JP2004090943A - 容器取付用カバー体並びにこれを備えたエアゾール式製品及びポンプ式製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カバー体10は、その取外し操作用の押圧部13bや、容器側との嵌合用突状部12a〜12d(嵌合力:小),12e〜12g(嵌合力:大)を持つ筒状部11からなる。押圧部13bを形成した部分(離間周面部13a)は、通常、マウンテンキャップ22から離れている。押圧部13bを内側・上方に押すと、この離れた分だけ離間周面部13aが内方に変位してその周方向端部(=接周面部14の周方向端部14a,14b)が図示の拡開方向への力を受け、カバー体10と容器20との嵌合力が弱くなる。一方、テーパ面状の押圧部13bには作業者からの上方向の強い押圧力が直に付与され、この上方向への押圧作用と上記拡開作用とに基づき、カバー体10は容器20から取り外される。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器側の周回部分と結合する周方向の筒状部を備えた容器取付用のカバー体に関し、特別の工具などを用いることなしに容器との分別処理を行なえるようにしたカバー体である。
【0002】
対象となるカバー体の材質は任意であり、例えば合成樹脂製のカバー体,ファイバー製のカバー体,ガラス製のカバー体や、アルミニウム・ブリキ・ステンレスなどの各種金属製のカバー体などが対象カバー体である。
【0003】
また、このカバー体を用いる容器は、例えば金属製,合成樹脂製で、エアゾール式製品やポンプ式製品などの各種容器である。
【0004】
なお、本明細書において用いる「ポンプ式」とは、利用者が、操作部や、容器の一部(周面部分など)などを例えば押圧することにより内容物収納空間の容積が小さくなって、その中の内容物が外部空間に放出される方式を示しており、いわゆる押出式,チューブ式なども含む概念である。
【0005】
カバー体はもともと容器に強く結合した状態に設定され、容器自体の転倒や、利用者が無意識にカバー体を軽く押した程度では、カバー体が容器から外れないようになっている。
【0006】
その一方で、環境の保全や資源の再利用がより重要視されている今日、内容物を使いきってカバー体および容器を分別して個々に廃棄したり再利用するときなどには、所定の取外し操作で両者の結合状態を比較的容易に解除できることが望ましく、本発明はこのような要請に応えるものである。
【0007】
【従来の技術】
運送時,陳列時,使用時などにおけるカバー体と容器との十分な結合状態を確保しつつ、全内容物の略消尽後などにはこの両者の分別作業の簡単化を図れるようにしたカバー体構造につき、本件出願人はすでに特願2002−206306号などで提案している。
【0008】
図4および図5は、この特許出願に係るカバー体を示す説明図である。
図4(a)は押釦別体型のカバー体のみの底面図,図4(b)はカバー体および押釦を容器に嵌合させた状態の一部断面図をそれぞれ示し、また、図5は図4のカバー体を容器から取り外すときの両者の過渡的な嵌合状態を示している。
【0009】
このカバー体110は、概略、
・容器150のマウンテンキャップ下側の環状凹部152aと嵌合し(一部が変形しやすい例えば薄肉部112bの態様で当該環状凹部と嵌合し)、かつ、周回方向の一部分を、当該環状凹部とは嵌合せずにマウンテンキャップ152から離間した(外側への)薄肉状の張出部112aとする内側筒状部112
・この内側筒状部と一体の外側筒状部111
・この外側筒状部に、先端部分が内側筒状部112の張出部112aの外周面と対向する態様で、形成した内向きリブ111a
・この内向きリブの裏面側(外側筒状部111の外周面)に相当する取外し用操作部111b
などを備えている。なお、内向きリブの先端部分は内側筒状部(張出部)には接続されていない。
【0010】
このカバー体110を容器150から取り外すには、当該カバー体の外側筒状部111の取外し用操作部111bを内側・上方に意識して強く押圧する。
【0011】
この押圧操作により、
(1) 先ず、当該押圧部分が内側筒状部112の方に変位して、これにより外側筒状部111の内向きリブ111aの先端部分が内側筒状部112の張出部112aの外周面に当接し、
(2) この当接後も、強い押圧力が内向きリブ111a,張出部112aを介して内側筒状部112に積極的に作用する。
【0012】
この作用により、内側筒状部112は、その張出部112aがマウンテンキャップ152に近づくように変位し、これにともない、当該張出部と一体でマウンテンキャップ152と嵌合している薄肉部112bなどが外側に、すなわち嵌合状態から逃げる方向に変形する。
【0013】
その結果、内側筒状部112の当該変形部分とマウンテンキャップ152との嵌合の程度が小さくなる。
【0014】
また、
・取外し用操作部111bの外側筒状部下端側が容器本体151の肩斜面151aに案内されながら内方に移動することにより、当該下端側はこの肩斜面から上方向成分の力を受け、
・さらには、取外し用操作部111bは利用者の押圧操作自体によっても上方向成分の力を受ける。
【0015】
このように内側筒状部112の所定の嵌合部分(薄肉部112bなど)が外側方向に変形したり、外側筒状部111の取外し用操作部側が上方向に変位することにより、当該内側筒状部と容器150(マウンテンキャップ)との嵌合状態は、当該変形により最初に嵌合の程度が小さくなる部分をいわば取っかかりにして、解除されていく。
【0016】
なお、取外し用操作部111bの意識的な押圧操作ではなく、容器使用者が無意識に当該操作部を押圧した場合は、その時間も短く、その押圧力も本来の取外し操作時のそれより小さいことが一般的である。
【0017】
したがって、実用的には、この無意識な取外し用操作部の押圧により、エアゾール式容器やポンプ式容器などの使用中にそのカバー体が外れることはない。このことは本発明のカバー体にもあてはまる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
この容器取付用カバー体は、利用者などが外側筒状部の操作部を内側に積極的に押圧することにより、容器から外れるため、容器内容物の略消尽後の分別処理や再利用に適している。
【0019】
本発明では、以上の容器取付用カバー体とは異なる技術コンセプトにより、容器との確実な結合状態を確保する機能と、取外し操作部を積極的に押圧した場合には当該結合状態を解除する機能とを併せもつカバー体の構造を、外側筒状部および内向きリブが省略された形のシンプルなものにして、当該カバー体のコストダウン化を図るとともに、当該カバー体についての技術の多様化を図ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この課題を次のようにして解決する。
(1)筒状部(例えば後述の筒状部11)からなり、容器側の周回部分(例えば後述の環状凹部22a)に対する周方向の結合部(例えば後述の第1,第2突状部12a〜12g)をその一部が欠落した形で当該筒状部の内周面に有する、カバー体(例えば後述のカバー体10)において、前記筒状部の、この欠落エリア(例えば後述の欠落エリア13)に、前記筒状部と前記容器側との結合状態のときに前記周回部分から離れて隙間が生じる態様の離間周面部(例えば後述の離間周面部13a)を形成し、前記容器側に結合した前記カバー体の取外し操作に基づき、前記離間周面部が内方に変位するように構成する。
(2)上記(1)において、前記筒状部の、前記離間周面部に続く周方向部分(例えば後述の第1突状部12a,12d)を、その先の周方向部分(例えば後述の第2突状部12e,12g)よりも、前記取外し操作の際に前記筒状部が前記結合状態から離脱しやすい態様(例えば12a,12dの嵌合力<12e,12gの嵌合力)で形成する。
(3)上記(1),(2)において、前記筒状部の、前記欠落エリアの外周面側に、前記カバー体の取外し操作部(例えば後述の操作部13b)を、その上部側が外方にせりだす態様のテーパ面状で形成する。
【0021】
本発明は、先に提案した容器取付用カバー体と同じように、容器使用中における利用者の無意識な取り外し操作と、使用済み容器に対するカバー体の意識的な取り外し操作とでは、利用者のカバー体に対する押圧力や押圧時間に大きな違いが生じやすい(前者の押圧力, 押圧時間≪後者の押圧力,押圧時間)ことを前提としている。
【0022】
本発明は、上記(1)のように、一部が欠落した形の周方向の結合部の作用で容器に取り付けられている筒状部・カバー体を当該容器から取り外す際、この筒状部を構成する欠落エリア(容器と結合していないエリア)に形成した離間周面部が内方に変位し、このときの変位作用に基づき当該結合部の一部が外側に変形する態様のものとし、これによりカバー体と容器との本来の結合状態を確保するとともに、カバー体取外し操作時の結合解除動作の確実化や作業負担の低減化を担保するための技術の豊富化を図っている。
【0023】
また、上記(2)のように、筒状部の離間周面部に続く例えば結合部を、その先の周方向部分よりも、カバー体が容器との結合状態から離脱しやすくなる態様で形成し、これによりカバー体取外し操作の簡単化を図っている。
【0024】
この場合の離間周面部に続く周方向部分の態様としては、
a.後述の実施の形態のように、この第1の周方向部分と容器側との結合の程度をその先の第2の周方向部分におけるそれよりも小さく設定する
b.この第1の周方向部分をその先の第2の周方向部分よりも変形しやすい態様に設定する
などの手法をとりえる。
【0025】
なお、aの場合の第1,第2の周方向部分は結合部となるが、bの場合の第1,第2の周方向部分は結合部には限定されない。離間周面部の端部から結合部にいたるまでの周面部(例えば後述の接周面部14であって嵌合用の突状部12a〜12gが形成されていない部分)や、当該周面部と結合部にまたがる部分でもよい。
【0026】
また、bの場合の筒状部としては、第1の周方向部分をその先の第2の周方向部分よりも、
・薄肉状に形成する
・複数の孔部を形成するなどして剛性を小さくする
・変形しやすい材質を用いる
などの形態をとりえる。これにより筒状部の第1の周方向部分のいわば変形能力が高まる。
【0027】
また、上記(3)のように、筒状部を構成する欠落エリアの外周面側に、利用者が無意識に上方に押し上げるようなテーパ面状の取外し用操作部を形成し、これによりカバー体の取外し操作の際に当該カバー体が効率的に上方向に移動するようにしている。
【0028】
ここで、取外し用操作部は、容器との結合部を有する筒状部自体の外周面側に形成されている。これにより(取外し用操作部を備え、容器とは結合しない)外側筒状部やこれと一体で内側筒状部への内向きリブなどを省略したシンプルな筒状部形態とし、カバー体のコストダウン化を図っている。
【0029】
なお、上述のようにエアゾール式容器やポンプ式容器などの使用者が無意識に取外し操作部を押圧した場合、本来の意識的な取外し操作に比べて、その押圧力は小さく、その押圧時間も短いことが一般的である。そのため、内側筒状部の変形作用の程度も小さく、カバー体が容器から外れてしまうには至らない。
【0030】
本発明は、以上の特徴を持つ容器取付用カバー体を対象とするとともに、このカバー体を備えたエアゾール式製品やポンプ式製品なども対象にしている。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0032】
以下の実施の形態では、説明の便宜上、筒状部内周面の結合部の(取外し用操作部に対応した)周方向端側部分とマウンテンキャップとの嵌合の程度を、その先の周方向部分におけるそれよりも小さく設定した場合を前提とする。
【0033】
図1は、押釦別体型のカバー体(その1)の説明図であり、(a)はカバー体のみの底面図,(b)はカバー体および押釦を容器に結合させた状態の一部断面図を示している。この断面図は破断線A−A′に対応している。
【0034】
図2は、図1のカバー体を容器から取り外すときの両者の過渡的な嵌合状態を示す説明図であり、それぞれ図1の(a),(b)に対応している。
【0035】
図3は、各種のカバー体および押釦を容器に結合させた状態の外観図であり、(a)は押釦別体型のカバー体(=図1および図2のカバー体),(b)は押釦別体型で保護部付きののカバー体,(c)は押釦一体型で保護部付きののカバー体,(d)はスパウト形式のカバー体をそれぞれ示している。
【0036】
なお、図3の(b)〜(d)の各カバー体は、容器との結合および容器からの取外しのための各構成要素に関し、(a)のカバー体(すなわち図1および図2で示すカバー体)と同じ態様を有している。
【0037】
図1乃至図3において、
10は押釦別体型のカバー体,
11は後述のマウンテンキャップ22と嵌合(結合)する筒状部,
12は当該筒状部の一部であってマウンテンキャップ22との嵌合作用を呈する結合エリア,12a〜12dは当該結合エリアの内周面に飛び飛びに形成した嵌合用の第1突状部(嵌合力:小),12e〜12gは当該結合エリアの内周面に飛び飛びに形成した嵌合用の第2突状部(嵌合力:大),12hは当該筒状部の径方向における後述の操作部13bの反対側の部分で後述の肩斜面21aと当接する下端部分,
13は当該筒状部の一部であってマウンテンキャップ22との嵌合作用を呈しない欠落エリア,13aは当該欠落エリアの一部であって嵌合状態のマウンテンキャップ22と例えば 0.4mmほどの隙間を生じる離間周面部,13bは当該欠落エリアの外周面に図示のように上側ほど外方にせりだすテーパ面状の態様で形成した取外し用の操作部,13cは当該操作部に形成した触感用の突状部,
14は結合エリア12の全域と欠落エリア13の周方向の端部分とを含む周面部であってその内周面(後述の垂直面14d)がマウンテンキャップ22と当接する接周面部,14aおよび14bは当該接周面部の周方向端部,14cは当該接周面部の下端側のテーパ面,14dは当該接周面部の上側の垂直面,
15は内容物放出用の押釦,15aは放出口,15bは内容物の通路,15cは後述のステム23との結合部,
20は内容物や放出用ガスなどを収納する容器,
21は容器本体,21aは肩斜面,
22はマウンテンキャップ,22aは筒状部11(カバー体10)の第1,第2突状部12a〜12gと嵌合する環状凹部,
23はステム,
30は押釦別体型で保護部付きののカバー体,33bは上記操作部13bと同一機能を持つ取外し用の操作部,35は内容物放出用の押釦,35aは放出口,36は保護部,
40は押釦一体型で保護部付きののカバー体,43bは上記操作部13bと同一機能を持つ取外し用の操作部,45は内容物放出用の押釦,45aは放出口,46は保護部,
50はスパウト形式のカバー体,53bは上記操作部13bと同一機能を持つ取外し用の操作部,55は内容物放出用の操作部,
をそれぞれ示している。
【0038】
ここで、離間周面部13aの形成範囲は、当該離間周面部および筒状部11の中心を構成要素とするいわば扇形の中心角度が例えば45度の範囲である。
【0039】
同じように、
・結合エリア12に対応の中心角度は例えば300度
・欠落エリア13に対応の中心角度は例えば60度
・第1突状部12a,12dに対応の中心角度は例えば15度
・第1突状部12b,12cに対応の中心角度は例えば67.5度
・第2突状部12e,12f,12gに対応の中心角度は例えば45度
にそれぞれ設定されている。
【0040】
また、離間周面部13aの内周面は垂直状に形成されており(操作部13bのせりだし部分を捨象した場合の)当該離間周面部自体の厚みは例えば 0.5mmである。
【0041】
一方、接周面部14の内周面は、第1,第2突状部12a〜12gを仮に捨象したとして、下端側のテーパ面14cとこの上方に続く垂直面14d(マウンテンキャップ22と接する面)とで形成されており、当該垂直面部分の厚みは例えば 0.9mmである。
【0042】
この離間周面部13aと垂直面部分との厚みの差分 0.4mm(= 0.9− 0.5)が当該離間周面部およびマウンテンキャップ22の隙間となる。
【0043】
なお、第1突状部12a〜12dおよび第2突状部12e〜12gはともに接周面部14の垂直面14dからその上下方向(垂直方向)のいわば同じ曲率半径で膨出した態様のものである。
【0044】
両者の違いは膨出方向の高さであり、第1突状部のそれは例えば 0.3mmに設定され、第2突状部のそれは例えば 0.4mmに設定されている。
【0045】
図1のカバー体10と容器20との結合状態では、筒状部11の第1・第2突状部12a〜12fのそれぞれが容器側の環状凹部22aと嵌合している。
【0046】
内容物の消尽後などにこの結合状態のカバー体10を容器20から分別する場合、利用者は、筒状部11(離間周面部13a)の操作部13bを内側・上方に押圧すればよい。
【0047】
この押圧操作により離間周面部13aは、図2に示すように、
・図示の右方向、すなわちマウンテンキャップ22の方向に変位してマウンテンキャップ22に当接し、
・また、当該離間周面部とは反対側の下端部分12hとマウンテンキャップ22の肩斜面21aとの当接箇所をいわば支点としたテコ作用により上方向に変位する。
【0048】
この離間周面部13aの右方向への変位にともない、筒状部11にはあたかもその接周面部14の周方向端部14aおよび14bが押し広げられるような力が作用する〔図2(a)参照〕。
【0049】
この作用に基づき、図示のように、筒状部11の結合エリア12の少なくとも一部が外方に、すなわちマウンテンキャップ22から逃げる方向に変形する。
【0050】
この外方への変形と、離間周面部13aの上方向への変位との相乗作用により、カバー体10は、容器側の環状凹部22aとの嵌合が弱くなった部分や当該環状凹部から離脱した部分をとっかかりにして容器20から外れる。
【0051】
ここで、取外し用の操作部13bは図示のようなテーパ面状になっているので、利用者はいわば無意識の中に確実に上方向へと押圧する。また、離間周面部13aの右方向への移動にともなって、当該離間周面部はマウンテンキャップ22の肩斜面21aからも上方向への力を受ける。
【0052】
そのため、カバー体10の取外し操作の際に筒状部11の離間周面部13aの側は上方向への力を確実に、また効率的に受けることになる。
【0053】
図3(b)〜(d)で示す各種形式のカバー体30,40,50の取外し用の操作部33b,43b,43bの形態,機能はそれぞれ図1のカバー体10における操作部13bと同様である。
【0054】
また、カバー体30,40,50の筒状部の形態,機能もそれぞれ図1のカバー体10における筒状部11と同様である。
【0055】
なお、図1および図3では、カバー体10,30,40の各操作部13b,33b,43bと、押釦15,35,45の放出口15a,35a,45aとのそれぞれの位置関係を、両者が上下方向の略同一断面上に存在するようにしているが、勿論これは単なる一例にすぎない。すなわち、これら操作部と放出口との、各カバー体の周方向における位置関係は任意である。
【0056】
ところで、一般にプラスチック製のカバー体の材質はポリプロピレン,ポリエチレンなどであり、プラスチック製の容器本体の材質はPETなどである。カバー体および容器本体がともにプラスチック製であっても、例えばポリプロピレンとPETとの組み合わせの場合には分別廃棄が望ましい。
【0057】
以上の各種カバー体を用いたエアゾール式製品,ポンプ式製品などとしては、洗浄剤,清掃剤,制汗剤,忌避剤(殺虫剤),医薬品,医薬部外品,化粧品,洗濯のりなどがある。
【0058】
エアゾール式製品やポンプ式製品などの内容物は、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えばタルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などである。また、紫外線吸収剤,油性原料,界面活性剤,保湿剤,高分子化合物,酸化防止剤,金属イオン封鎖剤なども用いる。
【0059】
エアゾール式製品の放出用ガスには、LPG,ジメチルエーテル,フルオロカーボン,炭酸ガス,窒素ガス,圧縮空気,酸素,希ガス,これらの混合ガスなどを用いる。
【0060】
【発明の効果】
本発明は、このように、一部が欠落した形の周方向の結合部の作用で容器に取り付けられている筒状部・カバー体を当該容器から取り外す際、この筒状部を構成する欠落エリア(容器と結合していないエリア)に形成した離間周面部が内方に変位し、このときの変位作用に基づき当該結合部の一部が外側に変形する態様のものとしているので、カバー体と容器との本来の結合状態を確保するとともに、カバー体取外し操作時の結合解除動作の確実化や作業負担の低減化を担保するための技術の豊富化を図ることができる。
【0061】
また、筒状部の離間周面部に続く例えば結合部を、その先の周方向部分よりも、カバー体が容器との結合状態から離脱しやすくなる態様で形成しているので、カバー体取外し操作の簡単化を図ることができる。
【0062】
また、筒状部を構成する欠落エリアの外周面側に、利用者が無意識に上方に押し上げるようなテーパ面状の取外し用操作部を形成しているので、カバー体の取外し操作の際に当該カバー体を効率的に上方向に移動させることができる。
【0063】
また、取外し用操作部を、容器との結合部を有する筒状部自体の外周面側に形成しているので、(取外し用操作部を備え、容器とは結合しない)外側筒状部やこれと一体で内側筒状部への内向きリブなどを省略したシンプルな筒状部形態とし、カバー体のコストダウン化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、押釦別体型のカバー体(その1)を示す説明図であり、(a)はカバー体のみの底面図,(b)はカバー体および押釦を容器に結合させた状態の一部断面図を示している。
【図2】本発明の、図1のカバー体を容器から取り外すときの両者の過渡的な嵌合状態を示す説明図であり、それぞれ図1の(a),(b)に対応している。
【図3】本発明の、各種のカバー体および押釦を容器に結合させた状態の外観図であり、(a)は押釦別体型のカバー体(=図1および図2のカバー体),(b)は押釦別体型で保護部付きののカバー体,(c)は押釦一体型で保護部付きののカバー体,(d)はスパウト形式のカバー体をそれぞれ示している。
【図4】提案済みの、押釦別体型のカバー体(その1)を示す説明図であり、(a)はカバー体のみの底面図,(b)はカバー体および押釦を容器に嵌合させた状態の一部断面図を示している。
【図5】提案済みの、図4のカバー体を容器から取り外すときの両者の過渡的な嵌合状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10:押釦別体型のカバー体
11:マウンテンキャップ22と嵌合(結合)する筒状部
12:マウンテンキャップ22との嵌合作用を呈する結合エリア
12a〜12d:嵌合用の第1突状部(嵌合力:小)
12e〜12g:嵌合用の第2突状部(嵌合力:大)
12h:操作部13bとは反対側の下端部分
13:マウンテンキャップ22との嵌合作用を呈しない欠落エリア
13a:離間周面部
13b:取外し用の操作部
13c:触感用の突状部
14:マウンテンキャップ22と当接する接周面部
14a,14b:周方向端部
14c:下端側のテーパ面
14d:上側の垂直面
15:内容物放出用の押釦
15a:放出口
15b:内容物の通路
15c:ステム23との結合部
20:容器
21:容器本体
21aは肩斜面
22:マウンテンキャップ
22a:嵌合用の環状凹部
23:ステム
30:押釦別体型で保護部付きののカバー体
33b:操作部13bと同一機能を持つ取外し用の操作部
35:内容物放出用の押釦
35a:放出口
36:保護部
40:押釦一体型で保護部付きののカバー体
43b:操作部13bと同一機能を持つ取外し用の操作部
45:内容物放出用の押釦
45a:放出口
46:保護部
50:スパウト形式のカバー体
53b:操作部13bと同一機能を持つ取外し用の操作部
55:内容物放出用の操作部
110:カバー体
111:外側筒状部
111a:内向きリブ
111b:取外し用操作部
112:内側筒状部
112a:薄肉状の張出部
112b:薄肉部
150:容器
151:容器本体
151a:肩斜面
152:マウンテンキャップ
152a:環状凹部
Claims (5)
- 筒状部からなり、容器側の周回部分に対する周方向の結合部をその一部が欠落した形で当該筒状部の内周面に有する、カバー体において、
前記筒状部の、この欠落エリアに、前記筒状部と前記容器側との結合状態のときに前記周回部分から離れて隙間が生じる態様の離間周面部を形成し、
前記容器側に結合した前記カバー体の取外し操作に基づき、前記離間周面部が内方に変位するようにした、
ことを特徴とする容器取付用カバー体。 - 前記筒状部の、前記離間周面部に続く周方向部分を、その先の周方向部分よりも、前記取外し操作の際に前記筒状部が前記結合状態から離脱しやすい態様で形成した、
ことを特徴とする請求項1記載の容器取付用カバー体。 - 前記筒状部の、前記欠落エリアの外周面側に、前記カバー体の取外し操作部をその上部側が外方にせりだす態様のテーパ面状で形成した、
ことを特徴とする請求項1または2記載の容器取付用カバー体。 - 請求項1乃至3記載の容器取付用カバー体を備え、かつ、放出用ガスおよび内容物を収容したエアゾール式製品。
- 請求項1乃至3記載の容器取付用カバー体を備え、かつ、内容物を収容したポンプ式製品。
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