JP2004095575A - 減圧化学気相成長装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】成膜された気相成長膜の面内での膜厚均一性を向上させ、基板に良好な膜形成ができる減圧化学気相成長装置を提供する。
【解決手段】減圧状態の反応器22内に反応ガスを導入して、該反応器22内のボート32の支柱34に設けられた保持部37に、該支柱34の立設方向に所定間隔を設けるようにして水平に保持された複数枚のシリコン基板36の板面に成膜を行なう装置で、ボート32の支柱34に反応ガスの流通路38が形成されていると共に、保持されたシリコン基板36の板面への反応ガス送出口39が形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】減圧状態の反応器22内に反応ガスを導入して、該反応器22内のボート32の支柱34に設けられた保持部37に、該支柱34の立設方向に所定間隔を設けるようにして水平に保持された複数枚のシリコン基板36の板面に成膜を行なう装置で、ボート32の支柱34に反応ガスの流通路38が形成されていると共に、保持されたシリコン基板36の板面への反応ガス送出口39が形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体基板にポリシリコン膜や二酸化シリコン膜等を成膜する際に用いる減圧化学気相成長装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知の通り、半導体装置の製造過程で、シリコン基板面にポリシリコン膜や二酸化シリコン膜等を成膜する場合、減圧化学気相成長装置を用い、その減圧された所定温度の雰囲気中にシリコン基板を保持し、所定の反応ガスを導入して所定時間経過させることで基板表面に所要とする膜等を成膜させる。そして、未反応成膜種が残っている成膜後の反応ガスについては捕獲器を通流させて未反応成膜種等を捕集してから排出し、回収するようにしている。
【0003】
以下、図6を参照して従来技術を説明する。図6は縦断面図である。
【0004】
図6において、減圧化学気相成長装置1は、反応器2と反応器2内を減圧する真空ポンプ等の減圧機構3を備えて構成されており、反応器2には上端が閉塞された縦型円筒状の反応管4の内部に、同じく円筒状の内管5が配設されており、反応管4の下端は、蓋部材6により気密に閉塞可能となっている。さらに内管5内には、基台7上に4本の支柱8を立設し、支柱8の上端に上板9を設け、また支柱8に所定間隔で保持部10を配してなるボート11が設けられている。そして、各保持部10には、所定間隔を板面間に設けて支柱8の立設方向に、基板、例えばシリコン基板12が水平に保持される。
【0005】
また、反応器2には、その下部に外部の図示しない反応ガス供給部から内管5内に反応ガスを導入するガス導入管13の管端が開口しており、さらに内管5と反応管4の間の空間内から成膜後の反応ガス等を、開閉弁14、図示しない捕獲器、さらに真空ポンプ等の減圧機構3を介して排出し、図示しないガス回収部に回収するガス排出管15の管端が開口している。なお、16はガス導入管13の中間部分に挿入されたジョイントであり、17は反応器2内を所定温度となるように外側から加熱する加熱器である。
【0006】
そして、上記のように構成されたものでの成膜は、次のように行なわれる。先ずボート11の保持部10にそれぞれシリコン基板12を保持させて反応器2の内管5内に収納する。続いて、開閉弁14を開放状態にし、反応ガス供給部からの反応ガスの供給を停止した状態で、反応器2内を減圧機構3により所定の減圧状態にし、さらに加熱器17によって雰囲気温度が所定の温度となるよう加熱し、所定の減圧状態と雰囲気温度を維持し続ける。その後、反応ガス供給部から反応器2の内管5内にガス導入管13を通じて反応ガスを所定の流量で、所定の時間供給することにより、シリコン基板12の板面に、所要とする膜厚を有する所望の気相成長膜の成膜を行なう。
【0007】
また、この時の反応器2内における反応ガスの流れについては、先ずガス導入管13の管端から内管5内に供給された後、内管5内を下部側から上部側に向って流れる。その間に、ボート11の保持部10にそれぞれ水平に保持されているシリコン基板12の各板面間を流れ、シリコン基板12への成膜を行う。その後、反応管4の内壁面と内管5の外壁面の間を上部側から下部側に流れ、ガス排出管15を介して排出され、ガス回収部に回収される。
【0008】
しかしながら上記の従来技術においては、ガス導入管13を通じて反応器2内に供給された反応ガスは、ボート11の外方側から保持部10に保持されているシリコン基板12の各板面間を流れるとき、ボート11の支柱8がガスの流れの中に立設するものであるから、支柱8の回りでガスの流れが乱れ、澱み等が生じ、シリコン基板12の板面に対して不均一に供給されてしまう。このため、シリコン基板12の板面内で膜形成速度にばらつきが生じ、面内での膜厚均一性が良好でなくなってしまう虞があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような状況に鑑みて本発明はなされたもので、その目的とするところは基板に成膜された気相成長膜の面内での膜厚均一性を向上させ、良好な膜形成ができる減圧化学気相成長装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の減圧化学気相成長装置は、減圧状態の反応器内に反応ガスを導入して、該反応器内のボートの支柱に設けられた保持部に、該支柱の立設方向に所定間隔を設けるようにして水平に保持された複数枚の基板の板面に成膜を行なう減圧化学気相成長装置において、前記ボートの支柱に前記反応ガスの流通路が形成されていると共に、前記基板板面への反応ガス送出口が形成されていることを特徴とするものであり、
さらに、前記反応ガス送出口が、保持部に保持された各基板に対応して形成されていることを特徴とするものであり、
さらに、前記支柱が、対称位置に複数立設するものであって、該支柱のそれぞれに反応ガス送出口が形成されていることを特徴とするものであり、
さらに、基板板面への反応ガスの供給が、反応ガス送出口を通じてのみ行なわれるものであることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施形態を、図1乃至図5を参照して説明する。図1は縦断面図であり、図2は部分断面図であり、図3は要部の横断面図であり、図4は面内の膜厚測定結果を示す図であり、図5は面内の膜厚分布を示す図である。
【0012】
図1乃至図5において、減圧化学気相成長装置21は、反応器22と反応器22内を減圧する真空ポンプ等の減圧機構23を備えて構成されている。反応器22は、上端が閉塞された縦型円筒状の反応管24と、蓋台25上に円筒状部材26を設けて反応管24の下端開口を気密に閉塞可能とする蓋27を備えおり、反応管24を閉塞するあたっては、円筒状部材26の上端と反応管24の下端とが、気密に結合される。
【0013】
また蓋27には、その円筒状部材26の内壁面に下端のフランジ部28を固着するようにして、反応管24内に円筒状の内管29が同軸に配設されている。さらに円筒状部材26の内管29の固着位置より上方位置には、内壁面に成膜後の反応ガス等を、開閉弁30、図示しない捕獲器、さらに真空ポンプ等の減圧機構23を介して排出し、図示しないガス回収部に回収するガス排出管31の管端が開口している。またさらに蓋27には、蓋台25上にボート32が内管29の中央に位置するよう設けられている。
【0014】
また、蓋台25上に設けられたボート32は、高さが内管29の上端位置と略等しくなっていて、基台33上に4本の支柱34を、回転対称となる位置に立設し、支柱34の上端に上板35を設け、また支柱34に所定間隔で気相成長膜を形成する基板、例えばシリコン基板36を水平に保持する保持部37を設けて構成されている。さらに各支柱34には、反応ガスの流通路38が軸方向に形成されており、また各保持部37には、保持したシリコン基板36の上面中央方向に指向して開口する反応ガス送出口39が、流通路38に連通するように形成されている。
【0015】
また、ボート32の基台33には、立設する各支柱34の流通路38に連通する反応ガスの分配路40が内部に形成されており、さらに基台33には、分配路40に連通すると共に蓋台25を下面側に貫通するようにガス導入口41が形成されている。そして、ガス導入口41には、ジョイント42を間に設けてガス導入管43が接続されており、ガス導入管43を介して外部の図示しない反応ガス供給部から反応ガスが導入できるようになっている。なお、44は反応器22内を所定温度となるように外側から加熱する加熱器である。
【0016】
そして、上記のように構成されたものでの成膜は、次のように行なわれる。先ずボート32の保持部37にそれぞれシリコン基板36を保持させて反応器22の内管29内に収納する。この時、各シリコン基板36は、ボート32の保持部37に、水平状態で板面間に所定間隔を設けて支柱34の立設方向に保持される。続いて、開閉弁30を開放状態にし、反応ガス供給部からの反応ガスの供給を停止した状態で、反応器22内を減圧機構23により所定の減圧状態にし、さらに加熱器44によって雰囲気温度が所定の温度となるよう加熱し、所定の減圧状態と雰囲気温度を維持し続ける。
【0017】
その後、反応ガス供給部から反応器22内のシリコン基板36を保持するボート32にガス導入管43を通じて反応ガスを供給する。ガス導入管43を通じてボート32に供給された反応ガスは、ガス導入口41から基台33の分配路40を流れて各支柱34の流通路38に分配される。さらに反応ガスは流通路38を上方に流れ、各保持部37に形成された反応ガス送出口39から、水平に保持されているシリコン基板36の板面上を指向する中央方向に放出される。放出された反応ガスは板面間の空間を拡散しながら流れ、また所定の流量で、所定の時間供給することによって、シリコン基板36の板面上に所要とする膜厚を有する所望の気相成長膜の成膜がなされる。
【0018】
一方、シリコン基板36への成膜が行なわれた後の反応ガス、すなわち成膜後の反応ガスは、シリコン基板36の板面間の空間から内管29内を流れ、さらに内管29の上端から反応管24の内壁面と内管29の外壁面の間に流れ込み、ここを上部側から下部側に流れ、ガス排出管31を介して反応器22外に排出され、ガス回収部に回収される。
【0019】
そして、上記のように構成した減圧化学気相成長装置21による成膜結果を、直径200mmのシリコン基板36の板面上にポリシリコン膜を成膜することによって見たところ、次のようなものであった。すなわち、成膜条件を、反応器22内の温度を620℃とし、内部圧力を0.05kPaとし、反応器22内にシラン(SiH4)を2000SCCMの流量で流し、13分間の処理時間でポリシリコン膜を形成した。
【0020】
そして、図3に示すように、シリコン基板36の対向する反応ガス送出口39間の直径上に、基板中央を含むようにして間隔距離rが32mmとなるように測定ポイントa,b,c,d(基板中央),e,f,gの7ポイントを定め、各測定ポイントでの膜厚を測定したところ、測定値は図4に示す本発明欄の各値であり、膜厚分布は図5に示す特性線Aの通りとなり、膜厚のばらつき範囲は97nm〜102nmであった。また、この結果に基づき膜厚均一性を、
[(最大値−最小値)/(最大値+最小値)]×100%
で算出したところ、膜厚均一性は2.5%であった。
【0021】
なお、従来の構成の減圧化学気相成長装置により同じ成膜条件のもとで成膜したところ、膜厚の測定値は図4に示す従来欄の各値であり、膜厚分布は図5に示す特性線Bの通りとなり、膜厚のばらつき範囲は90nm〜105nmであり、さらに膜厚均一性は7.6%であった。
【0022】
以上の通り、従来は特に基板外縁部で膜厚に大きなばらつきがあったが、上記構成とすることで、反応ガスの流れが支柱34の影響による澱み等の少ないものとなって、面内での成膜速度の差が少なくなり、基板外縁部での膜厚のばらつきが非常に小さいものとすることができ、膜厚均一性でみても大幅に向上したものとすることができ、良好な膜形成を行うことができる。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、基板に成膜された気相成長膜の面内での膜厚均一性が向上し、良好な膜形成ができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態における部分断面図である。
【図3】本発明の一実施形態における要部の横断面図である。
【図4】本発明の一実施形態における面内の膜厚測定結果を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態における面内の膜厚分布を示す図である。
【図6】従来技術を示す縦断面図である。
【符号の説明】
22…反応器
32…ボート
34…支柱
36…シリコン基板
37…保持部
38…流通路
39…反応ガス送出口
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体基板にポリシリコン膜や二酸化シリコン膜等を成膜する際に用いる減圧化学気相成長装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知の通り、半導体装置の製造過程で、シリコン基板面にポリシリコン膜や二酸化シリコン膜等を成膜する場合、減圧化学気相成長装置を用い、その減圧された所定温度の雰囲気中にシリコン基板を保持し、所定の反応ガスを導入して所定時間経過させることで基板表面に所要とする膜等を成膜させる。そして、未反応成膜種が残っている成膜後の反応ガスについては捕獲器を通流させて未反応成膜種等を捕集してから排出し、回収するようにしている。
【0003】
以下、図6を参照して従来技術を説明する。図6は縦断面図である。
【0004】
図6において、減圧化学気相成長装置1は、反応器2と反応器2内を減圧する真空ポンプ等の減圧機構3を備えて構成されており、反応器2には上端が閉塞された縦型円筒状の反応管4の内部に、同じく円筒状の内管5が配設されており、反応管4の下端は、蓋部材6により気密に閉塞可能となっている。さらに内管5内には、基台7上に4本の支柱8を立設し、支柱8の上端に上板9を設け、また支柱8に所定間隔で保持部10を配してなるボート11が設けられている。そして、各保持部10には、所定間隔を板面間に設けて支柱8の立設方向に、基板、例えばシリコン基板12が水平に保持される。
【0005】
また、反応器2には、その下部に外部の図示しない反応ガス供給部から内管5内に反応ガスを導入するガス導入管13の管端が開口しており、さらに内管5と反応管4の間の空間内から成膜後の反応ガス等を、開閉弁14、図示しない捕獲器、さらに真空ポンプ等の減圧機構3を介して排出し、図示しないガス回収部に回収するガス排出管15の管端が開口している。なお、16はガス導入管13の中間部分に挿入されたジョイントであり、17は反応器2内を所定温度となるように外側から加熱する加熱器である。
【0006】
そして、上記のように構成されたものでの成膜は、次のように行なわれる。先ずボート11の保持部10にそれぞれシリコン基板12を保持させて反応器2の内管5内に収納する。続いて、開閉弁14を開放状態にし、反応ガス供給部からの反応ガスの供給を停止した状態で、反応器2内を減圧機構3により所定の減圧状態にし、さらに加熱器17によって雰囲気温度が所定の温度となるよう加熱し、所定の減圧状態と雰囲気温度を維持し続ける。その後、反応ガス供給部から反応器2の内管5内にガス導入管13を通じて反応ガスを所定の流量で、所定の時間供給することにより、シリコン基板12の板面に、所要とする膜厚を有する所望の気相成長膜の成膜を行なう。
【0007】
また、この時の反応器2内における反応ガスの流れについては、先ずガス導入管13の管端から内管5内に供給された後、内管5内を下部側から上部側に向って流れる。その間に、ボート11の保持部10にそれぞれ水平に保持されているシリコン基板12の各板面間を流れ、シリコン基板12への成膜を行う。その後、反応管4の内壁面と内管5の外壁面の間を上部側から下部側に流れ、ガス排出管15を介して排出され、ガス回収部に回収される。
【0008】
しかしながら上記の従来技術においては、ガス導入管13を通じて反応器2内に供給された反応ガスは、ボート11の外方側から保持部10に保持されているシリコン基板12の各板面間を流れるとき、ボート11の支柱8がガスの流れの中に立設するものであるから、支柱8の回りでガスの流れが乱れ、澱み等が生じ、シリコン基板12の板面に対して不均一に供給されてしまう。このため、シリコン基板12の板面内で膜形成速度にばらつきが生じ、面内での膜厚均一性が良好でなくなってしまう虞があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような状況に鑑みて本発明はなされたもので、その目的とするところは基板に成膜された気相成長膜の面内での膜厚均一性を向上させ、良好な膜形成ができる減圧化学気相成長装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の減圧化学気相成長装置は、減圧状態の反応器内に反応ガスを導入して、該反応器内のボートの支柱に設けられた保持部に、該支柱の立設方向に所定間隔を設けるようにして水平に保持された複数枚の基板の板面に成膜を行なう減圧化学気相成長装置において、前記ボートの支柱に前記反応ガスの流通路が形成されていると共に、前記基板板面への反応ガス送出口が形成されていることを特徴とするものであり、
さらに、前記反応ガス送出口が、保持部に保持された各基板に対応して形成されていることを特徴とするものであり、
さらに、前記支柱が、対称位置に複数立設するものであって、該支柱のそれぞれに反応ガス送出口が形成されていることを特徴とするものであり、
さらに、基板板面への反応ガスの供給が、反応ガス送出口を通じてのみ行なわれるものであることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施形態を、図1乃至図5を参照して説明する。図1は縦断面図であり、図2は部分断面図であり、図3は要部の横断面図であり、図4は面内の膜厚測定結果を示す図であり、図5は面内の膜厚分布を示す図である。
【0012】
図1乃至図5において、減圧化学気相成長装置21は、反応器22と反応器22内を減圧する真空ポンプ等の減圧機構23を備えて構成されている。反応器22は、上端が閉塞された縦型円筒状の反応管24と、蓋台25上に円筒状部材26を設けて反応管24の下端開口を気密に閉塞可能とする蓋27を備えおり、反応管24を閉塞するあたっては、円筒状部材26の上端と反応管24の下端とが、気密に結合される。
【0013】
また蓋27には、その円筒状部材26の内壁面に下端のフランジ部28を固着するようにして、反応管24内に円筒状の内管29が同軸に配設されている。さらに円筒状部材26の内管29の固着位置より上方位置には、内壁面に成膜後の反応ガス等を、開閉弁30、図示しない捕獲器、さらに真空ポンプ等の減圧機構23を介して排出し、図示しないガス回収部に回収するガス排出管31の管端が開口している。またさらに蓋27には、蓋台25上にボート32が内管29の中央に位置するよう設けられている。
【0014】
また、蓋台25上に設けられたボート32は、高さが内管29の上端位置と略等しくなっていて、基台33上に4本の支柱34を、回転対称となる位置に立設し、支柱34の上端に上板35を設け、また支柱34に所定間隔で気相成長膜を形成する基板、例えばシリコン基板36を水平に保持する保持部37を設けて構成されている。さらに各支柱34には、反応ガスの流通路38が軸方向に形成されており、また各保持部37には、保持したシリコン基板36の上面中央方向に指向して開口する反応ガス送出口39が、流通路38に連通するように形成されている。
【0015】
また、ボート32の基台33には、立設する各支柱34の流通路38に連通する反応ガスの分配路40が内部に形成されており、さらに基台33には、分配路40に連通すると共に蓋台25を下面側に貫通するようにガス導入口41が形成されている。そして、ガス導入口41には、ジョイント42を間に設けてガス導入管43が接続されており、ガス導入管43を介して外部の図示しない反応ガス供給部から反応ガスが導入できるようになっている。なお、44は反応器22内を所定温度となるように外側から加熱する加熱器である。
【0016】
そして、上記のように構成されたものでの成膜は、次のように行なわれる。先ずボート32の保持部37にそれぞれシリコン基板36を保持させて反応器22の内管29内に収納する。この時、各シリコン基板36は、ボート32の保持部37に、水平状態で板面間に所定間隔を設けて支柱34の立設方向に保持される。続いて、開閉弁30を開放状態にし、反応ガス供給部からの反応ガスの供給を停止した状態で、反応器22内を減圧機構23により所定の減圧状態にし、さらに加熱器44によって雰囲気温度が所定の温度となるよう加熱し、所定の減圧状態と雰囲気温度を維持し続ける。
【0017】
その後、反応ガス供給部から反応器22内のシリコン基板36を保持するボート32にガス導入管43を通じて反応ガスを供給する。ガス導入管43を通じてボート32に供給された反応ガスは、ガス導入口41から基台33の分配路40を流れて各支柱34の流通路38に分配される。さらに反応ガスは流通路38を上方に流れ、各保持部37に形成された反応ガス送出口39から、水平に保持されているシリコン基板36の板面上を指向する中央方向に放出される。放出された反応ガスは板面間の空間を拡散しながら流れ、また所定の流量で、所定の時間供給することによって、シリコン基板36の板面上に所要とする膜厚を有する所望の気相成長膜の成膜がなされる。
【0018】
一方、シリコン基板36への成膜が行なわれた後の反応ガス、すなわち成膜後の反応ガスは、シリコン基板36の板面間の空間から内管29内を流れ、さらに内管29の上端から反応管24の内壁面と内管29の外壁面の間に流れ込み、ここを上部側から下部側に流れ、ガス排出管31を介して反応器22外に排出され、ガス回収部に回収される。
【0019】
そして、上記のように構成した減圧化学気相成長装置21による成膜結果を、直径200mmのシリコン基板36の板面上にポリシリコン膜を成膜することによって見たところ、次のようなものであった。すなわち、成膜条件を、反応器22内の温度を620℃とし、内部圧力を0.05kPaとし、反応器22内にシラン(SiH4)を2000SCCMの流量で流し、13分間の処理時間でポリシリコン膜を形成した。
【0020】
そして、図3に示すように、シリコン基板36の対向する反応ガス送出口39間の直径上に、基板中央を含むようにして間隔距離rが32mmとなるように測定ポイントa,b,c,d(基板中央),e,f,gの7ポイントを定め、各測定ポイントでの膜厚を測定したところ、測定値は図4に示す本発明欄の各値であり、膜厚分布は図5に示す特性線Aの通りとなり、膜厚のばらつき範囲は97nm〜102nmであった。また、この結果に基づき膜厚均一性を、
[(最大値−最小値)/(最大値+最小値)]×100%
で算出したところ、膜厚均一性は2.5%であった。
【0021】
なお、従来の構成の減圧化学気相成長装置により同じ成膜条件のもとで成膜したところ、膜厚の測定値は図4に示す従来欄の各値であり、膜厚分布は図5に示す特性線Bの通りとなり、膜厚のばらつき範囲は90nm〜105nmであり、さらに膜厚均一性は7.6%であった。
【0022】
以上の通り、従来は特に基板外縁部で膜厚に大きなばらつきがあったが、上記構成とすることで、反応ガスの流れが支柱34の影響による澱み等の少ないものとなって、面内での成膜速度の差が少なくなり、基板外縁部での膜厚のばらつきが非常に小さいものとすることができ、膜厚均一性でみても大幅に向上したものとすることができ、良好な膜形成を行うことができる。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、基板に成膜された気相成長膜の面内での膜厚均一性が向上し、良好な膜形成ができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態における部分断面図である。
【図3】本発明の一実施形態における要部の横断面図である。
【図4】本発明の一実施形態における面内の膜厚測定結果を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態における面内の膜厚分布を示す図である。
【図6】従来技術を示す縦断面図である。
【符号の説明】
22…反応器
32…ボート
34…支柱
36…シリコン基板
37…保持部
38…流通路
39…反応ガス送出口
Claims (4)
- 減圧状態の反応器内に反応ガスを導入して、該反応器内のボートの支柱に設けられた保持部に、該支柱の立設方向に所定間隔を設けるようにして水平に保持された複数枚の基板の板面に成膜を行なう減圧化学気相成長装置において、前記ボートの支柱に前記反応ガスの流通路が形成されていると共に、前記基板板面への反応ガス送出口が形成されていることを特徴とする減圧化学気相成長装置。
- 前記反応ガス送出口が、保持部に保持された各基板に対応して形成されていることを特徴とする請求項1記載の減圧化学気相成長装置。
- 前記支柱が、対称位置に複数立設するものであって、該支柱のそれぞれに反応ガス送出口が形成されていることを特徴とする請求項1記載の減圧化学気相成長装置。
- 基板板面への反応ガスの供給が、反応ガス送出口を通じてのみ行なわれるものであることを特徴とする請求項1記載の減圧化学気相成長装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002250533A JP2004095575A (ja) | 2002-08-29 | 2002-08-29 | 減圧化学気相成長装置 |
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JP2002250533A JP2004095575A (ja) | 2002-08-29 | 2002-08-29 | 減圧化学気相成長装置 |
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ID=32057339
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
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- 2002-08-29 JP JP2002250533A patent/JP2004095575A/ja active Pending
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KR101130037B1 (ko) * | 2009-07-22 | 2012-03-23 | 주식회사 테라세미콘 | 보트 |
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