JP2004095455A - 冷却装置およびそれを用いたプラズマディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラズマディスプレイパネルの表示域と端部との温度差を小さくするように冷却できる共に、動作時の騒音の軽減や奥行き寸法の軽減されたプラズマディスプレイ装置を得る。
【解決手段】プラズマディスプレイパネル3と、プラズマディスレイパネル3の背面のほぼ全面に配設された金属板(取り付け板)5と、冷却用の液体が封入され、この金属板5に取り付けられた金属パイプ7とを連結した液駆動装置10を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】プラズマディスプレイパネル3と、プラズマディスレイパネル3の背面のほぼ全面に配設された金属板(取り付け板)5と、冷却用の液体が封入され、この金属板5に取り付けられた金属パイプ7とを連結した液駆動装置10を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は発熱体を冷却する冷却装置およびそれを用いたプラズマディスプレイ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は従来のプラズマディスプレイ装置の斜視図であり、従来のプラズマディスプレイ装置の概略構成を示す(例えば、特許文献1参照)。
図2において、プラズマディスプレイパネル(以下PDPと省略する)600を収納したダクト用カバー100の一端に空気吸入口100a、100b、100cが設けられ、他端に空気吸出し用のファン400が設けられている。このファン400を回転させると空気が空気吸入口100a、100b、100cから流入し、ファン400によりプラズマディスプレイ装置の筐体200のファン400に面する背面に多数設けられた図示しない通風口から排出されるため、ダクト用カバー100内に収納されているPDP600は全体的に冷却される。
また、PDP600を収納したダクト用カバー100の背面には電源基板300と信号制御部基板500が配置されており、これらの基板もファン400により冷却される。
【0003】
以上のように、従来は冷却風の通風路を確保し、冷却用のファンを用いて発熱体であるPDPの冷却をしていた。この冷却技術は一般的に広く用いられており、他の例えば映像表示素子として液晶パネルを用いた投写型表示装置でも同様である。
【0004】
冷却技術としては、一般にファンによる空冷の他に、冷媒液を用いた冷却技術がある(例えば、特許文献2参照)。この冷媒液を用いた冷却技術は、発熱体から熱を吸熱(受熱)する吸熱手段と、熱を放熱する放熱手段と、熱の授受を行う冷媒液を循環させる液駆動装置と、これらの間を接続するパイプとから構成され、吸熱手段で吸熱した熱を冷媒液で放熱手段に運び、そこで放熱した冷媒液を液駆動装置で循環させるものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−22658号公報
【特許文献2】
特開平7−142886号公報(図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のプラズマディスプレイ装置は以上のように構成されていたので、PDP600の全体を冷却する効果はあるが、局所的に輝度の高い映像が表示された時、PDP600の表示領域の温度が急激に上昇することによりPDP600の表示領域とパネル端部との温度差が大きくなるのを防止することができない。PDPはガラスでできており、局部的に温度が上昇すると、その温度差によってPDPが割れることがある。また、電源基板300はPDP600に電力を供給するので温度上昇が大きく、この影響により電源基板300に近接するPDPの部分も温度が上昇し、PDPの熱応力が大きくなり、PDPを構成するガラス基板が割れるという恐れがあった。
また、冷却用のファン駆動により耳障りな騒音が生じたり、通気をよくするためにダクト用カバー100のような放熱スペースを確保したりする必要があるため、プラズマディスプレイ装置が大きくなるという問題点もあった。
【0007】
本発明は以上のような問題点を解決するためになされたもので、第1の目的は、PDPの表示領域と端部との温度差を小さくするような冷却装置及びそれを備えたプラズマディスプレイ装置を提供するものである。
また、本発明の第2の目的は、冷却用のファン動作時の騒音を軽減することのできる冷却装置及びそれを備えたプラズマディスプレイ装置を提供するものである。
さらに、本発明の第3の目的は、奥行き寸法を短縮することのできるプラズマディスプレイ装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、冷却装置は、発熱体から熱を吸熱する吸熱手段と、熱を放熱する放熱手段と、該吸熱手段と該放熱手段との間で熱の授受を行う冷媒液を循環させる駆動手段と、これらの間を接続する該冷媒液の封入されたパイプと、熱の授受を行う該冷媒液が封入され所定の間隔で配列された流路からなり、該吸熱手段で吸熱した熱を該冷媒液で該放熱手段に運び、該放熱手段で放熱した冷媒液を該駆動手段で循環させ、該発熱体の温度の高い近傍部分に対応する該流路の間隔を密にするように構成する。
このように構成すれば、高温の部分から多くの熱を奪うことができるので、効果的に熱の均一化を図ることができる。
【0009】
また、この冷却装置をプラズマディスプレイ装置に適用するために、表示素子としてプラズマディスプレイパネル(以下PDPと称す)を用いたプラズマディスプレイ装置であって、発熱体である該PDPの背面のほぼ全面に配設され、所定の間隔で配列された冷媒液の流路を有し、該PDPからの発熱を該冷媒液で吸熱する金属板と、該金属板で熱を吸熱した該冷媒液の流路を有し、該冷媒液の吸熱した熱を放熱する放熱手段と、熱の授受を行う該冷媒液を循環させる駆動手段と、これらの間を接続する該冷媒液の封入されたパイプとを備えた構成とする。さらに、前記金属板に形成された前記流路の間隔を、前記PDPの温度の高い近傍部分に対応して密に形成する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用い、図を参照して説明する。なお、機能が同一な部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図1は本発明によるプラズマディスプレイ装置の一実施例を示す構成図であり、図1(a)は図1(b)のA−A’断面図、図1(b)は金属製のパイプを取り付けた取り付け板を背面側から見た背面図である。
図1(a)において、PDP3の表示側である前面には紫外線や不要な電磁輻射を低減する光学フィルタ4が筐体1に設けられており、また、PDP3の背面には、PDP3の背面全体にわたって配設された熱伝導率のよい金属製の取り付け板5が熱伝導性のよい接着テ−プ6で固定されている。取り付け板5の接着テ−プ6側とは反対側に金属製のパイプ7が、例えば溶接で取り付けられている。パイプ7の両端は放熱手段である放熱板と液駆動装置(図示せず)とを一体化して構成した熱交換器12に弾性体であるフレキシブルチュ−ブ11で接続されている。パイプ7が配設された取り付け板5は後述するように上記した吸熱手段として機能する。
【0011】
次に、図2を用いて、熱交換器について説明する。
図2は本発明による熱交換器の一実施例を示す側面図である。図に示すように、熱交換器12の液溜タンク21には、例えば、水やエチレングリコ−ルなどの冷媒液が封入されており、冷媒液は熱交換器12の液駆動装置22でパイプ7やフレキシブルチュ−ブ11等の流路を循環するように駆動されている。熱交換器12は、その筐体内部にフィンを設けて冷媒液の流路を構成する。この液駆動装置22は、流路の一部をシリンダとし、ピストンをモ−タ及びリンク機構によって往復運動させる機構としており、薄くすることができる。なお、熱交換器12の表面には放熱板23としての効果を高めるために空気の流れに沿う方向に放熱用フィンを設けている。この場合、液溜タンク21の内部に突起を設けておき、液駆動装置22によって、冷媒液を液溜タンク21に間歇的に送り込むと、液溜タンク21内に対流が起こる。このため、冷媒液はより効率的に放熱することができる。
図1(a)に示すように、取り付け板5の背面にはPDP3の表示駆動制御を行う表示駆動制御回路基板8a(図1(b)参照)、8b、8c(図1(b)参照)、PDP3に電力を供給する電源基板9、及び映像信号に所定の処理を行い表示駆動制御回路基板8に供給する信号処理基板10が配置されている。電源基板9は前述したように温度上昇が大きい部分であり、この影響により電源基板9の近傍も温度が上昇する。熱交換器12の下方に位置する筐体1の底面には多数の吸気口1aが設けられ、吸気口1aに対向する筐体1の上面には多数の排気口1bが設けられており、吸気口1aから排気口1bに向かう空気の流れ(対流)により熱交換器12、電源基板9、表示駆動制御回路基板8a、8b、8c、や信号処理基板10などが冷却される。
【0012】
次に、図1(b)について説明する。図1(b)において、3aはPDP3の映像の表示領域、3bは表示領域3aを除いた映像が表示されない周辺部領域である。パイプ7は取り付け板5の全面に紙面左右方向(水平方向)に所定の間隔で配列されているが、その間隔は均一ではなく、温度上昇の大きな部分である電源基板9の近傍部分においては、その間隔を密となるようにしている。
このように構成されたプラズマディスプレイ装置においては、PDP3を動作させて映像を表示すると、表示領域3aはプラズマ放電によって温度が上昇する。取り付け板5は、例えば、アルミニウムのような熱伝導性のよい金属板で形成され、表示領域3aの発熱を取り付け板5に固着した金属製のパイプ7に封入された冷媒液に移動させ、冷却する。パイプ7の加熱された冷媒液は吸気口1aの近傍に配置された放熱板23と液駆動装置22とを一体化して構成した熱交換器12に輸送され、そこで放熱板23により放熱されて冷却される。吸気口1aの近傍は取り付け板5の上部に比べ略30℃程温度が低い。さらに、熱交換器12の放熱板23で冷却された冷媒液は熱交換器12の液駆動装置22により上方に輸送される。
【0013】
このように、パイプ7の冷媒液は液駆動装置22により表示領域3aで生じた発熱を温度が低い吸気口1a近傍の熱交換器12に移動させ、放熱することができる為、従来技術で述べたようなダクト用カバーを設けなくても、実装構造に左右されることなく熱を効率よく輸送できるので、PDP3内の表示領域3aと周辺部領域3bとの温度差を小さくし、熱の均一化を図ることができる。
特に、温度上昇の大きい電源基板9の近傍領域のパイプ7の間隔を密としているため、この部分での吸熱を大きくできるので、より熱の均一化が図れる。
さらにまた、従来技術のように冷却用ファンを設置することなくPDP3を冷却することができるので、ファンの回転に伴うプラズマディスプレイ装置の耳障りな騒音をなくすことができる。
また、本発明では冷却用ファンを設置しないので、特にダクトで構成する風路を設ける必要がなく、PDPとPDP背面に配置される基板との間の空間距離を詰めることができるので、奥行き寸法を短縮したプラズマディスプレイ装置を構成することができる。
【0014】
なお、図1では、熱交換器12を筐体1の底部の吸気口1a近傍に配置したが、これに限定されるものではない。熱交換器12は弾性体であるフレキシブルチュ−ブ11で接続されているので、例えば、筐体1上面の外壁の上に配置してもよい。このようにすれば直接外気に触れることができ、放熱効果を高めることができる。即ち、冷却効果を高めることができる。
筐体1の上面は奥行き(厚さ)方向でほほ8cm以上あり、大きな放熱面積を確保することができる。熱交換器12を筐体の背面に配置することも可能であるが、一般に、プラズマディスプレイ装置は部屋の壁面に近接して設置されるので、プラズマディスプレイ装置の背面と部屋の壁面との間の空間が狭くなり、放熱効果が、上面に配置した場合より低下する恐れがある。上面は奥行き(厚さ)方向が短いので物を置かれる心配もなく、大きな放熱面積を確保することができる。
【0015】
また、図1に示した実施例では、熱交換器12として、液溜タンク21と放熱板23、及び液駆動装置22とを一体化したものとしたが、これに限定されるものではなく、放熱板23及び液溜タンク21と、液駆動装置との間を変形自在なフレキシブルチュ−ブで接続して分離してもよいことも明らかでる。
さらに、液駆動装置22としては、ダイヤフラムポンプである圧電ポンプであってもよい。これを用いれば、実施例と同様に、液駆動装置22を薄くすることができる。
また、実施例では、金属製の取り付け板5に金属製のパイプ7を固着するものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば特開平7−142886号公報の図2で示される受熱ヘッダ14と同様に、金属製の取り付け板の内部にフィンを設けて冷媒液の流路を構成するようにしてもよい。勿論、冷媒液が洩れないように金属製の蓋をして密閉することは当然のことである。
【0016】
以上述べたように、本実施例では、本発明を、PDPを用いたプラズマディスプレイ装置に適用したが、これに限定されるものではなく、他の例えば映像表示素子として液晶パネルを用いた投写型表示装置にも適用できることは明らかである。
例えば、投写型液晶表示装置では、ランプからの光を反射して液晶パネルに照射する凹形状の反射鏡は高温となるが、その温度分布は一様ではない。反射鏡内面のランプに近接する部分は200℃以上となるが、反射鏡の凹部先端内面近傍では70℃程度となり、反射鏡の外壁でも温度傾斜が生じている。従って、もし、この反射鏡に本発明を適用した場合、温度の高い部分に冷媒液の流路の間隔を密にし、凹部先端外壁では、疎に配列すればよい。
勿論、PDPのように温度傾斜を有する発熱面積の大きい発熱体であれば、本発明を適用するのに適しており、特に表示装置に限定されるものではない。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、プラズマディスプレイ装置は、PDPの背面のほぼ全面に配設された金属板と、冷却用の冷媒液が封入され、金属板に取り付けられたパイプとを備えているので、冷却用ファンを用いることなくプラズマディスプレイパネルの温度上昇を抑えることが可能となり、さらに動作時の騒音の軽減や、奥行き寸法の短縮も図れる。
また、本発明による金属製の取り付け板に取り付けられたパイプは、温度の高い電源基板背面近傍を密にし、温度の低い下部側を疎にした、上端から下端まで一本のパイプで構成されているので、PDPの表示領域と周辺部領域の温度差を小さくすることができる。
【0018】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプラズマディスプレイ装置の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明による熱交換器の一実施例を示す側面図である。
【図3】従来のプラズマディスプレイ装置の斜視図である。
【符号の説明】
1…筐体、1a…吸気口、1b…排気口、3…プラズマディスプレイパネル、3a…表示領域、3b…周辺部領域、4…光学フィルタ、5…取り付け板、6…接着テ−プ、7…パイプ、8…表示駆動制御回路基板、9…電源基板、10…信号処理基板、11…フレキシブルチュ−ブ、12…熱交換器、100…ダクト用カバ−、200…筐体、300…電源基板、400…ファン、500…信号制御部基板、600…プラズマディスプレイパネル。
【発明の属する技術分野】
本発明は発熱体を冷却する冷却装置およびそれを用いたプラズマディスプレイ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は従来のプラズマディスプレイ装置の斜視図であり、従来のプラズマディスプレイ装置の概略構成を示す(例えば、特許文献1参照)。
図2において、プラズマディスプレイパネル(以下PDPと省略する)600を収納したダクト用カバー100の一端に空気吸入口100a、100b、100cが設けられ、他端に空気吸出し用のファン400が設けられている。このファン400を回転させると空気が空気吸入口100a、100b、100cから流入し、ファン400によりプラズマディスプレイ装置の筐体200のファン400に面する背面に多数設けられた図示しない通風口から排出されるため、ダクト用カバー100内に収納されているPDP600は全体的に冷却される。
また、PDP600を収納したダクト用カバー100の背面には電源基板300と信号制御部基板500が配置されており、これらの基板もファン400により冷却される。
【0003】
以上のように、従来は冷却風の通風路を確保し、冷却用のファンを用いて発熱体であるPDPの冷却をしていた。この冷却技術は一般的に広く用いられており、他の例えば映像表示素子として液晶パネルを用いた投写型表示装置でも同様である。
【0004】
冷却技術としては、一般にファンによる空冷の他に、冷媒液を用いた冷却技術がある(例えば、特許文献2参照)。この冷媒液を用いた冷却技術は、発熱体から熱を吸熱(受熱)する吸熱手段と、熱を放熱する放熱手段と、熱の授受を行う冷媒液を循環させる液駆動装置と、これらの間を接続するパイプとから構成され、吸熱手段で吸熱した熱を冷媒液で放熱手段に運び、そこで放熱した冷媒液を液駆動装置で循環させるものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−22658号公報
【特許文献2】
特開平7−142886号公報(図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のプラズマディスプレイ装置は以上のように構成されていたので、PDP600の全体を冷却する効果はあるが、局所的に輝度の高い映像が表示された時、PDP600の表示領域の温度が急激に上昇することによりPDP600の表示領域とパネル端部との温度差が大きくなるのを防止することができない。PDPはガラスでできており、局部的に温度が上昇すると、その温度差によってPDPが割れることがある。また、電源基板300はPDP600に電力を供給するので温度上昇が大きく、この影響により電源基板300に近接するPDPの部分も温度が上昇し、PDPの熱応力が大きくなり、PDPを構成するガラス基板が割れるという恐れがあった。
また、冷却用のファン駆動により耳障りな騒音が生じたり、通気をよくするためにダクト用カバー100のような放熱スペースを確保したりする必要があるため、プラズマディスプレイ装置が大きくなるという問題点もあった。
【0007】
本発明は以上のような問題点を解決するためになされたもので、第1の目的は、PDPの表示領域と端部との温度差を小さくするような冷却装置及びそれを備えたプラズマディスプレイ装置を提供するものである。
また、本発明の第2の目的は、冷却用のファン動作時の騒音を軽減することのできる冷却装置及びそれを備えたプラズマディスプレイ装置を提供するものである。
さらに、本発明の第3の目的は、奥行き寸法を短縮することのできるプラズマディスプレイ装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、冷却装置は、発熱体から熱を吸熱する吸熱手段と、熱を放熱する放熱手段と、該吸熱手段と該放熱手段との間で熱の授受を行う冷媒液を循環させる駆動手段と、これらの間を接続する該冷媒液の封入されたパイプと、熱の授受を行う該冷媒液が封入され所定の間隔で配列された流路からなり、該吸熱手段で吸熱した熱を該冷媒液で該放熱手段に運び、該放熱手段で放熱した冷媒液を該駆動手段で循環させ、該発熱体の温度の高い近傍部分に対応する該流路の間隔を密にするように構成する。
このように構成すれば、高温の部分から多くの熱を奪うことができるので、効果的に熱の均一化を図ることができる。
【0009】
また、この冷却装置をプラズマディスプレイ装置に適用するために、表示素子としてプラズマディスプレイパネル(以下PDPと称す)を用いたプラズマディスプレイ装置であって、発熱体である該PDPの背面のほぼ全面に配設され、所定の間隔で配列された冷媒液の流路を有し、該PDPからの発熱を該冷媒液で吸熱する金属板と、該金属板で熱を吸熱した該冷媒液の流路を有し、該冷媒液の吸熱した熱を放熱する放熱手段と、熱の授受を行う該冷媒液を循環させる駆動手段と、これらの間を接続する該冷媒液の封入されたパイプとを備えた構成とする。さらに、前記金属板に形成された前記流路の間隔を、前記PDPの温度の高い近傍部分に対応して密に形成する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用い、図を参照して説明する。なお、機能が同一な部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図1は本発明によるプラズマディスプレイ装置の一実施例を示す構成図であり、図1(a)は図1(b)のA−A’断面図、図1(b)は金属製のパイプを取り付けた取り付け板を背面側から見た背面図である。
図1(a)において、PDP3の表示側である前面には紫外線や不要な電磁輻射を低減する光学フィルタ4が筐体1に設けられており、また、PDP3の背面には、PDP3の背面全体にわたって配設された熱伝導率のよい金属製の取り付け板5が熱伝導性のよい接着テ−プ6で固定されている。取り付け板5の接着テ−プ6側とは反対側に金属製のパイプ7が、例えば溶接で取り付けられている。パイプ7の両端は放熱手段である放熱板と液駆動装置(図示せず)とを一体化して構成した熱交換器12に弾性体であるフレキシブルチュ−ブ11で接続されている。パイプ7が配設された取り付け板5は後述するように上記した吸熱手段として機能する。
【0011】
次に、図2を用いて、熱交換器について説明する。
図2は本発明による熱交換器の一実施例を示す側面図である。図に示すように、熱交換器12の液溜タンク21には、例えば、水やエチレングリコ−ルなどの冷媒液が封入されており、冷媒液は熱交換器12の液駆動装置22でパイプ7やフレキシブルチュ−ブ11等の流路を循環するように駆動されている。熱交換器12は、その筐体内部にフィンを設けて冷媒液の流路を構成する。この液駆動装置22は、流路の一部をシリンダとし、ピストンをモ−タ及びリンク機構によって往復運動させる機構としており、薄くすることができる。なお、熱交換器12の表面には放熱板23としての効果を高めるために空気の流れに沿う方向に放熱用フィンを設けている。この場合、液溜タンク21の内部に突起を設けておき、液駆動装置22によって、冷媒液を液溜タンク21に間歇的に送り込むと、液溜タンク21内に対流が起こる。このため、冷媒液はより効率的に放熱することができる。
図1(a)に示すように、取り付け板5の背面にはPDP3の表示駆動制御を行う表示駆動制御回路基板8a(図1(b)参照)、8b、8c(図1(b)参照)、PDP3に電力を供給する電源基板9、及び映像信号に所定の処理を行い表示駆動制御回路基板8に供給する信号処理基板10が配置されている。電源基板9は前述したように温度上昇が大きい部分であり、この影響により電源基板9の近傍も温度が上昇する。熱交換器12の下方に位置する筐体1の底面には多数の吸気口1aが設けられ、吸気口1aに対向する筐体1の上面には多数の排気口1bが設けられており、吸気口1aから排気口1bに向かう空気の流れ(対流)により熱交換器12、電源基板9、表示駆動制御回路基板8a、8b、8c、や信号処理基板10などが冷却される。
【0012】
次に、図1(b)について説明する。図1(b)において、3aはPDP3の映像の表示領域、3bは表示領域3aを除いた映像が表示されない周辺部領域である。パイプ7は取り付け板5の全面に紙面左右方向(水平方向)に所定の間隔で配列されているが、その間隔は均一ではなく、温度上昇の大きな部分である電源基板9の近傍部分においては、その間隔を密となるようにしている。
このように構成されたプラズマディスプレイ装置においては、PDP3を動作させて映像を表示すると、表示領域3aはプラズマ放電によって温度が上昇する。取り付け板5は、例えば、アルミニウムのような熱伝導性のよい金属板で形成され、表示領域3aの発熱を取り付け板5に固着した金属製のパイプ7に封入された冷媒液に移動させ、冷却する。パイプ7の加熱された冷媒液は吸気口1aの近傍に配置された放熱板23と液駆動装置22とを一体化して構成した熱交換器12に輸送され、そこで放熱板23により放熱されて冷却される。吸気口1aの近傍は取り付け板5の上部に比べ略30℃程温度が低い。さらに、熱交換器12の放熱板23で冷却された冷媒液は熱交換器12の液駆動装置22により上方に輸送される。
【0013】
このように、パイプ7の冷媒液は液駆動装置22により表示領域3aで生じた発熱を温度が低い吸気口1a近傍の熱交換器12に移動させ、放熱することができる為、従来技術で述べたようなダクト用カバーを設けなくても、実装構造に左右されることなく熱を効率よく輸送できるので、PDP3内の表示領域3aと周辺部領域3bとの温度差を小さくし、熱の均一化を図ることができる。
特に、温度上昇の大きい電源基板9の近傍領域のパイプ7の間隔を密としているため、この部分での吸熱を大きくできるので、より熱の均一化が図れる。
さらにまた、従来技術のように冷却用ファンを設置することなくPDP3を冷却することができるので、ファンの回転に伴うプラズマディスプレイ装置の耳障りな騒音をなくすことができる。
また、本発明では冷却用ファンを設置しないので、特にダクトで構成する風路を設ける必要がなく、PDPとPDP背面に配置される基板との間の空間距離を詰めることができるので、奥行き寸法を短縮したプラズマディスプレイ装置を構成することができる。
【0014】
なお、図1では、熱交換器12を筐体1の底部の吸気口1a近傍に配置したが、これに限定されるものではない。熱交換器12は弾性体であるフレキシブルチュ−ブ11で接続されているので、例えば、筐体1上面の外壁の上に配置してもよい。このようにすれば直接外気に触れることができ、放熱効果を高めることができる。即ち、冷却効果を高めることができる。
筐体1の上面は奥行き(厚さ)方向でほほ8cm以上あり、大きな放熱面積を確保することができる。熱交換器12を筐体の背面に配置することも可能であるが、一般に、プラズマディスプレイ装置は部屋の壁面に近接して設置されるので、プラズマディスプレイ装置の背面と部屋の壁面との間の空間が狭くなり、放熱効果が、上面に配置した場合より低下する恐れがある。上面は奥行き(厚さ)方向が短いので物を置かれる心配もなく、大きな放熱面積を確保することができる。
【0015】
また、図1に示した実施例では、熱交換器12として、液溜タンク21と放熱板23、及び液駆動装置22とを一体化したものとしたが、これに限定されるものではなく、放熱板23及び液溜タンク21と、液駆動装置との間を変形自在なフレキシブルチュ−ブで接続して分離してもよいことも明らかでる。
さらに、液駆動装置22としては、ダイヤフラムポンプである圧電ポンプであってもよい。これを用いれば、実施例と同様に、液駆動装置22を薄くすることができる。
また、実施例では、金属製の取り付け板5に金属製のパイプ7を固着するものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば特開平7−142886号公報の図2で示される受熱ヘッダ14と同様に、金属製の取り付け板の内部にフィンを設けて冷媒液の流路を構成するようにしてもよい。勿論、冷媒液が洩れないように金属製の蓋をして密閉することは当然のことである。
【0016】
以上述べたように、本実施例では、本発明を、PDPを用いたプラズマディスプレイ装置に適用したが、これに限定されるものではなく、他の例えば映像表示素子として液晶パネルを用いた投写型表示装置にも適用できることは明らかである。
例えば、投写型液晶表示装置では、ランプからの光を反射して液晶パネルに照射する凹形状の反射鏡は高温となるが、その温度分布は一様ではない。反射鏡内面のランプに近接する部分は200℃以上となるが、反射鏡の凹部先端内面近傍では70℃程度となり、反射鏡の外壁でも温度傾斜が生じている。従って、もし、この反射鏡に本発明を適用した場合、温度の高い部分に冷媒液の流路の間隔を密にし、凹部先端外壁では、疎に配列すればよい。
勿論、PDPのように温度傾斜を有する発熱面積の大きい発熱体であれば、本発明を適用するのに適しており、特に表示装置に限定されるものではない。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、プラズマディスプレイ装置は、PDPの背面のほぼ全面に配設された金属板と、冷却用の冷媒液が封入され、金属板に取り付けられたパイプとを備えているので、冷却用ファンを用いることなくプラズマディスプレイパネルの温度上昇を抑えることが可能となり、さらに動作時の騒音の軽減や、奥行き寸法の短縮も図れる。
また、本発明による金属製の取り付け板に取り付けられたパイプは、温度の高い電源基板背面近傍を密にし、温度の低い下部側を疎にした、上端から下端まで一本のパイプで構成されているので、PDPの表示領域と周辺部領域の温度差を小さくすることができる。
【0018】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプラズマディスプレイ装置の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明による熱交換器の一実施例を示す側面図である。
【図3】従来のプラズマディスプレイ装置の斜視図である。
【符号の説明】
1…筐体、1a…吸気口、1b…排気口、3…プラズマディスプレイパネル、3a…表示領域、3b…周辺部領域、4…光学フィルタ、5…取り付け板、6…接着テ−プ、7…パイプ、8…表示駆動制御回路基板、9…電源基板、10…信号処理基板、11…フレキシブルチュ−ブ、12…熱交換器、100…ダクト用カバ−、200…筐体、300…電源基板、400…ファン、500…信号制御部基板、600…プラズマディスプレイパネル。
Claims (4)
- 発熱体から熱を吸熱する吸熱手段と、熱を放熱する放熱手段と、該放熱手段と該吸熱手段の近傍を通る該冷媒液の流路と、該吸熱手段と該放熱手段との間で熱の授受を行う冷媒液を流路に沿って循環させる駆動手段とを備え、該吸熱手段近傍の流路は、該発熱体の内、温度の高い発熱体近傍に対応する該流路の間隔を他の部分の該流路より密にし、該吸熱手段で吸熱した熱を該冷媒液で該放熱手段に運び、該放熱手段で放熱した冷媒液を該駆動手段で循環させることを特徴とする冷却装置。
- 熱を発生するプラズマディスプレイパネルと、該プラズマディスプレイパネルの背面のほぼ全面に配設され、所定の間隔で配列された冷媒液の流路と、該プラズマディスプレイパネルからの熱を吸熱し、該冷媒液に伝達する金属板と、該冷媒液の吸熱した熱を放熱する放熱手段と、熱の授受を行う該冷媒液を循環させる駆動手段とを備え、該金属板で吸熱した熱が伝達された該冷媒液を、該流路を通して該駆動手段によって該放熱手段に循環させ、該放熱手段で放熱することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
- 請求項2に記載のプラズマディスプレイ装置において、該金属板に形成された該流路の間隔は、該プラズマディスプレイパネルの温度の高い近傍部分に対して密に構成されていることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
- 請求項2に記載のプラズマディスプレイ装置において、該冷媒液を貯蔵するタンクを設け、該タンク、該放熱手段及び該駆動手段で熱交換器を構成し、該流路をパイプとフレキジブルチューブで構成し、該パイプと該熱交換器とを該フレキシブルチューブで接続することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
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WO2008102534A1 (ja) * | 2007-02-23 | 2008-08-28 | Panasonic Corporation | プラズマディスプレイ装置 |
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2002
- 2002-09-03 JP JP2002257388A patent/JP2004095455A/ja active Pending
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