JP2004093605A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被記録シートに両面の画像を形成する際、1面目から2面目で、冷やされても冷やされなくても、画像形成時に発生する被記録シートの外形寸法の変化量に応じて、その画像位置および、大きさを合わせるための正確な補正量を算出することにある。
【解決手段】画像定着部で、被記録シートに熱や圧力を与え、画像形成部で形成された画像を定着させる構成の画像形成装置において、該画像形成装置内部の被記録シート搬送パスに温度測定手段を備え、上記温度測定手段によって測定された値を元に、シート温度を算出しシートの大きさは変化量を算出する演算手段を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】画像定着部で、被記録シートに熱や圧力を与え、画像形成部で形成された画像を定着させる構成の画像形成装置において、該画像形成装置内部の被記録シート搬送パスに温度測定手段を備え、上記温度測定手段によって測定された値を元に、シート温度を算出しシートの大きさは変化量を算出する演算手段を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真複写機、マイクロ機器、レーザービームプリンタ等の画像形成装置、特に被記録シートに対して画像を形成し、熱や圧力を与えることにより被記録シート上に形成された画像を定着させる画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の画像形成装置では、被記録シートに対し、画像形成部でトナー像を形成し、画像定着部で該トナー像に対し熱や圧力を与えることにより被記録シートに画像を定着させるようになっている。ところが、画像定着部で、被記録シートに対し熱や圧力を与えることにより、被記録シートに含まれる水分量等に変化が生じ、被記録シートの形状に変化を生じさせる。つまり、被記録シートの縦方向および横方向の寸法が変化する。この変化量は、被記録シートの縦横方向で異なり、被記録シートおよび画像形成装置が置かれる環境、さらに、画像定着の方式や、被記録シートの種類によっても異なる。
【0003】
このように被記録シートに変化が生じると、例えば、被記録シートの両面に画像を形成する場合(以下両面印字と称す)、表面の画像形成後、伸縮した被記録シートに対し裏面の画像形成を行うので、表裏で、同一の大きさの画像を形成しようとした場合でもその大きさに差が生じてしまう。このため、両面に画像形成する装置、または、片面に多重に画像形成する装置では、特公平6−48414号公報や特開平10−143020号公報など多数開示されているように、被記録シートの被記録シート寸法を測定し、被記録シート外形寸法の変化量を求め、その変化量に合わせて同一シートに形成される2面目の画像の大きさを補正するものがある。
【0004】
さらに、特開平10−315552号公報には、この被記録シート外形寸法の変化量を被記録シートの材質に起因するものとして、被記録シート毎に補正係数を持ち、この係数をもとに被記録シート寸法の測定の補正を行うことも開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、被記録シート寸法測定手段を、被記録シートの定速搬送域であり、一旦画像形成が行われた被記録シートに対し更なる画像形成を行う際に該被記録シートを搬送するためのパス(以下両面パスと称す)の途中に設けている。このため、被記録シートが外形寸法を検出された後に搬送されるパスの温度等により、被記録シートの温度が変わることがある。つまり、両面印字を連続して行った時の両面パス内は、定着部によって被記録シートに与えられた熱が被記録シートを介して伝わり、温度が高くなっており、その中を通過する被記録シートの温度も高いままである。この状態の被記録シートの外形寸法が測定される。その後、両面パスを抜けた被記録シートは、画像形成前の被記録シートを搬送するパス(以下給紙パスと称す)と合流し、画像形成部へ搬送される。給紙パスでは、画像形成前の被記録シートにより下げられているため、パス内の温度は両面パスの温度より低くなっている。従って、両面パス内にあるシート寸法測定手段を通った後の被記録シートの温度も下げられてしまう。
【0006】
また、画像形成装置が稼動された直後の両面パスは、外気温と同等以下になっているため、その中を通過する被記録シートは冷やされてしまい、冷やされた状態で、シート寸法測定手段に達し、被記録シートの外形寸法が測定される。
【0007】
一方、被記録シートの外形寸法の変化は、被記録シート内に含まれる水分量に依存し、さらに被記録シート内に含まれる水分量は、被記録シートの温度に依存することが多い。つまり、高温の被記録シートは、被記録シート内に含まれる水分量が少なく、外形寸法は常温時より収縮しているが、冷却されるにつれ、その追従性はよくないものの、周囲の水分を吸収することにより、被記録シート内に含まれる水分量も増え、外形寸法は高温時より伸張し、常温時に近くなる。
【0008】
従って、上記従来例では、両面印字を連続している状態では、両面パスで被記録シートの外形寸法の測定後、給紙パスで被記録シートの温度が変わるので、被記録シートの外形寸法測定後、被記録シートに含まれる水分量が変化し、被記録シート寸法も変化してしまうことになる。また、両面パスにおいて画像形成装置稼動直後の温度と、連続通紙した後の温度が異なるため、被記録シートの温度の下がり方が異なり、外形寸法の収縮率も異なってしまう。このため、シート寸法測定手段で正確に被記録シートの外形寸法を測定したり、被記録シート毎に補正係数を決めて、被記録シートに印字する画像のサイズを補正しようとしても、同一被記録シートの同一のジョブ内で、被記録シートの外形寸法が変化するため、補正しきれずに画像位置、大きさがずれてしまうことがある。
【0009】
また、上記課題を解決するため、画像が形成された被記録シートの温度を直接測定しようとすると、高価な非接触式の温度計を用いなければならず、一方、安価な接触式の温度計を用いると、シート搬送の妨げになるため、搬送中の被記録シートを一時停止させねばならず、生産性を落とさなければならなかった。
【0010】
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、同一被記録シートの両面に画像を形成する際、被記録シートの温度によらず、画像形成時に発生する被記録シートの外形寸法の変化量を算出し、被記録シートに形成される2面目の画像の画像位置および、大きさを合わせるための補正量を算出することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本出願に係る第1の発明は、被記録シートに対し、画像形成部で画像を形成し、画像定着部で、被記録シートに熱や圧力を与え、画像形成部で形成された画像を定着させる構成の画像形成装置において、該画像形成装置内部の被記録シート搬送パスを形成するガイド部材に温度測定手段を備え、測定されたガイド部材の温度から上記シート搬送パスを搬送される被記録シートの収縮率を算出する演算手段を備えることを特徴とする。上記演算手段によって算出された収縮率をもとにシートに2面目の印字を行う際の画像位置および、画像の大きさの補正を行うので、両面印字の際、表裏で画像位置ズレや、画像の大きさの差が生じることがなくなる。
【0012】
また、第2の発明は、上記画像形成装置に、シート寸法測定手段を備えているので、被記録シートの絶対寸法を測定することが可能であり、予め、被記録シートの寸法を画像形成装置に入力する必要がなくなるため、操作がより容易になる。
【0013】
さらに、第3、第4の発明では、画像形成装置内で、画像形成前の被記録シートの大きさを容易に測定し、記憶させることができるようになる。
そして、第5の発明では、搬送路を形成する搬送ガイドを熱伝導率の高い金属材料によって形成し、上記金属材料で形成された搬送ガイド上に温度測定手段を備えたので、搬送ガイド上の1点を測定すれば、上記搬送ガイド全体の温度が測定できるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
先ず、上記画像形成装置1における両面画像形成過程に関して図1に基づき説明する。原稿Smがトレイ51に載置され、画像形成装置の動作が開始されると、自動原稿読み取り装置50は原稿を露光部Gに搬送する。そして、図1の紙面水平方向に対して移動自在に支持された原稿照明ランプ52の露光により得られた、原稿の有するアナログ形態の画像情報が、A/D変換を為すCCD2によりデジタル形態の画像情報に変換されたのち、複数のデジタル情報が記憶可能である画像メモリ3に蓄積され記憶される。こうして、原稿上の画像はすべて読み取られ、デジタル情報に変換され、画像メモリ3に記憶される。
【0015】
上記画像形成装置1における両面転写過程にあっては、上記画像形成装置1に備えられた諸装置の駆動等を制御する制御機構4が、予め設定されている制御シーケンス等に則り、被記録シートに形成され記録されるべき転写画像の基となるデジタル形態の画像情報を画像メモリ3から呼び出して、潜像担持体たる感光体ドラム5の外周面上に、与えられたデジタル形態の画像情報に応じた静電潜像を形成するレーザユニット6へと出力する。故に、上記制御機構4により画像メモリ3からデジタル形態の画像情報を入力されたレーザユニット6は、入力されたデジタル形態の画像情報に応じてレーザLaを変調して発光し、幾つかの軌道変更を経て、感光体ドラム5の外周面へと照射する。
【0016】
一方、上記感光体ドラム5は、レーザユニット6によるレーザ照射前に、予め、帯電手段たる一次帯電器7により外周面の電位分布の一様化が図られるようになっており、以って、レーザユニット6からのレーザLaの照射により、上記外周面上には、与えられたデジタル形態の画像情報に応じた静電潜像が形成される。
【0017】
次に、上記感光体ドラム5の外周面上に形成された静電潜像は、所定のタイミングにて現像手段たる現像装置8から現像剤を付与されることにより、与えられたデジタル形態の画像情報に応じた顕像へと現像される。
【0018】
一方、給紙手段たる給紙カセット10、11に収納されている被記録シートは、一枚づつ給紙され、給紙パス12内を搬送され、感光体ドラム5と転写帯電器9との間に形成される転写領域Zへと搬送される。
【0019】
次に、上記感光体ドラム5の外周面上に形成された顕像は、転写手段たる転写帯電器9から例えばコロナ放電等を受けることにより、所定のタイミングにて搬送された被記録シートに対し、一枚の被記録シートの、一方の面上に転写され、与えられたデジタル形態の画像情報に応じた未定着状態の転写画像(未定着像)として記録される。
【0020】
次に、上記未定着像を一方の面上に担持した被記録シートは、画像形成装置1に備えられた搬送ベルト13により、転写領域Zから、熱供給及び圧力付与にて定着を為す定着装置14に回動自在に軸支され、且つ、互いに圧接自在に支持された二つのローラ、すなわち、円筒状に形成された定着手段たる定着ローラ15と、円柱状に形成された加圧手段たる加圧ローラ16との間に形成される定着ニップ部Nへと搬送される。
【0021】
次に、上記定着ニップ部Nへと達した被記録シートは、定着ローラ15の中空部に設けられた熱供給源としての加熱体(図示せず)からの熱供給と、加圧ローラ16からの圧力付与とにより、未定着像が軟化して溶融し、カラー転写にあっては、混色して所望に発色して定着される。ここで、被記録シートには、高い温度が与えられ、被記録シート内に含まれる水分が一気に蒸発するため、被記録シートの繊維が収縮し、外形寸法が小さくなる。
【0022】
その後、被記録シートは、画像形成装置1の内部に延びて設けられた分岐パス20から、分岐パス21を介して、一方の面に転写され定着された被記録シートを他方の面への転写のために表裏を反転する反転手段たる両面スイッチバック機構18へと搬送され、表裏反転された後、両面パス部19へと搬送される。
【0023】
被記録シートは両面スイッチバック機構18から両面パス19、さらに、その下流へと搬送される過程で、常に、パスを形成しているパスガイド部100と接触しており、上記パスガイド部100との間で、熱の授受が行われる。通常、接触部の温度差が大きい程、熱の授受も盛んに行われる。即ち、画像形成装置の動作開始直後など、パスガイド部が冷えている時は、被記録シートが定着装置14で与えられた熱を上記パスガイド部が大量に奪い、被記録シートは急速に冷却される。そして、次第に、被記録シートから奪った熱が、パスガイド部100に蓄えられ、パスガイド部100の温度が上昇すると、被記録シートの冷却は緩やかになる。つまり、パスガイド部100と被記録シートの温度差によって被記録シートの時間に伴う温度低下の傾きが異なっている。この傾きは、被記録シートとパスガイド部100の温度差だけではなく、被記録シートの材質、パスガイド部の材質やパスガイド部の形状、シートとパスガイド部の接触面積等によっても異なる。
【0024】
しかし、上記材質や形状、接触面積等によって固有値があり、それぞれの固有値は、あらかじめ、実験等により求めることができる。また、固有値決定後、先人によって開示されている理論式を元に実験により確認することによって、被記録シートの時間と温度の関係式を求めておく。例えば、伝達される熱量Q、上記固有値により求められる定数K1、被記録シートの温度T、パスガイド部の温度T0において、
Q=K1(Tn−T0 n) [n:1,2,3,…]
などの式によって表すことができ、被記録シート、または、パスガイド部の単位時間あたりの温度変化量ΔTは、比熱c、重量Wと上記熱量Qによって、
ΔT=Q/(c×W)
によって表すことができる。
【0025】
上記、定数や関係式が求り、パスガイド部100の温度を測定すれば、被記録シートの温度が算出できることになる。そこで、本実施例においては、パスガイド部100の温度を測定することにより測定された測定値をもとに、被記録シートの温度を算出している。
【0026】
また、被記録シートは冷却されると空気中の水分を吸収し伸張する。つまり、被記録シート内に含まれる水分量によって、その大きさが左右される。定着部を通過した後の被記録シートは、時間、温度のパラメータを持って水分が吸収されるが、定着部を通過してから各パス部を通過する時間は、1つの画像形成装置においては略一定であるので、各パス部における被記録シートの温度が測定できれば、被記録シートの吸収した水分量がわかり、被記録シートの大きさの変化量がわかることになる。
【0027】
上記両面スイッチバック機構18で反転された被記録シートは、冷却されながら両面パス19内を搬送され、両面パス19の下流部にある被記録シート寸法測定部30で、1面目の画像形成後シート外形寸法(長さ方向LH、幅方向LV)が検出される。両面パス内は、パス内に屈曲部が少ないため、比較的安定した搬送が可能であり、ローラで搬送しながらシート寸法を測定するには、最適である。
【0028】
また、被記録シート寸法測定部30には、温度センサ101が備えられ、被記録シート寸法測定部30のガイドの温度が測定できるようになっており、演算処理部105において、被記録シート寸法測定部30を通過する被記録シートの温度が算出できるようになっている。
【0029】
被記録シート寸法測定部は、図2、図3に示すように、ローラ軸上に不図示のエンコーダを備えた2対の搬送ローラ対80と81を備え、上記ローラ対の間には、搬送される被記録シート幅より長いラインセンサ82が設けられており、搬送ローラ対80、81は、被記録シートを矢印A方向に搬送している。ローラ軸上の不図示のエンコーダは、ローラ軸の回転速度に対応した周波数の信号を出力し、この周波数と、ローラの外径よりローラによる被記録シートの搬送速度が検出される。2対の搬送ローラ対は、下流側の搬送ローラ対81の方が上流側の搬送ローラ対80より搬送力が大きく、かつ、搬送速度が若干速くなっており、被記録シートの搬送速度VSに対し、支配的になっている。つまり、被記録シートが上流側の搬送ローラ対80のみで搬送されている場合、被記録シートの搬送速度VSは上流側の搬送ローラ対の搬送速度V1と同等(VS=V1)であり、両方の搬送ローラ対でニップされている場合、または、下流側の搬送ローラ対81のみで搬送されている場合、被記録シートの搬送速度VSは下流側のローラ対の搬送速度V2と同等になる(VS=V2)。従って、上流側の搬送ローラ対80による搬送速度をV1、下流側の搬送ローラ対81で搬送される搬送速度をV2、ラインセンサ82と下流側のローラ対81との間の距離をlとし、ラインセンサの通過時間をtとする時、被記録シートの長さLHは、式、
LH=V2・t−(l・(V2−V1)/V1)
によって表すことができる。画像形成装置内の制御機構4には、計算処理部が備えられており、この、計算処理部によって、予めメモリ上に記憶されている固定値lと、検出される値t、V1、V2から被記録シート長さLHが算出される。算出された被記録シート長さLVは一旦、制御機構4内のメモリ部に記憶される。
【0030】
また、同時に、被記録シートがこのラインセンサ82上を通過する時、ラインセンサ82の測定範囲から被記録シートの幅(搬送方向直角方向長さ)LVが計測され、被記録シート長さLHと同様に制御機構4内のメモリ部に記憶される。
【0031】
そして、シート外形寸法が検出された被記録シートは、両面パス19を介して、転写領域Zへと再搬送される。転写領域Zの上流側のレジガイド103には、温度センサ102が備えられており、レジガイド103の温度を測定し、レジガイド103の温度により、演算処理部105では、レジパス104を通過する被記録シートの温度を算出する。
【0032】
ここで、演算処理部105で算出された、被記録シート寸法測定部での被記録シートの温度と、レジパス104を通過する被記録シートの温度が比較される。そして、温度の差に応じて、シート寸法測定部で測定されたシート寸法の補正を行う。上記温度差が微小であれば、シート寸法測定後のシートの吸水量も微小で、寸法の伸張量も微小になるため、補正値も微小になる。温度差が大きくなれば、寸法測定後のシートの吸水量が大きくなり、補正値も大きめのものになる。
【0033】
こうして、検出された1面目画像形成後のシート外形寸法(長さ方向LH、幅方向LV)は補正されたシート外形寸法(長さ方向LH′、幅方向LV′)として制御機構4内のメモリに記憶される。
【0034】
被記録シートが、転写領域Zまで搬送されるタイミングで、1面目と同様に、感光体ドラム5の外周面上には顕像が形成され、この顕像が被記録シートの2面目に転写される。この時、制御機構4は、画像メモリ3から呼び出した2面目の画像情報に対し、補正した画像を感光体ドラム5上に形成するように制御を行う。
【0035】
つまり、シート外形寸法検出後、被記録シートが転写領域Zまで搬送されるまでの間、予め測定され制御機構4内のメモリ部3に記憶された画像形成前の被記録シート長さLH0と画像形成後の被記録シート長さLH′、画像形成前の被記録シート幅LV0と画像形成後の被記録シート幅LV′が比較され、制御機構4内で収縮率が算出される。通常、被記録シートは画像が形成され、定着ニップ部Nを通過することで収縮するが、被記録シートが繊維状の材料から作られている場合、その繊維方向によって収縮率が異なる。つまり、被記録シートの長さ方向の収縮率をα、幅方向の収縮率をβとすれば、
α=LH′/LH0
β=LV′/LV0
α≠β
となる。
【0036】
従って、画像メモリ3から呼び出した画像情報に対し、被記録シート長さ方向はα倍、被記録シート幅方向はβ倍した画像が感光体ドラム5上に潜像として形成され、1面目と同様に現像され、顕像となる。
【0037】
従って、転写領域Zに搬送された被記録シートの2面目には、長さ方向α倍、幅方向β倍の転写画像が記録される。ここで、被記録シートの外形寸法が、長さ方向α倍、幅方向β倍となっているため、2面目の画像も1面目と同じ比率に転写されることになる。2面目が転写され、未定着像を担持した被記録シートは、画像形成装置1に備えられた搬送ベルト13により、定着装置14に搬送され、定着ニップ部Nを通過することにより、1面目と同様に画像が定着される。
【0038】
その後、被記録シートは、画像形成装置1の内部に延びて設けられた分岐パス20を介して、排出ローラ17から画像形成装置1の外部へ排出される。こうして、被記録シートの両面の同じ領域に同じ大きさの画像が形成される。
【0039】
ここで、画像形成前の、被記録シートの寸法の測定について説明する。通常、被記録シートの寸法は、同じ環境に置かれたシートならば、同じ量の水分を含んでおり、シート寸法の収縮量も同じになっているが、シート束を設定寸法にカットする際、生産ロット毎にばらつきが生じている。このため、同一環境に置かれた同一種類のシートを使用する場合でも、その生産ロット毎に以下のようにして、予め、画像形成前のシートの寸法を測定しなければばらない。画像形成装置1において、画像形成前の被記録シートを両面スイッチバック機構18内に載置し、画像形成装置1の不図示の操作部より被記録シート寸法測定モードを設定し、スタートすることにより、被記録シートは、両面スイッチバック機構18から分岐パス21を通り、両面パス19を経て、シート寸法測定部30により長さ方向のシート寸法LH0および、幅方向の寸法LV0が測定され、制御機構4内のメモリ部3に記憶される。その後、シートは画像形成時と同様のパスを通り、画像形成部、定着部を経て、排出ローラ17から画像形成装置の外部に排出される。
【0040】
画像形成前の被記録シートの寸法を測定する際、両面スイッチバック機構18を使用しなくても、排紙ローラ17を逆転させ、画像形成前の被記録シートを給紙してもよい。
【0041】
他の実施例において、画像形成装置には、シート寸法測定部を持たなくても良い。この場合、レジパス部に温度センサを備え、予め設定されているシート温度と収縮率の関係式から1面目に画像形成されたシートの収縮率を算出し、画像サイズの補正を行う。本実施例においては、予め、シートの種類、そのシート固有の収縮率等の情報を入力し、制御機構のメモリ部に記憶させておき、その情報をもとに2面の画像サイズ補正を行うことになるが、シート寸法を1枚毎に測定するための機構、および処理を省くことができ、より、簡易な構成で、2面目の画像サイズの補正を行うことができる。
【0042】
また、温度センサを備えるパスガイド部は、金属等の熱伝導率が高いもの、且つ、できるだけ長い距離パスをガイドするものであるほうが良い。熱伝導率が高ければ、パスガイド全体が略均一の温度になっており、且つ、それが、長い距離のパスをガイドするものであれば、長い距離のパスを略均一の温度にすることができ、シート温度の算出が容易になる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被記録シートを搬送する搬送路を形成する搬送ガイドの温度を測定する温度測定手段と、上記温度測定手段により測定された値をもとに、被記録シートの温度を算出し、さらに、一度画像が形成された被記録シートの収縮率を算出する演算部を備えているので、上記演算部で算出された収縮率をもとに上記画像形成部で形成する画像の大きさや形成位置を補正することができ、定着手段により熱や圧力が加えられて収縮した被記録シートが、冷却されながら搬送されても、冷却されずに搬送されても、上記被記録シートに2回目の画像形成を行われるとき画像位置、大きさを1面目と合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の全体図である。
【図2】本発明のシート寸法測定部を示す上面図である。
【図3】本発明のシート寸法測定部を示す正面図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 CCD
3 画像メモリ
4 制御機構
5 感光体ドラム
6 レーザユニット
7 一次帯電器
8 現像装置
9 転写帯電器
10 給紙カセット
11 給紙カセット
12 給紙パス
13 搬送ベルト
14 定着装置
15 定着ローラ
16 加圧ローラ
17 排出ローラ
18 両面スイッチバック機構
19 両面パス
20 分岐パス
21 分岐パス
30 シート寸法測定部
50 自動原稿読み取り装置
51 トレイ
52 原稿照明ランプ
81 搬送ローラ対
82 ラインセンサ
101 温度センサ
102 温度センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真複写機、マイクロ機器、レーザービームプリンタ等の画像形成装置、特に被記録シートに対して画像を形成し、熱や圧力を与えることにより被記録シート上に形成された画像を定着させる画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の画像形成装置では、被記録シートに対し、画像形成部でトナー像を形成し、画像定着部で該トナー像に対し熱や圧力を与えることにより被記録シートに画像を定着させるようになっている。ところが、画像定着部で、被記録シートに対し熱や圧力を与えることにより、被記録シートに含まれる水分量等に変化が生じ、被記録シートの形状に変化を生じさせる。つまり、被記録シートの縦方向および横方向の寸法が変化する。この変化量は、被記録シートの縦横方向で異なり、被記録シートおよび画像形成装置が置かれる環境、さらに、画像定着の方式や、被記録シートの種類によっても異なる。
【0003】
このように被記録シートに変化が生じると、例えば、被記録シートの両面に画像を形成する場合(以下両面印字と称す)、表面の画像形成後、伸縮した被記録シートに対し裏面の画像形成を行うので、表裏で、同一の大きさの画像を形成しようとした場合でもその大きさに差が生じてしまう。このため、両面に画像形成する装置、または、片面に多重に画像形成する装置では、特公平6−48414号公報や特開平10−143020号公報など多数開示されているように、被記録シートの被記録シート寸法を測定し、被記録シート外形寸法の変化量を求め、その変化量に合わせて同一シートに形成される2面目の画像の大きさを補正するものがある。
【0004】
さらに、特開平10−315552号公報には、この被記録シート外形寸法の変化量を被記録シートの材質に起因するものとして、被記録シート毎に補正係数を持ち、この係数をもとに被記録シート寸法の測定の補正を行うことも開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、被記録シート寸法測定手段を、被記録シートの定速搬送域であり、一旦画像形成が行われた被記録シートに対し更なる画像形成を行う際に該被記録シートを搬送するためのパス(以下両面パスと称す)の途中に設けている。このため、被記録シートが外形寸法を検出された後に搬送されるパスの温度等により、被記録シートの温度が変わることがある。つまり、両面印字を連続して行った時の両面パス内は、定着部によって被記録シートに与えられた熱が被記録シートを介して伝わり、温度が高くなっており、その中を通過する被記録シートの温度も高いままである。この状態の被記録シートの外形寸法が測定される。その後、両面パスを抜けた被記録シートは、画像形成前の被記録シートを搬送するパス(以下給紙パスと称す)と合流し、画像形成部へ搬送される。給紙パスでは、画像形成前の被記録シートにより下げられているため、パス内の温度は両面パスの温度より低くなっている。従って、両面パス内にあるシート寸法測定手段を通った後の被記録シートの温度も下げられてしまう。
【0006】
また、画像形成装置が稼動された直後の両面パスは、外気温と同等以下になっているため、その中を通過する被記録シートは冷やされてしまい、冷やされた状態で、シート寸法測定手段に達し、被記録シートの外形寸法が測定される。
【0007】
一方、被記録シートの外形寸法の変化は、被記録シート内に含まれる水分量に依存し、さらに被記録シート内に含まれる水分量は、被記録シートの温度に依存することが多い。つまり、高温の被記録シートは、被記録シート内に含まれる水分量が少なく、外形寸法は常温時より収縮しているが、冷却されるにつれ、その追従性はよくないものの、周囲の水分を吸収することにより、被記録シート内に含まれる水分量も増え、外形寸法は高温時より伸張し、常温時に近くなる。
【0008】
従って、上記従来例では、両面印字を連続している状態では、両面パスで被記録シートの外形寸法の測定後、給紙パスで被記録シートの温度が変わるので、被記録シートの外形寸法測定後、被記録シートに含まれる水分量が変化し、被記録シート寸法も変化してしまうことになる。また、両面パスにおいて画像形成装置稼動直後の温度と、連続通紙した後の温度が異なるため、被記録シートの温度の下がり方が異なり、外形寸法の収縮率も異なってしまう。このため、シート寸法測定手段で正確に被記録シートの外形寸法を測定したり、被記録シート毎に補正係数を決めて、被記録シートに印字する画像のサイズを補正しようとしても、同一被記録シートの同一のジョブ内で、被記録シートの外形寸法が変化するため、補正しきれずに画像位置、大きさがずれてしまうことがある。
【0009】
また、上記課題を解決するため、画像が形成された被記録シートの温度を直接測定しようとすると、高価な非接触式の温度計を用いなければならず、一方、安価な接触式の温度計を用いると、シート搬送の妨げになるため、搬送中の被記録シートを一時停止させねばならず、生産性を落とさなければならなかった。
【0010】
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、同一被記録シートの両面に画像を形成する際、被記録シートの温度によらず、画像形成時に発生する被記録シートの外形寸法の変化量を算出し、被記録シートに形成される2面目の画像の画像位置および、大きさを合わせるための補正量を算出することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本出願に係る第1の発明は、被記録シートに対し、画像形成部で画像を形成し、画像定着部で、被記録シートに熱や圧力を与え、画像形成部で形成された画像を定着させる構成の画像形成装置において、該画像形成装置内部の被記録シート搬送パスを形成するガイド部材に温度測定手段を備え、測定されたガイド部材の温度から上記シート搬送パスを搬送される被記録シートの収縮率を算出する演算手段を備えることを特徴とする。上記演算手段によって算出された収縮率をもとにシートに2面目の印字を行う際の画像位置および、画像の大きさの補正を行うので、両面印字の際、表裏で画像位置ズレや、画像の大きさの差が生じることがなくなる。
【0012】
また、第2の発明は、上記画像形成装置に、シート寸法測定手段を備えているので、被記録シートの絶対寸法を測定することが可能であり、予め、被記録シートの寸法を画像形成装置に入力する必要がなくなるため、操作がより容易になる。
【0013】
さらに、第3、第4の発明では、画像形成装置内で、画像形成前の被記録シートの大きさを容易に測定し、記憶させることができるようになる。
そして、第5の発明では、搬送路を形成する搬送ガイドを熱伝導率の高い金属材料によって形成し、上記金属材料で形成された搬送ガイド上に温度測定手段を備えたので、搬送ガイド上の1点を測定すれば、上記搬送ガイド全体の温度が測定できるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
先ず、上記画像形成装置1における両面画像形成過程に関して図1に基づき説明する。原稿Smがトレイ51に載置され、画像形成装置の動作が開始されると、自動原稿読み取り装置50は原稿を露光部Gに搬送する。そして、図1の紙面水平方向に対して移動自在に支持された原稿照明ランプ52の露光により得られた、原稿の有するアナログ形態の画像情報が、A/D変換を為すCCD2によりデジタル形態の画像情報に変換されたのち、複数のデジタル情報が記憶可能である画像メモリ3に蓄積され記憶される。こうして、原稿上の画像はすべて読み取られ、デジタル情報に変換され、画像メモリ3に記憶される。
【0015】
上記画像形成装置1における両面転写過程にあっては、上記画像形成装置1に備えられた諸装置の駆動等を制御する制御機構4が、予め設定されている制御シーケンス等に則り、被記録シートに形成され記録されるべき転写画像の基となるデジタル形態の画像情報を画像メモリ3から呼び出して、潜像担持体たる感光体ドラム5の外周面上に、与えられたデジタル形態の画像情報に応じた静電潜像を形成するレーザユニット6へと出力する。故に、上記制御機構4により画像メモリ3からデジタル形態の画像情報を入力されたレーザユニット6は、入力されたデジタル形態の画像情報に応じてレーザLaを変調して発光し、幾つかの軌道変更を経て、感光体ドラム5の外周面へと照射する。
【0016】
一方、上記感光体ドラム5は、レーザユニット6によるレーザ照射前に、予め、帯電手段たる一次帯電器7により外周面の電位分布の一様化が図られるようになっており、以って、レーザユニット6からのレーザLaの照射により、上記外周面上には、与えられたデジタル形態の画像情報に応じた静電潜像が形成される。
【0017】
次に、上記感光体ドラム5の外周面上に形成された静電潜像は、所定のタイミングにて現像手段たる現像装置8から現像剤を付与されることにより、与えられたデジタル形態の画像情報に応じた顕像へと現像される。
【0018】
一方、給紙手段たる給紙カセット10、11に収納されている被記録シートは、一枚づつ給紙され、給紙パス12内を搬送され、感光体ドラム5と転写帯電器9との間に形成される転写領域Zへと搬送される。
【0019】
次に、上記感光体ドラム5の外周面上に形成された顕像は、転写手段たる転写帯電器9から例えばコロナ放電等を受けることにより、所定のタイミングにて搬送された被記録シートに対し、一枚の被記録シートの、一方の面上に転写され、与えられたデジタル形態の画像情報に応じた未定着状態の転写画像(未定着像)として記録される。
【0020】
次に、上記未定着像を一方の面上に担持した被記録シートは、画像形成装置1に備えられた搬送ベルト13により、転写領域Zから、熱供給及び圧力付与にて定着を為す定着装置14に回動自在に軸支され、且つ、互いに圧接自在に支持された二つのローラ、すなわち、円筒状に形成された定着手段たる定着ローラ15と、円柱状に形成された加圧手段たる加圧ローラ16との間に形成される定着ニップ部Nへと搬送される。
【0021】
次に、上記定着ニップ部Nへと達した被記録シートは、定着ローラ15の中空部に設けられた熱供給源としての加熱体(図示せず)からの熱供給と、加圧ローラ16からの圧力付与とにより、未定着像が軟化して溶融し、カラー転写にあっては、混色して所望に発色して定着される。ここで、被記録シートには、高い温度が与えられ、被記録シート内に含まれる水分が一気に蒸発するため、被記録シートの繊維が収縮し、外形寸法が小さくなる。
【0022】
その後、被記録シートは、画像形成装置1の内部に延びて設けられた分岐パス20から、分岐パス21を介して、一方の面に転写され定着された被記録シートを他方の面への転写のために表裏を反転する反転手段たる両面スイッチバック機構18へと搬送され、表裏反転された後、両面パス部19へと搬送される。
【0023】
被記録シートは両面スイッチバック機構18から両面パス19、さらに、その下流へと搬送される過程で、常に、パスを形成しているパスガイド部100と接触しており、上記パスガイド部100との間で、熱の授受が行われる。通常、接触部の温度差が大きい程、熱の授受も盛んに行われる。即ち、画像形成装置の動作開始直後など、パスガイド部が冷えている時は、被記録シートが定着装置14で与えられた熱を上記パスガイド部が大量に奪い、被記録シートは急速に冷却される。そして、次第に、被記録シートから奪った熱が、パスガイド部100に蓄えられ、パスガイド部100の温度が上昇すると、被記録シートの冷却は緩やかになる。つまり、パスガイド部100と被記録シートの温度差によって被記録シートの時間に伴う温度低下の傾きが異なっている。この傾きは、被記録シートとパスガイド部100の温度差だけではなく、被記録シートの材質、パスガイド部の材質やパスガイド部の形状、シートとパスガイド部の接触面積等によっても異なる。
【0024】
しかし、上記材質や形状、接触面積等によって固有値があり、それぞれの固有値は、あらかじめ、実験等により求めることができる。また、固有値決定後、先人によって開示されている理論式を元に実験により確認することによって、被記録シートの時間と温度の関係式を求めておく。例えば、伝達される熱量Q、上記固有値により求められる定数K1、被記録シートの温度T、パスガイド部の温度T0において、
Q=K1(Tn−T0 n) [n:1,2,3,…]
などの式によって表すことができ、被記録シート、または、パスガイド部の単位時間あたりの温度変化量ΔTは、比熱c、重量Wと上記熱量Qによって、
ΔT=Q/(c×W)
によって表すことができる。
【0025】
上記、定数や関係式が求り、パスガイド部100の温度を測定すれば、被記録シートの温度が算出できることになる。そこで、本実施例においては、パスガイド部100の温度を測定することにより測定された測定値をもとに、被記録シートの温度を算出している。
【0026】
また、被記録シートは冷却されると空気中の水分を吸収し伸張する。つまり、被記録シート内に含まれる水分量によって、その大きさが左右される。定着部を通過した後の被記録シートは、時間、温度のパラメータを持って水分が吸収されるが、定着部を通過してから各パス部を通過する時間は、1つの画像形成装置においては略一定であるので、各パス部における被記録シートの温度が測定できれば、被記録シートの吸収した水分量がわかり、被記録シートの大きさの変化量がわかることになる。
【0027】
上記両面スイッチバック機構18で反転された被記録シートは、冷却されながら両面パス19内を搬送され、両面パス19の下流部にある被記録シート寸法測定部30で、1面目の画像形成後シート外形寸法(長さ方向LH、幅方向LV)が検出される。両面パス内は、パス内に屈曲部が少ないため、比較的安定した搬送が可能であり、ローラで搬送しながらシート寸法を測定するには、最適である。
【0028】
また、被記録シート寸法測定部30には、温度センサ101が備えられ、被記録シート寸法測定部30のガイドの温度が測定できるようになっており、演算処理部105において、被記録シート寸法測定部30を通過する被記録シートの温度が算出できるようになっている。
【0029】
被記録シート寸法測定部は、図2、図3に示すように、ローラ軸上に不図示のエンコーダを備えた2対の搬送ローラ対80と81を備え、上記ローラ対の間には、搬送される被記録シート幅より長いラインセンサ82が設けられており、搬送ローラ対80、81は、被記録シートを矢印A方向に搬送している。ローラ軸上の不図示のエンコーダは、ローラ軸の回転速度に対応した周波数の信号を出力し、この周波数と、ローラの外径よりローラによる被記録シートの搬送速度が検出される。2対の搬送ローラ対は、下流側の搬送ローラ対81の方が上流側の搬送ローラ対80より搬送力が大きく、かつ、搬送速度が若干速くなっており、被記録シートの搬送速度VSに対し、支配的になっている。つまり、被記録シートが上流側の搬送ローラ対80のみで搬送されている場合、被記録シートの搬送速度VSは上流側の搬送ローラ対の搬送速度V1と同等(VS=V1)であり、両方の搬送ローラ対でニップされている場合、または、下流側の搬送ローラ対81のみで搬送されている場合、被記録シートの搬送速度VSは下流側のローラ対の搬送速度V2と同等になる(VS=V2)。従って、上流側の搬送ローラ対80による搬送速度をV1、下流側の搬送ローラ対81で搬送される搬送速度をV2、ラインセンサ82と下流側のローラ対81との間の距離をlとし、ラインセンサの通過時間をtとする時、被記録シートの長さLHは、式、
LH=V2・t−(l・(V2−V1)/V1)
によって表すことができる。画像形成装置内の制御機構4には、計算処理部が備えられており、この、計算処理部によって、予めメモリ上に記憶されている固定値lと、検出される値t、V1、V2から被記録シート長さLHが算出される。算出された被記録シート長さLVは一旦、制御機構4内のメモリ部に記憶される。
【0030】
また、同時に、被記録シートがこのラインセンサ82上を通過する時、ラインセンサ82の測定範囲から被記録シートの幅(搬送方向直角方向長さ)LVが計測され、被記録シート長さLHと同様に制御機構4内のメモリ部に記憶される。
【0031】
そして、シート外形寸法が検出された被記録シートは、両面パス19を介して、転写領域Zへと再搬送される。転写領域Zの上流側のレジガイド103には、温度センサ102が備えられており、レジガイド103の温度を測定し、レジガイド103の温度により、演算処理部105では、レジパス104を通過する被記録シートの温度を算出する。
【0032】
ここで、演算処理部105で算出された、被記録シート寸法測定部での被記録シートの温度と、レジパス104を通過する被記録シートの温度が比較される。そして、温度の差に応じて、シート寸法測定部で測定されたシート寸法の補正を行う。上記温度差が微小であれば、シート寸法測定後のシートの吸水量も微小で、寸法の伸張量も微小になるため、補正値も微小になる。温度差が大きくなれば、寸法測定後のシートの吸水量が大きくなり、補正値も大きめのものになる。
【0033】
こうして、検出された1面目画像形成後のシート外形寸法(長さ方向LH、幅方向LV)は補正されたシート外形寸法(長さ方向LH′、幅方向LV′)として制御機構4内のメモリに記憶される。
【0034】
被記録シートが、転写領域Zまで搬送されるタイミングで、1面目と同様に、感光体ドラム5の外周面上には顕像が形成され、この顕像が被記録シートの2面目に転写される。この時、制御機構4は、画像メモリ3から呼び出した2面目の画像情報に対し、補正した画像を感光体ドラム5上に形成するように制御を行う。
【0035】
つまり、シート外形寸法検出後、被記録シートが転写領域Zまで搬送されるまでの間、予め測定され制御機構4内のメモリ部3に記憶された画像形成前の被記録シート長さLH0と画像形成後の被記録シート長さLH′、画像形成前の被記録シート幅LV0と画像形成後の被記録シート幅LV′が比較され、制御機構4内で収縮率が算出される。通常、被記録シートは画像が形成され、定着ニップ部Nを通過することで収縮するが、被記録シートが繊維状の材料から作られている場合、その繊維方向によって収縮率が異なる。つまり、被記録シートの長さ方向の収縮率をα、幅方向の収縮率をβとすれば、
α=LH′/LH0
β=LV′/LV0
α≠β
となる。
【0036】
従って、画像メモリ3から呼び出した画像情報に対し、被記録シート長さ方向はα倍、被記録シート幅方向はβ倍した画像が感光体ドラム5上に潜像として形成され、1面目と同様に現像され、顕像となる。
【0037】
従って、転写領域Zに搬送された被記録シートの2面目には、長さ方向α倍、幅方向β倍の転写画像が記録される。ここで、被記録シートの外形寸法が、長さ方向α倍、幅方向β倍となっているため、2面目の画像も1面目と同じ比率に転写されることになる。2面目が転写され、未定着像を担持した被記録シートは、画像形成装置1に備えられた搬送ベルト13により、定着装置14に搬送され、定着ニップ部Nを通過することにより、1面目と同様に画像が定着される。
【0038】
その後、被記録シートは、画像形成装置1の内部に延びて設けられた分岐パス20を介して、排出ローラ17から画像形成装置1の外部へ排出される。こうして、被記録シートの両面の同じ領域に同じ大きさの画像が形成される。
【0039】
ここで、画像形成前の、被記録シートの寸法の測定について説明する。通常、被記録シートの寸法は、同じ環境に置かれたシートならば、同じ量の水分を含んでおり、シート寸法の収縮量も同じになっているが、シート束を設定寸法にカットする際、生産ロット毎にばらつきが生じている。このため、同一環境に置かれた同一種類のシートを使用する場合でも、その生産ロット毎に以下のようにして、予め、画像形成前のシートの寸法を測定しなければばらない。画像形成装置1において、画像形成前の被記録シートを両面スイッチバック機構18内に載置し、画像形成装置1の不図示の操作部より被記録シート寸法測定モードを設定し、スタートすることにより、被記録シートは、両面スイッチバック機構18から分岐パス21を通り、両面パス19を経て、シート寸法測定部30により長さ方向のシート寸法LH0および、幅方向の寸法LV0が測定され、制御機構4内のメモリ部3に記憶される。その後、シートは画像形成時と同様のパスを通り、画像形成部、定着部を経て、排出ローラ17から画像形成装置の外部に排出される。
【0040】
画像形成前の被記録シートの寸法を測定する際、両面スイッチバック機構18を使用しなくても、排紙ローラ17を逆転させ、画像形成前の被記録シートを給紙してもよい。
【0041】
他の実施例において、画像形成装置には、シート寸法測定部を持たなくても良い。この場合、レジパス部に温度センサを備え、予め設定されているシート温度と収縮率の関係式から1面目に画像形成されたシートの収縮率を算出し、画像サイズの補正を行う。本実施例においては、予め、シートの種類、そのシート固有の収縮率等の情報を入力し、制御機構のメモリ部に記憶させておき、その情報をもとに2面の画像サイズ補正を行うことになるが、シート寸法を1枚毎に測定するための機構、および処理を省くことができ、より、簡易な構成で、2面目の画像サイズの補正を行うことができる。
【0042】
また、温度センサを備えるパスガイド部は、金属等の熱伝導率が高いもの、且つ、できるだけ長い距離パスをガイドするものであるほうが良い。熱伝導率が高ければ、パスガイド全体が略均一の温度になっており、且つ、それが、長い距離のパスをガイドするものであれば、長い距離のパスを略均一の温度にすることができ、シート温度の算出が容易になる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被記録シートを搬送する搬送路を形成する搬送ガイドの温度を測定する温度測定手段と、上記温度測定手段により測定された値をもとに、被記録シートの温度を算出し、さらに、一度画像が形成された被記録シートの収縮率を算出する演算部を備えているので、上記演算部で算出された収縮率をもとに上記画像形成部で形成する画像の大きさや形成位置を補正することができ、定着手段により熱や圧力が加えられて収縮した被記録シートが、冷却されながら搬送されても、冷却されずに搬送されても、上記被記録シートに2回目の画像形成を行われるとき画像位置、大きさを1面目と合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の全体図である。
【図2】本発明のシート寸法測定部を示す上面図である。
【図3】本発明のシート寸法測定部を示す正面図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 CCD
3 画像メモリ
4 制御機構
5 感光体ドラム
6 レーザユニット
7 一次帯電器
8 現像装置
9 転写帯電器
10 給紙カセット
11 給紙カセット
12 給紙パス
13 搬送ベルト
14 定着装置
15 定着ローラ
16 加圧ローラ
17 排出ローラ
18 両面スイッチバック機構
19 両面パス
20 分岐パス
21 分岐パス
30 シート寸法測定部
50 自動原稿読み取り装置
51 トレイ
52 原稿照明ランプ
81 搬送ローラ対
82 ラインセンサ
101 温度センサ
102 温度センサ
Claims (5)
- 画像形成部で形成された画像を被記録シートに対し定着させる画像定着部を備え、同一の被記録シートに複数回の画像形成が可能な画像形成装置において、
被記録シートを搬送する搬送路を形成する搬送ガイドの温度を測定する温度測定手段と、上記温度測定手段により測定された値をもとに、被記録シートの温度を算出し、
さらに、一度画像が形成された被記録シートの収縮率を算出する演算部を有し、上記演算部で算出された収縮率をもとに該画像形成部で形成する画像の大きさや形成位置を補正可能な画像補正手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、更に、被記録シートの大きさを測定することが可能なシート寸法測定手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項2に記載の画像形成装置において、
更に、画像形成された被記録シートの表裏を反転させるシート反転部を備え、前記シート寸法測定手段は、上記シート反転部から画像形成前の被記録シートを給紙して大きさを測定することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2に記載の画像形成装置において、
更に、画像形成された被記録シートを画像形成装置外に排出するシート排出手段を備え、前記シート寸法測定手段は、被記録シートを上記シート排出手段より給紙して大きさを測定することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のいずれか記載の画像形成装置において、
被記録シートを搬送する搬送路を形成する前記搬送ガイドを金属材料によって形成し、該搬送ガイド上に温度測定手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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