JP2004093520A - 検体容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】検体容器2は、一端が閉じ他端に開口部を有する筒状の収容部4を備え、この収容部4は、採取された検体を識別するための情報を記録する複数のICタグ6を備える。また、検体容器2は、収容部4の開口部を閉じる蓋部7を備えている。ICタグ6は、検体を分注する際に用いられる分注ヘッドにより吸引及び吐出が可能な大きさのICタグ(ICビーズ)であり、収容部4に収容された検体の検体ID、受付日等を含む検体の識別情報を記録する。また、ICタグ6は、検体の性状に影響を与えない素材、例えば、PET(polyethylene terephthalate)等によりコーティングされている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、血液、血漿、血清等の検体を収容する検体容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、検査に用いる血液、血漿、血清等の検体は、医療機関等において採取され、試験管等により構成される検体容器に収容されて検査機関に搬送される。検査機関においては、搬入された検体について受付処理を行った後に、検体を保管して依頼された検査を行っている。即ち、受付処理、例えば、検査機関に搬入された検体を収容した検体容器に、検体番号、受付日等を含む検体の識別情報を記載したラベルを貼り付ける等の処理を行い(例えば、特許文献1参照)、検体を保管している。また、保管されている検体の検査は、検体と共に医療機関等から搬入された検査依頼書の記載内容に基づいて行われる。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−285855号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、検体の検査は、保管されている検体を分注し、分注された検体を用いて行われる。この場合には、分注された検体を収容した検体容器に検体の識別情報を記載したラベルを貼り付ける等の処理が必要となり、多大な労力を必要としていた。また、検査を行う際には、ラベルに記載されている識別情報に基づいて検体を識別しているため、ラベルの読み間違えによる検体の取り違え事故が発生する可能性がある。更に、分注された検体を収容した検体容器に誤ったラベルを貼り付けてしまう等により、検体の取り違え事故が発生する可能性もある。
【0005】
この発明の課題は、分注された検体に検体の識別情報を容易に付与できるように、検体の識別情報を記録するICタグを備えた検体容器を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の検体容器は、一端が閉じ他端に開口部を有する筒状の収容部を備える検体容器であって、前記収容部内に少なくとも2以上のICタグを備えることを特徴とする。
【0007】
この請求項1記載の検体容器によれば、収容部内に備えられている複数のICタグに同一の検体の識別情報を記録させることができる。従って、分注した検体に同一の識別情報を記憶したICタグを入れることにより、分注した検体に検体の識別情報を容易に付与することができる。
【0008】
また、請求項2記載の検体容器は、前記ICタグが前記収容部に収容される検体を分注する際に用いられる分注ヘッドにより、前記検体と共に吸引、吐出が可能な大きさであることを特徴とする。
【0009】
この請求項2記載の検体容器によれば、分注装置による検体の分注と同時にICタグを分割することができ、分注容器へのラベル貼り付け作業を省略することができる。
【0010】
また、請求項3記載の検体容器は、前記ICタグが前記収容部に収容される検体の性状に影響を与えることがない素材によりコーティングされていることを特徴とする。
【0011】
この請求項3記載の検体容器によれば、ICタグが検体の性状に影響を与えない素材でコーティングされているため、ICタグをコーティングしている素材により検体の検査結果に影響を与えることを防止することができる。
【0012】
また、請求項4記載の検体容器は、前記素材が前記収容部を形成する素材と同一の素材であることを特徴とする。この請求項4記載の検体容器によれば、収容部を形成する素材と同一の素材でICタグがコーティングされているため、収容部に収容される検体の性状に影響を与えることを確実に防止することができる。
【0013】
また、請求項5記載の検体容器は、前記ICタグが少なくとも前記収容部に収容される検体の識別情報を記録することを特徴とする。この請求項5記載の検体容器によれば、検体と該検体の識別情報を記録したICタグとが共に収容部に収容されているため、検体の識別情報と検体とを一体として管理し、取り扱うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態に係る検体容器について説明する。図1は、この発明の実施の形態に係る検体容器の外観図である。この検体容器2は、一端が閉じ他端に開口部を有する円筒状の収容部4を備え、この収容部4には、採取された検体を識別するための情報(識別情報)を記録する複数のICタグ6が収容されている。また、検体容器2は、複数のICタグ6を収容した収容部4の開口部を閉じる蓋部7を備えている。なお、収容部4は、例えば、ポリエステル、ポリエチレン又はポリプロピレン等の素材により形成されている。
【0015】
ここで、収容部4に収容されているICタグ6としては、非接触で情報の読み取り及び書き込みが可能なもの、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグ等が用いられる。また、このICタグ6としては、検体を分注する際に用いられる分注ヘッドにより吸引及び吐出が可能な大きさのもの、例えば、0.4mm角程度の大きさのICタグ(ICビーズ)が用いられる。このICタグ6には、情報を記録するデータ記憶部を備えた微細なICチップ(図示せず)及びICタグ6に対して送信された情報の受信を行うと共に、データ記憶部に記録されている情報の送信を行うアンテナ(図示せず)が備えられている。なお、このような微細なICチップとして、紙幣や株券等の有価証券に漉き込むことができるICチップが存在する(特開2001−260580号公報参照)。
【0016】
また、収容部4に収容されているICタグ6は、液体侵入を防止すべく、収容部4を形成する素材と同一の素材、例えば、収容部4がポリエステルにより形成されている場合には、ポリエステルによりコーティングされている。また、収容部4がポリエチレンにより形成されている場合にはポリエチレンにより、収容部4がポリプロピレンにより形成されている場合にはポリプロピレンによりコーティングされている。
【0017】
図2は、この発明の実施の形態に係る他の検体容器の外観図である。この検体容器8は、一端が閉じ他端に開口部を有する円筒状の収容部10を備え、この収容部10には、採取された検体を識別するための情報(識別情報)を記録する複数のICタグ12が収容されている。また、検体容器8は、複数のICタグ12を収容した収容部10の開口部を閉じる蓋部7を備えている。なお、収容部10は、例えば、ポリエステル、ポリエチレン又はポリプロピレン等の素材により形成されている。
【0018】
ここで、図2に示す検体容器8においては、収容部10に収容されているICタグ12が、図1に示す検体容器2とは異なっている。即ち、ICビーズに代えて図2に示すような短冊状のICタグであって、収容部10を形成する素材と同一の素材、例えば、ポリエステル、ポリエチレン又はポリプロピレン等の素材によりコーティングされているICタグが収容部10に収容されている。
【0019】
図3は、検体14を収容した検体容器2の外観図である。患者から採取された血液等の検体14は、ICタグ6が収容されている収容部4に収容される。ここで、検体を採取する際に、例えば、ICタグライタを介して検体容器2の収容部4に収容されている複数のICタグ6に検体ID、受付日等を含む検体の識別情報が書き込まれる。なお、ICタグライタからアンテナを介して送信される識別情報のデータは、収容部4に収容されている複数のICタグ6の各々において受信され、収容されている全てのICタグ6に同一の識別情報が記録される。また、ICタグ6としてICビーズを用いている場合には、図3に示すようにICタグ6が検体中に浮遊する。
【0020】
この実施の形態に係る検体容器によれば、ICタグが収容部内に備えられているため、検査終了後にICタグを回収し、洗浄滅菌を施すことによりICタグを容易に再利用することができる。
【0021】
また、この実施の形態に係る検体容器によれば、検体と共に検体の識別情報を記録したICタグが収容部に収容されているため、分注した検体にICタグを入れることにより、分注した検体に検体の識別情報を容易に付与することができる。
【0022】
また、この実施の形態に係る検体容器によれば、ICタグが収容部を形成する素材と同一の素材によりコーティングされている。従って、ICタグをコーティングしている素材により検体の検査結果に影響を与えることを防止することができる。
【0023】
なお、上述の実施の形態に係る検体容器においては、ICタグが収容部を形成する素材と同一の素材によりコーティングされているが、同一の素材に限らず、検体容器の収容部に収容される検体の性状に影響を与えない素材、例えば、PET(polyethylene terephthalate)等によりICタグをコーティングするようにしてもよい。
【0024】
次に、この発明の実施の形態に係る検体容器を用いて検体の分注を行う場合について説明する。なお、以下においては、図1に示す検体容器を用いて検体の分注を行う場合について説明する。
【0025】
図4は、検体容器に収容されている検体を分注する際に用いる分注装置20の概略構成図である。この分注装置20は、元検体用検体容器24に収容されている検体を、分注検体用検体容器26に分注するものである。なお、元検体用検体容器24は、図1に示す検体容器2と同一の構成であり、分注検体用検体容器26は試験管等により構成されている。また、分注装置20は、水平方向及び垂直方向に移動可能な分注ヘッド22を有している。
【0026】
図5は、分注装置20のブロック構成図である。この分注装置20は、分注装置20の全体を制御する制御部30を備えている。この制御部30には、分注ヘッド22の駆動制御を行う分注ヘッド駆動部32及び検体の吸引、吐出を行うためのポンプ34が接続されている。
【0027】
次に、図6のフローチャートを参照して実施の形態に係る検体容器を用いた検体の分注処理について説明する。まず、図7(a)に示すように、制御部30からの制御信号に基づいて、分注ヘッド駆動部32により分注ヘッド22を駆動し、元検体用検体容器24上に移動させ、更に元検体用検体容器24の収容部内に分注ヘッド22を挿入する(ステップS10)。
【0028】
次に、制御部30からの制御信号に基づいて、ポンプ34により元検体用検体容器24に収容されている元検体を必要量だけ吸引する(ステップS11)。ここで、検体容器24の収容部に収容されているICタグも元検体と共にポンプ34により吸引される。
【0029】
次に、図7(b)に示すように、制御部30からの制御信号に基づいて、分注ヘッド駆動部32により分注ヘッド22を駆動し、分注検体用検体容器26上に移動させ、更に分注検体用検体容器26の収容部内に分注ヘッド22を挿入する(ステップS12)。
【0030】
次に、制御部30からの制御信号に基づいて、ポンプ34を制御し分注検体用検体容器26内に吸引した検体を吐出する(ステップS13)。ここで、吸引されたICタグを検体と共に分注検体用検体容器26内に吐出する。
【0031】
この実施の形態に係る検体容器を用いた分注処理によれば、分注ヘッドを元検体用検体容器内に挿入して元検体の一部と共に、検体の識別情報を記録したICタグを吸引し、分注ヘッドを分注検体用検体容器内に挿入して吸引した元検体と共にICタグを吐出している。従って、検体の分注を行うのと同時に、検体の識別情報を記録したICタグが分割され、分注の際に分注検体用検体容器に検体の識別情報を記載したラベルの貼り付け等を行う必要がなく、分注の際の労力を軽減することができる。
【0032】
また、検体とICタグとを一体として分注の処理を行っているため、ラベルの貼り間違え等による検体の取り違え事故を適切に防止することができる。また、検体と共に検体の識別情報を記録したICタグが分注検体用検体容器に収容されるため、誤って分注が行われてしまった場合であっても、分注された検体がどの被験者の検体であるかを容易に特定することができる。
【0033】
なお、上述の実施の形態に係る検体容器を用いた検体の分注処理においては、分注ヘッドにより検体と共にICタグが吸引、吐出される場合を例としているが、検体とは別にICタグを分注検体用検体容器に移すようにしてもよい。即ち、図2に示すような短冊状のICタグが元検体用検体容器の収容部に収容されている場合には、分注検体用検体容器に検体を分注した後等に、元検体用検体容器から収容されているICタグの中の一枚を取り出し、分注検体用検体容器に投入するようにしてもよい。
【0034】
また、検体の識別情報として検体ID、受付日を検体容器に検体と共に収容されているICタグに記録させているが、更に、検査項目名、検査材料名、患者名、性別、年齢、病院名、カルテ番号等を記録させるようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
この発明によれば、収容部内に同一の検体の識別情報を記録した複数のICタグを備えているため、分注した検体にICタグを入れることにより、分注した検体に検体の識別情報を容易に付与することができる。また、検査終了後にICタグを回収して洗浄滅菌を施すことにより、容易にICタグを再利用することができる。更に、ICタグが検体の性状に影響を与えない素材でコーティングされているため、ICタグをコーティングしている素材により検体の検査結果に影響を与えることを防止することができる。
【0036】
また、検体と共に検体の識別情報を記録したICタグが収容部内に収容されているため、検体の識別情報と検体とを一体として管理することができ、検体の取り違え事故の発生を適切に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る検体容器の外観図である。
【図2】この発明の実施の形態に係る他の検体容器の外観図である。
【図3】この発明の実施の形態に係る検体容器に検体を収容した場合の外観図である。
【図4】この発明の実施の形態に係る検体容器を用いた検体の分注処理に用いる分注装置の概略図である。
【図5】この発明の実施の形態に係る分注装置のブロック構成図である。
【図6】この発明の実施の形態に係る検体の分注処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態に係る検体の分注処理を説明するための図である。
【符号の説明】
2…検体容器、4…収容部、6…ICタグ、7…蓋部、14…検体、20…分注装置、22…分注ヘッド、24…元検体用検体容器、26…分注検体用検体容器、30…制御部、32…分注ヘッド駆動部、34…ポンプ。
Claims (5)
- 一端が閉じ他端に開口部を有する筒状の収容部を備える検体容器であって、
前記収容部内に少なくとも2以上のICタグを備えることを特徴とする検体容器。 - 前記ICタグは、前記収容部に収容される検体を分注する際に用いられる分注ヘッドにより、前記検体と共に吸引、吐出が可能な大きさであることを特徴とする請求項1記載の検体容器。
- 前記ICタグは、前記収容部に収容される検体の性状に影響を与えることがない素材によりコーティングされていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の検体容器。
- 前記素材は、前記収容部を形成する素材と同一の素材であることを特徴とする請求項3記載の検体容器。
- 前記ICタグは、少なくとも前記収容部に収容される検体の識別情報を記録することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の検体容器。
Priority Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006239268A (ja) * | 2005-03-07 | 2006-09-14 | Nakanishi Mfg Co Ltd | 食器洗浄システム |
JP2006252099A (ja) * | 2005-03-10 | 2006-09-21 | National Institute Of Infectious Diseases | バイオセキュリティシステム |
JP2007191545A (ja) * | 2006-01-18 | 2007-08-02 | Trial Corp | 樹脂粒子及びその製造方法 |
-
2002
- 2002-09-04 JP JP2002258456A patent/JP2004093520A/ja active Pending
Cited By (4)
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JP2006239268A (ja) * | 2005-03-07 | 2006-09-14 | Nakanishi Mfg Co Ltd | 食器洗浄システム |
JP4605771B2 (ja) * | 2005-03-07 | 2011-01-05 | 株式会社中西製作所 | 食器洗浄システム |
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