JP2004091758A - 着色粒子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アントシアニン色素で着色した幅広い色相、鮮やかな色彩を有する粒子及びその製造方法の提供を課題とする。
【解決手段】アントシアニン色素含有溶液を様々なpH条件、金属イオン添加条件、加熱条件下で発色させ、セルロース、絹等の粒子を着色させることにより、幅広い色相、鮮やかな発色性、蛍光性等を示す粒子を得ることができる。また、キトサン粒子を利用することにより、アルカリ剤を添加することなく緑系の色相を得ることができ、生体に対する安全性の高い緑色の粒子が得られる。
【選択図】図1
【解決手段】アントシアニン色素含有溶液を様々なpH条件、金属イオン添加条件、加熱条件下で発色させ、セルロース、絹等の粒子を着色させることにより、幅広い色相、鮮やかな発色性、蛍光性等を示す粒子を得ることができる。また、キトサン粒子を利用することにより、アルカリ剤を添加することなく緑系の色相を得ることができ、生体に対する安全性の高い緑色の粒子が得られる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アントシアニン色素で着色した粒子およびその製造方法に属する。
【0002】
【従来の技術】
セルロース粒子、絹粒子、キトサン粒子等の天然物由来の粒子は、化粧料、食品、医薬品やその他の工業用品に使用されている。それらの中で化粧料用途に関しては、平均粒子径10ミクロン程度に粉砕したセルロース粒子や絹粒子がアイシャドウ、頬紅、ファンデーションなどに配合されて用いられている。
【0003】
化粧料用途に使用される粒子としては、クチナシ色素、紫根色素、紅花色素などの天然色素で処理したセルロース粒子や絹粒子がある。これらの天然色素処理したセルロース粒子や絹粒子は天然素材で構成されているため、人工的な合成色素を配合したものに比べて肌への負担が小さい点で優れている。
【0004】
特開昭61−293907号には、水溶性アルミニウム塩を媒染剤として各種天然色素によって染色した絹フィブロイン粒子が開示されている。しかし、本出願にはアントシアニン色素は開示されておらず、挙げられた天然色素含有植物の中にもチューリップの花弁は含まれていない。
【0005】
特開平3−247666号には、アントシアニン色素によって着色された絹またはセルロース粒子が開示されている。しかし、本出願の着色方法はpH2.5以下の染浴液中での染色であり、スルホン化等によって粒子側に導入された酸性イオン基とアントシアニンのカチオンとの静電気的吸着によるものである。そのため、得られる着色粒子の色相は赤系に限られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の天然色素処理したセルロース粒子および絹粒子としては、クチナシ色素、紫根色素、紅花色素などで処理した粒子があったが、それらの色素によって得られる色相には限りがあった。
【0007】
本発明は、セルロース、絹およびキトサンの粒子をアントシアニン色素で着色することにより、従来の天然色素処理粒子にはない幅広い色相、鮮やかな色彩を有する粒子とその製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明においては、植物の花弁、葉、茎、実、果実、果皮、種子、根、塊根に広く存在し、幅広い色相で鮮やかな発色を示すことが知られているアントシアニン色素を粒子の着色に利用している。
【0009】
アントシアニン色素はカラフルな花の色からも分かるように、天然色素の中でも特に幅広い色相に鮮やかな発色性を示すという特徴がある。この色素は単一の化合物であっても、発色条件を変えることによって通常の草や木による染めでは得られない花の色のような幅広い色相を得ることが出来る。酸性の条件下で発色させると赤〜紫系の色相が得られ、アルカリ性の条件下で発色させると黄〜緑〜青系の色相が得られるため、粒子の着色に効果的である。
【0010】
アントシアニン色素を発色させた溶液によって粒子を着色する場合、粒子の酸−塩基性が得られる着色粒子の色に影響を及ぼす。本発明では幅広い色相の粒子を得るために粒子の酸−塩基性に関して鋭意研究した結果、粒子として主にセルロース粒子、絹粒子およびキトサン粒子を利用している。
【0011】
セルロース粒子は化学構造中に多数の水酸基を有しているが、ほとんど電離することはなく中性物質としての挙動を示す。そのためアントシアニン色素含有溶液で処理する場合、発色条件に応じて得られた色素溶液の色相が得られる粒子の色に反映される。色素溶液に無機酸、有機酸、有機酸塩、有機アミン及び無機塩基性化合物等のpH調整剤、金属イオン等を添加することにより、着色粒子の色相、明度、彩度を広範囲に変化させることが出来る。
【0012】
絹粒子はタンパク質であり、酸−塩基性におけるアミノ酸由来の両性的性質がアントシアニン色素の発色性にも影響を及ぼす。絹粒子の酸−塩基性は中性付近にあるが、塩基性のアミノ基と酸性のカルボキシ基の両方を有している。そのため、アントシアニン色素抽出液を弱い酸性あるいはアルカリ性条件下で発色させても、絹粒子と混合すると緩衝作用により発色が阻害されて淡色となる。しかし、pH調整剤の量を増加すると濃色の粒子も得られる。さらに、金属イオンによる処理によって色相を変化させることが可能である。
【0013】
キトサン粒子はカニの甲殻等に存在するキチンを脱アセチル化して得られるキトサンの粒子であり、化学構造中に多数のアミノ基を有することから塩基性物質としての挙動を示す。すなわち、キトサン粒子自体がアルカリ剤として働くため、有機アミンや無機塩基性化合物等のアルカリ剤を添加することなく緑〜青系の粒子を得ることが出来る。さらに、色素溶液に鉄等の金属イオンを添加することによって明度、彩度等に変化をつけることが可能である。
【0014】
用途として化粧料のような人体に接触するものを検討する場合には、生体に対する安全性が重要な要素となる。一般に化粧料に配合されているアミン類や無機系アルカリ剤でも、皮膚や粘膜への刺激性があったり、有害であるものが多い。その点ではキトサン粒子は人体に無害な天然物由来の粒子であり、発色にアルカリ剤を必要としないため、生体との接触がある用途に関しては非常に有用である。
【0015】
キトサン粒子は他の粒子に混合することによってアルカリ性発色剤として用いることが出来る。セルロース粒子等の他の粒子にキトサン粒子を適当な割合で混合して色素液によって着色することにより、キトサン粒子の割合に応じて淡色から濃色までの緑系粒子を得ることが出来る。
【0016】
アントシアニン色素の水溶液中での安定性に関してはpH3以下の酸性ではかなり安定であるが、中性に近づくと不安定になってアルカリ性では分解が進行する。また、熱に対しても不安定で酸性条件下でも煮沸すると急速に分解する。そのため、出来るだけ色素を壊さずに抽出するには、良好な抽出力を有するエタノール等のアルコールを高濃度で含む溶液中で加熱しないで行うことが有効である。
【0017】
色素が完全に分解してしまうと粒子の着色に用いることは出来ないが、一部を分解させた色素溶液で天然物由来の粒子を処理すると、蛍光性やより彩度の高い鮮やかな色相が得られる。そのため蛍光色や鮮明色を得るには、色素抽出段階あるいは色素抽出後にアルカリ性条件下や加熱条件下に一定時間置くことで色素の一部を分解させることが有効である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明では、アントシアニン色素をチューリップの花弁から抽出して実施している。チューリップは球根が商品になるので大量の花弁が廃棄されており、そのためアントシアニン色素を含有する花弁が低コストで入手できる。しかし、チューリップの花弁以外の植物から抽出されたアントシアニン色素も同様の性質を有しており、本発明に使用することが出来る。アントシアニン色素の抽出に通常用いられる植物材料としては、シソの葉、赤キャベツの葉、ブドウの果実及び果皮、エルダーベリー及びブルーベリーの果実、サツマイモの塊根、ダイコンの赤紫根、トウモロコシの種子等が挙げられる。これらの植物から抽出されたアントシアニン色素は食品添加物として市販されており、それらを利用することも出来る。
【0019】
本発明で用いる粒子はセルロース粒子、絹粒子、キトサン粒子の各単体あるいはそれらの混合物を用いることが出来る。また、セルロースおよび絹粒子としては、スルホン化セルロース粒子、スルホン化絹粒子、N,N−ジアルキルアミノエチルメタクリレート変性絹フィブロイン粒子等の化学的に改質された粒子を用いることも出来る。また、着色される粒子とともに通常化粧料に用いられる粒子や粉末を混合して用いることも出来る。それらの粒子としては、例えば、ウール粒子、コーンスターチ等の澱粉、ナイロン粒子、ウレタン樹脂粒子、シリコーン粒子等の樹脂粒子、タルク、マイカ、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、シリカ、アルミナ等の無機粉体、硫酸バリウム等の金属塩等が挙げられる。本発明で用いる粒子の形状および大きさには特に制限はないが、粒径1〜100μm、好ましくは1〜20μmが良い。
【0020】
本発明における色素発色のためのpH調整は、pH調整剤として塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、燐酸等の無機酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、アスコルビン酸等の有機酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム等の有機酸塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアミン類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基性化合物等を添加することによって行うことが出来る。このような酸−塩基性条件を発色性の基本とし、さらにスズ、アルミニウム、銅、クロム、鉄、チタン、カルシウム、アンチモン等の金属イオンによる媒染効果により、色相、明度、彩度を変化させて多様な発色性を得ることが出来る。
【0021】
発明の実施の形態を実施例に基づき、図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。まず、チューリップの花弁から抽出して酸性条件下で発色させたアントシアニン色素含有液で、麻セルロース粒子および絹粒子を処理して得られる本発明の着色粒子の製造例を説明する。
【0022】
(実施例1)紫色のチューリップ花弁100gを水洗して細かく切断し、300mLのエタノール中に浸して室温で24時間放置し、アントシアニン色素を溶出させた。これを濾過した色素含有液にクエン酸2gを溶解させ、溶液を赤色に発色させた。このアントシアニン色素の発色溶液を、平均粒子径10μmの麻セルロース粒子(株式会社トスコ中央研究所製)100gと混合して55℃で乾燥したところ、ピンク色に着色された麻セルロース粒子を得た。不揮発性の有機酸で発色させたことにより乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。このピンク色の粒子を分光測色計によってD65光源、10°視野で測色したところ、図1に示すような反射率曲線が得られ、L*a*b*表色系で表される値はL*=78.07、a*=14.06、b*=−3.97であった。
【0023】
(実施例2)紫色のチューリップ花弁100gを水洗して細かく切断し、300mLのエタノール中に浸して室温で24時間放置し、アントシアニン色素を溶出させた。これを濾過した色素含有液にクエン酸2g及び塩化第一錫1gを添加し、溶液を紫色に発色させた。このアントシアニン色素の発色溶液を、平均粒子径10μmの麻セルロース粒子100gと混合して55℃で乾燥したところ、紫色に着色された麻セルロース粒子を得た。乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。この紫色の粒子を分光測色計によってD65光源、10°視野で測色したところ、図2に示すような反射率曲線が得られ、L*a*b*表色系で表される値はL*=78.09、a*=4.81、b*=−6.61であった。
【0024】
(実施例3)紫色のチューリップ花弁100gを水洗して細かく切断し、300mLのエタノール中に浸して室温で24時間放置し、アントシアニン色素を溶出させた。これを濾過した色素含有液にクエン酸2g及び硫酸第二鉄1gを添加し、溶液を暗赤色に発色させた。このアントシアニン色素の発色溶液を、平均粒子径10μmの麻セルロース粒子100gと混合して55℃で乾燥したところ、肌色に着色された麻セルロース粒子を得た。乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。この肌色の粒子を分光測色計によってD65光源、10°視野で測色したところ、図3に示すような反射率曲線が得られ、L*a*b*表色系で表される値はL*=73.87、a*=6.45、b*=0.58であった。
【0025】
(実施例4)紫色のチューリップ花弁100gを水洗して細かく切断し、200mLの塩酸溶液(pH=1.9)に浸して室温で24時間放置してアントシアニン色素を溶出させた。これを濾過した色素含有液を平均粒子径10μm以下の絹粒子(株式会社トスコ中央研究所製)100gと混合して55℃で乾燥したところ、ピンク色に着色された絹粒子を得た。乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。
【0026】
以上のように、紫色のチューリップ花弁から抽出したアントシアニン色素液を酸性条件下で発色させ、麻セルロース粒子および絹粒子を処理するとピンク色の粒子が得られた。また、発色工程で金属塩を添加して金属イオンによって媒染することにより、着色粒子の色相を紫色及び肌色に変化させることが出来た。
【0027】
次に、エタノール水溶液中でチューリップの花弁から抽出したアントシアニン色素含有液をアルカリ性条件下で発色させて麻セルロース粒子、キトサン粒子、絹粒子を着色した本発明の着色粒子の製造例を説明する。
【0028】
(実施例5)紫色のチューリップ花弁100gを水洗して細かく切断し、300mLのエタノール中に浸して室温で24時間放置し、アントシアニン色素を溶出させた。これを濾過した色素含有液に炭酸ナトリウム1gを添加して室温で3日間放置し、溶液を暗緑色に発色させた。このアントシアニン色素の発色溶液を、平均粒子径10μmの麻セルロース粒子100gと混合して55℃で乾燥したところ、黄緑色に着色された麻セルロース粒子を得た。乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。この黄緑色の粒子をブラックライトの下で観察すると蛍光性が認められ、分光測色計によってD65光源、10°視野で測色すると図4に示すような反射率曲線が得られた。L*a*b*表色系で表される値はL*=85.01、a*=−6.86、b*=31.84であり、L*値が大きく高い明度を有する粒子が得られた。この着色粒子の光に対する安定性を、JIS L 0842の紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法に従って評価した結果、3級以上という良好な耐光性が確認された。
【0029】
(実施例6)紫色のチューリップ花弁100gを水洗して細かく切断し、300mLのエタノール中に浸して室温で24時間放置し、アントシアニン色素を溶出させた。これを濾過した色素含有液を平均粒子径15μmのキトサン粒子(株式会社トスコ中央研究所製)100gと混合して55℃で乾燥したところ、緑色に着色されたキトサン粒子を得た。乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。この緑色の粒子をブラックライトの下で観察すると蛍光性が認められ、分光測色計によってD65光源、10°視野で測色したところ、図5に示すような反射率曲線が得られた。L*a*b*表色系で表される値はL*=72.49、a*=−13.28、b*=22.93であった。この着色粒子の色素の溶出性を、着色粒子0.5gにエタノールと水との容量比1:5の混合液10mlを加えて室温で30分間振とうした後に放置して上澄み液の着色状態を目視によって観察して評価した。その結果、粒子から色素の溶出はほとんど無かった。
【0030】
(実施例7)紫色のチューリップ花弁100gを水洗して細かく切断し、300mLのエタノール中に浸して室温で24時間放置し、アントシアニン色素を溶出させた。これを濾過した色素含有液に硫酸第二鉄1gを添加して濃い赤紫色に発色させ、その発色液を平均粒子径15μmのキトサン粒子100gと混合して55℃で乾燥したところ、暗緑色に着色されたキトサン粒子を得た。乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。この暗緑色の粒子を分光測色計によってD65光源、10°視野で測色したところ、図6に示すような反射率曲線が得られ、L*a*b*表色系で表される値はL*=56.69、a*=−3.80、b*=18.83であった。この着色粒子の色素の溶出性を実施例6に記載した方法によって評価した結果、粒子から色素の溶出は認められなかった。
【0031】
(実施例8)紫色のチューリップ花弁100gを水洗して細かく切断し、300mLのエタノール中に浸して室温で24時間放置し、アントシアニン色素を溶出させた。これを濾過した色素含有液を平均粒子径15μmのキトサン粒子50gと平均粒子径10μm以下の絹粒子50gの混合粒子と混合して55℃で乾燥したところ、淡緑色に着色されたキトサン/絹混合粒子を得た。乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。この淡緑色の粒子を分光測色計によってD65光源、10°視野で測色したところ、図7に示すような反射率曲線が得られ、L*a*b*表色系で表される値はL*=76.77、a*=−7.80、b*=11.75であった。この着色粒子の光に対する安定性をJIS L 0842に従って評価した結果、3級以上という良好な耐光性が確認された。また、色素の溶出性を実施例6に記載した方法によって評価した結果、粒子から色素の溶出はほとんど無かった。
【0032】
以上のように、紫色のチューリップ花弁から抽出したアントシアニン色素液をアルカリ剤あるいはキトサン粒子のアミノ基によって発色させ、これによって緑〜黄系の色相をもつ麻セルロース粒子、キトサン粒子、キトサン/絹混合粒子を得た。キトサン粒子と他の粒子の混合割合に応じた色濃度の緑色粒子が得られ、金属イオンの媒染効果によっては明度・彩度を変化させることが出来た。緑系に着色されたキトサン粒子は色素の溶出がほとんど無いことから粒子と色素が強固に吸着していると考えられ、使用条件をあまり限定されることなく顔料として用いることが可能である。
【0033】
次に、酸性水溶液中でチューリップの花弁から抽出して加熱処理した色素含有液で、麻セルロース粒子を処理して得られる本発明の着色粒子の製造例を説明する。
【0034】
(実施例9)紫色のチューリップ花弁100gを水洗して細かく切断し、200mLの塩酸溶液(pH=1.9)に浸して室温で24時間放置してアントシアニン色素を溶出させ、続いて80℃で1時間の加熱を行った。これを濾過した色素含有液を平均粒子径10μmの麻セルロース粒子100gと混合して55℃で乾燥したところ、赤紫色に着色された麻セルロース粒子を得た。乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。この赤紫色の粒子を分光測色計によってD65光源、10°視野で測色したところ、図8に示すような反射率曲線が得られ、L*a*b*表色系で表される値はL*=75.19、a*=15.20、b*=−4.53であった。この着色粒子の光に対する安定性をJIS L 0842に従って評価した結果、3級以上という良好な耐光性が確認された。また、色素の溶出性を実施例6に記載した方法によって評価した結果、大部分の色素は粒子から溶出することが確認された。
【0035】
(実施例10)赤色のチューリップ花弁100gを水洗して細かく切断し、200mLの塩酸溶液(pH=1.5)に浸して室温で24時間放置してアントシアニン色素を溶出させ、続いて80℃で1時間の加熱を行った。これを濾過した色素含有液を平均粒子径10μmの麻セルロース粒子100gと混合して55℃で乾燥したところ、鮮やかピンク色に着色された麻セルロース粒子を得た。乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。このピンク色の粒子を分光測色計によってD65光源、10°視野で測色したところ、図9に示すような反射率曲線が得られ、L*a*b*表色系で表される値はL*=70.57、a*=29.36、b*=0.65であった。この着色粒子の光に対する安定性をJIS L 0842に従って評価した結果、3級以上という良好な耐光性が確認された。また、色素の溶出性を実施例6に記載した方法によって評価した結果、大部分の色素は粒子から溶出することが確認された。
【0036】
酸性水溶液中でチューリップの花弁から抽出して加熱処理した色素含有液で麻セルロース粒子を処理して得られた粒子では、分光反射率曲線の最大値と極小値の落差が大きく、彩度の高い鮮やかな色相が得られた。強酸性条件でセルロース粒子を着色して乾燥させたアントシアニン色素は熱および光に対して安定性が高く、後に再び色素として取り出すことも容易であることから、色素の保存方法としても有用である。
【0037】
次に、食品添加物として市販されているサツマイモの塊根から抽出された色素で、キトサン粒子を処理して得られる本発明の着色粒子の製造例を説明する。
【0038】
(実施例11)サツマイモの塊根から抽出された市販のアントシアニン色素、キリヤスレッドPSP(キリヤ化学株式会社製)は、安定化させるためにクエン酸を添加して酸性に調整されている。そのため、キトサン粒子の着色に用いる前に水酸化ナトリウム水溶液で中和した。キリヤスレッドPSP10gを中和し、平均粒子径15μmのキトサン粒子100gと混合して55℃で乾燥したところ、青緑色に着色されたキトサン粒子を得た。乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。この青緑色の粒子を分光測色計によってD65光源、10°視野で測色したところ、図10に示すような反射率曲線が得られ、L*a*b*表色系で表される値はL*=57.85、a*=−11.77、b*=−4.13であった。
【0039】
本発明の化粧料は、アントシアニン色素で着色された粒子を着色剤として配合したものであり、その配合量は化粧料の基本組成100重量部に対し、化粧料の種類に応じて0.01〜50重量部の範囲で選ばれる。本発明の化粧料における基本組成には特に制限はなく、例えばアイシャドウ、頬紅、ファンデーション、口紅、美爪料、ボディパウダーなどの各種化粧料に慣用されている基本組成を用いることが出来る。また、本発明の化粧料には、必要に応じて無機顔料や有機顔料などの他の着色剤を配合しても良い。
【0040】
本発明の化粧料の調製方法については特に制限はなく、従来化粧料の調製に慣用されている方法を用いることが出来る。実施例1のピンク色の麻セルロース粒子を着色剤として配合し、従来慣用されている方法で頬紅を調製したところ、自然な淡い色調の頬紅を得た。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0042】
天然物由来の粒子をアントシアニン色素で処理することにより、通常の草や木による染めでは得られない花のような幅広い色相で鮮やかな発色性の粒子を得ることができる。
【0043】
酸性で発色させると赤〜紫系の色相、アルカリ性では緑〜黄系という酸−塩基性条件による発色性の制御が可能であり、さらに金属イオンの添加によっても色相、明度、彩度を変化させた様々な色の粒子が得られる。
【0044】
また、化学構造中にアミノ基を有するキトサン粒子をアルカリ剤として利用すると、他のアルカリ剤を添加することなく緑系の色相を得ることができ、生体に対する安全性の高い緑色の粒子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた本発明によるアントシアニン色素処理麻セルロース粒子の分光反射率曲線である。
【図2】実施例2で得られた本発明によるアントシアニン色素処理麻セルロース粒子の分光反射率曲線である。
【図3】実施例3で得られた本発明によるアントシアニン色素処理麻セルロース粒子の分光反射率曲線である。
【図4】実施例5で得られた本発明によるアントシアニン色素処理麻セルロース粒子の分光反射率曲線である。
【図5】実施例6で得られた本発明によるアントシアニン色素処理キトサン粒子の分光反射率曲線である。
【図6】実施例7で得られた本発明によるアントシアニン色素処理キトサン粒子の分光反射率曲線である。
【図7】実施例8で得られた本発明によるアントシアニン色素処理キトサン/絹混合粒子の分光反射率曲線である。
【図8】実施例9で得られた本発明によるアントシアニン色素処理麻セルロース粒子の分光反射率曲線である。
【図9】実施例10で得られた本発明によるアントシアニン色素処理麻セルロース粒子の分光反射率曲線である。
【図10】実施例11で得られた本発明によるアントシアニン色素処理キトサン粒子の分光反射率曲線である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、アントシアニン色素で着色した粒子およびその製造方法に属する。
【0002】
【従来の技術】
セルロース粒子、絹粒子、キトサン粒子等の天然物由来の粒子は、化粧料、食品、医薬品やその他の工業用品に使用されている。それらの中で化粧料用途に関しては、平均粒子径10ミクロン程度に粉砕したセルロース粒子や絹粒子がアイシャドウ、頬紅、ファンデーションなどに配合されて用いられている。
【0003】
化粧料用途に使用される粒子としては、クチナシ色素、紫根色素、紅花色素などの天然色素で処理したセルロース粒子や絹粒子がある。これらの天然色素処理したセルロース粒子や絹粒子は天然素材で構成されているため、人工的な合成色素を配合したものに比べて肌への負担が小さい点で優れている。
【0004】
特開昭61−293907号には、水溶性アルミニウム塩を媒染剤として各種天然色素によって染色した絹フィブロイン粒子が開示されている。しかし、本出願にはアントシアニン色素は開示されておらず、挙げられた天然色素含有植物の中にもチューリップの花弁は含まれていない。
【0005】
特開平3−247666号には、アントシアニン色素によって着色された絹またはセルロース粒子が開示されている。しかし、本出願の着色方法はpH2.5以下の染浴液中での染色であり、スルホン化等によって粒子側に導入された酸性イオン基とアントシアニンのカチオンとの静電気的吸着によるものである。そのため、得られる着色粒子の色相は赤系に限られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の天然色素処理したセルロース粒子および絹粒子としては、クチナシ色素、紫根色素、紅花色素などで処理した粒子があったが、それらの色素によって得られる色相には限りがあった。
【0007】
本発明は、セルロース、絹およびキトサンの粒子をアントシアニン色素で着色することにより、従来の天然色素処理粒子にはない幅広い色相、鮮やかな色彩を有する粒子とその製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明においては、植物の花弁、葉、茎、実、果実、果皮、種子、根、塊根に広く存在し、幅広い色相で鮮やかな発色を示すことが知られているアントシアニン色素を粒子の着色に利用している。
【0009】
アントシアニン色素はカラフルな花の色からも分かるように、天然色素の中でも特に幅広い色相に鮮やかな発色性を示すという特徴がある。この色素は単一の化合物であっても、発色条件を変えることによって通常の草や木による染めでは得られない花の色のような幅広い色相を得ることが出来る。酸性の条件下で発色させると赤〜紫系の色相が得られ、アルカリ性の条件下で発色させると黄〜緑〜青系の色相が得られるため、粒子の着色に効果的である。
【0010】
アントシアニン色素を発色させた溶液によって粒子を着色する場合、粒子の酸−塩基性が得られる着色粒子の色に影響を及ぼす。本発明では幅広い色相の粒子を得るために粒子の酸−塩基性に関して鋭意研究した結果、粒子として主にセルロース粒子、絹粒子およびキトサン粒子を利用している。
【0011】
セルロース粒子は化学構造中に多数の水酸基を有しているが、ほとんど電離することはなく中性物質としての挙動を示す。そのためアントシアニン色素含有溶液で処理する場合、発色条件に応じて得られた色素溶液の色相が得られる粒子の色に反映される。色素溶液に無機酸、有機酸、有機酸塩、有機アミン及び無機塩基性化合物等のpH調整剤、金属イオン等を添加することにより、着色粒子の色相、明度、彩度を広範囲に変化させることが出来る。
【0012】
絹粒子はタンパク質であり、酸−塩基性におけるアミノ酸由来の両性的性質がアントシアニン色素の発色性にも影響を及ぼす。絹粒子の酸−塩基性は中性付近にあるが、塩基性のアミノ基と酸性のカルボキシ基の両方を有している。そのため、アントシアニン色素抽出液を弱い酸性あるいはアルカリ性条件下で発色させても、絹粒子と混合すると緩衝作用により発色が阻害されて淡色となる。しかし、pH調整剤の量を増加すると濃色の粒子も得られる。さらに、金属イオンによる処理によって色相を変化させることが可能である。
【0013】
キトサン粒子はカニの甲殻等に存在するキチンを脱アセチル化して得られるキトサンの粒子であり、化学構造中に多数のアミノ基を有することから塩基性物質としての挙動を示す。すなわち、キトサン粒子自体がアルカリ剤として働くため、有機アミンや無機塩基性化合物等のアルカリ剤を添加することなく緑〜青系の粒子を得ることが出来る。さらに、色素溶液に鉄等の金属イオンを添加することによって明度、彩度等に変化をつけることが可能である。
【0014】
用途として化粧料のような人体に接触するものを検討する場合には、生体に対する安全性が重要な要素となる。一般に化粧料に配合されているアミン類や無機系アルカリ剤でも、皮膚や粘膜への刺激性があったり、有害であるものが多い。その点ではキトサン粒子は人体に無害な天然物由来の粒子であり、発色にアルカリ剤を必要としないため、生体との接触がある用途に関しては非常に有用である。
【0015】
キトサン粒子は他の粒子に混合することによってアルカリ性発色剤として用いることが出来る。セルロース粒子等の他の粒子にキトサン粒子を適当な割合で混合して色素液によって着色することにより、キトサン粒子の割合に応じて淡色から濃色までの緑系粒子を得ることが出来る。
【0016】
アントシアニン色素の水溶液中での安定性に関してはpH3以下の酸性ではかなり安定であるが、中性に近づくと不安定になってアルカリ性では分解が進行する。また、熱に対しても不安定で酸性条件下でも煮沸すると急速に分解する。そのため、出来るだけ色素を壊さずに抽出するには、良好な抽出力を有するエタノール等のアルコールを高濃度で含む溶液中で加熱しないで行うことが有効である。
【0017】
色素が完全に分解してしまうと粒子の着色に用いることは出来ないが、一部を分解させた色素溶液で天然物由来の粒子を処理すると、蛍光性やより彩度の高い鮮やかな色相が得られる。そのため蛍光色や鮮明色を得るには、色素抽出段階あるいは色素抽出後にアルカリ性条件下や加熱条件下に一定時間置くことで色素の一部を分解させることが有効である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明では、アントシアニン色素をチューリップの花弁から抽出して実施している。チューリップは球根が商品になるので大量の花弁が廃棄されており、そのためアントシアニン色素を含有する花弁が低コストで入手できる。しかし、チューリップの花弁以外の植物から抽出されたアントシアニン色素も同様の性質を有しており、本発明に使用することが出来る。アントシアニン色素の抽出に通常用いられる植物材料としては、シソの葉、赤キャベツの葉、ブドウの果実及び果皮、エルダーベリー及びブルーベリーの果実、サツマイモの塊根、ダイコンの赤紫根、トウモロコシの種子等が挙げられる。これらの植物から抽出されたアントシアニン色素は食品添加物として市販されており、それらを利用することも出来る。
【0019】
本発明で用いる粒子はセルロース粒子、絹粒子、キトサン粒子の各単体あるいはそれらの混合物を用いることが出来る。また、セルロースおよび絹粒子としては、スルホン化セルロース粒子、スルホン化絹粒子、N,N−ジアルキルアミノエチルメタクリレート変性絹フィブロイン粒子等の化学的に改質された粒子を用いることも出来る。また、着色される粒子とともに通常化粧料に用いられる粒子や粉末を混合して用いることも出来る。それらの粒子としては、例えば、ウール粒子、コーンスターチ等の澱粉、ナイロン粒子、ウレタン樹脂粒子、シリコーン粒子等の樹脂粒子、タルク、マイカ、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、シリカ、アルミナ等の無機粉体、硫酸バリウム等の金属塩等が挙げられる。本発明で用いる粒子の形状および大きさには特に制限はないが、粒径1〜100μm、好ましくは1〜20μmが良い。
【0020】
本発明における色素発色のためのpH調整は、pH調整剤として塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、燐酸等の無機酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、アスコルビン酸等の有機酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム等の有機酸塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアミン類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基性化合物等を添加することによって行うことが出来る。このような酸−塩基性条件を発色性の基本とし、さらにスズ、アルミニウム、銅、クロム、鉄、チタン、カルシウム、アンチモン等の金属イオンによる媒染効果により、色相、明度、彩度を変化させて多様な発色性を得ることが出来る。
【0021】
発明の実施の形態を実施例に基づき、図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。まず、チューリップの花弁から抽出して酸性条件下で発色させたアントシアニン色素含有液で、麻セルロース粒子および絹粒子を処理して得られる本発明の着色粒子の製造例を説明する。
【0022】
(実施例1)紫色のチューリップ花弁100gを水洗して細かく切断し、300mLのエタノール中に浸して室温で24時間放置し、アントシアニン色素を溶出させた。これを濾過した色素含有液にクエン酸2gを溶解させ、溶液を赤色に発色させた。このアントシアニン色素の発色溶液を、平均粒子径10μmの麻セルロース粒子(株式会社トスコ中央研究所製)100gと混合して55℃で乾燥したところ、ピンク色に着色された麻セルロース粒子を得た。不揮発性の有機酸で発色させたことにより乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。このピンク色の粒子を分光測色計によってD65光源、10°視野で測色したところ、図1に示すような反射率曲線が得られ、L*a*b*表色系で表される値はL*=78.07、a*=14.06、b*=−3.97であった。
【0023】
(実施例2)紫色のチューリップ花弁100gを水洗して細かく切断し、300mLのエタノール中に浸して室温で24時間放置し、アントシアニン色素を溶出させた。これを濾過した色素含有液にクエン酸2g及び塩化第一錫1gを添加し、溶液を紫色に発色させた。このアントシアニン色素の発色溶液を、平均粒子径10μmの麻セルロース粒子100gと混合して55℃で乾燥したところ、紫色に着色された麻セルロース粒子を得た。乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。この紫色の粒子を分光測色計によってD65光源、10°視野で測色したところ、図2に示すような反射率曲線が得られ、L*a*b*表色系で表される値はL*=78.09、a*=4.81、b*=−6.61であった。
【0024】
(実施例3)紫色のチューリップ花弁100gを水洗して細かく切断し、300mLのエタノール中に浸して室温で24時間放置し、アントシアニン色素を溶出させた。これを濾過した色素含有液にクエン酸2g及び硫酸第二鉄1gを添加し、溶液を暗赤色に発色させた。このアントシアニン色素の発色溶液を、平均粒子径10μmの麻セルロース粒子100gと混合して55℃で乾燥したところ、肌色に着色された麻セルロース粒子を得た。乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。この肌色の粒子を分光測色計によってD65光源、10°視野で測色したところ、図3に示すような反射率曲線が得られ、L*a*b*表色系で表される値はL*=73.87、a*=6.45、b*=0.58であった。
【0025】
(実施例4)紫色のチューリップ花弁100gを水洗して細かく切断し、200mLの塩酸溶液(pH=1.9)に浸して室温で24時間放置してアントシアニン色素を溶出させた。これを濾過した色素含有液を平均粒子径10μm以下の絹粒子(株式会社トスコ中央研究所製)100gと混合して55℃で乾燥したところ、ピンク色に着色された絹粒子を得た。乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。
【0026】
以上のように、紫色のチューリップ花弁から抽出したアントシアニン色素液を酸性条件下で発色させ、麻セルロース粒子および絹粒子を処理するとピンク色の粒子が得られた。また、発色工程で金属塩を添加して金属イオンによって媒染することにより、着色粒子の色相を紫色及び肌色に変化させることが出来た。
【0027】
次に、エタノール水溶液中でチューリップの花弁から抽出したアントシアニン色素含有液をアルカリ性条件下で発色させて麻セルロース粒子、キトサン粒子、絹粒子を着色した本発明の着色粒子の製造例を説明する。
【0028】
(実施例5)紫色のチューリップ花弁100gを水洗して細かく切断し、300mLのエタノール中に浸して室温で24時間放置し、アントシアニン色素を溶出させた。これを濾過した色素含有液に炭酸ナトリウム1gを添加して室温で3日間放置し、溶液を暗緑色に発色させた。このアントシアニン色素の発色溶液を、平均粒子径10μmの麻セルロース粒子100gと混合して55℃で乾燥したところ、黄緑色に着色された麻セルロース粒子を得た。乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。この黄緑色の粒子をブラックライトの下で観察すると蛍光性が認められ、分光測色計によってD65光源、10°視野で測色すると図4に示すような反射率曲線が得られた。L*a*b*表色系で表される値はL*=85.01、a*=−6.86、b*=31.84であり、L*値が大きく高い明度を有する粒子が得られた。この着色粒子の光に対する安定性を、JIS L 0842の紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法に従って評価した結果、3級以上という良好な耐光性が確認された。
【0029】
(実施例6)紫色のチューリップ花弁100gを水洗して細かく切断し、300mLのエタノール中に浸して室温で24時間放置し、アントシアニン色素を溶出させた。これを濾過した色素含有液を平均粒子径15μmのキトサン粒子(株式会社トスコ中央研究所製)100gと混合して55℃で乾燥したところ、緑色に着色されたキトサン粒子を得た。乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。この緑色の粒子をブラックライトの下で観察すると蛍光性が認められ、分光測色計によってD65光源、10°視野で測色したところ、図5に示すような反射率曲線が得られた。L*a*b*表色系で表される値はL*=72.49、a*=−13.28、b*=22.93であった。この着色粒子の色素の溶出性を、着色粒子0.5gにエタノールと水との容量比1:5の混合液10mlを加えて室温で30分間振とうした後に放置して上澄み液の着色状態を目視によって観察して評価した。その結果、粒子から色素の溶出はほとんど無かった。
【0030】
(実施例7)紫色のチューリップ花弁100gを水洗して細かく切断し、300mLのエタノール中に浸して室温で24時間放置し、アントシアニン色素を溶出させた。これを濾過した色素含有液に硫酸第二鉄1gを添加して濃い赤紫色に発色させ、その発色液を平均粒子径15μmのキトサン粒子100gと混合して55℃で乾燥したところ、暗緑色に着色されたキトサン粒子を得た。乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。この暗緑色の粒子を分光測色計によってD65光源、10°視野で測色したところ、図6に示すような反射率曲線が得られ、L*a*b*表色系で表される値はL*=56.69、a*=−3.80、b*=18.83であった。この着色粒子の色素の溶出性を実施例6に記載した方法によって評価した結果、粒子から色素の溶出は認められなかった。
【0031】
(実施例8)紫色のチューリップ花弁100gを水洗して細かく切断し、300mLのエタノール中に浸して室温で24時間放置し、アントシアニン色素を溶出させた。これを濾過した色素含有液を平均粒子径15μmのキトサン粒子50gと平均粒子径10μm以下の絹粒子50gの混合粒子と混合して55℃で乾燥したところ、淡緑色に着色されたキトサン/絹混合粒子を得た。乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。この淡緑色の粒子を分光測色計によってD65光源、10°視野で測色したところ、図7に示すような反射率曲線が得られ、L*a*b*表色系で表される値はL*=76.77、a*=−7.80、b*=11.75であった。この着色粒子の光に対する安定性をJIS L 0842に従って評価した結果、3級以上という良好な耐光性が確認された。また、色素の溶出性を実施例6に記載した方法によって評価した結果、粒子から色素の溶出はほとんど無かった。
【0032】
以上のように、紫色のチューリップ花弁から抽出したアントシアニン色素液をアルカリ剤あるいはキトサン粒子のアミノ基によって発色させ、これによって緑〜黄系の色相をもつ麻セルロース粒子、キトサン粒子、キトサン/絹混合粒子を得た。キトサン粒子と他の粒子の混合割合に応じた色濃度の緑色粒子が得られ、金属イオンの媒染効果によっては明度・彩度を変化させることが出来た。緑系に着色されたキトサン粒子は色素の溶出がほとんど無いことから粒子と色素が強固に吸着していると考えられ、使用条件をあまり限定されることなく顔料として用いることが可能である。
【0033】
次に、酸性水溶液中でチューリップの花弁から抽出して加熱処理した色素含有液で、麻セルロース粒子を処理して得られる本発明の着色粒子の製造例を説明する。
【0034】
(実施例9)紫色のチューリップ花弁100gを水洗して細かく切断し、200mLの塩酸溶液(pH=1.9)に浸して室温で24時間放置してアントシアニン色素を溶出させ、続いて80℃で1時間の加熱を行った。これを濾過した色素含有液を平均粒子径10μmの麻セルロース粒子100gと混合して55℃で乾燥したところ、赤紫色に着色された麻セルロース粒子を得た。乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。この赤紫色の粒子を分光測色計によってD65光源、10°視野で測色したところ、図8に示すような反射率曲線が得られ、L*a*b*表色系で表される値はL*=75.19、a*=15.20、b*=−4.53であった。この着色粒子の光に対する安定性をJIS L 0842に従って評価した結果、3級以上という良好な耐光性が確認された。また、色素の溶出性を実施例6に記載した方法によって評価した結果、大部分の色素は粒子から溶出することが確認された。
【0035】
(実施例10)赤色のチューリップ花弁100gを水洗して細かく切断し、200mLの塩酸溶液(pH=1.5)に浸して室温で24時間放置してアントシアニン色素を溶出させ、続いて80℃で1時間の加熱を行った。これを濾過した色素含有液を平均粒子径10μmの麻セルロース粒子100gと混合して55℃で乾燥したところ、鮮やかピンク色に着色された麻セルロース粒子を得た。乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。このピンク色の粒子を分光測色計によってD65光源、10°視野で測色したところ、図9に示すような反射率曲線が得られ、L*a*b*表色系で表される値はL*=70.57、a*=29.36、b*=0.65であった。この着色粒子の光に対する安定性をJIS L 0842に従って評価した結果、3級以上という良好な耐光性が確認された。また、色素の溶出性を実施例6に記載した方法によって評価した結果、大部分の色素は粒子から溶出することが確認された。
【0036】
酸性水溶液中でチューリップの花弁から抽出して加熱処理した色素含有液で麻セルロース粒子を処理して得られた粒子では、分光反射率曲線の最大値と極小値の落差が大きく、彩度の高い鮮やかな色相が得られた。強酸性条件でセルロース粒子を着色して乾燥させたアントシアニン色素は熱および光に対して安定性が高く、後に再び色素として取り出すことも容易であることから、色素の保存方法としても有用である。
【0037】
次に、食品添加物として市販されているサツマイモの塊根から抽出された色素で、キトサン粒子を処理して得られる本発明の着色粒子の製造例を説明する。
【0038】
(実施例11)サツマイモの塊根から抽出された市販のアントシアニン色素、キリヤスレッドPSP(キリヤ化学株式会社製)は、安定化させるためにクエン酸を添加して酸性に調整されている。そのため、キトサン粒子の着色に用いる前に水酸化ナトリウム水溶液で中和した。キリヤスレッドPSP10gを中和し、平均粒子径15μmのキトサン粒子100gと混合して55℃で乾燥したところ、青緑色に着色されたキトサン粒子を得た。乾燥によって退色することはなく、耐熱性に優れていることが確認された。この青緑色の粒子を分光測色計によってD65光源、10°視野で測色したところ、図10に示すような反射率曲線が得られ、L*a*b*表色系で表される値はL*=57.85、a*=−11.77、b*=−4.13であった。
【0039】
本発明の化粧料は、アントシアニン色素で着色された粒子を着色剤として配合したものであり、その配合量は化粧料の基本組成100重量部に対し、化粧料の種類に応じて0.01〜50重量部の範囲で選ばれる。本発明の化粧料における基本組成には特に制限はなく、例えばアイシャドウ、頬紅、ファンデーション、口紅、美爪料、ボディパウダーなどの各種化粧料に慣用されている基本組成を用いることが出来る。また、本発明の化粧料には、必要に応じて無機顔料や有機顔料などの他の着色剤を配合しても良い。
【0040】
本発明の化粧料の調製方法については特に制限はなく、従来化粧料の調製に慣用されている方法を用いることが出来る。実施例1のピンク色の麻セルロース粒子を着色剤として配合し、従来慣用されている方法で頬紅を調製したところ、自然な淡い色調の頬紅を得た。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0042】
天然物由来の粒子をアントシアニン色素で処理することにより、通常の草や木による染めでは得られない花のような幅広い色相で鮮やかな発色性の粒子を得ることができる。
【0043】
酸性で発色させると赤〜紫系の色相、アルカリ性では緑〜黄系という酸−塩基性条件による発色性の制御が可能であり、さらに金属イオンの添加によっても色相、明度、彩度を変化させた様々な色の粒子が得られる。
【0044】
また、化学構造中にアミノ基を有するキトサン粒子をアルカリ剤として利用すると、他のアルカリ剤を添加することなく緑系の色相を得ることができ、生体に対する安全性の高い緑色の粒子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた本発明によるアントシアニン色素処理麻セルロース粒子の分光反射率曲線である。
【図2】実施例2で得られた本発明によるアントシアニン色素処理麻セルロース粒子の分光反射率曲線である。
【図3】実施例3で得られた本発明によるアントシアニン色素処理麻セルロース粒子の分光反射率曲線である。
【図4】実施例5で得られた本発明によるアントシアニン色素処理麻セルロース粒子の分光反射率曲線である。
【図5】実施例6で得られた本発明によるアントシアニン色素処理キトサン粒子の分光反射率曲線である。
【図6】実施例7で得られた本発明によるアントシアニン色素処理キトサン粒子の分光反射率曲線である。
【図7】実施例8で得られた本発明によるアントシアニン色素処理キトサン/絹混合粒子の分光反射率曲線である。
【図8】実施例9で得られた本発明によるアントシアニン色素処理麻セルロース粒子の分光反射率曲線である。
【図9】実施例10で得られた本発明によるアントシアニン色素処理麻セルロース粒子の分光反射率曲線である。
【図10】実施例11で得られた本発明によるアントシアニン色素処理キトサン粒子の分光反射率曲線である。
Claims (7)
- キトサン粒子にアントシアニン色素が担持されていることを特徴とする着色粒子。
- 着色される粒子重量に対して0.01〜10%の範囲で無機酸、有機酸、有機酸塩、有機アミン及び無機塩基性化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種類のpH調整剤をアントシアニン色素含有溶液に添加して発色させた色素によってセルロースまたは絹粒子が着色されていることを特徴とする着色粒子。
- アントシアニン色素の抽出に用いる植物材料としてチューリップの花弁を選定したことを特徴とする請求項1および2記載の着色粒子。
- 植物からのアントシアニン色素の抽出を水溶液中またはメタノール、エタノール、イソプロパノールからなる群より選ばれた少なくとも1種類のアルコール水溶液中で行い、抽出された色素溶液を粒子に添加して混合し、続いて乾燥させることを特徴とする請求項1、2および3記載の着色粒子の製造方法。
- 色素抽出段階あるいは色素抽出後の工程において、中性からアルカリ性の条件下あるいは70℃から沸騰までの加熱下に色素溶液を保持して色素の一部を分解させることにより、蛍光性あるいは鮮明性を示す着色粒子を得ることを特徴とする請求項1、2および3記載の着色粒子の製造方法。
- アントシアニン色素の色をスズ、アルミニウム、銅、クロム、鉄、チタン、カルシウム、アンチモンからなる群より選ばれた少なくとも1種類の金属イオンの媒染作用によって変化させ、着色粒子の色相、明度、彩度を変化させることを特徴とする請求項1、2および3記載の着色粒子の製造方法。
- 請求項1、2および3記載の着色粒子を着色剤として配合したことを特徴とする化粧料。
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