JP2004091385A - 化粧料 - Google Patents

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JP2004091385A
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Tetsuo Otake
大竹 哲夫
Taro Onishi
大西 太郎
Tamotsu Mori
森 保
Mikito Ihara
伊原 幹人
Kazuhiro Suetsugu
末次 一博
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Naris Cosmetics Co Ltd
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Naris Cosmetics Co Ltd
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Abstract

【目的】本発明は、使用感触を損ねることなく、蛍光体を配合することでメーキャップ効果に優れた化粧料を得ることを目的とする。
【構成】植物抽出物から得た有機蛍光体を直接、又は粉体に吸着させることにより配合することを特徴とする化粧料。
【効果】優れた蛍光性を有するととも美肌効果を有し、皮膚に対する安全性にも優れた化粧料を提供する。

Description

【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧料に関し、更に詳しくは、有機性の蛍光成分を配合、又は蛍光成分を吸着させた粉体を配合することにより、従来にない化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、暗所でも光って見えるいわゆる蛍光化粧料が開発されており、夜間あるいは室内用の面白みのある化粧料として着目されている。
【0003】これら一般的な蛍光化粧料は、蛍光顔料あるいは蛍光染料を配合したものであり、無機系の蛍光顔料としてはタングステン酸カルシウム、タングステン酸マグネシウム、塩化カリウム・タリウム、フッ化亜鉛・マンガン、硫化カルシウム・ビスマス、硫化ストロンチウム・サマリウム・セリウム、硫化亜鉛・銀、硫化亜鉛・銅、硫化亜鉛カドミウム・銀、硫化亜鉛カドミウム・銅、硫化亜鉛・銅・コバルト、珪酸バリウム・鉛、珪酸亜鉛・マンガン、燐酸カルシウム・セリウム、ハロ燐酸カルシウム・アンチモン・マンガン、ホウ酸カドミウム・マンガン、フルオロゲルマニウム酸マグネシウム・マンガンが知られている。又、有機系の蛍光顔料としては、9,10−ジアニリノアントラセン、2−ヒドロキシ−1−ナフタルダジン、2−アニリノ−4−(2,5−ジクロロベンゾイルアミノ)−1,9−ピリミドアントロン、1,4−ビス(β−シアノ−β−カルボエトキシ−ビニル)ベンゼン等が知られている。
【0004】そして、蛍光染料としてはC.I.ダイレクトレッド2、C.I.ダイレクトイエロー27等の直接蛍光染料、C.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドブル−9、C.I.アシッドイエロ−23、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドブラック2等の酸性蛍光染料、C.I.ベ−シックブル−45、C.I.ベ−シックレッド1、C.I.ベ−シックバイオレット1、C.I.ベ−シックバイオレット7、C.I.ベ−シックバイオレット11、C.I.ベ−シックイエロー40等の塩基性蛍光染料が知られている。
【0005】しかしながら、これらの蛍光顔料あるいは蛍光染料は、一般に皮膚に対する刺激性や、感作性、光感作性などが報告されており、安全性の面で問題がある。
【0006】即ち、従来の化粧料においては、直接肌に塗布する化粧料に動植物由来でない蛍光成分を配合した化粧料を塗布することは安全性の観点から問題が残っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は使用感触を損ねることのない極めて安全性が高い化粧料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、化粧料に配合する蛍光体として植物由来の有機蛍光体を配合することにより、使用感触を損ねることなく安全性が大幅に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明の化粧料は、植物由来の有機蛍光体を配合することを特徴とする。
【0010】又、その化粧料は、有機蛍光体がコプティス(Coptis)属、フェロデンドロ(Phellodendron)属、クルクマ(Curcuma)属に属する植物の抽出物から選ばれる1種又は2種以上を配合することを特徴とする。
【0011】本発明に用いることができる植物は特に限定されないが、コプティス(Coptis)属植物としては、オウレン(Coptis japonicus (Thunb.)Makino var.      Japonicus)、セリバオウレン(Coptis japonicus(Thunb.)Makino var. dissecta(Yatabe)Nakai)、ミツバオウレン(Coptis trifolia(L.) Salisb.)、ミツバノバイカオウレン(Coptis trifoliolata(Makino)Makino var. oligodonta F.Maek.)、バイカオウレン(Coptis quinquefolia Miq. Var.quiunquefolia)等が好ましい。
【0012】又、フェロデンドロ(Phellodendron)属植物としては、キハダ(Phellodendron amurense Rupr.var. amurense)、オオバキハダ(Phellodendron amurense Rupr. var. japonicum (Maxim.) Ohwi)等が好ましい。
【0013】そして、クルクマ(Curcuma)属植物としては、ウコン(Curcuma longa L.)、キョウオウ(Curcuma aromatica Salisb.)等が好ましい。
【0014】各植物の各種抽出物群は、各植物の花、全草又はその葉、枝、樹皮、根等の1または2以上の箇所(以下「原体」と称する。)を乾燥し、又は乾燥することなく粉砕した後、水及び/又はメタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール又は低級アルコール水溶液、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール又は多価アルコール水溶液を単独及び/又は2種類以上の溶媒を任意に組み合わせて使用することができる。
【0015】各植物の低級アルコールによる抽出液は、ソックスレー抽出器を用いて抽出液を得ることができる。その他の抽出液は、所定量の原体を所定量の溶媒で所定の条件下に浸し、各種抽出液を得ることができる。そして、各種植物抽出物は、低級アルコール、各種有機溶媒又は有機溶媒水溶液抽出液については各々低級アルコール、有機溶媒を留去して減圧濃縮し、又、水抽出物についてはその抽出液を減圧濃縮した後、凍結乾燥して、それぞれの抽出物を得ることができる。
【0016】本発明にかかる化粧料に用いる有機蛍光体の配合料は、0.0001〜99.9質量%が好ましく、更に好ましくは、0.001〜99.9質量%である。
【0017】本発明に用いることができる粉体成分は、特に制限はないが、球形粉体が好ましく、例えば、化粧品種別配合成分規格記載のナイロン末やポリアクリル酸等が挙げられ、更に好ましくは球形且多孔質状の粉体成分、例えば、化粧品原料基準記載の無水ケイ酸等が挙げられる。
【0018】又、本発明で用いることができる粉体成分の粒子径に特に制限はないが、平均粒径0.1〜100μmが好ましい。
【0019】本発明で用いることができる無水ケイ酸に特に制限はなく、化粧品原料基準記載の無水ケイ酸等が好ましい。
【0020】本発明の化粧料は、植物抽出物の効果を損なわない範囲内で、通常の化粧料に用いられる成分である油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、美容成分、キレート剤等の成分を配合することができる。
【0021】本発明による化粧料の形態は特に限定されないが、乳液状、クリーム状、溶液状、中皿成型粉末状、塊状、ペンシル状、スティック状、粉状等が可能である。
【0022】以下に本発明にかかる化粧料について実施例を基に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】〔各種植物抽出物の調製例〕
1.調製例1(水抽出物)
前記各植物の原体2〜5gを円筒濾紙に入れ、イオン交換水50〜100mlに浸し、60℃で8時間加熱抽出してロ液を得た。この操作を3回繰り返し、全てのロ液を合せて凍結乾燥して各植物の水抽出物を得た。
【0024】2.調製例2(各種低級アルコール抽出物)
抽出溶媒に各種低級アルコールを用い、ソックスレー抽出器を用いて8時間抽出した後、溶媒を留去、抽出物を粉末にして各植物の各種低級アルコール抽出物を得た。
【0025】3.調製例3(各種有機溶媒または有機溶媒水溶液抽出物)
前記水抽出物の抽出操作において、水の代わりに各種有機溶媒又は有機溶媒水溶液を使用した。全ての抽出液を合せて可能な限り溶媒を留去、濃縮した後、凍結乾燥して各植物の各種有機溶媒又は有機溶媒水溶液抽出物を得た。
【0026】粉体成分に植物抽出物から得た有機蛍光体を吸着させる方法としては、特に制限はないが、一般的には以下の方法により得られる。まず、平均粒子径5μmの無水ケイ酸(シリカSS:触媒化成工業社製)40質量%と前記調整例1の方法にて得たオウレン抽出物60質量%を混合し均一になじませた後、50℃〜60℃の乾燥機にて水分を蒸発させた後、粉砕機にて粒子径を整え、オウレン抽出物吸着シリカを得た。
【0027】
【表1】(美容液)
Figure 2004091385
製法:フェーズAに示す各成分を混合し、均一とした。
【0028】
【表2】(クリーム)
Figure 2004091385
製法:フェーズBに示す各成分を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。フェーズAに示す各成分を加熱溶解して混合し、70℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、40℃にてフェーズCに示す各成分を加え、さらに30℃まで冷却する。
【0029】
【表3】(水乾両用ファンデーション)
Figure 2004091385
製法:フェーズAに示す各成分をヘンシェルミキサーで混合した後、粉砕し混合分散する。次にフェーズBに示す各成分を攪拌混合し、フェーズAに添加し、攪拌混合、粉砕を行う。得られた混合物をトレー中に入れ、プレス成型する。
【0030】
【表4】(パウダーファンデーション)
Figure 2004091385
製法:フェーズAに示す各成分をヘンシェルミキサーで混合した後、粉砕し混合分散する。次にフェーズBに示す各成分を攪拌混合し、フェーズAに添加し、攪拌混合、粉砕を行う。得られた混合物をトレー中に入れ、プレス成型する。
【0031】〔効果試験〕(美肌効果)
実施例1,2,3,4並びに比較例1,2,3,4の化粧料について実使用によるテストを実施した。試験した各項目について、専門パネラー10名により1〜5(1:悪い,2:やや悪い,3:普通,4:やや良い,5:良い)の5段階評価で行い、その平均値(評価基準は下記記載)をとって表5に表した。尚、実施用テストにおいて皮膚トラブル等の異常は全く見られなかった。
【0032】(評価基準)

:4.5以上

:3.5以上、4.5未満

:2.5以上、3.5未満
×
:1.5以上、2.5未満
××
:1以上、1.5未満
【0033】
【表5】
Figure 2004091385
【0034】(蛍光効果)
実施例1,2,3,4並びに比較例1,2,3,4の化粧料を顔に半々に塗布し暗所において20WのBLB蛍光灯のもとで見た。又、評価については下記の基準にて評価し、○×で表6に表した。
【0035】(評価基準)
○:黄緑色の蛍光を発していることが確認できた。
×:蛍光を発していなかった。
【0036】
【表6】
Figure 2004091385
【0037】
【発明の効果】
以上詳述したごとく、本発明の化粧料は、蛍光効果に優れている。しかも、前記蛍光体は、各植物の各種抽出物に含まれる植物由来であるために安全性に優れ、熱等にも安定であり、副作用も少なく、化粧料はもとより医薬・食品の技術分野等にも広く途を拓く等発明の目的を達成する顕著な効果を奏でる。

Claims (6)

  1. 有機蛍光体を配合することを特徴とする化粧料。
  2. 有機蛍光体が植物抽出物である請求項1記載の化粧料。
  3. 請求項2記載の植物抽出物が下記一般式(化1)で示すベルベリン及びその塩あるいはその誘導体、又は下記一般式(化2)で示すクルクミン及びその塩あるいはその誘導体であることを特徴とする請求項2記載の化粧料。
    Figure 2004091385
    Figure 2004091385
  4. ベルベリン及びその塩あるいはその誘導体、又はクルクミン及びその塩あるいはその誘導体を含有する植物抽出物がコプティス(Coptis)属、フェロデンドロ(Phellodendron)属、クルクマ(Curcuma)属に属する植物の抽出物から選ばれる1種又は2種以上を配合することを特徴とする請求項3記載の化粧料。
  5. 粉体成分に請求項2記載の有機蛍光体を吸着させたものを含有することを特徴とする化粧料。
  6. 請求項5記載の粉体成分が無水ケイ酸であることを特徴とする化粧料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008050312A (ja) * 2006-08-25 2008-03-06 Avon Products Inc 化粧料用の肌色補正剤及びこれを含む化粧料
US10301538B2 (en) * 2016-04-14 2019-05-28 Chung Yuan Christian University Phosphor composition and light emitting device using the same

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