JP2004095447A - コネクタ - Google Patents

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Masamichi Sugai
菅居 正道
Hiroshi Morizaki
森崎 弘
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Abstract

【課題】配線基板同士を電気的に接続する、着脱の繰返しが可能で小型かつ薄型のコネクタを得る。
【解決手段】第一の基板1上に凸凹状の導電端子部(A)11を設け、第二の基板2上に凹凸状の導電端子部(B)21を設け、導電端子部(A)11は相互に間隔をもって、高さのある少なくとも側面に導電体部を有する導電体構造体(A)12を有する。他方、導電端子部(B)21は導電体構造体(A)12と嵌合する凹部の少なくとも側面に導電体部を有する導電体構造体(B)22を有する。導電体構造体(A)12または前記導電体構造体(B)22の少なくともいずれか一方を柔軟性のある構造体とし圧力を加えて嵌合させることにより電気的に接続する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、配線基板同士を接続するコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2001−210933号
昨今では、機器の小型化と接続配線数の増大にともない配線基板の多数配線を接続する小ピッチで薄型のコネクタが要望されている。従来、一般に見られる様に基板同士を押し付けるための別機構を設けるものでは、小型化薄型化の要望に十分に応じられないものとなってきた。一方で、配線基板同士を接続する小型で薄型のコネクタが、特許文献1に開示されている。これは粘着剤上に複数の導体パターンが配置されてなる配線部材からなり、各導体パターンがそれぞれ両配線基板の接続すべき配線と対接されて、配線が接続されると共に、粘着剤の露出部が粘着して機械的結合が行われる構造である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の構造にあっては、粘着剤を用いるため、脱着の繰返しは困難である。そこで、本発明は、小型化薄型化の要望に耐え、また、着脱の繰返しが可能なコネクタを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するため、本発明では、配線基板同士を電気的に接続するコネクタであって、第一の基板上に凸凹状の導電端子部(A)を設け、第二の基板上に前記導電端子部(A)に対向する凹凸状の導電端子部(B)を設け、前記導電端子部(A)は相互に間隔をもって、高さのある少なくとも側面に導電体部を有する導電体構造体(A)を有し、他方、前記導電端子部(B)は前記導電体構造体(A)と嵌合する凹部の少なくとも側面に導電体部を有する導電体構造体(B)を有し、前記導電体構造体(A)または前記導電体構造体(B)の少なくともいずれか一方を柔軟性のある構造体とし圧力を加えて嵌合させることにより電気的に接続するものとした。基板上に凸凹状また凹凸状の導電体構造体を有する導電端子部を形成して、側面接続を活用し、また、導電体構造体の少なくとも一方を柔軟性のある構造体として、接続を確実とするとともに、着脱の繰返しを可能とした小型・薄型のコネクタとした。
【0005】
また、前記柔軟性のある構造体を、中心の柔軟部と側面の導電体部とを有するものとすれば、柔軟性のある構造体を構成できる。
【0006】
また、前記柔軟性のある構造体の導電体部を、導電体膜として構成すれば、導電体構造体を容易に製造することができる。
【0007】
また、前記柔軟性のある構造体の導電体部を、導電体壁としても、導電体構造体を容易に製造することができる。
【0008】
また、前記導電体構造体(A)または前記導電体構造体(B)の少なくともいずれか一方の、頂上部を庇形状とすれば、両者の嵌合を容易とできる。
【0009】
また、前記基板のいずれかを、前記第一の基板を電子部品等を接続するプリント配線基板やフレキシブル・プリント配線基板(FPC)等の配線基板として直接前記導電体構造体(A)を造り込めば、小型化と薄型化を一層促進できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0011】
図1乃至4は、本発明における第一の実施の形態における構成を説明する図である。 図1は、コネクタの構成の一例とその接合時の状態を説明する斜視図である。
【0012】
図2は、第一の基板1上に形成された導電端子部(A)11の一例を示し、(a)は平面図、(b)は右側面図である。図3は、本発明による第二の基板2上に形成された導電端子部(B)21の一例を示し、(a)は平面図、(b)は右側面図である。図4は、第一の基板1に第二の基板2を嵌合させる状態を説明する立面図である。
【0013】
第一の基板1の平面上に設けた凸凹状の導電端子部(A)11と、第二の基板2の平面上に別の構造体として形成した凹凸状の導電端子部(B)21を対向させ、圧力を加えて嵌合させることにより電気的に接続するコネクタとする。
【0014】
前記導電端子部(A)11は相互に間隔をもって、高さのある少なくとも側面に導電体部を有する導電体構造体(A)12を有する。導電端子部(A)11は、リジッドなプリント配線基板やフレキシブル・プリント配線基板(FPC)等と同様な金属配線パターン1aを設けた基板上に、銅、ニッケル等の一定幅で一定高さの金属構造体を一定の間隔を空けて並べたもので、基板に設けられる銅などの金属配線パターンと接続される。上記の基板は、機器の回路本来の接続を行うリジッドなプリント配線基板やフレキシブル・プリント配線基板(FPC)そのものであってもよい。この場合、直接の導電端子部(A)11の造り込みによって、小型化と薄型化を一層促進できる。上記金属構造体は、例えば、一定0.1mmで一定高さ0.15mmの一定の間隔0.2mmである。但し後述する嵌合時の位置合わせを容易にする等の目的で、特定位置(例えば両端)のパターン幅や間隔を他の位置のパターン幅や間隔と異なるものとすることもできる。
【0015】
他方、前記導電端子部(B)21は前記導電体構造体(A)12と嵌合する凹部の少なくとも側面に導電体部23を有する導電体構造体(B)22を有する。導電端子部(B)21の導電体構造体(B)22は、柔軟性のある構造体で樹脂材(例えばシリコーン樹脂)による中心の柔軟部24と側面の導電体部23とで構成され、導電端子部(A)11の凸凹に対応した凹凸状とし、凹部(凸部)の側面に導電体部23としての導体膜を形成する。導電体部23は、基板に設けられる銅などの金属配線パターン2aと接続される。
【0016】
ここでは、前記導電体構造体(B)22を柔軟性のある構造体としたが、前記導電体構造体(A)12と前記導電体構造体(B)22の少なくともいずれか一方を柔軟性のある構造体とし圧力を加えて嵌合させることにより電気的接続を確実にすることができる。すなわち、図4に示すように、導電端子部(A)11と導電端子部(B)21とを嵌合させると、柔軟性のある導電端子部(B)21の導電体構造体(B)22の凸部の幅が縮小(凹部の幅が拡大)して、導電端子部(A)11の導電体構造体(A)12の金属と導電端子部(B)21の導電体構造体(B)22の側面の導体膜23が接触し加圧されて電気的に接続されると同時に、機械的に嵌合状態が保持される。
【0017】
次に導電端子部(A)11と導電端子部(B)21の製造方法につき説明する。
【0018】
図5は、 第2図に示した導電端子部(A)11の製造工程を示す工程説明図である。導電端子部(A)11の形成方法は次のとおりである。
工程(1):絶縁基板1上に蒸着またはスパッタにより金属薄膜1eを成膜し、凹凸部の高さ(深さ)に対応する厚みのレジスト1dを塗布する。
工程(2):その後、マスクを用いて露光・現像し凹凸パターンを形成する。
工程(3):次に電解鍍金によりレジストの凹部に導体金属12bを埋め込む。
工程(4):凸部のレジスト1dおよびその下地の金属薄膜1eを除去して完成する。
【0019】
図6は、 第3図に示した導電端子部(B)21の製造工程を示す工程説明図である。導電端子部(B)21の形成方法は次のとおりである。
工程(1):基板3上に凹凸部の高さ(深さ)に対応する厚みのレジスト2dを塗布する。
工程(2):その後、マスクを用いて露光・現像し凹凸パターンを形成する。
工程(3):このレジスト凹凸構造体4を型として用い、柔軟な構造体とする樹脂材2f(例えばシリコーン樹脂)を流し込んで硬化させる。
工程(4):型から剥離した柔軟な構造体の凹部(凸部)の側面にメタルマスク等を用いて蒸着またはスパッタによる導体薄膜形成の後、鍍金により導体膜23を厚膜化する。なお、この例では、柔軟な構造体は、基板も樹脂材からなり、導電端子部(B)21全体が柔軟な構造体となっている。
【0020】
次に他の実施の形態につき説明する。
【0021】
図7に示すように、導電端子部(A)11の導電体構造体(A)12の凸部頂上に庇状の突起12aを設けることにより、導電端子部(B)21の導電体構造体(B)22の柔軟な構造体を部分的に弾性変形させ、嵌合を確実とし抜け防止を図ることができる。
【0022】
図8に示すように、導電端子部(A)11の導電体構造体(A)12は、電解鍍金により導体端子を形成する方法の代わりに、リードフレーム等の金属薄板14を配線された基板1に溶着することにより形成出来る。
【0023】
また、図9に示すように、導電端子部(A)11の導電体構造体(A)12は、電解鍍金により導体端子を形成する方法の代わりに、導電体金属15の微細放電加工または切削加工により形成することが出来る。
【0024】
また、導電端子部(B)21の導電体構造体(B)22は、柔軟な構造体の凹凸側面に導体膜を形成する代わりに、柔軟な絶縁体と金属導電体を並列して配置した端子として、例えば図10に示すような次の方法で、形成出来る。
工程(1):絶縁基板2上に蒸着またはスパッタにより金属薄膜2eを成膜し、凹凸部の高さ(深さ)に対応する厚みのレジスト2dを塗布する。
工程(2):その後、マスクを用いて露光・現像し凹凸パターンを形成し、金属薄膜2eを除去する。
工程(3):次に樹脂材23aを凹部に充填する。
工程(4):レジスト剥離の後、再度レジスト塗布・パターニングを行う。
工程(5):電解鍍金によりレジスト2dの凹部に導体金属23bを埋め込む。
工程(6):凸部のレジスト2dおよびその下地の金属薄膜を除去する。
こうして、柔軟性ある樹脂による中心の柔軟部23aと側面の導電体部である導電体壁23bとが形成される。
【0025】
さらに、導電端子部(A)11の硬い導電体構造体(A)12と導電端子部(B)21の柔らかい導電体構造体(B)22を組み合わせる代わりに、柔らかい導電体構造体(B)22同士を組み合わせて接続することが出来る。また、導電端子部(B)の基板も柔らかい樹脂材などで構成された、図3に示すような柔らかい導電端子部(B)21同士の組合わせも可能である。この状況を図11に示す。
【0026】
また、図12に示すような適用例が考えられる。導電端子部(A)11を2個並べ、両方に導電端子部(B)12を嵌合させる。この場合導電端子部(B)は配線を引き出す必要はない。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、配線基板同士を電気的に接続するためのコネクタにおいて、それぞれの基板上に凸凹状また凹凸状の導電体構造体を有する導電端子部を形成し、側面接続を活用し、また、導電体構造体の少なくとも一方を柔軟性のある構造体として、接続を確実にした小型・薄型のコネクタとできる。また、着脱の繰返しを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコネクタの構成の一例とその接合時の状態を説明する斜視図である。
【図2】本発明による第一の基板上に形成された導電端子部(A)の一例を示し、(a)は平面図、(b)は右側面図である。
【図3】本発明による第二の基板上に形成された導電端子部(B)の一例を示し、(a)は平面図、(b)は右側面図である。
【図4】本発明による第一の基板に本発明による第二の基板を嵌合させる状態を説明する立面図である。
【図5】第2図に示した導電端子部(A)の製造工程を示す工程説明図である。
【図6】第3図に示した導電端子部(B)の製造工程を示す工程説明図である。
【図7】本発明による第一の基板上に形成された導電端子部(A)の他の一例を示す説明図である。
【図8】本発明による第一の基板上に形成された導電端子部(A)の他の一製造例を示す説明図である。
【図9】本発明による第一の基板上に形成された導電端子部(A)のさらに他の一製造例を示す説明図である。
【図10】本発明による導電端子部(B)の製造工程の他の一例を示す工程説明図である。
【図11】本発明による第二の基板上に形成された一例としての導電端子部(B)同士による接続の例を説明する説明図である。
【図12】本発明による一例としての導電端子部(A) と導電端子部(B)との他の接続例を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 第一の基板、1a 金属配線パターン、1d レジスト、1e 金属薄膜、2 第二の基板、2a 金属配線パターン、2d レジスト、2e 金属薄膜、2f 樹脂、4 レジスト凹凸構造体、11 導電端子部(A)、12 導電体構造体(A)、12a 庇状の突起、12b 導体金属、14 金属薄板、21 導電端子部(B)、22 導電体構造体(B)、23 導電体部(導体膜)、23a 柔軟部(樹脂材)、23b 導電体壁(導体金属)、24 柔軟部。

Claims (6)

  1. 配線基板同士を電気的に接続するコネクタであって、第一の基板上に凸凹状の導電端子部(A)を設け、第二の基板上に前記導電端子部(A)に対向する凹凸状の導電端子部(B)を設け、前記導電端子部(A)は相互に間隔をもって高さのある少なくとも側面に導電体部を有する導電体構造体(A)を有し、他方、前記導電端子部(B)は前記導電体構造体(A)と嵌合する凹部の少なくとも側面に導電体部を有する導電体構造体(B)を有し、前記導電体構造体(A)または前記導電体構造体(B)の少なくともいずれか一方を柔軟性のある構造体とし圧力を加えて嵌合させることにより電気的に接続することを特徴とするコネクタ。
  2. 前記柔軟性のある構造体が、中心の柔軟部と側面の導電体部とを有することを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
  3. 前記柔軟性のある構造体の導電体部が、導電体膜であることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
  4. 前記柔軟性のある構造体の導電体部が、導電体壁であることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
  5. 前記導電体構造体(A)または前記導電体構造体(B)の少なくともいずれか一方が、頂上部を庇形状としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコネクタ。
  6. 前記基板のいずれかが、電子部品等を接続するプリント配線基板やフレキシブル・プリント配線基板(FPC)等の配線基板であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のコネクタ。
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