯留、または払い出し処理が行われる(ステップ127)。つまり、クレジットで遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得したメダル数分、貯留枚数表示部16に表示される貯留枚数が増加され、また、メダル投入口8へのメダル投入で遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得した枚数のメダルがメダル受皿37へ払い出される。メダルの貯留または払い出しが行われると、WINランプ19が点灯され、入賞発生が遊技者に知らされる(ステップ128)。
【0050】
次に、メインCPU64によって現在の遊技状態がBBゲームまたはRBゲームの作動中であるか否かが判別される(ステップ129)。BBゲームまたはRBゲームの作動中でない場合には、メインCPU64による遊技処理はステップ102に戻り、次の新たな遊技が開始される。また、BBゲームまたはRBゲームの作動中である場合には、次に、BBゲームまたはRBゲームの遊技数がメインCPU64によってチェックされる(ステップ130)。続いて、メインCPU64によって現在の遊技状態がBBゲームの終了時か否かが判別される(ステップ131)。BBゲーム終了時であれば、BB終了コマンドがサブ制御基板62へ送信される(ステップ132)。このBB終了コマンドは、終了動作を表す3ビットのパラメータを含んで構成されている。BB終了コマンドが送信されると、続いて、BBゲーム終了時のRAMクリア処理が制御RAM66に対して行われ(ステップ133)、その後、遊技処理はステップ102に戻って次の新たな遊技が開始される。また、ステップ131の判別でBBゲーム終了時でなければ、遊技処理はそのままステップ102に戻って次の新たな遊技が開始される。
【0051】
次に、上述したスロットマシン1とメダル貸出機55とから構成されるスロットマシン遊技システム54の動作について説明する。
【0052】
図10はメダル貸出機55で行われる赤外線発光処理の概略を示すフローチャートである。この赤外線発光処理では、まず始めに、遊技者によってメダル貸出機55の現金投入口56に千円札が投入されたか否かが判別される(図10,ステップ201)。千円札が投入されると、メダル貸出機55の右側面の赤外線発受光部57から、お札投入信号が赤外線にてスロットマシン1のメイン基板61の赤外線発受光部58に向けて送信される(ステップ202)。
【0053】
図11はスロットマシン1のメイン制御基板61で割込処理として行われる赤外線受光処理の概略を示すフローチャートである。この赤外線受光処理では、まず始めに、お札投入信号がスロットマシン1のメイン基板61の赤外線発受光部58で受信されたか否かが判別される(図11,ステップ301)。お札投入信号が赤外線発受光部58において受信されると、続いて、制御RAM66に記憶された待機中フラグが「1」でONになっているか否かの判別が行われる(ステップ302)。この判別が“No”の場合、メインCPU64の制御によって赤外線発受光部58からメダル貸出機55の赤外線発受光部57に向けてお札返却信号が送信され、現金投入口56に投入された千円札はそのまま現金投入口56から返却される(ステップ303)。一方、スロットマシン1が図7に示すステップ103からステップ109の間の待機中の状態にあり、ステップ302における判別が“Yes”の場合、続いて、スロットマシン1内部にメダルのクレジットがあるか否かが判別される(ステップ304)。クレジットがない場合、クレジットカウンタが投入された千円分のメダル50枚を追加してそのクレジット数を貯留枚数表示部16に表示する(ステップ305)。一方、クレジットがある場合、現在のクレジット枚数をチェックし、クレジット上限の50枚からチェックしたクレジット数分を減算したメダル数だけクレジット数を増加し、投入された千円分の残りのメダルはメダル払出口38からメダル受皿37へ払い出される(ステップ306)。
【0054】
このようにして遊技者は、クレジット数が減ったとき、再度メダル貸出機55に千円札を投入してクレジット数を増加することで、スロットマシン遊技を続けることが出来る。また、クレジット数はメダル投入口8にメダルを投入することでも増加するので、遊技者は、クレジット数が少なくなってきたらメダル投入口8から直接メダルを投入してもよい。クレジット遊技を終える際、遊技者は、貯留メダル精算スイッチ29を操作することにより、スロットマシン1内部にクレジットされているメダルを受け皿37に払い出す。
【0055】
このような本実施形態によるスロットマシン遊技システム54によれば、メダル貸出の際、上述したように、メダルの貸出数がメダル貸出機55の赤外線発受光部57からスロットマシン1の赤外線発受光部58へ伝えられるので、遊技者は直接メダルに触れることなくスロットマシン1にメダルを投入することが出来る。
【0056】
このため、遊技者は、メダル貸出機55からメダルを手で受け取ってスロットマシン1の受け皿37まで運んだり、運んだメダルをスロットマシン1のメダル投入口8に投入する煩わしさがなくなる。また、メダルをメダル貸出機55からスロットマシン1の受け皿37まで運ばなくなるので、メダルを床に落とすこともなくなる。さらに、遊技者は、メダル貸出機55の現金投入口56に千円札を投入すると、手でメダルをスロットマシン1に投入することなく直ちにスロットマシン遊技を開始することが出来るので、手間がかからず、また、スロットマシン遊技を開始するまでの時間も節約出来る。
【0057】
また、本実施形態のスロットマシン1は、投入されたメダルの枚数をカウントするクレジットカウンタを備え、このクレジットカウンタでカウントされたメダルを使って遊技を行い、クレジットカウンタは、赤外線発受光部57から送信されるメダルの貸出数が赤外線発受光部58で受信されると、このメダルの貸出数だけクレジット数を増加する。このため、遊技者は、メダル貸出機55の現金投入口56に千円札を投入するだけで、直ちにクレジット遊技を行うことが出来、手間及び時間を節約できる。
【0058】
なお、本実施形態では、赤外線発受光部57及び赤外線発受光部58は、それぞれメダル貸出機の右側面、及びスロットマシンの左側面に設けられているが、赤外線による送受信が確実に行われる位置であれば必ずしも側面である必要はない。また、メダル貸出機55の送信部とスロットマシン1の受信部との間の通信手段に赤外線を用いているが、この通信手段は赤外線に限られるものではない。例えば、赤外線以外の周波数帯の電波を利用したり、または、有線によって通信手段を構成しても、上述した実施形態の場合と同様の作用効果が奏される。
【0059】
また、本実施形態では、遊技機がスロットマシンである場合を説明したが、本発明における遊技システムを構成する遊技機はスロットマシンに限られるものではなく、例えば、メダルやメダル以外の遊技媒体を使うアミューズメントマシンであっても上述した実施形態の場合と同様の作用効果が奏される。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による遊技システムによれば、遊技媒体の貸出数が遊技媒体貸出機の送信部から遊技機の受信部へ伝えられ、遊技者は直接遊技媒体に触れることなく遊技機に遊技媒体を投入することが出来る。
【0061】
このため、遊技者は、遊技媒体貸出機から遊技媒体を手で受け取って遊技機まで運んだり、運んだ遊技媒体を遊技機に投入する煩わしさがなくなる。また、遊技媒体貸出機から遊技機まで遊技媒体を運ばなくなるので、遊技媒体を床に落とすこともなくなる。さらに、遊技者は、遊技媒体貸出機の現金投入口に現金を投入すると、手で遊技媒体を遊技機に投入することなく直ちに遊技を開始することが出来るので、手間がかからず、また、遊技を開始するまでの時間も節約出来る。
【0062】
また、遊技機が、投入された遊技媒体を計数する計数機を備え、この計数機で計数された遊技媒体を使って遊技を行い、計数機が、送信部から送信される遊技媒体の貸出数が受信部で受信されると、この遊技媒体の貸出数だけ計数を増加する構成の場合、遊技媒体の貸出数が遊技媒体貸出機の送信部から遊技機の受信部へ伝えられ、遊技機の計数機がこの貸出数だけ計数を増加する。このため、遊技者は、遊技媒体貸出機の現金投入口に現金を投入するだけで、直ちにクレジット遊技を行うことが出来、手間及び時間を節約できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のメダル貸出機を示す斜視図であり、(a)は払出口でメダルを手で受け取る構造のメダル貸出機、(b)は受け皿にメダルを導くシュートが設けられている構造のメダル貸出機である。
【図2】本発明の一実施形態による遊技システムを構成するメダル貸出機及びスロットマシンを示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態による遊技システムを示す正面図である。
【図4】本発明の一実施形態によるスロットマシンのメイン制御基板の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態によるスロットマシンのサブ制御基板の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態によるスロットマシンのメイン制御基板のプログラムROM内に格納された一般遊技中に使用される確率抽選テーブルを示す概念図である。
【図7】本発明の一実施形態によるメイン制御基板のメインCPUによって制御される遊技処理の概略を示す第1のフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態によるメイン制御基板のメインCPUによって制御される遊技処理の概略を示す第2のフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態によるメイン制御基板のメインCPUによって制御される遊技処理の概略を示す第3のフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態によるメダル貸出機で行われる赤外線発光処理の概略を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態によるスロットマシンで行われる赤外線受光処理の概略を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…スロットマシン
8…メダル投入口
29…貯留メダル精算スイッチ
37…メダル受皿
38…メダル払出口
54…スロットマシン遊技システム
55…メダル貸出機
56…現金投入口
57、58…赤外線発受光部
61…メイン制御基板
62…サブ制御基板
64…メインCPU
Claims (4)
- 現金が投入される現金投入口,及びこの現金投入口に現金が投入されると遊技者に貸し出す遊技媒体の貸出数を送信する送信部を備えた遊技媒体貸出機と、前記送信部から送信される遊技媒体の貸出数を受信する受信部を備えた遊技機とから構成される遊技システム。
- 前記遊技機は、投入された遊技媒体を計数する計数機を備え、この計数機で計数された遊技媒体を使って遊技を行い、前記計数機は、前記送信部から送信される遊技媒体の貸出数が前記受信部で受信されると、この遊技媒体の貸出数だけ計数を増加することを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
- 前記遊技媒体貸出機は前記遊技機に併設されており、前記送信部は赤外線で信号を送信する赤外線発光部から構成され、前記受信部はこの赤外線発光部から送信される赤外線を受信する赤外線受光部から構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技システム。
- 前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の遊技システム。
Priority Applications (1)
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ID=32260890
Family Applications (1)
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JP2002260066A Pending JP2004097281A (ja) | 2002-09-05 | 2002-09-05 | 遊技システム |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004097281A (ja) |
-
2002
- 2002-09-05 JP JP2002260066A patent/JP2004097281A/ja active Pending
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