JP2004093955A - 電子写真用転写記録体 - Google Patents
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Abstract
【課題】トナー受容層に形成された画像部及び白紙部が均一かつ高い光沢を有し、さらに画像部と白紙部との境界に段差がほとんど生じず、オフセット現象、巻き付き現象もほとんど発生しない電子写真用転写記録体を提供する。
【解決手段】本発明の電子写真用転写記録体は、シート状支持体の少なくとも1面上に、マイクロカプセルを含有するトナー受容層を形成して構成する。さらに、このマイクロカプセルに内包される材料は、熱可塑性樹脂、オリゴマー、可塑剤、及び離型剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
さらに、上記トナー受容層が、離型剤成分を含有することが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明の電子写真用転写記録体は、シート状支持体の少なくとも1面上に、マイクロカプセルを含有するトナー受容層を形成して構成する。さらに、このマイクロカプセルに内包される材料は、熱可塑性樹脂、オリゴマー、可塑剤、及び離型剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
さらに、上記トナー受容層が、離型剤成分を含有することが好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の転写記録体(以下、単に「記録体」ともいう)に関する。より詳しくは、本発明は、熱ロール定着装置の加熱ロールにオイルを塗布せずにトナー像を記録体に定着するシステム(オイルレス定着システム)を有する電子写真方式の画像形成・定着装置に用いても、記録体表面上にトナー像が定着された部分(以下「画像部」という)及びトナー像が定着されていない部分(以下「白紙部」という)が、均一かつ高い光沢を有し、さらに、画像部及び白紙部の境界に、段差がほとんど生じない記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置の熱ロール定着装置においては、記録体(被転写体)上に転写された未定着トナー像は、加熱ロール(あるいはベルト又はフィルム等)と加圧ロールとの間に記録体が挟持される際に、熱エネルギーと圧力を受けて記録体上のトナー受容層に定着される。
【0003】
加熱ロールと加圧ロールとの間に記録体が挟持されるときに、記録体上の未定着トナー像の一部が加熱ロールに転移する現象(オフセット現象)、及び記録体が加熱ロールに貼り付いてしまう現象(以下、あわせて「オフセット現象等」という)が、しばしば発生する。オフセット現象等を防止するために、シリコーンオイル等から選ばれる離型性オイルを加熱ロール表面に塗布し、加熱ロールと記録体との界面にオイルを介在させる方法が広く使用されている。
【0004】
また、上記加熱ロールの表面には、例えばポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、例えばフッ化ビニリデン及び6フッ化プロピレンの共重合体等のフッ素ゴム、並びにシリコーンゴム等から選ばれる、優れた離型性を有する材料が配置されているが、前記材料を加熱ロールの表面に配置しただけでは、上記オフセット現象等を充分に防止することはできず、加熱ロール表面への離型性オイルの塗布が欠かせない。
【0005】
しかし、加熱ロールにオイルを塗布する方法においては、トナー像を記録体に定着させた後、記録体表面にオイルが残留して光沢ムラが発生したり、記録体表面がべとついたりする等の問題が生じる場合がある。
【0006】
そこで、上記オフセット現象等、及び加熱ロールへのオイルの塗布によって発生する問題点を解消すべく、近年、加熱ロール表面にオイル塗布を行わずに記録体上にトナー像を定着させるシステム(オイルレス定着システム)が確立され、このシステムを用いた複写機及びプリンターが上市され、使用されている。このオイルレス定着システムは、記録体上に転写されたトナー像を加熱ロールにより定着させるときに、トナー像が加熱ロールに付着することを防止するため、従来トナーに用いられていた樹脂のTg(ガラス転移温度)より高いTgを有する樹脂をトナーに用いること、及び/又は加熱ロールの温度を従来の設定温度より低くすることにより、加熱ロール表面へのオイル塗布を行うことなくオフセット現象等を防止しようとするシステムである。
【0007】
熱ロール定着装置により、記録体に未定着トナー像を定着するときに、トナー像が加熱ロールに付着せず、かつ記録体上のトナー受容層が加熱ロールに融着することなく、高画質のトナー像を受容できる記録体として、電子写真用転写記録体のトナー受容層に、ケイ素化合物、フッ素化合物、ワックス類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸の金属塩類、高級脂肪酸のエステル類、高級脂肪酸のアミド類、及び高級脂肪族アルコール類等からなる群から選ばれる、離型性を有する成分を含有させた記録体が、特開2001−318481号公報に開示されている。
【0008】
しかし、オイルレス定着システムにおいては、トナーに用いる樹脂のTgが従来用いられていた樹脂のTgより高いこと、及び/又は加熱ロールの温度が従来よりも低くなったことにより、トナーの樹脂成分とトナー受容層を形成する樹脂との相溶性の低下、及び記録体にトナー像を定着させる温度におけるトナーの樹脂成分の軟化不足が生じる。したがって、トナー受容層に離型性を有する成分を含有させた記録体を用いても、トナー受容層へのトナー像の沈み込みが不十分になるとともに、記録体に定着されたトナー像の表面が平滑にならないという問題が生じる場合がある。この場合、トナー受容層に受容されたトナー像の表面が凹凸を有するため、光を乱反射して、光沢が低くなり、画像部の光沢と白紙部の光沢に差違が生じ、光沢ムラのない高品位な画像を得ることが困難となる。また、トナー像が定着された画像部のトナー受容層の厚さが、白紙部のトナー受容層の厚さより厚くなるため、画像部と白紙部の境界で段差が発生する問題があった。
【0009】
電子写真用転写記録体には、現在のレベルよりさらに高画質な画像がその表面に形成できることが求められている。高画質な画像を得る方法として、支持体及び支持体上に設けられた透明樹脂層を有する記録体を用い、透明樹脂層上に形成されたトナー像を加熱ロールにより透明樹脂層に沈み込ませることにより、画像部及び白紙部の光沢に差がなく、均一な光沢を有し、かつ写真同様の画質を有する画像を記録体表面に形成する方法が開示されている。例えば、特開平5−127413号公報には、ガラス転移温度が40〜70℃であり、テトラヒドロフランに可溶な架橋樹脂からなる透明樹脂層を有する電子写真用転写記録体にトナー像を転写し、ベルト状定着装置でトナーを透明樹脂層に沈み込ませる方法が開示されている。また、特開平5−216322号公報及び特開平6−11982号公報には、熱可塑性樹脂層が表面に設けられている電子写真用転写記録体にトナー像を転写し、ベルト状定着装置でトナーを樹脂層に沈み込ませる方法が開示されている。
【0010】
また、ベルト状定着装置を使用しなくても、ムラのない均一な光沢が得られる電子写真用転写記録体として、特開平10−221877号公報に電子写真用転写記録体の表面層を構成する透明樹脂の平均分子量(Mwa)とカラートナーの結着樹脂の平均分子量(Mwb)との間にMwa−Mwb≧10000の関係を有し、かつトナーの定着温度における透明樹脂とカラートナーの結着樹脂との溶融傾斜角が40度以下になるようにした電子写真用転写記録体が開示されており、特開平11−160905号公報には、電子写真用転写記録体表面の透明樹脂層を構成する樹脂の数平均分子量(Mn)が5000〜20000、及び、ガラス転移温度が30〜85℃である電子写真用転写記録体が開示されている。
【0011】
上記の各公知技術においては、トナー像を記録体上に定着する際に、加熱ロールを含む熱ロール定着装置により加圧・加熱することにより、トナー像を溶融して電子写真用転写記録体表面の透明樹脂層中に沈み込ませるように定着し、表面の凹凸の少ないカラー画像を形成し、画像表面での光の乱反射を軽減して、光沢ムラのない高画質な画像を得るようにしている。
【0012】
しかし、上記各技術に基づく記録体は、高画質な画像を得るために、記録体表面の透明樹脂のTgが低いことを必要とする。したがって、これらの記録体をオイルレス定着システムに使用し、加熱ロールに離型性オイルを塗布せずに記録体を加圧・加熱して、記録体上にトナー像を定着させた場合、記録体表面の透明樹脂のTgが低いためにオフセット現象が発生しやすくなる。また、記録体表面の透明樹脂層が加熱ロールに転写されて、透明樹脂層が記録体から剥離する問題、及び/又は記録体が加熱ロールに巻き付く(巻き付き現象)問題が発生する。
【0013】
オイルレス定着システムを採用した電子写真方式の画像形成・定着装置に用いても、オフセット現象、及び/又は巻き付き現象が生じることなく、しかも記録体に形成された画像部及び白紙部が、均一かつ高い光沢を有し、画像部と白紙部の境界に段差のない高画質な画像が得られる電子写真用記録体が求められている。
【0014】
【発明が解決しょうとする課題】
本発明の課題は、オイルレス定着システムを有する電子写真方式の画像形成・定着装置に用いても、オフセット現象、及び/又は巻き付き現象が発生せず、記録体の画像部及び白紙部の光沢が高く、かつ均一であり、画像部と白紙部との境界に段差がほとんど生じない電子写真用転写記録体を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子写真用転写記録体は、シート状支持体と、前記シート状支持体の少なくとも1面上に形成されたトナー受容層とを有し、前記トナー受容層が、トナー受容性樹脂、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセル、及び離型剤を含有することを特徴とするものである。
さらに、上記電子写真用転写記録体において、離型剤が、トナー受容性樹脂に混合されていることが好ましい。
また、上記電子写真用転写記録体において、離型剤が、マイクロカプセル中に、トナー受容性成分とともに内包されていることが好ましい。
また、上記電子写真用転写記録体において、離型剤が、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセルと異なるマイクロカプセルに内包されていることが好ましい。
また、上記電子写真用転写記録体において、離型剤の一部分が、マイクロカプセル中に、トナー受容性成分とともに内包されており、かつ、離型剤の残部が、トナー受容性樹脂に混合されていることが好ましい。
また、上記電子写真用転写記録体において、離型剤の一部分が、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセルと異なるマイクロカプセルに内包されており、かつ、離型剤の残部が、トナー受容性樹脂に混合されていることが好ましい。
また、上記電子写真用転写記録体において、離型剤の一部分が、マイクロカプセル中に、トナー受容性成分とともに内包されており、かつ、離型剤の残部が、マイクロカプセルと異なるマイクロカプセルに内包されていることが好ましい。
また、上記電子写真用転写記録体において、離型剤の一部分が、マイクロカプセル中に、トナー受容性成分とともに内包されており、かつ、離型剤の別の一部分が、マイクロカプセルと異なるマイクロカプセルに内包されており、かつ、離型剤の残部が、前記トナー受容性樹脂に混合されていることが好ましい。
さらに、上記電子写真用転写記録体において、トナー受容性成分が、熱可塑性樹脂、オリゴマー、及び可塑剤からなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、シート状支持体、及びそのシート状支持体の少なくとも1面上に形成されたトナー受容層を含んで構成され、かつ、このトナー受容層に、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセルを含有させ、さらに、トナー受容層に離型剤を含有させた記録体が、オイルレス定着システムを有する電子写真式画像形成・定着装置に用いた場合、記録体からのトナー像の剥離や記録体の加熱ロールへの巻き付き現象がなく、記録体の画像部及び白紙部の光沢が高く、かつ均一であり、画像部と白紙部との境界に段差がほとんど生じないことを見出し、本発明を完成したものである。
【0017】
本発明の記録体は、シート状支持体と、このシート状支持体の少なくとも1面上に形成されたトナー受容層とを含んで構成され、かつ、このトナー受容層がトナー受容性樹脂、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセル、及び離型剤を含有する。
【0018】
本発明に用いるシート状支持体には、そのシート状支持体を用いて製造された記録体が、熱ロール定着装置の定着温度で記録体が形状を保持でき、軟化等することがなく、しかも、平滑性、白色度、滑り性、摩擦性、帯電防止性、及びトナー像転写後のへこみの少なさ等の記録体の特性が、市場から要求されている特性を有することができる材料であれば、どのようなものを用いることもできる。シート状支持体として、例えば、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等の合成紙)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙、セルロース繊維紙、ポリオレフィンコート紙等の紙支持体、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンメタクリレート、ポリカーボネート等の各種のプラスチックフィルム又はシート、これらのプラスチックフィルム又はシートに白色反射性を与える処理を施したフィルム又はシート、並びに、これらの材料から任意に選択した2以上の材料を積層して得られる積層体を使用することができる。これらのシート状支持体のうち、耐熱性や剛度が優れている点から、ポリエチレンテレフタレートを用いることが、特に好ましい。
【0019】
本発明においては、上記シート状支持体の少なくとも1面上にトナー受容層を設ける。トナー受容層は、電子写真方式によってその表面に転写されたトナー像を、一般的には熱ロール定着装置により、加熱・加圧して定着させるための層である。本発明の記録体のトナー受容層は、トナー受容性樹脂、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセル、及び離型剤を含む。トナー受容層は、シート状支持体の両面に設けることもできる。
トナー受容性樹脂としては、熱ロール定着装置の定着温度において、トナー受容層表面の平滑性等が損なわれることなく、トナー像を記録体上に定着させることができる材料であれば、いかなる材料でも用いることができる。トナー受容性樹脂は、トナーに含まれる樹脂成分に対する接着性又は密着性が良好な、接着剤及び/又は熱可塑性樹脂であることが好ましい。記録体のトナー受容層は、顔料及び接着剤を主成分とするトナー受容層、又は熱可塑性樹脂を主成分とする透明なトナー受容層とすることが特に好ましい。
【0020】
本発明の記録体のトナー受容層に用いる顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、構造性カオリン、デラミカオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、微粒子状珪酸カルシウム、微粒子状炭酸マグネシウム、微粒子状軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、及びスメクタイト等の鉱物質顔料、並びに、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、及びベンゾグアナミン樹脂等の樹脂からなる微小中実粒子、微小中空粒子、及び貫通孔を有する微小粒子等の有機顔料等を含む公知の顔料から選ばれる1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
【0021】
本発明の記録体のトナー受容性樹脂として用いる接着剤としては、水溶性及び/又は水分散性の高分子を用いることができ、例えば、カチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、及びエーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、及び天然ゴム等の天然又は半合成高分子、ポリビニルアルコール、イソプレン、ネオプレン、及びポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、及びポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、及びメチルビニルエーテル等のビニル系重合体又は共重合体、スチレン−ブタジエン系、及びメチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴムラテックス、並びに、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、及びメラミン樹脂等の合成高分子等からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物を用いることが好ましい。電子写真用転写記録体に求められる品質を満足できるように、公知の手法を使用して、好ましい接着剤を選択して用いることができる。
【0022】
本発明の記録体のトナー受容性樹脂として用いる熱可塑性樹脂は、トナー像を受容してこれを定着させる特性を有し、トナーに対する濡れ性に優れた樹脂を含むことが好ましい。トナー受容性樹脂として用いる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、及びポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルアセタール、及びポリスチレン等のポリビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂;エチレン及びプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂;アイオノマー系樹脂;エチルセルロース、及び酢酸セルロース等のセルロース系重合体;ポリカーボネート系樹脂;並びにフェノキシ系樹脂からなる群から選ばれる1種以上の樹脂を単独で、又は混合して用いることができる。本発明のトナー受容性樹脂としては、ポリビニル系樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群から選ばれる1種以上の樹脂を単独で、又は混合して用いることが好ましい。
【0023】
電子写真方式の画像形成・定着装置において用いられるトナーが、カラートナーの場合は、トナーに含まれる樹脂成分は主としてポリエステル系樹脂である。一方、トナーがモノクロトナーの場合は、トナーに含まれる樹脂成分は主としてスチレン−アクリル樹脂である。トナー受容性樹脂として用いる熱可塑性樹脂は、トナーに含まれるこれらの樹脂との相溶性が高いものを選ぶことが好ましい。したがって、記録体にトナー像を形成するために使用されるトナーの種類及びそのトナーに含有される樹脂の種類に応じて、その樹脂との相溶性が高くなるように選択された、ポリエステル系樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、及びスチレン−メタクリル酸エステル樹脂等からなる群から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂の混合物を、記録体のトナー受容性樹脂として用いることが特に好ましい。
【0024】
トナー受容性樹脂に用いるポリエステル系樹脂について説明する。このポリエステル系樹脂は、一般には、多価アルコール及び多価カルボン酸から合成される。なお、この「アルコール」又は「カルボン酸」には、アルコール又はカルボン酸の化学的な等価体、たとえば、エポキシ化合物、酸無水物、及びエステル等が含まれる。
【0025】
ポリエステル系樹脂の原料として用いることができる多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びビスフェノールAにアルキレンオキサイドが付加されて得られたジオール等からなる群から選ばれる化合物を例示できる。
【0026】
ポリエステル系樹脂の原料として用いることができる多価カルボン酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、及びこれらの酸無水物、並びにこれらの酸の低級アルキル(例えばC1 〜C6 )エステル等からなる群から選ばれる化合物を例示できる。
【0027】
本発明のトナー受容性樹脂として用いられるポリエステル系樹脂は、上記多価アルコールから選ばれる少なくとも1種と上記多価カルボン酸から選ばれる少なくとも1種とを用いて合成されたものが好ましい。特に好ましいポリエステル系樹脂は、例えばビスフェノールAを含むビスフェノール型ジオールと、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸無水物、及び芳香族ジカルボン酸ジエステルから選択された少なくとも1種のジカルボン酸成分とを主成分として含む原料から合成されるポリエステル系樹脂である。
【0028】
本発明の記録体のトナー受容層には、上述した顔料及び接着剤、又は熱可塑性樹脂の他に、さらに各種助剤、例えば界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、導電剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤、香料等から選ばれる1種以上を、所望により添加することができる。このような各種助剤は、当業者に公知であるが、例えば、特開2001−318481号公報に記載されているものを用いることができる。
【0029】
本発明の記録体のトナー受容層は、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセルを含有する。なお、以下の説明中、「トナー受容樹脂層」の用語は、記録体の表面に設けられた、トナー受容層のうち、マイクロカプセルを除いた部分、の意味で用いる。本発明において、「トナー受容層がマイクロカプセルを含有する」とは、(1)トナー受容樹脂層にマイクロカプセルが完全に包埋され、マイクロカプセルがトナー受容樹脂層表面から外に出ていない状態、(2)トナー受容樹脂層にマイクロカプセルの体積の半分以上が沈み込んでおり、マイクロカプセルの体積の半分未満がトナー受容樹脂層表面から外に出ている状態、(3)トナー受容樹脂層にマイクロカプセルの半分未満しか沈み込んでおらず、マイクロカプセルの体積の半分以上がトナー受容樹脂層表面から外に出ている状態、(4)前記(1)〜(3)の異なるそれぞれの状態にある2種以上のマイクロカプセルがトナー受容樹脂層中に混在している状態、の全てを含む。上記(1)〜(4)の状態を、それぞれ図1A〜Dにモデル的に示す。すなわち、マイクロカプセルがトナー受容樹脂層に接着している状態であれば、マイクロカプセルの体積のほとんど全てがトナー受容樹脂層から外に出ている場合も、本発明の「トナー受容層がマイクロカプセルを含有する」状態に含まれる。図1A〜Dにおいて、1はマイクロカプセル、2はトナー受容樹脂層、3はシート状支持体を表す。
【0030】
本発明の、トナー受容層に含有されるマイクロカプセルは、コア−シェル構造を有し、一般に高分子からなるシェル(殻)の中に、コア(芯)となる芯物質が内包されている粒子状材料である。マイクロカプセルは、一般的に、コアとなる物質を乳化することによって形成された、芯となる油滴の周囲に、重合反応によりシェルとなる高分子の殻を形成して製造される。
【0031】
本発明に用いるマイクロカプセルの製造法は、公知のマイクロカプセル製造法のいずれを使用することもできるが、均一な粒子径をもち、保存性に優れた記録体を製造するのに適したマイクロカプセルを、短時間内に得ることができるため、芯物質の油滴内部からのリアクタントの重合によるマイクロカプセル化法を使用することが特に好ましい。前記重合によるマイクロカプセルの製造法、及びその製造法に用いられる原材料の具体例は、米国特許第3,726,804号、及び同3,796,669号の明細書に記載されている。
【0032】
リアクタントの重合により、コアとなる油滴の周囲にマイクロカプセルのシェル(以下、単に「シェル」ともいう)となる高分子を合成する場合、高分子の原料である反応剤(リアクタント)は、油滴の内部及び/又は油滴の外部に添加される。シェルを構成する高分子としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレン−メタクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共重合体、ポリビニルアセタール、及びゼラチンとアルデヒド化合物との重合体等を例示できる。本発明に用いる、シェルを構成する材料として、これらの高分子から選ばれる2種以上を併用することもできる。
【0033】
上記シェルを構成する材料としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、及びポリカーボネートからなる群から選ばれる1種以上の高分子が好ましく、ポリウレタン及びポリウレアからなる群から選ばれる1種以上が、特に好ましい。
【0034】
例えば、ポリウレタン及びポリウレアからなる群から選ばれる1種以上を用い、以下のようにシェルを形成することができる。多価イソシアネート化合物、又は多価イソシアネート化合物及びこれと反応してシェルを形成することができる化合物、例えばポリオール及び/又はポリアミン等を、マイクロカプセルに内包させる油性液体、すなわちコアとなる油性液体中に混合して得られた液を、ポリビニルアルコールなどの保護コロイド物質及び/又は界面活性剤が溶解されている水性媒体中に乳化分散して、水中油型エマルジョンを形成させる。続いて、必要により多価アミン化合物を水相中に存在させた条件下で温度を上昇させることにより、油滴と水性媒体との界面で高分子合成反応を起こさせ、シェルを形成させる。この方法においては、必要に応じて、溶解力の強い低沸点の補助溶剤を油性液体中に添加して用いることができる。
【0035】
この方法において、シェルの形成に用いられる多価イソシアネート化合物は、イソシアネート基が水と反応することによって生成されるアミノ基、又はポリアミンと反応することによりウレア結合を形成し、あるいはポリオール等のヒドロキシ化合物と反応することでウレタン結合を形成して高分子化する。すなわち、上記方法においてシェルを形成する高分子は、ポリウレア、又はポリウレタン−ポリウレア樹脂である。
【0036】
本発明においてシェルの形成に用いられる上記の多価イソシアネート化合物は、ポリイソシアネート、イソシアネート基が水酸基に対して過剰となるモル比で反応させて得られたポリイソシアネートとポリオールの付加物、及びビウレット体又はイソシアヌレート体等のポリイソシアネートの多量体からなる群から選ばれる1種以上を用いることができる。また、この多価イソシアネート化合物は、シェルの形成反応時にポリオールとの混合物として用いることもできる。
【0037】
本発明に用いることができる上記ポリイソシアネートとしては、例えば、ジシクロヘキシルメタン−4、4’−ジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、5−イソシアネート−1−(イソシアネートメチル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼンなどのジイソシアネート類、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネートなどのトリイソシアネート類、及び4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどのテトライソシアネート類等を例示できるが、これらに限定されない。
【0038】
上記のポリイソシアネートとポリオールとの付加物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート又は2,4−トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、トリレンジイソシアネートのヘキサントリオール付加物、さらには上記ポリイソシアネートと、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、及びポリカーボネートポリオール等からなる群から選ばれるポリオールとの付加物などのイソシアネート基含有プレポリマーを用いることができる。
【0039】
上記のポリイソシアネートの多量体としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネートのビウレット体、及び2,4−トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体を含む、ポリイソシアネートのビウレット体及びイソシアヌレート体を例示できるが、これらに限定されない。
【0040】
本発明では、光による変色が少ない等、耐光性が良好であることから、ジシクロヘキシルメタン−4、4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及び5−イソシアネート−1−(イソシアネートメチル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン等の脂肪族ポリイソシアネート、これら脂肪族ポリイソシアネートとポリオールとの付加物、並びに上記脂肪族ポリイソシアネートのビウレット変性体及びイソシアヌレート変性体からなる群から選ばれる多価イソシアネート化合物を用いることが、特に好ましい。上記の多価イソシアネート化合物は1種のみを用いることも、また所望により2種以上を併用することもできる。
【0041】
本発明において用いる上記ポリオール化合物としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、プロピレングリコール、2,3−ジヒドロキシブタン、1,2−ジヒドロキシブタン、1,3−ジヒドロキシブタン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、フェニルエチレングリコール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、及びグリセリン等の脂肪族ポリオール;前記脂肪族ポリオールのアルキレンオキサイド付加物;1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、p−キシリレングリコール、m−キシリレングリコール、α,α’−ジヒドロキシ−p−ジイソプロピルベンゼン等の芳香族ポリオール;前記芳香族ポリオールのアルキレンオキサイド付加物;4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2−(p,p’−ジヒドロキシジフェニルメチル)ベンジルアルコール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、及び4,4’−イソプロピリデンジフェノール等の多価フェノール系化合物のアルキレンオキサイド付加物;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、及び4−ヒドロキシブチルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステルから選ばれるモノマー、あるいは、このモノマーと他の不飽和基含有モノマーを重合して得られた、オリゴマー及びポリマー等の水酸基含有重合体;ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、及びポリテトラメチレンポリオール等のポリエーテルポリオール;ポリカプロラクトンポリオール;ポリエステルポリオール;及びポリカーボネートポリオール等を例示することができるが、これらに限定されない。上記ポリオールは1種のみを用いることも、また所望により2種以上を併用することもできる。
【0042】
本発明のマイクロカプセルのシェルを形成させる方法に用いるポリアミンとしては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2−ヒドロキシトリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、テトラエチレンペンタミン、トリス(アミノエチル)アミン、エポキシ化合物のアミン付加物、ポリエーテルポリアミン等を例示できる。なお、得られるシェルの耐光性が比較的良好であることから、脂肪族多価アミン化合物を用いることが好ましい。上記ポリアミンは、1種のみを用いることも、また所望により2種以上を併用することもできる。
【0043】
マイクロカプセルのシェルに適度な柔軟性を与えるためには、ポリエーテルポリオール、及び/又はポリエーテルポリアミンを、シェルの形成反応に用いることが好ましい。
【0044】
シェルの形成反応にポリアミンを用いる場合、ポリアミンの添加量は、多価イソシアネート化合物に対して10分の1当量以上、1当量以下が好ましい。ポリアミンの添加量が多価イソシアネート化合物に対して10分の1当量より少ないと、多価イソシアネート化合物の高分子化反応を促進するのに十分な効果が得られない場合がある。なお、上記の当量とは、イソシアネート基1モルに対して反応し得る活性水素が何モルあるかを表す量である。
【0045】
さらに本発明の効果を損なわない範囲で、シェルを形成するために用いる上記の原料に加えて、さらに錫塩等の錫化合物、及びトリエチレンジアミン等の有機アミン化合物から選ばれるウレタン化反応促進のための触媒を併用することができる。
【0046】
シェルを形成するために使用するポリイソシアネート、並びにそれと反応するポリオール及びポリアミンについては、上述した以外に、米国特許3,281,383号、同3,773,695号、同3,793,268号、特公昭48−40347号、同49−24159号、特開昭48−80191号、同48−84086号に開示されており、それらに記載されている化合物を使用することもできる。
【0047】
上述したようにポリウレタン及び/又はポリウレアを含む高分子によってシェルを形成させるほか、本発明においては、水溶性高分子を用いてシェルを形成させることもできる。シェルを形成させるためには、アニオン性高分子、ノニオン性高分子及び両性高分子のいずれの水溶性高分子も用いることができる。さらに上記水溶性高分子として、天然高分子又は合成高分子のどちらを用いることもでき、あるいはこれら両方を併用することもできる。
【0048】
上記水溶性のアニオン性高分子としては、COO−、SO3 −等のイオン性の基を有する高分子を例示できる。アニオン性の天然高分子としては、アラビアゴム、及びアルギン酸等を例示でき、アニオン性の半合成高分子としては、カルボキシメチルセルロース、フタル化ゼラチン、硫酸化デンプン、硫酸化セルロース、及びリグニンスルホン酸を例示できる。
【0049】
アニオン性の合成高分子としては、重合に用いるモノマーとして、例えば、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸エステル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる1種以上を含むモノマーを用いて重合された重合体及び共重合体、並びにこの重合体及び共重合体を加水分解して得られた重合体及び共重合体、さらにカルボキシ変性ポリビニルアルコールを例示できる。
【0050】
上記ノニオン性高分子としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースを例示できる。
【0051】
上記両性高分子としては、ゼラチンを例示できる。
【0052】
水溶性高分子を用いてマイクロカプセルのシェルを形成させるためには、コアセルベーション法を使用することができる。この方法及びこれ以外の方法においても、上記水溶性高分子は、0.01〜10質量%の水溶液として用いることが好ましく、また、後述するマイクロカプセルのコアとなる成分を0.2%以上含有した乳化液を用いることが好ましい。
【0053】
本発明のマイクロカプセルのシェルを構成する高分子は、室温では融解せず、50℃以上の軟化点を持つ高分子が好ましい。これは、常温ではトナー受容層中に含有されるマイクロカプセルが安定であり、しかも、記録体上に転写されたトナー像を定着するためにオイルレス定着システムの熱ロール定着装置で、記録体を加熱・加圧したときには、マイクロカプセルのシェルが破れ、又はマイクロカプセルに内包した材料が滲出することができるほどにシェルが柔軟になることにより、マイクロカプセルに内包した材料がマイクロカプセル外に出てくることができるからである。
【0054】
本発明のトナー受容層に含有させるマイクロカプセルの粒径は、100μm以下であることが好ましく、特に50μm以下であることが好ましいが、これは、トナー像をトナー受容層に定着させるときに、加熱ロールからの熱をマイクロカプセルに充分に伝えることができ、マイクロカプセルに内包された材料がマイクロカプセルから外に出ることによって、トナー受容層に定着されるトナー像を高画質にできることによる。マイクロカプセルの粒径が100μmを超えると、加熱ロールからマイクロカプセルに充分な熱が伝わらず、そのため、マイクロカプセルに内包された材料がマイクロカプセルから外に出られないため、トナー受容層に定着されたトナー像の画質が低下する場合がある。したがって、本発明において用いるマイクロカプセルは、100μmを超える粒径のマイクロカプセルを実質的に含まないことが好ましく、50μm超える粒径のマイクロカプセルを実質的に含まないことが特に好ましい。マイクロカプセルの粒径は分布を有するものであるため、本明細書において、上記の「実質的に含まない」とは、その数の割合が10%以下、好ましくは5%以下であることをいう。マイクロカプセルの粒径は、用いる界面活性剤の種類及び使用量を調節すること、及び撹拌強度等の乳化条件を制御すること等の公知の方法により、マイクロカプセルに内包される材料(コア材料)を含む油滴の粒径を制御することによって行うことができる。なお、本明細書中において、マクロカプセルの粒径とは、島津製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2000Jによって測定された粒径である。
【0055】
次にマイクロカプセルのシェルに内包される材料(コア材料)について説明する。本発明の記録体のトナー受容層には、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセルが含有される。トナー受容性成分とは、記録体に転写されたトナー像を記録体表面に定着させることができる成分をいい、熱可塑性樹脂、オリゴマー、及び可塑剤からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
【0056】
マイクロカプセルに内包される熱可塑性樹脂及びオリゴマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂及びオリゴマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルアセタール、ポリスチレンなどのポリビニル系樹脂及びオリゴマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂及びオリゴマー;ポリアミド系樹脂;エチレン及び/又はプロピレンなどのオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂及びオリゴマー;アイオノマー系樹脂及びオリゴマー;エチルセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース系重合体;ポリカーボネート系樹脂及びオリゴマー;ならびに、フェノキシ系樹脂及びオリゴマーから選ばれる1種以上を用いることが好ましい。樹脂又はオリゴマーを単独で用いてもよく、また、樹脂及びオリゴマーを併用することもできる。
【0057】
次にマイクロカプセルに内包される可塑剤(以下、「マイクロカプセル用可塑剤」という)について説明する。マイクロカプセル用可塑剤としては、フタル酸エステル、脂肪族2塩基酸エステル、グリコールエステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、及びマレイン酸エステルなどを用いることができる。
【0058】
上記フタル酸エステルとしては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸イソブチル、フタル酸ブチル、フタル酸ヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジフェニル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、及びフタル酸メチルオレイルなどを例示できる。
【0059】
上記脂肪族2塩基酸エステルとしては、コハク酸ジイソデシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル、及びテトラヒドロフタル酸ジオクチルなどを例示できる。
【0060】
上記グリコールエステルとしては、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、及びペンタエリスリトールエステルなどを例示できる。
【0061】
上記脂肪酸エステルとしては、オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル、塩素化脂肪酸メチル、及びメトキシ塩素化脂肪酸メチルなどを例示できる。
【0062】
上記リン酸エステルとしては、リン酸トリクレシル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリシクロヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクロロエチル、及びリン酸クレシルジフェニルなどを例示できる。
【0063】
上記マレイン酸エステルとしては、マレイン酸ジブチル、及びマレイン酸ジオクチルなどを例示できる。
【0064】
マイクロカプセル中に内包されるトナー受容性成分は、熱可塑性樹脂、オリゴマー、及び可塑剤からなる群から選ばれる1種類以上の材料を含むことができるが、2種類以上の材料をマイクロカプセルに内包させる場合は、1種類のマイクロカプセルに全ての材料を内包させることもできるし、異なる材料を内包した2種類以上のマイクロカプセルを混合して用いることもできる。
【0065】
本発明のトナー受容層は、離型剤を含有する。なお、「離型剤」の語は、記録体上にトナー像を定着させるための加熱及び加圧装置、例えば加熱ロールと、記録体との間の粘着力及び摩擦係数を小さくすることができる材料の意味で用いる。
【0066】
トナー受容層に離型剤を含有させるための好ましい方法は、(1)マイクロカプセルに内包されていない離型剤を、トナー受容層に含まれるトナー受容性樹脂に混合して、トナー受容層に含有させる方法、(2)トナー受容性成分とともに離型剤を内包させたマイクロカプセルをトナー受容層に含有させる方法、(3)トナー受容性成分を内包したマイクロカプセルとは別に、離型剤を内包したマイクロカプセルをトナー受容層に含有させる方法、及び、これら(1)〜(3)の方法から選ばれる2以上を組み合わせた方法を挙げることができる。例えば、受容層に含有させる離型剤の一部を上記(1)〜(3)から選ばれる第1の方法で含有させ、離型剤の残部を第1の方法と異なる第2の方法で含有させる方法、及び受容層に含有させる離型剤の一部を上記(1)〜(3)から選ばれる第1の方法で含有させ、第1の方法と異なる第2の方法で離型剤の別の一部を含有させ、第3の方法で離型剤の残部を含有させることができる。
【0067】
さらにトナー受容層に含有させる離型剤は、2種以上を併用してもよい。2種以上の離型剤を併用する場合、それぞれの離型剤をトナー受容層に含有させる方法は、上記(1)〜(3)の方法から選択された1以上の方法のうち、同一の方法でも、異なる方法でもよい。また、2種以上の離型剤の一部又は全部を混合したもの、及び混合しなかった残部を、それぞれ、上記(1)〜(3)から選ばれる1以上の方法でトナー受容層に含有させてもよい。
【0068】
トナー受容層に含有させる離型剤としては、シリコーンオイル及びシリコーン系グラフトポリマーを含むケイ素化合物、フッ素化合物、ワックス類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸の金属塩類、高級脂肪酸のエステル類、高級脂肪酸のアミド類、及び高級脂肪族アルコール類などを用いることができる。これらの離型剤は、単独で用いることも、又は2種以上を併用することもできる。
【0069】
上記ケイ素化合物としては、主鎖がシロキサン結合を有し、側鎖にメチル基、フェニル基、ビニル基などの有機基を有する、液状、半固体状又は固体状のシリコーン系化合物、及びこれらのシリコーン系化合物の構造を一部に有するグラフトポリマーを例示できる。このようなシリコーン系化合物は、さらに置換基として、カルボキシル基、アミノ基、4級化アミノ基、フッ素原子などを有することもでき、直鎖状及び分岐状化合物のみならず三次元的網状構造を有するポリマーも含む。
【0070】
上記シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジエンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、及び環状ジメチルシリコーンオイル等のシリコーンオイル、並びに、例えばシラノール変性、カルボキシ変性、及びアミノ変性シリコーンオイル等の分子中に反応性基を有する変性シリコーンオイルを例示できる。
【0071】
上記シリコーン系グラフトポリマーとしては、シリコーンマクロモノマーとアクリル系モノマーとの共重合物等を例示できる。
【0072】
上記フッ素化合物としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素含有ポリマー、並びにフッ素置換長鎖アルキル基を有する、炭化水素類、アルコール類、カルボン酸類、スルホン酸類、及びスルホンアミド類などの、液状、半固体状、又は固体状のフルオロカーボン系化合物を例示できる。
【0073】
上記ワックス類としては、パラフィンワックス、塩素化パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、セレシンワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、及び蜜ロウなどの合成及び天然ワックスを例示できる。
【0074】
上記高級脂肪酸類としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びセバシン酸などを例示できる。なお、本明細書中、高級脂肪酸には、高級飽和脂肪酸のほか、高級不飽和脂肪酸も含む。
【0075】
上記高級脂肪酸の金属塩としては、高級脂肪酸のBa,Ca,Zn,Al、及びMgなどの塩を例示できる。
【0076】
上記高級脂肪酸のエステル類としては、上記高級脂肪酸とモノアルコール類からなるエステル類、並びに上記高級脂肪酸と、グリコール及びグリセリン等のポリオール類とのエステル類などを例示できる。
【0077】
上記高級脂肪酸のアミド類としては、上記脂肪酸と、アンモニア、アルキルアミン類、及びアルキレンジアミン類などから選ばれるアミン化合物とからなるアミド類があげられる、具体的には、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステアリルアミド、及びエチレンビスステアリルアミドなどを例示できる。
【0078】
上記高級脂肪族アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールなどを例示できる。
【0079】
離型剤をトナー受容性成分とともにマイクロカプセルに内包して用いる場合は、トナー受容性成分とともに離型剤が混合された油滴の周囲にシェルを形成させて得られるマイクロカプセルを用いることができる。トナー受容性成分を内包せず、離型剤を内包するマイクロカプセルを用いる場合は、離型剤を含み、トナー受容性成分を含まない油滴の周囲にシェルを形成させて得られるマイクロカプセルを用いることができる。いずれの場合も、上記のトナー受容性成分を内包するマイクロカプセルの製造法に準拠して、それぞれのマイクロカプセルを調製することができる。
【0080】
マイクロカプセルに内包させる熱可塑性樹脂、オリゴマー、及び可塑剤、並びにトナー受容層に含有させる離型剤の種類、用いる量比等は、最終的に得られる記録体の特性が最適になるように、任意に選択することができる。異なる材料を内包した2種類以上のマイクロカプセルを併用する場合も、記録体の特性が最適になるように、マイクロカプセルの種類及び量を選択して用いることができる。
【0081】
次にシート状支持体へのトナー受容層の塗工方法について説明する。
上述した通り、本発明の記録体においては、シート状支持体の少なくとも一面上に、トナー受容性樹脂、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセル、及び離型剤を含有するトナー受容層が形成される。このトナー受容層は、シート状支持体の表面にトナー受容層を構成する材料を塗工することによって形成することができる。シート状支持体上へのトナー受容層の塗工は、公知の塗工装置、例えばブレードコータ、エヤーナイフコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコータ、チャンプレックスコータ、ブラシコータ、ツーロールあるいはメータリングブレード式のサイズプレスコータ、ビルブレードコータ、ショートドウェルコータ、ゲートロールコータ、及びスプレーコータなどを用いて行うことができる。
【0082】
トナー受容性成分を内包するマイクロカプセル、及び場合により離型剤を内包したマイクロカプセルは、トナー受容層を形成するトナー受容性樹脂を含む材料の水性分散液に、マイクロカプセルの水性分散液を添加して、シート状支持体上に塗工する等の方法で添加することができる。
【0083】
また、トナー受容層を形成するための、マイクロカプセル以外の材料(トナー受容性樹脂を含む)が、有機溶剤に対して可溶又は分散可能であり、かつ有機溶剤がマイクロカプセルのシェルを溶解しない場合は、先にマイクロカプセル分散液をシート状支持体上に塗工した後、有機溶剤に溶解または分散させた、トナー受容性樹脂を含む、マイクロカプセル以外の材料を、さらにシート状支持体上に塗工してトナー受容層を形成させることもできる。
【0084】
本発明のトナー受容層は、本質的に均一な組成の単一の層である場合に限定されず、2以上の層を積層することもできる。たとえば、シート状支持体上に第1のトナー受容層を形成した後、さらにその上に別の第2のトナー受容層を形成してもよく、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセルは、第1及び第2のトナー受容層の双方に含有させても、第1又は第2のトナー受容層のいずれか一方にのみ含有させることもできる。但し、最も表面に形成されたトナー受容層が、上記マイクロカプセルを含有することが好ましい。
【0085】
トナー受容層に含有させる離型剤は、トナー受容層全体に均一に存在させても、濃度分布が存在してもよく、例えば、トナー受容層の表面層にのみ存在させてもよい。トナー受容層の表面層に離型剤を存在させる方法としては、多層構造にしたトナー受容層の表面層にのみ離型剤を含有させた材料を塗工する方法や、トナー受容層表面から離型剤を含浸させる方法などが例示できる。
【0086】
トナー受容層に含有させる、トナー受容性樹脂、マイクロカプセルに内包させるトナー受容性成分、及び離型剤のそれぞれの種類及び量、並びにマイクロカプセルのシェルを形成する材料、シェルの厚さ、及び粒径等は、得られる記録体が好ましい特性を発現するように適宜設定することができる。
【0087】
本発明の記録体は、トナー受容層の表面電気抵抗値が1×105 〜5×1014Ω/cm2であることが好ましく、5×109 〜5×1013Ω/cm2であることがさらに好ましい。表面電気抵抗値が5×1014Ω/cm2 を超えると、放電マークが発生し、トナー像の転写率が低下する傾向がある。表面電気抵抗値を5×101 4Ω/cm2以下にするために、記録体中にアニオン性、カチオン性、又は両性の帯電防止剤、導電性金属酸化物、及び導電性高分子からなる群から選ばれる1種以上の材料を添加することができる。
【0088】
上記カチオン性の帯電防止剤としては、ヘテロ環アミン類、4級アンモニウム塩類、スルホニウム塩類、ホスホニウム塩類、及びベタイン系両性塩類などを用いることができる。これらの中でも4級アンモニウム塩類を用いることが好ましい。
【0089】
上記アニオン性の帯電防止剤としては、脂肪酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルスルホコハク酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩類、及びナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物などを用いることができる。
【0090】
上記導電性金属酸化物としては、ZnO、TiO2 、SnO2 、SiO2 、Al2 O3 、MgO、MoO3 、CoO、及びIn2 O3 などを用いることができる。これらは、1種又は2種以上を混合して用いても、またこれらの複合酸化物として用いることもできる。また、上記金属酸化物に異種元素を含有させたものがさらに好ましく、例えば、Al及びInなどから選ばれる元素を含有(ドーピング)させたZnO、Nb及びTaなどから選ばれる元素を含有(ドーピング)させたTiO、並びにSb、Nb、及びハロゲン元素などから選ばれる元素を含有(ドーピング)させたSnO2 から選ばれる1種以上の材料を用いることが好ましく、SbをドーピングしたSnO2 を用いることが特に好ましい。
【0091】
本発明においては、シート状支持体の片面上、又は両面上にトナー受容層を設けることができるが、シート状支持体の一面のみにトナー受容層を設ける場合は、シート状支持体のトナー受容層を設けた面の反対側の面に、帯電防止剤を含有する帯電防止層を設けることができる。この帯電防止層に用いる帯電防止剤としては、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸塩、カルボン酸スルホンエステル、リン酸エステル、ヘテロ環アミン類、4級アンモニウム塩類、スルホニウム塩類、ホスホニウム塩類、及びベタイン系両性塩類などを例示できる。上述の通り、電子写真用トナー受容層に帯電防止剤を含有させる場合、この帯電防止剤と、上記帯電防止層に用いる帯電防止剤は、同一でも、異なっていてもよい。
【0092】
上記の帯電防止層の表面電気抵抗値は、1×108〜1×1012Ω/cm2の範囲であることが好ましく、5×108〜5×1011Ω/cm2の範囲であることがさらに好ましい。表面電気抵抗値が1×108 Ω/cm2未満であると、高湿度環境下において、バイアストランスファーロールに印加する転写電圧を高くした場合に、記録体表面の電荷がペーパーシュートなどにリークし易くなるため、トナー像の転写に必要な電荷が得られなくなり、記録体へのトナー像の転写効率が低下するので好ましくない。また、表面電気抵抗値が1×1012Ω/cm2を超えると、低湿度環境下で放電マークが発生し易くなり、トナー像の転写ラチチュードが狭くなることから好ましくない。
【0093】
この帯電防止層を設けた面に、すべり性を向上させるための離型剤をさらに含有させることができる。
【0094】
本発明の記録体においては、シート状支持体とトナー受容層との間に、中間接着層を設けることができる。トナー受容層に用いる材料の種類により、シート状支持体表面とトナー受容層との接着力が不充分になる場合がある。そのような場合には、シート状支持体表面とトナー受容層との間に中間接着層を設けて、これらの間の密着性を向上させることにより、定着されたトナー像がトナー受容層と一緒に、シート状支持体から剥離しないようにすることができる。
【0095】
中間接着層は、シート状支持体、及びトナー受容層との接着力に優れ、かつ耐熱性が高く、トナー像定着時の加熱により溶融しない樹脂により構成される。中間接着層に用いることができる樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、ウレタン樹脂、及びメラミン樹脂等が例示できる。中間接着性は、シート状支持体とトナー受容層との密着性を確保するため、ある程度以上の厚さを有することが必要であるが、あまり厚くすると、トナーの沈みこみ効果が小さくなるため好ましくない。中間接着層の厚さは、0.05〜0.5μmの範囲内にあることが好ましい。
【0096】
以下、図を用いて本発明をさらに説明する。図2Aは、熱ロールにオイルを塗布するタイプの熱ロール定着装置によって定着された、従来のトナー像をモデル的に示した図である。図2Aの4、5、6は、それぞれ低濃度、中濃度、高濃度のトナー像を示す。7はトナー受容層を示す。従来のオイル使用型の熱ロール定着装置によって定着されたトナー像は、いずれの濃度においても、定着後のトナー像表面が平滑であり、白紙部同様の光沢が得られやすい。但し、高濃度のトナー像の場合、画像部と白紙部の間に段差が生じることがあった。
【0097】
図2Bは、オイルレス定着システムによる熱ロール定着装置により定着された従来のトナー像をモデル的に示した図である。図2Bの8、9、10は、それぞれ低濃度、中濃度、高濃度の場合のトナー像を示す。11はトナー受容層を示す。オイルレス定着システムの熱ロール定着装置によって定着されたトナー像は、上述したとおり、トナーの樹脂成分の軟化が不充分であり、トナー受容層への沈み込みが不足するとともに、トナー像表面が平滑にならず、画像部と白紙部との光沢に差が生じやすい。さらに、画像部と白紙部との間に段差が生じやすい。この光沢差及び段差は、トナー像が高濃度であるほど顕著になる。
【0098】
図3Aは、本発明の記録体のトナー受容層上にトナー像が転写された状態をモデル的に示した図である。図3Bは、図3Aに示したトナー像がオイルレス定着システムによる熱ロール定着装置により定着された後の状態をモデル的に示した図である。図3A中、12はトナー粒子、13はマイクロカプセル、14はマイクロカプセルに内包されたトナー受容性成分、例えば熱可塑性樹脂等を表す。15はトナー受容層、17はシート状支持体を表す。図3B中、12はトナー粒子、15はトナー受容層、14はトナー像表面に広がった、マイクロカプセルに内包されていたトナー受容性成分を表す。16は、トナー像定着後のマイクロカプセルを表す。図3Aに示したトナー受容層上に転写されたトナー像は、熱ロール定着装置により定着されて図3Bの状態になる。このとき、トナー像がトナー受容層に沈み込むとともに、記録体のトナー受容層に含有されたマイクロカプセル中の熱可塑性樹脂等が、マイクロカプセルが破れ及び/又はマイクロカプセルのシェルが軟化することによって滲み出し、トナー像表面及び白紙部表面に広がる。このトナー像及び白紙部の表面に広がった熱可塑性樹脂等によりトナー像表面が平滑になるとともに、画像部と白紙部との段差も連続的に滑らかになることにより、画像部及び白紙部が均一かつ高い光沢を有し、画像部と白紙部との間の段差もなくなるか、その差がきわめて小さなものになると考えられる。さらに、トナー受容層中に離型剤を含有させることによって、熱可塑性樹脂等14及び/又はトナー受容層の表面と熱ロールとの間の粘着力及び摩擦係数を低下させ、オフセット現象や巻き付き現象を防止できる。
【0099】
本発明の記録体上に定着されたトナー像は、低濃度から高濃度に至るまで平滑な表面を有し、白紙部と同様の光沢が得られ、しかも、定着されたトナー像である画像部と白紙部との間に段差がほとんど生じない。
【0100】
【実施例】
本発明を下記実施例により更に詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
また、下記実施例において、マイクロカプセルの粒径は、島津製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2000Jによって測定した。以下の実施例で製造したマイクロカプセルは、いずれも、100μmを超える粒径のマイクロカプセルの含有量は、マイクロカプセルの数量で5%以下であった。
【0101】
[実施例1]
(熱可塑性樹脂内包マイクロカプセル分散液Aの調製)
熱可塑性ポリエステル樹脂(商品名:TP217、日本合成化学社製、ガラス転移温度40℃)25部を酢酸エチル75部に添加し、均一に混合した。得られた混合液に、マイクロカプセルのシェルを形成する材料(以下の実施例中「カプセル壁材」という。)としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)2部を添加して、均一に混合し、得られた混合液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを用い、回転数2000rpmで2分間乳化分散させた。得られた乳化分散液を70℃に昇温し、70℃で6時間、重合反応を行ない、熱可塑性樹脂を内包する平均粒径が30μmのマイクロカプセルを含有する、マイクロカプセル分散液Aを得た。
【0102】
(シリコーンオイル内包マイクロカプセル分散液Bの調製)
エポキシ変性シリコーンオイル(商品名:X−22−163C、信越化学工業社製)25部を酢酸エチル75部に添加し、均一に混合した。得られた混合液にカプセル壁材としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)1.5部を添加し、均一に混合し、得られた液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを用い、回転数3000rpmで2分間乳化分散させた。得られた乳化分散液を70℃に昇温し、70℃で6時間、重合反応を行ない、シリコーンオイルを内包する平均粒径20μmのマイクロカプセルを含む、マイクロカプセル分散液Bを得た。
【0103】
(トナー受容層用塗料Aの調製)
マイクロカプセル分散液A64.7部、マイクロカプセル分散液B3.9部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水23.9部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Aを得た。
【0104】
(電子写真用転写記録体Aの作成)
坪量104.7g/m2の顔料塗工上質紙(商品名:ミラーコートプラチナ、王子製紙社製)の一方の面に、上記トナー受容層用塗料Aを、乾燥後の塗工量が15g/m2となるように塗工乾燥してトナー受容層を設け、電子写真用転写記録体Aを得た。
【0105】
[実施例2]
(可塑剤内包マイクロカプセル分散液Cの調製)
フタル酸ジフェニル100部に、カプセル壁材としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)2部を添加し、均一に混合し、得られた混合液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを用い、回転数2000rpmで2分間乳化分散させた。得られた乳化分散液を70℃に昇温し、70℃で6時間、重合反応を行ない、フタル酸ジフェニルを内包する平均粒径30μmのマイクロカプセルを含む、マイクロカプセル分散液Cを得た。
【0106】
(トナー受容層用塗料Bの調製)
マイクロカプセル分散液A45.7部、マイクロカプセル分散液B7.7部、マイクロカプセル分散液C15.2部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水23.9部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Bを得た。
【0107】
(電子写真用転写記録体Bの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして、電子写真用転写記録体Bを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Bを用いた。
【0108】
[実施例3]
(混合物内包マイクロカプセル分散液Dの調製)
熱可塑性ポリエステル樹脂(商品名:TP217、日本合成化学社製、ガラス転移温度40℃)22.5部を酢酸エチル75部に添加し、均一に混合した。得られた混合液にワックスとしてステアリン酸メチル(商品名:ステアリン酸メチル95、日本油脂社製)2.5部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にカプセル壁材としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)2部を添加し、均一に混合し、得られた混合液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを使用し、回転数2000rpmで2分間乳化分散させた。得られた乳化分散液を70℃に昇温し、70℃で6時間、重合反応を行ない、熱可塑性ポリエステル樹脂及びステアリン酸メチルを内包した平均粒径30μmのマイクロカプセルを含む、マイクロカプセル分散液Dを得た。
【0109】
(トナー受容層用塗料Cの調製)
マイクロカプセル分散液D68.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水24部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Cを得た
【0110】
(電子写真用転写記録体Cの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Cを作成した。但し、実施例1で用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Cを用いた。
【0111】
[実施例4]
(混合物内包マイクロカプセル分散液Eの調製)
熱可塑性ポリエステル樹脂(商品名:TP217、日本合成化学社製、ガラス転移温度40℃)22.5部を酢酸エチル75部に添加し、均一に混合した。得られた混合液にフタル酸ジフェニル2.5部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にカプセル壁材としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)2部を添加し、均一に混合した。得られた混合液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを使用し、回転数2000rpmで2分間乳化分散させた。この乳化分散液を70℃に昇温し、70℃で6時間、重合反応を行ない、熱可塑性ポリエステル樹脂及びフタル酸ジフェニルを内包する平均粒径30μmのマイクロカプセルを含む、マイクロカプセル分散液Eを得た。
【0112】
(トナー受容層用塗料Dの調製)
マイクロカプセル分散液B7.7部、マイクロカプセル分散液E60.9部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水23.9部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Dを得た。
【0113】
(電子写真用転写記録体Dの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Dを作成した。但し、実施例1で用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Dを用いた。
【0114】
[実施例5]
(混合物内包マイクロカプセル分散液Fの調製)
熱可塑性ポリエステル樹脂(商品名:TP217、日本合成化学社製、ガラス転移温度40℃)22.5部を酢酸エチル75部に添加し、均一に混合した。得られた混合液にエポキシ変性シリコーンオイル(商品名:X−22−163C、信越化学工業社製)2.5部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にカプセル壁材としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)2部を添加し、均一に混合した。得られた混合液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを使用し、回転数2000rpmで2分間乳化分散させた。得られた乳化分散液を70℃に昇温し、70℃で6時間、重合反応を行ない、熱可塑性ポリエステル樹脂とエポキシ変性シリコーンオイルを内包した平均粒径30μmのマイクロカプセルを含む、マイクロカプセル分散液Fを得た。
【0115】
(トナー受容層用塗料Eの調製)
マイクロカプセル分散液F68.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水24部からなる組成物を混合攪拌して、トナー受容層用塗料Eを得た
【0116】
(電子写真用転写記録体Eの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Eを作成した。但し、実施例1で用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Eを用いた。
【0117】
[実施例6]
(混合物内包マイクロカプセル分散液Gの調製)
熱可塑性ポリエステル樹脂(商品名:TP217、日本合成化学社製、ガラス転移温度40℃)21部を酢酸エチル75部に添加し、均一に混合した。得られた混合液にワックスとしてステアリン酸メチル(商品名:ステアリン酸メチル95、日本油脂社製)2部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にフタル酸ジフェニル2部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にカプセル壁材としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)2部を添加し、均一に混合した。得られた混合液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを使用し、回転数2000rpmで2分間乳化分散させた。得られた乳化分散液を70℃に昇温し、70℃で6時間、重合反応を行ない、熱可塑性ポリエステル樹脂、ステアリン酸メチル、及びフタル酸ジフェニルを内包する平均粒径30μmのマイクロカプセルを含む、マイクロカプセル分散液Gを得た。
【0118】
(受容層用塗料Fの調製)
マイクロカプセル分散液G68.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水24部からなる組成物を混合攪拌して、トナー受容層用塗料Fを得た
【0119】
(電子写真用転写記録体Fの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Fを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Fを用いた。
【0120】
[実施例7]
(混合物内包マイクロカプセル分散液Hの調製)
熱可塑性ポリエステル樹脂(商品名:TP217、日本合成化学社製、ガラス転移温度40℃)22部を酢酸エチル75部に添加し、均一に混合した。得られた混合液にワックスとしてステアリン酸メチル(商品名:ステアリン酸メチル95、日本油脂社製)1.5部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にエポキシ変性シリコーンオイル(商品名:X−22−163C、信越化学工業社製)1.5部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にカプセル壁材としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)2部を添加し、均一に混合し、得られた混合液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを使用し、回転数2000rpmで2分間乳化分散させた。得られた乳化分散液を70℃に昇温し、70℃で6時間、重合反応を行ない、熱可塑性ポリエステル樹脂、ステアリン酸メチル、及びエポキシ変性シリコーンオイルを内包する平均粒径30μmのマイクロカプセルを含む、マイクロカプセル分散液Hを得た。
【0121】
(トナー受容層用塗料Gの調製)
マイクロカプセル分散液H68.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水24部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Gを得た
【0122】
(電子写真用転写記録体Gの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Gを作成した。但し、実施例1において用いた受容層用塗料Aに代えて、受容層用塗料Gを用いた。
【0123】
[実施例8]
(混合物内包マイクロカプセル分散液Iの調製)
熱可塑性ポリエステル樹脂(商品名:TP217、日本合成化学社製、ガラス転移温度40℃)21部を酢酸エチル75部に添加し、均一に混合した。得られた混合液にフタル酸ジフェニル2部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にエポキシ変性シリコーンオイル(商品名:X−22−163C、信越化学工業社製)2部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にカプセル壁材としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)2部を添加し、均一に混合し、この液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを使用し、回転数2000rpmで2分間乳化分散させた。得られた乳化分散液を70℃に昇温し、70℃で6時間、重合反応を行ない、熱可塑性ポリエステル樹脂、フタル酸ジフェニル、及びエポキシ変性シリコーンオイルを内包した平均粒径30μmのマイクロカプセルを含む、マイクロカプセル分散液Iを得た。
【0124】
(トナー受容層用塗料Hの調製)
マイクロカプセル分散液I68.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水24部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Hを得た
【0125】
(電子写真用転写記録体Hの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Hを作成した。但し、実施例1で用いた受容層用塗料Aに代えて、受容層用塗料Hを用いた。
【0126】
[実施例9]
(混合物内包マイクロカプセル分散液Jの調製)
熱可塑性ポリエステル樹脂(商品名:TP217、日本合成化学社製、ガラス転移温度40℃)21部を酢酸エチル75部に添加し、均一に混合した。得られた混合液にワックスとしてステアリン酸メチル(商品名:ステアリン酸メチル95、日本油脂社製)1部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にフタル酸ジフェニル2部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にエポキシ変性シリコーンオイル(商品名:X−22−163C、信越化学工業社製)1部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にカプセル壁材としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)2部を添加し、均一に混合し、得られた混合液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを使用して、回転数2000rpmで2分間乳化分散させた。得られた乳化分散液を70℃に昇温し、70℃で6時間、重合反応を行ない、熱可塑性ポリエステル樹脂、ステアリン酸メチル、フタル酸ジフェニル、及びエポキシ変性シリコーンオイルを内包した平均粒径30μmのマイクロカプセルを含む、マイクロカプセル分散液Jを得た。
【0127】
(トナー受容層用塗料Iの調製)
マイクロカプセル分散液J68.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水24部からなる組成物を混合攪拌して、トナー受容層用塗料Iを得た
【0128】
(電子写真用転写記録体Iの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Iを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Iを用いた。
【0129】
[実施例10]
(トナー受容層用塗料Lの調製)
実施例1で調製したマイクロカプセル分散液A64.7部、パラフィンワックス分散液(商品名:ハイドリンE−139、中京油脂社製)2.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水25.3部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Lを得た
【0130】
(電子写真用転写記録体Lの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Lを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Lを用いた。
【0131】
[実施例11]
(トナー受容層用塗料Tの調製)
実施例3で調製した混合物内包マイクロカプセル分散液D64.7部、パラフィンワックス分散液(商品名:ハイドリンE−139、中京油脂社製)2.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水25.3部からなる組成物を混合撹拌してトナー受容層用塗料Tを得た。
【0132】
(電子写真用転写記録体Tの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Tを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Tを用いた。
【0133】
[実施例12]
(トナー受容層用塗料Uの調製)
実施例1で調製した熱可塑性樹脂内包マイクロカプセル分散液A60.9部、実施例1で調製したシリコーンオイル内包マイクロカプセル分散液B3.9部、パラフィンワックス分散液(商品名:ハイドリンE−139、中京油脂社製)2.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水25.2部からなる組成物を混合撹拌してトナー受容層用塗料Uを得た。
【0134】
(電子写真用転写記録体Uの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Uを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Uを用いた。
[実施例13]
(トナー受容層用塗料Vの調製)
実施例1で調製したシリコーンオイル含有マイクロカプセル分散液B7.7部、実施例3で調製した混合物内包マイクロカプセル分散液D60.9部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水23.9部からなる組成物を混合撹拌してトナー受容層用塗料Vを得た。
【0135】
(電子写真用転写記録体Vの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Vを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Vを用いた。
【0136】
[実施例14]
(トナー受容層用塗料Wの調製)
実施例1で調製したシリコーンオイル含有マイクロカプセル分散液B3.9部、実施例3で調製した混合物内包マイクロカプセル分散液D60.9部、パラフィンワックス分散液(商品名:ハイドリンE−139、中京油脂社製)2.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水25.2部からなる組成物を混合撹拌してトナー受容層用塗料Wを得た。
【0137】
(電子写真用転写記録体Wの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Wを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Wを用いた。
【0138】
[実施例15]
(混合物内包マイクロカプセル分散液Mの調製)
熱可塑性のスチレンオリゴマー(商品名:ビコラスチックA75、EASTMANケミカル社製、軟化点75℃)22.5部を酢酸エチル75部に添加し、均一に混合した。得られた混合液にフタル酸ジフェニル2.5部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にカプセル壁材としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)2部を添加し、均一に混合し、得られた混合液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを使用し、回転数2000rpmで2分間乳化分散させた。得られた乳化分散液を70℃に昇温し、6時間の重合反応を行い、平均粒径30μmのスチレンオリゴマー、及びフタル酸ジフェニルを内包したマイクロカプセルを含む、マイクロカプセル分散液Mを得た。
【0139】
(トナー受容層用塗料Xの調製)
実施例1で調製したシリコーンオイル内包マイクロカプセル分散液B3.9部、上記マイクロカプセル分散液M60.9部、パラフィンワックス分散液(商品名:ハイドリンE−139、中京油脂社製)2.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水25.2部からなる組成物を混合撹拌してトナー受容層用塗料Xを得た。
【0140】
(電子写真用転写記録体Xの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Xを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Xを用いた。
【0141】
[比較例1]
(トナー受容層用塗料Nの調製)
アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)75部、及び水25部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Nを得た。
【0142】
(電子写真用転写記録体Nの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Nを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Nを用いた。
【0143】
[比較例2]
(トナー受容層用塗料Oの調製)
実施例1で調製したマイクロカプセル分散液A68.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水24部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Oを得た。
【0144】
(電子写真用転写記録体Oの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Oを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Oを用いた。
【0145】
[比較例3]
(トナー受容層用塗料Pの調製)
実施例1で調製したマイクロカプセル分散液A38.1部、マイクロカプセル分散液C30.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水23.9部からなる組成物を混合攪拌して受容層用塗料Pを得た。
【0146】
(電子写真用転写記録体Pの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Pを作成した。但し、実施例1で用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Pを用いた。
【0147】
[比較例4]
(トナー受容層用塗料Rの調製)
マイクロカプセル分散液C68.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水24部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Rを得た。
【0148】
(電子写真用転写記録体Rの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Rを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Rを用いた。
【0149】
[比較例5]
(トナー受容層用塗料Sの調製)
実施例1で調製したマイクロカプセル分散液B69.6部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水22.9部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Sを得た。
【0150】
(電子写真用転写記録体Sの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Sを作成した。但し、実施例1で用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Sを用いた。
【0151】
上記の実施例1〜15及び比較例1〜5で作成した電子写真用転写記録体A〜Xについて、以下の評価を行った。
【0152】
(記録体の評価に使用した画像形成・定着装置等)
トナーはキヤノン社製フルカラーレーザービームプリンターLBP−2040専用のカラートナー(商品名:EP−83トナーカートリッジ(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)、キヤノン社製)を使用した。
【0153】
自作したオイルレス定着システムのフルカラーレーザービームプリンターを用いて、電子写真用転写記録体A〜Xの各々のトナー受容層上に、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの順にトナーを4色重ね、トナー重量が2mg/cm2のフルカラー未定着トナー像を形成し、加熱定着ロール温度150℃、平均加熱時間100msecの条件で加熱加圧してトナー像を定着させ、フルカラー定着画像を形成させた。その際、下記の項目について、各記録体の特性を評価した。なお、以下の評価の判断基準にある「評価不可能」とは、各記録体にトナー像を転写・定着させたときに、受容層の剥離、及び/又は加熱ロールへの記録体の巻き付き等の不具合が発生し、実質的に評価をすることができなかったことをいう。
【0154】
(1)定着性1(融着の有無)
電子写真用転写記録体A〜Xの各々について、フルカラー定着画像を形成する際に、定着ローラーに電子写真用転写記録体が融着するか否かを調べた。その判断基準は以下の通りである。
○:記録体のトナー受容層がトナー像定着後に定着ローラーへ貼付かない。
×:記録体のトナー受容層がトナー像定着後に定着ローラーへ貼付く。
【0155】
(2)定着性2(トナーの剥離)
電子写真用転写記録体A〜Xの各々について、フルカラー定着画像を形成する際に、トナーが電子写真用転写記録体から定着ローラーに剥離附着しているか否かを調べた。その判断基準は以下の通りである。
○:記録体にトナー像を定着する際に、トナー受容層上のトナーが定着ローラーにオフセットしていない。
×:記録体にトナー像を定着する際に、トナー受容層上のトナーが定着ローラーにオフセットした。
−:評価不可能
【0156】
(3)画像品質1(画像部の光沢性)
電子写真用転写記録体A〜Xの各々について、フルカラー定着画像の画像品質の目視評価を行った。その判断基準は以下の通りである。
○:画像部に光沢がある。
×:画像部に光沢がない。
−:評価不可能
【0157】
(4)画像品質2(光沢の均一性)
電子写真用転写記録体A〜Xの各々について、フルカラー定着画像の画像品質の目視評価を行った。その判断基準は以下の通りである。
○:画像部及び白紙部の光沢が均一である。
×:画像部及び白紙部の光沢が不均一である。
−:評価不可能
【0158】
(5)画像品質3(段差の有無)
電子写真用転写記録体A〜Xの各々について、フルカラー定着画像の画像品質の目視評価を行った。その判断基準は以下の通りである。
○:画像部と白紙部との境界が滑らかであり、明確な段差が認められない。
×:画像部と白紙部との境界に、明確な段差がある。
−:評価不可能
【0159】
評価結果
上記評価の結果を表1に示す。
【0160】
【表1】
【0161】
【発明の効果】
表1の結果から明らかなように、本発明の電子写真用転写記録体は、電子写真方式により記録体上に転写されたトナー像を加熱、加圧して定着する際に、加熱ローラーにオイル塗布を行わない定着システム(オイルレス定着システム)に使用しても、記録体上に形成された画像部及び白紙部が均一かつ高い光沢を有し、画像部と白紙部との境界にほとんど段差が生じないという効果を有する。さらに、本発明の電子写真用転写記録体はオフセット現象、記録体表面のトナー受容層の剥離、巻き付き現象の発生が極めて少ないという効果を有する。したがって、本発明の電子写真用転写記録体は、モノクロトナー又はカラートナーを用いるオイルレス定着システムによる電子写真方式の画像形成・定着装置に使用する記録体として、きわめて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1A〜図1Dは、トナー受容層に含有されるマイクロカプセルの状態をモデル的に示した図である。
【図2】図2Aは、熱ロールにオイルを塗布するタイプの熱ロール定着装置によって定着されたトナー像をモデル的に示した図である。
図2Bは、オイルレス定着システムによる熱ロール定着装置によって定着されたトナー像をモデル的に示した図である。
【図3】図3Aは、本発明の記録体のトナー受容層上にトナー像が転写された状態をモデル的に示した図である。
図3Bは、本発明の記録体の受容層上に転写されたトナー像が定着された後の状態をモデル的に示した図である。
【符号の説明】
1…マイクロカプセル
2…トナー受容層
3…シート状支持体
4…定着された低濃度のトナー像
5…定着された中濃度のトナー像
6…定着された高濃度のトナー像
7…トナー受容層
8…定着された低濃度のトナー像
9…定着された中濃度のトナー像
10…定着された高濃度のトナー像
11…トナー受容層
12…トナー粒子
13…マイクロカプセル
14…トナー受容性成分
15…トナー受容層
16…トナー像定着後のマイクロカプセル
17…シート状支持体
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の転写記録体(以下、単に「記録体」ともいう)に関する。より詳しくは、本発明は、熱ロール定着装置の加熱ロールにオイルを塗布せずにトナー像を記録体に定着するシステム(オイルレス定着システム)を有する電子写真方式の画像形成・定着装置に用いても、記録体表面上にトナー像が定着された部分(以下「画像部」という)及びトナー像が定着されていない部分(以下「白紙部」という)が、均一かつ高い光沢を有し、さらに、画像部及び白紙部の境界に、段差がほとんど生じない記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置の熱ロール定着装置においては、記録体(被転写体)上に転写された未定着トナー像は、加熱ロール(あるいはベルト又はフィルム等)と加圧ロールとの間に記録体が挟持される際に、熱エネルギーと圧力を受けて記録体上のトナー受容層に定着される。
【0003】
加熱ロールと加圧ロールとの間に記録体が挟持されるときに、記録体上の未定着トナー像の一部が加熱ロールに転移する現象(オフセット現象)、及び記録体が加熱ロールに貼り付いてしまう現象(以下、あわせて「オフセット現象等」という)が、しばしば発生する。オフセット現象等を防止するために、シリコーンオイル等から選ばれる離型性オイルを加熱ロール表面に塗布し、加熱ロールと記録体との界面にオイルを介在させる方法が広く使用されている。
【0004】
また、上記加熱ロールの表面には、例えばポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、例えばフッ化ビニリデン及び6フッ化プロピレンの共重合体等のフッ素ゴム、並びにシリコーンゴム等から選ばれる、優れた離型性を有する材料が配置されているが、前記材料を加熱ロールの表面に配置しただけでは、上記オフセット現象等を充分に防止することはできず、加熱ロール表面への離型性オイルの塗布が欠かせない。
【0005】
しかし、加熱ロールにオイルを塗布する方法においては、トナー像を記録体に定着させた後、記録体表面にオイルが残留して光沢ムラが発生したり、記録体表面がべとついたりする等の問題が生じる場合がある。
【0006】
そこで、上記オフセット現象等、及び加熱ロールへのオイルの塗布によって発生する問題点を解消すべく、近年、加熱ロール表面にオイル塗布を行わずに記録体上にトナー像を定着させるシステム(オイルレス定着システム)が確立され、このシステムを用いた複写機及びプリンターが上市され、使用されている。このオイルレス定着システムは、記録体上に転写されたトナー像を加熱ロールにより定着させるときに、トナー像が加熱ロールに付着することを防止するため、従来トナーに用いられていた樹脂のTg(ガラス転移温度)より高いTgを有する樹脂をトナーに用いること、及び/又は加熱ロールの温度を従来の設定温度より低くすることにより、加熱ロール表面へのオイル塗布を行うことなくオフセット現象等を防止しようとするシステムである。
【0007】
熱ロール定着装置により、記録体に未定着トナー像を定着するときに、トナー像が加熱ロールに付着せず、かつ記録体上のトナー受容層が加熱ロールに融着することなく、高画質のトナー像を受容できる記録体として、電子写真用転写記録体のトナー受容層に、ケイ素化合物、フッ素化合物、ワックス類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸の金属塩類、高級脂肪酸のエステル類、高級脂肪酸のアミド類、及び高級脂肪族アルコール類等からなる群から選ばれる、離型性を有する成分を含有させた記録体が、特開2001−318481号公報に開示されている。
【0008】
しかし、オイルレス定着システムにおいては、トナーに用いる樹脂のTgが従来用いられていた樹脂のTgより高いこと、及び/又は加熱ロールの温度が従来よりも低くなったことにより、トナーの樹脂成分とトナー受容層を形成する樹脂との相溶性の低下、及び記録体にトナー像を定着させる温度におけるトナーの樹脂成分の軟化不足が生じる。したがって、トナー受容層に離型性を有する成分を含有させた記録体を用いても、トナー受容層へのトナー像の沈み込みが不十分になるとともに、記録体に定着されたトナー像の表面が平滑にならないという問題が生じる場合がある。この場合、トナー受容層に受容されたトナー像の表面が凹凸を有するため、光を乱反射して、光沢が低くなり、画像部の光沢と白紙部の光沢に差違が生じ、光沢ムラのない高品位な画像を得ることが困難となる。また、トナー像が定着された画像部のトナー受容層の厚さが、白紙部のトナー受容層の厚さより厚くなるため、画像部と白紙部の境界で段差が発生する問題があった。
【0009】
電子写真用転写記録体には、現在のレベルよりさらに高画質な画像がその表面に形成できることが求められている。高画質な画像を得る方法として、支持体及び支持体上に設けられた透明樹脂層を有する記録体を用い、透明樹脂層上に形成されたトナー像を加熱ロールにより透明樹脂層に沈み込ませることにより、画像部及び白紙部の光沢に差がなく、均一な光沢を有し、かつ写真同様の画質を有する画像を記録体表面に形成する方法が開示されている。例えば、特開平5−127413号公報には、ガラス転移温度が40〜70℃であり、テトラヒドロフランに可溶な架橋樹脂からなる透明樹脂層を有する電子写真用転写記録体にトナー像を転写し、ベルト状定着装置でトナーを透明樹脂層に沈み込ませる方法が開示されている。また、特開平5−216322号公報及び特開平6−11982号公報には、熱可塑性樹脂層が表面に設けられている電子写真用転写記録体にトナー像を転写し、ベルト状定着装置でトナーを樹脂層に沈み込ませる方法が開示されている。
【0010】
また、ベルト状定着装置を使用しなくても、ムラのない均一な光沢が得られる電子写真用転写記録体として、特開平10−221877号公報に電子写真用転写記録体の表面層を構成する透明樹脂の平均分子量(Mwa)とカラートナーの結着樹脂の平均分子量(Mwb)との間にMwa−Mwb≧10000の関係を有し、かつトナーの定着温度における透明樹脂とカラートナーの結着樹脂との溶融傾斜角が40度以下になるようにした電子写真用転写記録体が開示されており、特開平11−160905号公報には、電子写真用転写記録体表面の透明樹脂層を構成する樹脂の数平均分子量(Mn)が5000〜20000、及び、ガラス転移温度が30〜85℃である電子写真用転写記録体が開示されている。
【0011】
上記の各公知技術においては、トナー像を記録体上に定着する際に、加熱ロールを含む熱ロール定着装置により加圧・加熱することにより、トナー像を溶融して電子写真用転写記録体表面の透明樹脂層中に沈み込ませるように定着し、表面の凹凸の少ないカラー画像を形成し、画像表面での光の乱反射を軽減して、光沢ムラのない高画質な画像を得るようにしている。
【0012】
しかし、上記各技術に基づく記録体は、高画質な画像を得るために、記録体表面の透明樹脂のTgが低いことを必要とする。したがって、これらの記録体をオイルレス定着システムに使用し、加熱ロールに離型性オイルを塗布せずに記録体を加圧・加熱して、記録体上にトナー像を定着させた場合、記録体表面の透明樹脂のTgが低いためにオフセット現象が発生しやすくなる。また、記録体表面の透明樹脂層が加熱ロールに転写されて、透明樹脂層が記録体から剥離する問題、及び/又は記録体が加熱ロールに巻き付く(巻き付き現象)問題が発生する。
【0013】
オイルレス定着システムを採用した電子写真方式の画像形成・定着装置に用いても、オフセット現象、及び/又は巻き付き現象が生じることなく、しかも記録体に形成された画像部及び白紙部が、均一かつ高い光沢を有し、画像部と白紙部の境界に段差のない高画質な画像が得られる電子写真用記録体が求められている。
【0014】
【発明が解決しょうとする課題】
本発明の課題は、オイルレス定着システムを有する電子写真方式の画像形成・定着装置に用いても、オフセット現象、及び/又は巻き付き現象が発生せず、記録体の画像部及び白紙部の光沢が高く、かつ均一であり、画像部と白紙部との境界に段差がほとんど生じない電子写真用転写記録体を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子写真用転写記録体は、シート状支持体と、前記シート状支持体の少なくとも1面上に形成されたトナー受容層とを有し、前記トナー受容層が、トナー受容性樹脂、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセル、及び離型剤を含有することを特徴とするものである。
さらに、上記電子写真用転写記録体において、離型剤が、トナー受容性樹脂に混合されていることが好ましい。
また、上記電子写真用転写記録体において、離型剤が、マイクロカプセル中に、トナー受容性成分とともに内包されていることが好ましい。
また、上記電子写真用転写記録体において、離型剤が、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセルと異なるマイクロカプセルに内包されていることが好ましい。
また、上記電子写真用転写記録体において、離型剤の一部分が、マイクロカプセル中に、トナー受容性成分とともに内包されており、かつ、離型剤の残部が、トナー受容性樹脂に混合されていることが好ましい。
また、上記電子写真用転写記録体において、離型剤の一部分が、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセルと異なるマイクロカプセルに内包されており、かつ、離型剤の残部が、トナー受容性樹脂に混合されていることが好ましい。
また、上記電子写真用転写記録体において、離型剤の一部分が、マイクロカプセル中に、トナー受容性成分とともに内包されており、かつ、離型剤の残部が、マイクロカプセルと異なるマイクロカプセルに内包されていることが好ましい。
また、上記電子写真用転写記録体において、離型剤の一部分が、マイクロカプセル中に、トナー受容性成分とともに内包されており、かつ、離型剤の別の一部分が、マイクロカプセルと異なるマイクロカプセルに内包されており、かつ、離型剤の残部が、前記トナー受容性樹脂に混合されていることが好ましい。
さらに、上記電子写真用転写記録体において、トナー受容性成分が、熱可塑性樹脂、オリゴマー、及び可塑剤からなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、シート状支持体、及びそのシート状支持体の少なくとも1面上に形成されたトナー受容層を含んで構成され、かつ、このトナー受容層に、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセルを含有させ、さらに、トナー受容層に離型剤を含有させた記録体が、オイルレス定着システムを有する電子写真式画像形成・定着装置に用いた場合、記録体からのトナー像の剥離や記録体の加熱ロールへの巻き付き現象がなく、記録体の画像部及び白紙部の光沢が高く、かつ均一であり、画像部と白紙部との境界に段差がほとんど生じないことを見出し、本発明を完成したものである。
【0017】
本発明の記録体は、シート状支持体と、このシート状支持体の少なくとも1面上に形成されたトナー受容層とを含んで構成され、かつ、このトナー受容層がトナー受容性樹脂、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセル、及び離型剤を含有する。
【0018】
本発明に用いるシート状支持体には、そのシート状支持体を用いて製造された記録体が、熱ロール定着装置の定着温度で記録体が形状を保持でき、軟化等することがなく、しかも、平滑性、白色度、滑り性、摩擦性、帯電防止性、及びトナー像転写後のへこみの少なさ等の記録体の特性が、市場から要求されている特性を有することができる材料であれば、どのようなものを用いることもできる。シート状支持体として、例えば、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等の合成紙)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙、セルロース繊維紙、ポリオレフィンコート紙等の紙支持体、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンメタクリレート、ポリカーボネート等の各種のプラスチックフィルム又はシート、これらのプラスチックフィルム又はシートに白色反射性を与える処理を施したフィルム又はシート、並びに、これらの材料から任意に選択した2以上の材料を積層して得られる積層体を使用することができる。これらのシート状支持体のうち、耐熱性や剛度が優れている点から、ポリエチレンテレフタレートを用いることが、特に好ましい。
【0019】
本発明においては、上記シート状支持体の少なくとも1面上にトナー受容層を設ける。トナー受容層は、電子写真方式によってその表面に転写されたトナー像を、一般的には熱ロール定着装置により、加熱・加圧して定着させるための層である。本発明の記録体のトナー受容層は、トナー受容性樹脂、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセル、及び離型剤を含む。トナー受容層は、シート状支持体の両面に設けることもできる。
トナー受容性樹脂としては、熱ロール定着装置の定着温度において、トナー受容層表面の平滑性等が損なわれることなく、トナー像を記録体上に定着させることができる材料であれば、いかなる材料でも用いることができる。トナー受容性樹脂は、トナーに含まれる樹脂成分に対する接着性又は密着性が良好な、接着剤及び/又は熱可塑性樹脂であることが好ましい。記録体のトナー受容層は、顔料及び接着剤を主成分とするトナー受容層、又は熱可塑性樹脂を主成分とする透明なトナー受容層とすることが特に好ましい。
【0020】
本発明の記録体のトナー受容層に用いる顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、構造性カオリン、デラミカオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、微粒子状珪酸カルシウム、微粒子状炭酸マグネシウム、微粒子状軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、及びスメクタイト等の鉱物質顔料、並びに、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、及びベンゾグアナミン樹脂等の樹脂からなる微小中実粒子、微小中空粒子、及び貫通孔を有する微小粒子等の有機顔料等を含む公知の顔料から選ばれる1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
【0021】
本発明の記録体のトナー受容性樹脂として用いる接着剤としては、水溶性及び/又は水分散性の高分子を用いることができ、例えば、カチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、及びエーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、及び天然ゴム等の天然又は半合成高分子、ポリビニルアルコール、イソプレン、ネオプレン、及びポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、及びポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、及びメチルビニルエーテル等のビニル系重合体又は共重合体、スチレン−ブタジエン系、及びメチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴムラテックス、並びに、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、及びメラミン樹脂等の合成高分子等からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物を用いることが好ましい。電子写真用転写記録体に求められる品質を満足できるように、公知の手法を使用して、好ましい接着剤を選択して用いることができる。
【0022】
本発明の記録体のトナー受容性樹脂として用いる熱可塑性樹脂は、トナー像を受容してこれを定着させる特性を有し、トナーに対する濡れ性に優れた樹脂を含むことが好ましい。トナー受容性樹脂として用いる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、及びポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルアセタール、及びポリスチレン等のポリビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂;エチレン及びプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂;アイオノマー系樹脂;エチルセルロース、及び酢酸セルロース等のセルロース系重合体;ポリカーボネート系樹脂;並びにフェノキシ系樹脂からなる群から選ばれる1種以上の樹脂を単独で、又は混合して用いることができる。本発明のトナー受容性樹脂としては、ポリビニル系樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群から選ばれる1種以上の樹脂を単独で、又は混合して用いることが好ましい。
【0023】
電子写真方式の画像形成・定着装置において用いられるトナーが、カラートナーの場合は、トナーに含まれる樹脂成分は主としてポリエステル系樹脂である。一方、トナーがモノクロトナーの場合は、トナーに含まれる樹脂成分は主としてスチレン−アクリル樹脂である。トナー受容性樹脂として用いる熱可塑性樹脂は、トナーに含まれるこれらの樹脂との相溶性が高いものを選ぶことが好ましい。したがって、記録体にトナー像を形成するために使用されるトナーの種類及びそのトナーに含有される樹脂の種類に応じて、その樹脂との相溶性が高くなるように選択された、ポリエステル系樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、及びスチレン−メタクリル酸エステル樹脂等からなる群から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂の混合物を、記録体のトナー受容性樹脂として用いることが特に好ましい。
【0024】
トナー受容性樹脂に用いるポリエステル系樹脂について説明する。このポリエステル系樹脂は、一般には、多価アルコール及び多価カルボン酸から合成される。なお、この「アルコール」又は「カルボン酸」には、アルコール又はカルボン酸の化学的な等価体、たとえば、エポキシ化合物、酸無水物、及びエステル等が含まれる。
【0025】
ポリエステル系樹脂の原料として用いることができる多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びビスフェノールAにアルキレンオキサイドが付加されて得られたジオール等からなる群から選ばれる化合物を例示できる。
【0026】
ポリエステル系樹脂の原料として用いることができる多価カルボン酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、及びこれらの酸無水物、並びにこれらの酸の低級アルキル(例えばC1 〜C6 )エステル等からなる群から選ばれる化合物を例示できる。
【0027】
本発明のトナー受容性樹脂として用いられるポリエステル系樹脂は、上記多価アルコールから選ばれる少なくとも1種と上記多価カルボン酸から選ばれる少なくとも1種とを用いて合成されたものが好ましい。特に好ましいポリエステル系樹脂は、例えばビスフェノールAを含むビスフェノール型ジオールと、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸無水物、及び芳香族ジカルボン酸ジエステルから選択された少なくとも1種のジカルボン酸成分とを主成分として含む原料から合成されるポリエステル系樹脂である。
【0028】
本発明の記録体のトナー受容層には、上述した顔料及び接着剤、又は熱可塑性樹脂の他に、さらに各種助剤、例えば界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、導電剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤、香料等から選ばれる1種以上を、所望により添加することができる。このような各種助剤は、当業者に公知であるが、例えば、特開2001−318481号公報に記載されているものを用いることができる。
【0029】
本発明の記録体のトナー受容層は、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセルを含有する。なお、以下の説明中、「トナー受容樹脂層」の用語は、記録体の表面に設けられた、トナー受容層のうち、マイクロカプセルを除いた部分、の意味で用いる。本発明において、「トナー受容層がマイクロカプセルを含有する」とは、(1)トナー受容樹脂層にマイクロカプセルが完全に包埋され、マイクロカプセルがトナー受容樹脂層表面から外に出ていない状態、(2)トナー受容樹脂層にマイクロカプセルの体積の半分以上が沈み込んでおり、マイクロカプセルの体積の半分未満がトナー受容樹脂層表面から外に出ている状態、(3)トナー受容樹脂層にマイクロカプセルの半分未満しか沈み込んでおらず、マイクロカプセルの体積の半分以上がトナー受容樹脂層表面から外に出ている状態、(4)前記(1)〜(3)の異なるそれぞれの状態にある2種以上のマイクロカプセルがトナー受容樹脂層中に混在している状態、の全てを含む。上記(1)〜(4)の状態を、それぞれ図1A〜Dにモデル的に示す。すなわち、マイクロカプセルがトナー受容樹脂層に接着している状態であれば、マイクロカプセルの体積のほとんど全てがトナー受容樹脂層から外に出ている場合も、本発明の「トナー受容層がマイクロカプセルを含有する」状態に含まれる。図1A〜Dにおいて、1はマイクロカプセル、2はトナー受容樹脂層、3はシート状支持体を表す。
【0030】
本発明の、トナー受容層に含有されるマイクロカプセルは、コア−シェル構造を有し、一般に高分子からなるシェル(殻)の中に、コア(芯)となる芯物質が内包されている粒子状材料である。マイクロカプセルは、一般的に、コアとなる物質を乳化することによって形成された、芯となる油滴の周囲に、重合反応によりシェルとなる高分子の殻を形成して製造される。
【0031】
本発明に用いるマイクロカプセルの製造法は、公知のマイクロカプセル製造法のいずれを使用することもできるが、均一な粒子径をもち、保存性に優れた記録体を製造するのに適したマイクロカプセルを、短時間内に得ることができるため、芯物質の油滴内部からのリアクタントの重合によるマイクロカプセル化法を使用することが特に好ましい。前記重合によるマイクロカプセルの製造法、及びその製造法に用いられる原材料の具体例は、米国特許第3,726,804号、及び同3,796,669号の明細書に記載されている。
【0032】
リアクタントの重合により、コアとなる油滴の周囲にマイクロカプセルのシェル(以下、単に「シェル」ともいう)となる高分子を合成する場合、高分子の原料である反応剤(リアクタント)は、油滴の内部及び/又は油滴の外部に添加される。シェルを構成する高分子としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレン−メタクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共重合体、ポリビニルアセタール、及びゼラチンとアルデヒド化合物との重合体等を例示できる。本発明に用いる、シェルを構成する材料として、これらの高分子から選ばれる2種以上を併用することもできる。
【0033】
上記シェルを構成する材料としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、及びポリカーボネートからなる群から選ばれる1種以上の高分子が好ましく、ポリウレタン及びポリウレアからなる群から選ばれる1種以上が、特に好ましい。
【0034】
例えば、ポリウレタン及びポリウレアからなる群から選ばれる1種以上を用い、以下のようにシェルを形成することができる。多価イソシアネート化合物、又は多価イソシアネート化合物及びこれと反応してシェルを形成することができる化合物、例えばポリオール及び/又はポリアミン等を、マイクロカプセルに内包させる油性液体、すなわちコアとなる油性液体中に混合して得られた液を、ポリビニルアルコールなどの保護コロイド物質及び/又は界面活性剤が溶解されている水性媒体中に乳化分散して、水中油型エマルジョンを形成させる。続いて、必要により多価アミン化合物を水相中に存在させた条件下で温度を上昇させることにより、油滴と水性媒体との界面で高分子合成反応を起こさせ、シェルを形成させる。この方法においては、必要に応じて、溶解力の強い低沸点の補助溶剤を油性液体中に添加して用いることができる。
【0035】
この方法において、シェルの形成に用いられる多価イソシアネート化合物は、イソシアネート基が水と反応することによって生成されるアミノ基、又はポリアミンと反応することによりウレア結合を形成し、あるいはポリオール等のヒドロキシ化合物と反応することでウレタン結合を形成して高分子化する。すなわち、上記方法においてシェルを形成する高分子は、ポリウレア、又はポリウレタン−ポリウレア樹脂である。
【0036】
本発明においてシェルの形成に用いられる上記の多価イソシアネート化合物は、ポリイソシアネート、イソシアネート基が水酸基に対して過剰となるモル比で反応させて得られたポリイソシアネートとポリオールの付加物、及びビウレット体又はイソシアヌレート体等のポリイソシアネートの多量体からなる群から選ばれる1種以上を用いることができる。また、この多価イソシアネート化合物は、シェルの形成反応時にポリオールとの混合物として用いることもできる。
【0037】
本発明に用いることができる上記ポリイソシアネートとしては、例えば、ジシクロヘキシルメタン−4、4’−ジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、5−イソシアネート−1−(イソシアネートメチル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼンなどのジイソシアネート類、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネートなどのトリイソシアネート類、及び4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどのテトライソシアネート類等を例示できるが、これらに限定されない。
【0038】
上記のポリイソシアネートとポリオールとの付加物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート又は2,4−トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、トリレンジイソシアネートのヘキサントリオール付加物、さらには上記ポリイソシアネートと、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、及びポリカーボネートポリオール等からなる群から選ばれるポリオールとの付加物などのイソシアネート基含有プレポリマーを用いることができる。
【0039】
上記のポリイソシアネートの多量体としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネートのビウレット体、及び2,4−トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体を含む、ポリイソシアネートのビウレット体及びイソシアヌレート体を例示できるが、これらに限定されない。
【0040】
本発明では、光による変色が少ない等、耐光性が良好であることから、ジシクロヘキシルメタン−4、4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及び5−イソシアネート−1−(イソシアネートメチル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン等の脂肪族ポリイソシアネート、これら脂肪族ポリイソシアネートとポリオールとの付加物、並びに上記脂肪族ポリイソシアネートのビウレット変性体及びイソシアヌレート変性体からなる群から選ばれる多価イソシアネート化合物を用いることが、特に好ましい。上記の多価イソシアネート化合物は1種のみを用いることも、また所望により2種以上を併用することもできる。
【0041】
本発明において用いる上記ポリオール化合物としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、プロピレングリコール、2,3−ジヒドロキシブタン、1,2−ジヒドロキシブタン、1,3−ジヒドロキシブタン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、フェニルエチレングリコール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、及びグリセリン等の脂肪族ポリオール;前記脂肪族ポリオールのアルキレンオキサイド付加物;1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、p−キシリレングリコール、m−キシリレングリコール、α,α’−ジヒドロキシ−p−ジイソプロピルベンゼン等の芳香族ポリオール;前記芳香族ポリオールのアルキレンオキサイド付加物;4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2−(p,p’−ジヒドロキシジフェニルメチル)ベンジルアルコール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、及び4,4’−イソプロピリデンジフェノール等の多価フェノール系化合物のアルキレンオキサイド付加物;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、及び4−ヒドロキシブチルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステルから選ばれるモノマー、あるいは、このモノマーと他の不飽和基含有モノマーを重合して得られた、オリゴマー及びポリマー等の水酸基含有重合体;ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、及びポリテトラメチレンポリオール等のポリエーテルポリオール;ポリカプロラクトンポリオール;ポリエステルポリオール;及びポリカーボネートポリオール等を例示することができるが、これらに限定されない。上記ポリオールは1種のみを用いることも、また所望により2種以上を併用することもできる。
【0042】
本発明のマイクロカプセルのシェルを形成させる方法に用いるポリアミンとしては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2−ヒドロキシトリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、テトラエチレンペンタミン、トリス(アミノエチル)アミン、エポキシ化合物のアミン付加物、ポリエーテルポリアミン等を例示できる。なお、得られるシェルの耐光性が比較的良好であることから、脂肪族多価アミン化合物を用いることが好ましい。上記ポリアミンは、1種のみを用いることも、また所望により2種以上を併用することもできる。
【0043】
マイクロカプセルのシェルに適度な柔軟性を与えるためには、ポリエーテルポリオール、及び/又はポリエーテルポリアミンを、シェルの形成反応に用いることが好ましい。
【0044】
シェルの形成反応にポリアミンを用いる場合、ポリアミンの添加量は、多価イソシアネート化合物に対して10分の1当量以上、1当量以下が好ましい。ポリアミンの添加量が多価イソシアネート化合物に対して10分の1当量より少ないと、多価イソシアネート化合物の高分子化反応を促進するのに十分な効果が得られない場合がある。なお、上記の当量とは、イソシアネート基1モルに対して反応し得る活性水素が何モルあるかを表す量である。
【0045】
さらに本発明の効果を損なわない範囲で、シェルを形成するために用いる上記の原料に加えて、さらに錫塩等の錫化合物、及びトリエチレンジアミン等の有機アミン化合物から選ばれるウレタン化反応促進のための触媒を併用することができる。
【0046】
シェルを形成するために使用するポリイソシアネート、並びにそれと反応するポリオール及びポリアミンについては、上述した以外に、米国特許3,281,383号、同3,773,695号、同3,793,268号、特公昭48−40347号、同49−24159号、特開昭48−80191号、同48−84086号に開示されており、それらに記載されている化合物を使用することもできる。
【0047】
上述したようにポリウレタン及び/又はポリウレアを含む高分子によってシェルを形成させるほか、本発明においては、水溶性高分子を用いてシェルを形成させることもできる。シェルを形成させるためには、アニオン性高分子、ノニオン性高分子及び両性高分子のいずれの水溶性高分子も用いることができる。さらに上記水溶性高分子として、天然高分子又は合成高分子のどちらを用いることもでき、あるいはこれら両方を併用することもできる。
【0048】
上記水溶性のアニオン性高分子としては、COO−、SO3 −等のイオン性の基を有する高分子を例示できる。アニオン性の天然高分子としては、アラビアゴム、及びアルギン酸等を例示でき、アニオン性の半合成高分子としては、カルボキシメチルセルロース、フタル化ゼラチン、硫酸化デンプン、硫酸化セルロース、及びリグニンスルホン酸を例示できる。
【0049】
アニオン性の合成高分子としては、重合に用いるモノマーとして、例えば、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸エステル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる1種以上を含むモノマーを用いて重合された重合体及び共重合体、並びにこの重合体及び共重合体を加水分解して得られた重合体及び共重合体、さらにカルボキシ変性ポリビニルアルコールを例示できる。
【0050】
上記ノニオン性高分子としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースを例示できる。
【0051】
上記両性高分子としては、ゼラチンを例示できる。
【0052】
水溶性高分子を用いてマイクロカプセルのシェルを形成させるためには、コアセルベーション法を使用することができる。この方法及びこれ以外の方法においても、上記水溶性高分子は、0.01〜10質量%の水溶液として用いることが好ましく、また、後述するマイクロカプセルのコアとなる成分を0.2%以上含有した乳化液を用いることが好ましい。
【0053】
本発明のマイクロカプセルのシェルを構成する高分子は、室温では融解せず、50℃以上の軟化点を持つ高分子が好ましい。これは、常温ではトナー受容層中に含有されるマイクロカプセルが安定であり、しかも、記録体上に転写されたトナー像を定着するためにオイルレス定着システムの熱ロール定着装置で、記録体を加熱・加圧したときには、マイクロカプセルのシェルが破れ、又はマイクロカプセルに内包した材料が滲出することができるほどにシェルが柔軟になることにより、マイクロカプセルに内包した材料がマイクロカプセル外に出てくることができるからである。
【0054】
本発明のトナー受容層に含有させるマイクロカプセルの粒径は、100μm以下であることが好ましく、特に50μm以下であることが好ましいが、これは、トナー像をトナー受容層に定着させるときに、加熱ロールからの熱をマイクロカプセルに充分に伝えることができ、マイクロカプセルに内包された材料がマイクロカプセルから外に出ることによって、トナー受容層に定着されるトナー像を高画質にできることによる。マイクロカプセルの粒径が100μmを超えると、加熱ロールからマイクロカプセルに充分な熱が伝わらず、そのため、マイクロカプセルに内包された材料がマイクロカプセルから外に出られないため、トナー受容層に定着されたトナー像の画質が低下する場合がある。したがって、本発明において用いるマイクロカプセルは、100μmを超える粒径のマイクロカプセルを実質的に含まないことが好ましく、50μm超える粒径のマイクロカプセルを実質的に含まないことが特に好ましい。マイクロカプセルの粒径は分布を有するものであるため、本明細書において、上記の「実質的に含まない」とは、その数の割合が10%以下、好ましくは5%以下であることをいう。マイクロカプセルの粒径は、用いる界面活性剤の種類及び使用量を調節すること、及び撹拌強度等の乳化条件を制御すること等の公知の方法により、マイクロカプセルに内包される材料(コア材料)を含む油滴の粒径を制御することによって行うことができる。なお、本明細書中において、マクロカプセルの粒径とは、島津製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2000Jによって測定された粒径である。
【0055】
次にマイクロカプセルのシェルに内包される材料(コア材料)について説明する。本発明の記録体のトナー受容層には、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセルが含有される。トナー受容性成分とは、記録体に転写されたトナー像を記録体表面に定着させることができる成分をいい、熱可塑性樹脂、オリゴマー、及び可塑剤からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
【0056】
マイクロカプセルに内包される熱可塑性樹脂及びオリゴマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂及びオリゴマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルアセタール、ポリスチレンなどのポリビニル系樹脂及びオリゴマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂及びオリゴマー;ポリアミド系樹脂;エチレン及び/又はプロピレンなどのオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂及びオリゴマー;アイオノマー系樹脂及びオリゴマー;エチルセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース系重合体;ポリカーボネート系樹脂及びオリゴマー;ならびに、フェノキシ系樹脂及びオリゴマーから選ばれる1種以上を用いることが好ましい。樹脂又はオリゴマーを単独で用いてもよく、また、樹脂及びオリゴマーを併用することもできる。
【0057】
次にマイクロカプセルに内包される可塑剤(以下、「マイクロカプセル用可塑剤」という)について説明する。マイクロカプセル用可塑剤としては、フタル酸エステル、脂肪族2塩基酸エステル、グリコールエステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、及びマレイン酸エステルなどを用いることができる。
【0058】
上記フタル酸エステルとしては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸イソブチル、フタル酸ブチル、フタル酸ヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジフェニル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、及びフタル酸メチルオレイルなどを例示できる。
【0059】
上記脂肪族2塩基酸エステルとしては、コハク酸ジイソデシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル、及びテトラヒドロフタル酸ジオクチルなどを例示できる。
【0060】
上記グリコールエステルとしては、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、及びペンタエリスリトールエステルなどを例示できる。
【0061】
上記脂肪酸エステルとしては、オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル、塩素化脂肪酸メチル、及びメトキシ塩素化脂肪酸メチルなどを例示できる。
【0062】
上記リン酸エステルとしては、リン酸トリクレシル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリシクロヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクロロエチル、及びリン酸クレシルジフェニルなどを例示できる。
【0063】
上記マレイン酸エステルとしては、マレイン酸ジブチル、及びマレイン酸ジオクチルなどを例示できる。
【0064】
マイクロカプセル中に内包されるトナー受容性成分は、熱可塑性樹脂、オリゴマー、及び可塑剤からなる群から選ばれる1種類以上の材料を含むことができるが、2種類以上の材料をマイクロカプセルに内包させる場合は、1種類のマイクロカプセルに全ての材料を内包させることもできるし、異なる材料を内包した2種類以上のマイクロカプセルを混合して用いることもできる。
【0065】
本発明のトナー受容層は、離型剤を含有する。なお、「離型剤」の語は、記録体上にトナー像を定着させるための加熱及び加圧装置、例えば加熱ロールと、記録体との間の粘着力及び摩擦係数を小さくすることができる材料の意味で用いる。
【0066】
トナー受容層に離型剤を含有させるための好ましい方法は、(1)マイクロカプセルに内包されていない離型剤を、トナー受容層に含まれるトナー受容性樹脂に混合して、トナー受容層に含有させる方法、(2)トナー受容性成分とともに離型剤を内包させたマイクロカプセルをトナー受容層に含有させる方法、(3)トナー受容性成分を内包したマイクロカプセルとは別に、離型剤を内包したマイクロカプセルをトナー受容層に含有させる方法、及び、これら(1)〜(3)の方法から選ばれる2以上を組み合わせた方法を挙げることができる。例えば、受容層に含有させる離型剤の一部を上記(1)〜(3)から選ばれる第1の方法で含有させ、離型剤の残部を第1の方法と異なる第2の方法で含有させる方法、及び受容層に含有させる離型剤の一部を上記(1)〜(3)から選ばれる第1の方法で含有させ、第1の方法と異なる第2の方法で離型剤の別の一部を含有させ、第3の方法で離型剤の残部を含有させることができる。
【0067】
さらにトナー受容層に含有させる離型剤は、2種以上を併用してもよい。2種以上の離型剤を併用する場合、それぞれの離型剤をトナー受容層に含有させる方法は、上記(1)〜(3)の方法から選択された1以上の方法のうち、同一の方法でも、異なる方法でもよい。また、2種以上の離型剤の一部又は全部を混合したもの、及び混合しなかった残部を、それぞれ、上記(1)〜(3)から選ばれる1以上の方法でトナー受容層に含有させてもよい。
【0068】
トナー受容層に含有させる離型剤としては、シリコーンオイル及びシリコーン系グラフトポリマーを含むケイ素化合物、フッ素化合物、ワックス類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸の金属塩類、高級脂肪酸のエステル類、高級脂肪酸のアミド類、及び高級脂肪族アルコール類などを用いることができる。これらの離型剤は、単独で用いることも、又は2種以上を併用することもできる。
【0069】
上記ケイ素化合物としては、主鎖がシロキサン結合を有し、側鎖にメチル基、フェニル基、ビニル基などの有機基を有する、液状、半固体状又は固体状のシリコーン系化合物、及びこれらのシリコーン系化合物の構造を一部に有するグラフトポリマーを例示できる。このようなシリコーン系化合物は、さらに置換基として、カルボキシル基、アミノ基、4級化アミノ基、フッ素原子などを有することもでき、直鎖状及び分岐状化合物のみならず三次元的網状構造を有するポリマーも含む。
【0070】
上記シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジエンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、及び環状ジメチルシリコーンオイル等のシリコーンオイル、並びに、例えばシラノール変性、カルボキシ変性、及びアミノ変性シリコーンオイル等の分子中に反応性基を有する変性シリコーンオイルを例示できる。
【0071】
上記シリコーン系グラフトポリマーとしては、シリコーンマクロモノマーとアクリル系モノマーとの共重合物等を例示できる。
【0072】
上記フッ素化合物としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素含有ポリマー、並びにフッ素置換長鎖アルキル基を有する、炭化水素類、アルコール類、カルボン酸類、スルホン酸類、及びスルホンアミド類などの、液状、半固体状、又は固体状のフルオロカーボン系化合物を例示できる。
【0073】
上記ワックス類としては、パラフィンワックス、塩素化パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、セレシンワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、及び蜜ロウなどの合成及び天然ワックスを例示できる。
【0074】
上記高級脂肪酸類としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びセバシン酸などを例示できる。なお、本明細書中、高級脂肪酸には、高級飽和脂肪酸のほか、高級不飽和脂肪酸も含む。
【0075】
上記高級脂肪酸の金属塩としては、高級脂肪酸のBa,Ca,Zn,Al、及びMgなどの塩を例示できる。
【0076】
上記高級脂肪酸のエステル類としては、上記高級脂肪酸とモノアルコール類からなるエステル類、並びに上記高級脂肪酸と、グリコール及びグリセリン等のポリオール類とのエステル類などを例示できる。
【0077】
上記高級脂肪酸のアミド類としては、上記脂肪酸と、アンモニア、アルキルアミン類、及びアルキレンジアミン類などから選ばれるアミン化合物とからなるアミド類があげられる、具体的には、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステアリルアミド、及びエチレンビスステアリルアミドなどを例示できる。
【0078】
上記高級脂肪族アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールなどを例示できる。
【0079】
離型剤をトナー受容性成分とともにマイクロカプセルに内包して用いる場合は、トナー受容性成分とともに離型剤が混合された油滴の周囲にシェルを形成させて得られるマイクロカプセルを用いることができる。トナー受容性成分を内包せず、離型剤を内包するマイクロカプセルを用いる場合は、離型剤を含み、トナー受容性成分を含まない油滴の周囲にシェルを形成させて得られるマイクロカプセルを用いることができる。いずれの場合も、上記のトナー受容性成分を内包するマイクロカプセルの製造法に準拠して、それぞれのマイクロカプセルを調製することができる。
【0080】
マイクロカプセルに内包させる熱可塑性樹脂、オリゴマー、及び可塑剤、並びにトナー受容層に含有させる離型剤の種類、用いる量比等は、最終的に得られる記録体の特性が最適になるように、任意に選択することができる。異なる材料を内包した2種類以上のマイクロカプセルを併用する場合も、記録体の特性が最適になるように、マイクロカプセルの種類及び量を選択して用いることができる。
【0081】
次にシート状支持体へのトナー受容層の塗工方法について説明する。
上述した通り、本発明の記録体においては、シート状支持体の少なくとも一面上に、トナー受容性樹脂、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセル、及び離型剤を含有するトナー受容層が形成される。このトナー受容層は、シート状支持体の表面にトナー受容層を構成する材料を塗工することによって形成することができる。シート状支持体上へのトナー受容層の塗工は、公知の塗工装置、例えばブレードコータ、エヤーナイフコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコータ、チャンプレックスコータ、ブラシコータ、ツーロールあるいはメータリングブレード式のサイズプレスコータ、ビルブレードコータ、ショートドウェルコータ、ゲートロールコータ、及びスプレーコータなどを用いて行うことができる。
【0082】
トナー受容性成分を内包するマイクロカプセル、及び場合により離型剤を内包したマイクロカプセルは、トナー受容層を形成するトナー受容性樹脂を含む材料の水性分散液に、マイクロカプセルの水性分散液を添加して、シート状支持体上に塗工する等の方法で添加することができる。
【0083】
また、トナー受容層を形成するための、マイクロカプセル以外の材料(トナー受容性樹脂を含む)が、有機溶剤に対して可溶又は分散可能であり、かつ有機溶剤がマイクロカプセルのシェルを溶解しない場合は、先にマイクロカプセル分散液をシート状支持体上に塗工した後、有機溶剤に溶解または分散させた、トナー受容性樹脂を含む、マイクロカプセル以外の材料を、さらにシート状支持体上に塗工してトナー受容層を形成させることもできる。
【0084】
本発明のトナー受容層は、本質的に均一な組成の単一の層である場合に限定されず、2以上の層を積層することもできる。たとえば、シート状支持体上に第1のトナー受容層を形成した後、さらにその上に別の第2のトナー受容層を形成してもよく、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセルは、第1及び第2のトナー受容層の双方に含有させても、第1又は第2のトナー受容層のいずれか一方にのみ含有させることもできる。但し、最も表面に形成されたトナー受容層が、上記マイクロカプセルを含有することが好ましい。
【0085】
トナー受容層に含有させる離型剤は、トナー受容層全体に均一に存在させても、濃度分布が存在してもよく、例えば、トナー受容層の表面層にのみ存在させてもよい。トナー受容層の表面層に離型剤を存在させる方法としては、多層構造にしたトナー受容層の表面層にのみ離型剤を含有させた材料を塗工する方法や、トナー受容層表面から離型剤を含浸させる方法などが例示できる。
【0086】
トナー受容層に含有させる、トナー受容性樹脂、マイクロカプセルに内包させるトナー受容性成分、及び離型剤のそれぞれの種類及び量、並びにマイクロカプセルのシェルを形成する材料、シェルの厚さ、及び粒径等は、得られる記録体が好ましい特性を発現するように適宜設定することができる。
【0087】
本発明の記録体は、トナー受容層の表面電気抵抗値が1×105 〜5×1014Ω/cm2であることが好ましく、5×109 〜5×1013Ω/cm2であることがさらに好ましい。表面電気抵抗値が5×1014Ω/cm2 を超えると、放電マークが発生し、トナー像の転写率が低下する傾向がある。表面電気抵抗値を5×101 4Ω/cm2以下にするために、記録体中にアニオン性、カチオン性、又は両性の帯電防止剤、導電性金属酸化物、及び導電性高分子からなる群から選ばれる1種以上の材料を添加することができる。
【0088】
上記カチオン性の帯電防止剤としては、ヘテロ環アミン類、4級アンモニウム塩類、スルホニウム塩類、ホスホニウム塩類、及びベタイン系両性塩類などを用いることができる。これらの中でも4級アンモニウム塩類を用いることが好ましい。
【0089】
上記アニオン性の帯電防止剤としては、脂肪酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルスルホコハク酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩類、及びナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物などを用いることができる。
【0090】
上記導電性金属酸化物としては、ZnO、TiO2 、SnO2 、SiO2 、Al2 O3 、MgO、MoO3 、CoO、及びIn2 O3 などを用いることができる。これらは、1種又は2種以上を混合して用いても、またこれらの複合酸化物として用いることもできる。また、上記金属酸化物に異種元素を含有させたものがさらに好ましく、例えば、Al及びInなどから選ばれる元素を含有(ドーピング)させたZnO、Nb及びTaなどから選ばれる元素を含有(ドーピング)させたTiO、並びにSb、Nb、及びハロゲン元素などから選ばれる元素を含有(ドーピング)させたSnO2 から選ばれる1種以上の材料を用いることが好ましく、SbをドーピングしたSnO2 を用いることが特に好ましい。
【0091】
本発明においては、シート状支持体の片面上、又は両面上にトナー受容層を設けることができるが、シート状支持体の一面のみにトナー受容層を設ける場合は、シート状支持体のトナー受容層を設けた面の反対側の面に、帯電防止剤を含有する帯電防止層を設けることができる。この帯電防止層に用いる帯電防止剤としては、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸塩、カルボン酸スルホンエステル、リン酸エステル、ヘテロ環アミン類、4級アンモニウム塩類、スルホニウム塩類、ホスホニウム塩類、及びベタイン系両性塩類などを例示できる。上述の通り、電子写真用トナー受容層に帯電防止剤を含有させる場合、この帯電防止剤と、上記帯電防止層に用いる帯電防止剤は、同一でも、異なっていてもよい。
【0092】
上記の帯電防止層の表面電気抵抗値は、1×108〜1×1012Ω/cm2の範囲であることが好ましく、5×108〜5×1011Ω/cm2の範囲であることがさらに好ましい。表面電気抵抗値が1×108 Ω/cm2未満であると、高湿度環境下において、バイアストランスファーロールに印加する転写電圧を高くした場合に、記録体表面の電荷がペーパーシュートなどにリークし易くなるため、トナー像の転写に必要な電荷が得られなくなり、記録体へのトナー像の転写効率が低下するので好ましくない。また、表面電気抵抗値が1×1012Ω/cm2を超えると、低湿度環境下で放電マークが発生し易くなり、トナー像の転写ラチチュードが狭くなることから好ましくない。
【0093】
この帯電防止層を設けた面に、すべり性を向上させるための離型剤をさらに含有させることができる。
【0094】
本発明の記録体においては、シート状支持体とトナー受容層との間に、中間接着層を設けることができる。トナー受容層に用いる材料の種類により、シート状支持体表面とトナー受容層との接着力が不充分になる場合がある。そのような場合には、シート状支持体表面とトナー受容層との間に中間接着層を設けて、これらの間の密着性を向上させることにより、定着されたトナー像がトナー受容層と一緒に、シート状支持体から剥離しないようにすることができる。
【0095】
中間接着層は、シート状支持体、及びトナー受容層との接着力に優れ、かつ耐熱性が高く、トナー像定着時の加熱により溶融しない樹脂により構成される。中間接着層に用いることができる樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、ウレタン樹脂、及びメラミン樹脂等が例示できる。中間接着性は、シート状支持体とトナー受容層との密着性を確保するため、ある程度以上の厚さを有することが必要であるが、あまり厚くすると、トナーの沈みこみ効果が小さくなるため好ましくない。中間接着層の厚さは、0.05〜0.5μmの範囲内にあることが好ましい。
【0096】
以下、図を用いて本発明をさらに説明する。図2Aは、熱ロールにオイルを塗布するタイプの熱ロール定着装置によって定着された、従来のトナー像をモデル的に示した図である。図2Aの4、5、6は、それぞれ低濃度、中濃度、高濃度のトナー像を示す。7はトナー受容層を示す。従来のオイル使用型の熱ロール定着装置によって定着されたトナー像は、いずれの濃度においても、定着後のトナー像表面が平滑であり、白紙部同様の光沢が得られやすい。但し、高濃度のトナー像の場合、画像部と白紙部の間に段差が生じることがあった。
【0097】
図2Bは、オイルレス定着システムによる熱ロール定着装置により定着された従来のトナー像をモデル的に示した図である。図2Bの8、9、10は、それぞれ低濃度、中濃度、高濃度の場合のトナー像を示す。11はトナー受容層を示す。オイルレス定着システムの熱ロール定着装置によって定着されたトナー像は、上述したとおり、トナーの樹脂成分の軟化が不充分であり、トナー受容層への沈み込みが不足するとともに、トナー像表面が平滑にならず、画像部と白紙部との光沢に差が生じやすい。さらに、画像部と白紙部との間に段差が生じやすい。この光沢差及び段差は、トナー像が高濃度であるほど顕著になる。
【0098】
図3Aは、本発明の記録体のトナー受容層上にトナー像が転写された状態をモデル的に示した図である。図3Bは、図3Aに示したトナー像がオイルレス定着システムによる熱ロール定着装置により定着された後の状態をモデル的に示した図である。図3A中、12はトナー粒子、13はマイクロカプセル、14はマイクロカプセルに内包されたトナー受容性成分、例えば熱可塑性樹脂等を表す。15はトナー受容層、17はシート状支持体を表す。図3B中、12はトナー粒子、15はトナー受容層、14はトナー像表面に広がった、マイクロカプセルに内包されていたトナー受容性成分を表す。16は、トナー像定着後のマイクロカプセルを表す。図3Aに示したトナー受容層上に転写されたトナー像は、熱ロール定着装置により定着されて図3Bの状態になる。このとき、トナー像がトナー受容層に沈み込むとともに、記録体のトナー受容層に含有されたマイクロカプセル中の熱可塑性樹脂等が、マイクロカプセルが破れ及び/又はマイクロカプセルのシェルが軟化することによって滲み出し、トナー像表面及び白紙部表面に広がる。このトナー像及び白紙部の表面に広がった熱可塑性樹脂等によりトナー像表面が平滑になるとともに、画像部と白紙部との段差も連続的に滑らかになることにより、画像部及び白紙部が均一かつ高い光沢を有し、画像部と白紙部との間の段差もなくなるか、その差がきわめて小さなものになると考えられる。さらに、トナー受容層中に離型剤を含有させることによって、熱可塑性樹脂等14及び/又はトナー受容層の表面と熱ロールとの間の粘着力及び摩擦係数を低下させ、オフセット現象や巻き付き現象を防止できる。
【0099】
本発明の記録体上に定着されたトナー像は、低濃度から高濃度に至るまで平滑な表面を有し、白紙部と同様の光沢が得られ、しかも、定着されたトナー像である画像部と白紙部との間に段差がほとんど生じない。
【0100】
【実施例】
本発明を下記実施例により更に詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
また、下記実施例において、マイクロカプセルの粒径は、島津製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2000Jによって測定した。以下の実施例で製造したマイクロカプセルは、いずれも、100μmを超える粒径のマイクロカプセルの含有量は、マイクロカプセルの数量で5%以下であった。
【0101】
[実施例1]
(熱可塑性樹脂内包マイクロカプセル分散液Aの調製)
熱可塑性ポリエステル樹脂(商品名:TP217、日本合成化学社製、ガラス転移温度40℃)25部を酢酸エチル75部に添加し、均一に混合した。得られた混合液に、マイクロカプセルのシェルを形成する材料(以下の実施例中「カプセル壁材」という。)としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)2部を添加して、均一に混合し、得られた混合液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを用い、回転数2000rpmで2分間乳化分散させた。得られた乳化分散液を70℃に昇温し、70℃で6時間、重合反応を行ない、熱可塑性樹脂を内包する平均粒径が30μmのマイクロカプセルを含有する、マイクロカプセル分散液Aを得た。
【0102】
(シリコーンオイル内包マイクロカプセル分散液Bの調製)
エポキシ変性シリコーンオイル(商品名:X−22−163C、信越化学工業社製)25部を酢酸エチル75部に添加し、均一に混合した。得られた混合液にカプセル壁材としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)1.5部を添加し、均一に混合し、得られた液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを用い、回転数3000rpmで2分間乳化分散させた。得られた乳化分散液を70℃に昇温し、70℃で6時間、重合反応を行ない、シリコーンオイルを内包する平均粒径20μmのマイクロカプセルを含む、マイクロカプセル分散液Bを得た。
【0103】
(トナー受容層用塗料Aの調製)
マイクロカプセル分散液A64.7部、マイクロカプセル分散液B3.9部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水23.9部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Aを得た。
【0104】
(電子写真用転写記録体Aの作成)
坪量104.7g/m2の顔料塗工上質紙(商品名:ミラーコートプラチナ、王子製紙社製)の一方の面に、上記トナー受容層用塗料Aを、乾燥後の塗工量が15g/m2となるように塗工乾燥してトナー受容層を設け、電子写真用転写記録体Aを得た。
【0105】
[実施例2]
(可塑剤内包マイクロカプセル分散液Cの調製)
フタル酸ジフェニル100部に、カプセル壁材としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)2部を添加し、均一に混合し、得られた混合液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを用い、回転数2000rpmで2分間乳化分散させた。得られた乳化分散液を70℃に昇温し、70℃で6時間、重合反応を行ない、フタル酸ジフェニルを内包する平均粒径30μmのマイクロカプセルを含む、マイクロカプセル分散液Cを得た。
【0106】
(トナー受容層用塗料Bの調製)
マイクロカプセル分散液A45.7部、マイクロカプセル分散液B7.7部、マイクロカプセル分散液C15.2部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水23.9部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Bを得た。
【0107】
(電子写真用転写記録体Bの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして、電子写真用転写記録体Bを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Bを用いた。
【0108】
[実施例3]
(混合物内包マイクロカプセル分散液Dの調製)
熱可塑性ポリエステル樹脂(商品名:TP217、日本合成化学社製、ガラス転移温度40℃)22.5部を酢酸エチル75部に添加し、均一に混合した。得られた混合液にワックスとしてステアリン酸メチル(商品名:ステアリン酸メチル95、日本油脂社製)2.5部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にカプセル壁材としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)2部を添加し、均一に混合し、得られた混合液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを使用し、回転数2000rpmで2分間乳化分散させた。得られた乳化分散液を70℃に昇温し、70℃で6時間、重合反応を行ない、熱可塑性ポリエステル樹脂及びステアリン酸メチルを内包した平均粒径30μmのマイクロカプセルを含む、マイクロカプセル分散液Dを得た。
【0109】
(トナー受容層用塗料Cの調製)
マイクロカプセル分散液D68.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水24部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Cを得た
【0110】
(電子写真用転写記録体Cの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Cを作成した。但し、実施例1で用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Cを用いた。
【0111】
[実施例4]
(混合物内包マイクロカプセル分散液Eの調製)
熱可塑性ポリエステル樹脂(商品名:TP217、日本合成化学社製、ガラス転移温度40℃)22.5部を酢酸エチル75部に添加し、均一に混合した。得られた混合液にフタル酸ジフェニル2.5部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にカプセル壁材としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)2部を添加し、均一に混合した。得られた混合液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを使用し、回転数2000rpmで2分間乳化分散させた。この乳化分散液を70℃に昇温し、70℃で6時間、重合反応を行ない、熱可塑性ポリエステル樹脂及びフタル酸ジフェニルを内包する平均粒径30μmのマイクロカプセルを含む、マイクロカプセル分散液Eを得た。
【0112】
(トナー受容層用塗料Dの調製)
マイクロカプセル分散液B7.7部、マイクロカプセル分散液E60.9部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水23.9部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Dを得た。
【0113】
(電子写真用転写記録体Dの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Dを作成した。但し、実施例1で用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Dを用いた。
【0114】
[実施例5]
(混合物内包マイクロカプセル分散液Fの調製)
熱可塑性ポリエステル樹脂(商品名:TP217、日本合成化学社製、ガラス転移温度40℃)22.5部を酢酸エチル75部に添加し、均一に混合した。得られた混合液にエポキシ変性シリコーンオイル(商品名:X−22−163C、信越化学工業社製)2.5部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にカプセル壁材としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)2部を添加し、均一に混合した。得られた混合液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを使用し、回転数2000rpmで2分間乳化分散させた。得られた乳化分散液を70℃に昇温し、70℃で6時間、重合反応を行ない、熱可塑性ポリエステル樹脂とエポキシ変性シリコーンオイルを内包した平均粒径30μmのマイクロカプセルを含む、マイクロカプセル分散液Fを得た。
【0115】
(トナー受容層用塗料Eの調製)
マイクロカプセル分散液F68.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水24部からなる組成物を混合攪拌して、トナー受容層用塗料Eを得た
【0116】
(電子写真用転写記録体Eの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Eを作成した。但し、実施例1で用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Eを用いた。
【0117】
[実施例6]
(混合物内包マイクロカプセル分散液Gの調製)
熱可塑性ポリエステル樹脂(商品名:TP217、日本合成化学社製、ガラス転移温度40℃)21部を酢酸エチル75部に添加し、均一に混合した。得られた混合液にワックスとしてステアリン酸メチル(商品名:ステアリン酸メチル95、日本油脂社製)2部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にフタル酸ジフェニル2部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にカプセル壁材としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)2部を添加し、均一に混合した。得られた混合液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを使用し、回転数2000rpmで2分間乳化分散させた。得られた乳化分散液を70℃に昇温し、70℃で6時間、重合反応を行ない、熱可塑性ポリエステル樹脂、ステアリン酸メチル、及びフタル酸ジフェニルを内包する平均粒径30μmのマイクロカプセルを含む、マイクロカプセル分散液Gを得た。
【0118】
(受容層用塗料Fの調製)
マイクロカプセル分散液G68.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水24部からなる組成物を混合攪拌して、トナー受容層用塗料Fを得た
【0119】
(電子写真用転写記録体Fの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Fを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Fを用いた。
【0120】
[実施例7]
(混合物内包マイクロカプセル分散液Hの調製)
熱可塑性ポリエステル樹脂(商品名:TP217、日本合成化学社製、ガラス転移温度40℃)22部を酢酸エチル75部に添加し、均一に混合した。得られた混合液にワックスとしてステアリン酸メチル(商品名:ステアリン酸メチル95、日本油脂社製)1.5部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にエポキシ変性シリコーンオイル(商品名:X−22−163C、信越化学工業社製)1.5部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にカプセル壁材としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)2部を添加し、均一に混合し、得られた混合液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを使用し、回転数2000rpmで2分間乳化分散させた。得られた乳化分散液を70℃に昇温し、70℃で6時間、重合反応を行ない、熱可塑性ポリエステル樹脂、ステアリン酸メチル、及びエポキシ変性シリコーンオイルを内包する平均粒径30μmのマイクロカプセルを含む、マイクロカプセル分散液Hを得た。
【0121】
(トナー受容層用塗料Gの調製)
マイクロカプセル分散液H68.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水24部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Gを得た
【0122】
(電子写真用転写記録体Gの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Gを作成した。但し、実施例1において用いた受容層用塗料Aに代えて、受容層用塗料Gを用いた。
【0123】
[実施例8]
(混合物内包マイクロカプセル分散液Iの調製)
熱可塑性ポリエステル樹脂(商品名:TP217、日本合成化学社製、ガラス転移温度40℃)21部を酢酸エチル75部に添加し、均一に混合した。得られた混合液にフタル酸ジフェニル2部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にエポキシ変性シリコーンオイル(商品名:X−22−163C、信越化学工業社製)2部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にカプセル壁材としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)2部を添加し、均一に混合し、この液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを使用し、回転数2000rpmで2分間乳化分散させた。得られた乳化分散液を70℃に昇温し、70℃で6時間、重合反応を行ない、熱可塑性ポリエステル樹脂、フタル酸ジフェニル、及びエポキシ変性シリコーンオイルを内包した平均粒径30μmのマイクロカプセルを含む、マイクロカプセル分散液Iを得た。
【0124】
(トナー受容層用塗料Hの調製)
マイクロカプセル分散液I68.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水24部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Hを得た
【0125】
(電子写真用転写記録体Hの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Hを作成した。但し、実施例1で用いた受容層用塗料Aに代えて、受容層用塗料Hを用いた。
【0126】
[実施例9]
(混合物内包マイクロカプセル分散液Jの調製)
熱可塑性ポリエステル樹脂(商品名:TP217、日本合成化学社製、ガラス転移温度40℃)21部を酢酸エチル75部に添加し、均一に混合した。得られた混合液にワックスとしてステアリン酸メチル(商品名:ステアリン酸メチル95、日本油脂社製)1部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にフタル酸ジフェニル2部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にエポキシ変性シリコーンオイル(商品名:X−22−163C、信越化学工業社製)1部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にカプセル壁材としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)2部を添加し、均一に混合し、得られた混合液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを使用して、回転数2000rpmで2分間乳化分散させた。得られた乳化分散液を70℃に昇温し、70℃で6時間、重合反応を行ない、熱可塑性ポリエステル樹脂、ステアリン酸メチル、フタル酸ジフェニル、及びエポキシ変性シリコーンオイルを内包した平均粒径30μmのマイクロカプセルを含む、マイクロカプセル分散液Jを得た。
【0127】
(トナー受容層用塗料Iの調製)
マイクロカプセル分散液J68.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水24部からなる組成物を混合攪拌して、トナー受容層用塗料Iを得た
【0128】
(電子写真用転写記録体Iの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Iを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Iを用いた。
【0129】
[実施例10]
(トナー受容層用塗料Lの調製)
実施例1で調製したマイクロカプセル分散液A64.7部、パラフィンワックス分散液(商品名:ハイドリンE−139、中京油脂社製)2.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水25.3部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Lを得た
【0130】
(電子写真用転写記録体Lの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Lを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Lを用いた。
【0131】
[実施例11]
(トナー受容層用塗料Tの調製)
実施例3で調製した混合物内包マイクロカプセル分散液D64.7部、パラフィンワックス分散液(商品名:ハイドリンE−139、中京油脂社製)2.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水25.3部からなる組成物を混合撹拌してトナー受容層用塗料Tを得た。
【0132】
(電子写真用転写記録体Tの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Tを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Tを用いた。
【0133】
[実施例12]
(トナー受容層用塗料Uの調製)
実施例1で調製した熱可塑性樹脂内包マイクロカプセル分散液A60.9部、実施例1で調製したシリコーンオイル内包マイクロカプセル分散液B3.9部、パラフィンワックス分散液(商品名:ハイドリンE−139、中京油脂社製)2.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水25.2部からなる組成物を混合撹拌してトナー受容層用塗料Uを得た。
【0134】
(電子写真用転写記録体Uの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Uを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Uを用いた。
[実施例13]
(トナー受容層用塗料Vの調製)
実施例1で調製したシリコーンオイル含有マイクロカプセル分散液B7.7部、実施例3で調製した混合物内包マイクロカプセル分散液D60.9部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水23.9部からなる組成物を混合撹拌してトナー受容層用塗料Vを得た。
【0135】
(電子写真用転写記録体Vの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Vを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Vを用いた。
【0136】
[実施例14]
(トナー受容層用塗料Wの調製)
実施例1で調製したシリコーンオイル含有マイクロカプセル分散液B3.9部、実施例3で調製した混合物内包マイクロカプセル分散液D60.9部、パラフィンワックス分散液(商品名:ハイドリンE−139、中京油脂社製)2.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水25.2部からなる組成物を混合撹拌してトナー受容層用塗料Wを得た。
【0137】
(電子写真用転写記録体Wの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Wを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Wを用いた。
【0138】
[実施例15]
(混合物内包マイクロカプセル分散液Mの調製)
熱可塑性のスチレンオリゴマー(商品名:ビコラスチックA75、EASTMANケミカル社製、軟化点75℃)22.5部を酢酸エチル75部に添加し、均一に混合した。得られた混合液にフタル酸ジフェニル2.5部を添加し、均一に混合した。得られた混合液にカプセル壁材としてヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル社製)2部を添加し、均一に混合し、得られた混合液をポリビニルアルコール(商品名:PVA−217EE、クラレ社製)3.9部を含む水溶液130部中に添加し、ホモジナイザーを使用し、回転数2000rpmで2分間乳化分散させた。得られた乳化分散液を70℃に昇温し、6時間の重合反応を行い、平均粒径30μmのスチレンオリゴマー、及びフタル酸ジフェニルを内包したマイクロカプセルを含む、マイクロカプセル分散液Mを得た。
【0139】
(トナー受容層用塗料Xの調製)
実施例1で調製したシリコーンオイル内包マイクロカプセル分散液B3.9部、上記マイクロカプセル分散液M60.9部、パラフィンワックス分散液(商品名:ハイドリンE−139、中京油脂社製)2.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水25.2部からなる組成物を混合撹拌してトナー受容層用塗料Xを得た。
【0140】
(電子写真用転写記録体Xの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Xを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Xを用いた。
【0141】
[比較例1]
(トナー受容層用塗料Nの調製)
アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)75部、及び水25部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Nを得た。
【0142】
(電子写真用転写記録体Nの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Nを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Nを用いた。
【0143】
[比較例2]
(トナー受容層用塗料Oの調製)
実施例1で調製したマイクロカプセル分散液A68.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水24部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Oを得た。
【0144】
(電子写真用転写記録体Oの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Oを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Oを用いた。
【0145】
[比較例3]
(トナー受容層用塗料Pの調製)
実施例1で調製したマイクロカプセル分散液A38.1部、マイクロカプセル分散液C30.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水23.9部からなる組成物を混合攪拌して受容層用塗料Pを得た。
【0146】
(電子写真用転写記録体Pの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Pを作成した。但し、実施例1で用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Pを用いた。
【0147】
[比較例4]
(トナー受容層用塗料Rの調製)
マイクロカプセル分散液C68.5部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水24部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Rを得た。
【0148】
(電子写真用転写記録体Rの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Rを作成した。但し、実施例1において用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Rを用いた。
【0149】
[比較例5]
(トナー受容層用塗料Sの調製)
実施例1で調製したマイクロカプセル分散液B69.6部、アクリルエマルション樹脂(商品名:バリアスターB1000、三井化学社製)7.5部、及び水22.9部からなる組成物を混合攪拌してトナー受容層用塗料Sを得た。
【0150】
(電子写真用転写記録体Sの作成)
実施例1の電子写真用転写記録体Aの作成と同様にして電子写真用転写記録体Sを作成した。但し、実施例1で用いたトナー受容層用塗料Aに代えて、トナー受容層用塗料Sを用いた。
【0151】
上記の実施例1〜15及び比較例1〜5で作成した電子写真用転写記録体A〜Xについて、以下の評価を行った。
【0152】
(記録体の評価に使用した画像形成・定着装置等)
トナーはキヤノン社製フルカラーレーザービームプリンターLBP−2040専用のカラートナー(商品名:EP−83トナーカートリッジ(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)、キヤノン社製)を使用した。
【0153】
自作したオイルレス定着システムのフルカラーレーザービームプリンターを用いて、電子写真用転写記録体A〜Xの各々のトナー受容層上に、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの順にトナーを4色重ね、トナー重量が2mg/cm2のフルカラー未定着トナー像を形成し、加熱定着ロール温度150℃、平均加熱時間100msecの条件で加熱加圧してトナー像を定着させ、フルカラー定着画像を形成させた。その際、下記の項目について、各記録体の特性を評価した。なお、以下の評価の判断基準にある「評価不可能」とは、各記録体にトナー像を転写・定着させたときに、受容層の剥離、及び/又は加熱ロールへの記録体の巻き付き等の不具合が発生し、実質的に評価をすることができなかったことをいう。
【0154】
(1)定着性1(融着の有無)
電子写真用転写記録体A〜Xの各々について、フルカラー定着画像を形成する際に、定着ローラーに電子写真用転写記録体が融着するか否かを調べた。その判断基準は以下の通りである。
○:記録体のトナー受容層がトナー像定着後に定着ローラーへ貼付かない。
×:記録体のトナー受容層がトナー像定着後に定着ローラーへ貼付く。
【0155】
(2)定着性2(トナーの剥離)
電子写真用転写記録体A〜Xの各々について、フルカラー定着画像を形成する際に、トナーが電子写真用転写記録体から定着ローラーに剥離附着しているか否かを調べた。その判断基準は以下の通りである。
○:記録体にトナー像を定着する際に、トナー受容層上のトナーが定着ローラーにオフセットしていない。
×:記録体にトナー像を定着する際に、トナー受容層上のトナーが定着ローラーにオフセットした。
−:評価不可能
【0156】
(3)画像品質1(画像部の光沢性)
電子写真用転写記録体A〜Xの各々について、フルカラー定着画像の画像品質の目視評価を行った。その判断基準は以下の通りである。
○:画像部に光沢がある。
×:画像部に光沢がない。
−:評価不可能
【0157】
(4)画像品質2(光沢の均一性)
電子写真用転写記録体A〜Xの各々について、フルカラー定着画像の画像品質の目視評価を行った。その判断基準は以下の通りである。
○:画像部及び白紙部の光沢が均一である。
×:画像部及び白紙部の光沢が不均一である。
−:評価不可能
【0158】
(5)画像品質3(段差の有無)
電子写真用転写記録体A〜Xの各々について、フルカラー定着画像の画像品質の目視評価を行った。その判断基準は以下の通りである。
○:画像部と白紙部との境界が滑らかであり、明確な段差が認められない。
×:画像部と白紙部との境界に、明確な段差がある。
−:評価不可能
【0159】
評価結果
上記評価の結果を表1に示す。
【0160】
【表1】
【0161】
【発明の効果】
表1の結果から明らかなように、本発明の電子写真用転写記録体は、電子写真方式により記録体上に転写されたトナー像を加熱、加圧して定着する際に、加熱ローラーにオイル塗布を行わない定着システム(オイルレス定着システム)に使用しても、記録体上に形成された画像部及び白紙部が均一かつ高い光沢を有し、画像部と白紙部との境界にほとんど段差が生じないという効果を有する。さらに、本発明の電子写真用転写記録体はオフセット現象、記録体表面のトナー受容層の剥離、巻き付き現象の発生が極めて少ないという効果を有する。したがって、本発明の電子写真用転写記録体は、モノクロトナー又はカラートナーを用いるオイルレス定着システムによる電子写真方式の画像形成・定着装置に使用する記録体として、きわめて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1A〜図1Dは、トナー受容層に含有されるマイクロカプセルの状態をモデル的に示した図である。
【図2】図2Aは、熱ロールにオイルを塗布するタイプの熱ロール定着装置によって定着されたトナー像をモデル的に示した図である。
図2Bは、オイルレス定着システムによる熱ロール定着装置によって定着されたトナー像をモデル的に示した図である。
【図3】図3Aは、本発明の記録体のトナー受容層上にトナー像が転写された状態をモデル的に示した図である。
図3Bは、本発明の記録体の受容層上に転写されたトナー像が定着された後の状態をモデル的に示した図である。
【符号の説明】
1…マイクロカプセル
2…トナー受容層
3…シート状支持体
4…定着された低濃度のトナー像
5…定着された中濃度のトナー像
6…定着された高濃度のトナー像
7…トナー受容層
8…定着された低濃度のトナー像
9…定着された中濃度のトナー像
10…定着された高濃度のトナー像
11…トナー受容層
12…トナー粒子
13…マイクロカプセル
14…トナー受容性成分
15…トナー受容層
16…トナー像定着後のマイクロカプセル
17…シート状支持体
Claims (9)
- シート状支持体と、前記シート状支持体の少なくとも1面上に形成されたトナー受容層とを有し、前記トナー受容層が、トナー受容性樹脂、トナー受容性成分を内包するマイクロカプセル、及び離型剤を含有することを特徴とする電子写真用転写記録体。
- 前記離型剤が、前記トナー受容性樹脂に混合されている、請求項1に記載の電子写真用転写記録体。
- 前記離型剤が、前記マイクロカプセル中に、前記トナー受容性成分とともに内包されている、請求項1に記載の電子写真用転写記録体。
- 前記離型剤が、前記トナー受容性成分を内包するマイクロカプセルと異なるマイクロカプセルに内包されている、請求項1に記載の電子写真用転写記録体。
- 前記離型剤の一部分が、前記マイクロカプセル中に、前記トナー受容性成分とともに内包されており、かつ、前記離型剤の残部が、前記トナー受容性樹脂に混合されている、請求項1に記載の電子写真用転写記録体。
- 前記離型剤の一部分が、前記トナー受容性成分を内包するマイクロカプセルと異なるマイクロカプセルに内包されており、かつ、前記離型剤の残部が、前記トナー受容性樹脂に混合されている、請求項1に記載の電子写真用転写記録体。
- 前記離型剤の一部分が、前記マイクロカプセル中に、前記トナー受容性成分とともに内包されており、かつ、前記離型剤の残部が、前記マイクロカプセルと異なるマイクロカプセルに内包されている、請求項1に記載の電子写真用転写記録体。
- 前記離型剤の一部分が、前記マイクロカプセル中に、前記トナー受容性成分とともに内包されており、かつ、前記離型剤の別の一部分が、前記マイクロカプセルと異なるマイクロカプセルに内包されており、かつ、前記離型剤の残部が、前記トナー受容性樹脂に混合されている、請求項1に記載の電子写真用転写記録体。
- 前記トナー受容性成分が、熱可塑性樹脂、オリゴマー、及び可塑剤からなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1に記載の電子写真用転写記録体。
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Cited By (3)
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2002
- 2002-08-30 JP JP2002255659A patent/JP2004093955A/ja active Pending
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