JP2004090555A - 金型、成形装置、成形方法、導光板の製造方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】金型を有する成形用装置において、冷却時間を少なくして、成形工程の時間短縮を可能とした成形用金型を提供する。
【解決手段】コールドランナ金型方式を有する成形用金型に関する。本発明の金型は、冷却工程の短縮化を図るため、冷却時間を特に長く必要とするスプール部を特に冷却するために専用の冷却配管を設けている。この冷却配管の制御媒体の設定温度は、金型全体の温調配管の制御媒体の温度より低めに設定する。この方式により、スプール部の冷却時間の短縮が図られ、冷却工程全体の時間短縮を可能とする。したがって、本発明は、スプール専用の冷却配管を配置することにより、冷却工程の時間短縮を可能とし、成形品の品質を低下させることなく、生産の効率化を図ることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】コールドランナ金型方式を有する成形用金型に関する。本発明の金型は、冷却工程の短縮化を図るため、冷却時間を特に長く必要とするスプール部を特に冷却するために専用の冷却配管を設けている。この冷却配管の制御媒体の設定温度は、金型全体の温調配管の制御媒体の温度より低めに設定する。この方式により、スプール部の冷却時間の短縮が図られ、冷却工程全体の時間短縮を可能とする。したがって、本発明は、スプール専用の冷却配管を配置することにより、冷却工程の時間短縮を可能とし、成形品の品質を低下させることなく、生産の効率化を図ることができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融した樹脂を供給して内部で固化させ、所定の形状に成形するための成形用金型に関する。また、本発明は、携帯型小型テレビ、ページャ、壁掛けテレビ、ノート型パソコンや携帯型ゲーム機の電気光学装置等に用いられるライトガイドや導光体などの光学部材に関する。
【0002】
【背景技術】
プラスチック成形品は、自動車部品、電気、電子部品、日用品、雑貨などとして、家庭内外で広範囲に使用されている。上記プラスチック成形品の生産における重要な要素は、高品質、自動化の容易さ、生産性の高さなどが挙げられる。この観点から、プラスチックの成形法には種々の方法があるが、射出成形は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂ともに代表的な成形法として知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
射出成形を行うには、射出成形機を用いる。射出成形機の心臓部にあたる位置に取り付けられる成形用金型によって、所望の形状のプラスチック成形品を製造する。射出成形機は、成型用金型の他に、プラスチック材料を溶融し射出する機構、金型を開閉する機構、およびそれらの駆動を制御する機構から構成される。また、成形用金型は、溶融樹脂通路(スプール、ランナー)と成形品(キャビティ、コア)が形成される金型内部空間、離型機構、温度調節機構、成形機に取り付ける機構(ダイセット)から構成されている。
【0004】
上記射出成形機を用いた成形工程は、一般的に以下のとおりである。まず、粒状あるいはペレット状のプラスチック材料がホッパーから加熱シリンダーへ落下する。スクリューの回転によるせん断作用により可塑化した材料はノズル側に蓄積され、スクリューはシリンダー内を後退し、必要量を計量する。次に、スクリューの急速前進により、可塑化材料は金型内に射出され、金型内で冷却される。冷却が完了すれば、型を開き、成形品が取り出され、1サイクルが完了する。
【0005】
上記の工程で製作された成形品としては種々の製品が製作されるが、電気光学装置の一種である液晶表示装置の光学部材もそのような成形品として製作される。例えば、ライトガイドや導光体などが挙げられる。
【0006】
上記、ライトガイドと導光体は、液晶表示装置のバックライトユニットを構成する光学部材の一種である。ライトガイドと導光体は、光源、例えば、冷陰極蛍光ランプやLED(発光ダイオード)から入射した光を、本体内部に導光させながら、出射表面全体から光を出射させ、液晶表示パネルに照明光を照射している。そのため、ライトガイドや導光体から出射される光は、ばらつきのない、均一な特性が要求されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−77244号公報(第2頁―第3頁、
【図1】―
【図2】)
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、プラスチック成形法には、種々の方法があるが、その中でも射出成形法は、最も広く利用されている成形法である。そして、射出成形法においてもっとも重要なツールが、射出成形用金型である。
【0008】
上記金型には、ホットランナ金型とコールドランナ金型の2種類の金型がある。ホットランナ金型は、溶融樹脂の通路であるスプール、ランナーの部分を加熱保温し、その中にある樹脂を常に溶融状態に保つ様にした金型であり、成形品だけを冷却して取り出す金型である。一方、コールドランナ金型は、一般的な金型であり、溶融樹脂の通路であるスプールおよびランナーを、製品と同様に金型内で冷却し、製品と同時に取り出しを行う金型である。
【0009】
射出成形工程の中で、冷却時間は、かなり長い時間を必要とする。冷却時間が占める割合は、保圧も含めて、約50%以上といわれる。特に、コールドランナ金型では、成形品の冷却時間だけでなく、溶融した樹脂の通路であるスプールおよびランナーの冷却時間までも必要とする。例えば、液晶表示装置に搭載されるライトガイドを成形品とする場合、成形品の厚みよりも、スプールおよびランナーの厚みの方が厚くなる。したがって、成形品の冷却時間よりも、スプールおよびランナーの溶融樹脂の方が、長い冷却時間を必要とする。
【0010】
通常、スプールおよびランナーの冷却が十分でない場合、スプールおよびランナー部において、溶融材料の固化が発生する。溶融材料が固化してしまうと、溶融材料が円滑に流動せず、成形品の品質低下につながってしまう。したがって、コールドランナ金型を使用する場合には、スプールおよびランナー内の溶融樹脂の冷却を確実に行うために冷却時間を十分にとっている。しかし、この方法では、成形サイクルが長くなるため、効率が悪く、生産性が低いという問題が生じる。
【0011】
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであって、成形品の品質を保持しつつ、樹脂の冷却時間を短縮し、成形サイクルの短縮を図ることが可能な成形用金型を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの観点では、成形装置において使用される金型は、樹脂材料を収容して成形品を製作するための樹脂成形部と、上記樹脂材料を上記樹脂成形部へ供給する供給通路と、上記供給通路の近傍に形成され、樹脂成型時に上記供給通路内に存在する上記樹脂材料を冷却するための冷却配管と、を備える。
【0013】
上記の金型によれば、樹脂材料から成形品を製作する際に、樹脂成形部内の樹脂材料を冷却するとともに、冷却配管を利用して供給通路内の樹脂材料を冷却する。コールドランナ金型の場合は、供給通路内の樹脂材料の冷却、固化に時間がかかるため成形サイクルが長くなる傾向があるが、上記の金型では、供給通路内の樹脂材料を、専用の冷却配管を使用して冷却するので、迅速に冷却、固化させることができる。その結果、成形サイクルを短縮することができる。
【0014】
上記の金型の一態様で、上記樹脂成形部の温度を調整するための温度制御用配管を備え、上記冷却配管は上記温度調整用配管とは別個に構成されている。このように、樹脂成形部の温度調整とは別個に供給通路専用の冷却配管を設けることにより、供給通路内の樹脂材料を迅速に冷却、固化させることができる。
【0015】
本発明の他の観点では、金型を備える成形装置において、上記金型は、樹脂材料を収容して成形品を製作するための樹脂成形部と、上記樹脂材料を上記樹脂成形部へ供給する供給通路と、上記供給通路の近傍に形成され、樹脂成型時に上記供給通路内に存在する上記樹脂材料を冷却するための冷却配管と、上記冷却配管とは別個に構成され、上記樹脂成形部の温度を制御するための温度制御用配管と、を備える。
【0016】
上記の成形装置によれば、金型を使用して樹脂材料から成形品を製作する際に、樹脂成形部内の樹脂材料を冷却するとともに、冷却配管を利用して供給通路内の樹脂材料を冷却する。コールドランナ金型の場合は、供給通路内の樹脂材料の冷却、固化に時間がかかるため成形サイクルが長くなる傾向があるが、上記の金型では、供給通路内の樹脂材料を、専用の冷却配管を使用して冷却するので、迅速に冷却、固化させることができる。その結果、成形サイクルを短縮することができる。
【0017】
上記の成形装置の一態様では、上記温度調整装置は、上記温度調整用配管内に第1の制御媒体を供給するとともに、上記冷却配管に、上記第1の制御媒体よりも低温の第2の制御媒体を供給する。これにより、樹脂成形部の温度とは独立に、冷却配管内に低温の制御媒体を供給することにより供給通路内の樹脂材料を迅速に冷却することができる。
【0018】
上記の成形装置の他の一態様では、上記第2の冷却配管の制御媒体の温度は30℃から50℃の範囲内とし、上記第1の制御媒体の温度は、80℃から110℃の範囲内とすることが好ましい。また、上記第1の制御媒体は、上記樹脂材料の冷却工程においてのみ上記冷却配管に供給することができる。これにより、冷却工程においてのみ供給通路内の樹脂材料を冷却して成形サイクルを短縮化することができるとともに、供給通路から樹脂成形部へ射出中に不必要に樹脂材料が冷却されることを防止することができる。
【0019】
一方、上記第1の制御媒体は、その温度を高めに設定して、継続的に前記冷却配管に供給するようにしてもよい。また、上記第1の制御媒体は、水、油脂類または気体とすることができる。
【0020】
本発明の他の観点では、樹脂材料を収容して成形品を製作するための樹脂成形部と、上記樹脂材料を上記樹脂成形部へ供給する供給通路と、上記供給通路の近傍に形成され、樹脂成型時に上記供給通路内に存在する上記樹脂材料を冷却するための冷却配管と、上記冷却配管とは別個に構成され、上記樹脂成形部の温度を制御するための温度制御用配管と、を備える金型を使用する成形方法において、上記樹脂材料を、上記供給通路を通じて上記樹脂成形部へ供給する工程と、上記温度制御用配管に第1の制御媒体を供給して上記樹脂成形部内の樹脂材料を冷却するとともに、上記冷却配管へ上記第1の制御媒体よりも低温の制御媒体を供給して上記供給通路内の樹脂材料を冷却する工程と、上記金型を開いて成形品を取り出す工程と、を有する。
【0021】
上記の成形方法によれば、金型を使用して樹脂材料から成形品を製作する際に、樹脂成形部内の樹脂材料を冷却するとともに、冷却配管を利用して供給通路内の樹脂材料を冷却する。コールドランナ金型の場合は、供給通路内の樹脂材料の冷却、固化に時間がかかるため成形サイクルが長くなる傾向があるが、上記の金型では、供給通路内の樹脂材料を、専用の冷却配管を使用して冷却するので、迅速に冷却、固化させることができる。その結果、成形サイクルを短縮することができる。
【0022】
本発明の他の観点では、導光板の製造方法は、上記成形方法を用いて、成形品として用いることができ、電気光学装置の製造方法は、上記成形方法を用いて、成形品として導光板を製造し、上記電気光学装置を製造することができる。
【0023】
なお、電気光学物質を有するパネルと、上記の成形方法により製造された光学部材と、を備える電気光学装置を製作することができ、さらにその電気光学装置を表示部として備える電子機器を製作することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0025】
本実施形態は、溶融した樹脂を供給して内部で固化させ、所定の形状に成形するための射出成形用金型に関するものである。また、本実施形態による成形用金型は、液晶表示装置に用いられるライトガイドに関するものである。以下、本実施形態について、詳細を説明するが、本発明の範囲は以下に述べる実施形態に限定されるものではない。
【0026】
[第1実施形態]
本実施形態は、コールドランナ金型方式において、金型内に設けられているスプールの冷却を促進させるため、スプール専用の冷却配管を備えることを特徴とする。また、スプール専用の冷却配管の制御媒体は、断続通水を行っていることを特徴とする。
【0027】
(射出成形機の構造)
射出成形機の例として、横型インラインスクリュー式油圧駆動射出成形機100の構造を図1に示す。但し、本発明は他の射出成形機に適用することも可能である。
【0028】
射出成形機は、プラスチック材料を溶かし射出する機構、金型を開閉する機構、およびそれらの駆動を制御する機構から構成される。射出方式は、例えば、インラインスクリュー方式、プランジャー方式、スクリュープリプラ方式などが挙げられる。型締方式は、例えば、直圧方式、トグル方式、複合方式などが挙げられる。駆動方式は、油圧方式、電動方式、空気圧方式などが挙げられる。機械形態としては、横型、縦型、縦横複合型、複数型などが挙げられる。この中で、横型インラインスクリュー式油圧駆動射出成形機100は現在、主流になっている。
【0029】
上記横型インラインスクリュー式油圧駆動射出成形機100の主要部分について、説明する。
【0030】
図1において、粒状あるいはペレット状のプラスチック材料を保存しているホッパー1から、プラスチック材料が加熱された射出シリンダー2へ落下する。射出シリンダー2内のスクリューの回転によるせん断作用により可塑化した材料はノズル15側に蓄積され、スクリューが射出シリンダー2内を後退することにより、必要量の可塑化材料が計量される。次に、スクリューの急速前進により、可塑化材料はノズル15を通じて金型3内に射出される。そして、金型3内の可塑化材料を冷却することにより成形品を製作する。
【0031】
金型3には、後述するように温度調整機構が設けられるが、本実施形態による金型3は、金型温調配管とは別に、溶融した樹脂の通路であるスプールの冷却促進用の配管を備えている。スプール専用の冷却配管を備えることにより、冷却時間を短縮することができる。そして、冷却後、型を開き、成形品を取り出す。
【0032】
(金型の構造)
次に、本実施形態による金型3の構造について詳しく説明する。
【0033】
図2は、図1に示す金型3の拡大図である。但し、図2(a)は図1と同様に装置横方向から観察した金型3の拡大図であり、図2(b)は装置上方から、要するに図1に示した矢印16の方向から観察した金型3の拡大図を示す。
【0034】
また、図3は、図2(a)に示す矢印17の方向から観察したランナープレート33aに備えられた冷却配管5の配置図を示す。この冷却配管5は、スプールの根元の冷却を促進させるために取り付けられたものである。
【0035】
図2に示された金型3の構造を以下に説明する。
【0036】
金型3の外側には、成形機へ取り付ける機構として、成形機取り付け板31、39が設けられている。また、溶融樹脂通路機構として、溶融した樹脂の通路であるスプール11が形成されたプレート32と、また、同様に溶融した樹脂の通路であるランナー12が形成されたランナープレート33aを備えるプレート33が設けられている。
【0037】
図4(a)はプレート32の斜視図であり、図4(b)はランナープレート33aが取り付けられたプレート33の斜視図である。プレート32プレート33とは図4における上下方向に接触状態で対向配置される。なお、図2(a)及び(b)において、符号55はプレート32と33の間に位置する溶融樹脂を模式的に示している。
【0038】
スプール11は、射出成形機のノズル15に接する部分からランナー12に至る溶融樹脂通路で、例えば、断面は円形である。また、ランナー12は、溶融樹脂がスプール11からゲート(溶融樹脂がランナーからキャビティに流入する入口;図示せず)に至る中間の通路であり、その断面は例えば円形または台形である。なお、スプール11及びランナー12の先に冷えて固化しかかった樹脂を除くため、溶融樹脂の溜まり場を設けても良い。
【0039】
図4(b)において、ランナープレート33a上の、スプール12に対応する位置を11aで示している。そして、この位置11aの裏側を一対のスプール専用冷却配管5が通過している。この様子を模式的に示したのが図3である。
【0040】
成形品を製作するために重要である金型内部空間4を構成しているプレートが、上述したプレート33と、キャビティプレート34である。プレート33にはコア(雄型)が形成され、また、キャビティプレート34には、キャビティ(雌型)が形成されている。両プレートの間に形成される空間に樹脂が供給されるようになっている。
【0041】
また、温度調節機構として、スプール専用の冷却配管5と金型温調配管6、7、8が設けられている。金型温調配管6はスプール11が取り付けられているプレート32に設けられている。また、金型温調配管7はプレート33に、金型温調配管8はキャビティプレート34に設けられている。この金型温調配管6、7、8は、金型全体、特に溶融樹脂を冷却するために配置されている。また、この金型温調配管6、7、8は、単に冷却するのみではなく、溶融された樹脂材料の温度を徐冷し、安定させる役目も兼ね備えている。PC(ポリカーボネイト)樹脂などによる成形品を作製する場合、設定温度は、例えば、80℃から110℃が好ましい。尚、金型温調配管6は、省略している場合がある。
【0042】
スプール専用の冷却配管5は、プレート33に設けられている。スプール専用の冷却配管5は、スプール12の根元の冷却を特に促進するものである。上記冷却配管5の制御媒体は、例えば、水、油脂類または気体でも良い。上記冷却配管5の制御媒体の設定温度は、金型温調配管6、7、8の制御媒体の温度より低めに設定する。主材料が、例えば、PC(ポリカーボネイト)樹脂などによる成形品を作製する場合、スプール専用の冷却配管5の制御媒体の設定温度は、例えば、30℃から50℃が好ましい。
【0043】
冷却配管5は、例えば、断続通水の状態が好ましい。溶融樹脂を射出している場合、温度設定の低い制御媒体を冷却配管5に供給していると、樹脂温度が低下する可能性がある。成形するときの溶融樹脂の温度は、その溶融樹脂がPC(ポリカーボネイト)樹脂などの場合、例えば、約300℃の設定が好ましい。しかし、上記溶融材料の温度が低いと、キャビティ内で、溶融材料が円滑に流動されない等の問題が発生し、成形品の品質低下につながってしまう。その問題点を考慮して、溶融樹脂の射出中には冷却配管5に通水せず、溶融樹脂の射出完了後、即ち金型内の樹脂の冷却時にのみ冷却配管5に通水することが好ましい。そして、さらに、温度設定の低い制御媒体を使用することによって、冷却時間の短縮化を図ることができる。
【0044】
また、離型機構として、エジェクタープレート37、38が設けられている。これは、射出成形にて作製されたプラスチック成形品を成形機から取り外すためのプレートである。このエジェクタープレート37、38によって、成形品は、自動的に押し出される。
【0045】
従来技術では、上記スプール専用の冷却配管5が設けられていない。そのため、成形品が、例えば、液晶表示装置などに使用されるライトガイド等の場合、成形品の冷却時間よりも、スプール内における溶融樹脂の冷却の方が長い時間を必要する。冷却工程の時間は、全工程の時間の50%以上占めているので、冷却工程に必要とする時間は、射出成形品の生産性に大きく関与する。つまり、冷却工程の改善化を図ることにより、生産性は大きく向上するといえる。例えば、冷却工程に必要とされる冷却時間を半分にすれば、成形工程全体、つまり生産時間は、25%以上の短縮が可能である。
【0046】
本実施形態では、冷却工程の時間短縮に着目し、スプール11の根元の冷却を推進するため、スプール専用の冷却配管5を設けている。冷却配管5の制御媒体の設定温度は、金型温調配管6、7、8の制御媒体の温度より低めに設定するのが好ましい。例えば、PC(ポリカーボネイト)樹脂などによる成形品を作製する場合、上記金型温調配管6、7、8の制御媒体の設定温度は、例えば、80℃から110℃が好ましく、また、上記冷却配管5の制御媒体の設定温度は、例えば、30℃から50℃が好ましい。この設定により、スプールの冷却時間の短縮化が図られる。さらに、制御媒体は、例えば、水、油脂類または気体でも良い。また、品質の安定化を図るため、断続通水の状態が好ましい。
【0047】
したがって、本実施形態は、スプール専用の冷却配管5を配置し、断続通水を実施することにより、射出成形の冷却工程の時間短縮化につながり、製品の品質を低下させることなく、生産性が向上するのである。
【0048】
[第2実施形態]
本実施形態は、第1実施形態と同様に、コールドランナ金型方式において、金型内に設けられているスプールの冷却を促進させるため、スプール専用の冷却配管を備える。但し、第1実施形態では、スプール専用の冷却配管5に断続通水を行っているが、これに対して、第2実施形態は、スプール専用の冷却配管5の制御媒体を溶融樹脂の種類に応じた温度に設定し、連続通水を行うことを特徴とする。
【0049】
既に述べたように、本実施形態のスプール専用の冷却配管5は、ランナープレート33aに設けられている。スプール専用の冷却配管5は、スプール11の根元の冷却を特に促進するものである。上記冷却配管5の制御媒体の設定温度は、金型温調配管6、7、8の制御媒体の温度より低めに設定する。
【0050】
第1実施形態では、冷却配管5の制御媒体を断続的に通水して、溶融樹脂の射出中にスプール内の溶融樹脂が固化してしまうことを防止している。これに対し、本実施形態では、スプール11内の溶融樹脂が固化しないように、スプール専用の冷却配管5に、断続通水する場合よりも高めの温度に設定した制御媒体を供給する。制御媒体の温度を高めに設定することにより、連続通水の方式を採用しても、射出時における溶融樹脂の温度が低下しすぎることを防止することが可能である。なお、この設定温度は、金型温調配管6、7、8の制御媒体の温度より低めに設定しているため、従来技術と比較して、冷却工程の時間短縮化につながる。制御媒体は、例えば、水、油脂類または気体でも良い。
【0051】
したがって、本実施形態は、スプール専用の冷却配管5を配置し、連続通水することにより、射出成形の冷却工程の時間を短縮することができる。よって、製品の品質を低下させることなく、成形サイクルを短縮し、生産性を向上させることができる。
(その他の実施形態)
本実施形態は、上述した金型3のみに限定されず、プレート33とランナープレート33aとが別個に設けられていない一体型プレートの金型でも同様に実施することが可能である。
(成形工程)
図5に、本実施形態による金型3を用いた成形工程を示す。
【0052】
工程P1において、型締めを実施する。つまり、金型3を高圧に締め、射出圧力で開かないようにする。
【0053】
次に、工程P2において、射出を実施する。射出シリンダー2が前進し、金型3のスプールに加熱筒のノズル5が当たる。そして、射出シリンダー2内の溶融樹脂を金型3内に高圧・高速で、射出する。
【0054】
射出停止後、工程P3において、射出シリンダー内の圧力を高圧のまま保持し、成形品の冷却をする。本実施形態では、金型全体の金型温調配管6、7、8だけでなく、スプール専用の冷却配管5を設置していることにより、冷却時間の短縮化を図ることができる。上記冷却配管5の制御媒体の設定温度は、金型温調配管6、7、8の制御媒体の温度より低めに設定する。例えば、PC(ポリカーボネイト)樹脂などによる成形品を作製する場合、上記金型温調配管6、7、8の制御媒体の設定温度は、例えば、80℃から110℃が好ましく、上記冷却配管5の制御媒体の設定温度は、例えば、30℃から50℃が好ましい。そして、制御媒体は、例えば、水、油脂類または気体でも良い。
【0055】
成形品の冷却後、工程P4において、金型を開く。
【0056】
工程P5において、成形品を金型から突き出す。同時にスプール11およびランナー12内の固化した樹脂材料も排出する。
【0057】
以上の成形工程により、1サイクルの工程が終了する。
【0058】
本実施形態の工程は、本発明によるスプール専用の冷却配管5を配置した金型3を使用している。従来の冷却工程では、成形品の冷却時間よりも、スプールの冷却時間の方が、長い時間を必要としていたが、本実施形態は、スプールの冷却時間を短縮することを可能としている。よって本実施形態によれば、冷却時間の全体を短縮することができる。したがって、冷却工程の時間短縮を図ることができ、成形品の品質を低下させることなく、生産性が向上する。
【0059】
(液晶表示装置)
図6に本実施形態を用いた液晶表示装置400の断面図を示す。液晶表示装置400は、大きく分けて液晶表示パネル300とバックライトユニット200で構成されている。
【0060】
まず、液晶表示パネル300の構成について説明する。
【0061】
ガラスなどの絶縁性基板109a、109bの表面に透明電極膜110a、110bがそれぞれ形成されると共に、液晶分子を一定の方向に配向させる図示しない配向膜がさらに設けられる。2枚の絶縁性基板109a、109bは、図示しないスペーサーにより一定の間隔を保持しながら、上述の透明電極膜110a、110bが対向するように、その周囲をシール材116により貼着される。2枚の絶縁性基板109a、109bの隙間に液晶材料が封入されることにより、液晶層111が2枚の絶縁性基板109a、109bにより挟持される。さらに、絶縁性基板109a、109bの外側には、それぞれ偏光板112a、112bや位相差板113a、113bが貼着され、これらにより液晶表示パネル300が形成されている。なお、絶縁性基板9aには、スイッチング素子などが形成されていても良い。
【0062】
上記透明電極膜110a、110bに電圧が印加されることにより、その間に挟持されている液晶分子の配列が変化し、偏光板112a、112bの吸収軸の方向と共にバックライトユニット200からの光の透過および不透過が制御され、所望の表示を得ることができる。
【0063】
バックライトユニット200は、本実施形態による金型3によって成形されたライトガイド117を配置している。ライトガイド117と光源であるLED118によりバックライトが構成されている。このバックライトユニット200は、本実施形態による工程を用いて成形されているので、生産性が高く、安価に作製することが可能である。
【0064】
[液晶表示パネルの製造方法]
次に、図6に示した液晶表示パネル300を製造する方法について、図7を参照して説明する。図7は、液晶表示パネル300の製造工程を示すフローチャートである。
【0065】
まず、基板109aを製作し(工程S1)、透明導電膜110aをスパッタリング法により成膜し、フォトリソグラフィ方式によってパターニングを実施し、透明電極膜110aを形成する(工程S2)。さらに透明電極膜110a上に図示しない配向膜を形成し、ラビング処理などを施す(工程S3)。
【0066】
一方、基板109bを製造する(工程S4)。さらに、赤色カラーフィルタ114a、緑色カラーフィルタ114b、青色カラーフィルタ114cの上に設けられたオーバーコート層115の上に透明導電膜110bをスパッタリング法により成膜し、フォトリソグラフィ方式によってパターニングを実施し、透明電極膜110bを形成する(工程S5)。その後、透明電極膜110b上に図示しないポリイミド樹脂などからなる配向膜を形成し、ラビング処理などを施す(工程S6)。
【0067】
そして、シール材116を介して、上記の基板109aと基板109bを貼り合わせて、パネル構造を構成する(工程S7)。基板109aと基板109bとは、基板間に分散配置された図示しないスペーサーなどによって、ほぼ規定の基板間隔となるように貼り合わせられる。
【0068】
その後、シール材116の図示しない開口部から液晶111を封入し、シール材の開口部を紫外線硬化性樹脂などの封止材によって封止する(工程S8)。こうして主要なパネル構造が完成した後に、位相差板113a、113bや偏光板112a、112b等を必要に応じてパネル構造の外面上に貼着などの方法によって取り付け(工程S9)、図6に示す液晶表示パネル300が完成する。
【0069】
[電子機器]
図8は、本実施形態の全体構成を示す概略構成図である。ここに示す電子機器は、上記の液晶表示装置400と、これを制御する制御手段410を有する。ここでは、液晶表示装置400を、パネル構造体400Aと、半導体ICなどで構成される駆動回路400Bとに概念的に分けて描いてある。また、制御手段410は、表示情報出力源411と、表示情報処理回路412と、電源回路413と、タイミングジェネレータ414と、を有する。
【0070】
表示情報出力源411は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などからなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスクなどからなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ414によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの形で表示情報を表示情報処理回路412に供給するように構成されている。
【0071】
表示情報処理回路412は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路などの周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKとともに駆動回路400Bへ供給する。駆動回路400Bは、走査線駆動回路、データ線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路413は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
【0072】
本発明に係る液晶表示装置を適用可能な電子機器の具体例としては、可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)携帯電話機、液晶テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ディジタルスチルカメラなどが挙げられる。
【0073】
[変形例]
また、本発明の電気光学装置は、パッシブマトリクス型の液晶表示パネルだけではなく、アクティブマトリクス型の液晶表示パネル(例えば、TFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)をスイッチング素子として備えた液晶表示パネル)にも同様に適用することが可能である。また、液晶表示パネルだけでなく、エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、フィールド・エミッション・ディスプレイ(電界放出表示装置)などの各種の電気光学装置においても本発明を同様に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関る横型インラインスクリュー式射出成形機の図を示す。
【図2】本発明に係る金型の断面図を示す。
【図3】本発明に係る金型のランナープレート及び冷却管の配置を模式的に示す。
【図4】金型のランナープレート部分を示す。
【図5】本発明の係る金型を用いた成形工程における主要図を示す。
【図6】本発明を適用した成形品を用いた液晶表示装置の構造を示す断面図である。
【図7】本発明を適用した液晶表示パネルの製造工程を示す図である。
【図8】本発明を適用した液晶表示装置を利用する電子機器の構成を示す。
【符号の説明】
1 ホッパー
2 射出シリンダー
3 金型
4 金型内部空間
5 冷却配管
6,7,8 金型温調配管
17 ライトガイド
31、39 成形機取り付け板
32、33 プレート
33a ランナープレート
34 キャビティプレート
37、38 エジェクタープレート
100 横型インラインスクリュー式油圧駆動射出成形機
200 バックライトユニット
300 液晶表示パネル
400 液晶表示装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融した樹脂を供給して内部で固化させ、所定の形状に成形するための成形用金型に関する。また、本発明は、携帯型小型テレビ、ページャ、壁掛けテレビ、ノート型パソコンや携帯型ゲーム機の電気光学装置等に用いられるライトガイドや導光体などの光学部材に関する。
【0002】
【背景技術】
プラスチック成形品は、自動車部品、電気、電子部品、日用品、雑貨などとして、家庭内外で広範囲に使用されている。上記プラスチック成形品の生産における重要な要素は、高品質、自動化の容易さ、生産性の高さなどが挙げられる。この観点から、プラスチックの成形法には種々の方法があるが、射出成形は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂ともに代表的な成形法として知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
射出成形を行うには、射出成形機を用いる。射出成形機の心臓部にあたる位置に取り付けられる成形用金型によって、所望の形状のプラスチック成形品を製造する。射出成形機は、成型用金型の他に、プラスチック材料を溶融し射出する機構、金型を開閉する機構、およびそれらの駆動を制御する機構から構成される。また、成形用金型は、溶融樹脂通路(スプール、ランナー)と成形品(キャビティ、コア)が形成される金型内部空間、離型機構、温度調節機構、成形機に取り付ける機構(ダイセット)から構成されている。
【0004】
上記射出成形機を用いた成形工程は、一般的に以下のとおりである。まず、粒状あるいはペレット状のプラスチック材料がホッパーから加熱シリンダーへ落下する。スクリューの回転によるせん断作用により可塑化した材料はノズル側に蓄積され、スクリューはシリンダー内を後退し、必要量を計量する。次に、スクリューの急速前進により、可塑化材料は金型内に射出され、金型内で冷却される。冷却が完了すれば、型を開き、成形品が取り出され、1サイクルが完了する。
【0005】
上記の工程で製作された成形品としては種々の製品が製作されるが、電気光学装置の一種である液晶表示装置の光学部材もそのような成形品として製作される。例えば、ライトガイドや導光体などが挙げられる。
【0006】
上記、ライトガイドと導光体は、液晶表示装置のバックライトユニットを構成する光学部材の一種である。ライトガイドと導光体は、光源、例えば、冷陰極蛍光ランプやLED(発光ダイオード)から入射した光を、本体内部に導光させながら、出射表面全体から光を出射させ、液晶表示パネルに照明光を照射している。そのため、ライトガイドや導光体から出射される光は、ばらつきのない、均一な特性が要求されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−77244号公報(第2頁―第3頁、
【図1】―
【図2】)
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、プラスチック成形法には、種々の方法があるが、その中でも射出成形法は、最も広く利用されている成形法である。そして、射出成形法においてもっとも重要なツールが、射出成形用金型である。
【0008】
上記金型には、ホットランナ金型とコールドランナ金型の2種類の金型がある。ホットランナ金型は、溶融樹脂の通路であるスプール、ランナーの部分を加熱保温し、その中にある樹脂を常に溶融状態に保つ様にした金型であり、成形品だけを冷却して取り出す金型である。一方、コールドランナ金型は、一般的な金型であり、溶融樹脂の通路であるスプールおよびランナーを、製品と同様に金型内で冷却し、製品と同時に取り出しを行う金型である。
【0009】
射出成形工程の中で、冷却時間は、かなり長い時間を必要とする。冷却時間が占める割合は、保圧も含めて、約50%以上といわれる。特に、コールドランナ金型では、成形品の冷却時間だけでなく、溶融した樹脂の通路であるスプールおよびランナーの冷却時間までも必要とする。例えば、液晶表示装置に搭載されるライトガイドを成形品とする場合、成形品の厚みよりも、スプールおよびランナーの厚みの方が厚くなる。したがって、成形品の冷却時間よりも、スプールおよびランナーの溶融樹脂の方が、長い冷却時間を必要とする。
【0010】
通常、スプールおよびランナーの冷却が十分でない場合、スプールおよびランナー部において、溶融材料の固化が発生する。溶融材料が固化してしまうと、溶融材料が円滑に流動せず、成形品の品質低下につながってしまう。したがって、コールドランナ金型を使用する場合には、スプールおよびランナー内の溶融樹脂の冷却を確実に行うために冷却時間を十分にとっている。しかし、この方法では、成形サイクルが長くなるため、効率が悪く、生産性が低いという問題が生じる。
【0011】
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであって、成形品の品質を保持しつつ、樹脂の冷却時間を短縮し、成形サイクルの短縮を図ることが可能な成形用金型を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの観点では、成形装置において使用される金型は、樹脂材料を収容して成形品を製作するための樹脂成形部と、上記樹脂材料を上記樹脂成形部へ供給する供給通路と、上記供給通路の近傍に形成され、樹脂成型時に上記供給通路内に存在する上記樹脂材料を冷却するための冷却配管と、を備える。
【0013】
上記の金型によれば、樹脂材料から成形品を製作する際に、樹脂成形部内の樹脂材料を冷却するとともに、冷却配管を利用して供給通路内の樹脂材料を冷却する。コールドランナ金型の場合は、供給通路内の樹脂材料の冷却、固化に時間がかかるため成形サイクルが長くなる傾向があるが、上記の金型では、供給通路内の樹脂材料を、専用の冷却配管を使用して冷却するので、迅速に冷却、固化させることができる。その結果、成形サイクルを短縮することができる。
【0014】
上記の金型の一態様で、上記樹脂成形部の温度を調整するための温度制御用配管を備え、上記冷却配管は上記温度調整用配管とは別個に構成されている。このように、樹脂成形部の温度調整とは別個に供給通路専用の冷却配管を設けることにより、供給通路内の樹脂材料を迅速に冷却、固化させることができる。
【0015】
本発明の他の観点では、金型を備える成形装置において、上記金型は、樹脂材料を収容して成形品を製作するための樹脂成形部と、上記樹脂材料を上記樹脂成形部へ供給する供給通路と、上記供給通路の近傍に形成され、樹脂成型時に上記供給通路内に存在する上記樹脂材料を冷却するための冷却配管と、上記冷却配管とは別個に構成され、上記樹脂成形部の温度を制御するための温度制御用配管と、を備える。
【0016】
上記の成形装置によれば、金型を使用して樹脂材料から成形品を製作する際に、樹脂成形部内の樹脂材料を冷却するとともに、冷却配管を利用して供給通路内の樹脂材料を冷却する。コールドランナ金型の場合は、供給通路内の樹脂材料の冷却、固化に時間がかかるため成形サイクルが長くなる傾向があるが、上記の金型では、供給通路内の樹脂材料を、専用の冷却配管を使用して冷却するので、迅速に冷却、固化させることができる。その結果、成形サイクルを短縮することができる。
【0017】
上記の成形装置の一態様では、上記温度調整装置は、上記温度調整用配管内に第1の制御媒体を供給するとともに、上記冷却配管に、上記第1の制御媒体よりも低温の第2の制御媒体を供給する。これにより、樹脂成形部の温度とは独立に、冷却配管内に低温の制御媒体を供給することにより供給通路内の樹脂材料を迅速に冷却することができる。
【0018】
上記の成形装置の他の一態様では、上記第2の冷却配管の制御媒体の温度は30℃から50℃の範囲内とし、上記第1の制御媒体の温度は、80℃から110℃の範囲内とすることが好ましい。また、上記第1の制御媒体は、上記樹脂材料の冷却工程においてのみ上記冷却配管に供給することができる。これにより、冷却工程においてのみ供給通路内の樹脂材料を冷却して成形サイクルを短縮化することができるとともに、供給通路から樹脂成形部へ射出中に不必要に樹脂材料が冷却されることを防止することができる。
【0019】
一方、上記第1の制御媒体は、その温度を高めに設定して、継続的に前記冷却配管に供給するようにしてもよい。また、上記第1の制御媒体は、水、油脂類または気体とすることができる。
【0020】
本発明の他の観点では、樹脂材料を収容して成形品を製作するための樹脂成形部と、上記樹脂材料を上記樹脂成形部へ供給する供給通路と、上記供給通路の近傍に形成され、樹脂成型時に上記供給通路内に存在する上記樹脂材料を冷却するための冷却配管と、上記冷却配管とは別個に構成され、上記樹脂成形部の温度を制御するための温度制御用配管と、を備える金型を使用する成形方法において、上記樹脂材料を、上記供給通路を通じて上記樹脂成形部へ供給する工程と、上記温度制御用配管に第1の制御媒体を供給して上記樹脂成形部内の樹脂材料を冷却するとともに、上記冷却配管へ上記第1の制御媒体よりも低温の制御媒体を供給して上記供給通路内の樹脂材料を冷却する工程と、上記金型を開いて成形品を取り出す工程と、を有する。
【0021】
上記の成形方法によれば、金型を使用して樹脂材料から成形品を製作する際に、樹脂成形部内の樹脂材料を冷却するとともに、冷却配管を利用して供給通路内の樹脂材料を冷却する。コールドランナ金型の場合は、供給通路内の樹脂材料の冷却、固化に時間がかかるため成形サイクルが長くなる傾向があるが、上記の金型では、供給通路内の樹脂材料を、専用の冷却配管を使用して冷却するので、迅速に冷却、固化させることができる。その結果、成形サイクルを短縮することができる。
【0022】
本発明の他の観点では、導光板の製造方法は、上記成形方法を用いて、成形品として用いることができ、電気光学装置の製造方法は、上記成形方法を用いて、成形品として導光板を製造し、上記電気光学装置を製造することができる。
【0023】
なお、電気光学物質を有するパネルと、上記の成形方法により製造された光学部材と、を備える電気光学装置を製作することができ、さらにその電気光学装置を表示部として備える電子機器を製作することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0025】
本実施形態は、溶融した樹脂を供給して内部で固化させ、所定の形状に成形するための射出成形用金型に関するものである。また、本実施形態による成形用金型は、液晶表示装置に用いられるライトガイドに関するものである。以下、本実施形態について、詳細を説明するが、本発明の範囲は以下に述べる実施形態に限定されるものではない。
【0026】
[第1実施形態]
本実施形態は、コールドランナ金型方式において、金型内に設けられているスプールの冷却を促進させるため、スプール専用の冷却配管を備えることを特徴とする。また、スプール専用の冷却配管の制御媒体は、断続通水を行っていることを特徴とする。
【0027】
(射出成形機の構造)
射出成形機の例として、横型インラインスクリュー式油圧駆動射出成形機100の構造を図1に示す。但し、本発明は他の射出成形機に適用することも可能である。
【0028】
射出成形機は、プラスチック材料を溶かし射出する機構、金型を開閉する機構、およびそれらの駆動を制御する機構から構成される。射出方式は、例えば、インラインスクリュー方式、プランジャー方式、スクリュープリプラ方式などが挙げられる。型締方式は、例えば、直圧方式、トグル方式、複合方式などが挙げられる。駆動方式は、油圧方式、電動方式、空気圧方式などが挙げられる。機械形態としては、横型、縦型、縦横複合型、複数型などが挙げられる。この中で、横型インラインスクリュー式油圧駆動射出成形機100は現在、主流になっている。
【0029】
上記横型インラインスクリュー式油圧駆動射出成形機100の主要部分について、説明する。
【0030】
図1において、粒状あるいはペレット状のプラスチック材料を保存しているホッパー1から、プラスチック材料が加熱された射出シリンダー2へ落下する。射出シリンダー2内のスクリューの回転によるせん断作用により可塑化した材料はノズル15側に蓄積され、スクリューが射出シリンダー2内を後退することにより、必要量の可塑化材料が計量される。次に、スクリューの急速前進により、可塑化材料はノズル15を通じて金型3内に射出される。そして、金型3内の可塑化材料を冷却することにより成形品を製作する。
【0031】
金型3には、後述するように温度調整機構が設けられるが、本実施形態による金型3は、金型温調配管とは別に、溶融した樹脂の通路であるスプールの冷却促進用の配管を備えている。スプール専用の冷却配管を備えることにより、冷却時間を短縮することができる。そして、冷却後、型を開き、成形品を取り出す。
【0032】
(金型の構造)
次に、本実施形態による金型3の構造について詳しく説明する。
【0033】
図2は、図1に示す金型3の拡大図である。但し、図2(a)は図1と同様に装置横方向から観察した金型3の拡大図であり、図2(b)は装置上方から、要するに図1に示した矢印16の方向から観察した金型3の拡大図を示す。
【0034】
また、図3は、図2(a)に示す矢印17の方向から観察したランナープレート33aに備えられた冷却配管5の配置図を示す。この冷却配管5は、スプールの根元の冷却を促進させるために取り付けられたものである。
【0035】
図2に示された金型3の構造を以下に説明する。
【0036】
金型3の外側には、成形機へ取り付ける機構として、成形機取り付け板31、39が設けられている。また、溶融樹脂通路機構として、溶融した樹脂の通路であるスプール11が形成されたプレート32と、また、同様に溶融した樹脂の通路であるランナー12が形成されたランナープレート33aを備えるプレート33が設けられている。
【0037】
図4(a)はプレート32の斜視図であり、図4(b)はランナープレート33aが取り付けられたプレート33の斜視図である。プレート32プレート33とは図4における上下方向に接触状態で対向配置される。なお、図2(a)及び(b)において、符号55はプレート32と33の間に位置する溶融樹脂を模式的に示している。
【0038】
スプール11は、射出成形機のノズル15に接する部分からランナー12に至る溶融樹脂通路で、例えば、断面は円形である。また、ランナー12は、溶融樹脂がスプール11からゲート(溶融樹脂がランナーからキャビティに流入する入口;図示せず)に至る中間の通路であり、その断面は例えば円形または台形である。なお、スプール11及びランナー12の先に冷えて固化しかかった樹脂を除くため、溶融樹脂の溜まり場を設けても良い。
【0039】
図4(b)において、ランナープレート33a上の、スプール12に対応する位置を11aで示している。そして、この位置11aの裏側を一対のスプール専用冷却配管5が通過している。この様子を模式的に示したのが図3である。
【0040】
成形品を製作するために重要である金型内部空間4を構成しているプレートが、上述したプレート33と、キャビティプレート34である。プレート33にはコア(雄型)が形成され、また、キャビティプレート34には、キャビティ(雌型)が形成されている。両プレートの間に形成される空間に樹脂が供給されるようになっている。
【0041】
また、温度調節機構として、スプール専用の冷却配管5と金型温調配管6、7、8が設けられている。金型温調配管6はスプール11が取り付けられているプレート32に設けられている。また、金型温調配管7はプレート33に、金型温調配管8はキャビティプレート34に設けられている。この金型温調配管6、7、8は、金型全体、特に溶融樹脂を冷却するために配置されている。また、この金型温調配管6、7、8は、単に冷却するのみではなく、溶融された樹脂材料の温度を徐冷し、安定させる役目も兼ね備えている。PC(ポリカーボネイト)樹脂などによる成形品を作製する場合、設定温度は、例えば、80℃から110℃が好ましい。尚、金型温調配管6は、省略している場合がある。
【0042】
スプール専用の冷却配管5は、プレート33に設けられている。スプール専用の冷却配管5は、スプール12の根元の冷却を特に促進するものである。上記冷却配管5の制御媒体は、例えば、水、油脂類または気体でも良い。上記冷却配管5の制御媒体の設定温度は、金型温調配管6、7、8の制御媒体の温度より低めに設定する。主材料が、例えば、PC(ポリカーボネイト)樹脂などによる成形品を作製する場合、スプール専用の冷却配管5の制御媒体の設定温度は、例えば、30℃から50℃が好ましい。
【0043】
冷却配管5は、例えば、断続通水の状態が好ましい。溶融樹脂を射出している場合、温度設定の低い制御媒体を冷却配管5に供給していると、樹脂温度が低下する可能性がある。成形するときの溶融樹脂の温度は、その溶融樹脂がPC(ポリカーボネイト)樹脂などの場合、例えば、約300℃の設定が好ましい。しかし、上記溶融材料の温度が低いと、キャビティ内で、溶融材料が円滑に流動されない等の問題が発生し、成形品の品質低下につながってしまう。その問題点を考慮して、溶融樹脂の射出中には冷却配管5に通水せず、溶融樹脂の射出完了後、即ち金型内の樹脂の冷却時にのみ冷却配管5に通水することが好ましい。そして、さらに、温度設定の低い制御媒体を使用することによって、冷却時間の短縮化を図ることができる。
【0044】
また、離型機構として、エジェクタープレート37、38が設けられている。これは、射出成形にて作製されたプラスチック成形品を成形機から取り外すためのプレートである。このエジェクタープレート37、38によって、成形品は、自動的に押し出される。
【0045】
従来技術では、上記スプール専用の冷却配管5が設けられていない。そのため、成形品が、例えば、液晶表示装置などに使用されるライトガイド等の場合、成形品の冷却時間よりも、スプール内における溶融樹脂の冷却の方が長い時間を必要する。冷却工程の時間は、全工程の時間の50%以上占めているので、冷却工程に必要とする時間は、射出成形品の生産性に大きく関与する。つまり、冷却工程の改善化を図ることにより、生産性は大きく向上するといえる。例えば、冷却工程に必要とされる冷却時間を半分にすれば、成形工程全体、つまり生産時間は、25%以上の短縮が可能である。
【0046】
本実施形態では、冷却工程の時間短縮に着目し、スプール11の根元の冷却を推進するため、スプール専用の冷却配管5を設けている。冷却配管5の制御媒体の設定温度は、金型温調配管6、7、8の制御媒体の温度より低めに設定するのが好ましい。例えば、PC(ポリカーボネイト)樹脂などによる成形品を作製する場合、上記金型温調配管6、7、8の制御媒体の設定温度は、例えば、80℃から110℃が好ましく、また、上記冷却配管5の制御媒体の設定温度は、例えば、30℃から50℃が好ましい。この設定により、スプールの冷却時間の短縮化が図られる。さらに、制御媒体は、例えば、水、油脂類または気体でも良い。また、品質の安定化を図るため、断続通水の状態が好ましい。
【0047】
したがって、本実施形態は、スプール専用の冷却配管5を配置し、断続通水を実施することにより、射出成形の冷却工程の時間短縮化につながり、製品の品質を低下させることなく、生産性が向上するのである。
【0048】
[第2実施形態]
本実施形態は、第1実施形態と同様に、コールドランナ金型方式において、金型内に設けられているスプールの冷却を促進させるため、スプール専用の冷却配管を備える。但し、第1実施形態では、スプール専用の冷却配管5に断続通水を行っているが、これに対して、第2実施形態は、スプール専用の冷却配管5の制御媒体を溶融樹脂の種類に応じた温度に設定し、連続通水を行うことを特徴とする。
【0049】
既に述べたように、本実施形態のスプール専用の冷却配管5は、ランナープレート33aに設けられている。スプール専用の冷却配管5は、スプール11の根元の冷却を特に促進するものである。上記冷却配管5の制御媒体の設定温度は、金型温調配管6、7、8の制御媒体の温度より低めに設定する。
【0050】
第1実施形態では、冷却配管5の制御媒体を断続的に通水して、溶融樹脂の射出中にスプール内の溶融樹脂が固化してしまうことを防止している。これに対し、本実施形態では、スプール11内の溶融樹脂が固化しないように、スプール専用の冷却配管5に、断続通水する場合よりも高めの温度に設定した制御媒体を供給する。制御媒体の温度を高めに設定することにより、連続通水の方式を採用しても、射出時における溶融樹脂の温度が低下しすぎることを防止することが可能である。なお、この設定温度は、金型温調配管6、7、8の制御媒体の温度より低めに設定しているため、従来技術と比較して、冷却工程の時間短縮化につながる。制御媒体は、例えば、水、油脂類または気体でも良い。
【0051】
したがって、本実施形態は、スプール専用の冷却配管5を配置し、連続通水することにより、射出成形の冷却工程の時間を短縮することができる。よって、製品の品質を低下させることなく、成形サイクルを短縮し、生産性を向上させることができる。
(その他の実施形態)
本実施形態は、上述した金型3のみに限定されず、プレート33とランナープレート33aとが別個に設けられていない一体型プレートの金型でも同様に実施することが可能である。
(成形工程)
図5に、本実施形態による金型3を用いた成形工程を示す。
【0052】
工程P1において、型締めを実施する。つまり、金型3を高圧に締め、射出圧力で開かないようにする。
【0053】
次に、工程P2において、射出を実施する。射出シリンダー2が前進し、金型3のスプールに加熱筒のノズル5が当たる。そして、射出シリンダー2内の溶融樹脂を金型3内に高圧・高速で、射出する。
【0054】
射出停止後、工程P3において、射出シリンダー内の圧力を高圧のまま保持し、成形品の冷却をする。本実施形態では、金型全体の金型温調配管6、7、8だけでなく、スプール専用の冷却配管5を設置していることにより、冷却時間の短縮化を図ることができる。上記冷却配管5の制御媒体の設定温度は、金型温調配管6、7、8の制御媒体の温度より低めに設定する。例えば、PC(ポリカーボネイト)樹脂などによる成形品を作製する場合、上記金型温調配管6、7、8の制御媒体の設定温度は、例えば、80℃から110℃が好ましく、上記冷却配管5の制御媒体の設定温度は、例えば、30℃から50℃が好ましい。そして、制御媒体は、例えば、水、油脂類または気体でも良い。
【0055】
成形品の冷却後、工程P4において、金型を開く。
【0056】
工程P5において、成形品を金型から突き出す。同時にスプール11およびランナー12内の固化した樹脂材料も排出する。
【0057】
以上の成形工程により、1サイクルの工程が終了する。
【0058】
本実施形態の工程は、本発明によるスプール専用の冷却配管5を配置した金型3を使用している。従来の冷却工程では、成形品の冷却時間よりも、スプールの冷却時間の方が、長い時間を必要としていたが、本実施形態は、スプールの冷却時間を短縮することを可能としている。よって本実施形態によれば、冷却時間の全体を短縮することができる。したがって、冷却工程の時間短縮を図ることができ、成形品の品質を低下させることなく、生産性が向上する。
【0059】
(液晶表示装置)
図6に本実施形態を用いた液晶表示装置400の断面図を示す。液晶表示装置400は、大きく分けて液晶表示パネル300とバックライトユニット200で構成されている。
【0060】
まず、液晶表示パネル300の構成について説明する。
【0061】
ガラスなどの絶縁性基板109a、109bの表面に透明電極膜110a、110bがそれぞれ形成されると共に、液晶分子を一定の方向に配向させる図示しない配向膜がさらに設けられる。2枚の絶縁性基板109a、109bは、図示しないスペーサーにより一定の間隔を保持しながら、上述の透明電極膜110a、110bが対向するように、その周囲をシール材116により貼着される。2枚の絶縁性基板109a、109bの隙間に液晶材料が封入されることにより、液晶層111が2枚の絶縁性基板109a、109bにより挟持される。さらに、絶縁性基板109a、109bの外側には、それぞれ偏光板112a、112bや位相差板113a、113bが貼着され、これらにより液晶表示パネル300が形成されている。なお、絶縁性基板9aには、スイッチング素子などが形成されていても良い。
【0062】
上記透明電極膜110a、110bに電圧が印加されることにより、その間に挟持されている液晶分子の配列が変化し、偏光板112a、112bの吸収軸の方向と共にバックライトユニット200からの光の透過および不透過が制御され、所望の表示を得ることができる。
【0063】
バックライトユニット200は、本実施形態による金型3によって成形されたライトガイド117を配置している。ライトガイド117と光源であるLED118によりバックライトが構成されている。このバックライトユニット200は、本実施形態による工程を用いて成形されているので、生産性が高く、安価に作製することが可能である。
【0064】
[液晶表示パネルの製造方法]
次に、図6に示した液晶表示パネル300を製造する方法について、図7を参照して説明する。図7は、液晶表示パネル300の製造工程を示すフローチャートである。
【0065】
まず、基板109aを製作し(工程S1)、透明導電膜110aをスパッタリング法により成膜し、フォトリソグラフィ方式によってパターニングを実施し、透明電極膜110aを形成する(工程S2)。さらに透明電極膜110a上に図示しない配向膜を形成し、ラビング処理などを施す(工程S3)。
【0066】
一方、基板109bを製造する(工程S4)。さらに、赤色カラーフィルタ114a、緑色カラーフィルタ114b、青色カラーフィルタ114cの上に設けられたオーバーコート層115の上に透明導電膜110bをスパッタリング法により成膜し、フォトリソグラフィ方式によってパターニングを実施し、透明電極膜110bを形成する(工程S5)。その後、透明電極膜110b上に図示しないポリイミド樹脂などからなる配向膜を形成し、ラビング処理などを施す(工程S6)。
【0067】
そして、シール材116を介して、上記の基板109aと基板109bを貼り合わせて、パネル構造を構成する(工程S7)。基板109aと基板109bとは、基板間に分散配置された図示しないスペーサーなどによって、ほぼ規定の基板間隔となるように貼り合わせられる。
【0068】
その後、シール材116の図示しない開口部から液晶111を封入し、シール材の開口部を紫外線硬化性樹脂などの封止材によって封止する(工程S8)。こうして主要なパネル構造が完成した後に、位相差板113a、113bや偏光板112a、112b等を必要に応じてパネル構造の外面上に貼着などの方法によって取り付け(工程S9)、図6に示す液晶表示パネル300が完成する。
【0069】
[電子機器]
図8は、本実施形態の全体構成を示す概略構成図である。ここに示す電子機器は、上記の液晶表示装置400と、これを制御する制御手段410を有する。ここでは、液晶表示装置400を、パネル構造体400Aと、半導体ICなどで構成される駆動回路400Bとに概念的に分けて描いてある。また、制御手段410は、表示情報出力源411と、表示情報処理回路412と、電源回路413と、タイミングジェネレータ414と、を有する。
【0070】
表示情報出力源411は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などからなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスクなどからなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ414によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの形で表示情報を表示情報処理回路412に供給するように構成されている。
【0071】
表示情報処理回路412は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路などの周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKとともに駆動回路400Bへ供給する。駆動回路400Bは、走査線駆動回路、データ線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路413は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
【0072】
本発明に係る液晶表示装置を適用可能な電子機器の具体例としては、可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)携帯電話機、液晶テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ディジタルスチルカメラなどが挙げられる。
【0073】
[変形例]
また、本発明の電気光学装置は、パッシブマトリクス型の液晶表示パネルだけではなく、アクティブマトリクス型の液晶表示パネル(例えば、TFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)をスイッチング素子として備えた液晶表示パネル)にも同様に適用することが可能である。また、液晶表示パネルだけでなく、エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、フィールド・エミッション・ディスプレイ(電界放出表示装置)などの各種の電気光学装置においても本発明を同様に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関る横型インラインスクリュー式射出成形機の図を示す。
【図2】本発明に係る金型の断面図を示す。
【図3】本発明に係る金型のランナープレート及び冷却管の配置を模式的に示す。
【図4】金型のランナープレート部分を示す。
【図5】本発明の係る金型を用いた成形工程における主要図を示す。
【図6】本発明を適用した成形品を用いた液晶表示装置の構造を示す断面図である。
【図7】本発明を適用した液晶表示パネルの製造工程を示す図である。
【図8】本発明を適用した液晶表示装置を利用する電子機器の構成を示す。
【符号の説明】
1 ホッパー
2 射出シリンダー
3 金型
4 金型内部空間
5 冷却配管
6,7,8 金型温調配管
17 ライトガイド
31、39 成形機取り付け板
32、33 プレート
33a ランナープレート
34 キャビティプレート
37、38 エジェクタープレート
100 横型インラインスクリュー式油圧駆動射出成形機
200 バックライトユニット
300 液晶表示パネル
400 液晶表示装置
Claims (13)
- 成形装置において使用される金型であって、
樹脂材料を収容して成形品を製作するための樹脂成形部と、
前記樹脂材料を前記樹脂成形部へ供給する供給通路と、
前記供給通路の近傍に形成され、樹脂成型時に前記供給通路内に存在する前記樹脂材料を冷却するための冷却配管と、を備えることを特徴とする金型。 - 前記樹脂成形部の温度を調整するための温度制御用配管を備え、前記冷却配管は前記温度調整用配管とは別個に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の金型。
- 金型を備える成形装置において、前記金型は、
樹脂材料を収容して成形品を製作するための樹脂成形部と、
前記樹脂材料を前記樹脂成形部へ供給する供給通路と、
前記供給通路の近傍に形成され、樹脂成型時に前記供給通路内に存在する前記樹脂材料を冷却するための冷却配管と、
前記冷却配管とは別個に構成され、前記樹脂成形部の温度を制御するための温度制御用配管と、を備えることを特徴とする成形装置。 - 前記温度調整装置は、前記温度調整用配管内に第1の制御媒体を供給するとともに、前記冷却配管に、前記第1の制御媒体よりも低温の第2の制御媒体を供給することを特徴とする請求項3に記載の成形装置。
- 前記第2の冷却配管の制御媒体の温度は30℃から50℃の範囲内であり、前記第1の制御媒体の温度は、80℃から110℃の範囲内であることを特徴とする請求項3又は4に記載の成形装置。
- 前記第2の制御媒体は、前記樹脂材料の冷却工程においてのみ前記冷却配管に供給されることを特徴とする請求項4に記載の成形装置。
- 前記第2の制御媒体は、継続的に前記冷却配管に供給されることを特徴とする請求項4に記載の成形装置。
- 前記第2の制御媒体は、水、油脂類または気体であることを特徴とする請求項3乃至7のいずれか一項に記載の成形装置。
- 樹脂材料を収容して成形品を製作するための樹脂成形部と、前記樹脂材料を前記樹脂成形部へ供給する供給通路と、前記供給通路の近傍に形成され、樹脂成型時に前記供給通路内に存在する前記樹脂材料を冷却するための冷却配管と、前記冷却配管とは別個に構成され、前記樹脂成形部の温度を制御するための温度制御用配管と、を備える金型を使用する成形方法において、
前記樹脂材料を前記供給通路を通じて前記樹脂成形部へ供給する工程と、
前記温度制御用配管に第1の制御媒体を供給して前記樹脂成形部内の樹脂材料を冷却するとともに、前記冷却配管へ前記第1の制御媒体よりも低温の制御媒体を供給して前記供給通路内の樹脂材料を冷却する工程と、
前記金型を開いて成形品を取り出す工程と、を有することを特徴とする成形方法。 - 請求項9に記載の成形方法を用いて、成形品として導光板を製造することを特徴とする導光板の製造方法。
- 請求項9に記載の成形方法を用いて、成形品として導光板を製造することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
- 電気光学物質を有するパネルと、
請求項9に記載の成形方法により製造された光学部材と、を備えることを特徴とする電気光学装置。 - 請求項12に記載の電気光学装置を表示部として備えることを特徴とする電子機器。
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JP2002257755A JP2004090555A (ja) | 2002-09-03 | 2002-09-03 | 金型、成形装置、成形方法、導光板の製造方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置及び電子機器 |
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JP2009172813A (ja) * | 2008-01-23 | 2009-08-06 | Meiki Co Ltd | 光学成形品の成形方法 |
-
2002
- 2002-09-03 JP JP2002257755A patent/JP2004090555A/ja not_active Withdrawn
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